JP2002068775A - 照明用ガラス外囲器 - Google Patents

照明用ガラス外囲器

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JP2002068775A
JP2002068775A JP2000260591A JP2000260591A JP2002068775A JP 2002068775 A JP2002068775 A JP 2002068775A JP 2000260591 A JP2000260591 A JP 2000260591A JP 2000260591 A JP2000260591 A JP 2000260591A JP 2002068775 A JP2002068775 A JP 2002068775A
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glass
ultraviolet
deterioration
transmittance
wavelength
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Nobuo Inuzuka
信夫 犬塚
Makoto Sano
真 佐野
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AGC Techno Glass Co Ltd
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Asahi Techno Glass Corp
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  • Glass Compositions (AREA)
  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な耐紫外線ソラリゼーション性を持ち、
かつ有害紫外線を透過しない照明用ガラス外囲器を提供
すること。 【解決手段】 質量%で、Fe0.001〜0.
05%、TiO0.05〜3%、ZrO0.01
〜3%を含有し、0℃〜300℃までの温度範囲におけ
る平均線膨張係数が34〜43×10−7/℃である硼
珪酸系ガラスからなり、波長253.7nmにおける肉
厚1mmでの透過率が1%以下であり、所定の紫外線照
射試験における劣化度が1%以下であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光ランプ用ガラ
ス管に関し、特に液晶ディスプレイ(以下LCDと称す
ことがある)等の表示デバイスのバックライトに用いら
れる蛍光ランプ用ガラス管に適した照明用ガラス外囲器
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディア関連機器のキーデ
バイスとしてLCDは広く用いられているが、その用途
の拡大とともに軽量化、薄型化、高輝度化、低消費電力
化などが求められるようになっている。特にパソコン用
ディスプレイ、車載用表示装置、携帯情報端末等では高
品位な表示品質が要求されている。一方、液晶表示素子
自体は非発光であるため、上記のような用途では、蛍光
ランプを光源とするバックライトを用いた透過型液晶表
示素子が使用されている。
【0003】上述のようにLCDに軽量化、薄型化、高
輝度化、低消費電力化などが求められていることから、
同様にバックライトにも一層の小型軽量化、高輝度化、
低消費電力化が求められ、バックライト用蛍光ランプに
おいては細管化、薄肉化が進展している。
【0004】しかし、蛍光ランプの細管化、薄肉化は、
機械的強度の低下、発熱量増大による電極部の温度上昇
をもたらす。このため、バックライト用の蛍光ランプに
使用されるガラス管には、より高強度で低膨張性である
ガラスが必要とされている。
【0005】従来、この種の蛍光ランプのガラス管に
は、照明用ガラスとしての実績があり加工性に優れた鉛
ソーダ系の軟質ガラスが使用されてきた。ところが、バ
ックライト用途で管径、肉厚が小さくなるに連れて、製
品の信頼性において十分な強度や耐熱性を確保すること
が困難となり、鉛ソーダ系の軟質ガラスよりも熱的、機
械的強度が高い硼珪酸系硬質ガラスを用いて蛍光ランプ
を作製することが検討され、気密封止可能な金属と硬質
ガラスの組合せとして、従来から電球などの封入線とし
て知られているタングステンとタングステン封着用ガラ
スを用いた蛍光ランプが開発され、商品化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】バックライト用蛍光ラ
ンプの発光原理は、一般照明用蛍光ランプと同様、蛍光
管内の電極間放電により励起された水銀蒸気やキセノン
ガスが253.7nmの紫外線を放出し、管内壁面に塗
布されている蛍光体が発光することによるものである。
しかし、紫外線にはガラスに変色を引き起こす作用があ
ることが知られており、紫外線に対して何の対策も取っ
ていないガラスでは、紫外線照射によりソラリゼーショ
ンと呼ばれる変色作用を生ずる。蛍光管ガラスでソラリ
ゼーションが起こると、結果としてランプ輝度の低下、
発光色の変色となり、バックライトではLCDの表示が
暗くなったり表示色が不鮮明になったりするなど表示品
質の低下を招く。また、紫外線がバックライト用ガラス
管を透過して管外に放出されると、LCD表示装置内部
の樹脂部品等の材質劣化を促進させる問題がある。
【0007】特に表示デバイスの薄型軽量化に有利なバ
ックライト方式として、透明導光体の側端面に光源を配
し、導光体の一面を反射・拡散処理して、光を多重反射
させることにより面光源とするエッジライト方式が知ら
れているが、この方式では構造上、導光体が必要なこ
と、軽量化のため導光体にはアクリル系樹脂等の樹脂部
品が使用されることから、バックライト用光源からの紫
外線漏洩は、導光体の劣化・着色による光透過率の低下
をもたらし、光源近傍で樹脂の劣化が生ずると表示面全
体の明るさが低下するため、上記蛍光管ガラスでのソラ
リゼーションとともに表示品質に与える影響が大きい。
【0008】上記した鉛ソーダ系ガラスでは、ガラス成
分として含有されている鉛が耐紫外線ソラリゼーション
性、紫外線カット性能を有していたため、これらが問題
となることはなかったが、硼珪酸系のタングステン封着
用ガラスは、紫外線による作用に対してはガラス材質と
しての対策は取られておらず、紫外線ソラリゼーショ
ン、紫外線透過の問題が避けられなかった。
【0009】このため、従来のタングステン封着用ガラ
スを蛍光ランプ用外管に使用する場合、ガラス管内面に
紫外線を反射又は吸収する成分であるAl23 やTi
2 のコーティングを行い、その上に蛍光体を塗布して
多層膜を形成し、ガラスに達する紫外線の強度を弱める
といった措置も取られている。しかし、このような方法
は、ガラス管の細径化にともなう塗布の困難化や塗布工
程の増加によるコスト上昇が避けられない。
【0010】以上のような背景から、タングステンと封
着可能な熱膨張係数を持ち、耐紫外線ソラリゼーション
性を有するガラスとして特開平9−77529号公報に
開示のガラスが提案されている。このガラスは硼珪酸系
ガラスにPbO,TiO2,Sb23の少なくとも1種
以上を添加することにより耐紫外線ソラリゼーション性
を持たせたものである。
【0011】このガラスにより紫外線によるソラリゼー
ションの問題は解消されるが、いずれのガラスも環境有
害物質であるPbOの含有を許容しており、環境保護の
観点からは好ましいとは言えない。
【0012】本発明は以上のような諸事情を考慮してな
されたものであり、タングステンとの封着が可能で十分
な耐紫外線ソラリゼーション性を持ち、かつ有害紫外線
を透過しない照明用ガラス外囲器を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は質量%で、Fe0.001〜0.0
5%、TiO0.05〜3%、ZrO0.01〜
3%を含有し、0℃〜300℃までの温度範囲における
平均線膨張係数が34〜43×10−7/℃である硼珪
酸系ガラスからなり、波長253.7nmにおける肉厚
1mmでの透過率が1%以下であり、以下の紫外線照射
試験における劣化度が3%以下であることを特徴とする
照明用ガラス外囲器である。ここで、前記紫外線照射試
験における劣化度は、両面を光学研磨した肉厚1mmの
ガラス研摩面を主波長253.7nmの400W高圧水
銀ランプから20cmの位置に対向させて配置し、30
0時間紫外線を照射した後、波長400nmにおける透
過率(T)を測定し、紫外線照射前の波長400nmに
おける初期透過率(T)からの劣化度を次式により求め
た。 劣化度(%)=[(T−T)/T]×100
【0014】本発明において、上記構成を規定した理由
を以下に説明する。まず、硼珪酸系ガラスは、従来の鉛
ソーダ系軟質ガラスに比べて機械的強度、耐熱性に優れ
ており、蛍光管の細径・薄肉化に有利であるため、基本
組成として硼珪酸系のガラスを使用する。
【0015】次に、0℃〜300℃までの温度範囲にお
ける平均線膨張係数を34〜43×10−7/℃とした
のは、この範囲であれば、タングステンの平均熱膨張係
数45×10−7/℃と近い値で、かつタングステンよ
りもやや低めの値となり、ガラスの固着点以下での膨張
・収縮挙動が類似していることからタングステンとの良
好かつ信頼性の高い封着性が得られるからである。平均
線膨張係数が前記範囲を外れると、タングステンとの整
合性が悪く、封着部でのクラックやリークの原因となっ
て蛍光ランプとして信頼性のあるものが得られない。よ
り好ましくは36〜42×10−7/℃の範囲である。
【0016】また以上のような硼珪酸系ガラスにFe
0.001〜0、05%、TiO 0.05〜3
%、ZrO0.01〜3%を必須成分として含有さ
せた理由は以下のとおりである。Feは紫外線吸
収が顕著であるため添加するが、前記下限値未満では顕
著な紫外線カット効果が認めらず、前記上限値を越える
と耐紫外線ソラリゼーション性にマイナスの影響が現れ
るので好ましくない。より好ましくは0.003〜0.
03%である。
【0017】TiOは耐紫外線ソラリゼーション性及
び紫外線カット性能を付与する目的で添加するが、前記
下限値未満では紫外線照射に対する着色防止効果が認め
らず、前記上限値を越えるとガラスに着色傾向が現れる
ので好ましくない。より好ましくは0.2〜1%であ
る。
【0018】ZrOは、ガラスの化学的耐久性の改
善及び分相抑制に効果が期待できるが、その含有量が
0.01%未満ではその効果が十分でなく、3%を越え
るとガラスが不均一になりやすく、細管に成形した際に
肉厚や寸法の精度がばらつく原因になるので好ましくな
い。特に硼珪酸系ガラスにおいて、Fe、W
、Nb、Bi、CeO等のガラスに
着色を与えることのある成分を含有している場合、溶融
成形工程でガラスに分相が生じると、分相部分が起点と
なって着色が現れることがあるため、本発明においては
ガラスの着色防止のためにも必要な成分である。
【0019】また、上述のように本発明のガラスをLC
D表示装置等のバックライト用蛍光ランプに使用した場
合、紫外線がガラス管を透過して管外に放出されると、
LCD表示装置内部の樹脂部品等の材質劣化を促進さ
せ、製品寿命や信頼性を低下させる原因になるため、本
発明では上記成分により紫外線カット特性を持たせ、ガ
ラスを肉厚1mmに光学研磨した状態で、波長253.
7nmにおける紫外線透過率を1%以下としている。実
際の蛍光ランプにおけるガラス肉厚はさらに薄いが、こ
の程度まで紫外線透過が抑えられていれば、実用上問題
は生じない。可視光の透過に影響を及ぼさず、より好ま
しい品質レベルを求めるのであれば、肉厚1mmで0.
1%以下にすることができる。
【0020】また、本発明において、紫外線照射試験に
おける劣化度を上記のように定めた理由は次のとおりで
ある。普通、強紫外線源の近傍にガラスを曝す促進試験
では、1〜数時間で着色傾向(着色し易いガラスか否か)
は確認できるが、100時間を越えるとその程度は次第
に緩やかになり、300時間経過時点ではほぼソラリゼ
ーションによる着色限界に近い状態を確認することがで
きる。このため、実製品における長期間使用時の透過率
低下の影響をより正確に把握できる。このときの透過率
評価波長400nmは、明るさに最も影響を与え易いと考
えられる波長を選択した。このような条件の試験におけ
る透過率の劣化度が3%以下であれば、蛍光ランプ用ガ
ラス管に起因するLCD表示の暗化を使用者が認識し得
ない程度に抑えることができ、実用的な表示品質を維持
できる。
【0021】また、本発明は、前記硼珪酸系ガラスが、
質量%で、SiO2 68〜80%、Al23 1〜10
%、B23 10〜25%、Li2 O+Na2 O+K2
O 3〜10%、Fe0.001〜0.05%、
TiO0.2〜2%、ZrO 0.01〜3%を含
有することを特徴とする。ここで、各成分の含有量を上
記のように限定した理由を以下に説明する。
【0022】SiO2は、はガラスの網目形成成分であ
るが、80%を超えるとガラスの溶融性、加工性が悪化
し、68%未満ではガラスの化学的耐久性が低下する。
化学的耐久性の低下はウェザリング、ヤケ等の原因とな
り蛍光ランプの輝度低下、色むら発生の原因となる。好
ましくは73〜78%である。
【0023】Al23はガラスの化学的耐久性を改善
する作用があるが、10%を超えると脈理の発生など溶
融性に問題が生じ、ダンナー方による管成形の際スリー
ブ部分での失透の原因となる。また1%未満では分相が
発生し成形性に問題を生じるとともにガラスの化学的耐
久性の低下をもたらす。好ましくは1〜7%の範囲であ
る。
【0024】B23は溶融性向上および粘度調整の目
的で用いられる成分であるが、25%を超えるとガラス
の化学的耐久性が低下し、長期間の使用によりウェザリ
ングを生じる。またB23が10%未満では溶融性の
悪化、粘度上昇によるタングステンとの封着性悪化等の
問題を生じる。好ましくは12〜24%である。
【0025】Li2 O、Na2 O、K2 Oは、融剤とし
て作用し、ガラスの溶融性を改善するとともに粘度、熱
膨張係数の調整に用いられる成分であるが、これら成分
の合量が10%を超える場合は熱膨張係数が大きくなり
すぎ、また化学的耐久性が悪化する。他方、3%未満で
は膨張係数の大幅な低下、粘度の大幅な上昇を伴いタン
グステンとの封着が困難となる。また、各成分の含有量
は、Li2 Oを0〜3%、Na2 Oを0〜5%、K2
を 2〜8%とすることが好ましい。それぞれの含有量
が各上限値を超える場合は熱膨張係数が大きくなりすぎ
たり、化学的耐久性を悪化させたりする。また蛍光ラン
プの点灯中Na2 Oは水銀と反応しアマルガムを形成す
ることが知られており、ガラス中の過剰なNa2 Oは蛍
光ランプ中で有効に作用する水銀量を結果として減らす
ことになるため、水銀使用量削減の環境的観点からもN
2 Oの上記上限値を超える添加は好ましくなく、より
好ましくは0〜4.5%である。また各下限値未満では
膨張係数が大幅に低下し、粘度の大幅な上昇によりタン
グステン封着ができなくなる。なお、Fe、Ti
、ZrOについては上述のとおりである。
【0026】また本発明は、ガラス管の外径が0.7〜
5mm、肉厚が0.07〜0.6mmであり、表示デバ
イスのバックライト用光源に用いられることを特徴とす
る。外径、肉厚が前記上限値を越えると、現在のバック
ライト使用製品における薄型・軽量化の要請を満たすこ
とができず、下限値未満になると成形精度の安定性や耐
衝撃強度の点で充分な信頼性をもった製品を低廉な価格
で供給することが難しくなる。
【0027】さらに、本発明は導光体を介して表示面を
照射するエッジライト方式のバックライト用光源に好適
に用いられる。上述のとおり、本発明の蛍光ランプ用ガ
ラス管は、紫外線吸収性能に優れるため、樹脂製導光体
を使用するエッジライト方式のバックライト用光源に用
いた場合でも、導光体の紫外線による劣化、透過率低下
を生じにくく、初期の明るさを長期間維持できる。
【0028】上記成分以外に、耐紫外線ソラリゼーショ
ン性、紫外線カット性能を付与する目的でWO、Nb
、Bi、CeOを1種以上少量添加する
ことも可能である。これら成分を添加する場合、これら
の合量が10%を越えるとガラスが失透し易くなって均
質性の悪化を生じるるとともに、バッチコストの極端な
上昇を伴うため経済的観点からも好ましくない。好まし
くは5%まで、より好ましくは3%までの範囲とする。
【0029】本発明のガラスを溶融するにあたって使用
する清澄剤に特に制限はなく、一般的に用いられるSb
23、NaCl、NaSO等が使用できる。ただ
し、Sb23はその含有量が多くなると、タングステ
ン封着等の熱加工時にガラスが黒化する原因となり、蛍
光ランプの輝度低下、発光色の変色、色むらを引き起こ
すので、注意が必要である。
【0030】さらに、ガラスの耐候性、溶融性、失透性
などを改善する目的でZnO,CaO,MgO,Sr
O,P,Fなどの成分を本発明の所期の特性を
損なわない範囲で添加することも可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の蛍光ランプ用ガラス管は次のよう
にして作成することができる。まず上記組成範囲、たと
えば、SiO267.5%, Al23 3.4%,Li2
O 0.7%,Na2O 1%,K2O 7.3%,B23
18.5%,WO0.4%,Nb0.6%、T
iO0.4%、CeO0.2%、Fe20.0
1%となるように秤量・混合した原料混合物を溶融炉に
おいて加熱溶融し、ダンナー法あるいは一度管状に成形
されたガラスをリドローする等の既知の管引き成形法に
よって所望の外径、肉厚を有する蛍光ランプ用ガラス管
を得る。
【0032】
【実施例】次に、本発明の蛍光ランプ用ガラス管につき
実施例に基づいて詳細に説明する。表1および表2に本
発明の実施例および比較例を示す。試料No.1〜18
は本発明の実施例、No.19,20は従来の蛍光ラン
プ用ガラス管を示す比較例である。なお、表中の組成は
質量%で示してある。表中記載のガラスは、表に示す酸
化物組成となるよう珪砂、各金属の炭酸塩、硝酸塩、水
酸化物等の原料粉末を秤量・混合し、それぞれ含有成分
によって選択された清澄方法により白金坩堝もしくは石
英坩堝を用いて1450℃で5時間溶融した。その後、
充分に攪拌・清澄したガラスを矩形枠内に流出させ、徐
冷後に以下に示す評価項目に合せて所望の形状に加工し
たサンプルを作成した。なお清澄剤としてNaClを用
いた。
【0033】表中に示した項目について説明すると、熱
膨張係数はJIS法により0℃〜300℃までの温度範
囲における平均線膨張係数を測定した値を示した。ガラ
スとタングステンとの熱膨張係数差が大きくなると、封
着部からのリークやクラックの発生原因となり、蛍光ラ
ンプ用としては使用できない。
【0034】耐紫外線ソラリゼーション性試験による透
過率の劣化度は、各ガラスサンプルを一辺30mm角の
板状にカットし、厚さが1mmとなるよう両面光学研磨
加工した試料を、主波長253.7mmの400W高圧
水銀ランプから20cmの位置に研摩面を対向させて配
置し、300時間紫外線を照射した後、波長400nm
における透過率(T)を測定し、紫外線照射前の波長4
00nmにおける初期透過率(T)からの劣化率を透過
率劣化度として、劣化度(%)=[(T−T)/T
100により求めた値で示した。
【0035】また、耐紫外線ソラリゼーション性試験に
供する前の前記試料で、波長253.7nmの透過率を
測定した値を合わせて示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】表から明らかなように、本発明の実施例で
あるNo.1〜18の各試料は、いずれもその熱膨張係
数がタングステンの平均熱膨張係数45×10−7/℃
と比較的近い値で、かつタングステンよりもやや低めの
値を示しており、ガラスの固着点以下での膨張・収縮挙
動が類似していることからタングステンとの良好かつ信
頼性の高い封着性が得られる。また、波長253.7n
mの透過率が極めて低く、有害紫外線をほとんど透過し
ない。さらに、紫外線照射による透過率劣化度も1%以
下に抑えられており、非常に高い耐紫外線ソラリゼーシ
ョン性を有していた。
【0039】これに対し比較例であるNo.19,20
の試料は、紫外線照射による透過率劣化が大きく、波長
253.7nmにおける透過率も大きいため、蛍光ラン
プに使用した場合、ランプ輝度の低下やランプからの有
害紫外線の漏洩が危惧されるものであった。
【0040】また、本発明の実施例に係る蛍光ランプ用
ガラス管は、環境有害物質であるPbOを含有していな
いため、環境負荷の低減にも貢献する。
【0041】なお、本発明に係るガラスは以上に詳述し
たように蛍光ランプ用ガラス管として好適するものであ
るが、これに限定されることなく、優れた紫外線カット
性及び可視光透過性から紫外線カットフィルタ、合せて
高い耐紫外線ソラリゼーション性を有することから水銀
ランプなど紫外線放射を伴う光源の外囲器等に利用する
ことができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明の蛍光ランプ用ガラ
ス管は、タングステンとの封着に適した熱膨張係数を持
ち、しかも優れた耐紫外線ソラリゼーション性を有する
ため、特に液晶ディスプレイ等の表示デバイスのバック
ライト用蛍光ランプに使用されるガラス管として好適す
る。
【0043】また、本発明の蛍光ランプ用ガラス管は、
紫外線カット特性にも優れているため、液晶ディスプレ
イ等の表示デバイスのバックライト用蛍光ランプに用い
た場合でも表示装置内部の樹脂部品等の材質を劣化させ
ることがなく、表示装置の信頼性を向上させる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA03 BB05 DA06 DA07 DB03 DC04 DD01 DE01 DF01 EA01 EA02 EA03 EA10 EB01 EB02 EB03 EC01 EC02 EC03 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FB02 FB03 FC02 FC03 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH12 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM24 NN13 5C043 AA03 AA04 AA06 BB04 CC09 CD01 EA09 EB15 EC11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、Fe0.001〜0、
    05%、TiO0.05〜3%、ZrO0.01
    〜3%を含有し、0℃〜300℃までの温度範囲におけ
    る平均線膨張係数が34〜43×10−7/℃である硼
    珪酸系ガラスからなり、波長253.7nmにおける肉
    厚1mmでの透過率が1%以下であり、以下の紫外線照
    射試験における劣化度が3%以下であることを特徴とす
    る照明用ガラス外囲器。ただし、前記紫外線照射試験に
    おける劣化度は、両面を光学研磨した肉厚1mmのガラ
    ス研摩面を主波長253.7nmの400W高圧水銀ラ
    ンプから20cmの位置に対向させて配置し、300時
    間紫外線を照射した後、波長400nmにおける透過率
    (T)を測定し、紫外線照射前の波長400nmにおけ
    る初期透過率(T)からの劣化度を次式により求めたも
    の。 劣化度(%)=[(T−T)/T]×100
  2. 【請求項2】 前記硼珪酸系ガラスが、質量%で、Si
    2 68〜80%、Al23 1〜10%、B23
    0〜25%、Li2 O+Na2 O+K2 O 3〜10
    %、Fe0.001〜0.05%、TiO0.
    2〜2%、ZrO0.01〜3%を含有することを特
    徴とする請求項1記載の照明用ガラス外囲器。
  3. 【請求項3】 前記照明用ガラス外囲器が蛍光ランプ用
    ガラス管であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の照明用ガラス外囲器。
  4. 【請求項4】 ガラス管の外径が0.7〜5mm、肉厚
    が0.07〜0.6mmであり、表示デバイスのバック
    ライト用光源に用いられることを特徴とする請求項3記
    載の照明用ガラス外囲器。
  5. 【請求項5】 導光体を介して表示面を照射するエッジ
    ライト方式のバックライト用光源に用いられることを特
    徴とする請求項4記載の照明用ガラス外囲器。
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