JPH0899455A - 金属蒸着転写印刷シートおよび金属蒸着転写印刷物ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

金属蒸着転写印刷シートおよび金属蒸着転写印刷物ならびにそれらの製造方法

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JPH0899455A
JPH0899455A JP23811594A JP23811594A JPH0899455A JP H0899455 A JPH0899455 A JP H0899455A JP 23811594 A JP23811594 A JP 23811594A JP 23811594 A JP23811594 A JP 23811594A JP H0899455 A JPH0899455 A JP H0899455A
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vapor deposition
metal vapor
sheet
layer
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Application number
JP23811594A
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English (en)
Inventor
Motoaki Ashida
元明 芦田
Eiji Matsubara
英司 松原
Kiyoshi Furumura
澄 古村
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J T METALLIC INSATSU KK
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
J T METALLIC INSATSU KK
Japan Tobacco Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高品質の被印刷物を提供可能な金属蒸着転写印
刷シートおよびその製造方法を提供する。 【構成】表面未処理のポリエチレンテレフタレートフィ
ルムからなる基材シート11の表面上には、剥離剤層12が
設けられている。剥離剤層12の表面上には、ビニール/
アクリル系樹脂からなるインキ13が所望のパターンでグ
ラビア印刷されている。インキ13を含む剥離剤層12の表
面上に、アルミ蒸着層14が真空蒸着により形成されてい
る。アルミ蒸着層14の上には、接着剤層15を介して、液
体容器用のカートン原紙からなる被印刷物16が接着され
ている。接着剤層15は、ポリエステルウレタン系主剤と
ポリイソシアネート系硬化剤からなるドライラミネート
接着剤からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属蒸着転写印刷シー
トおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、被印刷物である紙の表面上に金属
蒸着により金属層が被覆された金属蒸着紙への印刷は、
例えば、(1)紙の金属蒸着面にプライマー処理を施し
た後、グラビア印刷、オフセット印刷などの通常の印刷
方法により直接印刷すること、および、(2)別途用意
したフィルム表面に印刷を施し、このフィルムを金属蒸
着紙の金属蒸着面上にラミネートすることが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、(1)
の方法では、既に製造されている金属蒸着紙(ダイレク
ト蒸着紙)を用いている。このため、品質が劣る紙や厚
い紙には直接蒸着が困難であるため、被処理対象はアー
ト紙、コート紙などに限られる。また、厚さも比較的薄
いものに限られている。従って、金属蒸着紙のコストが
高く、一部の高付加価値商品にしか利用されていない。
【0004】また、(2)の方法によれば、製品の表面
には必ずフィルムが被着された状態となるため、ラミネ
ート品しか作れない点で好ましくない。
【0005】このような背景から金属蒸着印刷物をより
低コストで製造することが要望されている。
【0006】一方、印刷方法の一つとして転写印刷が知
られている。従来の転写印刷は、まず、表面に剥離剤層
を形成した基材上にグラビア印刷、フレキソ印刷、スク
リーン印刷等の印刷方法により所望の絵柄を印刷する。
次に、この印刷面上に接着剤層を被覆して、転写シート
を得る。次いで、この転写シートを反転させて接着剤層
が被印刷物に接するように圧着する。この後、基材を剥
離して、被印刷物の表面に絵柄を被着させる。
【0007】しかし、転写印刷による被印刷物は、化粧
品容器、文具、玩具、日用雑貨等の各種の製品に限ら
れ、紙への全面転写印刷は行われていない。なぜなら
ば、紙への印刷は直接グラビア印刷により行う方がコス
トがかからない。
【0008】また、従来の転写印刷方法では、上述の転
写シートの製造までを行い、この転写シートを例えばロ
ール状に巻き取っておく。次のラインにおいて、転写シ
ートを加熱して、接着剤層を活性化した後、被印刷物へ
転写することが行われている。
【0009】しかし、転写シートは、接着剤層は最外部
に配置されている。このため、転写シートをロール状に
巻き取った場合に、接着剤がもう一つ外側の基材の外側
面に接着し、基材および剥離剤層の間で剥離が起こり、
インキ層が基材側から剥離してもう一つ外側の基材の外
側面に接着剤層と共に被着してしまう、いわゆるブロッ
キングが発生しやすい。この結果、転写シートは全長約
1,000m までしか巻き取ることができない。ブロッキン
グによる転写シートのロスも20〜30%発生している。
【0010】また、通常、グラビア印刷機は、印刷対象
の紙の厚さに応じた薄紙用、厚紙用といった専用のグラ
ビア印刷機を使用しなければならないので、夫々のグラ
ビア印刷機で使用できる用紙の厚さには制約がある。こ
のため、厚さの異なる全ての印刷物に対応するためには
複数種類のグラビア印刷機が必要になり、多大な設備投
資を要する。
【0011】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、安価で高品質の金属蒸着転写印刷物を得ること
ができる金属蒸着転写印刷シートおよびその製造方法を
提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材シート
と、前記基材シートの表面上に形成された絵柄印刷層、
前記絵柄印刷層を含む前記基材シートの表面上に設けら
れた金属蒸着層、前記金属蒸着層の表面上に設けられた
接着剤層、および前記接着剤層の表面上に被着されたシ
ート状の被印刷物を具備することを特徴とする金属蒸着
転写印刷シートを提供する。
【0013】また、本発明は、上記金属蒸着転写印刷シ
ートから基材シートを剥離することにより得られる金属
蒸着転写印刷物を提供する。
【0014】また、本発明は、長尺状の基材シートの表
面に所望のパターンで印刷インキを印刷して絵柄印刷層
を形成する工程と、前記絵柄印刷層を含む前記基材シー
トの表面上に金属蒸着を行って金属蒸着層を形成する工
程と、前記金属蒸着層の表面上に接着剤層を設けた後、
連続して前記接着剤層の表面上に長尺状の被印刷物を被
着させる工程とを具備することを特徴とする金属蒸着転
写印刷シートの製造方法を提供する。
【0015】また、本発明は、長尺状の基材シートの表
面に所望のパターンで印刷インキを印刷して絵柄印刷層
を形成する工程と、前記絵柄印刷層を含む前記基材シー
トの表面上に金属蒸着を行って金属蒸着層を形成する工
程と、前記金属蒸着層の表面上に接着剤層を設けた後、
連続して前記接着剤層の表面上に長尺状の被印刷物を被
着させて金属蒸着転写印刷シートを得る工程と、前記金
属蒸着転写印刷シートを得るから前記基材シートを引き
剥がして金属蒸着転写印刷物を得る工程とを具備するこ
とを特徴とする金属蒸着転写印刷物の製造方法を提供す
る。
【0016】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0017】本発明の金属蒸着転写印刷シートにおい
て、基材シートとしては、セロファン、プラスチックフ
ィルム等を用いることができる。このうち、プラスチッ
クフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポ
リエチレン(PE)フィルム、ポリフェニレンサルファ
イド(PPS)フィルム、ポリブチルテレフタレート
(PBT)フィルム、ナイロン(ONY)フィルム等の
プラスチックフィルムが好ましい。
【0018】プラスチックフィルムの厚さは、特に制限
されないが、例えば、6〜50μmである。
【0019】上述のプラスチックフィルムの表面は、未
処理のものが望ましい。
【0020】基材シートの表面上には、必要に応じて後
述の絵柄印刷層および接着剤層の剥離を確実かつ容易に
するために、剥離剤層が設けられる。剥離剤層として
は、例えば、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂を用いるこ
とができる。剥離剤層は、剥離後に絵柄印刷層を保護す
るオーバーコート層として機能し得る。
【0021】しかし、剥離剤層は、基材シートの表面の
ぬれ性が十分に低く、絵柄印刷層および接着剤層が剥離
しやすい場合には省略することも可能である。
【0022】基材シートの表面上に、必要に応じて剥離
剤層を介して、絵柄印刷層が設けられている。絵柄印刷
層は、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等
により形成される。例えば、グラビア印刷の場合、アク
リル/ビニル系等の通常インキを用いることができる。
【0023】ここで、絵柄は、後述の転写によって被印
刷物の表面にインキが転写されるため、鏡像で印刷する
必要がある。
【0024】絵柄印刷層を含む基材シートの表面上に
は、金属蒸着層が設けられている。金属蒸着層は、例え
ば、アルミニウム、銀、金、銅、ニッケル、スズ、白
金、及びこれらの金属の合金からなる群から選ばれた金
属でできている。
【0025】金属蒸着層の表面上には、接着剤層が設け
れている。接着剤層は、例えば、ドライラミネートに用
いられる加熱硬化型接着剤または光硬化型接着剤が好ま
しい。加熱硬化型接着剤は、熱により硬化するものであ
り、例えば、ウレタン系樹脂接着剤、エステル系樹脂接
着剤、エーテル系樹脂接着剤等である。また、光硬化型
接着剤は、電子線や紫外線の照射により硬化するタイプ
であって、例えば、ウレタン系樹脂接着剤、ポリエステ
ル系樹脂接着剤等である。
【0026】接着剤層の表面には、被印刷物が被着され
る。被印刷物は、例えば、紙、板紙、木材、プラスチッ
ク、皮等である。特に、被印刷物が紙、板紙である場
合、アート紙、コート紙、上質紙、純白ロール紙、クラ
フト紙、キャストコート紙、マニラボール、コートカー
ド等の各種紙を利用できる。本発明の金属蒸着転写印刷
シートは、純白ロール紙、クラフト紙、および、サイズ
剤が多く添加されている液体容器用カートン原紙のよう
な、通常印刷適性が悪い、表面が粗い紙を用いた場合に
特に有効であるが、アート紙、コート紙等の表面が平滑
な紙も使用可能である。
【0027】本発明の転写印刷シートを用いた被印刷物
への転写印刷によれば、表面が粗い紙への印刷も色抜け
を生じることなく行うことが可能である。例えば、JI
SB 0651に準拠した触針法によって測定された紙
の表面粗さが、5μm以上の紙(例えば、8〜25μm
のざら紙)にも印刷が可能である。
【0028】また、紙にはサイズ剤が添加されている。
サイズ剤は、紙に耐水性を付与したり、インキや水に対
する浸透抵抗性を付与するために用いられる。サイズ剤
の種類には、酸性サイズ剤および中性サイズ剤がある。
酸性サイズ剤としては、けん化天然ロジン、ロジンに無
水マレイン酸またはフマール酸を付加させた強化ロジ
ン、石油樹脂サイズ剤、ワックスエマルジョンサイズ剤
等がある。中性サイズ剤としては、アルキルケテンダイ
マー、アルケニル無水コハク酸、無水ステアリン酸等が
ある。
【0029】このようなサイズ剤が添加された紙は、水
やインキの浸透性が悪い。このため、直接印刷ではイン
キとのぬれ性が悪く、インキが紙にきれいに付着しな
い。これに対して、本発明ではインキは接着剤を介して
紙に接着されるので色ぬけが生じ難い。従って、サイズ
剤が添加された紙への印刷に本発明を適用することは好
ましい。
【0030】さらに、本発明の金属蒸着転写印刷シート
によれば、グラビア印刷において、一種類のグラビア印
刷機により厚さの異なる広範囲の用紙への印刷が可能と
なるので、既に保有するグラビア印刷機で直接印刷でき
ない厚さの紙を使用することができる。
【0031】次に、本発明の金属蒸着転写印刷シートの
製造方法について詳細に説明する。まず、長尺状の基材
シートの表面に所望のパターンで印刷インキを印刷して
絵柄印刷層を形成する。印刷は、例えば、グラビア印
刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等により行う。例え
ば、基材シートは、処理前はリールに巻き取られてい
る。そして、基材シートをリールから引き出し、印刷装
置の印刷用ロール間に送通させることにより印刷され
る。印刷後、基材シートは再びリールに巻き取る。
【0032】剥離剤層が必要な場合には、例えば、基材
シートへの多色刷りの1色として、剥離剤を基材シート
の表面に均一に塗布しておく。
【0033】次いで、絵柄印刷層を含む基材シートの表
面上に金属蒸着により金属蒸着層を形成する。金属蒸着
層は、例えば、通常の真空蒸着機を用いて行われる。
【0034】金属蒸着層の表面上に接着剤層を設けた
後、直ちに接着剤層の表面上に長尺状の被印刷物を被着
させる。この工程は、いわゆるドライラミネートにより
行うことができる。まず、有機溶剤に溶解したタイプの
接着剤または無溶剤タイプの接着剤を、基材シートの表
面上に均一に塗布する。次に、有機溶剤タイプの接着剤
を使用した場合には、乾燥機にて熱風を吹き付けて溶剤
を蒸発、除去させる。これにより、基材シートの表面上
に均一な接着剤層が形成される。
【0035】引き続いて、接着剤層が形成された基材シ
ートに対して、被印刷物を被着する。ここで、接着剤に
加熱硬化性樹脂を用いた場合には、例えば、加熱金属ロ
ールを用いて、加熱・圧着して、基材シートと被印刷物
とを接着する。この後、接着剤が硬化するのに必要な時
間(例えば、24〜72時間)、常温または適当な温度に加
熱しながら貯蔵する。光硬化型接着剤の場合には、電子
線または紫外線を照射することにより接着剤を硬化させ
る。この場合には、貯蔵は必要ない。
【0036】より詳細には、印刷および金属蒸着が終了
した基材シートをリールから引き出し、接着剤塗布装置
の塗布用ロール間を送通させて接着剤を塗布する。次い
で、接着剤を塗布した基材シートを、乾燥機中に送通さ
せ、熱風を吹き付けて溶剤を蒸発、除去させる。次い
で、基材シートおよび被印刷物を加熱金属ロールまたは
金属ロールで圧着して接着させ、得られた転写印刷シー
トは、リールに巻き取られ、常温または適当な温度に加
熱しながら貯蔵して接着剤を硬化させる。
【0037】このようにして得られた金属蒸着転写印刷
シートは、基材シートから、表面に接着剤層および絵柄
印刷層、金属蒸着層、並びに、必要な場合には剥離剤層
を有する被印刷物を引き離して、金属蒸着転写印刷物を
得ることができる。ここで、剥離された基材シートは、
再利用が可能である。
【0038】また、光硬化型接着剤を用いた場合には、
印刷済みの基材シートをリールから引き出し、電子線照
射装置または紫外線照射装置で電子線または紫外線を照
射して、接着剤を硬化させる。得られた転写印刷シート
はリールに巻き取る必要が無く、連続して基材シートか
ら接着剤層、絵柄印刷層および金属蒸着層並びに必要な
場合には剥離剤層を有する被印刷物を引き離して、金属
蒸着転写印刷物を得ることができる。ここで、剥離され
た基材シートも、再利用が可能である。
【0039】
【作用】本発明の金属蒸着転写印刷シートは、金属蒸着
層は、基材シートの表面上に設けられ、かつ、被印刷物
の表面上に接着剤層を介して転写され得る。このため、
被印刷物の種類が金属蒸着に不適当であっても、また、
厚みが大きくとも接着剤が両者の間に介在するために金
属蒸着層が全て被印刷物の表面上に転写されるので、金
属蒸着層の脱落が起こることが防止される。
【0040】本発明の金属蒸着転写印刷シートの製造方
法によれば、まず、第1の工程で基材シート表面上への
印刷を行い、第2の工程で金属蒸着を行い、次いで、第
3の工程で接着剤の塗布および被印刷物とのラミネート
を連続して行う。このため、得られた金属蒸着転写印刷
シートはリールに巻き取っても外表面層が基材シートお
よび被印刷物で構成され、接着剤層が表面に出ないた
め、ブロッキングが起こらない。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0042】図1は、本発明の金属蒸着転写印刷シート
の一例を示す断面図である。
【0043】図中11は、厚さ25μmの表面未処理のポリ
エチレンテレフタレート(PET )フィルム[太閤ポリエ
ステルフィルムFE2000;二村化学製]からなる基
材シートである。基材シート11の表面上には、転写箔用
剥離剤[アクリル系樹脂TR−16CWニスNo.4;
大日本インキ化学工業(株)製]からなる剥離剤層12が
設けられている。剥離剤層12の厚さは0.5〜1μmで
ある。剥離剤層12は、基材シート11を剥離した後はオー
バーコート層として機能する。
【0044】剥離剤層12の表面上には、ビニール/アク
リル系樹脂からなるインキ13[紙包装紙用インキXOS
−1200;大日本インキ化学工業(株)製]が所望の
パターンでグラビア印刷されている。インキ13のパター
ンは、被印刷物の表面に印刷されるべきパターンの鏡像
である。
【0045】インキ13を含む剥離剤層12の表面上には、
金属蒸着によりアルミ蒸着層14が蒸着されている。アル
ミ蒸着層14の厚さは例えば200〜800オングストロ
ームである。
【0046】アルミ蒸着層14の表面上には、接着剤層15
を介して、液体容器用のカートン原紙からなる被印刷物
16が接着されている。接着剤層15は、ポリエステルウレ
タン系主剤とポリイソシアネート系硬化剤からなるドラ
イラミネート接着剤[ディックドライLX901/KW
75;大日本インキ化学工業(株)製]からなる。接着
剤は、乾燥時に1平方メートルあたり2〜5gの割合で
塗布されている。
【0047】上述の構成からなる金属蒸着転写印刷シー
ト10は、インキ13が、表面が平滑な基材シート11の表面
上に設けられた剥離剤層12の表面上に印刷されている。
また、インキ13を含む剥離剤層12の表面上には、アルミ
蒸着層14が設けられている。そして、基材シート11を剥
離した場合に、被印刷物16の表面上に接着剤層15を介し
てインキ13およびアルミ蒸着層14が転写される。インキ
13およびアルミ蒸着層14が直接に被印刷物16の表面に印
刷されている場合には被印刷物16の表面が粗いと色ぬけ
が起こりやすい。しかし、本実施例の金属蒸着転写印刷
シート10では、被印刷物16の表面は粗いが、接着剤15が
インキ13と被印刷物16の間に介在するために、インキ13
が全て被印刷物16の表面上に転写される。この結果、被
印刷物16の表面状態にかかわらず、色ぬけのない高品質
の印刷が実現可能である。
【0048】また、金属蒸着は、剥離剤層12が表面上に
設けられた基材シート11に対して行われた後、形成され
たアルミ蒸着層14が被印刷物16の表面上へ転写されるの
で、被印刷物16の種類や厚さとは無関係である。この結
果、被印刷物16の如何にかかわらず、アルミ蒸着層14の
脱落がほとんどない高品質の印刷を実現できる。
【0049】液体容器用カートン原紙は、耐水性を強化
するためにサイズ剤が多量に添加されている。一般に、
サイズ剤は紙の水分やインキの浸透性を低下させる。直
接印刷の場合にインキを直接紙に付着させるが、インキ
のぬれ性が悪く、色ぬけが生じやすい。これに対して、
本発明の金属蒸着転写印刷シートでは、インキを接着剤
により紙の表面に接着させるので色ぬけを生じにくい。
【0050】次に、本願発明の金属蒸着転写印刷シート
10の製造方法について、図2〜6を参照して説明する。
【0051】まず、基材シート11の表面上に剥離剤の塗
布および印刷を施す(図2中21)。すなわち、図3に示
すように、リール31に巻かれた基材シート11を引き出
し、ガイドロール32,33 を経て剥離剤塗布部34へ導入す
る。剥離剤塗布部34は、1対の塗布用ロール34a,34b
と、剥離剤35を収容する容器34c からなる。導入された
基材シート11は、塗布用ロール34a,34b の間を送通させ
る。この際、下側の塗布用ロール34b により剥離剤35が
塗布され、基材シート11の表面に剥離剤層12が形成され
る。剥離剤層12が設けられた基材シート11aは、ガイド
ローラ36,37,38を経て、印刷部39に導入される。印刷部
39は、通常のグラビア印刷機であり、印刷する色数に応
じた数(例えば4つ)だけ用意される。かかる印刷部39
において、基材シート11の表面上に形成された剥離剤層
12の表面上にインキ13が印刷される。印刷後の基材シー
ト11bは、ガイドロール40を介してリール41に巻き取ら
れる。
【0052】次に、印刷後の基材シート11bの表面上に
金属蒸着を施す(図2中22)。図4に示すように、リー
ル41から基材シート11b を引き出し、ガイドロール42を
介して真空蒸着部43へ導入する。真空蒸着部43より、常
法に従って、インキ13を含む剥離剤層12の表面上にアル
ミニウムを 真空蒸着して金属蒸着膜14を形成する。そ
の後、金属蒸着処理後の基材シート11cをガイドロール
44を介してリール45に巻き取る。
【0053】次いで、、図5に示すドライラミネート装
置50を用いて、金属蒸着後の基材シート11c に被印刷物
16をラミネートする(図2中24)。まず、リール45から
基材シート11c を引き出し、ガイドロール51,52 を介し
て、接着剤塗布部53に導入する。接着剤塗布部53は、1
対の塗布用ロール5 3a,53bと、接着剤溶液54を収容する
容器53c からなる。接着剤塗布部53に導入された基材シ
ート11c は、塗布用ロール53a,53b の間を送通される。
この際、下側の塗布用ロール53b により接着剤溶液54が
塗布される。接着剤溶液54が塗布された基材シート11d
は、ガイドローラ55,56 を経て、乾燥部57へ導入され
る。乾燥部57では、基材シート11cに対して、50〜80℃
の熱風が吹き付けられる。これにより、接着剤溶液54の
溶剤が蒸発・除去されて、接着剤層15が形成される。
【0054】接着剤層15が形成された基材シート11e
を、ガイドローラ58を介して加熱金属ロール59に導入す
る。一方、被印刷物16をリール60から引き出し、ガイド
ロール61を経て加熱金属ロール59へ基材シート11e と共
に導入する。基材シート11e および被印刷物16を互いに
重ね合わせた状態で加熱金属ロール59の間に挿入し、加
熱および圧着する(図2中24)。この際、接着剤層15を
構成するポリエステルウレタン系主剤とポリイソシアネ
ート系硬化剤からなるドライラミネート接着剤が、50〜
80℃に加熱され、基材シート11e および被印刷物16がラ
ミネートされ、金属蒸着転写印刷シート10が得られる。
得られた金属蒸着転写印刷シート10は、リール62に巻き
取られる。
【0055】得られた金属蒸着転写印刷シート10は、適
当な接着力を得るために、室温または40〜60℃に加熱し
た状態で、24〜72時間貯蔵し、接着剤層15を硬化させる
(図2中25)。
【0056】次に、図6に示すデラミネート装置70によ
り、金属蒸着転写印刷シート10から基材シート11を剥離
して、金属蒸着転写印刷物76を得る(図2中26)。ま
ず、リール62から金属蒸着転写印刷シート10を引き出
し、ガイドロール71を介して剥離用ローラ72へ導入す
る。剥離用ローラ72に隣接して設けられたローラ73を介
して基材シート11を引き剥がす。基材シート11はローラ
74を経てリール75に巻き取る。一方、残された被印刷物
16、接着剤層15、アルミ蒸着層14、インキ13、剥離剤層
12からなる金属蒸着転写印刷物76は、ローラ77,78 を経
てリール79に巻き取る。
【0057】上述の金属蒸着転写印刷シートの製造方法
によれば、まず、第1の工程で基材シート11の表面上へ
の剥離剤層12の形成および印刷を行い、次いで、第2の
工程で金属蒸着を行った後に、第3の工程で接着剤の塗
布および被印刷物16とのラミネートを連続して行う。こ
のため、得られた金属蒸着転写印刷シート10はリールに
巻き取っても外表面層が基材シート11および被印刷物16
で構成され、接着剤層15が表面に出ないため、ブロッキ
ングが起こらない。この結果、ブロッキングによる金属
蒸着転写印刷物76や基材シート11のロスを低減すること
ができる。
【0058】なお、上述の実施例では、接着剤として、
二液ポリエステルウレタン樹脂系接着剤を用いた場合に
ついて説明したが、電子線硬化および紫外線硬化タイプ
の接着剤(具体的には、ウレタン系樹脂接着剤、ポリエ
ステル系樹脂接着剤等)を用いることができる。電子線
硬化タイプの接着剤の場合には、図7に示す如く、ラミ
ネート装置50とデラミネート装置70を連結した装置
80を用いることができる。すなわち、加熱金属ロール
58から導出された圧着後の基材シート11e および被印刷
物16に、電子線照射装置90で電子線を照射し、接着剤を
硬化させる。得られた金属蒸着転写印刷シート10は貯蔵
の必要がないので、そのままロール81、82,83 を介し
て、剥離用ローラ72へ導入する。剥離用ローラ72に隣接
して設けられたローラ73を介して基材シート11を引き剥
がす。基材シート11はローラ74を経てリール75に巻き取
る。一方、残された被印刷物16、接着剤層15、アルミ蒸
着層14、インキ13、剥離剤層12からなる金属蒸着転写印
刷物76は、ローラ77,78 を経てリール79に巻き取る。
【0059】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の金属蒸着転
写印刷シートによれば、金属蒸着層は基材シートの表面
上に設けられ、かつ、被印刷物の表面上に接着剤層を介
して転写され得る。このため、本発明の金属蒸着転写印
刷シートは、接着剤が両者の間に介在するので、被印刷
物の種類および厚さとは関係なく、金属蒸着層が全て被
印刷物の表面上に転写される。この結果、被印刷物の種
類および厚さの如何にかかわらず、高光沢で麗美な被印
刷物を得ることができる。
【0060】また、本発明の金属蒸着転写印刷シートの
製造方法によれば、まず、第1の工程で基材シート表面
上への印刷を行い、第2の工程で金属蒸着を行い、次い
で第3の工程で接着剤の塗布および被印刷物とのラミネ
ートを連続して行う。このため、得られた金属蒸着転写
印刷シートはリールに巻き取っても外表面層が基材シー
トおよび被印刷物で構成され、接着剤層が表面に出ない
ため、ブロッキングが起こらない。この結果、ブロッキ
ングにより引き起こされるロスを著しく低減して、製造
コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属蒸着転写印刷シートの一例を示す
断面図。
【図2】本発明の金属蒸着転写印刷シートの製造方法の
工程を示すフローチャート。
【図3】本発明の金属蒸着転写印刷シートの製造方法の
剥離剤層の形成および印刷の工程を示す説明図。
【図4】本発明の金属蒸着転写印刷シートの製造方法の
金属蒸着の工程を示す説明図。
【図5】本発明の金属蒸着転写印刷シートの製造方法の
ラミネート工程を示す説明図。
【図6】本発明の金属蒸着転写印刷シートの製造方法の
デラミネート工程を示す説明図。
【図7】本発明の転写印刷シートの製造方法のラミネー
トおよびデラミネート工程を示す説明図。
【符号の説明】
10…金属蒸着転写印刷シート、11…基材シート、12…剥
離剤層、13…インキ、14…アルミ蒸着層、15…接着剤
層、16…被印刷物、34…剥離剤層塗布部、43…真空蒸着
部、39…印刷部、50…ドライラミネート装置、53…接着
剤塗布部、57…乾燥部、59…加熱金属ロール、70…デラ
ミネート装置、90…電子線照射装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 英司 京都府京都市南区久世築山町212−1 日 本たばこ産業株式会社印刷技術開発センタ ー内 (72)発明者 古村 澄 東京都品川区東品川四丁目12番62号 日本 たばこ産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートと、前記基材シートの表面上
    に形成された絵柄印刷層、前記絵柄印刷層を含む前記基
    材シートの表面上に設けられた金属蒸着層、前記金属蒸
    着層の表面上に設けられた接着剤層、および前記接着剤
    層の表面上に被着されたシート状の被印刷物を具備する
    ことを特徴とする金属蒸着転写印刷シート。
  2. 【請求項2】 被印刷物が、液体容器用カートン原紙、
    純白ロール紙またはクラフト紙である請求項1記載の金
    属蒸着転写印刷シート。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の金属蒸着転写印刷シート
    から基材シートを剥離することにより得られる金属蒸着
    転写印刷物。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の金属蒸着転写印刷シート
    から基材シートを剥離することにより得られる金属蒸着
    転写印刷物。
  5. 【請求項5】 長尺状の基材シートの表面に所望のパタ
    ーンで印刷インキを印刷して絵柄印刷層を形成する工程
    と、前記絵柄印刷層を含む前記基材シートの表面上に金
    属蒸着を行って金属蒸着層を形成する工程と、前記金属
    蒸着層の表面上に接着剤層を設けた後、連続して前記接
    着剤層の表面上に長尺状の被印刷物を被着させる工程と
    を具備することを特徴とする金属蒸着転写印刷シートの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 被印刷物が、液体容器用カートン原紙、
    純白ロール紙またはクラフト紙である請求項5記載の金
    属蒸着転写印刷シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 長尺状の基材シートの表面に所望のパタ
    ーンで印刷インキを印刷して絵柄印刷層を形成する工程
    と、前記絵柄印刷層を含む前記基材シートの表面上に金
    属蒸着を行って金属蒸着層を形成する工程と、前記金属
    蒸着層の表面上に接着剤層を設けた後、連続して前記接
    着剤層の表面上に長尺状の被印刷物を被着させて金属蒸
    着転写印刷シートを得る工程と、前記金属蒸着転写印刷
    シートを得るから前記基材シートを引き剥がして金属蒸
    着転写印刷物を得る工程とを具備することを特徴とする
    金属蒸着転写印刷物の製造方法。
  8. 【請求項8】 被印刷物が、液体容器用カートン原紙、
    純白ロール紙またはクラフト紙である請求項7記載の金
    属蒸着転写印刷物の製造方法。
JP23811594A 1994-09-30 1994-09-30 金属蒸着転写印刷シートおよび金属蒸着転写印刷物ならびにそれらの製造方法 Pending JPH0899455A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004230571A (ja) * 2003-01-28 2004-08-19 Toppan Printing Co Ltd ホログラムラベル及びその製造方法
JP2006027244A (ja) * 2004-07-22 2006-02-02 Dainippon Printing Co Ltd 金属蒸着紙およびその製造方法

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