JPH0885867A - Ito焼結体の製造方法 - Google Patents

Ito焼結体の製造方法

Info

Publication number
JPH0885867A
JPH0885867A JP6246728A JP24672894A JPH0885867A JP H0885867 A JPH0885867 A JP H0885867A JP 6246728 A JP6246728 A JP 6246728A JP 24672894 A JP24672894 A JP 24672894A JP H0885867 A JPH0885867 A JP H0885867A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tin oxide
sintering
gas
molded product
sintered body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6246728A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3314898B2 (ja
Inventor
Shoji Takanashi
昌二 高梨
Toshito Kishi
俊人 岸
Tatsuo Nate
達夫 名手
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP24672894A priority Critical patent/JP3314898B2/ja
Publication of JPH0885867A publication Critical patent/JPH0885867A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3314898B2 publication Critical patent/JP3314898B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板温度が低い条件においても比抵抗値の良
好なITO膜が安定して成膜できるITO焼結体を提供
する。 【構成】 酸化インジウムおよび酸化錫からなる粉末を
成形し、焼結を行うITO焼結体の製造方法において、
焼結過程中の雰囲気を、インジウム酸化物および錫酸化
物の少なくとも一方を主とする蒸気ガス雰囲気中にて焼
結を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明導電膜作成に使用
するスパッタリング用ターゲット、具体的には、200
℃以下に加熱された基板上にスパッタリングすることに
より、透明性がよく、また比抵抗値が2.0×10-4Ω
・cm程度の良質な膜が得られるITO焼結体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー液晶ディスプレイのカラー
フィルター、プラスチック基板へのITO膜のコーティ
ングが行われている。しかし、これらのカラーフィルタ
ーやプラスチック基板は耐熱性に劣るため、従来行われ
てきた高温(400℃程度)でのスパッタリングは行え
ず、基板加熱温度は200℃以下という制約を受けてい
る。酸素雰囲気中あるいは大気中で1600℃以上の温
度で焼結するITO焼結体は、高温での基板加熱(たと
えば、400℃以上)を行うスパッタリングによれば比
抵抗値の低い膜が得られるが、200℃以下の低温の基
板加熱によるスパッタリングでは、得られるITO膜の
比抵抗値は2×10-4Ω・cm以上であり、比抵抗値の
低い膜を得ることが困難である。
【0003】また、酸素雰囲気中で1450〜1500
℃以上の温度で焼結するITO焼結体においては、高密
度が得られにくい。もっとも、酸素流量を上げることに
より高密度は得られるが、炉内の温度分布にばらつきが
生じ、焼結体に割れ、反りの問題が生じる。さらに、加
圧酸素雰囲気焼結法やホットプレス法のような特殊な装
置を用いる方法では、高密度化が可能であり、比抵抗値
の低い膜も得られる。たとえば、特開平4−51409
号、特開平4−160047号では、ホットプレスによ
り、相対密度が80%以上で電子線マイクロアナライザ
ーの線分析による錫組成が平均組成の0.8〜1.2倍
の範囲内にあるITO焼結体が開示されている。しか
し、これらは装置に莫大な投資を必要とするばかりでな
く、大面積の基板に成膜するために必要な大型品の焼結
体を製造する上で、量産性が低下すると共に焼結体価格
が高くなり生産上好ましくない。
【0004】したがって、基板温度が200℃以下の低
温であっても、比抵抗値の良好なITO膜が安定して成
膜でき、生産性よく安価に製造できる大型品の高密度I
TO焼結体を提供する方法が提案されている。たとえ
ば、特願平6−24826号公報では、実質的にインジ
ウム、錫、酸素からなる粉末を成形した後炉内に入れ、
成形体の周囲に、酸素ガスを焼結炉内の容積に対して1
分間あたり1.8×10-2以上の割合で流入しながら、
1300℃から1450℃まで50分以内で昇温し、1
450〜1550℃の温度範囲で焼結することを特徴と
する高密度ITO焼結体の製造方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、安価な製造方
法で高密度な大型品ITO焼結体が得られ、基板温度が
低い条件においても比抵抗値の良好なITO膜が安定し
て成膜できるITO焼結体の提供がさらに要望されてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法では、
酸素雰囲気中で焼結して高密度焼結体を製造するにあた
り、実質的にインジウム、錫、および酸素からなる粉末
を成形した後、1450〜1550℃の温度で焼結を行
う焼結過程において、前記粉末の成形体の周囲を錫酸化
物成分を含む蒸気で満たすか、または錫酸化物成分を含
む蒸気と酸素との混合ガス雰囲気で焼結を行う。本発明
のITO焼結体は、実質的にインジウム、錫、および酸
素からなるものであり、In23−SnO2 系のもので
ある。この組成自体は公知のITO焼結体と同様であ
り、一般に錫の平均組成が4〜12重量%であり、イン
ジウムの平均組成が70〜78重量%の範囲にある。し
かし、200℃以下に加熱された基板上にスパッタリン
グすることにより、透明性がよく、また比抵抗値が2.
0×10-4Ω・cm程度の良質な膜が得られるITO焼
結体である。
【0007】
【作用】一般に焼結体の密度が向上すると、焼結体の表
面抵抗値が低下するため、スパッタリング時のプラズマ
状態が安定的になるといわれている。しかし、前述した
従来公知の方法のように1600℃以上の焼結温度で製
造すれば、容易に焼結体密度が6.0g/cm3 以上は
得られるが、このITO焼結体を用いて基板温度が低い
条件でスパッタリングを行った場合、結晶化されていな
い膜や乱れた相が生成し、良質な膜が得られないのであ
る。この原因は、焼結体中に凝集したSn原子の粗大化
によるものであると推察される。すなわち、凝集したS
n原子の粗大化している焼結体を用いてスパッタリング
を行った場合、焼結体から放出される原子のうち10%
程度を占める十数原子ないし十数原子の集団が、Sn原
子を主体とするものになる確率が高くなり、その原子集
団がそのままの状態で基板に到達するため、乱れた結晶
構造を持つ相が基板に形成され、膜の比抵抗値を悪化さ
せる直接の原因となるものと考えられる。なお、凝集し
たSn原子は、電子線マイクロアナライザーの線分析に
より評価できる(特開平4−160047号参照)。一
方、スパッタリングにおいて基板加熱温度が高温である
場合には、膜中の原子の拡散が容易に起こるため、成膜
状態では乱れた構造を持つ膜であっても、スパッタリン
グが継続されるうちに結晶質な膜に変化する。しかし、
基板加熱温度が低かったり、膜厚が薄かったり、スパッ
タリング時間が短い等の場合には、結晶化が起こらずに
良質な膜は得られない。これが比抵抗値の良好な膜が得
られない原因となっているのである。
【0008】本発明の製造方法によるITO焼結体にお
いては、1450〜1550℃の比較的低い焼結温度に
もかかわらず、焼結体密度が6.0g/cm3 以上を達
成しているうえ、ITO焼結体は電子線マイクロアナラ
イザーの線分析における錫組成が平均組成の0.8〜
1.2倍の範囲にあることからSn原子の凝集は認めら
れず、低温での成膜においても比抵抗値の良好なITO
膜を得ることが可能となる。
【0009】以下に、本発明の製造方法に係わる諸要素
について説明する。 (原料粉末)酸化インジウム粉末、酸化インジウム粉末
と酸化錫粉末との混合粉末、酸化インジウム−酸化錫複
合粉末、酸化インジウム−酸化錫複合粉末と酸化インジ
ウム粉末との混合粉末などを組合せあるいは単独で所望
の組成に配合して原料粉末とする。酸化インジウム粉末
を用いるときは、その平均粒径を0.1μm以下にする
必要がある。その理由として、平均粒径が0.1μmを
越えると酸化インジウムを主とする粗大粒子が存在し、
原料粉末中の組成の均一分散性を悪化させ、原料粉末の
成形性、焼結性も悪化させるため高密度の焼結体が得ら
れなくなるためである。
【0010】(混合・粉砕)焼結体の錫組成が20重量
%以下、たとえば7.8重量%となるように酸化錫粉末
を酸化インジウム粉末中に配合した後、混合・粉砕を行
い造粒粉末とする。混合・粉砕を行う方法としては、た
とえばボールミル混合がある。混合時間は好ましくは1
2時間以上さらに好ましくは24時間以上である。パラ
フィンワックス、ポリビニルアルコールなどのバインダ
ーは混合・粉砕時などに1〜4重量%添加することが望
ましい。なお、造粒粉末の平均粒径は10μm以下であ
る。
【0011】(成形)次に、造粒粉末の成形を行う。焼
結体密度を6.0g/cm3 以上にするためには1to
n/cm2 以上の成形圧力が好ましい。
【0012】(酸化錫の載置)成形後、一定の蒸気圧を
与えるための雰囲気調整用の酸化錫粉末、酸化インジウ
ム粉末と酸化錫粉末との混合粉末、もしくは酸化インジ
ウム−酸化錫複合粉末やこれらの成形物を、前記成形体
の裏面に敷くか、成形体全面もしくは成形体周囲に載置
して前記成形体の焼結を行う。ITO焼結体の作製で
は、特に酸化錫は蒸気圧が高いために、焼結時に蒸発−
再蒸着による物質移動が生じるため、高密度化しにくく
なる。したがって、本発明におけるように、酸化錫成分
を成形体全面、裏面もしくは成形体周囲に載置しておく
ことで、焼結炉内の雰囲気は、主に錫酸化物成分の蒸気
で満たされる。この状態で焼結を行うと、焼結体中の錫
原子の蒸発を抑制でき、ITO焼結体の高密度化を達成
できる。この際の酸化錫成分の載置量は制限しないが、
好ましくは成形体重量に対して、酸化錫成分で5〜40
重量%がよい。なお、焼結炉内の雰囲気に関し、酸化イ
ンジウムの蒸気圧は錫のような問題を生じない。さら
に、これらの効果は、錫酸化物を主とするガス、もしく
はインジウム酸化物−錫酸化物のガス、またはこれらの
ガスと酸素ガスの混合ガスを導入することでも達成可能
である。酸化物ガスと酸素ガスとの混合ガスの割合は酸
化物ガスに対し、酸素ガスが20〜80%含有すること
が両者のガス効果が薄れることなく高密度化にとっては
好ましい。ここでいうインジウム酸化物とはInO、I
2O、In23、錫酸化物とはSnO、SnO2
(SnO)2,3,4 が主体となる。
【0013】(焼結−酸素置換率)本発明においては、
酸素ガスは流さなくてもよいが、流した方が高密度化に
対する相乗効果がある。これは前述した、焼結体中の錫
原子の蒸発を抑制する効果が酸素ガスにもあるからであ
る。また、酸素ガスに限られず、空気を使用することも
できる。空気の場合は、炉中の酸素分圧を測定して、所
定の酸素置換率を得る。
【0014】(焼結−昇温速度)焼結では、室温から1
300℃までの昇温時間を23時間程度、1300℃か
ら1450℃までの昇温時間を50分以内、好ましくは
7〜30分の範囲内にて温度を上昇させる。室温から1
000度までは脱バインダー過程であるため、昇温時間
が短いと焼結体に割れが生じてしまう。また、1300
〜1450℃までにおいては、焼結挙動がもっとも活発
な温度範囲であるため昇温時間は炉内の均熱を保てるか
ぎり、速くなければならない。この温度範囲での加熱に
より大きな収縮率が得られ、高密度な焼結体が作製でき
る。また、1450℃から、たとえば1550℃の焼結
温度までの昇温時間は、1300〜1450℃までの昇
温時間より遅くてもよいが、少なくとも150分以内、
好ましくは7〜50分の範囲内にて炉内の均熱を保てる
程度に温度上昇させる。
【0015】(焼結−焼結温度)焼結温度は1450℃
以上かつ1550℃以下とする。1450℃未満では高
密度の焼結体は得られない上、SnO2 相が安定に存在
するために、比抵抗値の低い良質なITO膜を得ること
が困難となる。また、1550℃以上であると電子線マ
イクロアナライザーの線分析における錫組成が平均組成
の0.8〜1.2倍の範囲外となる。
【0016】(焼結−保持時間)焼結温度に達した際に
保持する時間は10時間以上、好ましくは10〜30時
間の範囲内である。保持時間が10時間未満であると結
晶粒径が十分成長せず、高密度な焼結体は得られない。
【0017】(焼結−窒素置換率)本発明の方法に従
い、1450〜1550℃の温度で10〜30時間の焼
結を行った後、炉内の酸化錫蒸気用粉末やその成形物を
取り出し、また酸素ガスの導入を止めて、雰囲気を非還
元性にするのが好ましい。このために、アルゴン、二酸
化炭素等を焼結炉内に導入するが、好ましくは安価な窒
素ガスの導入を行うのが望ましい。その窒素ガス流量を
炉内容積に対して、1分間あたり1.8×10-2以上の
割合で流入させて、さらに5〜30時間程度の焼結を行
う。すなわち、窒素ガスに切り替えることで、内部の酸
欠により酸素空孔が導入され、空孔拡散が行われるの
で、窒素導入時間を延ばすほど、その焼結体密度は上昇
していく。炉内の窒素置換率は、窒素流量が炉内容積に
対し、1分間あたり1.8×10-2以上、好ましくは、
4.9〜6.8×10-2とする。1.8×10-2未満で
あるとその効果は薄く、6.8×10-2以上流してもそ
れほど大きな効果は得られない。なお、窒素ガス置換率
あるいは不活性ガス置換率は、酸素置換率と同様に定義
される。
【0018】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明する。 (実施例1)平均粒径0.07μmの酸化インジウム粉
末中に平均粒径1μmの酸化錫粉末を錫組成が7.8重
量%となるように配合し、3重量%の酢酸ビニール系バ
インダーを添加した後、湿式ボールミル中で18時間混
合し、乾燥および粉砕にて平均粒径を10μm以下に
し、これを造粒粉末とした。さらに、造粒粉末を用いて
3ton/cm2 で成形した。成形体を炉内の容器内に
配置した後、成形体に対し5重量%のインジウム酸化物
−錫酸化物粉末を加熱して得た蒸気状のインジウム酸化
物−錫酸化物のガスに対し酸素ガスを20%含有させ、
炉内容積に対し1分間あたり1.8×10-2の置換率で
混合ガスを導入し焼結を行った。焼結工程は、室温から
1300℃までを23時間にて昇温し、1300℃から
30分間の昇温時間をかけ1450℃まで温度を上昇さ
せた。そして、1500℃まで10分間の昇温時間にて
温度を上昇させ、1500℃にて15時間保持し、□1
75mm、厚さ6mmの大きさの板状のITO焼結体を
得た。この得られた焼結体密度は6.3g/cm3 であ
った。さらに研磨した試料の表面をビーム径1μmの電
子線マイクロアナライザー(EPMA)線分析にて錫組
成の均一性の評価を行った。その結果、錫量は7.6〜
8.1重量%の範囲であった。以上の結果を表1、表2
に示す。
【0019】また、このITO焼結体をスパッタリング
用ターゲット材として使用し、DCマグネトロンスパッ
タ法によってスパッタリング試験を行った。スパッタリ
ング条件は、投入電力2W/cm2 、圧力0.4Pa、
2 分圧2容量%、基板加熱温度200℃とし、1時間
連続スパッタリングをした後、各ターゲットについて2
000A(オングストローム)ごとに成膜し、四端針法
による比抵抗値の測定を行った。さらに同一スパッタリ
ング条件で30時間の連続スパッタリングを行い、比抵
抗値の測定を行った。これらの結果を表2に示す。
【0020】(実施例2)実施例1に使用したインジウ
ム酸化物−錫酸化物のガスの代わりに錫酸化物ガスを使
用した他は、実施例1と同様にしてITO焼結体を得
て、評価・測定を行った。得られた結果を表1、表2に
示す。
【0021】(実施例3)平均粒径0.07μmの酸化
インジウム粉末中に平均粒径1μmの酸化錫粉末を錫組
成が7.8重量%となるように配合し、3重量%の酢酸
ビニール系バインダーを添加した後、湿式ボールミル中
で18時間混合し、乾燥および粉砕にて平均粒径を10
μm以下にし、これを造粒粉末とした。さらに、造粒粉
末を用いて3ton/cm2 で成形した。成形体を炉内
の容器内に配置した後、成形体に対し20重量%の平均
粒径10μmの酸化錫粉末(3−1、3−2、3−3、
3−4、3−5)、平均粒径0.07μmの酸化インジ
ウム粉末と平均粒径1μmの酸化錫粉末との混合粉末
(3−6)、平均粒径0.1μm以下の酸化インジウム
−酸化錫複合粉末(3−7)を各々成形体全面、裏面も
しくは成形体の周囲に載置して、前記成形体の焼結を行
った。焼結工程は室温から1300℃までを23時間に
て昇温し、1300℃から30分間の昇温時間をかけ1
450℃まで温度上昇させた。そして、1500℃まで
10分間の昇温時間にて温度を上昇させ、1500℃に
て5、10、30時間保持し、□175mm、厚さ6m
mの大きさの板状のITO焼結体を得た。得られた焼結
体の物性値と錫組成を実施例1と同様の方法にて測定し
た後、スパッタリング用ターゲット材として使用しDC
マグネトロンスパッタ法によって、実施例1と同様の方
法にてスパッタリング試験を行った。得られた結果を表
1、表2に示す。
【0022】(実施例4)平均粒径0.07μmの酸化
インジウム粉末中に平均粒径1μmの酸化錫粉末を錫組
成が7.8重量%となるように配合し、3重量%の酢酸
ビニール系バインダーを添加した後、湿式ボールミル中
で18時間混合し、乾燥および粉砕にて平均粒径を10
μm以下にし、これを造粒粉末とした。さらに、造粒粉
末を用いて3ton/cm2 で成形した。成形体を炉内
の容器内に配置した後、成形体に対し20重量%の平均
粒径1μmの酸化錫粉末を、その成形体の周囲にある皿
の上に載置し、発生した蒸気ガスと、焼結炉の炉内容積
に対して1分間あたり1.8×10-2の割合で流入させ
た酸素ガスとの混合ガス雰囲気中にて、室温から130
0℃までを23時間にて昇温し、1300℃から30分
間の昇温時間をかけ1450℃まで温度を上昇させた。
そして、1500℃まで10分間の昇温時間にて温度を
上昇させ、1500℃にて15時間の焼結を行い、□1
75mm、厚さ6mmの大きさの板状のITO焼結体を
得た。得られたITO焼結体の物性値と錫組成を実施例
1と同様の方法にて測定した後、スパッタリング用ター
ゲット材として使用しDCマグネトロンスパッタ法によ
って、実施例1と同様の方法にてスパッタリング試験を
行った。得られた結果を表1、表2に示す。
【0023】(比較例)平均粒径0.07μmの酸化イ
ンジウム粉末中に平均粒径1μmの酸化錫粉末を錫組成
が7.8重量%となるように配合し、3重量%の酢酸ビ
ニール系バインダーを添加した後、湿式ボールミル中で
18時間混合し、乾燥および粉砕にて平均粒径を10μ
m以下にし、これを造粒粉末とした。さらに、造粒粉末
を用いて3ton/cm2 で成形した後、炉内の酸素置
換率を17.0×10-2とした酸素雰囲気中で焼結を行
った。焼結工程では、室温から1300℃までを23時
間にて昇温し、1300℃から30分間かけて1450
℃まで温度を上昇させた。そして、1500℃まで10
分間の昇温時間にて温度を上昇させ、1500℃にて1
5時間の焼結を行い、□175mm、厚さ6mmの大き
さの板状のITO焼結体を得た。得られたITO焼結体
の物性値と錫組成を実施例1と同様の方法にて測定した
後、スパッタリング用ターゲット材として使用しDCマ
グネトロンスパッタ法によって、実施例1と同様の方法
にてスパッタリング試験を行った。得られた結果を表
1、表2に示す。
【0024】
【表1】 積載粉末 積載 焼結 導入ガス 置換率 焼結時間 成分 方法 温度 (hr) (℃) 実施例1 − − 1550 ITOガス 1.8x10-2 10 +酸素 実施例2 − − 1550 酸化錫ガス 1.8x10-2 10 +酸素 実施例3-1 SnO2 全面 1500 − − 5 実施例3-2 SnO2 全面 1500 − − 10 実施例3-3 SnO2 全面 1500 − − 30 実施例3-4 SnO2 裏面 1500 − − 10 実施例3-5 SnO2 周囲 1500 − − 10 実施例3-6 In2O3+SnO2 周囲 1500 − − 10 実施例3-7 ITO 周囲 1500 − − 10 実施例4 SnO2 周囲 1500 酸素 1.8x10-2 15 比較例 − − 1500 酸素 17.0x10-2 15
【0025】
【表2】 線分析による 比抵抗値 焼結体密度 焼結後の 錫組成(重量%) (x10-4Ω・cm) (g/cm3) 反り具合 1時間後 30時間後 実施例1 7.4〜8.3 1.7 1.8 6.3 なし 実施例2 7.6〜8.2 1.7 1.8 6.4 なし 実施例3-1 7.8〜8.2 1.7 1.8 6.1 なし 実施例3-2 7.6〜8.2 1.7 1.8 6.2 なし 実施例3-3 7.6〜8.1 1.9 1.9 6.3 なし 実施例3-4 7.7〜8.2 1.8 1.9 6.2 なし 実施例3-5 7.7〜8.3 1.8 1.9 6.2 なし 実施例3-6 7.6〜8.2 1.8 1.9 6.2 なし 実施例3-7 7.6〜8.1 1.8 1.9 6.1 なし 実施例4 7.7〜8.3 1.7 1.8 6.4 なし 比較例 7.7〜8.3 1.8 1.9 6.0 あり
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上述べたように構成されて
いるので、スパッタリングによる成膜において基板加熱
温度が200℃以下の低温であっても、比抵抗値が2.
0×10-4Ω・cm以下の低抵抗なITO膜を安定して
得ることが可能な高密度ITO焼結体を提供できる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化インジウムおよび酸化錫からなる粉
    末を成形した成形体を焼結するITO焼結体の製造方法
    において、焼結過程中の雰囲気を、錫酸化物成分を含む
    蒸気ガス雰囲気中にて焼結を行うことを特徴とするIT
    O焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化インジウムおよび酸化錫からなる粉
    末を成形した成形体に対し、雰囲気調整用の酸化錫成分
    を含む粉末および/またはその成形物を、前記成形体の
    裏面に敷くか、成形体全面もしくは成形体周囲に載置し
    て、その蒸発により得られた蒸気ガス中にて前記成形体
    の焼結を行うことを特徴とする請求項1に記載のITO
    焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化インジウムおよび酸化錫からなる粉
    末を成形した成形体に対し、雰囲気調整用の酸化錫成分
    を含む粉末および/またはその成形物を、前記成形体の
    裏面に敷くか、成形体全面もしくは成形体周囲に、成形
    体重量に対して酸化錫成分で5〜40重量%載置して、
    その蒸発により得られた蒸気ガス中にて前記成形体の焼
    結を行うことを特徴とする請求項1に記載のITO焼結
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸化インジウムおよび酸化錫からなる粉
    末を成形した成形体に対し、雰囲気調整用の酸化錫成分
    を含む粉末および/またはその成形物を、前記成形体の
    裏面に敷くか、成形体全面もしくは成形体周囲に載置
    し、その蒸発により得られた蒸気ガスと酸素ガスとの混
    合ガス雰囲気中にて前記成形体の焼結を行うことを特徴
    とする請求項1に記載のITO焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸素ガスが、焼結炉の炉内容積に対し
    て、1分間あたり1.8×10-2以上の割合で置換され
    ることを特徴とする請求項4に記載のITO焼結体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 酸化インジウムおよび酸化錫からなる粉
    末を成形した成形体に対し、雰囲気調整用の酸化錫成分
    を含む粉末および/またはその成形物を、前記成形体の
    裏面に敷くか、成形体全面もしくは成形体周囲に、成形
    体重量に対して5〜40重量%載置し、その蒸発により
    得られた蒸気ガスと、焼結炉の炉内容積に対して、1分
    間あたり1.8×10-2以上の割合で置換される酸素ガ
    スとの混合雰囲気中にて1450〜1550℃の温度で
    焼結を行うことを特徴とする請求項1に記載のITO焼
    結体の製造方法。
  7. 【請求項7】 酸化インジウムおよび酸化錫からなる粉
    末を成形した成形体に対し、雰囲気調整用の酸化錫成分
    を含む粉末および/またはその成形物を、前記成形体の
    裏面に敷くか、成形体全面もしくは成形体周囲に、成形
    体重量に対して5〜40重量%載置し、その蒸発により
    得られた蒸気ガスと、焼結炉の炉内容積に対して、1分
    間あたり1.8×10-2以上の割合で置換される酸素ガ
    スとの混合雰囲気中にて1450〜1550℃の温度で
    10〜30時間の焼結を行うことを特徴とする請求項1
    に記載のITO焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 酸化インジウムおよび酸化錫からなる粉
    末を成形した成形体を焼結するITO焼結体の製造方法
    において、焼結過程中の雰囲気を、錫酸化物成分を含む
    蒸気ガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気中にて焼結を行
    うことを特徴とするITO焼結体の製造方法。
  9. 【請求項9】 錫酸化物成分を含む蒸気ガスと酸素ガス
    との混合ガスの割合が、錫酸化物成分を含む蒸気ガスに
    対し、酸素ガスを20%以上含有する雰囲気中にて焼結
    を行うことを特徴とする請求項8に記載のITO焼結体
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 錫酸化物成分を含む蒸気ガスと酸素ガ
    スとの混合ガスの割合が、錫酸化物成分を含む蒸気ガス
    に対し、酸素ガスを20%以上含有し、かつ混合ガス
    が、焼結炉の炉内容積に対して、1分間あたり1.8×
    10-2以上の置換率で流入する雰囲気中にて焼結を行う
    ことを特徴とする請求項8に記載のITO焼結体の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 錫酸化物蒸気ガスと酸素ガスとの混合
    ガスの割合が、錫酸化物成分を含む蒸気ガスに対し、酸
    素ガスを20%以上含有し、かつ混合ガスが、焼結炉の
    炉内容積に対して、1分間あたり1.8×10-2以上の
    置換率で流入する雰囲気中にて1450〜1550℃の
    温度で焼結を行うことを特徴とする請求項8に記載のI
    TO焼結体の製造方法。
  12. 【請求項12】 錫酸化物蒸気ガスと酸素ガスとの混合
    ガスの割合が、錫酸化物成分を含む蒸気ガスに対し、酸
    素ガスを20%以上含有し、かつ混合ガスが、焼結炉の
    炉内容積に対して、1分間あたり1.8×10-2以上の
    置換率で流入する雰囲気中にて1450〜1550℃の
    温度で10〜30時間の焼結を行うことを特徴とする請
    求項8に記載のITO焼結体の製造方法。
JP24672894A 1994-09-16 1994-09-16 Ito焼結体の製造方法 Expired - Fee Related JP3314898B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24672894A JP3314898B2 (ja) 1994-09-16 1994-09-16 Ito焼結体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24672894A JP3314898B2 (ja) 1994-09-16 1994-09-16 Ito焼結体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0885867A true JPH0885867A (ja) 1996-04-02
JP3314898B2 JP3314898B2 (ja) 2002-08-19

Family

ID=17152770

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24672894A Expired - Fee Related JP3314898B2 (ja) 1994-09-16 1994-09-16 Ito焼結体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3314898B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011089984A1 (ja) * 2010-01-25 2011-07-28 住友金属鉱山株式会社 酸化物蒸着材と蒸着薄膜並びに太陽電池

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011089984A1 (ja) * 2010-01-25 2011-07-28 住友金属鉱山株式会社 酸化物蒸着材と蒸着薄膜並びに太陽電池
JP2011149082A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 酸化物蒸着材と蒸着薄膜並びに太陽電池
US8941002B2 (en) 2010-01-25 2015-01-27 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Oxide evaporation material, vapor-deposited thin film, and solar cell

Also Published As

Publication number Publication date
JP3314898B2 (ja) 2002-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3746094B2 (ja) ターゲットおよびその製造方法
US10037830B2 (en) Indium oxide transparent conductive film
US5480531A (en) Target for cathode sputtering and method of its production
TWI431135B (zh) ZnO蒸鍍材及其製造方法,與ZnO膜
JPH0885866A (ja) Ito焼結体の製造方法
JPH0885867A (ja) Ito焼結体の製造方法
JPH07243036A (ja) Itoスパッタリングタ−ゲット
JPH03126655A (ja) 酸化インジウム‐酸化錫焼結体及びその製造方法
JP2904358B2 (ja) Ito焼結体の製造方法
JP2602390B2 (ja) 高密度ito焼結体及びその製造方法
JP3269272B2 (ja) Ito焼結体およびその製造方法
JP4120351B2 (ja) 高濃度酸化スズitoターゲットとその製造方法
JP2523251B2 (ja) Ito焼結体の製造方法
JP2979648B2 (ja) Ito焼結体
JP2595864B2 (ja) Ito焼結体の製造方法
JPH05222526A (ja) Ito透明導電膜用スパッタリングターゲットとその製造方法
JP3781398B2 (ja) I.t.o焼結体、その製造方法及びi.t.o薄膜
JPH04104936A (ja) Ito焼結体の製造方法
JPH05209264A (ja) Ito導電膜用ターゲット材の製造方法
JPH08104978A (ja) Ito蒸着材およびその製造方法
JP3134405B2 (ja) 酸化インジウム・酸化スズ焼結体の製造方法
JPH04154654A (ja) Ito焼結体の製造方法
JPS63310961A (ja) 蒸着用材料
JPH073443A (ja) スパッタリングターゲットとその製造方法
JPH062124A (ja) 酸化インジウム−酸化錫スパッタリングターゲットの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080607

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090607

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100607

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110607

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120607

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees