JP3134405B2 - 酸化インジウム・酸化スズ焼結体の製造方法 - Google Patents

酸化インジウム・酸化スズ焼結体の製造方法

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JP3134405B2 JP03262559A JP26255991A JP3134405B2 JP 3134405 B2 JP3134405 B2 JP 3134405B2 JP 03262559 A JP03262559 A JP 03262559A JP 26255991 A JP26255991 A JP 26255991A JP 3134405 B2 JP3134405 B2 JP 3134405B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化インジウム・酸化ス
ズ(以下、ITOと称する)焼結体の製造方法に関する
ものである。本発明により高密度なITO焼結体を得る
ことができる。
【0002】
【従来の技術】近年、太陽電池や液晶ディスプレ−の透
明電極やタッチパネルなどに用いる透明導電性薄膜とし
てITO薄膜の需要が急増している。さらに、液晶ディ
スプレ−のカラ−化に伴い、カラ−フィルタ−等の耐熱
性の低い基板に高性能な透明導電膜を形成する必要性が
クロ−ズアップされており、透明導電膜の成膜方法等の
改善が望まれている。
【0003】このようなITO薄膜を形成する方法に
は、ITO微粒子を基材に塗布する方法、ITO前駆体
を基材に塗布した後熱分解する方法、又はインジウム・
スズ合金タ−ゲットあるいはITO焼結体タ−ゲットの
スパッタリングにより基材面にITO膜を形成する方法
が知られているが、現在では特にITO焼結体をスッパ
タリングする方法が最も一般的である。しかし従来のI
TO焼結体タ−ゲットは低密度であったためにスパッタ
リング中に還元及び組成変化が生じ、安定的に高性能な
透明導電膜を製造することは困難であった。そこで我々
はこのような問題を解決するために、高密度なITO焼
結体スパッタリングタ−ゲットを既に提案している。
【0004】これまで、高密度ITO焼結体の製造方法
として、例えばホットプレス法が挙げられる。しかし、
この方法で製造した高密度ITO焼結体は、酸素欠陥が
多く、インジウム、スズが還元されているためスパッタ
リングタ−ゲットとしての性能は劣っていた。
【0005】我々は微細な粉末を用いることにより、高
密度焼結体が製造可能であることをすでに提案している
(特願平2−44439号)。また、焼結時の雰囲気
は、種々の雰囲気が選択可能であることも既に指摘して
いる(特願平1−158164号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、焼結温度及
び雰囲気を制御することにより、特に90%以上の高密
度ITO焼結体を製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は酸化インジ
ウム・酸化スズ粉末成型体の焼結挙動に関して詳細な検
討を重ね、次のような知見を得た。即ち、酸化インジウ
ム単独の焼結では1100℃ですでに高密度焼結体とな
るが、酸化インジウムに酸化スズを少量添加したITO
粉末の場合、1200℃以上の高温で焼結した時はじめ
て高密度化する。この原因は、1000℃程度の加熱で
は酸化スズの蒸発が生じ、酸化インジウムの粒界に酸化
スズが偏析し、インジウムの表面拡散及び体積拡散が疎
外されるが、1200℃以上では粒界で酸化インジウム
と酸化スズとの安定な化合物が形成され、酸化インジウ
ムの拡散が促進されることによるものと考えた。従っ
て、ITOを焼結する場合、1200℃に達するまでは
酸化インジウム粒子表面への酸化スズの蒸発拡散を促進
し、一方、1200〜1700℃では、酸化インジウム
と酸化スズの安定な化合物の形成及び表面拡散、体積拡
散を促進することが好ましいことを見出した。
【0008】即ち、本発明は、酸化インジウム及び酸化
スズ粉末を成型した後、1200℃に達するまで酸素濃
度21容量%以下の雰囲気で加熱した後、1200〜1
700℃まで酸素濃度21容量をこえる雰囲気中で焼結
することを特徴とする酸化インジウム−酸化スズ焼結体
の製造方法に関する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明に用いるITO粉末の組成として
は、酸化インジウム/酸化スズの重量比で97/3から
85/15、特に95/5から90/10程度が好まし
い。また、このような組成のITO粉末は酸化インジウ
ムと酸化スズの混合粉末でも良いし、インジウム及び/
又はスズの有機酸水溶液から得られる有機酸塩を熱分解
して得られる粉末(例えば、特開昭63−195101
号公報等)等の共沈粉末でも良い。
【0011】このような粉末からITO焼結体を製造す
る場合、一般的にはまず粉末成型体を製造する。この成
型方法には、スリップキャスト法、金型成型法等が挙げ
られるが、特に制限はない。さらに成型体は、冷間静水
圧法(CIP)により、緻密化することが好ましい。ま
た粉末成型にバインダ−等を使用した場合、脱ワックス
処理をした後にCIP処理をすることが好ましい。この
様なCIP処理は本発明の焼結密度向上に効果的であ
る。
【0012】本発明では、この様なITO成型体をまず
1200℃に達するまで、酸素濃度21容量%以下の雰
囲気で加熱する。
【0013】この温度領域は、酸化スズが酸化インジウ
ムの粒界に偏析する領域であり、この領域に至る間で
は、酸素濃度21容量%以下の雰囲気で加熱する。酸素
濃度が、21容量%を越えると、酸化インジウムの粒成
長が促進され、1200℃以上における焼結に悪影響が
あるため、好ましくない。
【0014】一方、1200〜1700℃においては、
酸素濃度21容量%をこえる雰囲気で加熱する。
【0015】この温度領域は、酸化インジウム粒界に偏
析した酸化スズが中間化合物生成によって拡散凝集を起
こし、焼結体が急激に緻密化する領域であり、この領域
においては、酸素濃度21容量%をこえる雰囲気で加熱
する。酸素濃度が、21容量%以下では、酸素欠陥等が
多くなり、緻密化しにくくなるため、好ましくない。
【0016】酸素濃度としては、焼結炉中の気体体積の
21容量%をこえ、99容量%以下、特に30〜70容
量%が好ましい。酸素は若干の付加によって十分な効果
があり、一方高すぎてもそれにみあった効果はなく、さ
らに生産コストが高くなる。特に電気炉を密閉構造とす
ることは設備費高となり、経済的でない。
【0017】また、1700℃を越える温度で焼結を行
うと、焼結体が異常粒成長を起こして、焼結体の強度が
減少し、割れやすいものとなるため好ましくない。
【0018】尚、上述した加熱の際の昇温速度として
は、10〜300℃/時間が好ましく、酸素以外の気体
としては、特に限定しないが、窒素、アルゴン、ヘリウ
ム、二酸化炭素等をあげることができる。
【0019】焼結時の圧力は任意に設定して行うことが
でき、加圧して行うと酸素付加効果がさらに発揮され、
さらに好ましい。
【0020】1200〜1700℃の温度領域における
保持時間は特に限定しないが、例えば3〜15時間が好
ましい。余り短いと粒成長が不十分で高密度にならない
場合があり、逆に長すぎても効果は飽和し、生産性も悪
くなる。
【0021】尚、焼結後の降温条件としては、10〜3
00℃/時間が好ましい。また、その際の雰囲気として
は、1200℃までの温度領域では酸素濃度21容量%
を越える雰囲気中で、1200℃未満の温度領域では酸
素濃度21容量%以下の雰囲気中が好ましいが、降温時
の全温度範囲にわたって空気でもよい。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、90%以上の高密度I
TO焼結体の製造が可能となり、このような焼結体は、
スパッタリングターゲット等に利用することができ、そ
の工業的価値は高い。
【0023】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は実施例になんら限定されるものでは
ない。
【0024】実施例1 酸化インジウムと酸化スズの混合粉末(重量比で90/
10)を金型で成型し、厚さ10mm、直径100mm
の成型体を得た。この成型体を2t/cmでCIP処
理した後、1450℃まで100℃/時間で昇温し、1
450℃で5時間保持し、100℃/時間で降温した。
この時の焼結雰囲気は、1200℃までは空気、120
0℃から1450℃の保持時間終了まで酸素50%、窒
素50%、降温時は空気とした。得られた焼結体の密度
は92%であり、焼結粒径は5〜6μmであり、異常粒
成長は認められなかった。
【0025】実施例2 酸化インジウムと酸化スズの混合粉末(重量比で90/
10)を金型で成型し、厚さ10mm、直径100mm
の成型体を得た。この成型体を2t/cmでCIP処
理した後、1450℃まで100℃/時間で昇温し、1
450℃で5時間保持し、100℃/時間で降温した。
この時の焼結雰囲気は、1200℃までは空気、120
0℃から1450℃の保持時間終了まで酸素70%、窒
素30%、降温時は空気とした。得られた焼結体は実施
例1とほぼ同様であり、密度92%、焼結粒径は5〜6
μmで異常粒成長は認められなかった。
【0026】実施例3 酸化インジウムと酸化スズの混合粉末(重量比で90/
10)を金型で成型し、厚さ10mm、直径100mm
の成型体を得た。この成型体を2t/cmでCIP処
理した後、1550℃まで100℃/時間で昇温し、1
550℃で5時間保持し、100℃/時間で降温した。
この時の焼結雰囲気は、1200℃までは空気、120
0℃から1550℃の保持時間終了まで酸素50%、窒
素50%、降温時は空気とした。得られた焼結体の密度
は96%であり、焼結粒径は8〜12μmで異常粒成長
は認められなかった。
【0027】比較例1 実施例1と同様の粉末を金型で成型し、厚さ10mm、
直径100mmの成型体を得た。この成型体を2t/c
でCIP処理した後、実施例1と同様に昇温し、1
450℃で5時間保持し、100℃/時間で降温した。
この時の焼結雰囲気は、すべて空気とした。得られた焼
結体の密度は、82%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 C04B 35/64 C23C 14/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化インジウム粉末及び酸化スズ粉末を
    成型して成型体を得る成型工程と、得られた成型体を焼
    成して焼結体を得る焼成工程を有する酸化インジウム・
    酸化スズ焼結体の製造方法において前記焼成工程で
    は、前記成型体を1200℃に達するまで酸素濃度21
    容量%以下の雰囲気で加熱した後、1200〜170
    ℃で酸素濃度21容量%を越える雰囲気中で焼結す
    ることを特徴とする酸化インジウム・酸化スズ焼結体の
    製造方法。
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