JPH09110467A - コバール封着用ガラス - Google Patents
コバール封着用ガラスInfo
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- JPH09110467A JPH09110467A JP7287939A JP28793995A JPH09110467A JP H09110467 A JPH09110467 A JP H09110467A JP 7287939 A JP7287939 A JP 7287939A JP 28793995 A JP28793995 A JP 28793995A JP H09110467 A JPH09110467 A JP H09110467A
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Abstract
紫外線ソラリゼーション性を有するため、液晶表示素子
用照明装置の光源等に用いられる細径蛍光ランプ用ガラ
ス管として好適なコバール封着用ガラスを提供する。 【解決手段】 重量百分率で、SiO2 55〜73
%、B2 O3 15.2〜25%、Al2 O3 1〜1
0%、Li2 O+Na2 O+K2 O 4〜16%、Zr
O2 0.01〜5%、TiO2 +PbO+Sb2 O3
0.05〜11%の組成を有し、30〜380℃の温
度範囲における線膨張係数が43〜55×10-7/℃で
あることを特徴とする。
Description
ouse Ele.Corp.社の商標名でFe−Ni−Co系合金。
本願においては、住友特殊金属社製KV−2、東芝社製
KOVなど、他社の同等製品も含む。)封着用ガラスに
関し、より具体的には、液晶表示素子等の照明装置の光
源となる細径蛍光ランプのガラス管に使用されるコバー
ル封着用ガラスに関するものである。
自然光や室内照明の光を利用する反射型液晶表示素子
と、専用の照明装置、例えばバックライトの光を用いる
透過型液晶表示素子とに大別される。腕時計や、小型の
電子卓上計算機等の特に低消費電力タイプのものには反
射型液晶表示素子が用いられるが、TFT液晶表示素子
等によるカラー表示や、車載用計器等の高品位な表示が
要求される用途には、蛍光ランプを光源とするバックラ
イトを用いた透過型液晶表示素子が主として使用されて
いる。
一般の照明用蛍光ランプと同様で、電極間の放電によっ
て封入された水銀ガス等が励起し、励起したガスから放
射される紫外線によってガラス管の内壁面に塗られた蛍
光体が可視光線を発光するというものである。しかし、
一般用の蛍光ランプとの大きな違いは、ガラス管の径が
細く、肉厚が薄いところにある。従来、この蛍光ランプ
のガラス管には、加工の容易さや照明用ガラスとしての
これまでの実績から鉛ソーダ系の軟質ガラスが使用さ
れ、導入金属としては安価なジュメットが使われてい
た。
低消費電力化に伴い、バックライト用の蛍光ランプにも
より一層の細径化、薄肉化が要求されているが、蛍光ラ
ンプの細径化は構造的に機械的強度の低下やランプの発
熱の増加を伴うため、ガラス管にはより高強度、且つ低
膨張であることが必要となる。また発光効率の向上のた
めに点灯回路の高周波化が進められ、これに伴って絶縁
体であるガラス管には低誘電損失化も求められている。
このため、従来の鉛ソーダ系の軟質ガラス材質ではこれ
らの要求を満足させることができなくなってきている。
的、機械的に強度が高く、低誘電損失の点でも有利なホ
ウケイ酸系の硬質ガラスを用いて蛍光ランプを作製する
ことが検討された。その結果、気密封止可能な硬質ガラ
スと金属の組合せとして、従来より知られているコバー
ル封着用ガラスとコバール金属を用いた蛍光ランプが開
発され、商品化されている。
たバックライト用蛍光ランプのガラス管は、従来からあ
る電子管やフォトキャップ等の電子部品の気密封止やレ
ンズとして一般に使われているホウケイ酸系のコバール
封着用ガラス材質をそのまま使用し、これを単に細管状
に成形、加工したものであるため、励起された水銀ガス
等から放出される紫外線によってガラスが変色(いわゆ
る、紫外線ソラリゼーション)してしまう。ガラスが変
色すると、輝度の低下や発光色のずれが起こり、液晶表
示素子に表示の暗さや演色性の劣化といった品質の劣化
を与えることになる。
反射又は吸収する成分であるAl2O3 やTiO2 のコ
ーティングを行い、その上に蛍光体を塗布して多層膜を
形成し、ガラスに達する紫外線の強度を弱めるといった
方法が一部では実施されているが、この方法において
は、生産コストの上昇を伴うばかりか、より細径化が進
むにつれて均質な多層膜を形成することが困難になる。
このような事情から、蛍光ランプ用ガラス管として使用
可能な耐紫外線ソラリゼーション性を持ったコバール封
着用ガラスの開発が強く求められている。
あり、コバールと封着可能であり、しかも十分な耐紫外
線ソラリゼーション性を有するため、液晶表示素子用照
明装置の光源等に用いられる細径蛍光ランプ用ガラス管
として好適なコバール封着用ガラスを提供することを目
的とするものである。
封着用ガラスは、重量百分率で、SiO2 55〜73
%、B2 O3 15.2〜25%、Al2 O3 1〜1
0%、Li2 O+Na2 O+K2 O 4〜16%、Zr
O2 0.01〜5%、TiO2 +PbO+Sb2 O3
0.05〜11%の組成を有し、30〜380℃の温
度範囲における線膨張係数が43〜55×10-7/℃で
あることを特徴とする。
光ランプ用ガラス管として使用されることを特徴とす
る。
分の含有量を上記のように限定した理由は以下の通りで
ある。
に必要な主成分であり、その含有量は55〜73%、好
ましくは61〜72%である。SiO2 が73%より多
いと線膨張係数が低くなりすぎると共に溶解性が悪化
し、55%より少ないと化学的耐久性が悪化し、これに
よってガラス表面にヤケ等が生じた場合には蛍光ランプ
の輝度低下の原因になる。
めに必要な成分であり、その含有量は15.2〜25
%、好ましくは16〜24%である。B2 O3 が25%
より多いと粘度が下がり過ぎたり、蒸発によって均質な
ガラスが得られなくなったり、化学的耐久性が悪化する
といった問題が発生し、15.2%より少ないと溶解が
困難になり、且つ、コバール封着用としては粘度が高く
なりすぎる。
のに著しい効果があり、その含有量は1〜10%、好ま
しくは1〜4.9%である。Al2 O3 が10%より多
いとガラスの溶解が困難になり、1%より少ないと、ガ
ラスが失透し易くなり、均質なガラスの製造や安定した
成形が困難になる。
2 O、及びK2 Oはガラスの溶解を容易にし、膨張係数
や粘度を調節するために添加する成分であり、その含有
量は合量で4〜16%、好ましくは5.1〜13%であ
る。これら成分の合量が16%以上では膨張係数が高く
なりすぎ、また粘度が下がり過ぎてコバール封着には適
さず、且つ化学的耐久性の大幅な低下を招き、4%未満
では逆に膨張係数が小さくなり過ぎる。なお各成分の含
有量は、Li2 O 0〜4%(好ましくは0〜3%)、
Na2 O 0〜4.5%(好ましくは0〜3.9%)、
K2 O 0〜15%(好ましくは0〜13%)の範囲が
好適である。Li2 Oが4%より多いと失透性が悪化し
易くなるとともに熱膨張係数が高くなり過ぎ、Na2 O
が4.5%より多いと蛍光ランプ製造時の熱工程におい
てNaイオンが蛍光体を汚染し、輝度の低下を引き起こ
したり、熱膨張係数が高くなり過ぎる可能性がある。K
2Oが15%を越えると熱膨張係数が高くなり過ぎるこ
とがある。
であり、その含有量は0.01〜5%、好ましくは0.
1〜3%である。ZrO2 が5%より多いと失透性が悪
化してガラスが不均一になり、寸法精度が悪くなった
り、外観上の欠陥が生じ、高品質のガラスが得られな
い。一方、0.01%より少ないと化学耐久性が悪化す
る。このため蛍光ランプ用ガラス管として使用すると、
アルカリ吹きが起こって蛍光体を均一に塗布できなかっ
たり、ヤケ等の問題が生じる。
ガラスに高い耐紫外線ソラリゼーション性を付与する成
分であり、その合量は0.05〜11%、好ましくは
0.1〜5.5%である。これら成分の合量が11%を
越えるとガラスの失透や蒸発等の影響が強くなり、均質
で寸法精度の良い管状ガラスが得難くなる。一方、0.
05%未満の場合はその効果が殆どない。なおTiO2
を必須成分として含む場合、各成分の含有量は、TiO
2 0.05〜5%(好ましくは0.1〜3%)、Pb
O 0〜10%(好ましくは0〜5.5%)、Sb2 O
3 0〜4%(好ましくは0〜1%)である。PbOを
必須成分として含む場合、各成分の含有量は、TiO2
0〜5%(好ましくは0〜2%)、PbO 0.05
〜10%(好ましくは0.1〜5.5%)、Sb2 O3
0〜4%(好ましくは0〜1%)である。またSb2
O3 を必須成分として含む場合、各成分の含有量は、T
iO2 0〜5%(好ましくは0〜2%)、PbO 0
〜10%(好ましくは0〜5.5%)、Sb2 O3
0.1〜4%(好ましくは0.2〜1%)の範囲が好適
である。なお何れの場合もTiO2 が所定量を越えると
ガラス自身が着色し易くなり、また失透性も急激に悪化
するため透明で均質なガラスが得難くなる。PbOが所
定量を越えるとTiO2 と同様にガラス自身が着色し易
くなり、また溶融時に蒸発して均質なガラスが得難くな
るとともに環境上好ましくない。Sb2 O 3 が所定量を
越えると均質なガラスを得ることが難しくなる。またP
bOやSb2 O3 がガラス中に過剰に含有されている
と、蛍光ランプの製造工程における熱加工によってガラ
スが茶色や黒色に着色してしまい、外観品位が劣化す
る。しかも蛍光ランプに使用する場合は、有効発光部分
に着色が生じると輝度の低下に直接つながるため好まし
くない。
粘度の調整や耐候性、溶解性、清澄性を改善する目的
で、SrO、BaO、CaO、MgO、ZnO、P2 O
5 、As2 O3 、SO3 、F2 、Cl2 等の成分を適量
添加することが可能である。
度範囲における線膨張係数を43〜55×10-7/℃に
限定した理由は、線膨張係数がこの範囲から外れるとコ
バール金属の膨張係数との不整合により、スローリーク
やクラックが発生し、蛍光ランプとしての機能が損なわ
れるためである。
に基づいて説明する。
o.1〜18)及び比較例(試料No.19)を示して
いる。
のようにして調製した。
を調合した後、白金坩堝を用いて1550℃で5時間溶
解した。溶解後、融液を所定の形状に成形、加工して各
ガラス試料を作製し、それらの30〜380℃の温度範
囲における線膨張係数、及び紫外線照射前後の分光透過
率を測定し、各特性を表に示した。
あるNo.1〜18の各試料は、線膨張係数が45.3
〜54.6×10-7/℃であり、コバールのそれと近似
しており、また紫外線照射による透過率の低下が1.0
%以下と殆どないため、高い耐紫外線ソラリゼーション
性を有していることが理解できる。
は、線膨張係数はコバールと封着可能である43〜55
×10-7/℃の範囲内にはあるが、TiO2 、PbO、
Sb2 O3 を何れも全く含有していないため紫外線照射
による透過率の低下が7%以上と大きく、耐紫外線ソラ
リゼーション性が非常に低かった。
3mm、長さ約50mmの円柱に加工した後に、自記示
差熱膨張計で、30〜380℃の温度範囲における平均
線膨張係数を測定したものである。
して評価した。まず厚さ1mmの板状ガラスの両面を鏡
面研磨して試料を得た。次いで紫外線照射前の試料の透
過率が80%を示す光の波長を測定した。さらにその試
料に40Wの低圧水銀ランプによって主波長253.7
nmの紫外線を60分間照射した後、照射前に透過率8
0%を示した波長における透過率を改めて測定すること
によって、紫外線照射による透過率の低下を求めた。こ
の時、耐紫外線ソラリゼーション性の劣るガラスほどこ
の透過率低下が大きくなるが、液晶バックライト等の蛍
光ランプ用ガラス管としては、この低下が殆どないこと
が重要である。
ラスは、コバール金属との封着に適した43〜55×1
0-7/℃の線熱膨張係数を有し、しかも優れた耐紫外線
ソラリゼーション性を有するため、蛍光ランプ用ガラス
管、特に液晶表示素子用照明装置の光源となる細径蛍光
ランプのガラス管用材質として好適である。
て作製した液晶表示素子用照明装置の細径蛍光ランプ用
ガラス管は、耐紫外線ソラリゼーション性が高いため、
ガラスの変色に起因する液晶表示素子の品質の劣化を防
止することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量百分率で、SiO2 55〜73
%、B2 O3 15.2〜25%、Al2 O3 1〜1
0%、Li2 O+Na2 O+K2 O 4〜16%、Zr
O2 0.01〜5%、TiO2 +PbO+Sb2 O3
0.05〜11%の組成を有し、30〜380℃の温
度範囲における線膨張係数が43〜55×10-7/℃で
あることを特徴とするコバール封着用ガラス。 - 【請求項2】 重量百分率で、SiO2 61〜72
%、B2 O3 16〜24%、Al2 O3 1〜4.9
%、Li2 O+Na2 O+K2 O 5.1〜13%、Z
rO2 0.1〜3%、TiO2 +PbO+Sb2 O3
0.1〜5.5%の組成を有することを特徴とする請
求項1のコバール封着用ガラス。 - 【請求項3】 蛍光ランプ用ガラス管として使用される
ことを特徴とする請求項1又は2のコバール封着用ガラ
ス。
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- 1995-10-09 JP JP28793995A patent/JP3903490B2/ja not_active Expired - Fee Related
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