JPH09109604A - 旋回規制・制動機構付キャスタとこのキャスタを用いた車椅子 - Google Patents

旋回規制・制動機構付キャスタとこのキャスタを用いた車椅子

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JPH09109604A
JPH09109604A JP7274412A JP27441295A JPH09109604A JP H09109604 A JPH09109604 A JP H09109604A JP 7274412 A JP7274412 A JP 7274412A JP 27441295 A JP27441295 A JP 27441295A JP H09109604 A JPH09109604 A JP H09109604A
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caster
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毅 本橋
Takashi Yamazawa
貴 山澤
Akio Matsumoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャスタに制動・旋回規制機構を付け加え、
水周りに使用する車椅子の操作性、安全性を高める。 【解決手段】 車輪を軸着した枠体の頂部に取付軸を有
し、該取付軸に対して枠体が水平旋回するキャスタであ
って、この取付軸に対する枠体の水平旋回を規制する旋
回規制機構と車輪の回動を止める制動機構とを枠体内に
備え、取付軸を貫通したワイヤを引く又は戻す長さに従
って、旋回規制機構又は制動機構のいずれか一方又は両
方が働く旋回規制・制動機構付キャスタのワイヤに2体
のレバーを直列に取付け、一方のレバーは旋回規制機構
又は制動機構のいずれか一方が働く程度にワイヤを引く
又は戻すことができ、他方のレバーは旋回規制・制動機
構が共に働く程度でワイヤを引く又は戻すことができる
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輪を軸着した枠
体が取付軸に対して水平旋回するキャスタにおいて、こ
の水平旋回を規制する旋回規制機構と、車輪の回動を止
める制動機構とを兼ね備え、かつ操作を一元化した旋回
規制・制動機構付キャスタと、このキャスタを用いた車
椅子、特に水周りでの使用に長けた車椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】取付軸に対して車輪を軸着した枠体が水
平旋回するキャスタは、様々な運搬用器具、例えば手押
しの小荷物運搬車、買い物用カートや車椅子等に使われ
ているが、このキャスタには、安全性確保のため、制動
機構が備え付けられているのが通例である。この制動機
構付キャスタとしては、車輪を押圧するブレーキシュー
を車輪の外側に軸着したL字型ブレーキハンドルに連動
させ、同一方向からの足の操作により車輪の制動、解除
するもの(特開平4-123902号)、取付軸を貫通して下方に
付勢した制動体と車輪との離間、接触をキャスタから離
れた位置にあるレバーにより操作して車輪の制動、解除
するもの(特開昭62-77202号)、車輪を押圧するように付
勢したブレーキシューに、取付軸を貫通したワイヤを連
結し、このワイヤを操作して車輪の制動、解除するもの
(特開平7-32807号)等がある。
【0003】また、狭い場所への出入りや方向転換を容
易にするため、車椅子等では、4輪全てを水平旋回可能
なキャスタで構成したりするが、この場合、車椅子等の
直進性を確保するため、キャスタに旋回規制機構を設け
ることもある。従来の旋回規制機構は制動機構と同時に
働くものであり、例えば、足踏レバーを回転させること
により、脚体に軸架した足踏レバーの挿通軸部が回動
し、この挿通軸部の弾性板が固定台板の係止溝に係止す
ると共に車輪の外側部に当接し、旋回動及び走行回転が
停止するもの(実公平4-961号)、ロックペダルがロック
位置に達したときに、ロック板の転動ロック面が車輪の
周囲に制動圧接及びロック板の旋回ロック爪が枢支軸の
下端面に凹設されたロック受溝に係合して旋回、転動を
ロックするもの(実公昭56-32323号)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のキャスタは、上
記に見られるように、車輪の回転を止めるだけか、車輪
の回転を止めると同時に旋回を規制するものであり、旋
回規制しながら走行させることはできなかった。また、
旋回規制・制動機構を有するキャスタにおける操作性を
みた場合、両機構を操作するレバーがキャスタに設けら
れ、足で前記レバーを操作しなければならず、キャスタ
の取付位置が奥まっていたり、キャスタが旋回してしま
った場合など、レバーの操作性が悪かった。特に、車椅
子の場合、操作性が高くかつ確実に作動する旋回規制・
制動機構付キャスタが好ましく、従来のキャスタはこの
要求に応えることができなかった。
【0005】車椅子は、自力歩行が不自由な病人やけが
人の移動を補助するための道具であり、日常のあらゆる
場所での使用が予想され、自由に進行方向を決めたり、
定位置に留まったまま方向転換を図る必要もある。そし
て、車椅子の使用者が狭い場所での移動や停止を繰り返
す際には、車輪が気ままに向きを変えては困るし、時と
して所定方向にキャスタを向けた状態で車輪を制動した
い。こうした車椅子使用の制約が伴う場所は多くある
が、特に狭い空間の洗面所、トイレ、風呂場等の水周り
を挙げることができる。
【0006】狭い空間、特にトイレの出入りの際にキャ
スタの向きが変わってしまい、壁面や陶器(便器)等と不
意に接触したりして危険である。また、トイレが狭いこ
とから十分な車椅子の運転ができず、トイレの室内での
方向転換が困難であったり、トイレ使用時に車輪の向き
が変わってしまえば、入ったトイレから自力で出られな
くなることも考えられる。風呂場ではトイレに比べて部
屋の大きさによる不自由さはないが、濡れた床面のため
に車輪が勝手に向きを変え、使用者の思うとおりに車椅
子が運転できないため、この車椅子の使用者に過度の労
力を課してしまうことにもなりかねない。そのほか、通
常、家屋はドア枠や敷居、電源コード等に見られる小段
差が意外と多く、介護者又は保護者が車椅子の後輪を軸
に前輪を少し持ち上げてその段差を乗り越えようとする
機会も頻繁に発生するが、このとき車椅子の重心が後輪
を越えて後方に変位すると後輪が勝手に水平旋回してし
まい、車椅子の移動が不可能になったり、最悪転倒する
危険もあった。
【0007】そこで、水周りや家屋内での車椅子の使用
を前提に、キャスタの構造について考察を加え、制動機
構と、この制動機構とは独立して作動する旋回規制機構
とを併せもつキャスタの構造及び両機構の操作方法とを
検討し、更に車椅子への適用やそのほかの小荷物運搬車
や買い物用カートにも応用することにした。
【0008】
【課題を解決するための手段】検討の結果開発したもの
が、車輪を軸着した枠体の頂部に取付軸を有し、この取
付軸に対して枠体が水平旋回するキャスタであって、取
付軸に対する枠体の水平旋回を規制する旋回規制機構と
車輪の回動を止める制動機構とを枠体内に備えてなり、
取付軸を貫通したワイヤを引く又は戻す長さに従って、
旋回規制機構又は制動機構のいずれか一方又は両方が働
くことを特徴とする旋回規制・制動機構付キャスタであ
る。このキャスタは、旋回規制機構と制動機構とは、ワ
イヤを引く又は戻すことによって、個別又は連動して働
くことが特徴である。
【0009】上記旋回規制機構は、例えば、ワイヤを枠
体内に軸着した操作板に連結し、このワイヤを引く又は
戻すことによって操作板に設けた係合嵌部が取付軸に設
けた係合受部に係合して取付軸に対する枠体の水平旋回
を規制し、上記制動機構は、前記係合嵌部が係合受部と
係合した状態から更に前記ワイヤを引く又は戻すことに
よって操作板の押圧部が圧接してこの車輪を止めるよう
にする。つまり、同一のワイヤに対して、その引く量又
は戻す量の程度の差により、旋回規制機構又は制動機構
のいずれか一方又は両方を働かせるのである。
【0010】操作板は、上下に揺動する部材で、例えば
操作板の中間付近に揺動軸を設けた場合、一端へ上向き
に突起状の係合嵌部、他端に下向きに押圧部、取付軸外
周へ歯車状の係合受部を設け、係合嵌部と揺動軸の間に
ワイヤを連結する。係合嵌部と係合受部との距離を車輪
と押圧部との距離よりも短くすれば、ワイヤを引いて操
作板を揺動させると、まず係合嵌部が係合受部の歯車に
係合し、押圧部は車輪を圧接しない、つまり旋回規制機
構のみを働かせた状態にすることができる。次いで、前
記状態からワイヤを引いて操作板を更に揺動させると押
圧部が車輪に上方から圧接し、旋回規制機構に加えて制
動機構も働かせることができる。押圧部は、揺動軸を支
点、ワイヤの連結点を力点、押圧部を作用点としたてこ
の原理により、ワイヤの引っ張り力を(揺動軸からワイ
ヤの連結点までの長さ/押圧部から揺動軸までの長さ)の
割合で増幅した力で車輪を押圧するため、バネ等で付勢
して車輪を押圧する場合よりも高い制動力を得ることが
でき、制動力は前記割合を変更することで自由に加減す
ることができる。
【0011】また、操作板の一端に揺動軸を設け、ワイ
ヤを引っ張ることによって車輪から遠ざかるように操作
間が揺動するようにした場合、ブレーキシューからなる
押圧部を車輪の内側へ下方から圧接するように操作板に
対して設けるほかは、上記と同じく、係合嵌部と係合受
部との距離を車輪と押圧部との距離よりも短くしておけ
ば、上記同様にまず旋回規制機構を働かせた後、制動機
構を働かせることができる。なお、旋回規制機構と制動
機構との働かせる順序を逆にする場合には、係合嵌部と
係合受部との距離を車輪と押圧部との距離よりも長くす
ればよいし、両機構を同時に働かせる場合には、係合嵌
部と係合受部との距離を車輪と押圧部との距離と等しく
しておけばよい。
【0012】以上のキャスタを車椅子に用いた場合、こ
のキャスタのワイヤに2体のレバーを直列に取付け、一
方のレバーは旋回規制機構又は制動機構のいずれか一方
が働く程度にワイヤを引く又は戻すことができ、他方の
レバーは旋回規制・制動機構が共に働く程度でワイヤを
引く又は戻すことができるようにすればよい。なお、1
体のレバーで2段階にワイヤを引っ張る又は戻すことも
できる。ただ、レバーを2体に分け、それぞれに働かせ
る機構を割り当てることで、それぞれの機構の組みあわ
せに対応したレバーを最も操作しやすい箇所に分けて車
椅子に取付けることができる。
【0013】水周りで使用する車椅子、特に狭いトイレ
で使用する車椅子においては、トイレに入るまでは操作
のしやすい箇所にレバーがあっても、トイレに入った時
点で使いづらく、場合によっては使用できなくなること
もある。そこで、本発明の車椅子では、介護者又は保護
者が車椅子の進行方向を規制してトイレまで車椅子を誘
導し、一度全キャスタの旋回規制を解除して方向転換さ
せながら車椅子を便座に位置させ、改めて水平旋回規制
と制動規制とを同時に働かせるように操作することと
し、例えば、旋回規制機構に対応したレバーは車椅子の
操作ハンドルに設けて介護者又は保護者の便宜に資し、
旋回規制・制動規制に対応したレバーはアームレスト付
近に旋回規制・制動機構を働かせるレバーを取付けて、
介護者又は保護者だけでなく、トイレの室内において車
椅子の使用者自身がレバーを操作できるようにしておけ
ばよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のキャスタ及び車椅
子について、水周り用の車椅子を例に挙げて説明する。
図1は車椅子1の全体を表した斜視図、図2は可動式ア
ームレスト2を表した側面図である。この例の車椅子1
では、キャスタの旋回規制機構又は制動機構を働かせる
レバーを、旋回規制機構のみを働かせる方向規制レバー
と旋回規制機構と制動機構とを同時に働かせる制動レバ
ーとに分け、方向規制レバー3を車椅子の操作ハンドル
4に取付け、制動レバー5はアームレスト2の回動軸6
下方に配している。
【0015】本例の車椅子1は、図1に見られるよう
に、車椅子の左右方向に潰れた断面楕円形状のフレーム
7,8の上端に操作ハンドル4を、縦長の開口部10を避
けて座部9の支持部材(図示せず)をフレーム7,8間に
架設しているほかは、フレーム7,8間には部材がな
く、車椅子1をトイレ(通常洋式トイレ)の室内へ進入さ
せて座部を便器上方に位置させることができ、車椅子の
使用者が開口部から直接便器へ向けて用を足せるように
なっている。断面楕円形状のフレーム7,8は、強度が
あり、しかも丸パイプに比べて幅を細くできるので、例
えば洗浄便座を取付けた便器において、同強度をもつ丸
パイプでは進入が不可能な便座と便器との隙間へも楕円
形状のフレームを進ませることができ、完全に車椅子を
便器上方へ位置させることができる。キャスタ11,12
は、各フレーム7,8の前後に計4体あるが、本発明の
キャスタ12は後ろの2体で、キャスタ12からのワイヤ13
はフレーム7,8に沿って上方へ延び、アームレスト2
の回動軸6下方に制動レバー5、操作ハンドル4に方向
規制レバー3を配している。
【0016】本例の車椅子1は、上記のように、使用者
が着座したままトイレへ行くことができるほか、アーム
レスト2が上方に回動したり、フットレスト14が左右に
開いたりして、使用者の車椅子への乗降ができる限り容
易になるよう配慮している。更に、アームレスト2につ
いては、図2に見られるように、掛止角15を円周方向に
2箇所備えた回動軸6へアームレスト2を嵌め込んだ構
造とすることにより、必要な範囲内だけで回動するよう
に規制する。こうして回動軸6内に回動範囲の規制を設
けることで、外部に回動範囲を規制する部材を取付けた
場合に生ずるこの部材と回動するアームレストとの間に
指を挟む等の危険がなくなるのである。
【0017】図3は旋回規制・制動機構が共に働いてい
ない状態のキャスタ12の断面図、図4は前記状態におけ
る方向規制レバー3及び制動レバー5を表した断面図
で、キャスタ12は、図3に見られるように、車輪16を軸
着した枠体17の頂部に、パッキン31で保護されたボール
ベアリング18を介して取付軸19を連結し、この取付軸19
をフレーム7(又は8)に螺合して車椅子1へ取付ると、
取付軸19に対して相対的に枠体17が360度の水平旋回を
する。操作板20は、一端に上向きに突設した係合嵌部21
(図3中左端)、他端に下向きに膨らませた広幅のブレー
キシューからなる押圧部22(図3中右端)を有する板状部
材(図5(係合嵌部21を係合受部23に嵌め込んだ状態の操
作板20を表した斜視図)参照)で、枠体17内の取付軸19下
端と車輪16との間へ揺動可能に軸着し、渦巻きバネ24に
より前記係合嵌部21を押し下げる向き(図3中左回転方
向)に付勢している。ワイヤ13は、前記係合嵌部21を引
き上げる(図3中右回転)ことができるように係合嵌部21
と揺動軸25との間へ連結している。
【0018】旋回規制機構は、取付軸19下端に取付けた
係合受部23と操作板20の係合嵌部21とから構成される。
図5に見られるように、係合受部23は放射状に凹部26を
配した歯車状の部材からなり、この取付軸19と一体に枠
体17に対して水平旋回する。係合嵌部21は、ワイヤ13に
より操作板20が揺動することで持ち上げられ、係合受部
23の凹部26に嵌まり込み、取付軸19に対する相対的な枠
体17の旋回を規制することで、車輪16の方向性を固定す
るのである。制動機構は、操作板20の押圧部22が担い、
この押圧部22は、先の状態から更にワイヤ13が操作板20
を揺動させることで、車輪16に対して圧力を持って面接
触し、車輪16の回転を止めるのである。
【0019】方向規制レバー3と制動レバー5とは、図
4に見られるように、ほぼ同構造であるが、カム部27,2
8の形状を若干異ならせることで、ワイヤ13に挟着した
掛止部29の押し上げ量を変えている。すなわち、方向規
制レバー3は、係合嵌部21が係合受部23に嵌まる程度に
操作板20を揺動させるように、そのカム部27で掛止部29
を若干持ち上げてワイヤ13を引っ張り、制動レバー5
は、押圧部22が車輪16を押圧する程度にまで前記操作板
20を揺動させるように、そのカム部28は掛止部29を更に
持ち上げてワイヤ13を引っ張るのである。なお、掛止部
29は、コイルスプリング30によりワイヤ13を引き下げる
向きに付勢してあり、方向規制レバー5(又は制動レバ
ー7)を初期位置に戻せば、掛止部29を押し上げていた
分だけワイヤ13は押し下げられ、段階的に操作板20が復
帰する。
【0020】本例の車椅子1では、初期状態において、
各レバー3,5を共に初期位置へ戻しているので、当然
に操作板20は揺動せず、図3に見られるように、係合嵌
部21は係合受部23から、そして押圧部22は車輪16と離隔
した状態にある。また、各レバー3,5の掛止部は、図
4に見られるように、それぞれのコイルスプリング30に
よって押し下げられた状態にある。なお、各レバーを倒
した状態を初期状態とすることもできるが、通常車椅子
の操作にレバーが邪魔になるので、本例のように、通常
はフレームに添わせておき、必要に応じて各レバーを倒
し、旋回規制機構又は制動機構を働かせるようにするの
が好ましい。
【0021】図6は旋回規制機構が働いて、制動機構が
働いていない状態のキャスタ12の断面図、図7は方向規
制レバー3を倒し、制動レバー5を初期位置にしたまま
の状態の断面図である。方向規制レバー3を倒すこと
で、図7に見られるように、このレバー3のカム部27が
掛止部29を押し上げ、その押し上げ量に合わせてワイヤ
13が引き上げられるので、図6に見られるように、操作
板20が揺動し、係合嵌部21が係合受部23の凹部26へ嵌ま
り込む。しかし、方向規制レバー3によるワイヤ13の引
き上げで揺動する操作板20は、押圧部22が車輪16に圧接
することはなく、制動機構は働かない。本例の車椅子1
は、トイレ等の狭い室内へ車椅子を進入させる、又は前
記室内から退出させる場合や、常に一定方向へ車椅子1
を進行させたい場合、段差、特に家屋内に存在する小段
差を乗り越えたい場合に方向規制する。
【0022】図8は旋回規制・制動機構共に働いている
状態のキャスタ12の断面図、図9は方向規制レバー3及
び制動レバー5を共に倒した状態の断面図である。方向
規制レバー3を倒した状態から、図9に見られるよう
に、更に制動レバー5を倒すことで制動レバー5のカム
部28が掛止部29を押し上げ、その押し上げ量に合わせて
更にワイヤ13が引き上げられるので、図8に見られるよ
うに、操作板20も更に揺動し、係合嵌部21が係合受部23
の凹部26へ嵌まった状態を維持しながら、押圧部22が車
輪16に圧接する。こうして、キャスタ12は方向規制及び
制動が掛かり、車椅子1は制止する。方向規制レバー3
を倒さずに、いきなり制動レバー5を倒せば、一度に旋
回規制・制動機構が働き、車椅子1はキャスタ12を一定
方向へ向けた状態で制止する。こうした車椅子1の制止
は、トイレ等の狭い室内へ進入させた車椅子1を退出さ
せる場合を考えて、この車椅子1の進入時の向きでキャ
スタ12を旋回規制する場合に利用する。
【0023】本例の車椅子では、介護者又は補助者が使
用者を乗せて車椅子をトイレへ連れていき、前記介護者
又は補助者が車椅子の方向性を規制しながらトイレの狭
い室内へ進入させたり、使用者自身がその方向性を規制
した状態を保持しながらトイレの室内で車椅子を制止さ
せることを想定している。上記の説明からも考えられる
通り、方向規制レバーと制動機構レバーとは、2種類の
半径からなるカム部を形成することにより一体化でき
る。しかし、前述の車椅子の使用状態を斟酌したとき、
介護者又は補助者の便宜と使用者の便宜とを考慮すれ
ば、本例のように方向規制レバーと制動レバーとを分
け、更にそれぞれの車椅子に対する取付位置をまったく
異なる位置にするほうがよいのである。
【0024】本発明のキャスタは、上記のように、旋回
規・制動機構を操作するレバーをキャスタから離れて設
けて各機構の操作性を向上させ、更に前記両機構を枠体
に内蔵し、ボールベアリングをパッキンで保護して水密
性を高めることで、特に水周りで使用する車椅子に対し
て最も有用となるが、本発明のキャスタは小荷物運搬車
や買い物用カート等にも利用できる。こうした小荷物運
搬車や買い物用カートでは、方向規制レバーと制動レバ
ーとを分離するよりも、両者を一体化するほうが操作性
が向上するので好ましい。この場合、上述のごとく2種
類の半径を有するカム部を持つ1本のレバーで構成して
もよいし、異なる半径のカム部を持つ2本のレバーを並
列に配して、各レバーの回動軸を同一にすることで一体
化してもよい。
【0025】
【発明の効果】本発明のキャスタにより、特に水周りで
使用する車椅子において、車椅子を操作する介護者又は
補助者と車椅子に乗る使用者双方の便宜を考慮し、使用
感、安全性を向上させることができる。
【0026】キャスタ自身が旋回規制機構と制動機構と
を枠体内に備えることにより、キャスタ自身の外観に大
きな変更はなく、従来のキャスタと同じ取り扱いができ
る。また、枠体が両機構を外部から保護、例えば水周り
における水の飛沫からの保護等が図ることもできる。更
に、これら旋回規制機構と制動機構とは、取付軸を貫通
させたワイヤ1本で操作でき、キャスタが360度の旋回
を続けた場合でも、ワイヤがよれたり曲がったりしない
利点がある。このように、本発明のキャスタは従来のキ
ャスタについて取り扱いをそのままに、操作性を向上さ
せ、しかも安全性を高めたもので、特に車椅子の使用に
適しているのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】車椅子の全体を表した斜視図である。
【図2】可動式アームレストを表した側面図である。
【図3】旋回規制・制動機構共に働いていない状態のキ
ャスタの断面図である。
【図4】図3の状態における方向規制レバー及び制動レ
バーを表した断面図である。
【図5】係合嵌部を係合受部に嵌め込んだ状態の操作板
を表した斜視図である。
【図6】旋回規制機構が働き、制動機構は働いてない状
態のキャスタの断面図である。
【図7】図6の状態における方向規制レバー及び制動レ
バーを表した断面図である。
【図8】旋回規制・制動機構共に働いている状態のキャ
スタの断面図である。
【図9】図8の状態における方向規制レバー及び制動レ
バーを表した断面図である。
【符号の説明】
1 水周り用の車椅子 3 方向規制レバー 4 操作ハンドル 5 制動レバー 12 本発明のキャスタ 13 ワイヤ 16 車輪 17 枠体 19 取付軸 20 操作板 21 係合嵌部 22 押圧部 23 係合受部
フロントページの続き (72)発明者 山澤 貴 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 松本 晃穂 岡山県総社市赤浜500番地 オーエム機器 株式会社岡山本社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪を軸着した枠体の頂部に取付軸を有
    し、該取付軸に対して枠体が水平旋回するキャスタであ
    って、取付軸に対する枠体の水平旋回を規制する旋回規
    制機構と車輪の回動を止める制動機構とを枠体内に備え
    てなり、取付軸を貫通したワイヤを引く又は戻す長さに
    従って、旋回規制機構又は制動機構のいずれか一方又は
    両方が働くことを特徴とする旋回規制・制動機構付キャ
    スタ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の旋回規制機構は、ワイヤ
    を枠体内に軸着した操作板に連結し、該ワイヤを引くこ
    とによって操作板に設けた係合嵌部が取付軸に設けた係
    合受部に係合して取付軸に対する枠体の水平旋回を規制
    し、制動機構は、前記係合嵌部が係合受部と係合した状
    態から更に前記ワイヤを引くことによって操作板の押圧
    部が車輪に圧接して該車輪を止めてなることを特徴とす
    る旋回規制・制動機構付キャスタ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のキャスタを用いた車椅子
    であって、該キャスタのワイヤに2体のレバーを直列に
    取付けてなり、一方のレバーは旋回規制機構が働く程度
    にワイヤを引く又は戻すことができ、他方のレバーは旋
    回規制・制動機構が共に働く程度でワイヤを引く又は戻
    すことができることを特徴とする車椅子。
JP27441295A 1995-10-23 1995-10-23 旋回規制・制動機構付キャスタ Expired - Fee Related JP3683952B2 (ja)

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