JP3695948B2 - 紙面のコーティング方法およびコーティング装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロールに巻かれた長尺な紙材に紫外線硬化樹脂等の特定光線硬化樹脂からなるコーティング層を形成するコーティング方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙などの基材の光沢加工として、表面にポリエチレン等の樹脂膜をコーティングする処理が行われている。
従来のコーティング手法としては、多くの場合、押出法によって行われているが、この押出法では押し出しによるフィルム化のため再生紙の過程でトラブルが生じて故紙にできない。また、最近の加工技術として樹脂液コーティングでは、コンマコータ、ナイフコーター、リーバースコーターなどのいずれの手法によっても樹脂膜をかなり厚く(ウエット換算で約40g/m2〜約50g/m2)コーティングしなければならなかった。そして、塗布した樹脂膜にフィルムを重ね合わせてフィルム表面の平滑面を転写したり、或はフィルムの表面に形成したエンボスなどの凹凸を樹脂膜に転写する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
現在、環境問題などの観点から故紙の再生が社会的に大きな要請となっている。
ここで、樹脂コーティングを施した紙材については、故紙再生時に紙材表面の樹脂膜を撹拌したり粉砕してアルカリ溶剤等で取り除く必要がある。
しかしながら、従来にあっては上記のような事情から樹脂膜は紙面上に比較的厚く形成されるため、樹脂膜を十分に取り除くことが困難で、上記紙材は事実上再生されていない。
また、従来のコーティング方法により樹脂膜を薄くコーティングすると、塗布膜は酸素疎外により未硬化となり紙材との接合力や強度が不足しがちであった。
さらに、フィルムの平滑面を転写したり、或はフィルムの表面に形成した凹凸を転写する場合、加熱と加圧をしながらフィルムを繰り返し使用するため、フィルムの伸びや凹凸の潰れ、歪みがあるので、フィルムの耐久性に問題を生じることが少なくなかった。特に、ホログラムに代表される超微細な凹凸を樹脂膜に転写して形成する場合に、凹凸が潰れると、樹脂膜に転写した凹凸に誤差が生じて光の反射が狂ってしまうので、鮮明な模様や図柄を形成することができなかった。また、フィルムが伸びた場合も、同様な不都合を生じ易い。
【0004】
本発明は上記した従来の事情に鑑みなされたもので、紙面上に比較的薄くて十分な接合力を有する樹脂膜のコーティングを施すことができるコーティング方法及びその装置を提供することを目的とする。また、要求される強度を満足させつつも、故紙再生時には樹脂膜をできるかぎり薄膜にして、撹拌やアルカリ溶液で取り除き易くすることを目的とする。さらにまた、加熱や加圧を最小限にしてフィルムの凹凸の潰れや歪みや伸びを抑制することによりフィルムの耐久性を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載のコーティング方法は、ロールから巻き戻された紙材に、光線を照射すると硬化する光線硬化樹脂塗料を塗布して塗布膜を形成する工程と、
前記紙材と前記光線を透過するフィルムとを重ね合わせる直前に第1の光線照射装置により前記光線を照射して前記塗布膜の硬化を開始させ、塗布膜が硬化を開始した後に塗布膜とフィルムの表面とを圧着させ、その後で当該フィルムを通して第2の光線照射装置により前記光線を照射して当該塗布膜を硬化させる工程と、
外力を加えて前記紙材に形成された硬化塗布膜から前記フィルムを剥離させる工程と、
を含むことを特徴とする。
ここで、光線硬化樹脂とは、可視光線に限らず特定波長の光線(ビーム)を照射することにより硬化する樹脂であり、例えば紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂などがある。
【0006】
請求項2に記載のコーティング方法は、前記光線硬化樹脂塗料は、ウエット換算で3〜15g/m 2 が塗布されることを特徴とする請求項1に記載の紙面のコーティング方法である。
【0007】
請求項3に記載のコーティング方法は、前記フィルムが、光線硬化樹脂塗料と重なり合う表面に凹凸を形成した版であり、この版の凹凸を光線硬化樹脂塗料の塗布膜に転写することを特徴とする請求項1または2に記載の紙面のコーティング方法である。
【0008】
請求項4に記載のコーティング装置は、ロールから巻き戻された紙材に、光線を照射すると硬化する光線硬化樹脂塗料を塗布して塗布膜を形成する樹脂塗布装置と、
前記紙材と前記光線を透過するフィルムを挟圧して前記塗布膜を当該フィルムの表面に圧着させる一対の加圧ローラ、及び、当該加圧ローラで前記紙材と前記光線を透過するフィルムとを重ね合わせる直前に前記光線を照射して前記塗布膜の硬化を開始させる第1の 光線照射装置と、その下流側に配置されて、フィルムを通して前記光線を照射して当該塗布膜を硬化させる第2の光線照射装置を有する硬化装置と、
外力を加えて前記紙材に形成された硬化塗布膜から前記フィルムを剥離させる剥離装置と、
前記紙材を樹脂塗布装置、硬化装置、剥離装置へと順次搬送する紙材搬送装置と、
前記フィルムを硬化装置、剥離装置へと順次搬送するフィルム搬送装置と、
を備えたことを特徴とする紙面のコーティング装置である。
【0009】
請求項5に記載のものは、前記フィルムが、印刷等により凹凸を形成した原版上に溶融樹脂を塗布して硬化させてから剥離して上記凹凸を転写した反転転写版であることを特徴とする請求項4に記載の紙面のコーティング装置である。
【0010】
請求項6に記載のものは、前記フィルムが、印刷によってフィルム表面にインクの凹凸を形成したものであることを特徴とする請求項4に記載の紙面のコーティング装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るコーティング装置1の構成の概略を示す図である。
この第1の実施の形態は、ロール状に巻かれた紙材2の表面を、代表的な光線硬化樹脂である紫外線硬化樹脂の膜でコーティングするものである。紙材2はロール3として紙材巻出し装置4に保持されており、巻き戻された紙材2はガイドローラ5で案内されて紙材巻取り装置6にロールとして巻き取られる。これら紙材巻出し装置4、ガイドローラ、紙材巻取り装置6は全体として紙材搬送装置を構成しており、紙材2のガイドローラ5による搬送途中には後述する樹脂塗布装置、硬化装置及び剥離装置が順次設けられている。
【0012】
一方、前記した特定の光線を透過する特性を有する、すなわち本実施形態では紫外線透過性の長尺なフィルム10がロール11としてフィルム巻出し装置12に保持されており、巻戻されたフィルム10はガイドローラ13で案内されてフィルム巻取り装置14にロールとして巻取られる。これらフィルム巻出し装置12、ガイドローラ13、フィルム巻取り装置14は全体としてフィルム搬送装置を構成しており、フィルム10のガイドローラ13による搬送途中には硬化装置及び剥離装置が順次設けられている。
【0013】
上記した樹脂塗布装置は、紫外線硬化樹脂の溶液を貯留する貯留槽15と、貯留槽15内の紫外線硬化樹脂溶液を塗布ローラ16の表面に均一に塗布するローラ17と、紙材2の搬送方向に対応して回転駆動される塗布ローラ16とを備えており、硬化装置の上流側近傍に設けられている。
【0014】
また、上記した硬化装置は、フィルム10に接して当該フィルム10の搬送方向に対応して回転駆動される光線透過性(紫外線透過性)の加圧ローラ20と、回転自在に設けられて加圧ローラ20との間で搬送されてきたフィルム10と紙材2を重ね合わせて挟圧する受け側の加圧ローラ21と、加圧ローラ20に内蔵された第1の光線照射装置としての紫外線照射ランプ22と、搬送方向の下流側であって加圧ローラ20,21の近傍に設けられた第2の光線照射装置としての紫外線照射ランプ23とを備えている。
【0015】
また、上記した剥離装置は、フィルム10を紙材2上に形成された硬化した塗布膜から離隔する方向へ案内するセパレートローラ24と、剥離されるフィルム10に対抗して紙材2を挟持案内する一対の保持ローラ25,25とを備えている。
【0016】
ここで、上記フィルム10は平滑な表面を有して樹脂が浸透及び密着しない素材、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレン複合材等といった紫外線透過性材料からなるフィルムが用いられる。なお、このフィルム10はコロナ処理などの処理を施さない未処理フィルムであることが望ましい。
【0017】
また、フィルム10は、表面が平滑なものに限定されるものではなく、樹脂膜の表面をどのように処理するかにより適宜に選択することができる。例えば、樹脂膜を光沢のある艶出し表面とする場合には、表面が平滑なフィルム10を選択して使用し、樹脂膜を艶消しにしたい場合には表面がマット状に処理されたフィルム10を選択し、細かな凹凸からなる模様や図柄を樹脂膜に形成したい場合には表面に小さな凹凸、例えばエンボスからなる模様や図柄を形成したフィルムを版として使用し、樹脂膜に超微細な凹凸からなるホログラムを形成する場合には、形成するホログラムとは逆の超微細凹凸を表面に形成したフィルムを反転転写版として使用する。この様に、表面に凹凸を形成した反転転写版(フィルム)を作成する場合には、印刷等の手段により凹凸を形成した原版上に剥離剤を塗布してから熱溶融樹脂、例えば溶融ポリエチレンを塗布する。そして、この溶融樹脂が硬化した後に剥離し、この剥離した硬化塗布膜を、原版の凹凸を転写した反転転写版(フィルム10)として使用する。この様にして反転転写版を作成すると、印刷用の版は一般に安価で容易にできるので、これを反転転写してもコーティング用の版を容易に且つ安価に作成することができ、ホログラムの様に超微細な凹凸からなる版であっても十分な精密度を維持しつつ容易に且つ安価に作成できる。 なお、原版を印刷で作成する場合には、グラビア、フレキソ、オフセット、スクリーンなど公知の印刷により作成でき、印刷したインクの部分が凸になる。
また、フィルムの表面に図柄などを直接印刷して、この印刷により、インクの凹凸を形成し、この凹凸を樹脂塗布膜に転写するように構成してもよい。この場合、印刷したフィルムの表面に剥離剤を塗布することが望ましい。
【0018】
また、上記紫外線硬化樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、アクリル/スチレン等といったアルカリ可溶性の樹脂が用いられる。なお、アルカリ溶剤を用いる故紙再生技術を考慮すれば、紫外線硬化樹脂はアルカリ可溶性の樹脂が用いられるが、故紙再生の方法に応じて生分解性の樹脂塗料等であってもよい。
また、上記加圧ローラ20は、例えば透明なガラスチューブで構成されるが、加圧に耐える強度及び必要な紫外線透過性を有すれば特にその材質に限定はない。
【0019】
次に、上記構成のコーティング装置1の作用を説明して本発明に係るコーティング方法を具体的に説明する。
まず、紙材2は紙材搬送装置により紙材巻出し装置4から紙材巻取り装置6へとガイドローラ5で案内されながら搬送される。そして、硬化装置の上流側近傍に設けられている塗布ローラ16はリバース回転駆動され、その外周面にローラ17を介して貯留槽15内の樹脂溶液を付着させてこれを搬送される紙材2の一方の表面に塗布する。
【0020】
このように硬化装置の上流側近傍で紙材2に樹脂を塗布してから硬化装置に供給するので、紙材2に樹脂をある程度含浸させることができる。このため硬化した塗布膜は、頑強に紙材2にコーティングされて、紙材2を補強するとともに、コーティング膜(硬化塗布膜)の剥がれを防止する。
【0021】
この樹脂溶液の塗布に際してはローラ17により塗布ローラ16の塗布量が決定され、紙材2の表面上には比較的薄く(ウエット換算で約3g/m2〜約15g/m2)かつ均一の厚さの塗布膜が形成される。
【0022】
上記のようにして樹脂溶液の塗布膜が形成された紙材2は、その塗布膜が形成されていない側の表面を加圧ローラ21に接して、回転駆動されている一対の加圧ローラ20,21間に巻き込まれる。
【0023】
一方、フィルム10はフィルム搬送装置によりフィルム巻出し装置12からフィルム巻取り装置14へとガイドローラ13で案内されて搬送される。この搬送経路において、フィルム10は上記紙材2と共に加圧ローラ20,21間に巻き込まれ、紙材2と塗布膜を介して重ね合わされる。そして、第1の紫外線照射ランプ22からの紫外線が加圧ローラ20及びフィルム10を通して紙材2の表面に圧着された状態にある塗布膜に照射される。このように紙材2とフィルム10が加圧ローラ20,21間で挟圧されて塗布膜がフィルム10に圧着されたと同時に、塗布膜をある程度硬化させる。
【0024】
また、紙材2上に塗布された塗布膜は、加圧ローラ20,21によりフィルム10と圧着される直前から塗布膜表面に第1の紫外線照射ランプ22からの紫外線が照射されている。このため、塗布膜表面が硬化を開始した後に加圧ローラ20,21によるフィルム10との圧着が行われ、この圧着により塗布膜が平滑に形成される。そして、硬化した塗布膜とフィルム10との接合力は、塗布膜表面が硬化を開始する前からフィルム10に圧着していた場合と比較すると弱く、したがって、後述するフィルム剥離工程におけるフィルム10の剥離を容易にすることができる。
【0025】
なお、本発明とは逆に、フィルム側に紫外線硬化樹脂塗料を塗布し塗布膜を形成し、このフィルムと紙材とを加圧ローラにより圧着させるとともに、紫外線を照射して塗布膜を硬化させ、硬化した後に外力を加えて紙材からフィルムを剥離させて紙材の表面に塗布膜を転写する方法も考えられる。しかしながら、この場合、フィルム表面の塗布膜は、加圧ローラにより紙材2に対して圧着される直前から第1の紫外線照射ランプによって紫外線が照射されるので、フィルム表面に塗布膜が付着した状態で塗布膜が硬化を開始してしまう。このため、塗布膜のフィルム表面に対する接合力が強く、しかしその反面塗布膜の紙材に対する接合力が弱められてしまい、フィルム剥離工程において硬化塗布膜からフィルムを剥離する際に強い力を必要とする。フィルム剥離に要する力は、フィルムを伸ばす力(フィルムに対する張力)としても作用するので、フィルムの伸びの原因となり、ひいてはフィルムの表面の平滑性を損なうものである。そこで、前記した様に、塗布膜が硬化を開始した後にフィルム10に圧着するようにすると、塗布膜のフィルム10に対する接合力を弱めた状態で平滑化する機能を発揮させて、フィルム10に強い引っ張り力を作用させることなく剥離ができる。したがって、繰り返し使用するフィルム10の耐久性を高めることができる。
【0026】
また、小さな凹凸を表面に形成したフィルムの場合も同様の効果を期待することができる。特に、ホログラムを塗布膜に形成する時に版として使用するフィルム10の場合、前記剥離の際の引っ張り力により伸びると、超微細な凹凸の位置が微妙に狂ってしまうので、設計通りのホログラムを形成することが困難であるが、フィルムに作用する引っ張り力を小さくすることができると、伸びを抑制することができる。したがって、前記した様に、剥離に要する力を少なくすることができると、ホログラムを形成するフィルム10の場合には耐久性の向上に大きく寄与する。
【0027】
上述の半硬化された塗布膜によって重ね合わされたフィルム10と紙材2はその後、加圧ローラ20,21から第2の紫外線照射ランプ23へと搬送され、ここで再び第2紫外線照射ランプ23からの紫外線がフィルム10を通して塗布膜に照射されて、塗布膜が完全に硬化される。なお、紙材2上に形成された塗布膜は薄いものであり、且つ、搬送途中で外気に晒されることから化学反応における酸素疎外を生じないため、塗布膜の硬化は迅速に完結され、硬化の戻りが生ずることはない。
【0028】
塗布膜が完全に硬化されると紙材2とフィルム10は剥離装置へと搬送され、セパレートローラ24でフィルム10を紙材2から離隔する方向へ案内して引き剥すと共に、引き剥されるフィルム10に抗して紙材2を一対の保持ローラ25,25で挟持する。上述したように紙材2に樹脂をある程度含浸させているので、硬化した塗布膜は紙材2の表面に強固に接合して残存するとともに、塗布膜を硬化開始後にフィルム10と圧着したため、フィルム10は塗布膜から容易に剥離される。また、フィルム10の表面が平滑である場合には、このようにして紙材2上に形成された硬化塗布膜はその表面が平滑となる。一方、表面に凹凸を形成したフィルムを版として使用すると、このフィルムの凹凸とは反転した凹凸が塗布膜に転写される。
【0029】
上記のようにして硬化された塗布膜で表面をコーティングされた紙材2は紙材巻取り装置6でロールに巻き取られ、一方、フィルム10はフィルム巻取り装置14でロールに巻取られる。上記一連の工程によって形成される硬化塗布膜(樹脂膜)は、比較的薄くかつ均一な膜厚で紙材2の表面をコーティングし、且つ、紙材2にある程度含浸されているので十分な接合力がある。
【0030】
また、フィルム10は、加圧ローラ20,21等による圧着・硬化工程から剥離工程間のみ塗布膜と接しているので、樹脂溶液(塗布膜)と接する時間を短くできるとともに、半硬状態の塗布膜と接するので、塗布膜と接するフィルム10表面の劣化(圧着・剥離による平滑性の低下)を抑制できる。したがって、塗布膜を平滑化する機能を維持した状態でフィルム10を繰り返し使用できる。
【0031】
なお、上述した第1の実施の形態におけるコーティング装置1は、紙材2上に形成された塗布膜を平滑するためのフィルム10を繰り返し使用しても、フィルム10の平滑機能や凹凸転写機能を維持できるのでエンドレス式のフィルム10を使用したものにも適している。
【0032】
なお、上記した実施の形態では、塗布ローラ16を備えた樹脂塗布装置を示したが、この樹脂塗布装置は紙材2の表面に紫外線硬化樹脂を塗布することができればよく、例えば、紫外線硬化樹脂塗料をスプレーで吹き付けて塗布する形式、グラビア、フレキソ、バーコーターなどでもよい。
【0033】
また、上記した実施形態では、光線硬化樹脂として代表的な紫外線硬化樹脂をコーティングする例を挙げて説明したが、本発明における光線硬化樹脂はこれに限定されるものではない。例えば、電子線(電離線:エレクトリックビーム)の照射により硬化する電子線硬化樹脂でもよい。そして、この場合のフィルムはこの電子線を透過させる特性を有し、また、照射ランプ(光線照射装置)も電子線を照射できるものとする。
紫外線は、紫外線透過フィルムを使用して、転写する基材がアルミニウム系の紙の場合に好適である。また電子線は、フィルムが紫外線を通さない場合に使用する。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、要求される強度等を満足させ、樹脂膜の膜厚が薄くても紙材表面をコーティングすることができる。
そして、形成された樹脂膜(硬化塗布膜)は膜厚が薄くても支障がなく、故紙再生に際して、適宜の溶液で紙材から容易に除去することができ、良質な紙材を再生することができる。
また、紙材を樹脂膜で表面コーティングしているため、この紙材を袋等に加工する際に、加熱加圧して樹脂膜を接着剤に利用したヒートシールを行うことができる。さらに、紙材に樹脂がある程度含浸しているので、加熱加圧した後も紙材と樹脂膜とが剥がれることがない。
また、フィルムを塗布膜の平滑化や凹凸の転写に使用しているだけであって、加熱する必要がないので、フィルム表面の劣化を抑制でき、フィルムの耐久性を向上させることができる。
さらに、紙材と光線透過性のフィルムとを重ね合わせる直前に光線を照射して塗布膜の硬化を開始させ、塗布膜が硬化を開始した後に塗布膜とフィルムの表面とを圧着させると共に、当該フィルムを通して光線を照射して当該塗布膜を硬化させると、フィルムを剥離する際にフィルムに作用する張力を弱くすることができるので、フィルムを繰り返し使用しても伸びを抑制することができる。したがって、フィルムの耐久性を向上させることができ、特に、ホログラム等の超微細凹凸を転写するフィルムにおいては顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るコーティング装置の全体構成図である。
【符号の説明】
1 コーティング装置
2 紙材
3 ロール
4 紙材巻出し装置
5 ガイドローラ
6 紙材巻取り装置
10 フィルム
11 ロール
12 フィルム巻出し装置
13 ガイドローラ
14 フィルム巻取り装置
15 樹脂溶液の貯留槽
16 塗布ローラ
17 ローラ
20,21 加圧ローラ
22,23 紫外線照射ランプ
24 セパレートローラ
25 保持ローラ
30 枚葉紙
31 紙材フィード装置
32 紙材ストック装置
33 駆動ローラ

Claims (6)

  1. ロールから巻き戻された紙材に、光線を照射すると硬化する光線硬化樹脂塗料を塗布して塗布膜を形成する工程と、
    前記紙材と前記光線を透過するフィルムとを重ね合わせる直前に第1の光線照射装置により前記光線を照射して前記塗布膜の硬化を開始させ、塗布膜が硬化を開始した後に塗布膜とフィルムの表面とを圧着させ、その後で当該フィルムを通して第2の光線照射装置により前記光線を照射して当該塗布膜を硬化させる工程と、
    外力を加えて前記紙材に形成された硬化塗布膜から前記フィルムを剥離させる工程と、
    を含むことを特徴とする紙面のコーティング方法。
  2. 前記光線硬化樹脂塗料は、ウエット換算で3〜15g/m 2 が塗布されることを特徴とする請求項1に記載の紙面のコーティング方法。
  3. 前記フィルムは、光線硬化樹脂塗料と重なり合う表面に凹凸を形成した版であり、この版の凹凸を光線硬化樹脂塗料の塗布膜に転写することを特徴とする請求項1または2に記載の紙面のコーティング方法。
  4. ロールから巻き戻された紙材に、光線を照射すると硬化する光線硬化樹脂塗料を塗布して塗布膜を形成する樹脂塗布装置と、
    前記紙材と前記光線を透過するフィルムを挟圧して前記塗布膜を当該フィルムの表面に圧着させる一対の加圧ローラ、及び、当該加圧ローラで前記紙材と前記光線を透過するフィルムとを重ね合わせる直前に前記光線を照射して前記塗布膜の硬化を開始させる第1の光線照射装置と、その下流側に配置されて、フィルムを通して前記光線を照射して当該塗布膜を硬化させる第2の光線照射装置を有する硬化装置と、
    外力を加えて前記紙材に形成された硬化塗布膜から前記フィルムを剥離させる剥離装置と、
    前記紙材を樹脂塗布装置、硬化装置、剥離装置へと順次搬送する紙材搬送装置と、
    前記フィルムを硬化装置、剥離装置へと順次搬送するフィルム搬送装置と、
    を備えたことを特徴とする紙面のコーティング装置。
  5. 前記フィルムは、印刷等により凹凸を形成した原版上に溶融樹脂を塗布して硬化させてから剥離して上記凹凸を転写した反転転写版であることを特徴とする請求項4に記載の紙面のコーティング装置。
  6. 前記フィルムは、印刷によって表面に凹凸を形成したものであることを特徴とする請求項4に記載の紙面のコーティング装置。
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