JP2000135249A - 介護用椅子の制動方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課 題】 搭乗者を支えて乗降させる場合の両輪の制
動方法。 【解決手段】 キャスター４，４ａの小輪に内蔵された
制動装置をそのまま利用し、左右２輪の制動装置を連結
アーム６、接続ケーブル５、ロッド等を使用し、キャス
ター、あるいは小輪のブレーキを作動させるためのスプ
リングを具備して、製作上の誤差を吸収し制動のＯＮ、
ＯＦＦが確実に、かつ滑らかに作動するようにしたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】高齢者、身体障害者、交通事
故等による、特に下肢の不自由な人々に利用される車椅
子の制動方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】介護用椅子の制動は左右独立したレバー
を手で各々引いて直接車輪表面を押さえて拘束するのが
一般的でキャスターを使用したものでは本体機構に組み
込まれた小さなペダルを直接足指で踏み込んで行うもの
であった。

【０００３】

【発明が解決しようとしている課題】車椅子に乗降する
際には制動をかけ、静止させることが安全上の基本であ
り、従来の車椅子には両輪を同時に制動できるものがな
く、片方の手で患者を支えて車椅子の側方から手を延ば
し、一回の操作で制動をかけることはできなかった。

【０００４】また、一般のキャスターに付いた小さなペ
ダルを直接足指で踏むことは介護者には勿論、下肢の不
自由な搭乗者にとっては困難なため、手だけの簡単な操
作で、かつ姿勢を崩すことなく安全に２輪の制動がかけ
られ、構造をシンプルにして安価にできるようにする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】制動機構を内部に持つ車
輪と接続ケーブル、またはロッド、等によって操作部か
ら接続し、操作部は左右対称的に連結し一体として、一
回の動作で２輪が同時に制動できるようにし、スプリン
グを使用することによって製作上の誤差を吸収し、制動
が無理なく確実にＯＮ，ＯＦＦできるようにしたもので
ある。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下本発明に関わる制動方法の実
施の形態を図面に即して詳しく説明する。

【０００７】図１は一般の介護用椅子を示し、制動方法
は後輪の車輪についている小さなペダル１，２を足の指
で直接押す構造である。図２は介護用椅子の全体図を示
す一例で、脚部には小さな車輪、またはキャスター３、
３ａ、４，４ａを配設し、５は接続ケーブル、６は連結
アームで介護者の手元ブレーキの操作部となるもので、
後部キャスター３，３ａには制動装置が具備されてい
る。

【０００８】図３には操作部から制動にいたる作動方法
の一例を示しており、左右対称で同時に作動するため片
側のみで説明する。連結アーム６の一端には先端金具７
が固定されている。該金具の中央部には軸受け８にピン
９が嵌合し、ピン９はＬ字型をした本体金具９に固定さ
れている。先端金具の先端部には穴が開けてありスプリ
ング１１，および鋼球１２が上下動する。

【０００９】連結アーム６を上下に矢印の方向に動かす
とピン９の回りに回転し先端部の鋼球１２は本体金具１
０の案内面Ｓの上を転動し、案内面の凹みｄ、またはｅ
に沈んで止まる。鋼球１２がｄ位置で制動のＯＮ、ｅ位
置でＯＦＦの位置になる。

【００１０】先端金具７の一端に接続されている接続ケ
ーブル５はケーブル本体１３とケーブルカバー１４から
構成されて後輪のキャスター３に導かれている。制動は
キャスター内部にある制動機構（図示せず）を利用して
おり、該キャスターには制動をかけるためのペダル１５
がある。

【００１１】キャスターに制動がかかるペダルの動作方
向は通常足を踏み込むことから図３に示す矢印のＡ方向
になるが、作動内容には２通りの方式があり、１つはフ
リーの状態で内蔵されたスプリングによるセルフリター
ンでＡ方向に動作して通常では常時制動がかかる状態と
なり、解放時はＢ方向にペダルを持ち上げ上限までくる
とペダルにロックがかかって車輪は自由に回るが、通常
ロックの手前で止めても車輪はすでに解放状態になって
いる。

【００１２】もう一つは内蔵されたスプリングで上限ま
でＢ方向にセルフリターンした状態で車輪は自由に回
り、制動時はＡ方向に足の指でペダルにロックがかかる
まで押す構造で、解放は同じく足の指でＢ方向に力を加
えてロックを解除する。

【００１３】上述のセルフリターンでＡ方向に動作して
常時制動がかかる方式の場合には図３で示すようにケー
ブル本体１３とペダル１５の間に引っ張りのスプリング
１６を入れる。操作用の連結アーム６を上方に上げる
と、先端金具７に接続されたケーブル本体１３を引っ張
り、他端に接続された引っ張りスプリング１６も引っ張
られてペダル１５を持ち上げる。

【００１４】ペダルを上限まで持ち上げてしまうとペダ
ルにロックがかかりペダルが固定されるため、鋼球１２
が凹みｅに入って連結アーム６が上端部に来てもペダル
１５は上限の手前で止まるようにばねの強さを加減して
おく。この加減はペダルがロックに入るための抵抗があ
るため、その抵抗に打ち勝たない程度のばね常数を選ぶ
ことで解決できる。

【００１５】連結レバー６を下方へ押すと鋼球１２がｄ
の凹みに入り、引っ張りスプリングはゆるみペダル１５
はセルフリターンで自力でＡ方向の下限まで動き、制動
のかかった状態になる。

【００１６】Ａ方向に押して制動がロックされる方式で
は図４で示すようにケーブル本体１３とケーブルカバー
１４との間に圧縮のスプリング１７を座金具１８，１９
を各端面の座にして入れるとケーブ本体１３を引き出し
てペダル２０を常時押す方向に動作し制動をかける。こ
の場合はロックがかかってもよい。制動のロック状態を
解放するためには連結アーム６を上方へ上げるとケーブ
ル本体１３を引っ張り、圧縮スプリング１７を両端の座
金具１８、および１９の間で挟みながらペダル２０を引
っ張りロックを解除し、その後はセルフリターンの力も
加わって上限で止まる。このように接続ケーブルとペダ
ルの間に動作方式にしたがって選んだスプリングを入れ
ることにより制動のＯＮ、ＯＦＦを行うことができる。

【発明の効果】キャスターを含め一般に使われる比較的
小さい車輪の製作精度にはバラツキがあり、二輪同時に
制動をかけるためには連結ロッド、金具類、接続ケーブ
ル、ロッド等を左右対称に精度よく取り付けなければな
らないが、介護用椅子自身にも製作、あるいは取り付け
上のバラツキがあり誤差が生じる。これらの狂いはスプ
リングを入れることにより、左右の細かい調整作業も必
要なく、動作範囲の補正が自動的にできることになり、
リンク上のガタも吸収して操作が滑らかになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】介護用椅子の外観図

【図２】本発明に係わる介護用椅子の後方斜視図

【図３】制動の動作部を示す図

【図４】圧縮スプリングの実施例を示す図

【符号の説明】

１、２はペダル ３、３ａ， ４，４ａはキャスタ
ー ５は接続ケーブル ６は連結アーム ７は先端
金具 ８は軸受け ９はピン １０は本体金具
１１はスプリング １２は鋼球 １３はケーブ
ル本体 １４はケーブルカバー １５、２０は
ペダル １６は引っ張りスプリング １７は圧縮スプリング １８，１９は座金具

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前部、または後部の車輪に制動装置を具
   備した介護用椅子において、該制動装置の操作部分は車
   椅子の後方にあって、２輪が同時に制動できるよう左右
   が連結されており、操作部と制動される車輪の間は接続
   ケーブル、ロッド、等の接続手段を有し、該接続手段と
   制動される車輪の間にはスプリングを介して引っ張り、
   または圧縮によって制動がかかるようにした車椅子の制
   動方法。