JPH0899456A - 転写印刷シートおよび転写印刷物ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

転写印刷シートおよび転写印刷物ならびにそれらの製造方法

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JPH0899456A
JPH0899456A JP23811694A JP23811694A JPH0899456A JP H0899456 A JPH0899456 A JP H0899456A JP 23811694 A JP23811694 A JP 23811694A JP 23811694 A JP23811694 A JP 23811694A JP H0899456 A JPH0899456 A JP H0899456A
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JP23811694A
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English (en)
Inventor
Motoaki Ashida
元明 芦田
Eiji Matsubara
英司 松原
Kiyoshi Furumura
澄 古村
Masanobu Kawate
正総 川手
Chiaki Kanai
千秋 金井
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J T METALLIC INSATSU KK
Tokai Aluminum Foil Co Ltd
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
J T METALLIC INSATSU KK
Tokai Aluminum Foil Co Ltd
Japan Tobacco Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高品質の被印刷物を提供可能な転写印刷シート
およびその製造方法を提供する。 【構成】表面未処理のポリエチレンテレフタレートフィ
ルムからなる基材シートの表面上には、剥離剤層2が設
けられている。剥離剤層2の表面上には、ビニール/ア
クリル系樹脂からなるインキ3が所望のパターンでグラ
ビア印刷されている。インキ3を含む剥離剤層2の表面
上に、接着剤層4を介して、液体容器用のカートン原紙
からなる被印刷物5が接着されている。接着剤層4は、
ポリエステルウレタン系主剤とポリイソシアネート系硬
化剤からなるドライラミネート接着剤からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転写印刷シートおよび
その製造方法に関する。また、本発明は、転写印刷物お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、ジュース、牛乳等の液体
容器に用いる、未成形のカートン原紙への印刷は、コス
トが比較的安価であるため、グラビア印刷、フレキソ印
刷でもって紙の表面への直接印刷によって行われてい
る。
【0003】しかし、グラビア印刷では、印刷の仕上が
りを良くするためには紙の表面が平滑であることが必要
である。このため、表面が粗い紙への印刷では、紙表面
の凹部が版面に接触せず、色ぬけが起こりやすい。特
に、網点の印刷では色ぬけは致命的な欠陥となり、品質
に悪影響を及ぼす。
【0004】この問題を解決するために、紙へのインキ
層の転移の際に紙に極度の加圧を行うことにより、ある
程度色抜けを防止することが可能である。しかし、表面
が粗く、かつ、硬質の紙についてはほとんど効果がな
い。
【0005】このような背景から表面が粗く、印刷適正
の悪い被印刷物への印刷をより高品質で行うことが要望
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】印刷方法の一つとして
転写印刷が知られている。従来の転写印刷は、まず、表
面に剥離剤層を形成した基材上にグラビア印刷、フレキ
ソ印刷、スクリーン印刷等の印刷方法により所望の絵柄
を印刷する。次に、この印刷面上に接着剤層を被覆し
て、転写シートを得る。次いで、この転写シートを反転
させて接着剤層が被印刷物に接するように圧着する。こ
の後、基材を剥離して、被印刷物の表面に絵柄を被着さ
せる。現在、転写シートの形で印刷所より運搬され、別
の工場で被印刷物への絵柄の転写が行われている。
【0007】しかし、転写印刷による被印刷物は、化粧
品容器、文具、玩具、日用雑貨等の各種の製品に限ら
れ、紙への全面転写印刷は行われていない。なぜなら
ば、紙への印刷は直接グラビア印刷等により行う方がコ
ストがかからない。
【0008】また、従来の転写印刷方法では、上述の転
写シートの製造までを行い、この転写シートを例えばロ
ール状に巻き取っておく。次のラインにおいて、転写シ
ートを加熱して、接着剤層を活性化した後、被印刷物へ
転写することが行われている。
【0009】しかし、転写シートは、接着剤層は最外部
に配置されている。このため、転写シートをロール状に
巻き取った場合に、接着剤がもう一つ外側の基材の外側
面に接着し、基材および剥離剤層の間で剥離が起こり、
インキ層が基材側から剥離してもう一つ外側の基材の外
側面に接着剤層と共に被着してしまう、いわゆるブロッ
キングが発生しやすい。この結果、転写シートは全長約
1,000m までしか巻き取ることができない。ブロッキン
グによる転写シートのロスも20〜30%発生している。
【0010】また、通常、グラビア印刷機は、印刷対象
の紙の厚さに応じた薄紙用、厚紙用といった専用のグラ
ビア印刷機を使用しなければならないので、夫々のグラ
ビア印刷機で使用できる用紙の厚さには制約がある。こ
のため、厚さの異なる全ての印刷物に対応するためには
複数種類のグラビア印刷機が必要になり、多大な設備投
資を要する。
【0011】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、安価で高品質の転写印刷物を得ることができる
転写印刷シートおよびその製造方法を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材シート
と、前記基材シートの表面上に形成された絵柄印刷層、
前記絵柄印刷層を含む前記基材シートの表面上に設けら
れた接着剤層、および前記接着剤層の表面上に被着され
たシート状の被印刷物を具備することを特徴とする転写
印刷シートを提供する。
【0013】また、本発明は、上記転写印刷シートから
基材シートを剥離することにより得られる転写印刷物を
提供する。
【0014】また、本発明は、長尺状の基材シートの表
面に所望のパターンで印刷インキを印刷して絵柄印刷層
を形成する工程と、前記絵柄印刷層を含む前記基材シー
トの表面上に接着剤層を設けた後、連続して前記接着剤
層の表面上に長尺状の被印刷物を被着させる工程とを具
備することを特徴とする転写印刷シートの製造方法を提
供する。
【0015】さらに、本発明は、長尺状の基材シートの
表面に所望のパターンで印刷インキを印刷して絵柄印刷
層を形成する工程と、前記絵柄印刷層を含む前記基材シ
ートの表面上に接着剤層を設けた後、連続して前記接着
剤層の表面上に長尺状の被印刷物を被着させて転写印刷
シートを得る工程と、前記転写印刷シートから前記基材
シートを引き剥がして転写印刷物を得る工程とを具備す
ることを特徴とする転写印刷物の製造方法を提供する。
【0016】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0017】本発明の転写印刷シートにおいて、基材シ
ートとしては、セロファン、プラスチックフィルム等を
用いることができる。このうち、プラスチックフィルム
としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン
(PE)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PP
S)フィルム、ポリブチルテレフタレート(PBT)フ
ィルム、ナイロン(ONY)フィルム等のプラスチック
フィルムが好ましい。
【0018】プラスチックフィルムの厚さは、特に制限
されないが、例えば、6〜50μmである。
【0019】上述のプラスチックフィルムの表面は、未
処理のものが望ましい。
【0020】基材シートの表面上には、必要に応じて後
述の絵柄印刷層および接着剤層の剥離を確実かつ容易に
するために、剥離剤層が設けられる。剥離剤層として
は、例えば、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂等を用いる
ことができる。剥離剤層は、剥離後に絵柄印刷層を保護
するオーバーコート層として機能し得る。
【0021】しかし、剥離剤層は、基材シートの表面の
ぬれ性が十分に低く、絵柄印刷層および接着剤層が剥離
しやすい場合には省略することも可能である。
【0022】基材シートの表面上に、必要に応じて剥離
剤層を介して、絵柄印刷層が設けられている。絵柄印刷
層は、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等
により形成される。例えば、グラビア印刷の場合、アク
リル/ビニル系等の通常インキを用いることができる。
【0023】ここで、絵柄は、後述の転写によって被印
刷物の表面にインキが転写されるため、鏡像で印刷する
必要がある。
【0024】絵柄印刷層を含む基材シートの表面上に
は、接着剤層が設けれている。接着剤層は、例えば、ド
ライラミネートに用いられる加熱硬化型接着剤または光
硬化型接着剤が好ましい。加熱硬化型接着剤は、熱によ
り化学反応を起こして硬化するものであり、例えば、ウ
レタン系樹脂接着剤、エステル系樹脂接着剤、エーテル
系樹脂接着剤等である。また、光硬化型接着剤は、電子
線や紫外線の照射により硬化するタイプであって、例え
ば、ウレタン系樹脂接着剤、ポリエステル系樹脂接着剤
等である。
【0025】接着剤層の表面には、被印刷物が被着され
る。被印刷物は、例えば、紙、板紙、木材、プラスチッ
ク、皮等である。特に、被印刷物が紙、板紙である場
合、アート紙、コート紙、上質紙、純白ロール紙、クラ
フト紙、キャストコート紙、マニラボール、コートカー
ド等の各種紙を利用できる。本発明の転写印刷シート
は、純白ロール紙、クラフト紙、および、サイズ剤が多
く添加されている液体容器用カートン原紙のような、通
常印刷適性が悪い、表面が粗い紙を用いた場合に特に有
効であるが、アート紙、コート紙等の表面が平滑な紙も
使用可能である。
【0026】本発明の転写印刷シートを用いた被印刷物
への転写印刷によれば、表面が粗い紙への印刷も色抜け
を生じることなく行うことが可能である。例えば、JI
SB 0651に準拠した触針法によって測定された紙
の表面粗さが、5μm以上の紙(例えば、8〜25μm
のざら紙)にも印刷が可能である。
【0027】また、紙にはサイズ剤が添加されている。
サイズ剤は、紙に耐水性を付与したり、インキや水に対
する浸透抵抗性を付与するために用いられる。サイズ剤
の種類には、酸性サイズ剤および中性サイズ剤がある。
酸性サイズ剤としては、けん化天然ロジン、ロジンに無
水マレイン酸またはフマール酸を付加させた強化ロジ
ン、石油樹脂サイズ剤、ワックスエマルジョンサイズ剤
等がある。中性サイズ剤としては、アルキルケテンダイ
マー、アルケニル無水コハク酸、無水ステアリン酸等が
ある。
【0028】このようなサイズ剤が添加された紙は、水
やインキの浸透性が悪い。このため、直接印刷ではイン
キとのぬれ性が悪く、インキが紙にきれいに付着しな
い。これに対して、本発明ではインキは接着剤を介して
紙に接着されるので色ぬけが生じ難い。従って、サイズ
剤が添加された紙への印刷に本発明を適用することは好
ましい。
【0029】さらに、本発明の転写印刷シートによれ
ば、グラビア印刷において、一種類のグラビア印刷機に
より厚さの異なる広範囲の用紙への印刷が可能となるの
で、既に保有するグラビア印刷機で直接印刷できない厚
さの紙を使用することができる。
【0030】次に、本発明の転写印刷シートの製造方法
について詳細に説明する。
【0031】まず、長尺状の基材シートの表面に所望の
パターンで印刷インキを印刷して絵柄印刷層を形成す
る。印刷は、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、ス
クリーン印刷等により行う。例えば、基材シートは、処
理前はリールに巻き取られている。そして、基材シート
をリールから引き出し、印刷装置の印刷用ロール間に送
通させることにより印刷される。印刷後、基材シートは
再びリールに巻き取る。
【0032】剥離剤層が必要な場合には、例えば、基材
シートへの多色刷りの1色として、剥離剤を基材シート
の表面に均一に塗布しておく。
【0033】次いで、絵柄印刷層を含む基材シートの表
面上に接着剤層を設けた後、連続して接着剤層の表面上
に長尺状の被印刷物を被着させる。この工程は、いわゆ
るドライラミネートにより行うことができる。まず、有
機溶剤に溶解したタイプの接着剤または無溶剤タイプの
接着剤を、基材シートの表面上に均一に塗布する。次
に、有機溶剤タイプの接着剤を使用した場合には、乾燥
機にて熱風を吹き付けて溶剤を蒸発、除去させる。これ
により、基材シートの表面上に均一な接着剤層が形成さ
れる。
【0034】引き続いて、接着剤層が形成された基材シ
ートに対して、被印刷物を被着する。ここで、接着剤に
加熱硬化性樹脂を用いた場合には、例えば、加熱金属ロ
ールを用いて、加熱・圧着して、基材シートと被印刷物
とを接着する。この後、接着剤が硬化するのに必要な時
間(例えば、24〜72時間)、常温または適当な温度に加
熱しながら貯蔵する。光硬化型接着剤の場合には、電子
線または紫外線を照射することにより接着剤を硬化させ
る。この場合には、貯蔵は必要ない。
【0035】より詳細には、加熱硬化型接着剤を用いた
場合には、印刷済みの基材シートをリールから引き出
し、接着剤塗布装置の塗布用ロール間を送通させて接着
剤を塗布する。次いで、接着剤を塗布した基材シート
を、乾燥機中に送通させ、熱風を吹き付けて溶剤を蒸
発、除去させる。次いで、基材シートおよび被印刷物を
加熱金属ロールまたは金属ロールで圧着して接着させ、
得られた転写印刷シートはリールに巻き取られ、常温ま
たは適当な温度に加熱しながら貯蔵して接着剤を硬化さ
せる。
【0036】このようにして得られた転写印刷シート
は、基材シートから、表面に接着剤層および絵柄印刷
層、並びに、必要な場合には剥離剤層を有する被印刷物
を引き離して、仕上がり製品を得ることができる。ここ
で、剥離された基材シートは、再利用が可能である。
【0037】また、光硬化型接着剤を用いた場合には、
印刷済みの基材シートをリールから引き出し、電子線照
射装置または紫外線照射装置で電子線または紫外線を照
射して、接着剤を硬化させる。得られた転写印刷シート
はリールに巻き取る必要が無く、連続して基材シートか
ら接着剤層および絵柄印刷層並びに必要な場合には剥離
剤層を有する被印刷物を引き離して、転写印刷物を得る
ことができる。ここで、剥離された基材シートも、再利
用が可能である。
【0038】
【作用】本発明の転写印刷シートは、絵柄印刷層は、表
面が平滑な基材シートの表面上に設けられ、かつ、被印
刷物の表面上に接着剤層を介して転写され得る。このた
め、本発明の転写印刷シートは、被印刷物の表面が粗く
とも接着剤が両者の間に介在するためにインキが全て被
印刷物の表面上に転写されるので、色ぬけが起こること
が防止される。
【0039】本発明の転写印刷シートの製造方法によれ
ば、まず、第1の工程で基材シート表面上への印刷を行
い、次いで、第2の工程で接着剤の塗布および被印刷物
とのラミネートを連続して行う。このため、得られた転
写印刷シートはリールに巻き取っても外表面層は基材シ
ートと被印刷物で構成され、接着剤層が表面に出ないた
め、ブロッキングが起こらない。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0041】図1は、本発明の転写印刷シートの一例を
示す断面図である。
【0042】図中1は、厚さ25μmの表面未処理のポリ
エチレンテレフタレート(PET )フィルム[太閤ポリエ
ステルフィルムFE2000;二村化学製]からなる基
材シートである。基材シート1の表面上には、転写箔用
剥離剤[アクリル系樹脂TR−16CWニスNo.4;
大日本インキ化学工業(株)製]からなる剥離剤層2が
設けられている。剥離剤層2の厚さは0.5〜1μmで
ある。剥離剤層2は、基材シート1を剥離した後はオー
バーコート層として機能する。
【0043】剥離剤層2の表面上には、ビニール/アク
リル系樹脂からなるインキ3[紙包装紙用インキXOS
−1200;大日本インキ化学工業(株)製]が所望の
パターンでグラビア印刷されている。インキ3のパター
ンは、被印刷物の表面に印刷されるべきパターンの鏡像
である。
【0044】インキ3を含む剥離剤層2の表面上に、接
着剤層4を介して、液体カートン容器用のカートン原紙
からなる被印刷物5が接着されている。接着剤層4は、
ポリエステルウレタン系主剤とポリイソシアネート系硬
化剤からなるドライラミネート接着剤[ディックドライ
LX901/KW75;大日本インキ化学工業(株)
製]からなる。接着剤は、乾燥時に1平方メートルあた
り2〜5gの割合で塗布されている。
【0045】上述の構成からなる転写印刷シート10は、
インキ3が、表面が平滑な基材シート1の表面上に設け
られた剥離剤層2の表面上に印刷されている。そして、
基材シート1を剥離した場合に、被印刷物5の表面上に
接着剤層4を介して転写される。インキ3が直接に被印
刷物5の表面に印刷されている場合には被印刷物5の表
面が粗いと色ぬけが起こりやすい。しかし、本実施例の
転写印刷シート10では、被印刷物5の表面は粗いが、接
着剤4がインキ3と被印刷物5の間に介在するために、
インキ3が全て被印刷物5の表面上に転写される。この
結果、被印刷物5の表面状態にかかわらず、色ぬけのな
い高品質の印刷が実現可能である。
【0046】液体容器用カートン原紙は、耐水性を強化
するためにサイズ剤が多量に添加されている。一般に、
サイズ剤は紙の水分やインキの浸透性を低下させる。直
接印刷の場合にインキを直接紙に付着させるが、インキ
のぬれ性が悪く、色ぬけが生じやすい。これに対して、
本発明の転写印刷シートでは、インキを接着剤により紙
の表面に接着させるので色ぬけを生じにくい。
【0047】次に、本願発明の転写印刷シート10の製造
方法について、図2〜5を参照して説明する。
【0048】まず、基材シート1の表面上に剥離剤の塗
布および印刷を施す(図2中11)。すなわち、リール
21に巻かれた基材シート1を引き出し、ガイドロール2
2,23を経て剥離剤塗布部24へ導入する。剥離剤塗布部24
は、1対の塗布用ロール24a,24b と、剥離剤25を収容す
る容器24c からなる。導入された基材シート1は、塗布
用ロール24a,24b の間を送通させる。この際、下側の塗
布用ロール24b により剥離剤25が塗布され、基材シート
1の表面に剥離剤層2が形成される。剥離剤層2が設け
られた基材シート1aは、ガイドローラ26,27,28を経
て、印刷部29に導入される。印刷部29は、通常のグラビ
ア印刷機であり、印刷する色数に応じた数(例えば4
つ)だけ用意される。かかる印刷部29において、基材シ
ート1の表面上に形成された剥離剤層2の表面上にイン
キ3が印刷される。印刷後の基材シート1bは、ガイド
ロール30を介してリール31に巻き取られる。
【0049】次に、図4に示すドライラミネート装置40
を用いて、印刷後の基材シート1bに被印刷物5をラミ
ネートする。まず、リール31から基材シート1bを引き
出し、ガイドロール41,42 を介して、接着剤塗布部43に
導入する。接着剤塗布部43は、1対の塗布用ロール43a,
43b と、接着剤溶液44を収容する容器43c からなる。接
着剤塗布部43に導入された基材シート1bは、塗布用ロ
ール43a,43b の間を送通される。この際、下側の塗布用
ロール43b により接着剤溶液44が塗布される。接着剤溶
液44が塗布された基材シート1cは、ガイドローラ45,4
6 を経て、乾燥部47へ導入される。乾燥部47では、基材
シート1cに対して、50〜80℃の熱風が吹き付けられ
る。これにより、接着剤溶液44の溶剤が蒸発・除去され
て、接着剤層4が形成される(図2中12)。
【0050】接着剤層4が形成された基材シート1d
を、ガイドローラ48を介して加熱金属ロール51に導入す
る。一方、被印刷物5をリール49から引き出し、ガイド
ロール50を経て加熱金属ロール51へ基材シート1dと共
に導入する。基材シート1dおよび被印刷物5を互いに
重ね合わせた状態で加熱金属ロール51の間に挿入し、加
熱および圧着する(図2中13)。これにより、接着剤層
4を構成するポリエステルウレタン系主剤とポリイソシ
アネート系硬化剤からなるドライラミネート接着剤が、
50〜80℃に加熱され、基材シート1dおよび被印刷物5
がラミネートされ、転写印刷シート10が得られる。得ら
れた転写印刷シート10は、リール52に巻き取られる。
【0051】得られた転写印刷シート10は、適当な接着
力を得るために、室温または40〜60℃に加熱した状態
で、24〜72時間貯蔵し、接着剤層4を硬化させる(図2
中14)。
【0052】次に、図5に示すデラミネート装置60によ
り、転写印刷シート10から基材シート1を剥離して、転
写印刷物65を得る(図2中15)。まず、リール52から転
写印刷シート10を引き出し、ガイドロール61を介して剥
離用ローラ62へ導入する。剥離用ローラ62に隣接して設
けられたローラ67を介して基材シート1を引き剥がす。
基材シート1はローラ68を経てリール69に巻き取る。一
方、残された被印刷物5、接着剤層4、インキ3、剥離
剤層2からなる転写印刷物65は、ローラ63,64を経てリ
ール66に巻き取る。
【0053】上述の転写印刷シートの製造方法によれ
ば、まず、第1の工程で基材シート1の表面上への剥離
剤層2の形成および印刷を行い、次いで、第2の工程で
接着剤の塗布および被印刷物5とのラミネートを連続し
て行う。このため、得られた転写印刷シート10はリール
に巻き取っても外表面層が基材シート1および被印刷物
5で構成され、接着剤層4が表面に出ないため、ブロッ
キングが起こらない。この結果、ブロッキングによる転
写印刷物65や基材シート1のロスを低減することができ
る。
【0054】なお、上述の実施例では、接着剤として、
二液ポリエステルウレタン樹脂系接着剤を用いた場合に
ついて説明したが、電子線硬化および紫外線硬化タイプ
の接着剤(具体的には、ウレタン系樹脂接着剤、ポリエ
ステル系樹脂接着剤等)を用いることができる。電子線
硬化タイプの接着剤の場合には、図6に示す如く、ラミ
ネート装置40とデラミネート装置60を連結した装置
70を用いることができる。すなわち、加熱金属ロール
51から導出された圧着後の基材シート1dおよび被印刷
物5に、電子線照射装置52で電子線を照射し、接着剤を
硬化させる。転写印刷シート10の貯蔵の必要がないの
で、転写印刷シート10を、ロール71、72、73を
介して、剥離用ローラ62へ導入する。剥離用ローラ62に
隣接して設けられたローラ67を介して基材シート1を引
き剥がす。基材シート1はローラ68を経てリール69に巻
き取る。一方、残された被印刷物5、接着剤層4、イン
キ3、剥離剤層2からなる転写印刷物65は、ローラ63,6
4 を経てリール66に巻き取る。
【0055】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の転写印刷シ
ートによれば、絵柄印刷層は、表面が平滑な基材シート
の表面上に設けられ、かつ、被印刷物の表面上に接着剤
層を介して転写され得る。このため、本発明の転写印刷
シートは、被印刷物の表面が粗くとも接着剤が両者の間
に介在するので、インキが全て被印刷物の表面上に転写
される。この結果、被印刷物の表面状態の如何にかかわ
らず、色ぬけが起こることが防止され、高品質な被印刷
物を得ることができる。
【0056】また、本発明の転写印刷シートの製造方法
によれば、まず、第1の工程で基材シート表面上への印
刷を行い、次いで、第2の工程で接着剤の塗布および被
印刷物とのラミネートを連続して行う。このため、得ら
れた転写印刷シートはリールに巻き取っても外表面層は
基材シートおよび被印刷物で構成され、接着剤層が表面
に出ないため、ブロッキングが起こらない。この結果、
ブロッキングにより引き起こされるロスを著しく低減し
て、製造コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写印刷シートの一例を示す断面図。
【図2】本発明の転写印刷シートの製造方法の工程を示
すフローチャート。
【図3】本発明の転写印刷シートの製造方法の剥離剤層
の形成および印刷の工程を示す説明図。
【図4】本発明の転写印刷シートの製造方法のラミネー
ト工程を示す説明図。
【図5】本発明の転写印刷シートの製造方法のデラミネ
ート工程を示す説明図。
【図6】本発明の転写印刷シートの製造方法のラミネー
トおよびデラミネート工程を示す説明図。
【符号の説明】
10…転写印刷シート、1…基材シート、2…剥離剤層、
3…インキ、4…接着剤層、5…被印刷物、24…剥離剤
層塗布部、29…印刷部、40…ドライラミネート装置、43
…接着剤塗布部、47…乾燥部、51…加熱金属ロール、60
…デラミネート装置。
フロントページの続き (72)発明者 松原 英司 京都府京都市南区久世築山町212−1 日 本たばこ産業株式会社印刷技術開発センタ ー内 (72)発明者 古村 澄 東京都品川区東品川四丁目12番62号 日本 たばこ産業株式会社内 (72)発明者 川手 正総 神奈川県茅ヶ崎市萩園826 東海アルミ箔 株式会社内 (72)発明者 金井 千秋 神奈川県茅ヶ崎市萩園826 東海アルミ箔 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートと、前記基材シートの表面上
    に形成された絵柄印刷層、前記絵柄印刷層を含む前記基
    材シートの表面上に設けられた接着剤層、および前記接
    着剤層の表面上に被着されたシート状の被印刷物を具備
    することを特徴とする転写印刷シート。
  2. 【請求項2】 被印刷物が、液体容器用カートン原紙、
    純白ロール紙またはクラフト紙である請求項1記載の転
    写印刷シート。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の転写印刷シートから基材
    シートを剥離することにより得られる転写印刷物。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の転写印刷シートから基材
    シートを剥離することにより得られる転写印刷物。
  5. 【請求項5】 長尺状の基材シートの表面に所望のパタ
    ーンで印刷インキを印刷して絵柄印刷層を形成する工程
    と、前記絵柄印刷層を含む前記基材シートの表面上に接
    着剤層を設けた後、連続して前記接着剤層の表面上に長
    尺状の被印刷物を被着させる工程とを具備することを特
    徴とする転写印刷シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 被印刷物が、液体容器用カートン原紙、
    純白ロール紙またはクラフト紙である請求項5記載の転
    写印刷シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 長尺状の基材シートの表面に所望のパタ
    ーンで印刷インキを印刷して絵柄印刷層を形成する工程
    と、前記絵柄印刷層を含む前記基材シートの表面上に接
    着剤層を設けた後、連続して前記接着剤層の表面上に長
    尺状の被印刷物を被着させて転写印刷シートを得る工程
    と、前記転写印刷シートから前記基材シートを引き剥が
    して転写印刷物を得る工程とを具備することを特徴とす
    る転写印刷物の製造方法。
  8. 【請求項8】 被印刷物が、液体容器用カートン原紙、
    純白ロール紙またはクラフト紙である請求項7記載の転
    写印刷物の製造方法。
JP23811694A 1994-09-30 1994-09-30 転写印刷シートおよび転写印刷物ならびにそれらの製造方法 Pending JPH0899456A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011530434A (ja) * 2008-08-14 2011-12-22 ス ソ,パン 転移型印刷方法と装置及びこれにより製造された被印刷物
JP2014214856A (ja) * 2013-04-30 2014-11-17 大日本印刷株式会社 真空断熱材の製造方法、および真空断熱材用外包材
JP2014228114A (ja) * 2013-05-24 2014-12-08 大日本印刷株式会社 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き機器

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JP2014228114A (ja) * 2013-05-24 2014-12-08 大日本印刷株式会社 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き機器

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