JP3854044B2 - 車椅子用ブレーキ機構及び車椅子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車椅子等に装着されるブレーキ機構と、このブレーキ機構を備えた車椅子とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
身体障害者、高齢者、負傷者等が利用する車椅子には、そのフレームの側方に、駐車時の車輪の回転を防止するためのブレーキ機構(駐車ブレーキ)が設けられている。この駐車ブレーキは、操作レバーとスイングレバーとがいわゆるトグルジョイント機構によって連結されたものである。この駐車ブレーキでは、操作レバーが後方に引かれることによりスイングレバーが移動し、このスイングレバーに連続して形成された当接部が車輪に当接する。この当接によって、車輪の回転が阻止される。逆に、操作レバーが前方に押されることによって当接部が車輪から離れ、車輪の回転が自在となる。すなわち、この駐車ブレーキでは、操作レバーが後方に引かれた場合にブレーキが作動し、操作レバーが前方に押された場合にブレーキが解除される(後方作動式ブレーキ)。これとは逆に、操作レバーが前方に押された場合にブレーキが作動し、操作レバーが後方に引かれた場合にブレーキが解除される駐車ブレーキもある(前方作動式ブレーキ)。このような、前方又は後方のいずれか一方に操作レバーが操作された場合にブレーキが作動する駐車ブレーキは、例えば実公昭57−1938号公報、実開昭59−41417号公報、実公昭53−31551号公報等に開示されている。
【0003】
ところが、障害の内容等の事情により操作レバーを前方に押すことはできても後方に引くことができない身体障害者や、逆に操作レバーを後方に引くことはできても前方に押すことができない身体障害者がいる。従って、身体障害者毎に、その障害に応じて、後方作動式及び前方作動式のいずれかの駐車ブレーキが選定される必要がある。また、痴呆症の高齢者等の場合は、自らが使用する車椅子の駐車ブレーキの作動方向が認識できないこともある。
【0004】
この不都合を解消した駐車ブレーキとして、実公平3−45705号公報に開示された、いわゆる前後作動式ブレーキが挙げられる。図8は、この前後作動式ブレーキ101が示された正面図である。この前後作動式ブレーキ101は、軸ピン103によって基台105に回動可能に軸支されたスイングレバー107を備えている。また、この前後作動式ブレーキ101は、軸ピン109によって基台105に回動可能に軸支された第一ジョイントプレート111と、軸ピン113によってスイングレバー107に回動可能に軸支された第二ジョイントプレート115とを備えている。第一ジョイントプレート111には、操作レバー117が連結されている。第一ジョイントプレート111にはピン状の第一係合部119及び第二係合部121が設けられている。第二ジョイントプレート115には、切り欠き状の第一被係合部123及び第二被係合部125が形成されている。
【0005】
図8には、操作レバー117が前方(この図において右方向)に押された状態が示されている。この状態では、第二係合部121と第二被係合部125とが係合している。すなわち、第二係合部121によって第二ジョイントプレート115及びスイングレバー107が後方(この図において左方向)に押され、当接部127が車輪129に当接してブレーキがかかっている。操作レバー117がニュートラル位置、すなわち操作レバー117がほぼ鉛直に起立する位置に動かされると、第一ジョイントプレート111は軸ピン109を支点として反時計回りに回動し、第二ジョイントプレート115は軸ピン113を支点として時計回りに回動する。そして、第一係合部119と第一被係合部123とが係合する。この状態では、当接部127が車輪129から離れ、ブレーキは解除されている。さらに、操作レバー117が後方に引かれると、第一係合部119が第二ジョイントプレート115及びスイングレバー107を後方に押し、当接部127が車輪129に当接してブレーキがかかる。同様の前後作動式ブレーキは、例えば実開昭63−100027号公報、特開平8−294514号公報等にも開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらの前後作動式ブレーキでは、操作レバー117の操作によってブレーキが作動するので、座者(障害者等)又は介助者が操作できる位置に操作レバー117が設けられる必要がある。従って、前後作動式ブレーキの装着位置は自ずと制限されてしまう。
【0007】
また、自力歩行ができない座者を介助者が抱きかかえて車椅子から他の場所(例えばベッド)に移す際には、移動が容易となるように車椅子の肘掛けが取り外されることがあるが、肘掛けが取り外されても操作レバー117が起立していると、座者の体が操作レバー117に当たってしまうことがある。操作レバー117に座者の体が当たると移動が妨げられ、また座者に苦痛与えてしまう。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、取り付け位置の自由度が高い前後作動式のブレーキ機構の提供をその目的とするものである。また、他の発明は、このブレーキ機構が装着された車椅子の提供を目的とするものである。
【0009】
上記の目的を達成するためになされた発明は、
基台と、この基台に回動可能に軸支された回動プレートと、回動プレートの対向位置にて基台に回動可能に軸支されたスイングレバーと、このスイングレバーに連続して形成されている当接部とを備えており、回動プレートが上方に回動した場合及び下方に回動した場合のいずれにおいてもスイングレバーが車輪に向かって回動し、当接部が車輪に当接して車輪の回転を阻止するように構成された車椅子用ブレーキ機構であって、
この回動プレートに連結された上側ワイヤー及び下側ワイヤーと、このスイングレバーにその一端が回動可能に軸支されるとともに他端側にピンが突設されている上側アーム及び下側アームとを備えており、この回動プレートが上側ガイド穴及び下側ガイド穴を備えており、上側アームのピンは上側ガイド穴に摺動可能に係着されており、下側アームのピンは下側ガイド穴に摺動可能に係着されており、上側ワイヤーが上方に引かれることにより回動プレートが上方に回動し、下側ワイヤーが下方に引かれることにより回動プレートが下方に回動するように構成されており、上側ワイヤーがニュートラル位置から上方に引かれることによって回動プレートが下側アームを介してスイングレバーを押し、当接部が車輪に当接する位置までスイングレバーが移動するように構成されており、下側ワイヤーがニュートラル位置から下方に引かれることによって回動プレートが上側アームを介してスイングレバーを押し、当接部が車輪に当接する位置までスイングレバーが移動するように構成された車椅子用ブレーキ機構、
である。
【0010】
このブレーキ機構では、上側ワイヤー及び下側ワイヤーによって回動プレートが回動するので、いわゆる遠隔操作が可能である。従って、ブレーキ機構の装着位置の自由度が高い。
【0011】
このブレーキ機構では、回動プレートの回動時に上側アーム及び下側アームのピンがそれぞれ上側ガイド穴及び下側ガイド穴と摺動するので、回動が円滑に行われる。さらにこのブレーキ機構は、上側ガイド穴及び下側ガイド穴が回動プレートに形成されているので細幅となる部材が存在せず、強度に優れるものである。
【0012】
好ましくは、上側ガイド穴と下側ガイド穴とは、そのスイングレバー寄りの端部にて互いに連続するように形成される。これにより、回動プレートの構成が簡略化され、ブレーキ機構の製作が容易となる。
【0013】
好ましくは、上側ワイヤー及び下側ワイヤーはワイヤー固定ピンによって回動プレートに連結される。そして、このワイヤー固定ピンは回動プレートに対して回転自在とされる。このブレーキ機構では、回動プレートの回動に伴ってワイヤー固定ピンが回動プレートに対して回転する。これにより、上側ワイヤー又は下側ワイヤーの引張方向が常に真上又は真下となり、ワイヤー固定ピンにネジリのモーメントが働かない。
【0014】
好ましくは、回動プレートの上方への回動及び下方への回動のうちのいずれか一方においてのみこの回動が死点を通過するまで行われ、他方においては死点を通過しない段階でこの回動が終了する。これにより、ブレーキ機構が駐車ブレーキとしても制動ブレーキとしても用いられうる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、本発明の実施形態が説明される。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態にかかるブレーキ機構1が示された斜視図であり、図2はその分解斜視図である。これらの図において略右側が車椅子の前側であり、略左側が車椅子の後側である。これらの図から明らかなように、このブレーキ機構1は、基台3と、回動プレート5と、上側ワイヤー7と、下側ワイヤー9と、スイングレバー11と、当接部13と、上側アーム15と、下側アーム17と、バネ19とを備えている。
【0017】
回動プレート5は板状であり、その一端近傍において軸ピン21によって基台3に回動可能に軸支されている。この回動プレート5には、長穴状の上側ガイド穴23及び下側ガイド穴25並びに連通穴27が形成されている。連通穴27は略「く」の字状であり、上側ガイド穴23及び下側ガイド穴25の左端と連結している。すなわち、上側ガイド穴23と下側ガイド穴25とは、連通穴27を介して連続した穴である。回動プレート5のうち上側ガイド穴23、下側ガイド穴25及び連通穴27以外の部分は、いずれの部位であっても比較的幅太である。従って、この回動プレート5は、強度に優れるものである。
【0018】
上側ワイヤー7及び下側ワイヤー9は連続した1本のワイヤーであり、このワイヤーはワイヤー固定ピン29の貫通孔31を貫通している。ワイヤー固定ピン29には、ワイヤー固定ボルト33が螺入されている。ワイヤー固定ボルト33によって、上側ワイヤー7及び下側ワイヤー9がワイヤー固定ピン29に固定されている。ワイヤー固定ピン29は回動プレート5に軸支されており、この回動プレート5に対して回転自在である。上側ワイヤー7は、上側ワイヤーカバー35に収納されている。この上側ワイヤーカバー35の下端は、基台3との相対的位置関係が変動しないように、図示されない固定手段によって固定されている。下側ワイヤー9は、下側ワイヤーカバー37に収納されている。この下側ワイヤーカバー37の上端は、基台3との相対的位置関係が変動しないように、図示されない固定手段によって固定されている。
【0019】
スイングレバー11は、その上端近傍において軸ボルト39によって基台3に回動可能に軸支されている。スイングレバー11は、回動プレート5と対向するように、回動プレート5の後端に近接して基台3に取り付けられている。スイングレバー11は、概ね「逆くの字」状である。
【0020】
当接部13は、スイングレバー11の下端に、スイングレバー11と連続して設けられている。当接部13は、スイングレバー11から起立している。この当接部13は、後に詳説されるように、大車輪と当接する部材である。当接部13はスイングレバー11とは別に形成されてもよいが、部品数の低減等の目的で、当接部13とスイングレバー11とが一体的に形成されるのが好ましい。
【0021】
上側アーム15は、その後端近傍において軸ボルト41によってスイングレバー11に回動可能に軸支されている。上側アーム15の前端近傍には、ピンとしてのボルト43が突設されている。ボルト43の外径は上側ガイド穴23の幅よりも若干小さめであり、このボルト43は上側ガイド穴23に通されている。ボルト43の先端にはナット45によってワッシャー47が取り付けられている。このワッシャー47の外径は上側ガイド穴23の幅よりも大きい。このワッシャー47によって、ボルト43の上側ガイド穴23からの脱抜が防止される。このように、上側アーム15のボルトは上側ガイド穴23と摺動可能に係着されている。
【0022】
下側アーム17は、その後端近傍において上側アーム15と同じ軸ボルト41によってスイングレバー11に回動可能に軸支されている。下側アーム17の構造は上側アーム15とほぼ同等である。すなわち、下側アーム17の前端近傍にはピンとしてのボルト49が突設されており、このボルト49の先端にはナット51によってワッシャー53が取り付けられている。そして、このボルト49は下側ガイド穴25と摺動可能に係着されている。このブレーキ機構1では上側アーム15と下側アーム17とが同一の軸ボルト41によってスイングレバー11に軸支されているが、上側アーム15及び下側アーム17がそれぞれ別部材でスイングレバー11に軸支されてもよい。
【0023】
バネ19の前端は基台3に固定されており、後端はスイングレバー11に固定されている。このバネ19は引張バネであり、スイングレバー11を前方位置へと付勢する。この付勢によって、後に詳説されるニュートラル位置への当接部13の操作が容易となる。このブレーキ機構1では付勢手段として引張バネが用いられているが、例えばねじりバネ等が用いられてもよい。
【0024】
図3から図5は、図1及び図2のブレーキ機構1が大車輪55の一部とともに示された正面図である。これらの図において右側が車椅子の前側であり、左側が車椅子の後側である。
【0025】
図3には、回動プレート5の長手方向が水平である状態が示されている。この状態では当接部13は大車輪55から離れており、ブレーキは作動していない(すなわちニュートラル)。この図から明らかなように、上側アーム15のピン43は上側ガイド穴23のほぼ前端に位置している。また、下側アーム17のピン49も、下側ガイド穴25のほぼ前端に位置している。
【0026】
図4には、上側ワイヤー7が上方に引かれた状態が示されている。図3に示された状態から図4に示された状態までの上側ワイヤー7の操作によって、回動プレート5が軸ピン21を中心として時計回りに回動する。この回動によって、下側アーム17のピン49が下側ガイド穴25(図3参照)の前端内周面で後方に押される。すると、下側アーム17がスイングレバー11を後方に押し、スイングレバー11が軸ボルト39を中心として時計回りに回動する。これにより当接部13が後方へ移動し、大車輪55と当接する。この当接によって大車輪55の回転が阻止され、ブレーキが作動した状態となる。
【0027】
ブレーキが解除されるには、図4に示された状態から図3に示された状態となるまで、下側ワイヤー9が引かれる。この操作はバネ19の付勢方向への操作なので、このブレーキ機構1を操作する者にさほどの力が要求されない。
【0028】
図5には、下側ワイヤー9が下方に引かれた状態が示されている。図3に示された状態から図5に示された状態までの下側ワイヤー9の操作によって、回動プレート5が軸ピン21を中心として反時計回りに回動する。この回動によって、上側アーム15のピン43が上側ガイド穴23の前端内周面で後方に押される。すると、上側アーム15がスイングレバー11を後方に押し、スイングレバー11が軸ボルト39を中心として時計回りに回動する。これにより当接部13が後方へ移動し、大車輪55と当接する。この当接によって大車輪55の回転が阻止され、ブレーキが作動した状態となる。
【0029】
ワイヤー固定ピン29は、前述のように回動プレート5に対して回転自在である。上側ワイヤー7又は下側ワイヤー9が引かれて回動プレート5が回動する際、ワイヤー固定ピン29は回動プレート5に対して相対的に回転する。絶対座標上では、回動プレート5が回動してもワイヤー固定ピン29はほとんど回転しない。従って、上側ワイヤー7は常にほぼ鉛直上向きに伸び、下側ワイヤー9は常にほぼ鉛直下向きに伸びる。よって、ワイヤー固定ピン29にネジリのモーメントがほとんどかからない。
【0030】
このように、このブレーキ機構1では、スイングレバー11の回動が上側ガイド穴23及び下側ガイド穴25とピン43、49との摺動によって達成されるので、前述の実公平3−45705号公報に開示された前後作動式ブレーキのような部材間の衝突が無く、操作が円滑である。また、このブレーキ機構1は、回動プレート5の構成が比較的シンプルなので、耐久性に優れる。しかも、この回動プレート5では、上側ガイド穴23と下側ガイド穴25とが連続しているので、上側ガイド穴23及び下側ガイド穴25の後端にさほどの寸法精度が要求されず、従ってその製作が容易且つ低コストである。
【0031】
ブレーキ機構の構成は、図1から図5に示されたものには限られない。例えば、図8に示さるような、第一ジョイントプレート111及び第二ジョイントプレート115を備えたブレーキ機構において、操作レバー117に代えて、上側ワイヤー及び下側ワイヤーが第一ジョイントプレート111に連結されてもよい。
【0032】
図6は、図1のブレーキ機構1が装着された車椅子57が示された右側面図である。この車椅子57は、既知の車椅子と同様に、ハンドグリップ59、背パイプ61、肘掛け63、フレーム65、大車輪55、ハンドリム67、前輪69及びフットレスト71を備えている。また、図示は省略されているが、この車椅子57は、背シート、座シート、レッグレスト、スカートガード、安全ベルト等を備えている。もちろん、車椅子57がこれらの部材全てを備える必要はなく、用途等に応じて部材が省略されてもよい。また、必要に応じて、車椅子57に他の部材が追加されてもよい。ブレーキ機構1はフレーム9に固定されており、大車輪55のやや前方に位置している。
【0033】
この車椅子57は、ブレーキレバー73も備えている。このブレーキレバー73は、ハンドグリップ59の直下に取り付けられている。ブレーキレバー73には、上側ワイヤーカバー35及び下側ワイヤーカバー37が連結されている。介助者がブレーキレバー73を下方に下げると、このブレーキレバー73によって上側ワイヤー7が引かれる。すると、図4に示されたように回動プレート5が時計回りに回動し、当接部13が大車輪55に当接してブレーキが作動する。車椅子57が駐車されるときは、ブレーキレバー73が最も下方に下げられる。この状態では、図4に示されるように、下側アーム17のピン49は軸ピン21と軸ボルト41とを結ぶ直線よりも、若干上方に位置している。すなわち、回動プレート5は、死点(軸ピン21、ピン49及び軸ボルト41が直線上に並ぶ状態)を若干通過するまで、時計回りに回動している。これにより、ブレーキにロックがかかった状態となり、回動プレート5がニュートラル位置に戻ってしまうことが阻止され、駐車中の予期せぬブレーキ解除が防止される。
【0034】
介助者がブレーキレバー73を上方に引くと、このブレーキレバー73によって下側ワイヤー9が引かれる。すると、図5に示されたように回動プレート5が反時計回りに回動し、当接部13が大車輪55に当接してブレーキが作動する。ブレーキレバー73が最も上方に引かれても、図5に示されるように、上側アーム15のピン43は軸ピン21と軸ボルト41とを結ぶ直線よりも、若干上方に位置している。すなわち、回動プレート5は、死点(軸ピン21、ピン43及び軸ボルト41が直線上に並ぶ状態)を通過しない。従って、介助者がブレーキレバー73を放すと、バネ19によって当接部13がニュートラル状態(図3に示された状態)に戻る。このように、下側ワイヤー9が引かれる場合は、ブレーキにロックがかからない。下側ワイヤー9が引かれる場合は、駐車ブレーキとしてではなく制動ブレーキとしてブレーキ機構1が用いられる。この制動ブレーキによって、介助者は移動中の車椅子57を停止させることができ、また、下り坂を徐々に進むこともできる。
【0035】
このように、このブレーキ機構1は、上側ワイヤー7が引かれたときに駐車ブレーキとして機能し、下側ワイヤー9が引かれたときに制動ブレーキとして機能する。このブレーキ機構1が装着されることにより、従来の車椅子のように、駐車ブレーキと制動ブレーキ(介助ブレーキ)との両方が設けられる必要がなくなる。なお、以下の(1)から(3)に示されるようにブレーキ機構1が構成されてもよい。
(1)上側ワイヤー7が引かれたとき及び下側ワイヤー9が引かれたときに駐車ブレーキとして機能する。
(2)上側ワイヤー7が引かれたときに制動ブレーキとして機能し、下側ワイヤー9が引かれたときに駐車ブレーキとして機能する。
(3)上側ワイヤー7が引かれたとき及び下側ワイヤー9が引かれたときに制動ブレーキとして機能する。
【0036】
図6では、上側ワイヤーカバー35及び下側ワイヤーカバー37の位置は模式的に示されている。実際の車椅子57では、座者及び介助者の邪魔にならないように、上側ワイヤーカバー35及び下側ワイヤーカバー37が引き回される。
【0037】
下側ワイヤーカバー37のみがブレーキレバー73に連結され、上側ワイヤーカバー35がフットペダル(図示されず)に連結されてもよい。この場合は、介助者がフットペダルを踏んで駐車ブレーキを作動させ、ブレーキレバー73を引いて制動ブレーキを作動させる。
【0038】
この車椅子57では上側ワイヤー7及び下側ワイヤー9によってブレーキの作動が遠隔操作されるので、図8に示された従来のブレーキ機構1のような操作レバー117が設けられる必要がない。従って、ブレーキ機構1の取り付け位置の自由度が高い。また、このブレーキ機構1が従来の車椅子と同様に座者の側方に取り付けられても、操作レバー117がないので、座者の移動の妨げにならない。もちろん、座者の邪魔にならない位置にブレーキ機構1が取り付けられる場合は、上側ワイヤー7及び下側ワイヤー9とともに操作レバー117が設けられ、これら両方によってブレーキの作動が操作されてもよい。
【0039】
図6では、車椅子57の右側の大車輪55のためのブレーキ機構1が示されているが、右側の大車輪55及び左側の大車輪55の両方にブレーキ機構1が設けられてもよい。この場合は、ブレーキレバー73も左右両方に設けられ、それぞれのブレーキレバー73で1つのブレーキ機構1が操作される。また、1つのブレーキレバー73で、2つのブレーキ機構1が同時に操作されてもよい。
【0040】
図7は、図1のブレーキ機構が車椅子の左右に装着された場合のワイヤーカバー引き回しの一例が示された模式図である。この図には、左側ブレーキ機構の下側ワイヤーカバーLd、左側ブレーキの上側ワイヤーカバーLu、右側ブレーキ機構の下側ワイヤーカバーRd、右側ブレーキの上側ワイヤーカバーRu、第一連結体75、第二連結体77、第一連結ワイヤーカバー79及び第二連結ワイヤーカバー81が示されている。左側ブレーキ機構の下側ワイヤーカバーLdと右側ブレーキ機構の下側ワイヤーカバーRdとは、第一連結体75を介して第一連結ワイヤーカバー79に連結されている。また、左側ブレーキ機構の上側ワイヤーカバーLuと右側ブレーキ機構の上側ワイヤーカバーRuとは、第二連結体77を介して第二連結ワイヤーカバー81に連結されている。そして、第一連結ワイヤーカバー79及び第二連結ワイヤーカバー81は、ブレーキレバーに連結されている。このような引き回しにより、1つのブレーキレバーで左右両側のブレーキ機構の操作が同時になされうる。もちろん、第一連結ワイヤーカバー79及び第二連結ワイヤーカバー81のうちの一方がフットペダル(図示されず)に連結されてもよい。
【0041】
以上、通常の車椅子に適用される場合が一例とされて本発明のブレーキ機構が説明されたが、このブレーキ機構は、例えば6輪式の車椅子、折り畳み式の車椅子、身体障害者用歩行器等にも適用されうる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明されたように、本発明の前後作動式ブレーキ機構は、取り付け位置の自由度が高いものである。このブレーキ機構が装着された車椅子は、福祉の向上に寄与しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態にかかるブレーキ機構が示された斜視図である。
【図2】図2は、図1のブレーキ機構が示された分解斜視図である。
【図3】図3は、図1のブレーキ機構が大車輪の一部とともに示された正面図である。
【図4】図4は、図1のブレーキ機構が大車輪の一部とともに示された正面図である。
【図5】図5は、図1のブレーキ機構が大車輪の一部とともに示された正面図である。
【図6】図6は、図1のブレーキ機構が装着された車椅子が示された右側面図である。
【図7】図7は、図1のブレーキ機構が車椅子の左右に装着された場合のワイヤーカバー引き回しの一例が示された模式図である。
【図8】図8は、従来の前後作動式ブレーキが示された正面図である。
【符号の説明】
1・・・ブレーキ機構
3・・・基台
5・・・回動プレート
7・・・上側ワイヤー
9・・・下側ワイヤー
11・・・スイングレバー
13・・・当接部
15・・・上側アーム
17・・・下側アーム
23・・・上側ガイド穴
25・・・下側ガイド穴
27・・・ワイヤー固定ピン
35・・・上側ワイヤーカバー
37・・・下側ワイヤーカバー
55・・・大車輪
57・・・車椅子
73・・・ブレーキレバー
Claims (5)
- 基台と、この基台に回動可能に軸支された回動プレートと、回動プレートの対向位置にて基台に回動可能に軸支されたスイングレバーと、このスイングレバーに連続して形成されている当接部とを備えており、回動プレートが上方に回動した場合及び下方に回動した場合のいずれにおいてもスイングレバーが車輪に向かって回動し、当接部が車輪に当接して車輪の回転を阻止するように構成された車椅子用ブレーキ機構であって、
この回動プレートに連結された上側ワイヤー及び下側ワイヤーと、このスイングレバーにその一端が回動可能に軸支されるとともに他端側にピンが突設されている上側アーム及び下側アームとを備えており、
この回動プレートが上側ガイド穴及び下側ガイド穴を備えており、
上側アームのピンは上側ガイド穴に摺動可能に係着されており、下側アームのピンは下側ガイド穴に摺動可能に係着されており、
上側ワイヤーが上方に引かれることにより回動プレートが上方に回動し、下側ワイヤーが下方に引かれることにより回動プレートが下方に回動するように構成されており、
上側ワイヤーがニュートラル位置から上方に引かれることによって回動プレートが下側アームを介してスイングレバーを押し、当接部が車輪に当接する位置までスイングレバーが移動するように構成されており、
下側ワイヤーがニュートラル位置から下方に引かれることによって回動プレートが上側アームを介してスイングレバーを押し、当接部が車輪に当接する位置までスイングレバーが移動するように構成された車椅子用ブレーキ機構。 - 上側ガイド穴と下側ガイド穴とが、そのスイングレバー寄りの端部にて互いに連続するように形成されている請求項1に記載の車椅子用ブレーキ機構。
- 上記上側ワイヤー及び下側ワイヤーがワイヤー固定ピンによって回動プレートに連結されており、このワイヤー固定ピンが回動プレートに対して回転自在とされている請求項1又は請求項2に記載の車椅子用ブレーキ機構。
- 上記回動プレートの上方への回動及び下方への回動のうちのいずれか一方においてのみ回動が死点を通過するまで行われ、他方においては死点を通過しない段階で回動が終了するように構成された請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車椅子用ブレーキ機構。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のブレーキ機構が装着された車椅子。
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