JPH0898741A - アームレストの角度調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】アームレストの角度調整装置において、ロック
性の向上を図ることである。 【構成】シートバック（ＳＢ）側に固定し、アームレス
ト（Ａ）を回転自在に軸支するシャフト（８１）にアー
ム（８０）を一体に設け、このアーム（８０）にロッド
アジャスタ（１）を連結し、ロッドアジャスタ（１）に
コイルバネからなるロックスプリング（３）と回転レバ
ー（２）を挿通して回転レバー（２）に、ロッドノブ
（５）の操作力によって回転する回転カム（４）を当接
してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車用シートのアーム
レスト、詳しくは、リクライニング装置により傾動する
シートバックの側面に設けたアームレストにおける角度
調整装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のリクライニング装置により傾斜角
度が調節できるシートバックに備えるアームレストは、
シートバックの傾斜角度の如何によらず、常に水平状態
に保持し得るように、また、着座者の体格に応じて高さ
を調整できるようにしたものがある（例えば特開平４ー
３６１７０８）。

【０００３】これは、シートバックの側面より突出する
取付軸に、セクターギヤを固定し、このセクターギヤに
噛合するロックギャを、前記取付軸に回動自在に軸着し
たフレーム側に設け、ロックギャにロックギャをセクタ
ーギヤに係脱させる操作機構を連結してなるものであ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従って、以上の従来品
はシートバックに固定した取付軸と一体のプレート状セ
クターギヤに、可動側のフレームに取付けたプレート状
のロックギャを噛合させることにより、アームレストを
一定の状態にロックするものである。そのため、ロック
ギャがセクターギヤに噛合するように的確に組立てる必
要があり、その組立の作業性が悪いし、また、アームレ
ストの起伏動作の繰返しにより、ロックギャのセクター
ギヤに対する噛合性が悪くなる不具合があった。そこ
で、本発明は組立作業が簡単で、アームレストの角度調
節が確実に行うことができると共に、アームレストのロ
ック状態を向上させることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めの本発明に係るアームレストの角度調整装置は、シー
トバックに固着されるシャフトに上端を固定するアー
ム、このアームの下端に、後端を上下方向に回動自在に
枢着したロッドアジャスタ、前記シャフトに後部を上下
方向に回動自在に軸着してなるフレーム、このフレーム
に、ピンによって揺動自在に枢着すると共に前記ロッド
アジャスタを挿通して支持する略コ字状のロックブラケ
ット、このロックブラケット内に位置するロッドアジャ
スタに挿通するロッドアジャスタの外径に対して小径の
内径を有するコイルバネからなるロックスプリングと、
このロックスプリングの内径を回転によりロッドアジャ
スタの外径と略同一若しくはそれ以上に拡開する回転レ
バー、前記ロックブラケットと共に前記ピンによりフレ
ームに枢着しロッドノブの操作力によって回転し、前記
回転レバーを回転させる回転カム、とからなるものであ
る。

【０００６】

【作用】可動側の取付けたロッドアジャスタは、固定側
のアームに連結され、ロッドアジャスタにアームレスト
を所定位置にロックするコイルバネからロックスプリン
グが巻装され、ロックスプリングのロッドアジャスタに
対する摩擦力（巻締力）によりロックされる。そして、
回転カムをロッドノブによる操作力により回転させると
回転レバーが回転するため、ロックスプリングはその内
径が拡大して、ロックスプリングによるロック状態が解
除される。これにより、アームレストは上下方向に回動
可能となりその角度を調整し得る。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図中（ＳＢ）はアームレスト（Ａ）を側面に装
着する自動車用シートのシートバックで、このシートバ
ック（ＳＢ）のフレームに取付ブラケット（８２）が締
結され、この取付ブラケット（８２）にはシャフト（８
１）が一体に溶接されている。シャフト（８１）の先端
には図４に示すように、アーム（８０）の上端が固定さ
れ、アーム（８０）はその上端に設けた角孔（８０Ｂ）
をシャフト（８１）の先端部（８１Ｂ）に設けた切欠に
嵌合することにより一体に固定される。図中（８２Ａ）
は取付ブラケット（８２）締結用の通孔を示す。

【０００８】そして、前記シャフト（８１）の基部（８
１Ａ）と、先端部（８１Ｂ）に、図３に示すように、フ
レーム（６）の後部側が回動自在に軸着されており、フ
レーム（６）はこのシャフト（８）を回転中心に起伏す
る。即ち、フレーム（６）はアームレストの不使用時
に、その全体がシートバック（ＳＢ）の側面に沿うよう
に起立し、また、アームレストとしての使用時に略水平
状態になるように倒伏する。図３において、図中（６
３）（６４）（６５）はシャフト（８１）に対するフレ
ーム（６）の回動性を向上させるためのカラー、リング
を示す。

【０００９】フレーム（６）は図３、４に示すように、
函形状で、上部フレーム部（６０）と下部フレーム部
（６１）に二分割され、その上、下部フレーム部（６
０）（６１）の端縁は相互に重なり合い上部フレーム部
（６０）の端縁に沿って多数間隔をあけて設けた突起
（６０Ａ）…が、下部フレーム（６１）に設けた係止孔
（６１Ａ）より外方に突出するように、上、下部フレー
ム（６０）（６１）を相互に嵌合することにより一体に
固定される。このフレーム（６）を発泡体製クッション
体で被包し、これを表皮で被覆することによりアームレ
スト（Ａ）が形成される。

【００１０】以上のアーム（８０）の下端にはピン（８
３）によってロッドアジャスタ（１）の後端部（１０）
が上下方向に回動可能に枢着され、ロッドアジャスタ
（１）の前部側はロックブラケット（７）に挿通するこ
とにより支持されており、このロッドアジャスタ（１）
の前後に、ピンからなるストッパ（１１）（１２）が固
定され、このストッパ（１１）（１２）により、前記ア
ームレスト（Ａ）の起伏範囲（回動範囲）を規制する。
図中（８０Ａ）は、アーム（８０）に設けたピン（８
３）挿通孔を示す。

【００１１】ロックブラケット（７）は、略コ字状に折
曲成形され、回転カム（４）と共に、ピン（４０）によ
り図１、２に示すように、フレーム（６）に前後方向に
揺動可能に軸着され、ロックブラケット（７）内に位置
するロッドアジャスタ（１）には、ロックスプリング
（３）と回転レバー（２）とが装着されている。

【００１２】図４において、図中（７０）（７１）はロ
ックブラケット（７）に設けた取付部で、この取付部
（７０）（７１）に、ロッドアジャスタ（１）を揺動自
在に挿通する通孔（７３）（７４）が開孔されている。
（７２）、（４２）はピン（４０）を挿通する挿通孔、
（４１）はピン（４０）に装着したカラーを示す。

【００１３】ロックスプリング（３）はコイルバネで、
その内径がロッドアジャスタ（１）の外径より小径に成
形され、ロッドアジャスタ（１）に摩擦力によってロッ
クし、一端（３Ｂ）が回転レバー（２）に、他端（３
Ａ）がロックブラケット（７）の内側に設けたブッシュ
（３０）に掛止されており、ブッシュ（３０）の周方向
には多数の掛止溝（３１）（３２）（３３）（３４）が
設けてあり、この掛止溝（３１）…のいずれかにロック
スプリング（３）の他端（３Ａ）を掛止することによ
り、ロックスプリング（３）のロッドアジャスタ（１）
に対する摩擦力（巻締力）を調節することができる。即
ち、ロックスプリング（３）の締め付け方向に設けた掛
止溝（３４）にロックスプリング（３）の他端（３Ａ）
を掛止すると、ロックスプリング（３）の摩擦力が増大
し、逆方向の掛止溝（３１）に他端（３Ａ）を掛止する
ことにより、摩擦力が弱くなる。

【００１４】ロックスプリング（３）の一端（３Ｂ）を
掛止する回転レバー（２）は、内部にロッドアジャスタ
（１）を挿通する筒体で、その外周面に前記回転カム
（４）が接合するレバー部（２Ａ）が外方に突設され、
このレバー部（２Ａ）は、回転レバー（２）を被覆する
スリーブ（２０）の溝（２０Ａ）より外方に突出してお
り、このレバー部（２Ａ）を回転カム（４）で押動する
と、回転レバー（２）が回転してロックスプリング
（３）の内径が拡開する。これにより、ロッドアジャス
タ（１）に対する摩擦力が弱くなり、ロックスプリング
（３）によるロック状態が解除され、ロックブラケット
（７）に対してロッドアジャスタ（１）は軸方向に摺動
自在となる。

【００１５】回転カム（４）はピン（４０）を中心に回
転し、下端縁に沿って前記回転レバー（２）に接合する
当接部（４３）が設けてあり、上部にロッドノブ（５）
の一端が連結されている。そして、この回転カム（４）
とフレーム（６）とに渉って引張ばね（５３）が設けて
あり、この引張ばね（５３）の弾力によって、当接部
（４３）を回転レバー（２）より離脱する方向に付勢し
ている。

【００１６】ロッドノブ（５）の他端はフレーム（６）
と一体の支持プレート（６２）に支持され、アームレス
ト（Ａ）の外部に露出する操作ノブ（５１）が固定さ
れ、操作ノブ（５１）内の設けた圧縮バネ（５２）の弾
力によって、ロッドノブ（５）を操作ノブ（５１）方向
に付勢している。図中（５０）は、操作ノブ（５１）を
収納するケーシングを示す。

【００１７】次に、前記本発明に係るアームレストの角
度調整装置の動作を説明すると、アームレスト（Ａ）
は、シャフト（８１）に対して回転自在に軸支されてい
るが、シャフト（８１）に固定するアーム（８０）に、
ロッドアジャスタ（１）が取付けられ、このロッドアジ
ャスタ（１）はフレーム（６）側のロックスプリング
（３）によってロックされているため、一定の角度にロ
ックされる。

【００１８】そして、このロック状態を解除してアーム
レスト（Ａ）の角度を調整するには、まず、図１に示す
ように、操作ノブ（５１）を圧縮バネ（５２）、引張ば
ね（５３）の弾力に抗して矢印方向に指先で押動する
と、それに伴いロッドノブ（５）が、同方向に移動して
回転カム（４）を回転させる。これにより、回転カム
（４）の当接部（４３）が回転レバー（２）を押圧し
て、回転レバー（２）を回転させ、この回転レバー
（２）の回転により、ロックスプリング（３）の内径が
拡大する（巻締力が弱くなる）。それにより、ロッドア
ジャスタ（１）は、フレーム（６）側のロックブラケッ
ト（７）に対して矢印方向に摺動自在となる。従って、
アームレスト（Ａ）は、シャフト（８１）を回転中心に
上下方向に回動自在になり、アームレスト（Ａ）を所望
角度に調整後、前記操作ノブ（５１）の押動操作を解除
すると、圧縮バネ（５２）、引張ばね（５３）の弾力に
より、回転カム（４）は元の状態に戻るため、回転レバ
ー（２）がロックスプリング（３）の弾力により逆回転
して、ロックスプリング（３）がロッドアジャスタ
（１）にその巻締力によってロックする。これにより、
アームレスト（Ａ）の角度が調整される。

【００１９】そして、アームレスト（Ａ）を略９０度の
上方に回動すると、ロックブラケット（７）がストッパ
（１２）に、また、下方に回動すると、ロックブラケッ
ト（７）がストッパ（１１）に突き当たる。従って、ア
ームレスト（Ａ）の回動範囲はストッパ（１１）と（１
２）間におけるロックブラケット（７）の移動範囲とな
る。

【００２０】なお、以上の装置は、取付ブラケット（８
２）と一体のシャフト（８１）にロッドアジャスタ
（１）、ロックスプリング（３）、回転レバー（２）、
回転カム（４）…等を、フレーム（６）に組み付けてア
ームレスト（Ａ）を形成後、取付ブラケット（８２）を
シートバック（ＳＢ）側に締結することにより、シート
バック（ＳＢ）にアームレスト（Ａ）を取付ける。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、あらかじめロッドアジ
ャスタをアームレストを回転自在に軸支するシャフトと
一体のアームに取付けると共にロッドアジャスタにロッ
クスプリング、回転レバーを挿通する構造であるため、
組立作業が簡単になるし、また、ロックスプリングの巻
締力によってロックするため、無段階に角度を微調節で
き、且つ、アームレストの角度調節を確実に行うことが
できる。更に、アームレストの起伏動作の繰返しによっ
ても、各部品が連結されているため、ロック性が損なわ
れない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置の断面図である。

【図２】図１のIIーII線に沿える断面図である。

【図３】図１のIIIーIII線に沿える断面図である。

【図４】本発明の要部の分解斜視図である。

【符号の説明】

１ ロッドアジャスタ ２ 回転レバー ３ ロックスプリング ４ 回転カム ５ ロッドノブ ６ フレーム ８０ アーム ８１ シャフト

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートバックに固着されるシャフトに上
   端を固定するアーム このアームの下端に、後端を上下方向に回動自在に枢着
   したロッドアジャスタ 前記シャフトに後部を上下方向に回動自在に軸着してな
   るフレーム このフレームに、ピンによって揺動自在に枢着すると共
   に前記ロッドアジャスタを挿通して支持する略コ字状の
   ロックブラケット このロックブラケット内に位置するロッドアジャスタに
   挿通するロッドアジャスタの外径に対して小径の内径を
   有するコイルバネからなるロックスプリングと、このロ
   ックスプリングの内径を回転によりロッドアジャスタの
   外径と略同一若しくはそれ以上に拡開する回転レバー 前記ロックブラケットと共に前記ピンによりフレームに
   枢着しロッドノブの操作力によって回転し、前記回転レ
   バーを回転させる回転カムとからなるアームレストの角
   度調整装置。
2. 【請求項２】 前記ロックブラケットにはロックスプリ
   ングのロッドアジャスタに対する摩擦力を調整するブッ
   シュが設けてある請求項１記載のアームレストの角度調
   整装置。
3. 【請求項３】 前記フレームは上下に分割された上部フ
   レーム部と、この上部フレーム部が嵌合する下部フレー
   ム部とからなる函形状で、上部フレーム部又は下部フレ
   ーム部のいずれか一方に、外方に向けて突起を設け、他
   方に、この突起が嵌合する係止孔を設けてなる請求項１
   記載のアームレストの角度調整装置。
4. 【請求項４】 前記ロッドアジャスタにアームレストの
   角度を一定範囲内に規制するストッパーを一体に設けて
   なる請求項１記載のアームレストの角度調整装置。