JPH09110812A - アミノポリカルボン酸類の製造方法 - Google Patents

アミノポリカルボン酸類の製造方法

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JPH09110812A
JPH09110812A JP26583695A JP26583695A JPH09110812A JP H09110812 A JPH09110812 A JP H09110812A JP 26583695 A JP26583695 A JP 26583695A JP 26583695 A JP26583695 A JP 26583695A JP H09110812 A JPH09110812 A JP H09110812A
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acid
salt
aminopolycarboxylic
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JP26583695A
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English (en)
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Kazuya Okano
一哉 岡野
Eiji Taniyama
英二 谷山
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性の優れたアミノポリカルボン酸類を
簡便に製造する。 【解決手段】 アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミ
ノ酸類とアクリル酸類を塩基の存在下で反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性の高いア
ミノポリカルボン酸類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アミノポリカルボン酸類は、金属キレー
ト剤として、繊維・染色用薬剤、石鹸添加剤、洗剤用ビ
ルダー、めっき工業、写真用薬剤または漂白剤助剤等に
用いられている。このような分野においては、使用され
るキレート剤は使用後に廃水成分として環境中に放出さ
れる場合が多く、やがては環境中の重金属をキレートし
た形で河川水から飲料水に混入し、健康へ悪影響を与え
ることが懸念されている。これを防ぐためにはキレート
剤が生分解性であることが必要であるが、代表的なアミ
ノポリカルボン酸であるエチレンジアミンテトラ酢酸
(EDTA)は、生分解性が極めて低いことが従来から
指摘されており、これにかわる生分解性のキレート剤が
求められてきた。
【0003】生分解性キレート剤の構造としては、天然
アミノ酸骨格を有する形が種々提案されており、例えば
ドイツ特許2220295号公報においては、マレイン
酸にβ-アラニンを付加させることによりN−(2−カ
ルボキシエチル)−DL−アスパラギン酸を製造するこ
とが開示されている。しかながら、ラセミ体の生分解性
は天然の光学活性体に比べて劣ることが一般に知られて
いる(特開昭63−199295号公報)。また、特開
平7−89913号公報においては、生分解性の高いキ
レ−ト剤の製造方法として、アスパラギン酸とアクリロ
ニトリルを反応させてN−(2−シアノエチル)アスパ
ラギン酸またはN−ビス(2−シアノエチル)アスパラ
ギン酸を合成した後、硫酸で加水分解することによりN
−(2−カルボキシエチル)アスパラギン酸またはN,
N−ビス(2−カルボキシエチル)アスパラギン酸を製
造することが開示されている。しかしながら、この方法
は工程が2段階で繁雑であること、また硫酸アンモニウ
ムが副生することなどの問題点があり、工業的に製造す
るには難点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
キレ−ト剤として需要の高い、生分解性に優れたアミノ
ポリカルボン酸類を、より工業的に有利な方法で得るた
めの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題を
解決するため鋭意検討した結果、以下の工程からなる生
分解性キレート剤の新規合成法を発明するに至った。す
なわち、本発明の要旨は下記一般式(1)
【0006】
【化3】 (式中、R1は炭素数1から3のアルキレン基、Xは−
NH2、−CO2Mまたは−OMを表し、Mは水素原子、
塩形成カチオン、アルキル基またはアリ−ル基表す)
と、アクリル酸またはメタクリル酸、その塩もしくはエ
ステルを塩基の存在下、反応させることを特徴とする、
下記一般式(2)
【0007】
【化4】 (式中、R1、XおよびMは一般式(1)と同様であ
り、、R2、R3は水素原子、−CH2CH2CO2Mまた
は−CH2CH(CH3)CO2Mを表し、同時に水素原
子ではない)で表されるアミノポリカルボン酸類の製造
方法に存する。
【0008】
【発明の実施の態様】以下、本発明の詳細について述べ
る。本発明により製造されるアミノポリカルボン酸類と
しては、前記一般式(2)で表されるアミノポリカルボ
ン酸およびこれらのアルカリ金属塩、遷移金属塩もしく
はアンモニウム塩が挙げられる。前記一般式(2)で表
されるアミノポリカルボン酸として、具体的には、N−
(2−カルボキシエチル)アスパラギン酸、N,N−ビ
ス(2−カルボキシエチル)アスパラギン酸、N−(2
−カルボキシエチル)グルタミン酸、N,N−ビス(2
−カルボキシエチル)グルタミン酸、N−(2−カルボ
キシエチル)セリン、N,N−ビス(2−カルボキシエ
チル)セリン、N−(2−カルボキシプロピル)アスパ
ラギン酸、N,N−ビス(2−カルボキシプロピル)ア
スパラギン酸、N−(2−カルボキシプロピル)グルタ
ミン酸、N,N−ビス(2−カルボキシプロピル)グル
タミン酸、N−(2−カルボキシプロピル)セリン、
N,N−ビス(2−カルボキシプロピル)セリンなどを
例示することが出来る。
【0009】本発明の原料に用いられるアミノ酸として
はアスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン
等が例示でき、特にアスパラギン酸が好適である。光学
活性についてはL体、D体、ラセミ体いずれの原料も用
いることが出来るが、生体安全性や生分解性の観点から
はL体が好適である。本発明においては、アクリル酸ま
たはメタクリル酸(以下、(メタ)アクリル酸とする)
の使用量を変化させることによりアミノ酸窒素上のカル
ボキシアルキル基のモノ置換体とジ置換体をそれぞれ合
成することが出来る。モノ置換体を合成する場合にはア
ミノ酸に対して0.5から2当量、好ましくは1から
1.5当量の(メタ)アクリル酸を用い、ジ置換体を合
成する場合には1.5当量以上好ましくは2から3当量
の(メタ)アクリル酸を用いる。
【0010】反応は通常塩基の存在下行われる。塩基と
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアル
カリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、リン酸三ナトリウム、アルミン酸ナトリウムなどの
アルカリ金属塩、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類
金属水酸化物、トリエチルアミン、ピリジンなどの3級
アミン類、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テ
トラブチルアンモニウムなどの水酸化四級アンモニウム
塩を用いることが出来るが、好ましくはアルカリ金属水
酸化物である。塩基の使用量としては原料のアミノ酸の
アミノ基を遊離の状態に保つためのpHが保持できれば
よく、反応液中の全カルボン酸量(すなわち、アミノ酸
のカルボキシル基と、(メタ)アクリル酸のカルボキシ
ル基を合わせた全カルボン酸の当量)に対して0.2か
ら2当量、好ましくは0.8から1.2当量の塩基を用
いる。この塩基は反応開始当初に全量を加えても良い
が、反応の進行とともに徐々に加えることにより、反応
条件を最適にコントロールすることもできる。
【0011】反応溶媒は通常は水が用いられるが、必要
に応じ、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、アセトン、アセトニトリルなどの親
水性溶媒を用いることもできる。反応温度は室温から1
20℃、好ましくは50℃から100℃であり、しばし
ば溶媒の沸点による環流条件で操作される。
【0012】反応時間は原料、塩基、反応温度などによ
り影響を受けるが、約1時間から24時間、通常は3時
間から12時間で終了する。生成物の単離には、通常の
アミノポリカルボン酸の単離法を用いることが出来る。
すなわち、反応終了後には生成物であるアミノポリカル
ボン酸はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン
塩もしくはアンモニウム塩として存在している。これら
の塩は冷却、濃縮または貧溶媒を加え溶解度を落とすな
どの操作により、結晶として分離することが出来る。こ
の場合に用いられる貧溶媒はエタノール、メタノール、
イソプロパノール、アセトン、アセトニトリルなど水と
任意に混和する溶媒が用いられる。
【0013】また反応後のアミノポリカルボン酸がカル
シウムなどのアルカリ土類金属塩として存在している場
合に、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩を加え
ることにより、アミノポリカルボン酸のアルカリ金属塩
に変換することもできる。また前記反応液に酸を加えて
処理することにより、アミノポリカルボン酸を遊離の状
態で晶析させることもできる。この場合に用いられる酸
としては塩酸、硫酸などの鉱酸類;酢酸、シュウ酸など
の有機酸類が例示できる。さらに、塩を含む反応粗液に
電気透析を行うことにより、遊離のアミノポリカルボン
酸類を得ることも有効である。
【0014】また生成したアミノポリカルボン酸から金
属イオンなどを除去するためにイオン交換樹脂を用いる
ことも有効な精製法である。これらの操作により得られ
る遊離酸、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミ
ン塩またはアンモニウム塩などの形態はキレート剤、洗
剤ビルダー、酸化防止剤等に用いる場合に有用である。
【0015】一方、塩化第2鉄、塩化第2銅などの遷移
金属塩を作用させることにより、アミノポリカルボン酸
の鉄錯体、銅錯体などの遷移金属キレートとして単離す
ることができる。これらの遷移金属キレートは写真薬剤
や農業用の重金属付与剤として有用である。以下、実施
例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
【0016】
【実施例】
実施例1 水酸化ナトリウム14.5g(0.35M)を水100
mlに溶解し、ここにL−アスパラギン酸13.31g
(0.1M)、アクリル酸10.81g(0.15M)
を加え、還流温度で8時間反応させた。反応は液体クロ
マトグラフィーにより追跡した。反応終了後、濃塩酸3
5.4gを加え、4℃で晶析を行い、N−2−カルボキ
シエチル−L−アスパラギン酸15.35gを得た。
【0017】実施例2 水酸化カルシウム15.44g(0.2M)を水100
mlに加え、ここにL−アスパラギン酸13.31g
(0.1M)、アクリル酸14.41g(0.20M)
を加え、還流温度で8時間反応させた。反応温度を60
℃に下げ、炭酸ナトリウム23.32g(0.22M)
を加え、30分攪拌した。固体を濾別し、濾液を約50
mlに濃縮した。この濃縮液をエタノール1.3Lに攪
拌しながら投入し、得られた結晶を濾別することにより
N,N−ビス(2−カルボキシエチル)−L−アスパラ
ギン酸4ナトリウム塩33.62gを得た。
【0018】
【発明の効果】金属キレ−ト剤として有用なアミノポリ
カルボン酸類を、簡便に製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるアミノ酸 【化1】 (式中、R1は炭素数1から3のアルキレン基、Xは−
    NH2、−CO2Mまたは−OMを表し、Mは水素原子、
    塩形成カチオン、アルキル基またはアリ−ル基表す)
    と、アクリル酸またはメタクリル酸、その塩もしくはエ
    ステルを塩基の存在下、反応させることを特徴とする、
    下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1、XおよびMは一般式(1)と同様であ
    り、、R2、R3は水素原子、−CH2CH2CO2Mまた
    は−CH2CH(CH3)CO2Mを表し、同時に水素原
    子ではない)で表されるアミノポリカルボン酸類の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 塩基として、アルカリ金属の水酸化物、
    酸化物もしくは炭酸塩、3級アミンまたは4級アンモニ
    ウム塩を用いることを特徴とする請求項1記載のアミノ
    ポリカルボン酸類の製造方法。
  3. 【請求項3】 アミノ酸がアスパラギン酸である請求項
    1または2記載のアミノポリカルボン酸類の製造方法。
JP26583695A 1995-10-13 1995-10-13 アミノポリカルボン酸類の製造方法 Pending JPH09110812A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1371630A2 (en) * 2002-06-11 2003-12-17 Nippon Shokubai Co., Ltd. Aminopolycarboxylic acid aqueous solution composition and stabilization method of aminopolycarboxylic acid

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1371630A2 (en) * 2002-06-11 2003-12-17 Nippon Shokubai Co., Ltd. Aminopolycarboxylic acid aqueous solution composition and stabilization method of aminopolycarboxylic acid
US7319165B2 (en) 2002-06-11 2008-01-15 Nippon Shokubai Co., Ltd. Aminopolycarboxylic acid aqueous solution composition and stabilization method of aminopolycarboxlic acid
EP1371630B1 (en) * 2002-06-11 2008-10-01 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for preparing a stable aqueous aminopolycarboxylic acid solution composition

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