JP3925898B2 - 紫外線吸収ガラス及びそれを用いた蛍光ランプ用ガラス管 - Google Patents

紫外線吸収ガラス及びそれを用いた蛍光ランプ用ガラス管 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線吸収ガラスに関し、紫外線放射を伴う光源の外囲器、特に液晶ディスプレイ(以下LCDと称すことがある)等の表示デバイスのバックライトに用いられる蛍光ランプ用ガラス管に適したガラス及びこのガラスを用いた蛍光ランプ用ガラス管に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディア関連機器のキーデバイスとしてLCDは広く用いられているが、その用途の拡大とともに軽量化、薄型化、高輝度化、低消費電力化などが求められるようになっている。特にパソコン用ディスプレイ、車載用表示装置、携帯情報端末等では高品位な表示品質が要求されている。一方、液晶表示素子自体は非発光であるため、上記のような用途では、蛍光ランプを光源とするバックライトを用いた透過型液晶表示素子が使用されている。
【0003】
上述のようにLCDに軽量化、薄型化、高輝度化、低消費電力化などが求められていることから、同様にバックライトにも一層の小型軽量化、高輝度化、低消費電力化が求められ、バックライト用蛍光ランプにおいては細管化、薄肉化が進展している。
【0004】
しかし、蛍光ランプの細管化、薄肉化は、機械的強度の低下、発熱量増大による電極部の温度上昇をもたらす。このため、バックライト用の蛍光ランプに使用されるガラス管には、より高強度で低膨張性であるガラスが必要とされている。
【0005】
従来、この種の蛍光ランプのガラス管には、照明用ガラスとしての実績があり加工性に優れた鉛ソーダ系の軟質ガラスが使用されてきた。ところが、バックライト用途で管径、肉厚が小さくなるに連れて、製品の信頼性において十分な強度や耐熱性を確保することが困難となり、鉛ソーダ系の軟質ガラスよりも熱的、機械的強度が高い硼珪酸系硬質ガラスを用いて蛍光ランプを作製することが検討され、気密封止可能な金属と硬質ガラスの組合せとして、従来からよく知られているコバール合金とコバール封着用ガラスを用いた蛍光ランプが開発され、商品化されている。ここで「コバール」とは、Fe−Ni−Co系合金を指すWestinghouse Ele.Corp.社の商標名であり、東芝社製KOV(商品名)など同等の他社製品を包含する意味で用いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
バックライト用蛍光ランプの発光原理は、一般照明用蛍光ランプと同様、蛍光管内の電極間放電により励起された水銀蒸気やキセノンガスが253.7nmの紫外線を放出し、管内壁面に塗布されている蛍光体が発光することによるものである。しかし、紫外線にはガラスに変色を引き起こす作用があることが知られており、紫外線に対して何の対策も取っていないガラスでは、紫外線照射によりソラリゼーションと呼ばれる変色作用を生ずる。蛍光管ガラスでソラリゼーションが起こると、結果としてランプ輝度の低下、発光色の変色となり、バックライトではLCDの表示が暗くなったり表示色が不鮮明になったりするなど表示品質の低下を招く。また、紫外線がバックライト用ガラス管を透過して管外に放出されると、LCD表示装置内部の樹脂部品等の材質劣化を促進させる問題がある。
【0007】
特に表示デバイスの薄型軽量化に有利なバックライト方式として、透明導光体の側端面に光源を配し、導光体の一面を反射・拡散処理して、光を多重反射させることにより面光源とするエッジライト方式が知られているが、この方式では構造上、導光体が必要なこと、軽量化のため導光体にはアクリル系樹脂等の樹脂部品が使用されることから、バックライト用光源からの紫外線漏洩は、導光体の劣化・着色による光透過率の低下をもたらし、光源近傍で樹脂の劣化が生ずると表示面全体の明るさが低下するため、上記蛍光管ガラスでのソラリゼーションとともに表示品質に与える影響が大きい。
【0008】
上記した鉛ソーダ系ガラスでは、ガラス成分として含有されている鉛が耐紫外線ソラリゼーション性、紫外線カット性能を有していたため、これらが問題となることはなかったが、硼珪酸系のコバール封着用ガラスは元来電子管や電子部品の封止に用いられていたもので、紫外線による作用に対してはガラス材質としての対策は取られておらず、紫外線ソラリゼーション、紫外線透過の問題が避けられなかった。
【0009】
このため、従来のコバール封着用ガラスを蛍光ランプ用外管に使用する場合、ガラス管内面に紫外線を反射又は吸収する成分であるAl23 やTiO2 のコーティングを行い、その上に蛍光体を塗布して多層膜を形成し、ガラスに達する紫外線の強度を弱めるといった措置も取られている。しかし、このような方法は、ガラス管の細径化にともなう塗布の困難化や塗布工程の増加によるコスト上昇が避けられない。
【0010】
以上のような背景から、コバール合金と封着可能な熱膨張係数を持ち、耐紫外線ソラリゼーション性を有するガラスとして特開平8−333132号公報、特開平9−110467号公報に開示のガラスが提案されている。これらのガラスはいずれも硼珪酸系ガラスにPbO,TiO2,Sb23の少なくとも1種以上を添加することにより耐紫外線ソラリゼーション性を持たせたものである。
【0011】
これらのガラスにより紫外線によるソラリゼーションの問題は解消されるが、いずれのガラスも環境有害物質であるPbOの含有を許容しており、環境保護の観点からは好ましいとは言えない。また、蛍光ランプとして使用する場合の紫外線カットに対する配慮が十分とはいえず、前記した耐紫外線ソラリゼーション性付与成分の組合せ、含有量によっては励起された水銀等が発する253.7nmの有害紫外線を透過し、内装部品を劣化させるおそれがある。
【0012】
本発明は以上のような諸事情を考慮してなされたものであり、コバール合金との封着が可能で十分な耐紫外線ソラリゼーション性を持ち、かつ有害紫外線を透過しない紫外線吸収ガラス及びそれを用いた蛍光ランプ用ガラス管を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は質量%で、SiO 2 55〜75%、B 2 3 10〜25%、Fe0.001〜0.05%、TiO0.05〜3%、ZrO0.01〜3%を含有し、50℃〜ガラス転移点(Tg)までの温度範囲における平均線膨張係数が46〜57×10−7/℃である硼珪酸系ガラスからなり、波長253.7nmにおける肉厚1mmでの透過率が1%以下であり、前記Fe、TiOの含有量が次式を満足する範囲内にあることを特徴とする。
0.25<[(Fe含有量)×10+(TiO含有量)×3]<10かつ[(Fe含有量)/(TiO含有量)]<0.5
【0014】
本発明において、上記構成を規定した理由を以下に説明する。まず、硼珪酸系ガラスは、従来の鉛ソーダ系軟質ガラスに比べて機械的強度、耐熱性に優れており、蛍光管の細径・薄肉化に有利であるため、基本組成として硼珪酸系のガラスを使用する。
【0015】
次に、50℃〜ガラス転移点(Tg)までの温度範囲における平均線膨張係数を46〜57×10−7/℃としたのは、この範囲であれば、コバールの平均熱膨張係数60.9×10−7/℃と比較的近い値で、かつコバール合金よりもやや低めの値となり、ガラスの固着点以下での膨張・収縮挙動が類似していることからコバール合金との良好かつ信頼性の高い封着性が得られる。コバール合金は400℃台後半で膨張曲線が屈曲するため、ガラスの転移点を低下させて膨張曲線をコバール合金に近似させることが必要であり、ガラスのコバール合金との封着性を評価するためにはこの温度域までの熱膨張係数を評価する必要がある。平均線膨張係数が前記範囲を外れると、コバールとの整合性が悪く、封着部でのクラックやリークの原因となって蛍光ランプとして信頼性のあるものが得られない。
【0016】
また以上のような硼珪酸系ガラスにFe0.001〜0.05%、TiO0.05〜3%、ZrO 0.01〜3%を必須成分として含有させた理由は以下のとおりである。Feは紫外線吸収が顕著であるため添加するが、前記下限値未満では顕著な紫外線カット効果が認めらず、前記上限値を越えると耐紫外線ソラリゼーション性にマイナスの影響が現れるので好ましくない。より好ましくは0.003〜0.03%である。
【0017】
TiOは耐紫外線ソラリゼーション性及び紫外線カット性能を付与する目的で添加するが、前記下限値未満では紫外線照射に対する着色防止効果が認めらず、前記上限値を越えるとガラスに着色傾向が現れるので好ましくない。より好ましくは0.2〜1%である。
【0018】
ZrO は、ガラスの化学的耐久性の改善及び分相抑制に効果が期待できるが、その含有量が0.01%未満ではその効果が十分でなく、3%を越えるとガラスが不均一になりやすく、細管に成形した際に肉厚や寸法の精度がばらつく原因になるので好ましくない。特に硼珪酸系ガラスにおいて、Fe、TiO、WO、Nb等のガラスに着色を与えることのある成分を含有している場合、溶融成形工程でガラスに分相が生じると、分相部分が起点となって着色が現れることがあるため、本発明においてはガラスの着色防止のためにも必要な成分である。
【0019】
また、上述のように本発明のガラスをLCD表示装置等のバックライト用蛍光ランプに使用した場合、紫外線がガラス管を透過して管外に放出されると、LCD表示装置内部の樹脂部品等の材質劣化を促進させ、製品寿命や信頼性を低下させる原因になるため、本発明では上記成分により紫外線カット特性を持たせ、ガラスを肉厚1mmに光学研磨した状態で、波長253.7nmにおける紫外線透過率を1%以下としている。実際の蛍光ランプにおけるガラス肉厚はさらに薄いが、この程度まで紫外線透過が抑えられていれば、実用上問題は生じない。可視光の透過に影響を及ぼさず、より好ましい品質レベルを求めるのであれば、前記成分含有量の調整等により肉厚1mmで0.1%以下にすることができる。
【0020】
また、本発明において、Fe、TiOの含有量に関する上記2式を定めた理由は次のとおりである。ガラス中の鉄は、通常Fe2+またはFe3+の形で存在しているが、紫外線を照射されるとFe2+の原子価がFe3+に変化してガラス中のFe3+が増加しガラスを着色し、紫外域から可視域にわたる分光透可率の著しい低下をまねくことが知られている。可視域での透過率を高く保ったまま紫外域における透過率を上記値に調整するために本発明のガラスでは紫外線吸収剤として作用するFeおよびTiOを含有させているが、前述のようにガラス中の鉄イオンはFe2+→Fe3++eの反応により可視域にまで透過率低下が表われるため、透過率調整を鉄イオンのみに頼るのは経時特性の面から好ましくない。TiOは鉄イオンの紫外線による可視透過率低下を防止するのに効果があるため、両者を必須成分として含有させる。
【0021】
ところで、Fe、TiOの含有により紫外線を吸収しつつソラリゼーション防止を図るためには、両者をバランスよく含有させる必要がある。両者の含有量による紫外線吸収作用と、その含有比によるソラリゼーション防止効果との間には、およそ次のような関係があることが判明した。すなわち、[(Fe含有量)×10+(TiO含有量)×3]の値が0.25未満では波長253.7nmにおける紫外線吸収が十分でなく、10を越えると可視域にまで吸収が表われ可視透過率を低下させるので好ましくない。またガラス中のFe3+とTi4+の比すなわち、(Fe含有量)/(TiO含有量)の値が0.5を越えると、Ti4+イオンの存在によるFe2+→Fe3++eの反応を抑える作用が弱くなり、十分なガラスのソーラリゼーション防止効果が得られない。特に細径・薄肉で使用されるバックライト用蛍光ランプでは、放電による紫外線発生がガラス管壁直近で生じ、紫外線吸収をガラスの肉厚で稼ぎにくく紫外線による着色を生じ易い反面、経時特性を含めて高い可視透過率を求められるため、Fe、TiOの含有量は上記2式を満たす範囲内とすることが好ましい。
【0022】
また、本発明は上記目的を達成するために、質量%で、Fe0.001〜0.05%、TiO 0.05〜3%、ZrO 0.01〜3%を含有し、50℃〜ガラス転移点(Tg)までの温度範囲における平均線膨張係数が46〜57×10−7/℃である硼珪酸系ガラスからなり、波長253.7nmにおける肉厚1mmでの透過率が1%以下であり、以下の紫外線照射試験における劣化度が3%以下であることを特徴とする。ここで、前記紫外線照射試験における劣化度は、両面を光学研磨した肉厚1mmのガラス研摩面を主波長253.7nmの400W高圧水銀ランプから20cmの位置に対向させて配置し、300時間紫外線を照射した後、波長400nmにおける透過率(T)を測定し、紫外線照射前の波長400nmにおける初期透過率(T)からの劣化度を次式により求めたものとする。
劣化度(%)=[(T−T)/T]×100
【0023】
本発明において、紫外線照射試験における劣化度を上記のように定めた理由は次のとおりである。普通、強紫外線源の近傍にガラスを曝す促進試験では、1時間〜数時間で着色傾向(着色し易いガラスか否か)は確認できるが、100時間を越えるとその程度は次第に緩やかになり、300時間経過時点ではほぼソラリゼーションによる着色限界に近い状態を確認することができる。このため、実製品における長期間使用時の透過率低下の影響をより正確に把握できる。このときの透過率評価波長400nmは、明るさに最も影響を与え易いと考えられる波長を選択した。このような条件の試験における透過率の劣化度が3%以下であれば、蛍光ランプ用ガラス管に起因するLCD表示の暗化を使用者が認識し得ない程度に抑えることができ、長期間にわたり実用的な表示品質を維持できる。
【0024】
また、本発明は、前記硼珪酸系ガラスが、質量%で、SiO2 55〜75%、Al23 1〜10%、B23 10〜25%、Li2 O+Na2 O+K2 O 5〜15%、Fe0.001〜0.05%、TiO 0.2〜2%、ZrO 0.01〜3%を含有することを特徴とする。ここで、各成分の含有量を上記のように限定した理由を以下に説明する。
【0025】
SiO2は、はガラスの網目形成成分であるが、75%を超えるとガラスの溶融性、加工性が悪化し、55%未満ではガラスの化学的耐久性が低下する。化学的耐久性の低下はウェザリング、ヤケ等の原因となり蛍光ランプの輝度低下、色むら発生の原因となる。好ましくは60〜73%である。
【0026】
Al23はガラスの化学的耐久性を改善する作用があるが、10%を超えると脈理の発生など溶融性に問題が生じ、ダンナー方による管成形の際スリーブ部分での失透の原因となる。また1%未満では分相が発生し成形性に問題を生じるとともにガラスの化学的耐久性の低下をもたらす。好ましくは1〜7%の範囲である。
【0027】
23は溶融性向上および粘度調整の目的で用いられる成分であるが、25%を超えるとガラスの化学的耐久性が低下し、長期間の使用によりウェザリングを生じる。またB23が10%未満では溶融性の悪化、粘度上昇によるコバールとの封着性悪化等の問題を生じる。好ましくは13〜24%である。
【0028】
Li2 O、Na2 O、K2 Oは、融剤として作用し、ガラスの溶融性を改善するとともに粘度、熱膨張係数の調整に用いられる成分であるが、これら成分の合量が15%を超える場合は熱膨張係数が大きくなりすぎ、また化学的耐久性が悪化する。他方、5%未満では膨張係数の大幅な低下、粘度の大幅な上昇を伴いコバール系合金との封着が困難となる。また、各成分の含有量は、Li2 Oを0〜5%、Na2 Oを0〜8%、K2 Oを 2〜12%とすることが好ましい。それぞれの含有量が各上限値を超える場合は熱膨張係数が大きくなりすぎたり、化学的耐久性を悪化させたりする。また蛍光ランプの点灯中Na2 Oは水銀と反応しアマルガムを形成することが知られており、ガラス中の過剰なNa2 Oは蛍光ランプ中で有効に作用する水銀量を結果として減らすことになるため、水銀使用量削減の環境的観点からもNa2 Oの上記上限値を超える添加は好ましくなく、より好ましくは0〜4.5%である。また各下限値未満では熱膨張係数が大幅に低下し、粘度の大幅な上昇によりコバール封着ができなくなる。なお、Fe、TiO、ZrOについては上述のとおりである。
【0029】
また、本発明は、上記紫外線吸収ガラスを管状に成形してなる蛍光ランプ用ガラス管である。上述のように本発明に係るガラスは、コバール合金との封着性に優れ、十分な耐紫外線ソラリゼーション性及び紫外線吸収性を有するので、蛍光ランプからの紫外線漏洩がなく、ガラスの紫外線着色によりランプ輝度や演色性が損なわれにくい蛍光ランプ用ガラス管得られる。また、ガラス管の外径が0.7〜5mm、肉厚が0.07〜0.6mmであり、表示デバイスのバックライト用光源に用いられることを特徴とする。外径、肉厚が前記上限値を越えると、現在のバックライト使用製品における薄型・軽量化の要請を満たすことができず、下限値未満になると成形精度の安定性や耐衝撃強度の点で充分な信頼性をもった製品を低廉な価格で供給することが難しくなる。
【0030】
さらに、本発明は導光体を介して表示面を照射するエッジライト方式のバックライト用光源に好適に用いられる。上述のとおり、本発明の蛍光ランプ用ガラス管は、紫外線吸収性能に優れるため、樹脂製導光体を使用するエッジライト方式のバックライト用光源に用いた場合でも、導光体の紫外線による劣化、透過率低下を生じにくく、初期の明るさを長期間維持できる。
【0031】
上記成分以外に、耐紫外線ソラリゼーション性、紫外線カット性能を付与する目的でWO、Nb、Bi、CeOを1種以上少量添加することも可能である。これら成分を添加する場合、これらの合量が10%を越えるとガラスが失透し易くなって均質性の悪化を生じるるとともに、バッチコストの極端な上昇を伴うため経済的観点からも好ましくない。好ましくは5%まで、より好ましくは3%までの範囲とする。
【0032】
本発明のガラスを溶融するにあたって使用する清澄剤に特に制限はなく、一般的に用いられるSb23、NaCl、NaSO等が使用できる。ただし、Sb23はその含有量が多くなると、コバール封着等の熱加工時にガラスが黒化する原因となり、蛍光ランプの輝度低下、発光色の変色、色むらを引き起こすので、注意が必要である。
【0033】
さらに、ガラスの耐候性、溶融性、失透性などを改善する目的でZnO,CaO,MgO,SrO,P,Fなどの成分を本発明の所期の特性を損なわない範囲で添加することも可能である。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態について説明する。本発明のガラス及び該ガラスを用いた蛍光ランプ用ガラス管は次のようにして作成することができる。まず上記組成範囲、たとえば、SiO2 67.5%, Al23 3.5%,Li2O 0.7%,Na2O 1%,K2O 8%,B23 18.5%,TiO0.4%、Fe20.01%,ZrO0.3%となるように秤量・混合した原料混合物を溶融炉において加熱溶融し、ダンナー法あるいは一度管状に成形されたガラスをリドローする等の既知の管引き成形法によって所望の外径、肉厚を有する蛍光ランプ用ガラス管を得る。
【0035】
【実施例】
次に、本発明の紫外線吸収ガラスを用いた蛍光ランプ用ガラス管につき実施例に基づいて詳細に説明する。表1および表2に本発明の実施例および比較例を示す。試料No.1〜18は本発明の実施例、No.19,20は従来のガラスを示す比較例である。なお、表中の組成は質量%で示してある。表中記載のガラスは、表に示す酸化物組成となるよう珪砂、各金属の炭酸塩、硝酸塩、水酸化物等の原料粉末を秤量・混合し、それぞれ含有成分によって選択された清澄方法により白金坩堝もしくは石英坩堝を用いて1450℃で5時間溶融した。その後、充分に攪拌・清澄したガラスを矩形枠内に流出させ、徐冷後に以下に示す評価項目に合せて所望の形状に加工したサンプルを作成した。なお清澄剤としてNaClを用いた。
【0036】
表中に示した項目について説明すると、熱膨張係数およびガラスの転移点は、各ガラスを直径4mm、長さ20mmの円柱に加工したサンプルを用い熱機械分析装置(TMA)で測定した。このとき熱膨張係数については、50℃〜各ガラスサンプルの転移点(Tg)までの温度範囲における平均線膨張係数を測定し、合せて同じ温度範囲におけるコバール合金の平均線膨張係数も記載した。ガラスとコバール合金との熱膨張係数差が大きくなると、封着部からのリークやクラックの発生原因となり、蛍光ランプ用としては使用できない。
【0037】
耐紫外線ソラリゼーション性試験による透過率の劣化度は、各ガラスサンプルを一辺30mm角の板状にカットし、厚さが1mmとなるよう両面光学研磨加工した試料を、主波長253.7nmの400W高圧水銀ランプから20cmの位置に研摩面を対向させて配置し、300時間紫外線を照射した後、波長400nmにおける透過率(T)を測定し、紫外線照射前の波長400nmにおける初期透過率(T)からの劣化率を透過率劣化度として、劣化度(%)=[(T−T)/T]×100により求めた値で示した。
【0038】
また、耐紫外線ソラリゼーション性試験に供する前の前記試料で、波長253.7nmの透過率を測定した値、Fe、TiOの含有量に関する[(Fe含有量)×10+(TiO含有量)×3]および[(Fe含有量)/(TiO含有量)]の計算結果を合わせて示した。
【0039】
【表1】
Figure 0003925898
【0040】
【表2】
Figure 0003925898
【0041】
表から明らかなように、本発明の実施例であるNo.1〜18の各試料は、いずれもその熱膨張係数がコバールの平均熱膨張係数60.9×10−7/℃と比較的近い値で、かつコバール合金よりもやや低めの値を示しており、ガラスの固着点以下での膨張・収縮挙動が類似していることからコバール合金との良好かつ信頼性の高い封着性が得られる。また、波長253.7nmの透過率が極めて低く、有害紫外線をほとんど透過しない。さらに、紫外線照射による透過率劣化度も0.2%以下に抑えられており、非常に高い耐紫外線ソラリゼーション性を有していた。
【0042】
これに対し比較例であるNo.19,20の試料は、紫外線照射による透過率劣化が大きく、波長253.7nmにおける透過率も大きいため、蛍光ランプに使用した場合、ランプ輝度の低下やランプからの有害紫外線の漏洩が危惧されるものであった。
【0043】
なお、上記実施例では、蛍光ランプ用ガラス管について説明したが、本発明に係る紫外線吸収ガラスは、たとえば、バルブ状に吹成して水銀ランプ等の外囲器に使用しても、光源からの有害紫外線を有効にカットし、紫外線によるガラスの着色がない優れた特性を有し、その他にも耐熱性、耐紫外線性を要求される様々な形状・用途に用いることができる。また、本発明に係るガラスは、環境有害物質であるPbOを含有しなくとも充分な紫外線カット特性及び耐紫外線ソラリゼーション性を有するため、環境負荷の低減にも貢献できる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明の紫外線吸収ガラスは、紫外線カット特性に優れ、コバール合金との封着に適した熱膨張係数を持ち、しかも優れた耐紫外線ソラリゼーション性を有するため、紫外線発生を伴う光源の外囲器等に好適し、透過率の劣化を小さく抑えることができる。
【0045】
また、本発明の紫外線吸収ガラスを用いた蛍光ランプ用ガラス管は、紫外線カット特性にも優れているため、液晶ディスプレイ等の表示デバイスのバックライト用蛍光ランプに用いた場合でも表示装置内部の樹脂部品等の材質を劣化させることがなく、表示装置の経時特性、信頼性を向上させる。

Claims (6)

  1. 質量%で、SiO 2 55〜75%、B 2 3 10〜25%、Fe0.001〜0.05%、TiO0.05〜3%、ZrO0.01〜3%を含有し、50℃〜ガラス転移点(Tg)までの温度範囲における平均線膨張係数が46〜57×10−7/℃である硼珪酸系ガラスからなり、波長253.7nmにおける肉厚1mmでの透過率が1%以下であり、前記Fe、TiOの含有量が次式を満足する範囲内にあることを特徴とする紫外線吸収ガラス。
    0.25<[(Fe含有量)×10+(TiO含有量)×3]<10かつ[(Fe含有量)/(TiO含有量)]<0.5
  2. 質量%で、SiO 2 55〜75%、B 2 3 10〜25%、Fe0.001〜0.05%、TiO0.05〜3%、ZrO0.01〜3%を含有し、50℃〜ガラス転移点(Tg)までの温度範囲における平均線膨張係数が46〜57×10−7/℃である硼珪酸系ガラスからなり、波長253.7nmにおける肉厚1mmでの透過率が1%以下であり、前記Fe、TiOの含有量が次式(1)および(2)を満足する範囲内にあり、以下の紫外線照射試験における劣化度(3)が3%以下であることを特徴とする紫外線吸収ガラス。
    (1)0.25<[(Fe含有量)×10+(TiO含有量)×3]<10
    (2)[(Fe含有量)/(TiO含有量)]<0.5
    (3)前記紫外線照射試験における劣化度は、両面を光学研磨した肉厚1mmのガラス研摩面を主波長253.7nmの400W高圧水銀ランプから20cmの位置に対向させて配置し、300時間紫外線を照射した後、波長400nmにおける透過率(T)を測定し、紫外線照射前の波長400nmにおける初期透過率(T)からの劣化度を次式により求めたもの。
    劣化度(%)=[(T−T)/T]×100
  3. 前記硼珪酸系ガラスが、質量%で、SiO55〜75%、Al1〜10%、B10〜25%、LiO+NaO+KO5〜15%、Fe0.001〜0.03%、TiO0.2〜2%、ZrO0.01〜3%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の紫外線吸収ガラス。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の紫外線吸収ガラスを管状に成形してなる蛍光ランプ用ガラス管。
  5. ガラス管の外径が0.7〜5mm、肉厚が0.07〜0.6mmであり、表示デバイスのバックライト用光源に用いられることを特徴とする請求項4記載の蛍光ランプ用ガラス管。
  6. 導光体を介して表示面を照射するエッジライト方式のバックライト用光源に用いられることを特徴とする請求項4または5に記載の蛍光ランプ用ガラス管。
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