JPH0899526A - 車両用冷暖房装置 - Google Patents
車両用冷暖房装置Info
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- JPH0899526A JPH0899526A JP7029726A JP2972695A JPH0899526A JP H0899526 A JPH0899526 A JP H0899526A JP 7029726 A JP7029726 A JP 7029726A JP 2972695 A JP2972695 A JP 2972695A JP H0899526 A JPH0899526 A JP H0899526A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 暖房運転開始直後の暖房能力を向上する。
【構成】 暖房運転時は、コンプレッサー31の吐出冷
媒を車室外熱交換器38を迂回して第2の弁71を介し
て放熱用車室内熱交換器33へ供給し、冷媒の熱を放熱
用車室内熱交換器33で送風手段37により送風された
空気に放熱して温風を作るとともに、吸熱用車室内熱交
換器35で送風手段37により送風された空気の熱を冷
媒に吸熱して除湿を行なう。また暖房運転時は、吸熱用
車室内熱交換器35から冷媒をコンプレッサー31に吸
入するとともに、車室外熱交換器38からも冷媒をコン
プレッサー31に吸入する。一方冷房運転時は、コンプ
レッサー31の吐出冷媒を車室外熱交換器38へ供給し
て冷媒の熱を外気に放熱し、吸熱用車室内熱交換器35
で送風手段37により送風された空気の熱を冷媒に吸熱
して冷風を作る。
媒を車室外熱交換器38を迂回して第2の弁71を介し
て放熱用車室内熱交換器33へ供給し、冷媒の熱を放熱
用車室内熱交換器33で送風手段37により送風された
空気に放熱して温風を作るとともに、吸熱用車室内熱交
換器35で送風手段37により送風された空気の熱を冷
媒に吸熱して除湿を行なう。また暖房運転時は、吸熱用
車室内熱交換器35から冷媒をコンプレッサー31に吸
入するとともに、車室外熱交換器38からも冷媒をコン
プレッサー31に吸入する。一方冷房運転時は、コンプ
レッサー31の吐出冷媒を車室外熱交換器38へ供給し
て冷媒の熱を外気に放熱し、吸熱用車室内熱交換器35
で送風手段37により送風された空気の熱を冷媒に吸熱
して冷風を作る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍サイクル内の冷媒
流路を切り換えて車室内の冷暖房を行なう車両用冷暖房
装置に関する。
流路を切り換えて車室内の冷暖房を行なう車両用冷暖房
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】暖房運転時と冷房運転時とで四方弁によ
り冷媒の流れを逆転させ、暖房運転時には車室外熱交換
器(以下では、室外器と呼ぶ)を吸熱器として使用する
とともに車室内熱交換器(以下では、室内器と呼ぶ)を
放熱器として使用し、冷房運転時には室外器を放熱器と
して使用するとともに室内器を吸熱器として使用するよ
うにした車両用ヒートポンプ式冷暖房装置が知られてい
る(例えば、特開平2−290475号公報参照)。
り冷媒の流れを逆転させ、暖房運転時には車室外熱交換
器(以下では、室外器と呼ぶ)を吸熱器として使用する
とともに車室内熱交換器(以下では、室内器と呼ぶ)を
放熱器として使用し、冷房運転時には室外器を放熱器と
して使用するとともに室内器を吸熱器として使用するよ
うにした車両用ヒートポンプ式冷暖房装置が知られてい
る(例えば、特開平2−290475号公報参照)。
【0003】この種の車両用ヒートポンプ式冷暖房装置
の構成を図13に示す。暖房運転時には四方弁2が実線
示のように切り換えられ、冷媒がコンプレッサー1→四
方弁2→第1室内熱交換器3→加熱用熱交換器4→第2
室内熱交換器5→膨張弁6→室外熱交換器7→四方弁2
→レシーバー8→コンプレッサー1の経路で循環する。
この時、第1室内器3においてコンプレッサー1から吐
出された高温の冷媒の熱がブロアファン9により導入さ
れた空気に放熱され、温風が作られる。さらに加熱用熱
交換器4において、第1室内器3における熱交換によっ
て温度が低下した冷媒がエンジン10からの廃熱を利用
して加熱され、第2室内器5へ送られる。第2室内器5
では、加熱用熱交換器4で加熱された冷媒の熱がブロア
ファン11により導入された空気に放熱され、温風が作
られる。一方、室外器7では、第2室内器5における熱
交換によって温度が低下した冷媒がファン12により導
入された外気の熱を吸熱する。つまり、暖房運転時には
室外器7を吸熱器として使用するとともに、室内器3、
5を放熱器として使用して温風を作っている。
の構成を図13に示す。暖房運転時には四方弁2が実線
示のように切り換えられ、冷媒がコンプレッサー1→四
方弁2→第1室内熱交換器3→加熱用熱交換器4→第2
室内熱交換器5→膨張弁6→室外熱交換器7→四方弁2
→レシーバー8→コンプレッサー1の経路で循環する。
この時、第1室内器3においてコンプレッサー1から吐
出された高温の冷媒の熱がブロアファン9により導入さ
れた空気に放熱され、温風が作られる。さらに加熱用熱
交換器4において、第1室内器3における熱交換によっ
て温度が低下した冷媒がエンジン10からの廃熱を利用
して加熱され、第2室内器5へ送られる。第2室内器5
では、加熱用熱交換器4で加熱された冷媒の熱がブロア
ファン11により導入された空気に放熱され、温風が作
られる。一方、室外器7では、第2室内器5における熱
交換によって温度が低下した冷媒がファン12により導
入された外気の熱を吸熱する。つまり、暖房運転時には
室外器7を吸熱器として使用するとともに、室内器3、
5を放熱器として使用して温風を作っている。
【0004】冷房運転時には、四方弁2が点線示のよう
に切り換えられ、冷媒がコンプレッサー1→室外器7→
膨張弁6→第2室内器5→第1室内器3→四方弁2→レ
シーバー8→コンプレッサー1の流路で循環する。この
時、室外器7ではコンプレッサー1から吐出された高温
の冷媒の熱が外気に放熱され、第1および第2室内器
3、5では室外器7で放熱して温度が低下した冷媒がブ
ロアファン9、11により導入された空気の熱を吸熱す
る。つまり、冷房運転時には室外器7を放熱器として使
用するとともに、室内器3、5を吸熱器として使用して
冷風を作っている。
に切り換えられ、冷媒がコンプレッサー1→室外器7→
膨張弁6→第2室内器5→第1室内器3→四方弁2→レ
シーバー8→コンプレッサー1の流路で循環する。この
時、室外器7ではコンプレッサー1から吐出された高温
の冷媒の熱が外気に放熱され、第1および第2室内器
3、5では室外器7で放熱して温度が低下した冷媒がブ
ロアファン9、11により導入された空気の熱を吸熱す
る。つまり、冷房運転時には室外器7を放熱器として使
用するとともに、室内器3、5を吸熱器として使用して
冷風を作っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した車両用ヒート
ポンプ式冷暖房装置では、暖房運転時と冷房運転時とで
四方弁2により冷媒の流れを逆転させ、暖房運転時には
室外器7を吸熱器として使用するとともに室内器3、5
を放熱器として使用して温風を作り、冷房運転時には室
外器7を放熱器として使用するとともに室内器3、5を
吸熱器として使用して冷風を作っている。そのため、外
気温が低い時、降雨時あるいは降雪時などの気候条件下
で暖房運転を行うと、室外器7における吸熱量が減少す
る。そして、コンプレッサー1の仕事量が一定であると
仮定すると、室外器7からの吸熱量とコンプレッサー1
の仕事量との合計熱量を放熱する室内器3、5における
放熱量が減少し、暖房能力が低下する。しかも、このよ
うな気候条件下では着霜現象が発生しやすく、デフロス
ト運転の回数が増加して暖房運転が不安定になるおそれ
がある。また、冷房運転時と暖房運転時とで冷媒の流れ
を逆転させているので、室外器7側、室内器3、5側の
いずれの配管も高温、高圧に耐えられるようにする必要
がある。さらに、暖房運転時にはエンジン10からの廃
熱を利用して車室内暖房用の温風を作るので、ソーラー
カーや電気自動車のように大きな熱源を持たない車両に
対しては不向きであった。
ポンプ式冷暖房装置では、暖房運転時と冷房運転時とで
四方弁2により冷媒の流れを逆転させ、暖房運転時には
室外器7を吸熱器として使用するとともに室内器3、5
を放熱器として使用して温風を作り、冷房運転時には室
外器7を放熱器として使用するとともに室内器3、5を
吸熱器として使用して冷風を作っている。そのため、外
気温が低い時、降雨時あるいは降雪時などの気候条件下
で暖房運転を行うと、室外器7における吸熱量が減少す
る。そして、コンプレッサー1の仕事量が一定であると
仮定すると、室外器7からの吸熱量とコンプレッサー1
の仕事量との合計熱量を放熱する室内器3、5における
放熱量が減少し、暖房能力が低下する。しかも、このよ
うな気候条件下では着霜現象が発生しやすく、デフロス
ト運転の回数が増加して暖房運転が不安定になるおそれ
がある。また、冷房運転時と暖房運転時とで冷媒の流れ
を逆転させているので、室外器7側、室内器3、5側の
いずれの配管も高温、高圧に耐えられるようにする必要
がある。さらに、暖房運転時にはエンジン10からの廃
熱を利用して車室内暖房用の温風を作るので、ソーラー
カーや電気自動車のように大きな熱源を持たない車両に
対しては不向きであった。
【0006】このような問題を解決するために、本出願
人は、車室内に吸熱用車室内熱交換器(以下では、吸熱
器と呼ぶ)の他に放熱用車室内熱交換器(以下では、放
熱機と呼ぶ)を設け、これらを三方弁で切り換えるよう
にした車両用冷暖房装置を特願平3−345950号で
提案している。この車両用冷暖房装置によれば、車室外
の気候条件に左右されない安定な冷暖房運転が可能とな
り、また、大幅な設計変更を必要とせずに電気自動車な
どにも適用でき、しかも除湿暖房を行なうことができ
る。
人は、車室内に吸熱用車室内熱交換器(以下では、吸熱
器と呼ぶ)の他に放熱用車室内熱交換器(以下では、放
熱機と呼ぶ)を設け、これらを三方弁で切り換えるよう
にした車両用冷暖房装置を特願平3−345950号で
提案している。この車両用冷暖房装置によれば、車室外
の気候条件に左右されない安定な冷暖房運転が可能とな
り、また、大幅な設計変更を必要とせずに電気自動車な
どにも適用でき、しかも除湿暖房を行なうことができ
る。
【0007】この車両用冷暖房装置の構成を図14に示
す。暖房運転時には三方弁32が実線示のように切り換
えられ、冷媒がコンプレッサー31→三方弁32→放熱
器33→液タンク36→膨張弁34→吸熱器35→コン
プレッサー31の経路で循環する。この時、ブロアファ
ンにより導入された空気は吸熱器35により冷却除湿さ
れた後、放熱器33により暖められて車室内暖房用の温
風が作られる。また、冷房運転時には三方弁が点線示の
ように切り換えられ、冷媒がコンプレッサー31→三方
弁32→室外器38→逆止弁70→放熱器33→液タン
ク36→膨張弁34→吸熱器35→コンプレッサー31
の経路で循環する。この時、コンプレッサー31から吐
出された高温の冷媒の熱が室外器38により外気に放熱
され、ブロアファンで導入された空気が吸熱器35によ
り冷やされて車室内冷房用の冷風が作られる。
す。暖房運転時には三方弁32が実線示のように切り換
えられ、冷媒がコンプレッサー31→三方弁32→放熱
器33→液タンク36→膨張弁34→吸熱器35→コン
プレッサー31の経路で循環する。この時、ブロアファ
ンにより導入された空気は吸熱器35により冷却除湿さ
れた後、放熱器33により暖められて車室内暖房用の温
風が作られる。また、冷房運転時には三方弁が点線示の
ように切り換えられ、冷媒がコンプレッサー31→三方
弁32→室外器38→逆止弁70→放熱器33→液タン
ク36→膨張弁34→吸熱器35→コンプレッサー31
の経路で循環する。この時、コンプレッサー31から吐
出された高温の冷媒の熱が室外器38により外気に放熱
され、ブロアファンで導入された空気が吸熱器35によ
り冷やされて車室内冷房用の冷風が作られる。
【0008】この車両用冷暖房装置では、暖房運転時に
冷媒が室外器38を迂回して流れるので、外気温が5℃
を下回るような場合でも室外器38の凍結の影響を受け
ずに冷暖房装置を作動させることができる。一方、コン
プレッサー31への入力をW、吸熱器35で空気が冷却
除湿される熱量をQE、放熱器33で空気が加熱される
熱量をQCとすると、
冷媒が室外器38を迂回して流れるので、外気温が5℃
を下回るような場合でも室外器38の凍結の影響を受け
ずに冷暖房装置を作動させることができる。一方、コン
プレッサー31への入力をW、吸熱器35で空気が冷却
除湿される熱量をQE、放熱器33で空気が加熱される
熱量をQCとすると、
【数1】W=QC−QE となる関係が成立し、コンプレッサー31の仕事量がそ
のまま車室内空気の加熱量となり、コンプレッサー31
の制御で車室内温度の調整を行なうことができる。した
がって、外気温が5〜15℃程度のやや寒い環境下でも
コンプレッサー31への入力を制御すれば弱暖房運転を
行なうことができる。
のまま車室内空気の加熱量となり、コンプレッサー31
の制御で車室内温度の調整を行なうことができる。した
がって、外気温が5〜15℃程度のやや寒い環境下でも
コンプレッサー31への入力を制御すれば弱暖房運転を
行なうことができる。
【0009】しかしながら、この図14に示す車両用冷
暖房装置では、外気温が5〜15℃程度のやや寒い環境
下で、まだ充分に外気から吸熱ができるにも拘わらず室
外器38が使用されないので、暖房時の運転効率を示す
成績係数の向上に限界があった。特に、電気自動車で
は、ガソリン車に比べて電気エネルギーの消費が走行距
離に大幅に影響するため、コンプレッサー31の消費エ
ネルギーの厳密な管理を必要とし、成績係数の向上が望
まれる。また、暖房運転時に、室外器38を迂回して冷
媒を流すため、冷媒が三方弁32や逆止弁70の弁シー
ル部のわずかな隙間から室外器38に徐々に侵入し、そ
のまま室外器38に溜まり込むという問題がある。この
結果、室外器38に溜まり込んだ分だけ、作動している
冷凍サイクル(コンプレッサー31→放熱器33→膨張
弁34→吸熱器35→コンプレッサー31)の冷媒が不
足し、それによって暖房運転能力が低下するおそれがあ
る。
暖房装置では、外気温が5〜15℃程度のやや寒い環境
下で、まだ充分に外気から吸熱ができるにも拘わらず室
外器38が使用されないので、暖房時の運転効率を示す
成績係数の向上に限界があった。特に、電気自動車で
は、ガソリン車に比べて電気エネルギーの消費が走行距
離に大幅に影響するため、コンプレッサー31の消費エ
ネルギーの厳密な管理を必要とし、成績係数の向上が望
まれる。また、暖房運転時に、室外器38を迂回して冷
媒を流すため、冷媒が三方弁32や逆止弁70の弁シー
ル部のわずかな隙間から室外器38に徐々に侵入し、そ
のまま室外器38に溜まり込むという問題がある。この
結果、室外器38に溜まり込んだ分だけ、作動している
冷凍サイクル(コンプレッサー31→放熱器33→膨張
弁34→吸熱器35→コンプレッサー31)の冷媒が不
足し、それによって暖房運転能力が低下するおそれがあ
る。
【0010】そこで、本出願人は、外気温が極寒の環境
からやや高い環境までの広い範囲で暖房運転が可能であ
り、且つ、暖房運転時に室外器に溜まる冷媒を冷凍サイ
クル側へ戻し、暖房能力の低下を防止する車両用冷暖房
装置を特願平6−10027号で提案している。
からやや高い環境までの広い範囲で暖房運転が可能であ
り、且つ、暖房運転時に室外器に溜まる冷媒を冷凍サイ
クル側へ戻し、暖房能力の低下を防止する車両用冷暖房
装置を特願平6−10027号で提案している。
【0011】この車両用冷暖房装置の構成を図15に示
す。また、各運転モードにおける各弁92,93,15
5,157の作動状態を表1に示し、冷媒の流れを表2
に示す。
す。また、各運転モードにおける各弁92,93,15
5,157の作動状態を表1に示し、冷媒の流れを表2
に示す。
【表1】
【表2】 冷房運転時には、冷媒がコンプレッサー31→二方弁9
2→室外器38→逆止弁70→放熱器33→液タンク3
6→膨張弁34→吸熱器35→コンプレッサー31の経
路で循環する。この時、コンプレッサー31から吐出さ
れた高温の冷媒の熱が室外器38で外気に放熱され、ブ
ロアファンで導入された空気が吸熱器35により冷やさ
れて車室内冷房用の冷風が作られる。
2→室外器38→逆止弁70→放熱器33→液タンク3
6→膨張弁34→吸熱器35→コンプレッサー31の経
路で循環する。この時、コンプレッサー31から吐出さ
れた高温の冷媒の熱が室外器38で外気に放熱され、ブ
ロアファンで導入された空気が吸熱器35により冷やさ
れて車室内冷房用の冷風が作られる。
【0012】一方、暖房運転は、暖房運転を開始した直
後の過渡状態における暖房運転(以下では、過渡暖房運
転と呼ぶ)とその後の定常状態における暖房運転(以下
では、定常暖房運転と呼ぶ)とで冷媒流路が切り換えら
れる。まず、過渡暖房運転時には、冷媒がコンプレッサ
ー31→二方弁93→放熱器33→液タンク36→膨張
弁34→吸熱器35→コンプレッサー31の第1の経路
と、膨張弁34から流路153へ分流して、膨張弁34
→二方弁157→室外器38→二方弁155→コンプレ
ッサー31の第2の流路とに分流して循環する。暖房運
転を開始した直後には室外器38の温度と圧力が急激に
低下し、その後、冷凍サイクルの低圧側の圧力上昇にと
もなってそれらが徐々に上昇する。したがって、暖房運
転を開始した直後には、吸熱器35により車室内空気か
ら吸熱を行なうとともに、室外器38により外気からも
吸熱を行ない、短時間に暖房能力を向上させる。さら
に、暖房運転開始時に室外器38に溜まった冷媒をコン
プレッサー31へ回収する。冷凍サイクルの低圧側の圧
力が充分に上昇すると、二方弁157が閉止され、流路
153を介した第2流路が閉じられて第1流路のみによ
る定常暖房運転が行なわれる。
後の過渡状態における暖房運転(以下では、過渡暖房運
転と呼ぶ)とその後の定常状態における暖房運転(以下
では、定常暖房運転と呼ぶ)とで冷媒流路が切り換えら
れる。まず、過渡暖房運転時には、冷媒がコンプレッサ
ー31→二方弁93→放熱器33→液タンク36→膨張
弁34→吸熱器35→コンプレッサー31の第1の経路
と、膨張弁34から流路153へ分流して、膨張弁34
→二方弁157→室外器38→二方弁155→コンプレ
ッサー31の第2の流路とに分流して循環する。暖房運
転を開始した直後には室外器38の温度と圧力が急激に
低下し、その後、冷凍サイクルの低圧側の圧力上昇にと
もなってそれらが徐々に上昇する。したがって、暖房運
転を開始した直後には、吸熱器35により車室内空気か
ら吸熱を行なうとともに、室外器38により外気からも
吸熱を行ない、短時間に暖房能力を向上させる。さら
に、暖房運転開始時に室外器38に溜まった冷媒をコン
プレッサー31へ回収する。冷凍サイクルの低圧側の圧
力が充分に上昇すると、二方弁157が閉止され、流路
153を介した第2流路が閉じられて第1流路のみによ
る定常暖房運転が行なわれる。
【0013】ところが、図15に示す車両用冷暖房装置
では、補助配管や二方弁を多く使用しているので冷凍サ
イクルが複雑になっており、しかも二方弁は比較的冷媒
漏れが多いので室外器38への冷媒漏れが発生し、この
漏れ冷媒による外気への放熱が発生して暖房能力が低下
するおそれがある。さらに、過渡暖房運転から定常暖房
運転に移行した時に、室外器38に冷媒が残留すること
は避けられず、この残留量が外気温や走行状態によって
変化するので、冷凍サイクルの冷媒量も変化し、安定な
暖房運転を阻害するおそれもある。
では、補助配管や二方弁を多く使用しているので冷凍サ
イクルが複雑になっており、しかも二方弁は比較的冷媒
漏れが多いので室外器38への冷媒漏れが発生し、この
漏れ冷媒による外気への放熱が発生して暖房能力が低下
するおそれがある。さらに、過渡暖房運転から定常暖房
運転に移行した時に、室外器38に冷媒が残留すること
は避けられず、この残留量が外気温や走行状態によって
変化するので、冷凍サイクルの冷媒量も変化し、安定な
暖房運転を阻害するおそれもある。
【0014】また、一般的な二方弁は冷媒の流れ方向が
指定され、出入口の圧力差を利用して内部のバルブを閉
じる構造となっている。そのため、二方弁の流れ方向と
一致する冷媒の流れは阻止することができるが、逆方向
の流れはバルブを閉じるための圧力差が確保できないの
で、漏れが生じてしまう。そのため、例えば、車両用冷
暖房装置にバイパス路を設け、該バイパス路に二方弁を
設け、冷房運転時に室外器からコンプレッサーの冷媒吸
入側へ向かう冷媒の流れを阻止できるように設定しても
冷媒流れが逆になると圧力差を利用することでバルブを
閉じることができなくなり、コンプレッサーの冷媒吸入
側から室外器へ向かう流れは阻止することができない。
指定され、出入口の圧力差を利用して内部のバルブを閉
じる構造となっている。そのため、二方弁の流れ方向と
一致する冷媒の流れは阻止することができるが、逆方向
の流れはバルブを閉じるための圧力差が確保できないの
で、漏れが生じてしまう。そのため、例えば、車両用冷
暖房装置にバイパス路を設け、該バイパス路に二方弁を
設け、冷房運転時に室外器からコンプレッサーの冷媒吸
入側へ向かう冷媒の流れを阻止できるように設定しても
冷媒流れが逆になると圧力差を利用することでバルブを
閉じることができなくなり、コンプレッサーの冷媒吸入
側から室外器へ向かう流れは阻止することができない。
【0015】また、暖房運転時に吸熱器35と室外器3
8の両方からコンプレッサー31に冷媒を吸入する場
合、この二方弁の特性が暖房運転時に次のような問題を
もたらすことが本出願人の実験によりわかった。すなわ
ち、暖房運転開始直後で吸熱器35の吸込空気温度が低
い時には、室外器38と吸熱器35の作動圧力はほぼ等
しく変化し、室外器38内の冷媒は二方弁155を経由
してコンプレッサー31の冷媒吸入側へ流れ込む。その
後、車室内が温まり吸熱器35の吸込空気温度が高くな
ると、吸熱器35の作動圧力も徐々に高くなる。ところ
が、外気に曝されている室外器38はせいぜい外気温に
対応した飽和圧力までしか作動圧力が上昇せず、外気温
が低い場合には、室外器38の作動圧力よりも吸熱器3
5の作動圧力の方が高くなり、コンプレッサー31の冷
媒吸入側から室外器38側への冷媒の流れが生じる。こ
の冷媒流れは二方弁155を閉じても阻止することがで
きず、室外器38へ冷媒が流れ込み、ここで外気に放熱
して暖房能力が低下するとともに寝込み冷媒も増加する
ので、暖房運転に必要な作動冷媒量が減少してコンプレ
ッサー吐出冷媒温度の上昇による異常停止やコンプレッ
サー入力の低下を招いてしまう。
8の両方からコンプレッサー31に冷媒を吸入する場
合、この二方弁の特性が暖房運転時に次のような問題を
もたらすことが本出願人の実験によりわかった。すなわ
ち、暖房運転開始直後で吸熱器35の吸込空気温度が低
い時には、室外器38と吸熱器35の作動圧力はほぼ等
しく変化し、室外器38内の冷媒は二方弁155を経由
してコンプレッサー31の冷媒吸入側へ流れ込む。その
後、車室内が温まり吸熱器35の吸込空気温度が高くな
ると、吸熱器35の作動圧力も徐々に高くなる。ところ
が、外気に曝されている室外器38はせいぜい外気温に
対応した飽和圧力までしか作動圧力が上昇せず、外気温
が低い場合には、室外器38の作動圧力よりも吸熱器3
5の作動圧力の方が高くなり、コンプレッサー31の冷
媒吸入側から室外器38側への冷媒の流れが生じる。こ
の冷媒流れは二方弁155を閉じても阻止することがで
きず、室外器38へ冷媒が流れ込み、ここで外気に放熱
して暖房能力が低下するとともに寝込み冷媒も増加する
ので、暖房運転に必要な作動冷媒量が減少してコンプレ
ッサー吐出冷媒温度の上昇による異常停止やコンプレッ
サー入力の低下を招いてしまう。
【0016】本発明の目的は、暖房運転開始直後の暖房
能力を向上した車両用冷暖房装置を提供することにあ
る。
能力を向上した車両用冷暖房装置を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1の実施例を示す図1
〜2に対応づけて請求項1の発明を説明すると、請求項
1の発明は、冷媒を圧縮するコンプレッサー31と、こ
のコンプレッサー31の冷媒吐出側に接続され冷媒流路
を切り換える四方弁73と、冷媒と外気との間で熱交換
を行なう車室外熱交換器38と、冷媒の熱を送風手段3
7により送風された空気に放熱する放熱用車室内熱交換
器33と、車室外熱交換器38の一端と放熱用車室内熱
交換器33の冷媒流入側との間に設けられ、放熱用車室
内熱交換器33から車室外熱交換器38への冷媒の流れ
を阻止する第1の弁70と、四方弁73と放熱用車室内
熱交換器33の冷媒流入側との間に設けられ、放熱用車
室内熱交換器33から四方弁73への冷媒の流れを阻止
する第2の弁71と、放熱用車室内熱交換器33の冷媒
流出側に接続され冷媒を断熱膨張させる膨張弁34と、
この膨張弁34の冷媒流出側とコンプレッサー31の冷
媒吸入側との間に設けられ、送風手段37により送風さ
れた空気の熱を冷媒に吸熱する吸熱用車室内熱交換器3
5と、暖房運転時に、四方弁73によってコンプレッサ
ー31の吐出冷媒を第2の弁71を介して放熱用車室内
熱交換器33へ供給する流路を選択するとともに車室外
熱交換器38の他端をコンプレッサー31の冷媒吸入側
へ接続し、冷房運転時に、四方弁73によってコンプレ
ッサー31の吐出冷媒を車室外熱交換器38と第1の弁
70とを介して放熱用車室内熱交換器33へ供給する流
路を選択する制御手段43とを備え、これにより、上記
目的を達成する。第2の実施例を示す図4に対応づけて
請求項2の発明を説明すると、請求項2の車両用冷暖房
装置は、放熱用車室内熱交換器33の冷媒流出側と車室
外熱交換器38の一端との間に補助膨張弁91と冷媒流
量調整弁90とを有する流路を設け、制御手段によっ
て、定常状態における暖房運転時は冷媒流量調整弁90
によって冷媒の流れを阻止し、暖房運転を開始してから
定常状態になるまでの過渡状態における暖房運転時は冷
媒流量調整弁90によって冷媒の流れを許容するように
したものである。第1の実施例の変形例を示す図5に対
応づけて請求項3の発明を説明すると、請求項3の発明
は、冷媒を圧縮するコンプレッサー31と、このコンプ
レッサー31の冷媒吐出側に接続され冷媒流路を切り換
える四方弁73と、冷媒と外気との間で熱交換を行なう
車室外熱交換器38と、冷媒の熱を送風手段により送風
された空気に放熱する放熱用車室内熱交換器33と、冷
媒を断熱膨張させる膨張弁34と、この膨張弁34の冷
媒流出側とコンプレッサー31の冷媒吸入側との間に設
けられ、送風手段により送風された空気の熱を冷媒に吸
熱する吸熱用車室内熱交換器35と、車室外熱交換器3
8の一端と膨張弁34の冷媒流入側との間に設けられ、
膨張弁34から車室外熱交換器38への冷媒の流れを阻
止する第1の弁70と、放熱用車室内熱交換器33の冷
媒流出側と膨張弁34の冷媒流入側との間に設けられ、
膨張弁34から放熱用車室内熱交換器33への冷媒の流
れを阻止する第2の弁71と、暖房運転時に、四方弁7
3によってコンプレッサー31の吐出冷媒を放熱用車室
内熱交換器33と第2の弁71とを介して膨張弁34へ
供給する流路を選択するとともに車室外熱交換器38の
他端をコンプレッサー31の冷媒吸入側へ接続し、冷房
運転時に、四方弁73によってコンプレッサー31の吐
出冷媒を車室外熱交換器38と第1の弁70とを介して
膨張弁34へ供給する流路を選択する制御手段とを備
え、これにより、上記目的を達成する。第2の実施例の
変形例を示す図6に対応づけて請求項4の発明を説明す
ると、請求項4の車両用冷暖房装置は、膨張弁34の冷
媒流入側と車室外熱交換器38の一端との間に補助膨張
弁91と冷媒流量調整弁90とを有する流路を設け、制
御手段によって、定常状態における暖房運転時は冷媒流
量調整弁90によって冷媒の流れを阻止し、暖房運転を
開始してから定常状態になるまでの過渡状態における暖
房運転時は冷媒流量調整弁90によって冷媒の流れを許
容するようにしたものである。実施例を示す図3〜6に
対応づけて請求項5および請求項6の発明を説明する
と、請求項5の車両用冷暖房装置は、四方弁73からコ
ンプレッサー31の冷媒吸入側への流路に、コンプレッ
サー31の冷媒吸入側から四方弁73への冷媒の流れを
阻止する逆止弁72を設けたものである。請求項6の車
両用冷暖房装置は、吸熱用車室内熱交換器35の入口空
気温度を検出する空気温度検出手段を備え、制御手段に
よって、過渡状態における暖房運転時に空気温度検出手
段により検出された入口空気温度に基づいて冷媒流量調
整弁90の冷媒流量を制御するようにしたものである。
請求項7の車両用冷暖房装置は、車室外熱交換器の作動
温度を検出する作動温度検出手段と、車両の外気温を検
出する外気温検出手段とを備え、制御手段によって、作
動温度検出手段により検出された作動温度と外気温検出
手段により検出された外気温とに基づいて、過渡状態に
おける暖房運転から定常状態における暖房運転に切り換
えるタイミングを決定するようにしたものである。請求
項8の車両用冷暖房装置は、制御手段によって、暖房運
転を開始してから所定時間が経過したら過渡状態におけ
る暖房運転から定常状態における暖房運転に切り換える
ようにしたものである。請求項9の車両用冷暖房装置
は、各種熱環境情報に基づいて車両の窓曇りの発生を予
測する窓曇り予測手段を備え、制御手段によって、窓曇
り予測手段により窓曇りの発生が予測された時は、暖房
運転の開始時点から定常状態における暖房運転を行なう
ようにしたものである。請求項10の車両用冷暖房装置
は、制御手段によって、暖房運転の停止時に冷媒流量調
整弁を開放するようにしたものである。請求項11の車
両用冷暖房装置は、第1および第2の弁を逆止弁とした
ものである。請求項12の車両用冷暖房装置は、第1お
よび第2の弁を二方弁としたものである。第4の実施例
とその変形例の冷凍サイクルの構成を示す図16〜17
に対応づけて請求項13の発明を説明すると、請求項1
3は、冷媒を圧縮するコンプレッサー31と、冷媒と外
気との間で熱交換を行なう車室外熱交換器38と、冷媒
の熱を送風手段により送風された空気に放熱する放熱用
車室内熱交換器33と、冷媒を断熱膨張させる膨張弁3
4と、前記膨張弁34の冷媒流出側と前記コンプレッサ
ー31の冷媒吸入側との間に設けられ、前記送風手段に
より送風された空気の熱を冷媒に吸熱する吸熱用車室内
熱交換器35と、前記コンプレッサー31の冷媒吸入
側、前記コンプレッサー31の冷媒吐出側、前記車室外
熱交換器38の一端および前記放熱用車室内熱交換器3
3の一端にそれぞれ接続され、前記コンプレッサー31
の吐出冷媒を前記車室外熱交換器38と前記放熱用車室
内熱交換器33の内のいずれか一方へ送り出す四方弁7
3と、前記車室外熱交換器38の他端に設けられ、前記
車室外熱交換器38へ流入する冷媒の流れを阻止し、前
記車室外熱交換器38から流出する冷媒の流れを許容す
る第1の弁70と、前記放熱用車室内熱交換器33の冷
媒流入側または冷媒流出側に設けられ、設置された位置
から前記四方弁73へ向かう冷媒の流れを阻止し、前記
四方弁73から流出する冷媒の流れを許容する第2の弁
71と、暖房運転時に、前記四方弁73によって前記コ
ンプレッサー31の吐出冷媒を少なくとも前記第2の弁
71と前記放熱用車室内熱交換器33とを介して前記膨
張弁34へ供給する流路を選択するとともに、前記車室
外熱交換器38の一端を前記コンプレッサー31の冷媒
吸入側へ連通し、冷房運転時に、前記四方弁73によっ
て前記コンプレッサー31の吐出冷媒を少なくとも前記
車室外熱交換器38と前記第1の弁70とを介して前記
膨張弁34へ供給する流路を選択するとともに、前記第
2の弁71から前記コンプレッサー31の冷媒吸入側ま
でを連通する制御手段と、前記コンプレッサー31の冷
媒吸入側と前記四方弁73との間、または前記四方弁7
3と前記車室外熱交換器38の一端との間に設けられ、
暖房運転時に前記コンプレッサー31の冷媒吸入側から
前記車室外熱交換器31へ向う冷媒流れが生じると判断
される場合にその冷媒流れを阻止する流路開閉手段10
0とを備える。第5の実施例の冷凍サイクルの構成を示
す図18に対応づけて請求項14の発明を説明すると、
請求項14は、冷媒を圧縮するコンプレッサー31と、
冷媒と外気との間で熱交換を行なう車室外熱交換器38
と、冷媒の熱を送風手段により送風された空気に放熱す
る放熱用車室内熱交換器33と、冷媒を断熱膨張させる
膨張弁34と、前記膨張弁34の冷媒流出側と前記コン
プレッサー31の冷媒吸入側との間に設けられ、前記送
風手段により送風された空気の熱を冷媒に吸熱する吸熱
用車室内熱交換器35と、前記コンプレッサー31の冷
媒吐出側と前記車室外熱交換器38の一端との間に設け
られる第4の弁92と、前記放熱用車室内熱交換器33
の冷媒流入側または冷媒流出側に設けられる第5の弁9
3と、前記車室外熱交換器38の他端に設けられ、前記
車室外熱交換器38へ流入する冷媒の流れを阻止し、前
記車室外熱交換器38から流出する冷媒の流れを許容す
る第1の弁70と、前記コンプレッサー31の冷媒吸入
側と前記車室外熱交換器38とを接続するバイパス路8
2と、前記バイパス路82に設けられ、前記車室外熱交
換器38から前記コンプレッサー31の冷媒吸入側への
冷媒流れを阻止可能な第3の弁155と、暖房運転時
に、前記第4の弁92と前記第5の弁93とによって前
記コンプレッサー31の吐出冷媒を少なくとも前記第5
の弁93と前記放熱用車室内熱交換器33とを介して前
記膨張弁34へ供給する流路を選択するとともに、前記
車室外熱交換器38内の冷媒が前記コンプレッサー31
の冷媒吸入側へ流入可能な状態に前記第3の弁155を
設定し、冷房運転時に、前記第4の弁92と前記第5の
弁93とによって前記コンプレッサー31の吐出冷媒を
少なくとも前記第4の弁92と前記車室外熱交換器38
と前記第1の弁70とを介して前記膨張弁38へ供給す
る流路を選択するとともに、前記車室外熱交換器38内
の冷媒が前記コンプレッサー31の冷媒吸入側に流入不
可能な状態に前記第3の弁155を設定する制御手段
と、前記コンプレッサー31の冷媒吸入側と前記車室外
熱交換器38とを接続する配管の途中に設けられ、暖房
運転時に前記コンプレッサー31の冷媒吸入側から前記
車室外熱交換器38へ向かう冷媒流れが生じると判断さ
れる場合にその冷媒流れを阻止する流路開閉手段100
とを備える。第5の実施例の変形例の冷凍サイクルの構
成を示す図19に対応づけて請求項15の発明を説明す
ると、請求項15は、冷媒を圧縮するコンプレッサー3
1と、冷媒と外気との間で熱交換を行なう車室外熱交換
器38と、冷媒の熱を送風手段により送風された空気に
放熱する放熱用車室内熱交換器33と、冷媒を断熱膨張
させる膨張弁34と、前記膨張弁34と前記コンプレッ
サー31の冷媒吸入側との間に設けられ、前記送風手段
により送風された空気の熱を冷媒に吸熱する吸熱用車室
内熱交換器35と、前記コンプレッサー31の冷媒吐出
側、前記車室外熱交換器38の一端および前記放熱用車
室内熱交換器33の一端にそれぞれ接続され、前記コン
プレッサー31の吐出冷媒を前記車室外熱交換器38と
前記放熱用車室内熱交換器33の内のいずれか一方へ送
り出す三方弁32と、前記車室外熱交換器38の他端に
設けられ、前記車室外熱交換器38へ流入する冷媒の流
れを阻止し、前記車室外熱交換器38から流出する冷媒
の流れを許容する第1の弁70と、前記コンプレッサー
31の冷媒吸入側と前記車室外熱交換器38とを接続す
るバイパス路82と、前記バイパス路82に設けられ、
前記車室外熱交換器38から前記コンプレッサー31の
冷媒吸入側への冷媒流れを阻止可能な第3の弁155
と、暖房運転時に、前記三方弁32によって前記コンプ
レッサー31の吐出冷媒を少なくとも前記放熱用車室内
熱交換器33を介して前記膨張弁34へ供給する流路を
選択するとともに、前記車室外熱交換器38内の冷媒が
前記コンプレッサー31の冷媒吸入側へ流入可能な状態
に前記第3の弁155を設定し、冷房運転時に、前記三
方弁32によって前記コンプレッサー31の吐出冷媒を
少なくとも前記車室外熱交換器38と前記第1の弁70
とを介して前記膨張弁34へ供給する流路を選択すると
ともに、前記車室外熱交換器38内の冷媒が前記コンプ
レッサー31の冷媒吸入側に流入不可能な状態に前記第
3の弁155を設定する制御手段と、前記コンプレッサ
ー31の冷媒吸入側と前記車室外熱交換器38とを接続
する配管の途中に設けられ、暖房運転時に前記コンプレ
ッサー31の冷媒吸入側から前記車室外熱交換器38へ
向かう冷媒流れが生じると判断される場合にその冷媒流
れを阻止する流路開閉手段100とを備える。請求項1
6の車両用冷暖房装置は、前記流路開閉手段として、内
部を流れる冷媒流れに対する方向性を有し、前記コンプ
レッサーの冷媒吸入側から前記車室外熱交換器へ向かう
流れ方向を順方向とする二方弁を使用し、冷凍サイクル
の作動状態、車両の熱負荷状態および運転時間の内の少
なくとも一つの条件に応じて開閉制御するようにしたも
のである。請求項17の車両用冷暖房装置の前記流路開
閉手段は、前記コンプレッサーの冷媒吸入側から前記車
室外熱交換器へ向かう冷媒の流れを阻止する逆止弁であ
る。請求項18の車両用冷暖房装置は、前記流路開閉手
段として流量制御弁を使用し、少なくとも冷凍サイクル
の作動状態、車両の熱負荷状態および運転時間の内の一
つの条件に応じて流量制御するようにしたものである。
〜2に対応づけて請求項1の発明を説明すると、請求項
1の発明は、冷媒を圧縮するコンプレッサー31と、こ
のコンプレッサー31の冷媒吐出側に接続され冷媒流路
を切り換える四方弁73と、冷媒と外気との間で熱交換
を行なう車室外熱交換器38と、冷媒の熱を送風手段3
7により送風された空気に放熱する放熱用車室内熱交換
器33と、車室外熱交換器38の一端と放熱用車室内熱
交換器33の冷媒流入側との間に設けられ、放熱用車室
内熱交換器33から車室外熱交換器38への冷媒の流れ
を阻止する第1の弁70と、四方弁73と放熱用車室内
熱交換器33の冷媒流入側との間に設けられ、放熱用車
室内熱交換器33から四方弁73への冷媒の流れを阻止
する第2の弁71と、放熱用車室内熱交換器33の冷媒
流出側に接続され冷媒を断熱膨張させる膨張弁34と、
この膨張弁34の冷媒流出側とコンプレッサー31の冷
媒吸入側との間に設けられ、送風手段37により送風さ
れた空気の熱を冷媒に吸熱する吸熱用車室内熱交換器3
5と、暖房運転時に、四方弁73によってコンプレッサ
ー31の吐出冷媒を第2の弁71を介して放熱用車室内
熱交換器33へ供給する流路を選択するとともに車室外
熱交換器38の他端をコンプレッサー31の冷媒吸入側
へ接続し、冷房運転時に、四方弁73によってコンプレ
ッサー31の吐出冷媒を車室外熱交換器38と第1の弁
70とを介して放熱用車室内熱交換器33へ供給する流
路を選択する制御手段43とを備え、これにより、上記
目的を達成する。第2の実施例を示す図4に対応づけて
請求項2の発明を説明すると、請求項2の車両用冷暖房
装置は、放熱用車室内熱交換器33の冷媒流出側と車室
外熱交換器38の一端との間に補助膨張弁91と冷媒流
量調整弁90とを有する流路を設け、制御手段によっ
て、定常状態における暖房運転時は冷媒流量調整弁90
によって冷媒の流れを阻止し、暖房運転を開始してから
定常状態になるまでの過渡状態における暖房運転時は冷
媒流量調整弁90によって冷媒の流れを許容するように
したものである。第1の実施例の変形例を示す図5に対
応づけて請求項3の発明を説明すると、請求項3の発明
は、冷媒を圧縮するコンプレッサー31と、このコンプ
レッサー31の冷媒吐出側に接続され冷媒流路を切り換
える四方弁73と、冷媒と外気との間で熱交換を行なう
車室外熱交換器38と、冷媒の熱を送風手段により送風
された空気に放熱する放熱用車室内熱交換器33と、冷
媒を断熱膨張させる膨張弁34と、この膨張弁34の冷
媒流出側とコンプレッサー31の冷媒吸入側との間に設
けられ、送風手段により送風された空気の熱を冷媒に吸
熱する吸熱用車室内熱交換器35と、車室外熱交換器3
8の一端と膨張弁34の冷媒流入側との間に設けられ、
膨張弁34から車室外熱交換器38への冷媒の流れを阻
止する第1の弁70と、放熱用車室内熱交換器33の冷
媒流出側と膨張弁34の冷媒流入側との間に設けられ、
膨張弁34から放熱用車室内熱交換器33への冷媒の流
れを阻止する第2の弁71と、暖房運転時に、四方弁7
3によってコンプレッサー31の吐出冷媒を放熱用車室
内熱交換器33と第2の弁71とを介して膨張弁34へ
供給する流路を選択するとともに車室外熱交換器38の
他端をコンプレッサー31の冷媒吸入側へ接続し、冷房
運転時に、四方弁73によってコンプレッサー31の吐
出冷媒を車室外熱交換器38と第1の弁70とを介して
膨張弁34へ供給する流路を選択する制御手段とを備
え、これにより、上記目的を達成する。第2の実施例の
変形例を示す図6に対応づけて請求項4の発明を説明す
ると、請求項4の車両用冷暖房装置は、膨張弁34の冷
媒流入側と車室外熱交換器38の一端との間に補助膨張
弁91と冷媒流量調整弁90とを有する流路を設け、制
御手段によって、定常状態における暖房運転時は冷媒流
量調整弁90によって冷媒の流れを阻止し、暖房運転を
開始してから定常状態になるまでの過渡状態における暖
房運転時は冷媒流量調整弁90によって冷媒の流れを許
容するようにしたものである。実施例を示す図3〜6に
対応づけて請求項5および請求項6の発明を説明する
と、請求項5の車両用冷暖房装置は、四方弁73からコ
ンプレッサー31の冷媒吸入側への流路に、コンプレッ
サー31の冷媒吸入側から四方弁73への冷媒の流れを
阻止する逆止弁72を設けたものである。請求項6の車
両用冷暖房装置は、吸熱用車室内熱交換器35の入口空
気温度を検出する空気温度検出手段を備え、制御手段に
よって、過渡状態における暖房運転時に空気温度検出手
段により検出された入口空気温度に基づいて冷媒流量調
整弁90の冷媒流量を制御するようにしたものである。
請求項7の車両用冷暖房装置は、車室外熱交換器の作動
温度を検出する作動温度検出手段と、車両の外気温を検
出する外気温検出手段とを備え、制御手段によって、作
動温度検出手段により検出された作動温度と外気温検出
手段により検出された外気温とに基づいて、過渡状態に
おける暖房運転から定常状態における暖房運転に切り換
えるタイミングを決定するようにしたものである。請求
項8の車両用冷暖房装置は、制御手段によって、暖房運
転を開始してから所定時間が経過したら過渡状態におけ
る暖房運転から定常状態における暖房運転に切り換える
ようにしたものである。請求項9の車両用冷暖房装置
は、各種熱環境情報に基づいて車両の窓曇りの発生を予
測する窓曇り予測手段を備え、制御手段によって、窓曇
り予測手段により窓曇りの発生が予測された時は、暖房
運転の開始時点から定常状態における暖房運転を行なう
ようにしたものである。請求項10の車両用冷暖房装置
は、制御手段によって、暖房運転の停止時に冷媒流量調
整弁を開放するようにしたものである。請求項11の車
両用冷暖房装置は、第1および第2の弁を逆止弁とした
ものである。請求項12の車両用冷暖房装置は、第1お
よび第2の弁を二方弁としたものである。第4の実施例
とその変形例の冷凍サイクルの構成を示す図16〜17
に対応づけて請求項13の発明を説明すると、請求項1
3は、冷媒を圧縮するコンプレッサー31と、冷媒と外
気との間で熱交換を行なう車室外熱交換器38と、冷媒
の熱を送風手段により送風された空気に放熱する放熱用
車室内熱交換器33と、冷媒を断熱膨張させる膨張弁3
4と、前記膨張弁34の冷媒流出側と前記コンプレッサ
ー31の冷媒吸入側との間に設けられ、前記送風手段に
より送風された空気の熱を冷媒に吸熱する吸熱用車室内
熱交換器35と、前記コンプレッサー31の冷媒吸入
側、前記コンプレッサー31の冷媒吐出側、前記車室外
熱交換器38の一端および前記放熱用車室内熱交換器3
3の一端にそれぞれ接続され、前記コンプレッサー31
の吐出冷媒を前記車室外熱交換器38と前記放熱用車室
内熱交換器33の内のいずれか一方へ送り出す四方弁7
3と、前記車室外熱交換器38の他端に設けられ、前記
車室外熱交換器38へ流入する冷媒の流れを阻止し、前
記車室外熱交換器38から流出する冷媒の流れを許容す
る第1の弁70と、前記放熱用車室内熱交換器33の冷
媒流入側または冷媒流出側に設けられ、設置された位置
から前記四方弁73へ向かう冷媒の流れを阻止し、前記
四方弁73から流出する冷媒の流れを許容する第2の弁
71と、暖房運転時に、前記四方弁73によって前記コ
ンプレッサー31の吐出冷媒を少なくとも前記第2の弁
71と前記放熱用車室内熱交換器33とを介して前記膨
張弁34へ供給する流路を選択するとともに、前記車室
外熱交換器38の一端を前記コンプレッサー31の冷媒
吸入側へ連通し、冷房運転時に、前記四方弁73によっ
て前記コンプレッサー31の吐出冷媒を少なくとも前記
車室外熱交換器38と前記第1の弁70とを介して前記
膨張弁34へ供給する流路を選択するとともに、前記第
2の弁71から前記コンプレッサー31の冷媒吸入側ま
でを連通する制御手段と、前記コンプレッサー31の冷
媒吸入側と前記四方弁73との間、または前記四方弁7
3と前記車室外熱交換器38の一端との間に設けられ、
暖房運転時に前記コンプレッサー31の冷媒吸入側から
前記車室外熱交換器31へ向う冷媒流れが生じると判断
される場合にその冷媒流れを阻止する流路開閉手段10
0とを備える。第5の実施例の冷凍サイクルの構成を示
す図18に対応づけて請求項14の発明を説明すると、
請求項14は、冷媒を圧縮するコンプレッサー31と、
冷媒と外気との間で熱交換を行なう車室外熱交換器38
と、冷媒の熱を送風手段により送風された空気に放熱す
る放熱用車室内熱交換器33と、冷媒を断熱膨張させる
膨張弁34と、前記膨張弁34の冷媒流出側と前記コン
プレッサー31の冷媒吸入側との間に設けられ、前記送
風手段により送風された空気の熱を冷媒に吸熱する吸熱
用車室内熱交換器35と、前記コンプレッサー31の冷
媒吐出側と前記車室外熱交換器38の一端との間に設け
られる第4の弁92と、前記放熱用車室内熱交換器33
の冷媒流入側または冷媒流出側に設けられる第5の弁9
3と、前記車室外熱交換器38の他端に設けられ、前記
車室外熱交換器38へ流入する冷媒の流れを阻止し、前
記車室外熱交換器38から流出する冷媒の流れを許容す
る第1の弁70と、前記コンプレッサー31の冷媒吸入
側と前記車室外熱交換器38とを接続するバイパス路8
2と、前記バイパス路82に設けられ、前記車室外熱交
換器38から前記コンプレッサー31の冷媒吸入側への
冷媒流れを阻止可能な第3の弁155と、暖房運転時
に、前記第4の弁92と前記第5の弁93とによって前
記コンプレッサー31の吐出冷媒を少なくとも前記第5
の弁93と前記放熱用車室内熱交換器33とを介して前
記膨張弁34へ供給する流路を選択するとともに、前記
車室外熱交換器38内の冷媒が前記コンプレッサー31
の冷媒吸入側へ流入可能な状態に前記第3の弁155を
設定し、冷房運転時に、前記第4の弁92と前記第5の
弁93とによって前記コンプレッサー31の吐出冷媒を
少なくとも前記第4の弁92と前記車室外熱交換器38
と前記第1の弁70とを介して前記膨張弁38へ供給す
る流路を選択するとともに、前記車室外熱交換器38内
の冷媒が前記コンプレッサー31の冷媒吸入側に流入不
可能な状態に前記第3の弁155を設定する制御手段
と、前記コンプレッサー31の冷媒吸入側と前記車室外
熱交換器38とを接続する配管の途中に設けられ、暖房
運転時に前記コンプレッサー31の冷媒吸入側から前記
車室外熱交換器38へ向かう冷媒流れが生じると判断さ
れる場合にその冷媒流れを阻止する流路開閉手段100
とを備える。第5の実施例の変形例の冷凍サイクルの構
成を示す図19に対応づけて請求項15の発明を説明す
ると、請求項15は、冷媒を圧縮するコンプレッサー3
1と、冷媒と外気との間で熱交換を行なう車室外熱交換
器38と、冷媒の熱を送風手段により送風された空気に
放熱する放熱用車室内熱交換器33と、冷媒を断熱膨張
させる膨張弁34と、前記膨張弁34と前記コンプレッ
サー31の冷媒吸入側との間に設けられ、前記送風手段
により送風された空気の熱を冷媒に吸熱する吸熱用車室
内熱交換器35と、前記コンプレッサー31の冷媒吐出
側、前記車室外熱交換器38の一端および前記放熱用車
室内熱交換器33の一端にそれぞれ接続され、前記コン
プレッサー31の吐出冷媒を前記車室外熱交換器38と
前記放熱用車室内熱交換器33の内のいずれか一方へ送
り出す三方弁32と、前記車室外熱交換器38の他端に
設けられ、前記車室外熱交換器38へ流入する冷媒の流
れを阻止し、前記車室外熱交換器38から流出する冷媒
の流れを許容する第1の弁70と、前記コンプレッサー
31の冷媒吸入側と前記車室外熱交換器38とを接続す
るバイパス路82と、前記バイパス路82に設けられ、
前記車室外熱交換器38から前記コンプレッサー31の
冷媒吸入側への冷媒流れを阻止可能な第3の弁155
と、暖房運転時に、前記三方弁32によって前記コンプ
レッサー31の吐出冷媒を少なくとも前記放熱用車室内
熱交換器33を介して前記膨張弁34へ供給する流路を
選択するとともに、前記車室外熱交換器38内の冷媒が
前記コンプレッサー31の冷媒吸入側へ流入可能な状態
に前記第3の弁155を設定し、冷房運転時に、前記三
方弁32によって前記コンプレッサー31の吐出冷媒を
少なくとも前記車室外熱交換器38と前記第1の弁70
とを介して前記膨張弁34へ供給する流路を選択すると
ともに、前記車室外熱交換器38内の冷媒が前記コンプ
レッサー31の冷媒吸入側に流入不可能な状態に前記第
3の弁155を設定する制御手段と、前記コンプレッサ
ー31の冷媒吸入側と前記車室外熱交換器38とを接続
する配管の途中に設けられ、暖房運転時に前記コンプレ
ッサー31の冷媒吸入側から前記車室外熱交換器38へ
向かう冷媒流れが生じると判断される場合にその冷媒流
れを阻止する流路開閉手段100とを備える。請求項1
6の車両用冷暖房装置は、前記流路開閉手段として、内
部を流れる冷媒流れに対する方向性を有し、前記コンプ
レッサーの冷媒吸入側から前記車室外熱交換器へ向かう
流れ方向を順方向とする二方弁を使用し、冷凍サイクル
の作動状態、車両の熱負荷状態および運転時間の内の少
なくとも一つの条件に応じて開閉制御するようにしたも
のである。請求項17の車両用冷暖房装置の前記流路開
閉手段は、前記コンプレッサーの冷媒吸入側から前記車
室外熱交換器へ向かう冷媒の流れを阻止する逆止弁であ
る。請求項18の車両用冷暖房装置は、前記流路開閉手
段として流量制御弁を使用し、少なくとも冷凍サイクル
の作動状態、車両の熱負荷状態および運転時間の内の一
つの条件に応じて流量制御するようにしたものである。
【0018】
【作用】請求項1の車両用冷暖房装置では、暖房運転時
は、コンプレッサー31の吐出冷媒を車室外熱交換器3
8を迂回して第2の弁71を介して放熱用車室内熱交換
器33へ供給し、放熱用車室内熱交換器33で冷媒の熱
を送風手段37により送風された空気に放熱して温風を
作るとともに、吸熱用車室内熱交換器35で送風手段3
7により送風された空気の熱を冷媒に吸熱して除湿を行
なう。さらに、暖房運転時は、吸熱用車室内熱交換器3
5から冷媒をコンプレッサー31に吸入するとともに、
車室外熱交換器38からも冷媒をコンプレッサー31に
吸入する。一方冷房運転時は、コンプレッサー31の吐
出冷媒を車室外熱交換器38へ供給して冷媒の熱を外気
に放熱し、吸熱用車室内熱交換器35で送風手段37に
より送風された空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。
請求項2の車両用冷暖房装置は、暖房運転を開始してか
ら定常状態になるまでの過渡状態における暖房運転時
は、コンプレッサー31の吐出冷媒の熱を放熱用車室内
熱交換器33で放熱して温風を作った後、膨張弁34を
介して吸熱用車室内熱交換器35へ冷媒を流すととも
に、補助膨張弁91を介して車室外熱交換器38へも冷
媒を流し、吸熱用車室内熱交換器35と車室外熱交換器
38の両方で冷媒に吸熱する。また、定常状態における
暖房運転時は、車室外熱交換器38への冷媒の流れを阻
止し、吸熱用車室内熱交換器35のみにより吸熱を行な
う。請求項3の車両用冷暖房装置は、暖房運転時は、コ
ンプレッサー31の吐出冷媒を車室外熱交換器38を迂
回して放熱用車室内熱交換器33と第2の弁71を介し
て膨張弁34へ供給し、放熱用車室内熱交換器33で冷
媒の熱を送風手段37により送風された空気に放熱して
温風を作るとともに、吸熱用車室内熱交換器35で送風
手段37により送風された空気の熱を冷媒に吸熱して除
湿を行なう。さらに、暖房運転時は、吸熱用車室内熱交
換器35から冷媒をコンプレッサー31に吸入するとと
もに、車室外熱交換器38からも冷媒をコンプレッサー
31に吸入する。一方冷房運転時は、コンプレッサー3
1の吐出冷媒を車室外熱交換器38へ供給して冷媒の熱
を外気に放熱し、吸熱用車室内熱交換器35で送風手段
37により送風された空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を
作る。請求項4の車両用冷暖房装置は、暖房運転を開始
してから定常状態になるまでの過渡状態における暖房運
転時は、コンプレッサー31の吐出冷媒の熱を放熱用車
室内熱交換器33で放熱して温風を作った後、膨張弁3
4を介して吸熱用車室内熱交換器35へ冷媒を流すとと
もに、補助膨張弁91を介して車室外熱交換器38へも
冷媒を流し、吸熱用車室内熱交換器35と車室外熱交換
器38の両方で冷媒に吸熱する。また、定常状態におけ
る暖房運転時は、車室外熱交換器38への冷媒の流れを
阻止し、吸熱用車室内熱交換器35のみにより吸熱を行
なう。請求項5の車両用冷暖房装置は、暖房運転時は四
方弁73によって車室外熱交換器38とコンプレッサー
31の冷媒吸入側が接続されており、この時、コンプレ
ッサー31の冷媒吸入側、すなわち冷凍サイクルの低圧
側の冷媒圧力が車室外熱交換器38の冷媒圧力より高く
なっても、逆止弁72によりコンプレッサー31の吸入
側から車室外熱交換器38への冷媒の流れが阻止され
る。請求項6の車両用冷暖房装置は、過渡状態における
暖房運転時は吸熱用車室内熱交換器35と車室外熱交換
器38へ冷媒が供給されて、両交換器35,38で吸熱
が行なわれ、吸熱用車室内熱交換器35の入口空気温度
に基づいて車室外熱交換器38への冷媒流量が制御され
る。請求項7の車両用冷暖房装置は、車室外熱交換器3
8の作動温度と外気温とに基づいて過渡状態における暖
房運転から定常状態における暖房運転へ切り換えるタイ
ミングを決定する。請求項8の車両用冷暖房装置は、暖
房運転を開始してから所定時間が経過したら過渡状態に
おける暖房運転から定常状態における暖房運転へ切り換
える。請求項9の車両用冷暖房装置は、窓曇りの発生が
予測された時は、暖房運転の開始時点から定常状態にお
ける暖房運転を行なう。請求項10の車両用冷暖房装置
は、暖房運転の停止時に冷媒流量調整弁90を開放し
て、放熱用車室内熱交換器33を通過した冷媒を、吸熱
用車室内熱交換器35と車室外熱交換器38の両方に流
す。請求項13〜15の車両用冷暖房装置では、暖房時
に車室外熱交換器38内に冷媒が存在して車室外熱交換
器38からコンプレッサー31の冷媒吸入側へ冷媒が流
れると判断される場合には、流路開閉手段100を開状
態にして車室外熱交換器38と吸熱用車室内熱交換器3
5の両方からコンプレッサー31に冷媒を吸入させる。
逆に、暖房運転時にコンプレッサー31の冷媒吸入側か
ら車室外熱交換器38へ冷媒が流れると判断される場合
には、流路開閉手段100を閉状態にして車室外熱交換
器38へ流入する冷媒の流れを阻止するとともに、コン
プレッサー31は吸熱用車室内熱交換器35からのみ冷
媒を吸入する。請求項16の車両用暖冷房装置では、流
路開閉手段100としてコンプレッサー31の冷媒吸入
側から車室外熱交換器38へ向かう冷媒の流れを阻止す
ることができる二方弁を使用し、冷凍サイクルの作動状
態、車両の熱負荷状態、運転時間などの条件に応じて二
方弁を開閉制御する。請求項17の車両用冷暖房装置で
は、流路開閉手段100としてコンプレッサー31の冷
媒吸入側から車室外熱交換器38へ向かう冷媒の流れを
阻止することができる逆止弁を使用し、車室外熱交換器
38の作動圧力がコンプレッサー31の吸入圧力よりも
高くなると車室外熱交換器38内の冷媒をコンプッレサ
ー31に吸入する。請求項18の車両用冷暖房装置で
は、流路開閉手段100として流量制御弁を使用し、冷
凍サイクルの作動状態、車両の熱負荷状態、運転時間な
どの条件に応じて流量制御弁による流量制御を行なう。
は、コンプレッサー31の吐出冷媒を車室外熱交換器3
8を迂回して第2の弁71を介して放熱用車室内熱交換
器33へ供給し、放熱用車室内熱交換器33で冷媒の熱
を送風手段37により送風された空気に放熱して温風を
作るとともに、吸熱用車室内熱交換器35で送風手段3
7により送風された空気の熱を冷媒に吸熱して除湿を行
なう。さらに、暖房運転時は、吸熱用車室内熱交換器3
5から冷媒をコンプレッサー31に吸入するとともに、
車室外熱交換器38からも冷媒をコンプレッサー31に
吸入する。一方冷房運転時は、コンプレッサー31の吐
出冷媒を車室外熱交換器38へ供給して冷媒の熱を外気
に放熱し、吸熱用車室内熱交換器35で送風手段37に
より送風された空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。
請求項2の車両用冷暖房装置は、暖房運転を開始してか
ら定常状態になるまでの過渡状態における暖房運転時
は、コンプレッサー31の吐出冷媒の熱を放熱用車室内
熱交換器33で放熱して温風を作った後、膨張弁34を
介して吸熱用車室内熱交換器35へ冷媒を流すととも
に、補助膨張弁91を介して車室外熱交換器38へも冷
媒を流し、吸熱用車室内熱交換器35と車室外熱交換器
38の両方で冷媒に吸熱する。また、定常状態における
暖房運転時は、車室外熱交換器38への冷媒の流れを阻
止し、吸熱用車室内熱交換器35のみにより吸熱を行な
う。請求項3の車両用冷暖房装置は、暖房運転時は、コ
ンプレッサー31の吐出冷媒を車室外熱交換器38を迂
回して放熱用車室内熱交換器33と第2の弁71を介し
て膨張弁34へ供給し、放熱用車室内熱交換器33で冷
媒の熱を送風手段37により送風された空気に放熱して
温風を作るとともに、吸熱用車室内熱交換器35で送風
手段37により送風された空気の熱を冷媒に吸熱して除
湿を行なう。さらに、暖房運転時は、吸熱用車室内熱交
換器35から冷媒をコンプレッサー31に吸入するとと
もに、車室外熱交換器38からも冷媒をコンプレッサー
31に吸入する。一方冷房運転時は、コンプレッサー3
1の吐出冷媒を車室外熱交換器38へ供給して冷媒の熱
を外気に放熱し、吸熱用車室内熱交換器35で送風手段
37により送風された空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を
作る。請求項4の車両用冷暖房装置は、暖房運転を開始
してから定常状態になるまでの過渡状態における暖房運
転時は、コンプレッサー31の吐出冷媒の熱を放熱用車
室内熱交換器33で放熱して温風を作った後、膨張弁3
4を介して吸熱用車室内熱交換器35へ冷媒を流すとと
もに、補助膨張弁91を介して車室外熱交換器38へも
冷媒を流し、吸熱用車室内熱交換器35と車室外熱交換
器38の両方で冷媒に吸熱する。また、定常状態におけ
る暖房運転時は、車室外熱交換器38への冷媒の流れを
阻止し、吸熱用車室内熱交換器35のみにより吸熱を行
なう。請求項5の車両用冷暖房装置は、暖房運転時は四
方弁73によって車室外熱交換器38とコンプレッサー
31の冷媒吸入側が接続されており、この時、コンプレ
ッサー31の冷媒吸入側、すなわち冷凍サイクルの低圧
側の冷媒圧力が車室外熱交換器38の冷媒圧力より高く
なっても、逆止弁72によりコンプレッサー31の吸入
側から車室外熱交換器38への冷媒の流れが阻止され
る。請求項6の車両用冷暖房装置は、過渡状態における
暖房運転時は吸熱用車室内熱交換器35と車室外熱交換
器38へ冷媒が供給されて、両交換器35,38で吸熱
が行なわれ、吸熱用車室内熱交換器35の入口空気温度
に基づいて車室外熱交換器38への冷媒流量が制御され
る。請求項7の車両用冷暖房装置は、車室外熱交換器3
8の作動温度と外気温とに基づいて過渡状態における暖
房運転から定常状態における暖房運転へ切り換えるタイ
ミングを決定する。請求項8の車両用冷暖房装置は、暖
房運転を開始してから所定時間が経過したら過渡状態に
おける暖房運転から定常状態における暖房運転へ切り換
える。請求項9の車両用冷暖房装置は、窓曇りの発生が
予測された時は、暖房運転の開始時点から定常状態にお
ける暖房運転を行なう。請求項10の車両用冷暖房装置
は、暖房運転の停止時に冷媒流量調整弁90を開放し
て、放熱用車室内熱交換器33を通過した冷媒を、吸熱
用車室内熱交換器35と車室外熱交換器38の両方に流
す。請求項13〜15の車両用冷暖房装置では、暖房時
に車室外熱交換器38内に冷媒が存在して車室外熱交換
器38からコンプレッサー31の冷媒吸入側へ冷媒が流
れると判断される場合には、流路開閉手段100を開状
態にして車室外熱交換器38と吸熱用車室内熱交換器3
5の両方からコンプレッサー31に冷媒を吸入させる。
逆に、暖房運転時にコンプレッサー31の冷媒吸入側か
ら車室外熱交換器38へ冷媒が流れると判断される場合
には、流路開閉手段100を閉状態にして車室外熱交換
器38へ流入する冷媒の流れを阻止するとともに、コン
プレッサー31は吸熱用車室内熱交換器35からのみ冷
媒を吸入する。請求項16の車両用暖冷房装置では、流
路開閉手段100としてコンプレッサー31の冷媒吸入
側から車室外熱交換器38へ向かう冷媒の流れを阻止す
ることができる二方弁を使用し、冷凍サイクルの作動状
態、車両の熱負荷状態、運転時間などの条件に応じて二
方弁を開閉制御する。請求項17の車両用冷暖房装置で
は、流路開閉手段100としてコンプレッサー31の冷
媒吸入側から車室外熱交換器38へ向かう冷媒の流れを
阻止することができる逆止弁を使用し、車室外熱交換器
38の作動圧力がコンプレッサー31の吸入圧力よりも
高くなると車室外熱交換器38内の冷媒をコンプッレサ
ー31に吸入する。請求項18の車両用冷暖房装置で
は、流路開閉手段100として流量制御弁を使用し、冷
凍サイクルの作動状態、車両の熱負荷状態、運転時間な
どの条件に応じて流量制御弁による流量制御を行なう。
【0019】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段および作用の項では、本発明を分り
やすくするために実施例の図を用いたが、これにより本
発明が実施例に限定されるものではない。
解決するための手段および作用の項では、本発明を分り
やすくするために実施例の図を用いたが、これにより本
発明が実施例に限定されるものではない。
【0020】
−第1の実施例− 図1および図2は第1の実施例の全体構成を示し、図3
はその冷凍サイクルの構成を示す。なお、図が煩雑にな
るのを避けるためにセンサーやアクチュエータなどから
制御回路への制御線の図示を省略する。この車両用冷暖
房装置の冷凍サイクルは、図3に示すように、コンプレ
ッサー31、四方弁73、室外器(車室外熱交換器)3
8、逆止弁70,71,72、放熱器(放熱用車室内熱
交換器)33、液タンク36、膨張弁34および吸熱器
(吸熱用車室内熱交換器)35を備えている。
はその冷凍サイクルの構成を示す。なお、図が煩雑にな
るのを避けるためにセンサーやアクチュエータなどから
制御回路への制御線の図示を省略する。この車両用冷暖
房装置の冷凍サイクルは、図3に示すように、コンプレ
ッサー31、四方弁73、室外器(車室外熱交換器)3
8、逆止弁70,71,72、放熱器(放熱用車室内熱
交換器)33、液タンク36、膨張弁34および吸熱器
(吸熱用車室内熱交換器)35を備えている。
【0021】コンプレッサー31は外部からの信号によ
り仕事量を制御できる電動式や油圧駆動式などのコンプ
レッサーであり、車室外の例えばエンジンルームに設け
る。コンプレッサー31の冷媒吐出側には四方弁73を
設け、暖房運転時にはこの四方弁73を実線で示す流路
に切り換え、コンプレッサー31の吐出側を室外器38
を迂回するバイパス流路80へ接続するとともに、室外
器38の冷媒流入側を逆止弁72を介して冷凍サイクル
の低圧側、すなわちコンプレッサー31の冷媒吸入側へ
接続する。一方、冷房運転時には四方弁73を破線で示
す流路に切り換え、コンプレッサー31の冷媒吐出側を
室外器38へ接続するとともに、バイパス流路80を逆
止弁72を介してコンプレッサー31の冷媒吸入側へ接
続する。
り仕事量を制御できる電動式や油圧駆動式などのコンプ
レッサーであり、車室外の例えばエンジンルームに設け
る。コンプレッサー31の冷媒吐出側には四方弁73を
設け、暖房運転時にはこの四方弁73を実線で示す流路
に切り換え、コンプレッサー31の吐出側を室外器38
を迂回するバイパス流路80へ接続するとともに、室外
器38の冷媒流入側を逆止弁72を介して冷凍サイクル
の低圧側、すなわちコンプレッサー31の冷媒吸入側へ
接続する。一方、冷房運転時には四方弁73を破線で示
す流路に切り換え、コンプレッサー31の冷媒吐出側を
室外器38へ接続するとともに、バイパス流路80を逆
止弁72を介してコンプレッサー31の冷媒吸入側へ接
続する。
【0022】室外器38はコンプレッサー31から吐出
される冷媒の熱を外気に放熱するコンデンサーで、車室
外に設ける。この室外器38の冷媒吐出側を冷媒の逆流
を防止するための逆止弁70を介して放熱器33へ接続
し、また、バイパス流路80も逆止弁71を介して放熱
器33へ接続する。車室内前部のインストルメントパネ
ルの裏側には空調用ダクト39を設け、この空調用ダク
ト39内に放熱器33と吸熱器35を設ける。放熱器3
3はコンプレッサー31から吐出された高温の冷媒の熱
をブロアファン37により送風された空気に放熱するコ
ンデンサーであり、吸熱器35はブロアファン37によ
り送風された空気の熱を冷媒に吸熱するエバポレーター
である。これらの放熱器33と吸熱器35との間に液タ
ンク36と膨張弁34を設置し、液タンク36によって
冷媒の気液の分離を行ない、膨張弁34によって液化冷
媒を断熱膨張させて気化にする。したがって、コンプレ
ッサー31の吐出側から膨張弁34までを冷凍サイクル
の高圧側と呼び、膨張弁34からコンプレッサー31の
冷媒吸入側までを冷凍サイクルの低圧側と呼ぶ。吸熱器
35の冷媒流出側はコンプレッサー31の冷媒吸入側に
接続される。
される冷媒の熱を外気に放熱するコンデンサーで、車室
外に設ける。この室外器38の冷媒吐出側を冷媒の逆流
を防止するための逆止弁70を介して放熱器33へ接続
し、また、バイパス流路80も逆止弁71を介して放熱
器33へ接続する。車室内前部のインストルメントパネ
ルの裏側には空調用ダクト39を設け、この空調用ダク
ト39内に放熱器33と吸熱器35を設ける。放熱器3
3はコンプレッサー31から吐出された高温の冷媒の熱
をブロアファン37により送風された空気に放熱するコ
ンデンサーであり、吸熱器35はブロアファン37によ
り送風された空気の熱を冷媒に吸熱するエバポレーター
である。これらの放熱器33と吸熱器35との間に液タ
ンク36と膨張弁34を設置し、液タンク36によって
冷媒の気液の分離を行ない、膨張弁34によって液化冷
媒を断熱膨張させて気化にする。したがって、コンプレ
ッサー31の吐出側から膨張弁34までを冷凍サイクル
の高圧側と呼び、膨張弁34からコンプレッサー31の
冷媒吸入側までを冷凍サイクルの低圧側と呼ぶ。吸熱器
35の冷媒流出側はコンプレッサー31の冷媒吸入側に
接続される。
【0023】ダクト39の上流側に、車室内の空気を導
入する内気導入口40と走行風圧を受けて外気を導入す
る外気導入口41とを設ける。また、これらの導入口4
0,41の分岐部に不図示のアクチュエータにより駆動
されるインテークドア42を設け、内気導入口40と外
気導入口41とを任意の開閉比率に調節する。ダクト3
9の上流部に設置されるブロアファン37はブロアモー
ター44により駆動され、インテークドア42の開閉比
率に応じて内気導入口40および外気導入口41から空
気を導入し、ダクト39の下流に配置される吸熱器35
および放熱器33へ送風する。
入する内気導入口40と走行風圧を受けて外気を導入す
る外気導入口41とを設ける。また、これらの導入口4
0,41の分岐部に不図示のアクチュエータにより駆動
されるインテークドア42を設け、内気導入口40と外
気導入口41とを任意の開閉比率に調節する。ダクト3
9の上流部に設置されるブロアファン37はブロアモー
ター44により駆動され、インテークドア42の開閉比
率に応じて内気導入口40および外気導入口41から空
気を導入し、ダクト39の下流に配置される吸熱器35
および放熱器33へ送風する。
【0024】放熱器33の上流側にエアーミックスドア
46を設ける。このエアーミックスドア46を不図示の
アクチュエータにより開閉し、放熱器33を通過する空
気と放熱器33を迂回する空気との割合を調整する。吸
熱器35により吸熱されて冷えた空気は、エアーミック
スドア46の開度に応じてその一部は放熱器33を通過
して暖められ、残りは放熱器33を迂回して冷風のまま
吹き出される。つまり、エアーミックスドア46の開度
に応じて冷風と温風との割合が調節される。エアーミッ
クスドア46の開度Xdscはエアーミックスドア46
が破線で示す位置にある場合を0%(全閉、Xdsc=
0)とし、このとき冷風と温風との風量配分は冷風10
0%になる。一方、エアーミックスドア46が実線で示
す位置にある場合の開度Xdscを100%(全開、X
dsc=100)とし、このとき冷風と温風との風量配
分は温風100%になる。
46を設ける。このエアーミックスドア46を不図示の
アクチュエータにより開閉し、放熱器33を通過する空
気と放熱器33を迂回する空気との割合を調整する。吸
熱器35により吸熱されて冷えた空気は、エアーミック
スドア46の開度に応じてその一部は放熱器33を通過
して暖められ、残りは放熱器33を迂回して冷風のまま
吹き出される。つまり、エアーミックスドア46の開度
に応じて冷風と温風との割合が調節される。エアーミッ
クスドア46の開度Xdscはエアーミックスドア46
が破線で示す位置にある場合を0%(全閉、Xdsc=
0)とし、このとき冷風と温風との風量配分は冷風10
0%になる。一方、エアーミックスドア46が実線で示
す位置にある場合の開度Xdscを100%(全開、X
dsc=100)とし、このとき冷風と温風との風量配
分は温風100%になる。
【0025】ダクト39のエアーミックスドア46の下
流にエアーミックスチャンバー47を設け、ここで冷風
と温風とを混合して温度調節された空調風を作る。エア
ーミックスチャンバー47の下流に、乗員の上半身に向
けて空調風を吹き出すベンチレータ吹き出し口51と、
乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹き出し口
52と、ウインドシールドに向けて空調風を吹き出すデ
フロスタ吹き出し口53とを設置するとともに、各吹き
出し口51〜53にはそれぞれベンチレータドア55、
フットドア56およびデフロスタドア57と、各ドアを
駆動する不図示のアクチュエータとを設ける。なお、ベ
ンチレータ吹き出し口51には車両のインストルメント
の中央にセンターベント吹き出し口51b、51cと、
インストルメントの両側にサイドベント吹き出し口51
a、51dを設ける。
流にエアーミックスチャンバー47を設け、ここで冷風
と温風とを混合して温度調節された空調風を作る。エア
ーミックスチャンバー47の下流に、乗員の上半身に向
けて空調風を吹き出すベンチレータ吹き出し口51と、
乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹き出し口
52と、ウインドシールドに向けて空調風を吹き出すデ
フロスタ吹き出し口53とを設置するとともに、各吹き
出し口51〜53にはそれぞれベンチレータドア55、
フットドア56およびデフロスタドア57と、各ドアを
駆動する不図示のアクチュエータとを設ける。なお、ベ
ンチレータ吹き出し口51には車両のインストルメント
の中央にセンターベント吹き出し口51b、51cと、
インストルメントの両側にサイドベント吹き出し口51
a、51dを設ける。
【0026】ここで、この明細書で用いられる種々の物
理量を定義する。 Tsuc ; 吸熱器35の入口空気温度(吸熱器入口
温度センサー58により検出する) Tout ;吸熱器35の出口空気温度(吸熱器出口温
度センサー59により検出する) Tvsc ; 放熱器33の出口空気温度(放熱器出口
温度センサー67により検出する) Tv ; ベンチレータ吹き出し口51の吹き出し
風温度(ベンチレーター吹き出し口温度センサー60に
より検出する) Tamb ; 車室外の空気温度(外気温)(外気温セ
ンサー62により検出する) Tic ; 車室内の空気温度(内気温)(室温セン
サー63により検出する) Tptc ; 車室内温度の設定値(以下、設定室温と
呼ぶ)(室温設定器64により設定する) Tof ; 冷暖房装置の目標吹き出し風温度 Td ; コンプレッサー31の吐出冷媒温度(不
図示の冷媒熱検出センサーにより検出する) Qsun ; 日射量(日射量センサー61により検出
する) Xdsc ; エアーミックスドア46の開度 Xint ; インテークドア42の開度 Hz ; コンプレッサー31の周波数(回転速度
に比例する値) Vfan ; ブロアモーター44に印加される電圧
理量を定義する。 Tsuc ; 吸熱器35の入口空気温度(吸熱器入口
温度センサー58により検出する) Tout ;吸熱器35の出口空気温度(吸熱器出口温
度センサー59により検出する) Tvsc ; 放熱器33の出口空気温度(放熱器出口
温度センサー67により検出する) Tv ; ベンチレータ吹き出し口51の吹き出し
風温度(ベンチレーター吹き出し口温度センサー60に
より検出する) Tamb ; 車室外の空気温度(外気温)(外気温セ
ンサー62により検出する) Tic ; 車室内の空気温度(内気温)(室温セン
サー63により検出する) Tptc ; 車室内温度の設定値(以下、設定室温と
呼ぶ)(室温設定器64により設定する) Tof ; 冷暖房装置の目標吹き出し風温度 Td ; コンプレッサー31の吐出冷媒温度(不
図示の冷媒熱検出センサーにより検出する) Qsun ; 日射量(日射量センサー61により検出
する) Xdsc ; エアーミックスドア46の開度 Xint ; インテークドア42の開度 Hz ; コンプレッサー31の周波数(回転速度
に比例する値) Vfan ; ブロアモーター44に印加される電圧
【0027】制御装置43は、マイクロコンピュータ
ー、メモリ、A/D変換器、アクチュエータ駆動回路、
インタフェース回路などから構成され、上述したセンサ
ー58〜60、室温設定器64、吹き出し口を切り換え
るための吹き出し口モードスイッチ65、ブロアファン
スイッチ66、ブロアモーター44、各ドアアクチュエ
ータ、コンプレッサー31、四方弁73などが接続され
る。制御装置43は、センサーおよび設定器からのTs
uc,Tout,Tvsc,Tv,Qsun,Tam
b,Tic,Tptcなどの熱環境情報に基づいてXd
sc,Wcomp,Tofなどの目標冷暖房条件を演算
し、車室内が目標冷暖房条件になるようにコンプレッサ
ー31、ブロアモーター44、四方弁73、各ドアのア
クチュエータなどを制御する。
ー、メモリ、A/D変換器、アクチュエータ駆動回路、
インタフェース回路などから構成され、上述したセンサ
ー58〜60、室温設定器64、吹き出し口を切り換え
るための吹き出し口モードスイッチ65、ブロアファン
スイッチ66、ブロアモーター44、各ドアアクチュエ
ータ、コンプレッサー31、四方弁73などが接続され
る。制御装置43は、センサーおよび設定器からのTs
uc,Tout,Tvsc,Tv,Qsun,Tam
b,Tic,Tptcなどの熱環境情報に基づいてXd
sc,Wcomp,Tofなどの目標冷暖房条件を演算
し、車室内が目標冷暖房条件になるようにコンプレッサ
ー31、ブロアモーター44、四方弁73、各ドアのア
クチュエータなどを制御する。
【0028】図3において、上述したように、暖房運転
時は四方弁73を実線示のように切り換え、冷媒をコン
プレッサー31→バイパス流路80→逆止弁71→放熱
器33→液タンク36→膨張弁34→吸熱器35→コン
プレッサー31の流路で循環させるとともに、室外器3
8を逆止弁72を介してコンプレッサー31の冷媒吸入
側に接続する。一方、冷房運転時は四方弁73を点線示
のように切り換え、冷媒をコンプレッサー31→室外器
38→逆止弁70→放熱器33→液タンク36→膨張弁
34→吸熱器35→コンプレッサー31の流路で循環さ
せるとともに、バイパス流路80を逆止弁72を介して
コンプレッサー31の冷媒吸入側に接続する。
時は四方弁73を実線示のように切り換え、冷媒をコン
プレッサー31→バイパス流路80→逆止弁71→放熱
器33→液タンク36→膨張弁34→吸熱器35→コン
プレッサー31の流路で循環させるとともに、室外器3
8を逆止弁72を介してコンプレッサー31の冷媒吸入
側に接続する。一方、冷房運転時は四方弁73を点線示
のように切り換え、冷媒をコンプレッサー31→室外器
38→逆止弁70→放熱器33→液タンク36→膨張弁
34→吸熱器35→コンプレッサー31の流路で循環さ
せるとともに、バイパス流路80を逆止弁72を介して
コンプレッサー31の冷媒吸入側に接続する。
【0029】暖房運転開始時は、コンプレッサー31の
吸入圧力がいったん負圧近くまで低下した後、吸熱器3
5へ送風される空気の温度が高くなるにつれて徐々に上
昇する。暖房運転時は四方弁73を介して室外器38と
コンプレッサー31の冷媒吸入側が接続されているの
で、冷凍サイクルの低圧側圧力、すなわちコンプレッサ
ー31の吸入圧力が室外器38の冷媒圧力よりも低い間
は、室外器38の冷媒がコンプレッサー31に吸入さ
れ、室外器38に溜まり込んだ冷媒が回収される。その
後、室外器38の冷媒が希薄になり、この冷媒圧力より
もコンプレッサー31の吸入圧力が高くなると、冷凍サ
イクルの低圧側から室外器38へ冷媒が逆流しようとす
る。しかし、逆止弁72によりそのような逆流が防止さ
れ、室外器38に冷媒が溜まり込むようなことはない。
また、室外器38の冷媒がコンプレッサー31に吸入さ
れている間は、室外器38により外気の熱を吸熱するの
で、その分だけ冷媒エンタルピが上がり、暖房能力が高
くなる。つまり、車室内が早く暖められることになる。
このように、暖房運転開始直後には必ずコンプレッサー
31の吸入圧力が負圧近くまで低下するので、外気温が
マイナス数10℃の極寒状態でも室外器38の冷媒をコ
ンプレッサー31へ吸入することができ、また、コンプ
レッサー31に吸入されて冷凍サイクルに取り込まれた
冷媒は逆止弁72の作用でふたたび室外器38へ戻るこ
とがない。さらに、暖房運転中に、冷凍サイクルの高圧
側から四方弁73や逆止弁70を介して低圧側に接続さ
れる室外器38へ冷媒が漏れると、それによって室外器
38の冷媒圧力が上昇する。そして、室外器38の冷媒
圧力がコンプレッサー31の吸入圧力を超えると、室外
器38内の漏れ冷媒がコンプレッサー31に吸入されて
冷凍サイクルへ戻る。これにより、暖房運転時の冷凍サ
イクル内の冷媒量は常に一定に保たれることになり、安
定した高い暖房能力が得られる。
吸入圧力がいったん負圧近くまで低下した後、吸熱器3
5へ送風される空気の温度が高くなるにつれて徐々に上
昇する。暖房運転時は四方弁73を介して室外器38と
コンプレッサー31の冷媒吸入側が接続されているの
で、冷凍サイクルの低圧側圧力、すなわちコンプレッサ
ー31の吸入圧力が室外器38の冷媒圧力よりも低い間
は、室外器38の冷媒がコンプレッサー31に吸入さ
れ、室外器38に溜まり込んだ冷媒が回収される。その
後、室外器38の冷媒が希薄になり、この冷媒圧力より
もコンプレッサー31の吸入圧力が高くなると、冷凍サ
イクルの低圧側から室外器38へ冷媒が逆流しようとす
る。しかし、逆止弁72によりそのような逆流が防止さ
れ、室外器38に冷媒が溜まり込むようなことはない。
また、室外器38の冷媒がコンプレッサー31に吸入さ
れている間は、室外器38により外気の熱を吸熱するの
で、その分だけ冷媒エンタルピが上がり、暖房能力が高
くなる。つまり、車室内が早く暖められることになる。
このように、暖房運転開始直後には必ずコンプレッサー
31の吸入圧力が負圧近くまで低下するので、外気温が
マイナス数10℃の極寒状態でも室外器38の冷媒をコ
ンプレッサー31へ吸入することができ、また、コンプ
レッサー31に吸入されて冷凍サイクルに取り込まれた
冷媒は逆止弁72の作用でふたたび室外器38へ戻るこ
とがない。さらに、暖房運転中に、冷凍サイクルの高圧
側から四方弁73や逆止弁70を介して低圧側に接続さ
れる室外器38へ冷媒が漏れると、それによって室外器
38の冷媒圧力が上昇する。そして、室外器38の冷媒
圧力がコンプレッサー31の吸入圧力を超えると、室外
器38内の漏れ冷媒がコンプレッサー31に吸入されて
冷凍サイクルへ戻る。これにより、暖房運転時の冷凍サ
イクル内の冷媒量は常に一定に保たれることになり、安
定した高い暖房能力が得られる。
【0030】−第2の実施例− 図4は第2の実施例の冷凍サイクルの構成を示す。この
第2の実施例は、図15に示す従来の冷凍サイクルの一
部を図3に示す構成で置き換えたものである。なお、こ
の第2の実施例の全体構成は図1および図2に示す第1
の実施例とほぼ同様であり、同様な機器は同一の符号を
付して第1の実施例との相違点を中心に説明する。この
第2の実施例では、冷房運転と暖房運転の切り換えは第
1の実施例と同様に四方弁73により行ない、さらに、
暖房運転開始直後に行なわれる過渡暖房運転とその後の
定常暖房運転との切り換えは二方弁90により行なう。
すなわち、過渡暖房運転時に二方弁90を開放し、定常
暖房運転時に二方弁90を閉止する。
第2の実施例は、図15に示す従来の冷凍サイクルの一
部を図3に示す構成で置き換えたものである。なお、こ
の第2の実施例の全体構成は図1および図2に示す第1
の実施例とほぼ同様であり、同様な機器は同一の符号を
付して第1の実施例との相違点を中心に説明する。この
第2の実施例では、冷房運転と暖房運転の切り換えは第
1の実施例と同様に四方弁73により行ない、さらに、
暖房運転開始直後に行なわれる過渡暖房運転とその後の
定常暖房運転との切り換えは二方弁90により行なう。
すなわち、過渡暖房運転時に二方弁90を開放し、定常
暖房運転時に二方弁90を閉止する。
【0031】図15に示す従来の冷凍サイクルでは、定
常暖房運転時に二方弁155が閉止されるので室外器3
8内の冷媒をコンプレッサー31へ吸入することができ
ない。定常暖房運転時に室外器38の冷媒をコンプレッ
サー31へ吸入するために二方弁155を開放すると、
コンプレッサー31の吸入圧力が室外器38の冷媒圧力
よりも高くなった時に冷凍サイクルの低圧側から室外器
38へ冷媒が逆流する。また、従来の冷凍サイクルでは
冷媒漏れの多い二方弁を多く使用しており、これらの二
方弁からの漏れ量が相当大きな量になる。このように、
従来の冷凍サイクルでは室外器38に冷媒が残留し、そ
のために冷凍サイクル内の冷媒量が変動して安定な暖房
能力を発揮することができない。そこで、この第2の実
施例では、従来の冷凍サイクルの二方弁92,93,1
55を四方弁73に置き換え、過渡暖房運転時は二方弁
90を開放し、定常暖房運転時に二方弁90を閉止す
る。これにより、第1の実施例の冷凍サイクルと同様
に、冷凍サイクル内の冷媒量を一定に保持して安定な暖
房能力が得られる。
常暖房運転時に二方弁155が閉止されるので室外器3
8内の冷媒をコンプレッサー31へ吸入することができ
ない。定常暖房運転時に室外器38の冷媒をコンプレッ
サー31へ吸入するために二方弁155を開放すると、
コンプレッサー31の吸入圧力が室外器38の冷媒圧力
よりも高くなった時に冷凍サイクルの低圧側から室外器
38へ冷媒が逆流する。また、従来の冷凍サイクルでは
冷媒漏れの多い二方弁を多く使用しており、これらの二
方弁からの漏れ量が相当大きな量になる。このように、
従来の冷凍サイクルでは室外器38に冷媒が残留し、そ
のために冷凍サイクル内の冷媒量が変動して安定な暖房
能力を発揮することができない。そこで、この第2の実
施例では、従来の冷凍サイクルの二方弁92,93,1
55を四方弁73に置き換え、過渡暖房運転時は二方弁
90を開放し、定常暖房運転時に二方弁90を閉止す
る。これにより、第1の実施例の冷凍サイクルと同様
に、冷凍サイクル内の冷媒量を一定に保持して安定な暖
房能力が得られる。
【0032】また、二方弁90を開放して過渡暖房運転
を行なうと、暖房運転開始直後のコンプレッサー31の
吸入圧力が低い状態では、室外器38により外気の熱を
吸入して暖房能力が高まる。しかし、コンプレッサー3
1の吸入圧力が上昇して室外器38の冷媒温度と外気温
の差が小さくなると、室外器38における吸熱がなくな
り、逆に、冷媒の熱を外気に放熱する現象が発生して暖
房能力が低下することが実験により確認された。暖房運
転開始直後のコンプレッサー31の吸入圧力の変化は、
運転開始時の初期状態に拘わらず毎回ほぼ同じ変化をす
るので、室外器38の冷媒温度と外気温の差の代りに、
予め設定した時間だけ過渡暖房運転を行ない、その後に
定常暖房運転に切り換えるようにしてもよい。また、過
渡暖房運転時には吸熱器35を流れる冷媒量が減少する
ので、吸熱器35の出口空気温度Toutが上昇する傾
向があり、窓曇りが発生しやすいこともわかった。そこ
で、図10、図11に示すような二方弁90の制御を行
なって過渡暖房運転から定常暖房運転へ切り換えるよう
にすると、暖房運転開始直後の過渡暖房運転で効果的に
外気から吸熱して車室内をすばやく暖め、その後の定常
暖房運転で室外器38の冷媒をコンプレッサー31へ吸
入するので、冷凍サイクル内の冷媒量が変動せず、安定
した暖房能力を得ることができる。
を行なうと、暖房運転開始直後のコンプレッサー31の
吸入圧力が低い状態では、室外器38により外気の熱を
吸入して暖房能力が高まる。しかし、コンプレッサー3
1の吸入圧力が上昇して室外器38の冷媒温度と外気温
の差が小さくなると、室外器38における吸熱がなくな
り、逆に、冷媒の熱を外気に放熱する現象が発生して暖
房能力が低下することが実験により確認された。暖房運
転開始直後のコンプレッサー31の吸入圧力の変化は、
運転開始時の初期状態に拘わらず毎回ほぼ同じ変化をす
るので、室外器38の冷媒温度と外気温の差の代りに、
予め設定した時間だけ過渡暖房運転を行ない、その後に
定常暖房運転に切り換えるようにしてもよい。また、過
渡暖房運転時には吸熱器35を流れる冷媒量が減少する
ので、吸熱器35の出口空気温度Toutが上昇する傾
向があり、窓曇りが発生しやすいこともわかった。そこ
で、図10、図11に示すような二方弁90の制御を行
なって過渡暖房運転から定常暖房運転へ切り換えるよう
にすると、暖房運転開始直後の過渡暖房運転で効果的に
外気から吸熱して車室内をすばやく暖め、その後の定常
暖房運転で室外器38の冷媒をコンプレッサー31へ吸
入するので、冷凍サイクル内の冷媒量が変動せず、安定
した暖房能力を得ることができる。
【0033】図5は、図3に示す第1の実施例の放熱器
33をバイパス流路80へ移動した第1の実施例の変形
例を示す。また、図6は、図4に示す第2の実施例の放
熱器33をバイパス流路80へ移動した第2の実施例の
変形例を示す。これらの変形例でも、それぞれ第1の実
施例および第2の実施例と同様な効果が得られる。
33をバイパス流路80へ移動した第1の実施例の変形
例を示す。また、図6は、図4に示す第2の実施例の放
熱器33をバイパス流路80へ移動した第2の実施例の
変形例を示す。これらの変形例でも、それぞれ第1の実
施例および第2の実施例と同様な効果が得られる。
【0034】−第3の実施例− 図7は第3の実施例の冷凍サイクルの構成を示す。この
第3の実施例は、図4に示す第2の実施例の逆止弁72
を吸熱器35の冷媒流出側へ移動するとともに、元の逆
止弁72の位置に蒸発圧力調整弁94を設けたものであ
る。なお、この第3の実施例では、第1の実施例および
第2の実施例と同様な機器に対しては同一の符号を付し
て相違点を中心に説明する。この第3の実施例では、上
述した第1および第2の実施例の効果に加え、特に暖房
運転時に発生しやすい窓曇りを防止できる効果がある。
図8および図9により、その理由を説明する。
第3の実施例は、図4に示す第2の実施例の逆止弁72
を吸熱器35の冷媒流出側へ移動するとともに、元の逆
止弁72の位置に蒸発圧力調整弁94を設けたものであ
る。なお、この第3の実施例では、第1の実施例および
第2の実施例と同様な機器に対しては同一の符号を付し
て相違点を中心に説明する。この第3の実施例では、上
述した第1および第2の実施例の効果に加え、特に暖房
運転時に発生しやすい窓曇りを防止できる効果がある。
図8および図9により、その理由を説明する。
【0035】図8は、暖房運転開始直後の室外器38の
理想的な作動温度の変化を示す。なお、暖房運転開始直
後の室外器38の作動圧力も図8に示す作動温度と同様
な変化を示す。運転停止時の室外器38の温度は、図の
A点で示す外気温とほぼ同じ温度である。暖房運転を開
始すると、室外器38の冷媒がコンプレッサー31へ吸
入されるので、作動温度(作動圧力)はA点からB点ま
で一気に低下する。室外器38の作動温度が低下して外
気温との差が大きくなると、室外器38における外気と
の熱交換が促進され、室外器38の冷媒は外気から吸熱
しながらコンプレッサー31に吸入される。その結果、
冷凍サイクルの低圧側の冷媒エンタルピが上昇し、暖房
能力の立上がりが早くなる。暖房運転によって車室内が
暖められ、吸熱器35の入口空気温度Tsucが高くな
ると、冷凍サイクルの低圧側の圧力、すなわちコンプレ
ッサー31の吸入圧力が上昇に転じ、それにともなって
室外器38の作動温度(作動圧力)も図のB点からC点
へ上昇する。室外器38の作動温度がC点に達すると、
外気との温度差が小さくなり、実質的な外気からの吸熱
量がほぼ0になる。C点以降、室外器38は、外気から
の吸熱量が0の状態で、吸熱器35の除湿(冷却)作用
によって窓曇りが発生しないような温度で作動する。
理想的な作動温度の変化を示す。なお、暖房運転開始直
後の室外器38の作動圧力も図8に示す作動温度と同様
な変化を示す。運転停止時の室外器38の温度は、図の
A点で示す外気温とほぼ同じ温度である。暖房運転を開
始すると、室外器38の冷媒がコンプレッサー31へ吸
入されるので、作動温度(作動圧力)はA点からB点ま
で一気に低下する。室外器38の作動温度が低下して外
気温との差が大きくなると、室外器38における外気と
の熱交換が促進され、室外器38の冷媒は外気から吸熱
しながらコンプレッサー31に吸入される。その結果、
冷凍サイクルの低圧側の冷媒エンタルピが上昇し、暖房
能力の立上がりが早くなる。暖房運転によって車室内が
暖められ、吸熱器35の入口空気温度Tsucが高くな
ると、冷凍サイクルの低圧側の圧力、すなわちコンプレ
ッサー31の吸入圧力が上昇に転じ、それにともなって
室外器38の作動温度(作動圧力)も図のB点からC点
へ上昇する。室外器38の作動温度がC点に達すると、
外気との温度差が小さくなり、実質的な外気からの吸熱
量がほぼ0になる。C点以降、室外器38は、外気から
の吸熱量が0の状態で、吸熱器35の除湿(冷却)作用
によって窓曇りが発生しないような温度で作動する。
【0036】上述した図4に示す第2の実施例では、過
渡暖房運転時に放熱器33により放熱された冷媒を吸熱
器35へ導く流路と室外器38へ導く流路に分流し、吸
熱器で除湿を行なうとともに、室外器38で外気からの
吸熱を行なっている。この時、吸熱器35と室外器38
への冷媒の分流比率を適切に調節しないと、吸熱器35
で充分な除湿ができずに窓曇りが発生したり、室外器3
8で放熱が行なわれたりする。
渡暖房運転時に放熱器33により放熱された冷媒を吸熱
器35へ導く流路と室外器38へ導く流路に分流し、吸
熱器で除湿を行なうとともに、室外器38で外気からの
吸熱を行なっている。この時、吸熱器35と室外器38
への冷媒の分流比率を適切に調節しないと、吸熱器35
で充分な除湿ができずに窓曇りが発生したり、室外器3
8で放熱が行なわれたりする。
【0037】室外器38の作動温度を図8に示すような
理想的に変化させるためには、室外器38に流れる冷媒
の割合を図9に示すように変化させればよい。すなわ
ち、暖房運転開始直後のA点から室外器38が最低温度
となるB点までは、全冷媒を室外器38へ流し、吸熱器
35へは冷媒が流れないようにする。これによって、作
動温度と外気温との差が最大の状態の室外器38へ充分
な冷媒が供給されて、外気からの吸熱量を最大にするこ
とができる。また、暖房運転開始直後に、コンプレッサ
ー31の吸入冷媒が不足して、コンプレッサー31の吐
出圧力の上昇が阻害されてしまうことがなくなる。B点
から室外器38の吸熱量がほぼ0になるC点までは、吸
熱器35の入力口空気温度Tsucの上昇に応じて室外
器38への冷媒流入量を減少するとともに、吸熱器35
への冷媒流入量を増加する。これにより、異常低温によ
る吸熱器33の凍結を防止しながら、窓曇りを防止する
ための除湿を行なうことができる。C点以降は、室外器
38で吸熱ができないので室外器38へは冷媒を流さ
ず、全冷媒を吸熱器35へ流す。これによって、吸熱器
35で窓曇りを防止するための充分な除湿(冷却)が可
能となる。
理想的に変化させるためには、室外器38に流れる冷媒
の割合を図9に示すように変化させればよい。すなわ
ち、暖房運転開始直後のA点から室外器38が最低温度
となるB点までは、全冷媒を室外器38へ流し、吸熱器
35へは冷媒が流れないようにする。これによって、作
動温度と外気温との差が最大の状態の室外器38へ充分
な冷媒が供給されて、外気からの吸熱量を最大にするこ
とができる。また、暖房運転開始直後に、コンプレッサ
ー31の吸入冷媒が不足して、コンプレッサー31の吐
出圧力の上昇が阻害されてしまうことがなくなる。B点
から室外器38の吸熱量がほぼ0になるC点までは、吸
熱器35の入力口空気温度Tsucの上昇に応じて室外
器38への冷媒流入量を減少するとともに、吸熱器35
への冷媒流入量を増加する。これにより、異常低温によ
る吸熱器33の凍結を防止しながら、窓曇りを防止する
ための除湿を行なうことができる。C点以降は、室外器
38で吸熱ができないので室外器38へは冷媒を流さ
ず、全冷媒を吸熱器35へ流す。これによって、吸熱器
35で窓曇りを防止するための充分な除湿(冷却)が可
能となる。
【0038】室外器38へ流入する冷媒量は、蒸発圧力
調整弁94の設定圧力を調整することによって容易に制
御できる。すなわち、室外器38の作動圧力が蒸発圧力
調整弁94の設定圧力よりも低い時は、その圧力差が0
になるように蒸発圧力調整弁94が開放されて室外器3
8への冷媒流入量を増加させる。逆に、室外器38の作
動圧力が蒸発圧力調整弁94の設定圧力よりも高くなる
と、蒸発圧力調整弁94が閉止されて室外器38への冷
媒の流入が阻止される。
調整弁94の設定圧力を調整することによって容易に制
御できる。すなわち、室外器38の作動圧力が蒸発圧力
調整弁94の設定圧力よりも低い時は、その圧力差が0
になるように蒸発圧力調整弁94が開放されて室外器3
8への冷媒流入量を増加させる。逆に、室外器38の作
動圧力が蒸発圧力調整弁94の設定圧力よりも高くなる
と、蒸発圧力調整弁94が閉止されて室外器38への冷
媒の流入が阻止される。
【0039】次に、上述した図4に示す第2の実施例
と、図6に示す第2の実施例の変形例と、図7に示す第
3の実施例の二方弁90の制御方法を説明する。図10
はその制御プログラムを示すフローチャートである。ス
テップS1において、暖房運転か否かを判別する。自動
空調制御モードでは各種センサーおよび各種設定器から
の熱環境情報に基づいて暖房運転か冷房運転かを判別
し、手動空調モードでは設定器により選択された運転モ
ードにより判別する。暖房運転の場合はステップS2へ
進み、冷房運転の場合はステップS8へ進む。冷房運転
の場合は、ステップS8で二方弁90を閉止し、定常暖
房運転を行なう。一方、暖房運転の場合は、ステップS
2で暖房運転開始直後か否かを判別し、暖房運転開始直
後であればステップS4へ進み、そうでなければステッ
プS3へ進む。暖房運転開始直後の場合は、ステップS
4で二方弁90を開放して上述した過度暖房運転を開始
する。上述したように、暖房運転開始直後はコンプレッ
サー31の吸入圧力が最も低下し、室外器38の作動温
度と外気温との差も最大となって外気からの吸熱が促進
されるので、二方弁90を開放して過度暖房運転を行な
う。
と、図6に示す第2の実施例の変形例と、図7に示す第
3の実施例の二方弁90の制御方法を説明する。図10
はその制御プログラムを示すフローチャートである。ス
テップS1において、暖房運転か否かを判別する。自動
空調制御モードでは各種センサーおよび各種設定器から
の熱環境情報に基づいて暖房運転か冷房運転かを判別
し、手動空調モードでは設定器により選択された運転モ
ードにより判別する。暖房運転の場合はステップS2へ
進み、冷房運転の場合はステップS8へ進む。冷房運転
の場合は、ステップS8で二方弁90を閉止し、定常暖
房運転を行なう。一方、暖房運転の場合は、ステップS
2で暖房運転開始直後か否かを判別し、暖房運転開始直
後であればステップS4へ進み、そうでなければステッ
プS3へ進む。暖房運転開始直後の場合は、ステップS
4で二方弁90を開放して上述した過度暖房運転を開始
する。上述したように、暖房運転開始直後はコンプレッ
サー31の吸入圧力が最も低下し、室外器38の作動温
度と外気温との差も最大となって外気からの吸熱が促進
されるので、二方弁90を開放して過度暖房運転を行な
う。
【0040】暖房運転開始直後でない時は、ステップS
3で、室外器38の作動温度Tcondを推定する。室
外器38の作動温度Tcondは、室外器38に温度セ
ンサーを取り付けて検出してもよいし、室外器38の作
動圧力を検出し、検出圧力に対する冷媒の飽和温度とし
て推定してもよい。ステップS5で外気温Tambを検
出してステップS6へ進み、室外器38の推定作動温度
Tcondと外気温Tambとに基づいて二方弁90の
開放または閉止を決定する。すなわち、Tcondを、
(Tamb+α1)および(Tamb+α2)と比較
し、図に示すヒステリシス特性にしたがって開放または
閉止を決定する。閉止の場合はステップS8へ進んで二
方弁90を閉止して定常暖房運転を行ない、開放の場合
はステップS7へ進む。
3で、室外器38の作動温度Tcondを推定する。室
外器38の作動温度Tcondは、室外器38に温度セ
ンサーを取り付けて検出してもよいし、室外器38の作
動圧力を検出し、検出圧力に対する冷媒の飽和温度とし
て推定してもよい。ステップS5で外気温Tambを検
出してステップS6へ進み、室外器38の推定作動温度
Tcondと外気温Tambとに基づいて二方弁90の
開放または閉止を決定する。すなわち、Tcondを、
(Tamb+α1)および(Tamb+α2)と比較
し、図に示すヒステリシス特性にしたがって開放または
閉止を決定する。閉止の場合はステップS8へ進んで二
方弁90を閉止して定常暖房運転を行ない、開放の場合
はステップS7へ進む。
【0041】このように、室外器38の作動温度Tco
ndと外気温Tambとに基づいて過度暖房運転と定常
暖房運転とを切り換えるタイミングを決定することによ
り、過渡暖房運転時に室外器38における外気からの吸
熱量を最大にするとともに、室外器38から外気への放
熱が始る前に定常暖房運転に切り換え、室外器38の冷
媒をコンプレッサー31へ回収しながら安定した暖房運
転を行なうことができる。ステップS7では、各種セン
サーからの熱環境情報に基づいて窓晴れを維持できるか
否かを判別し、窓晴れを維持できればステップS9へ進
んで吸熱器35と室外器38の両方へ冷媒を供給する過
渡暖房運転を行ない、窓晴れを維持できなければステッ
プS8へ進んで吸熱器35のみに冷媒を供給する定常暖
房運転を行なう。
ndと外気温Tambとに基づいて過度暖房運転と定常
暖房運転とを切り換えるタイミングを決定することによ
り、過渡暖房運転時に室外器38における外気からの吸
熱量を最大にするとともに、室外器38から外気への放
熱が始る前に定常暖房運転に切り換え、室外器38の冷
媒をコンプレッサー31へ回収しながら安定した暖房運
転を行なうことができる。ステップS7では、各種セン
サーからの熱環境情報に基づいて窓晴れを維持できるか
否かを判別し、窓晴れを維持できればステップS9へ進
んで吸熱器35と室外器38の両方へ冷媒を供給する過
渡暖房運転を行ない、窓晴れを維持できなければステッ
プS8へ進んで吸熱器35のみに冷媒を供給する定常暖
房運転を行なう。
【0042】図11は二方弁90の他の制御プログラム
を示すフローチャートである。図10に示す制御プログ
ラムでは、室外器38の作動温度Tcondと外気温T
ambの差に応じて過渡暖房運転と定常暖房運転を切り
換えたが、この制御プログラムでは、コンプレッサー3
1の吸入圧力の変化が暖房運転開始時の初期状態に拘わ
らずほどんど同じであることを利用して、暖房運転開始
から設定時間が経過するまでは過渡暖房運転を行ない、
設定時間が経過したら定常暖房運転を行なう。まずステ
ップS11において、上述したように暖房運転か否かを
判別し、暖房運転であればステップS12へ進み、冷房
運転であればステップS17へ進む。冷房運転の場合
は、ステップS17で二方弁90を閉止し、冷房運転を
行なう。暖房運転の時は、ステップS12で、暖房運転
開始直後か否かを判別し、暖房運転開始直後の時はステ
ップS13へ進み、そうでなければステップS15へ進
む。暖房運転開始直後の時は、ステップS13でタイマ
ーによる計時を開始し、続くステップS14で二方弁9
0を開放して過渡暖房運転を開始する。上述したよう
に、暖房運転開始直後はコンプレッサー31の吸入圧力
が最も低下し、室外器38の作動温度と外気温との差も
最大となって外気からの吸熱が促進されるので、二方弁
90を開放して過度暖房運転を行なう。
を示すフローチャートである。図10に示す制御プログ
ラムでは、室外器38の作動温度Tcondと外気温T
ambの差に応じて過渡暖房運転と定常暖房運転を切り
換えたが、この制御プログラムでは、コンプレッサー3
1の吸入圧力の変化が暖房運転開始時の初期状態に拘わ
らずほどんど同じであることを利用して、暖房運転開始
から設定時間が経過するまでは過渡暖房運転を行ない、
設定時間が経過したら定常暖房運転を行なう。まずステ
ップS11において、上述したように暖房運転か否かを
判別し、暖房運転であればステップS12へ進み、冷房
運転であればステップS17へ進む。冷房運転の場合
は、ステップS17で二方弁90を閉止し、冷房運転を
行なう。暖房運転の時は、ステップS12で、暖房運転
開始直後か否かを判別し、暖房運転開始直後の時はステ
ップS13へ進み、そうでなければステップS15へ進
む。暖房運転開始直後の時は、ステップS13でタイマ
ーによる計時を開始し、続くステップS14で二方弁9
0を開放して過渡暖房運転を開始する。上述したよう
に、暖房運転開始直後はコンプレッサー31の吸入圧力
が最も低下し、室外器38の作動温度と外気温との差も
最大となって外気からの吸熱が促進されるので、二方弁
90を開放して過度暖房運転を行なう。
【0043】暖房運転開始直後でない時は、ステップS
15でタイマーにより暖房運転を開始してから設定時間
が経過したか否かを判別し、設定時間が経過した場合は
ステップS17へ進み、そうでなければステップS16
へ進む。暖房運転を開始してから設定時間が経過した時
は、ステップS17で、二方弁90を閉止して定常暖房
運転を行なう。設定時間が経過していない時は、ステッ
プS16で、各種センサーからの熱環境情報に基づいて
窓晴れを維持できるか否かを判別し、窓晴れを維持でき
ればステップS18へ進んで吸熱器35と室外器38の
両方へ冷媒を供給する過渡暖房運転を行ない、窓晴れを
維持できなければステップS17へ進んで吸熱器35の
みに冷媒を供給する定常暖房運転を行なう。
15でタイマーにより暖房運転を開始してから設定時間
が経過したか否かを判別し、設定時間が経過した場合は
ステップS17へ進み、そうでなければステップS16
へ進む。暖房運転を開始してから設定時間が経過した時
は、ステップS17で、二方弁90を閉止して定常暖房
運転を行なう。設定時間が経過していない時は、ステッ
プS16で、各種センサーからの熱環境情報に基づいて
窓晴れを維持できるか否かを判別し、窓晴れを維持でき
ればステップS18へ進んで吸熱器35と室外器38の
両方へ冷媒を供給する過渡暖房運転を行ない、窓晴れを
維持できなければステップS17へ進んで吸熱器35の
みに冷媒を供給する定常暖房運転を行なう。
【0044】図12は、図4に示す第2の実施例と、図
6に示す第2の実施例の変形例と、図7に示す第3の実
施例の暖房運転停止時の二方弁90の制御プログラムを
示すフローチャートである。室外器38の構造や内部の
冷媒流れパターンは、冷房運転時に放熱能力が最大とな
るように設計されている。過渡暖房運転ではこの室外器
38を蒸発器として使用するが、この時、冷房運転時と
冷媒の出入口が互いに逆になるため、室外器38はオイ
ルが溜まりやすい状況におかれる。室外器38に溜まっ
たオイルの量が多くなると、コンプレッサー31の潤滑
が正常に行なわれなくなり、駆動モーターの過負荷や焼
き付きを起こしやすくなる。そこで、この実施例では、
暖房運転の停止時に二方弁90を開放して冷凍サイクル
の高圧側の冷媒を室外器38へ流す。これにより、室外
器38内のオイルを回収するとともに、冷凍サイクルの
高圧側と低圧側の圧力差を小さくする。
6に示す第2の実施例の変形例と、図7に示す第3の実
施例の暖房運転停止時の二方弁90の制御プログラムを
示すフローチャートである。室外器38の構造や内部の
冷媒流れパターンは、冷房運転時に放熱能力が最大とな
るように設計されている。過渡暖房運転ではこの室外器
38を蒸発器として使用するが、この時、冷房運転時と
冷媒の出入口が互いに逆になるため、室外器38はオイ
ルが溜まりやすい状況におかれる。室外器38に溜まっ
たオイルの量が多くなると、コンプレッサー31の潤滑
が正常に行なわれなくなり、駆動モーターの過負荷や焼
き付きを起こしやすくなる。そこで、この実施例では、
暖房運転の停止時に二方弁90を開放して冷凍サイクル
の高圧側の冷媒を室外器38へ流す。これにより、室外
器38内のオイルを回収するとともに、冷凍サイクルの
高圧側と低圧側の圧力差を小さくする。
【0045】暖房運転が停止されると、ステップS21
で二方弁90を開放し、続くステップS22でタイマー
による計時を開始する。ステップS23で、二方弁90
を開いてから設定時間が経過したか否かを判別し、設定
時間が経過したらステップS24へ進み、冷暖房装置の
運転を停止する。
で二方弁90を開放し、続くステップS22でタイマー
による計時を開始する。ステップS23で、二方弁90
を開いてから設定時間が経過したか否かを判別し、設定
時間が経過したらステップS24へ進み、冷暖房装置の
運転を停止する。
【0046】なお、不通電時に開放となる二方弁を用
い、冷暖房装置の停止にともなってこの二方弁への通電
が停止されると、冷媒が室外器へ流入し、同様な効果が
得られる。また、上述した各実施例では逆止弁70,7
1を用いて冷媒の逆流を阻止したが、逆止弁70,71
の代りに二方弁を用いてもよい。その場合は、制御装置
によって、過渡状態における暖房運転、定常状態におけ
る暖房運転、冷房運転の各運転モードに応じて開放と閉
止を制御すればよい。
い、冷暖房装置の停止にともなってこの二方弁への通電
が停止されると、冷媒が室外器へ流入し、同様な効果が
得られる。また、上述した各実施例では逆止弁70,7
1を用いて冷媒の逆流を阻止したが、逆止弁70,71
の代りに二方弁を用いてもよい。その場合は、制御装置
によって、過渡状態における暖房運転、定常状態におけ
る暖房運転、冷房運転の各運転モードに応じて開放と閉
止を制御すればよい。
【0047】−第4の実施例− 図16は第4の実施例の冷凍サイクルの構成を示す。暖
房運転と冷房運転は四方弁73と逆止弁70、71を用
いて冷媒流れを切り換える。暖房運転時には、コンプレ
ッサー31の冷媒吐出側とバイパス路80を連通すると
ともに、冷凍サイクル低圧部(コンプレッサー31の冷
媒吸入側)と室外器38を連通するように四方弁73を
切り換え、コンプレッサー31がバイパス路80と逆止
弁71を経由して放熱器33へ高圧冷媒を吐出し、吸熱
器35と室外器38から低圧冷媒を吸入可能にする。こ
の時、コンプレッサー31から吐出された冷媒は逆止弁
70によって室外器38へは流入しない。一方、冷房運
転時には、コンプレッサー31の冷媒吐出側と室外器3
8を連通するとともに、冷凍サイクル低圧部(コンプレ
ッサー31の冷媒吸入側)とバイパス路80を連通する
ように四方弁73を切り換え、コンプレッサー31が室
外器38へ高圧冷媒を吐出し、吸熱器35とバイパス路
80から低圧冷媒を吸入可能にする。この時、室外器3
8を流出した高圧冷媒は逆止弁71によって四方弁73
側へは流入しない。また、四方弁73と室外器38をつ
なぐ配管に流路開閉手段として二方弁100を設ける。
房運転と冷房運転は四方弁73と逆止弁70、71を用
いて冷媒流れを切り換える。暖房運転時には、コンプレ
ッサー31の冷媒吐出側とバイパス路80を連通すると
ともに、冷凍サイクル低圧部(コンプレッサー31の冷
媒吸入側)と室外器38を連通するように四方弁73を
切り換え、コンプレッサー31がバイパス路80と逆止
弁71を経由して放熱器33へ高圧冷媒を吐出し、吸熱
器35と室外器38から低圧冷媒を吸入可能にする。こ
の時、コンプレッサー31から吐出された冷媒は逆止弁
70によって室外器38へは流入しない。一方、冷房運
転時には、コンプレッサー31の冷媒吐出側と室外器3
8を連通するとともに、冷凍サイクル低圧部(コンプレ
ッサー31の冷媒吸入側)とバイパス路80を連通する
ように四方弁73を切り換え、コンプレッサー31が室
外器38へ高圧冷媒を吐出し、吸熱器35とバイパス路
80から低圧冷媒を吸入可能にする。この時、室外器3
8を流出した高圧冷媒は逆止弁71によって四方弁73
側へは流入しない。また、四方弁73と室外器38をつ
なぐ配管に流路開閉手段として二方弁100を設ける。
【0048】二方弁100は、室外器38からコンプレ
ッサー31の冷媒吸入側に冷媒が流れると判断される時
には冷媒の流れを許容し、逆に、コンプレッサー31の
冷媒吸入側から室外器38へ冷媒が流れると判断される
時には冷媒の流れを阻止するように開閉制御される。な
お、この実施例では流路開閉手段として二方弁を使用す
る例を示したが、二方弁に限らず流量制御弁や逆止弁な
どであっても同様の機能を満足できればよい。また、流
路開閉手段は、流路開閉手段を通過する冷媒の流れ方向
だけでなく、冷凍サイクルの運転状態や車両の熱負荷状
態や運転時間を検出した開閉制御を行なってもよい。
ッサー31の冷媒吸入側に冷媒が流れると判断される時
には冷媒の流れを許容し、逆に、コンプレッサー31の
冷媒吸入側から室外器38へ冷媒が流れると判断される
時には冷媒の流れを阻止するように開閉制御される。な
お、この実施例では流路開閉手段として二方弁を使用す
る例を示したが、二方弁に限らず流量制御弁や逆止弁な
どであっても同様の機能を満足できればよい。また、流
路開閉手段は、流路開閉手段を通過する冷媒の流れ方向
だけでなく、冷凍サイクルの運転状態や車両の熱負荷状
態や運転時間を検出した開閉制御を行なってもよい。
【0049】暖房運転開始直後で吸熱器35の吸込空気
温度が低い時には、室外器38と吸熱器35の作動圧力
はほぼ等しく変化し、二方弁100は冷媒の流れを許容
する側に作動し、室外器38内の冷媒は四方弁73とバ
イパス路82を経由してコンプレッサー31の冷媒吸入
側に流れ込む。その後、車室内が温まり吸熱器35の吸
込空気温度が高くなると、吸熱器35の作動圧力も徐々
に高くなる。ところが、外気にさらされている室外器3
8の作動圧力はせいぜい外気温に対応した飽和圧力まで
しか上昇せず、室外器38の作動圧力よりも吸熱器35
の作動圧力の方が高くなると、コンプレッサー31の冷
媒吸入側から室外器38側への冷媒の流れが生じる。こ
の時、二方弁100は冷媒の流れを阻止する側に作動
し、冷媒が室外器38へ流れ込んで外気に放熱しながら
室外器38内に溜まり込むことを防止する。
温度が低い時には、室外器38と吸熱器35の作動圧力
はほぼ等しく変化し、二方弁100は冷媒の流れを許容
する側に作動し、室外器38内の冷媒は四方弁73とバ
イパス路82を経由してコンプレッサー31の冷媒吸入
側に流れ込む。その後、車室内が温まり吸熱器35の吸
込空気温度が高くなると、吸熱器35の作動圧力も徐々
に高くなる。ところが、外気にさらされている室外器3
8の作動圧力はせいぜい外気温に対応した飽和圧力まで
しか上昇せず、室外器38の作動圧力よりも吸熱器35
の作動圧力の方が高くなると、コンプレッサー31の冷
媒吸入側から室外器38側への冷媒の流れが生じる。こ
の時、二方弁100は冷媒の流れを阻止する側に作動
し、冷媒が室外器38へ流れ込んで外気に放熱しながら
室外器38内に溜まり込むことを防止する。
【0050】なお、室外器38内の冷媒がコンプレッサ
ー31に吸入される時には、室外器38において外気の
熱を吸熱するので、この間の暖房能力が高まる。暖房ウ
ォームアップの初期には、必ずコンプレッサー31の吸
入圧力が負圧近くまで低下するので、外気温がマイナス
数十度(℃)の極寒条件においても室外器38内の冷媒
をコンプレッサー31へ吸入することができ、いったん
コンプレッサー31に吸入されて冷凍サイクル側に移動
した冷媒は、上述した二方弁100の働きでふたたび室
外器38へ逆流することはないので、冷媒サイクル側の
作動冷媒量は常に一定の冷媒量に調整される。また、図
3に示す第1の実施例の冷凍サイクルでは、バイパス路
82に逆止弁72を設けている。この逆止弁72を上述
した二方弁100のような冷媒流路開閉手段に置き換え
ても同様の効果を得ることができる。
ー31に吸入される時には、室外器38において外気の
熱を吸熱するので、この間の暖房能力が高まる。暖房ウ
ォームアップの初期には、必ずコンプレッサー31の吸
入圧力が負圧近くまで低下するので、外気温がマイナス
数十度(℃)の極寒条件においても室外器38内の冷媒
をコンプレッサー31へ吸入することができ、いったん
コンプレッサー31に吸入されて冷凍サイクル側に移動
した冷媒は、上述した二方弁100の働きでふたたび室
外器38へ逆流することはないので、冷媒サイクル側の
作動冷媒量は常に一定の冷媒量に調整される。また、図
3に示す第1の実施例の冷凍サイクルでは、バイパス路
82に逆止弁72を設けている。この逆止弁72を上述
した二方弁100のような冷媒流路開閉手段に置き換え
ても同様の効果を得ることができる。
【0051】図17は、第4の実施例の変形例の冷凍サ
イクルの構成を示す。室外器38と吸熱器33が並列に
配設され、暖房運転時のみ放熱器33に高圧冷媒が流れ
ること以外は上述した第4の実施例と同様である。な
お、図5に示す第1の実施例の変形例においても、逆止
弁72を上述した二方弁100のような冷媒流路開閉手
段に置き換えても同様の効果を得ることができる。
イクルの構成を示す。室外器38と吸熱器33が並列に
配設され、暖房運転時のみ放熱器33に高圧冷媒が流れ
ること以外は上述した第4の実施例と同様である。な
お、図5に示す第1の実施例の変形例においても、逆止
弁72を上述した二方弁100のような冷媒流路開閉手
段に置き換えても同様の効果を得ることができる。
【0052】−第5の実施例− 図18は第5の実施例の冷凍サイクルの構成を示す。二
方弁155は、閉状態で室外器38からコンプレッサー
31の冷媒吸入側への冷媒流れを阻止できる。暖房運転
と冷房運転は二方弁92、93、155と逆止弁70を
使用して冷媒流れを切り換える。暖房運転時には、二方
弁92を閉、二方弁93を開、二方弁155を開とし
て、コンプレッサー31がバイパス路80を経由して放
熱器33へ高圧冷媒を吐出し、吸熱器35と室外器38
から低圧冷媒を吸入可能にする。この時、コンプレッサ
ー31から吐出された冷媒は逆止弁70により室外器3
8へ流入しない。一方、冷房運転時には、二方弁92を
開、二方弁93を閉、二方弁155を閉として、コンプ
レッサー31が室外器38へ高圧冷媒を吐出し、吸熱器
35から低圧冷媒を吸入する。この時、コンプレッサー
31から吐出した高圧冷媒は二方弁155によりコンプ
レッサー31の冷媒吸入側へ流入しない。また、コンプ
レッサー31の冷媒吸入側と室外器38をつなぐ配管に
は、流路開閉手段として二方弁100を設ける。
方弁155は、閉状態で室外器38からコンプレッサー
31の冷媒吸入側への冷媒流れを阻止できる。暖房運転
と冷房運転は二方弁92、93、155と逆止弁70を
使用して冷媒流れを切り換える。暖房運転時には、二方
弁92を閉、二方弁93を開、二方弁155を開とし
て、コンプレッサー31がバイパス路80を経由して放
熱器33へ高圧冷媒を吐出し、吸熱器35と室外器38
から低圧冷媒を吸入可能にする。この時、コンプレッサ
ー31から吐出された冷媒は逆止弁70により室外器3
8へ流入しない。一方、冷房運転時には、二方弁92を
開、二方弁93を閉、二方弁155を閉として、コンプ
レッサー31が室外器38へ高圧冷媒を吐出し、吸熱器
35から低圧冷媒を吸入する。この時、コンプレッサー
31から吐出した高圧冷媒は二方弁155によりコンプ
レッサー31の冷媒吸入側へ流入しない。また、コンプ
レッサー31の冷媒吸入側と室外器38をつなぐ配管に
は、流路開閉手段として二方弁100を設ける。
【0053】二方弁100は、室外器38からコンプレ
ッサー31の冷媒吸入側へ冷媒が流れると判断される時
には冷媒の流れを許容し、逆に、コンプレッサー31の
冷媒吸入側から室外器38へ冷媒が流れると判断される
場合には冷媒の流れを阻止するように開閉制御される。
なお、この実施例では流路開閉手段として二方弁を用い
た例を示したが、流路開閉手段は二方弁に限らず流量制
御弁や逆止弁などであっても同様の機能を満足できれば
よい。また、流路開閉手段は、流路開閉手段を通過する
冷媒の流れ方向だけでなく、冷凍サイクルの運転状態や
車両の熱負荷状態や運転時間を検出して開閉制御を行な
ってもよい。
ッサー31の冷媒吸入側へ冷媒が流れると判断される時
には冷媒の流れを許容し、逆に、コンプレッサー31の
冷媒吸入側から室外器38へ冷媒が流れると判断される
場合には冷媒の流れを阻止するように開閉制御される。
なお、この実施例では流路開閉手段として二方弁を用い
た例を示したが、流路開閉手段は二方弁に限らず流量制
御弁や逆止弁などであっても同様の機能を満足できれば
よい。また、流路開閉手段は、流路開閉手段を通過する
冷媒の流れ方向だけでなく、冷凍サイクルの運転状態や
車両の熱負荷状態や運転時間を検出して開閉制御を行な
ってもよい。
【0054】暖房運転開始直後で吸熱器35の吸込空気
温度が低い時には、室外器38と吸熱器35の作動圧力
はほぼ等しく変化し、二方弁100は冷媒の流れを許容
する側に設定され、室外器38内の冷媒はバイパス路8
2を経由してコンプレッサー31の冷媒吸入側へ流れ込
む。その後、車室内が温まり吸熱器35の吸込空気温度
が高くなると、吸熱器35の作動圧力も徐々に高くな
る。ところが、外気にさらされている室外器38の作動
圧力はせいぜい外気温に対応した飽和圧力までしか上昇
せず、室外器38の作動圧力よりも吸熱器35の作動圧
力の方が高くなると、コンプレッサー31の冷媒吸入側
から室外器38側への冷媒の流れが生じる。この時、二
方弁100は冷媒の流れを阻止する側に設定され、冷媒
が室外器38へ流れ込んで外気に放熱しながら室外器3
8内に溜まり込むのが防止される。なお、室外器38内
の冷媒がコンプレッサー31に吸入される時には、室外
器38で外気の熱を吸熱するので、この間の暖房能力が
高まる。暖房ウォームアップの初期には、必ずコンプレ
ッサー吸入圧力が負圧近くまで低下するので、外気温が
マイナス数十度(℃)の極寒条件においても室外器38
内の冷媒サイクル側に移動した冷媒は、上述した二方弁
100の動作によりふたたび室外器38へ逆流すること
はないので、冷凍サイクル側の作動冷媒量は常に一定の
冷媒量に調整される。
温度が低い時には、室外器38と吸熱器35の作動圧力
はほぼ等しく変化し、二方弁100は冷媒の流れを許容
する側に設定され、室外器38内の冷媒はバイパス路8
2を経由してコンプレッサー31の冷媒吸入側へ流れ込
む。その後、車室内が温まり吸熱器35の吸込空気温度
が高くなると、吸熱器35の作動圧力も徐々に高くな
る。ところが、外気にさらされている室外器38の作動
圧力はせいぜい外気温に対応した飽和圧力までしか上昇
せず、室外器38の作動圧力よりも吸熱器35の作動圧
力の方が高くなると、コンプレッサー31の冷媒吸入側
から室外器38側への冷媒の流れが生じる。この時、二
方弁100は冷媒の流れを阻止する側に設定され、冷媒
が室外器38へ流れ込んで外気に放熱しながら室外器3
8内に溜まり込むのが防止される。なお、室外器38内
の冷媒がコンプレッサー31に吸入される時には、室外
器38で外気の熱を吸熱するので、この間の暖房能力が
高まる。暖房ウォームアップの初期には、必ずコンプレ
ッサー吸入圧力が負圧近くまで低下するので、外気温が
マイナス数十度(℃)の極寒条件においても室外器38
内の冷媒サイクル側に移動した冷媒は、上述した二方弁
100の動作によりふたたび室外器38へ逆流すること
はないので、冷凍サイクル側の作動冷媒量は常に一定の
冷媒量に調整される。
【0055】図19は第5の実施例の変形例の冷凍サイ
クルの構成を示す。二方弁92、93が三方弁32に置
き換えられたこと以外は図18に示す第5の実施例と同
様である。
クルの構成を示す。二方弁92、93が三方弁32に置
き換えられたこと以外は図18に示す第5の実施例と同
様である。
【0056】図20は第5の実施例の他の変形例の冷凍
サイクルの構成を示す。二方弁92と室外器38の間に
接続されていたバイパス路82の一端が、室外器38と
逆止弁70の間に移動したこと以外は図18に示す第5
の実施例と同様である。このような実施例によれば、冷
房運転時における室外器38の冷媒出口と、暖房運転時
に冷媒がコンプレッサー31へ吸入される時の室外器3
8の冷媒出口とが同一であるから、室外器38内に滞留
するオイルがコンプレッサー31へ戻り易くなる。
サイクルの構成を示す。二方弁92と室外器38の間に
接続されていたバイパス路82の一端が、室外器38と
逆止弁70の間に移動したこと以外は図18に示す第5
の実施例と同様である。このような実施例によれば、冷
房運転時における室外器38の冷媒出口と、暖房運転時
に冷媒がコンプレッサー31へ吸入される時の室外器3
8の冷媒出口とが同一であるから、室外器38内に滞留
するオイルがコンプレッサー31へ戻り易くなる。
【0057】図21は、図19に示す冷凍サイクルの変
形例の構成を示す。三方弁32と室外器38の間に接続
されていたバイパス路82の一端が、室外器38と逆止
弁70の間に移動したこと以外は図19に示す実施例と
同様である。このような実施例によれば、冷房運転時に
おける室外器38の冷媒出口と、暖房運転時に冷媒がコ
ンプレッサー31へ吸入される時の室外器38の冷媒出
口とが同一であるから、室外器38に滞留するオイルが
コンプレッサーへ戻り易くなる。
形例の構成を示す。三方弁32と室外器38の間に接続
されていたバイパス路82の一端が、室外器38と逆止
弁70の間に移動したこと以外は図19に示す実施例と
同様である。このような実施例によれば、冷房運転時に
おける室外器38の冷媒出口と、暖房運転時に冷媒がコ
ンプレッサー31へ吸入される時の室外器38の冷媒出
口とが同一であるから、室外器38に滞留するオイルが
コンプレッサーへ戻り易くなる。
【0058】図22は図16に示す第4の実施例の他の
変形例の冷凍サイクルの構成を示す。この冷凍サイクル
では、液タンク36を流出した冷媒の一部が室外器38
へ流入できるように、二方弁90と膨張弁91を備えた
バイパス路81を設ける。二方弁90は図10〜図12
に示す制御が行なわれ、暖房運転時に開状態に設定され
ている間、室外器38で外気から吸熱することができ
る。二方弁90が開いている時にほ、液タンク36を流
出した冷媒が室外器38へ流れ込み、室外器38の作動
圧力は吸熱器35の作動圧力よりもやや高くなるので、
室外器38からコンプレッサー31の冷媒吸入側に冷媒
が流れ、二方弁100は開状態となる。二方弁90が閉
じた時には、図16に示す冷凍サイクルと同様に、室外
器38に残留した冷媒は徐々にコンプレッサー31へ吸
入され、この間の二方弁100は開状態のままとなる。
その後、吸熱器35の作動圧力が室外器38の作動圧力
よりも高くなった時に、二方弁100を閉じて室外器3
8への冷媒の逆流を防止する。このように二方弁90が
閉じた状態では、図16の冷凍サイクルと同様な効果が
得られる。なお、図4に示す冷凍サイクルの逆止弁72
を上述した二方弁100のような冷媒流路開閉手段に置
き換えても同様の効果を得ることができる。
変形例の冷凍サイクルの構成を示す。この冷凍サイクル
では、液タンク36を流出した冷媒の一部が室外器38
へ流入できるように、二方弁90と膨張弁91を備えた
バイパス路81を設ける。二方弁90は図10〜図12
に示す制御が行なわれ、暖房運転時に開状態に設定され
ている間、室外器38で外気から吸熱することができ
る。二方弁90が開いている時にほ、液タンク36を流
出した冷媒が室外器38へ流れ込み、室外器38の作動
圧力は吸熱器35の作動圧力よりもやや高くなるので、
室外器38からコンプレッサー31の冷媒吸入側に冷媒
が流れ、二方弁100は開状態となる。二方弁90が閉
じた時には、図16に示す冷凍サイクルと同様に、室外
器38に残留した冷媒は徐々にコンプレッサー31へ吸
入され、この間の二方弁100は開状態のままとなる。
その後、吸熱器35の作動圧力が室外器38の作動圧力
よりも高くなった時に、二方弁100を閉じて室外器3
8への冷媒の逆流を防止する。このように二方弁90が
閉じた状態では、図16の冷凍サイクルと同様な効果が
得られる。なお、図4に示す冷凍サイクルの逆止弁72
を上述した二方弁100のような冷媒流路開閉手段に置
き換えても同様の効果を得ることができる。
【0059】図23は、図17に示す冷凍サイクルの変
形例の構成を示す。この冷凍サイクルでは、液タンク3
6を流出した冷媒の一部が室外器38へ流入できるよう
に、二方弁90と膨張弁91を備えたバイパス路81を
設ける。二方弁90が閉じた状態では、図17に示す冷
凍サイクルと同様な効果を得ることができる。なお、図
6に示す冷凍サイクルの逆止弁72を上述の二方弁10
0のようにな冷媒流路開閉手段に置き換えても同様の効
果を得ることができる。
形例の構成を示す。この冷凍サイクルでは、液タンク3
6を流出した冷媒の一部が室外器38へ流入できるよう
に、二方弁90と膨張弁91を備えたバイパス路81を
設ける。二方弁90が閉じた状態では、図17に示す冷
凍サイクルと同様な効果を得ることができる。なお、図
6に示す冷凍サイクルの逆止弁72を上述の二方弁10
0のようにな冷媒流路開閉手段に置き換えても同様の効
果を得ることができる。
【0060】図24は、図18に示す冷凍サイクルの変
形例の構成を示す。この冷凍サイクルでは、液タンク3
6を流出した冷媒の一部が室外器38へ流入できるよう
に、二方弁90と膨張弁91を備えたバイパス路81を
設ける。二方弁90が閉じた状態では、図18に示す冷
凍サイクルと同様な効果を得ることができる。
形例の構成を示す。この冷凍サイクルでは、液タンク3
6を流出した冷媒の一部が室外器38へ流入できるよう
に、二方弁90と膨張弁91を備えたバイパス路81を
設ける。二方弁90が閉じた状態では、図18に示す冷
凍サイクルと同様な効果を得ることができる。
【0061】図25は、図19に示す冷凍サイクルの変
形例の構成を示す。この冷凍サイクルでは、液タンク3
6を流出した冷媒の一部が室外器38へ流入できるよう
に、二方弁90と膨張弁91を備えたバイパス路81を
設ける。二方弁90が閉じた状態では、図19に示す冷
凍サイクルと同様な効果を得ることができる。
形例の構成を示す。この冷凍サイクルでは、液タンク3
6を流出した冷媒の一部が室外器38へ流入できるよう
に、二方弁90と膨張弁91を備えたバイパス路81を
設ける。二方弁90が閉じた状態では、図19に示す冷
凍サイクルと同様な効果を得ることができる。
【0062】図26は、図20に示す冷凍サイクルの変
形例の構成を示す。この冷凍サイクルでは、液タンク3
6を流出した冷媒の一部が室外器38へ流入できるよう
に、二方弁90と膨張弁91を備えたバイパス路81を
設ける。二方弁90が閉じた状態では、図20に示す冷
凍サイクルと同様な効果を得ることができる。
形例の構成を示す。この冷凍サイクルでは、液タンク3
6を流出した冷媒の一部が室外器38へ流入できるよう
に、二方弁90と膨張弁91を備えたバイパス路81を
設ける。二方弁90が閉じた状態では、図20に示す冷
凍サイクルと同様な効果を得ることができる。
【0063】図27は、図21に示す冷凍サイクルの変
形例の構成を示す。この冷凍サイクルでは、液タンク3
6を流出した冷媒の一部が室外器38へ流入できるよう
に、二方弁90と膨張弁91を備えたバイパス路81を
設ける。二方弁90が閉じた状態では、図21に示す冷
凍サイクルと同様な効果を得ることができる。
形例の構成を示す。この冷凍サイクルでは、液タンク3
6を流出した冷媒の一部が室外器38へ流入できるよう
に、二方弁90と膨張弁91を備えたバイパス路81を
設ける。二方弁90が閉じた状態では、図21に示す冷
凍サイクルと同様な効果を得ることができる。
【0064】なお、図18〜図21および図24〜図2
7に示す冷凍サイクルでは、図17や図23に示すよう
に、放熱器33をバイパス路80の途中に設けたサイク
ル構成としても同様な効果を得ることができる。
7に示す冷凍サイクルでは、図17や図23に示すよう
に、放熱器33をバイパス路80の途中に設けたサイク
ル構成としても同様な効果を得ることができる。
【0065】以上の実施例の構成において、逆止弁70
が第1の弁を、逆止弁71が第2の弁を、二方弁155
が第3の弁を、二方弁92が第4の弁を、二方弁93が
第5の弁を、二方弁100が流路開閉手段を、膨張弁9
1が補助膨張弁を、制御装置43が制御手段および窓曇
り予測手段を、吸熱器入口温度センサー58が空気温度
検出手段を、外気温センサー62が外気温検出手段をそ
れぞれ構成する。
が第1の弁を、逆止弁71が第2の弁を、二方弁155
が第3の弁を、二方弁92が第4の弁を、二方弁93が
第5の弁を、二方弁100が流路開閉手段を、膨張弁9
1が補助膨張弁を、制御装置43が制御手段および窓曇
り予測手段を、吸熱器入口温度センサー58が空気温度
検出手段を、外気温センサー62が外気温検出手段をそ
れぞれ構成する。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、暖房運転時に、四方弁によってコンプレッサーの
吐出冷媒を第2の弁を介して放熱用車室内熱交換器へ供
給するとともに、車室外熱交換器の他端をコンプレッサ
ーの冷媒吸入側へ接続し、冷房運転時に、四方弁によっ
てコンプレッサーの吐出冷媒を車室外熱交換器と第1の
弁とを介して放熱用車室内熱交換器へ供給するようにし
たので、暖房運転時には吸熱用車室内熱交換器と車室外
熱交換器の両方からコンプレッサーへ冷媒が吸入され、
車室外熱交換器内に残留する冷媒や、第1の弁から車室
外熱交換器へ冷媒漏れがあっても、それらを回収して冷
凍サイクルの作動冷媒量を安定化し、充分な暖房能力を
発揮することができるとともに、車室外熱交換器内の冷
媒が蒸発する時には外気から吸熱するので、暖房能力が
高まり、冷凍サイクルの効率化、省エネルギー化を図る
ことができる。また、暖房運転開始時には、コンプレッ
サーの吸入圧力がいったん負圧近くまで低下した後、徐
々に上昇するという運転特性を利用して、マイナス数1
0度の極寒状態であっても車室外熱交換器内の冷媒をコ
ンプレッサーへ吸入することができる。さらに、四方弁
により冷媒流路の切り換えを行なうので、冷媒流路の切
り換えが簡単になる。請求項2の発明によれば、暖房運
転を開始してから定常状態になるまでの過渡状態におけ
る暖房運転時は、膨張弁を介して吸熱用車室内熱交換器
へ冷媒を流すとともに補助膨張弁を介して車室外熱交換
器へも冷媒を流し、吸熱用車室内熱交換器と車室外熱交
換器の両方で冷媒に吸熱する。さらに、定常状態におけ
る暖房運転時は、車室外熱交換器への冷媒の流れを阻止
し、吸熱用車室内熱交換器のみにより吸熱を行なうよう
にしたので、暖房運転開始後の過渡状態では吸熱用車室
内熱交換器の他に車室外熱交換器でも吸熱が行なわれ、
その分だけ暖房能力が向上して車室内を早く暖めること
ができる。また、車室内温度の上昇にともなってコンプ
レッサーの吸入圧力が上昇し、車室外熱交換器から外気
への放熱が始る前に定常状態における暖房運転に切り換
わり、上述したように車室外熱交換器に残留する冷媒が
コンプレッサーに吸入されて請求項1と同様な効果が得
られる。請求項3の発明によれば、暖房運転時に、四方
弁によってコンプレッサーの吐出冷媒を放熱用車室内熱
交換器と第2の弁とを介して膨張弁へ供給するとともに
車室外熱交換器の他端をコンプレッサーの冷媒吸入側へ
接続し、冷房運転時に、四方弁によってコンプレッサー
の吐出冷媒を車室外熱交換器と第1の弁とを介して膨張
弁へ供給するようにしたので、上述した請求項1と同様
な効果が得られる。請求項4の発明によれば、暖房運転
を開始してから定常状態になるまでの過渡状態における
暖房運転時は、膨張弁を介して吸熱用車室内熱交換器へ
冷媒を流すとともに補助膨張弁を介して車室外熱交換器
へも冷媒を流し、吸熱用車室内熱交換器と車室外熱交換
器の両方で冷媒に吸熱する。さらに、定常状態における
暖房運転時は、車室外熱交換器への冷媒の流れを阻止
し、吸熱用車室内熱交換器のみにより吸熱を行なうよう
にしたので、上述した請求項2と同様な効果が得られ
る。請求項5の発明によれば、四方弁からコンプレッサ
ーの冷媒吸入側への流路に、コンプレッサーの冷媒吸入
側から四方弁への冷媒の流れを阻止する逆止弁を設けた
ので、コンプレッサーの冷媒吸入側すなわち冷凍サイク
ルの低圧側の冷媒圧力が車室外熱交換器の冷媒圧力より
高くなっても、逆止弁によりコンプレッサーの吸入側か
ら車室外熱交換器への冷媒の流れを阻止できる。請求項
6の発明によれば、過渡状態における暖房運転時は、吸
熱用車室内熱交換器の入口空気温度に基づいて車室外熱
交換器への冷媒流量を制御しながら、吸熱用車室内熱交
換器と車室外熱交換器へ冷媒を供給して両交換器で吸熱
を行うようにした。暖房運転開始直後にはコンプレッサ
ーの吸入側圧力が負圧近くまで低下するので、外気温が
低くても車室外熱交換器による吸熱量が最大になる。そ
こで、暖房運転開始直後に車室外熱交換器への冷媒流量
を最大にして大きな吸熱量を得、車室内をすばやく暖め
るとともに、車室内温度、すなわち吸熱用熱交換器の入
口空気温度の上昇にともなってコンプレッサーの吸入側
圧力が上昇するので、車室外熱交換器への冷媒流量を低
減する。このように、車室外熱交換器への冷媒流量を吸
熱用車室内熱交換器の入口空気温度に応じて制御するこ
とにより、過渡状態における暖房能力を高めることがで
きる。請求項7の発明によれば、車室外熱交換器の作動
温度と外気温とに基づいて、過渡状態における暖房運転
から定常状態における暖房運転へ切り換えるタイミング
を決定するようにした。暖房運転開始直後の車室外熱交
換器における吸熱量は、車室外熱交換器の作動温度と外
気温との差にほぼ比例して得られるので、これらの温度
に基づいて過渡状態における暖房運転から定常状態にお
ける暖房運転へ切り換えるタイミングを決定すれば、車
室外熱交換器から外気への放熱が始る前の最適なタイミ
ングで切り換えることができ、過渡状態における暖房能
力を高めることができる。請求項8の発明によれば、暖
房運転を開始してから所定時間が経過したら過渡状態に
おける暖房運転から定常状態における暖房運転へ切り換
えるようにした。暖房運転開始直後のコンプレッサーの
吸入圧力の変化は、運転開始時の初期状態に拘わらず毎
回ほぼ同じ変化をするので、過渡状態における暖房運転
から定常状態における暖房運転へ切り換えを時間で管理
でき、温度検出センサーを設けずに最適なタイミングで
切り換えることができ、過渡状態における暖房能力を高
めることができる。請求項9の発明によれば、窓曇りの
発生が予測された時は、暖房運転の開始時点から定常状
態における暖房運転を行ない、すべての冷媒を吸熱用車
室内熱交換器へ流すようにしたので、吸熱用車室内熱交
換器でのみ冷却除湿が行なわれ、窓曇りが防止される。
請求項10の発明によれば、暖房運転の停止時に冷媒流
量調整弁を開放して、放熱用車室内熱交換器を通過した
冷媒を、吸熱用車室内熱交換器と車室外熱交換器の両方
に流すようにしたので、車室外熱交換器内に滞留するオ
イルを冷凍サイクル内に回収でき、コンプレッサーの過
負荷や焼き付きを防止することができる。請求項13〜
15の発明では、暖房運転時にコンプレッサーが吸熱用
車室内熱交換器と車室外熱交換器の両方から冷媒を吸入
可能なように冷凍サイクルを構成し、流路開閉手段が開
状態の時には、車室外熱交換器内に残留する冷媒やバル
ブなどから車室外熱交換器に漏れた冷媒を回収して、冷
凍サイクルの作動冷媒量を安定化するとともに、車室外
熱交換器内の冷媒が蒸発する時には外気から吸熱するの
で、暖房能力が高まり、冷凍サイクルの成績係数を向上
させて省エネ化を図ることができる。また、暖房運転開
始時に、コンプレッサーの吸入圧力がいったん負圧近く
まで低下した後に徐々に上昇するという運転特性を利用
するので、マイナス数十度(℃)の極寒条件であって
も、車室外熱交換器内の冷媒をコンプレッサーに吸入す
ることができる。一方、車室外熱交換器の圧力が低下
し、コンプレッサーの冷媒吸入側から車室外熱交換器に
冷媒が逆流すると判断される場合には、流路開閉手段を
閉じて冷媒の逆流を阻止するので、ふたたび車室外熱交
換器内に冷媒が溜まり込むのが防止され、車室外熱交換
器から外気への放熱による暖房能力の低下を回避するこ
とができる。また、請求項13の発明では、冷媒流路切
換手段を四方弁と逆止弁という簡単な構成で上述した効
果が得られ、冷媒流路切換時の煩雑さが解消され、バル
ブなどからの車室外熱交換器への冷媒漏れ量を少なくす
ることが可能となるだけでなく、暖房運転時には車室外
熱交換器、冷房運転時にはバイパス路がコンプレッサー
の冷媒吸入側と連通するので、冷媒が溜まり込む箇所が
なくなり、暖房時と冷房時の作動冷媒量を等しくするこ
とができる。請求項16の発明では、流路開閉手段とし
て内部を流れる冷媒流れに対して方向性を有し、コンプ
レッサーの冷媒吸入側から車室外熱交換器へ向かう流れ
方向を順方向とする二方弁を使用して、冷凍サイクルの
作動状態や車両の熱負荷状態や運転経過時間などの条件
に応じて開閉するようにしたので、効果的に車室外熱交
換器での外気からの吸熱量を増やすことができる。請求
項17の発明では、流路開閉手段としてコンプレッサー
の冷媒吸入側から車室外熱交換器へ向かう流れを阻止す
る逆止弁を使用するようにしたので、簡単で安価な冷凍
サイクル構成で他の流量開閉手段とほぼ同等の効果を得
ることができる。請求項18の発明では、流路開閉手段
として流量制御弁を使用するようにしたので、上記請求
項17の発明の二方弁と同様に、冷凍サイクルの作動状
態や車両の熱負荷状態や運転経過時間などの条件に応じ
て開閉でき、きめ細かな流量制御を行なって車室外熱交
換器での外気からの吸熱量を増やすことができる。ま
た、冷媒の流れ方向に依存することなく冷媒の流れを阻
止することができるので、例えば上述した図18〜図2
1や図24〜図27に示す実施例では二方弁155を廃
止することが可能となる。
れば、暖房運転時に、四方弁によってコンプレッサーの
吐出冷媒を第2の弁を介して放熱用車室内熱交換器へ供
給するとともに、車室外熱交換器の他端をコンプレッサ
ーの冷媒吸入側へ接続し、冷房運転時に、四方弁によっ
てコンプレッサーの吐出冷媒を車室外熱交換器と第1の
弁とを介して放熱用車室内熱交換器へ供給するようにし
たので、暖房運転時には吸熱用車室内熱交換器と車室外
熱交換器の両方からコンプレッサーへ冷媒が吸入され、
車室外熱交換器内に残留する冷媒や、第1の弁から車室
外熱交換器へ冷媒漏れがあっても、それらを回収して冷
凍サイクルの作動冷媒量を安定化し、充分な暖房能力を
発揮することができるとともに、車室外熱交換器内の冷
媒が蒸発する時には外気から吸熱するので、暖房能力が
高まり、冷凍サイクルの効率化、省エネルギー化を図る
ことができる。また、暖房運転開始時には、コンプレッ
サーの吸入圧力がいったん負圧近くまで低下した後、徐
々に上昇するという運転特性を利用して、マイナス数1
0度の極寒状態であっても車室外熱交換器内の冷媒をコ
ンプレッサーへ吸入することができる。さらに、四方弁
により冷媒流路の切り換えを行なうので、冷媒流路の切
り換えが簡単になる。請求項2の発明によれば、暖房運
転を開始してから定常状態になるまでの過渡状態におけ
る暖房運転時は、膨張弁を介して吸熱用車室内熱交換器
へ冷媒を流すとともに補助膨張弁を介して車室外熱交換
器へも冷媒を流し、吸熱用車室内熱交換器と車室外熱交
換器の両方で冷媒に吸熱する。さらに、定常状態におけ
る暖房運転時は、車室外熱交換器への冷媒の流れを阻止
し、吸熱用車室内熱交換器のみにより吸熱を行なうよう
にしたので、暖房運転開始後の過渡状態では吸熱用車室
内熱交換器の他に車室外熱交換器でも吸熱が行なわれ、
その分だけ暖房能力が向上して車室内を早く暖めること
ができる。また、車室内温度の上昇にともなってコンプ
レッサーの吸入圧力が上昇し、車室外熱交換器から外気
への放熱が始る前に定常状態における暖房運転に切り換
わり、上述したように車室外熱交換器に残留する冷媒が
コンプレッサーに吸入されて請求項1と同様な効果が得
られる。請求項3の発明によれば、暖房運転時に、四方
弁によってコンプレッサーの吐出冷媒を放熱用車室内熱
交換器と第2の弁とを介して膨張弁へ供給するとともに
車室外熱交換器の他端をコンプレッサーの冷媒吸入側へ
接続し、冷房運転時に、四方弁によってコンプレッサー
の吐出冷媒を車室外熱交換器と第1の弁とを介して膨張
弁へ供給するようにしたので、上述した請求項1と同様
な効果が得られる。請求項4の発明によれば、暖房運転
を開始してから定常状態になるまでの過渡状態における
暖房運転時は、膨張弁を介して吸熱用車室内熱交換器へ
冷媒を流すとともに補助膨張弁を介して車室外熱交換器
へも冷媒を流し、吸熱用車室内熱交換器と車室外熱交換
器の両方で冷媒に吸熱する。さらに、定常状態における
暖房運転時は、車室外熱交換器への冷媒の流れを阻止
し、吸熱用車室内熱交換器のみにより吸熱を行なうよう
にしたので、上述した請求項2と同様な効果が得られ
る。請求項5の発明によれば、四方弁からコンプレッサ
ーの冷媒吸入側への流路に、コンプレッサーの冷媒吸入
側から四方弁への冷媒の流れを阻止する逆止弁を設けた
ので、コンプレッサーの冷媒吸入側すなわち冷凍サイク
ルの低圧側の冷媒圧力が車室外熱交換器の冷媒圧力より
高くなっても、逆止弁によりコンプレッサーの吸入側か
ら車室外熱交換器への冷媒の流れを阻止できる。請求項
6の発明によれば、過渡状態における暖房運転時は、吸
熱用車室内熱交換器の入口空気温度に基づいて車室外熱
交換器への冷媒流量を制御しながら、吸熱用車室内熱交
換器と車室外熱交換器へ冷媒を供給して両交換器で吸熱
を行うようにした。暖房運転開始直後にはコンプレッサ
ーの吸入側圧力が負圧近くまで低下するので、外気温が
低くても車室外熱交換器による吸熱量が最大になる。そ
こで、暖房運転開始直後に車室外熱交換器への冷媒流量
を最大にして大きな吸熱量を得、車室内をすばやく暖め
るとともに、車室内温度、すなわち吸熱用熱交換器の入
口空気温度の上昇にともなってコンプレッサーの吸入側
圧力が上昇するので、車室外熱交換器への冷媒流量を低
減する。このように、車室外熱交換器への冷媒流量を吸
熱用車室内熱交換器の入口空気温度に応じて制御するこ
とにより、過渡状態における暖房能力を高めることがで
きる。請求項7の発明によれば、車室外熱交換器の作動
温度と外気温とに基づいて、過渡状態における暖房運転
から定常状態における暖房運転へ切り換えるタイミング
を決定するようにした。暖房運転開始直後の車室外熱交
換器における吸熱量は、車室外熱交換器の作動温度と外
気温との差にほぼ比例して得られるので、これらの温度
に基づいて過渡状態における暖房運転から定常状態にお
ける暖房運転へ切り換えるタイミングを決定すれば、車
室外熱交換器から外気への放熱が始る前の最適なタイミ
ングで切り換えることができ、過渡状態における暖房能
力を高めることができる。請求項8の発明によれば、暖
房運転を開始してから所定時間が経過したら過渡状態に
おける暖房運転から定常状態における暖房運転へ切り換
えるようにした。暖房運転開始直後のコンプレッサーの
吸入圧力の変化は、運転開始時の初期状態に拘わらず毎
回ほぼ同じ変化をするので、過渡状態における暖房運転
から定常状態における暖房運転へ切り換えを時間で管理
でき、温度検出センサーを設けずに最適なタイミングで
切り換えることができ、過渡状態における暖房能力を高
めることができる。請求項9の発明によれば、窓曇りの
発生が予測された時は、暖房運転の開始時点から定常状
態における暖房運転を行ない、すべての冷媒を吸熱用車
室内熱交換器へ流すようにしたので、吸熱用車室内熱交
換器でのみ冷却除湿が行なわれ、窓曇りが防止される。
請求項10の発明によれば、暖房運転の停止時に冷媒流
量調整弁を開放して、放熱用車室内熱交換器を通過した
冷媒を、吸熱用車室内熱交換器と車室外熱交換器の両方
に流すようにしたので、車室外熱交換器内に滞留するオ
イルを冷凍サイクル内に回収でき、コンプレッサーの過
負荷や焼き付きを防止することができる。請求項13〜
15の発明では、暖房運転時にコンプレッサーが吸熱用
車室内熱交換器と車室外熱交換器の両方から冷媒を吸入
可能なように冷凍サイクルを構成し、流路開閉手段が開
状態の時には、車室外熱交換器内に残留する冷媒やバル
ブなどから車室外熱交換器に漏れた冷媒を回収して、冷
凍サイクルの作動冷媒量を安定化するとともに、車室外
熱交換器内の冷媒が蒸発する時には外気から吸熱するの
で、暖房能力が高まり、冷凍サイクルの成績係数を向上
させて省エネ化を図ることができる。また、暖房運転開
始時に、コンプレッサーの吸入圧力がいったん負圧近く
まで低下した後に徐々に上昇するという運転特性を利用
するので、マイナス数十度(℃)の極寒条件であって
も、車室外熱交換器内の冷媒をコンプレッサーに吸入す
ることができる。一方、車室外熱交換器の圧力が低下
し、コンプレッサーの冷媒吸入側から車室外熱交換器に
冷媒が逆流すると判断される場合には、流路開閉手段を
閉じて冷媒の逆流を阻止するので、ふたたび車室外熱交
換器内に冷媒が溜まり込むのが防止され、車室外熱交換
器から外気への放熱による暖房能力の低下を回避するこ
とができる。また、請求項13の発明では、冷媒流路切
換手段を四方弁と逆止弁という簡単な構成で上述した効
果が得られ、冷媒流路切換時の煩雑さが解消され、バル
ブなどからの車室外熱交換器への冷媒漏れ量を少なくす
ることが可能となるだけでなく、暖房運転時には車室外
熱交換器、冷房運転時にはバイパス路がコンプレッサー
の冷媒吸入側と連通するので、冷媒が溜まり込む箇所が
なくなり、暖房時と冷房時の作動冷媒量を等しくするこ
とができる。請求項16の発明では、流路開閉手段とし
て内部を流れる冷媒流れに対して方向性を有し、コンプ
レッサーの冷媒吸入側から車室外熱交換器へ向かう流れ
方向を順方向とする二方弁を使用して、冷凍サイクルの
作動状態や車両の熱負荷状態や運転経過時間などの条件
に応じて開閉するようにしたので、効果的に車室外熱交
換器での外気からの吸熱量を増やすことができる。請求
項17の発明では、流路開閉手段としてコンプレッサー
の冷媒吸入側から車室外熱交換器へ向かう流れを阻止す
る逆止弁を使用するようにしたので、簡単で安価な冷凍
サイクル構成で他の流量開閉手段とほぼ同等の効果を得
ることができる。請求項18の発明では、流路開閉手段
として流量制御弁を使用するようにしたので、上記請求
項17の発明の二方弁と同様に、冷凍サイクルの作動状
態や車両の熱負荷状態や運転経過時間などの条件に応じ
て開閉でき、きめ細かな流量制御を行なって車室外熱交
換器での外気からの吸熱量を増やすことができる。ま
た、冷媒の流れ方向に依存することなく冷媒の流れを阻
止することができるので、例えば上述した図18〜図2
1や図24〜図27に示す実施例では二方弁155を廃
止することが可能となる。
【図1】第1の実施例の全体構成を示す図。
【図2】図1に続く、第1の実施例の全体構成を示す
図。
図。
【図3】第1の実施例の冷凍サイクルを示す図。
【図4】第2の実施例の冷凍サイクルを示す図。
【図5】第1の実施例の冷凍サイクルの変形例を示す
図。
図。
【図6】第2の実施例の冷凍サイクルの変形例を示す
図。
図。
【図7】第3の実施例の冷凍サイクルを示す図。
【図8】暖房運転開始後の車室外熱交換器の作動温度の
変化を示す図。
変化を示す図。
【図9】暖房運転開始後の車室外熱交換器に流れる冷媒
量の割合を示す図。
量の割合を示す図。
【図10】二方弁の制御プログラムを示すフローチャー
ト。
ト。
【図11】他の二方弁の制御プログラムを示すフローチ
ャート。
ャート。
【図12】運転停止時の二方弁の制御プログラムを示す
フローチャート。
フローチャート。
【図13】車両用冷暖房装置の従来例を示す図。
【図14】車両用冷暖房装置の他の従来例を示す図。
【図15】車両用冷暖房装置の他の従来例を示す図。
【図16】第4の実施例の冷凍サイクルの構成を示す
図。
図。
【図17】第4の実施例の変形例の冷凍サイクルの構成
を示す図。
を示す図。
【図18】第5の実施例の冷凍サイクルの構成を示す
図。
図。
【図19】第5の実施例の変形例の冷凍サイクルの構成
を示す図。
を示す図。
【図20】第5の実施例の他の変形例の冷凍サイクルの
構成を示す図。
構成を示す図。
【図21】図19に示す冷凍サイクルの変形例の構成を
示す図。
示す図。
【図22】図16に示す冷凍サイクルの変形例の構成を
示す図。
示す図。
【図23】図17に示す冷凍サイクルの変形例の構成を
示す図。
示す図。
【図24】図18に示す冷凍サイクルの変形例の構成を
示す図。
示す図。
【図25】図19に示す冷凍サイクルの変形例の構成を
示す図。
示す図。
【図26】図20に示す冷凍サイクルの変形例の構成を
示す図。
示す図。
【図27】図21に示す冷凍サイクルの変形例の構成を
示す図。
示す図。
31 コンプレッサー 33 放熱用室内熱交換器(放熱器) 34 膨張弁 35 吸熱用室内熱交換器(吸熱器) 36 液タンク 37 ブロアファン 38 室外熱交換器(室外器) 39 ダクト 40 内気導入口 41 外気導入口 42 インテークドア 43 制御装置 44 ブロアモーター 46 エアーミックスドア 47 エアーミックスチャンバー 51 ベンチレーター吹き出し口 52 フット吹き出し口 53 デフロスタ吹き出し口 55 ベンチレータードア 56 フットドア 57 デフロスタドア 58 吸熱器入口温度センサー 59 吸熱器出口温度センサー 60 ベンチレーター吹き出し口温度センサー 61 日射センサー 62 外気温センサー 63 室温センサー 64 室温設定器 65 吹き出し口モードスイッチ 66 ブロアファンスイッチ 67 放熱器出口温度センサー 70,71,72 逆止弁 73 四方弁 80,81,82 バイパス流路 90 二方弁 91 膨張弁 92,93,100,155 二方弁 94 蒸発圧力調整弁
Claims (18)
- 【請求項1】 冷媒を圧縮するコンプレッサーと、 このコンプレッサーの冷媒吐出側に接続され冷媒流路を
切り換える四方弁と、 冷媒と外気との間で熱交換を行なう車室外熱交換器と、 冷媒の熱を送風手段により送風された空気に放熱する放
熱用車室内熱交換器と、 前記車室外熱交換器の一端と前記放熱用車室内熱交換器
の冷媒流入側との間に設けられ、前記放熱用車室内熱交
換器から前記車室外熱交換器への冷媒の流れを阻止する
第1の弁と、 前記四方弁と前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流入側と
の間に設けられ、前記放熱用車室内熱交換器から前記四
方弁への冷媒の流れを阻止する第2の弁と、 前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流出側に接続され冷媒
を断熱膨張させる膨張弁と、 この膨張弁の冷媒流出側と前記コンプレッサーの冷媒吸
入側との間に設けられ、前記送風手段により送風された
空気の熱を冷媒に吸熱する吸熱用車室内熱交換器と、 暖房運転時に、前記四方弁によって前記コンプレッサー
の吐出冷媒を前記第2の弁を介して前記放熱用車室内熱
交換器へ供給する流路を選択するとともに前記車室外熱
交換器の他端を前記コンプレッサーの冷媒吸入側へ接続
し、冷房運転時に、前記四方弁によって前記コンプレッ
サーの吐出冷媒を前記車室外熱交換器と前記第1の弁と
を介して前記放熱用車室内熱交換器へ供給する流路を選
択する制御手段とを備えることを特徴とする車両用冷暖
房装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の車両用冷暖房装置にお
いて、 前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流出側と前記車室外熱
交換器の一端との間に補助膨張弁と冷媒流量調整弁とを
有する流路を設け、 前記制御手段は、定常状態における暖房運転時は前記冷
媒流量調整弁によって冷媒の流れを阻止し、暖房運転を
開始してから定常状態になるまでの過渡状態における暖
房運転時は前記冷媒流量調整弁によって冷媒の流れを許
容することを特徴とする車両用冷暖房装置。 - 【請求項3】 冷媒を圧縮するコンプレッサーと、 このコンプレッサーの冷媒吐出側に接続され冷媒流路を
切り換える四方弁と、 冷媒と外気との間で熱交換を行なう車室外熱交換器と、 冷媒の熱を送風手段により送風された空気に放熱する放
熱用車室内熱交換器と、 冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、 この膨張弁の冷媒流出側と前記コンプレッサーの冷媒吸
入側との間に設けられ、前記送風手段により送風された
空気の熱を冷媒に吸熱する吸熱用車室内熱交換器と、 前記車室外熱交換器の一端と前記膨張弁の冷媒流入側と
の間に設けられ、前記膨張弁から前記車室外熱交換器へ
の冷媒の流れを阻止する第1の弁と、 前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流出側と前記膨張弁の
冷媒流入側との間に設けられ、前記膨張弁から前記放熱
用車室内熱交換器への冷媒の流れを阻止する第2の弁
と、 暖房運転時に、前記四方弁によって前記コンプレッサー
の吐出冷媒を前記放熱用車室内熱交換器と前記第2の弁
とを介して前記膨張弁へ供給する流路を選択するととも
に前記車室外熱交換器の他端を前記コンプレッサーの冷
媒吸入側へ接続し、冷房運転時に、前記四方弁によって
前記コンプレッサーの吐出冷媒を前記車室外熱交換器と
前記第1の弁とを介して前記膨張弁へ供給する流路を選
択する制御手段とを備えることを特徴とする車両用冷暖
房装置。 - 【請求項4】 請求項3に記載の車両用冷暖房装置にお
いて、 前記膨張弁の冷媒流入側と前記車室外熱交換器の一端と
の間に補助膨張弁と冷媒流量調整弁とを有する流路を設
け、 前記制御手段は、定常状態における暖房運転時は前記冷
媒流量調整弁によって冷媒の流れを阻止し、暖房運転を
開始してから定常状態になるまでの過渡状態における暖
房運転時は前記冷媒流量調整弁によって冷媒の流れを許
容することを特徴とする車両用冷暖房装置。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの項に記載の車
両用冷暖房装置において、 前記四方弁から前記コンプレッサーの冷媒吸入側への流
路に、前記コンプレッサーの冷媒吸入側から前記四方弁
への冷媒の流れを阻止する逆止弁を設けることを特徴と
する車両用冷暖房装置。 - 【請求項6】 請求項2、4、5のいずれかの項に記載
の車両用冷暖房装置において、 前記吸熱用車室内熱交換器の入口空気温度を検出する空
気温度検出手段を備え、 前記制御手段は、前記過渡状態における暖房運転時に前
記空気温度検出手段により検出された入口空気温度に基
づいて前記冷媒流量調整弁の冷媒流量を制御することを
特徴とする車両用冷暖房装置。 - 【請求項7】 請求項2、4、5、6のいずれかの項に
記載の車両用冷暖房装置において、 前記車室外熱交換器の作動温度を検出する作動温度検出
手段と、 車両の外気温を検出する外気温検出手段とを備え、 前記制御手段は、前記作動温度検出手段により検出され
た作動温度と前記外気温検出手段により検出された外気
温とに基づいて、前記過渡状態における暖房運転から前
記定常状態における暖房運転に切り換えるタイミングを
決定することを特徴とする車両用冷暖房装置。 - 【請求項8】 請求項2、4、5、6のいずれかの項に
記載の車両用冷暖房装置において、 前記制御手段は、暖房運転を開始してから所定時間が経
過したら前記過渡状態における暖房運転から前記定常状
態における暖房運転に切り換えることを特徴とする車両
用冷暖房装置。 - 【請求項9】 請求項2、4、5、6、7、8のいずれ
かの項に記載の車両用冷暖房装置において、 各種熱環境情報に基づいて車両の窓曇りの発生を予測す
る窓曇り予測手段を備え、 前記制御手段は、前記窓曇り予測手段により窓曇りの発
生が予測された時は、暖房運転の開始時点から前記定常
状態における暖房運転を行なうことを特徴とする車両用
冷暖房装置。 - 【請求項10】 請求項2、4、5、6、7、8、9の
いずれかの項に記載の車両用冷暖房装置において、 前記制御手段は、暖房運転の停止時に前記冷媒流量調整
弁を開放することを特徴とする車両用冷暖房装置。 - 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかの項に記載
の車両用冷暖房装置において、 前記第1および第2の弁は逆止弁であることを特徴とす
る車両用冷暖房装置。 - 【請求項12】 請求項1〜10に記載のいずれかの項
に記載の車両用冷暖房装置において、 前記第1および第2の弁は二方弁であることを特徴とす
る車両用冷暖房装置。 - 【請求項13】 冷媒を圧縮するコンプレッサーと、 冷媒と外気との間で熱交換を行なう車室外熱交換器と、 冷媒の熱を送風手段により送風された空気に放熱する放
熱用車室内熱交換器と、 冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、 前記膨張弁の冷媒流出側と前記コンプレッサーの冷媒吸
入側との間に設けられ、前記送風手段により送風された
空気の熱を冷媒に吸熱する吸熱用車室内熱交換器と、 前記コンプレッサーの冷媒吸入側、前記コンプレッサー
の冷媒吐出側、前記車室外熱交換器の一端および前記放
熱用車室内熱交換器の一端にそれぞれ接続され、前記コ
ンプレッサーの吐出冷媒を前記車室外熱交換器と前記放
熱用車室内熱交換器の内のいずれか一方へ送り出す四方
弁と、 前記車室外熱交換器の他端に設けられ、前記車室外熱交
換器へ流入する冷媒の流れを阻止し、前記車室外熱交換
器から流出する冷媒の流れを許容する第1の弁と、 前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流入側または冷媒流出
側に設けられ、設置された位置から前記四方弁へ向かう
冷媒の流れを阻止し、前記四方弁から流出する冷媒の流
れを許容する第2の弁と、 暖房運転時に、前記四方弁によって前記コンプレッサー
の吐出冷媒を少なくとも前記第2の弁と前記放熱用車室
内熱交換器とを介して前記膨張弁へ供給する流路を選択
するとともに、前記車室外熱交換器の一端を前記コンプ
レッサーの冷媒吸入側へ連通し、冷房運転時に、前記四
方弁によって前記コンプレッサーの吐出冷媒を少なくと
も前記車室外熱交換器と前記第1の弁とを介して前記膨
張弁へ供給する流路を選択するとともに、前記第2の弁
から前記コンプレッサーの冷媒吸入側までを連通する制
御手段と、 前記コンプレッサーの冷媒吸入側と前記四方弁との間、
または前記四方弁と前記車室外熱交換器の一端との間に
設けられ、暖房運転時に前記コンプレッサーの冷媒吸入
側から前記車室外熱交換器へ向う冷媒流れが生じると判
断される場合にその冷媒流れを阻止する流路開閉手段と
を備えることを特徴とする車両用冷暖房装置 - 【請求項14】 冷媒を圧縮するコンプレッサーと、 冷媒と外気との間で熱交換を行なう車室外熱交換器と、 冷媒の熱を送風手段により送風された空気に放熱する放
熱用車室内熱交換器と、 冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、 前記膨張弁の冷媒流出側と前記コンプレッサーの冷媒吸
入側との間に設けられ、前記送風手段により送風された
空気の熱を冷媒に吸熱する吸熱用車室内熱交換器と、 前記コンプレッサーの冷媒吐出側と前記車室外熱交換器
の一端との間に設けられる第4の弁と、 前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流入側または冷媒流出
側に設けられる第5の弁と、 前記車室外熱交換器の他端に設けられ、前記車室外熱交
換器へ流入する冷媒の流れを阻止し、前記車室外熱交換
器から流出する冷媒の流れを許容する第1の弁と、 前記コンプレッサーの冷媒吸入側と前記車室外熱交換器
とを接続するバイパス路と、 前記バイパス路に設けられ、前記車室外熱交換器から前
記コンプレッサーの冷媒吸入側への冷媒流れを阻止可能
な第3の弁と、 暖房運転時に、前記第4の弁と前記第5の弁とによって
前記コンプレッサーの吐出冷媒を少なくとも前記第5の
弁と前記放熱用車室内熱交換器とを介して前記膨張弁へ
供給する流路を選択するとともに、前記車室外熱交換器
内の冷媒が前記コンプレッサーの冷媒吸入側へ流入可能
な状態に前記第3の弁を設定し、冷房運転時に、前記第
4の弁と前記第5の弁とによって前記コンプレッサーの
吐出冷媒を少なくとも前記第4の弁と前記車室外熱交換
器と前記第1の弁とを介して前記膨張弁へ供給する流路
を選択するとともに、前記車室外熱交換器内の冷媒が前
記コンプレッサーの冷媒吸入側に流入不可能な状態に前
記第3の弁を設定する制御手段と、 前記コンプレッサーの冷媒吸入側と前記車室外熱交換器
とを接続する配管の途中に設けられ、暖房運転時に前記
コンプレッサーの冷媒吸入側から前記車室外熱交換器へ
向かう冷媒流れが生じると判断される場合にその冷媒流
れを阻止する流路開閉手段とを備えることを特徴とする
車両用冷暖房装置 - 【請求項15】 冷媒を圧縮するコンプレッサーと、 冷媒と外気との間で熱交換を行なう車室外熱交換器と、 冷媒の熱を送風手段により送風された空気に放熱する放
熱用車室内熱交換器と、 冷媒を断熱膨張させる膨張弁と、 前記膨張弁と前記コンプレッサーの冷媒吸入側との間に
設けられ、前記送風手段により送風された空気の熱を冷
媒に吸熱する吸熱用車室内熱交換器と、 前記コンプレッサーの冷媒吐出側、前記車室外熱交換器
の一端および前記放熱用車室内熱交換器の一端にそれぞ
れ接続され、前記コンプレッサーの吐出冷媒を前記車室
外熱交換器と前記放熱用車室内熱交換器の内のいずれか
一方へ送り出す三方弁と、 前記車室外熱交換器の他端に設けられ、前記車室外熱交
換器へ流入する冷媒の流れを阻止し、前記車室外熱交換
器から流出する冷媒の流れを許容する第1の弁と、 前記コンプレッサーの冷媒吸入側と前記車室外熱交換器
とを接続するバイパス路と、 前記バイパス路に設けられ、前記車室外熱交換器から前
記コンプレッサーの冷媒吸入側への冷媒流れを阻止可能
な第3の弁と、 暖房運転時に、前記三方弁によって前記コンプレッサー
の吐出冷媒を少なくとも前記放熱用車室内熱交換器を介
して前記膨張弁へ供給する流路を選択するとともに、前
記車室外熱交換器内の冷媒が前記コンプレッサーの冷媒
吸入側へ流入可能な状態に前記第3の弁を設定し、冷房
運転時に、前記三方弁によって前記コンプレッサーの吐
出冷媒を少なくとも前記車室外熱交換器と前記第1の弁
とを介して前記膨張弁へ供給する流路を選択するととも
に、前記車室外熱交換器内の冷媒が前記コンプレッサー
の冷媒吸入側に流入不可能な状態に前記第3の弁を設定
する制御手段と、 前記コンプレッサーの冷媒吸入側と前記車室外熱交換器
とを接続する配管の途中に設けられ、暖房運転時に前記
コンプレッサーの冷媒吸入側から前記車室外熱交換器へ
向かう冷媒流れが生じると判断される場合にその冷媒流
れを阻止する流路開閉手段とを備えることを特徴とする
車両用冷暖房装置 - 【請求項16】 請求項13〜15のいずれかの項に記
載の車両用冷暖房装置において、 前記流路開閉手段として、内部を流れる冷媒流れに対す
る方向性を有し、前記コンプレッサーの冷媒吸入側から
前記車室外熱交換器へ向かう流れ方向を順方向とする二
方弁を使用し、冷凍サイクルの作動状態、車両の熱負荷
状態および運転時間の内の少なくとも一つの条件に応じ
て開閉制御することを特徴とする車両用冷暖房装置。 - 【請求項17】 請求項13〜15のいずれかの項に記
載の車両用冷暖房装置において、 前記流路開閉手段は、前記コンプレッサーの冷媒吸入側
から前記車室外熱交換器へ向かう冷媒の流れを阻止する
逆止弁であることを特徴とする車両用冷暖房装置。 - 【請求項18】 請求項13〜15のいずれかの項に記
載の車両用冷暖房装置において、 前記流路開閉手段として流量制御弁を使用し、少なくと
も冷凍サイクルの作動状態、車両の熱負荷状態および運
転時間の内の一つの条件に応じて流量制御することを特
徴とする車両用冷暖房装置。
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JP02972695A JP3303578B2 (ja) | 1994-08-03 | 1995-02-17 | 車両用冷暖房装置 |
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JP6-182486 | 1994-08-03 | ||
JP02972695A JP3303578B2 (ja) | 1994-08-03 | 1995-02-17 | 車両用冷暖房装置 |
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