JP3004518B2 - スパッタリングターゲットとその製造方法 - Google Patents
スパッタリングターゲットとその製造方法Info
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Description
際に用いられるスパッタリング用ターゲットに関するも
のである。
たITO(Indium-Tin-Oxide系)は、透明でかつ導電性
の酸化物としてよく知られており、太陽電池や液晶ディ
スプレイ等に用いられる透明導電膜として、広く用いら
れいる。また、最近、酸化亜鉛をベースとした透明導電
膜が、ITOと同程度の透明性、導電性を有する透明導
電膜として知られるようになり、高価なITOより酸化
亜鉛系のターゲットは安価であることから、工業的実用
化が期待されている。酸化亜鉛へのドーパントとしては
アルミニウムが最もよく知られているが、安定的に低抵
抗な膜を形成するには至っておらず、特公平3−720
11号公報に提案されているように他のドーパントの検
討もなされている。
は、従来のITO膜の代替あるいは補完材料としてます
ます期待が高まると思われる。そして、膜の成形方法と
しては緻密で膜質の良い膜が得られ易い、スパッタリン
グ法がもっとも適していると考えられる。
で形成する場合、使用する電源にはDC(直流)方式と
RF(高周波)方式があるが、工業的には、大面積に適
応でき、操作性も比較的簡単で、装置価格も安価である
ことからDC方式が好ましい。しかし、DC方式はスパ
ッタリングターゲットが導電性であることが必要であ
り、使用するターゲット材の制約を受ける。
式のスパッタリング装置を用いるには、電気抵抗の低い
ターゲットの開発が必要不可欠である。また、DC方
式、RF方式いずれにもいえることだが、ターゲット材
は放電の安定性などから見て密度が高い方が好ましい。
おいて、高密度で、低抵抗のターゲットを作製するには
1300℃を超える温度が必要であることが特開平2−
149459号公報において提案されている。しかし、
真空やアルゴンガスのような不活性ガス下で、1300
℃を超える高温で焼結すると、酸化亜鉛の分解蒸発が激
しくなり、原料の多くが揮散し、焼結体の激しい重量減
少が問題であった。また、1400℃以下の温度で焼結
することが特開平4−6144号公報において提案され
ているが、5.5g/cm3を超える焼結体は得られて
いない。また、焼結体の比抵抗も1mΩcm未満の低い
比抵抗を持つ焼結体は得られていない。
技術が有していた前述の欠点を解決しようとするもので
あり、高密度でかつ低抵抗のガリウムを含む酸化亜鉛焼
結体からなるスパッタリングターゲットとその製造方法
の提供を目的とするものである。
む酸化亜鉛粉末を真空あるいは不活性ガス雰囲気中で最
高温度1000℃〜1200℃でホットプレスすること
によって作製される、密度が5.5g/cm3を超え、
かつ、比抵抗が1mΩcmより低いことを特徴とするガ
リウムを含む酸化亜鉛焼結体からなるスパッタリングタ
ーゲットとその製造方法を提供するものである。
リウムの酸化物であり、Ga2 O3として1重量%〜1
4重量%を含有するものである。
本発明の目的、効果を損なわない範囲において含まれて
いても差し支えないが可及的に少量にとどめることが望
ましい。
は、最も一般的なカーボン型を用いることができる。そ
の他、BNやAl2 O3 などのホットプレス用の型を用
いることもできる。ホットプレスの雰囲気は、カーボン
型のように空気中加熱により酸化するものは、真空ある
いはアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気を用いるこ
とが好ましいことはもちろん、高密度、低抵抗のターゲ
ットを作製する点でも好ましい。
00℃であることが緻密な焼結体が得られるという点で
望ましい。1000℃未満では、焼結が十分でなく、タ
ーゲットの密度が低いので好ましくない。また、120
0℃より高いと蒸発が激しいので、好ましくない。
緻密化させ、高密度のターゲットを作製できる。その
際、雰囲気に真空あるいはアルゴンガスのような不活性
ガスを用いることにより、酸化亜鉛中に若干の酸素欠陥
が生じるため、キャリアとして働く電子が生じ、キャリ
ア濃度が高くなりこの結果極めて低い比抵抗を示すター
ゲットが得られる。また、酸素欠陥が生じるため物質移
動も容易になり、高密度に緻密化できる。
り、このガリウムは酸化亜鉛の粒成長を適度に抑えるよ
うに働いて、ホットプレスの際の焼結体を緻密化させ
る。これにより、高密度で低抵抗のガリウムを含む酸化
亜鉛ターゲットを提供できる。
備し、ZnO粉末とGa2O3末を表1に示す組成になる
ように、ボールミルで混合し、7種類のGa2O3−Zn
O粉末を調製した。これらの粉末をカーボン製のホット
プレス用型に充填し、アルゴン雰囲気中1100℃で1
時間保持の条件でホットプレスを行った。このときのホ
ットプレス圧力は100kg/cm2とした。得られた
焼結体の密度および4端子法により測定した比抵抗を表
1に示す。表1より明らかなように、本発明のターゲッ
トはガリウムの含有量の広い範囲において、高密度で低
抵抗を示した。
アルカリ溶融を連用して焼結体を水溶液化し、ICP組
成分析を行った結果を合わせて示した。本発明の方法に
より焼結体の組成は原料組成とほとんど変化しないこと
を確かめた。
の寸法に切り出し、ターゲットを作製した。つぎに、こ
のターゲットについて、マグネトロンスパッタリング装
置を使用して、Ga2 O3 −ZnO膜の成膜を行った。
この時の条件は投入電力:DC50W、圧力:5×10
-3Torr、基板温度:200℃の条件で行った。
ラスにシリカをコートしたガラスを用いた。膜厚はおよ
そ500nmとなるように行ったが、成膜中、放電は安
定しており、まったく問題はなかった。成膜後、膜厚、
シート抵抗を測定し、膜厚、シート抵抗から膜の比抵抗
を計算した。その結果を表1に示す。表1より明らかな
ように、本発明のターゲットにより、低抵抗の透明導電
膜が形成できた。
備し、ZnO粉末とGa2O3末を表2に示す組成になる
ように、ボールミルで混合し、3種類のGa2O3−Zn
O粉末を調製した。これらの粉末をカーボン製のホット
プレス用型に充填し、アルゴン雰囲気中900℃または
1300℃で1時間保持の条件でホットプレスを行っ
た。このときのホットプレス圧力は100kg/cm2
とした。得られた焼結体の密度および4端子法により測
定した比抵抗を表2に示す。表2より明らかなように高
密度で低抵抗なターゲットは作製できなかった。
00℃で2時間保持の条件で常圧焼結法で同様のターゲ
ットの作製を試みた。このときのガリウム量はGa2 O
3 として6重量%を用いた。得られた焼結体の密度はア
ルゴン雰囲気中および空気中いずれも4.4g/cm3
で、比抵抗はアルゴン雰囲気の場合4. 0×10-2Ωc
m、空気中の場合、4端子法で測定できず、絶縁性に近
い高抵抗であった。
り、直流スパッタリングにおいても極めて安定に放電す
る、緻密で電気抵抗が低いターゲットが作製できる。ま
た、本発明のターゲットは1000℃〜1200℃の低
温で焼結されているため、気孔の大きさも小さく、気孔
率も極めて低く、またそのため強度が高く割れにくい。
したがって、このターゲットを用いれば成膜時に高いパ
ワーを投入でき、高速度で成膜できる。
Claims (2)
- 【請求項1】ガリウムを含む酸化亜鉛粉末を真空あるい
は不活性ガス雰囲気中で最高温度1000℃〜1200
℃でホットプレスすることによって作製される、密度が
5.5g/cm3を超え、かつ、比抵抗が1mΩcmよ
り低いことを特徴とするガリウムを含む酸化亜鉛焼結体
からなるスパッタリングターゲット。 - 【請求項2】ガリウムを含む酸化亜鉛焼結体からなるス
パッタリングターゲットの製造方法であって、ガリウム
を含む酸化亜鉛粉末を真空あるいは不活性ガス雰囲気中
で最高温度1000℃〜1200℃でホットプレスする
ことによって作製する、密度が5.5g/cm3を超
え、かつ、比抵抗が1mΩcmより低いスパッタリング
ターゲットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5289203A JP3004518B2 (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | スパッタリングターゲットとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5289203A JP3004518B2 (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | スパッタリングターゲットとその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07138745A JPH07138745A (ja) | 1995-05-30 |
JP3004518B2 true JP3004518B2 (ja) | 2000-01-31 |
Family
ID=17740119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5289203A Expired - Lifetime JP3004518B2 (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | スパッタリングターゲットとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3004518B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5320761B2 (ja) * | 2008-02-06 | 2013-10-23 | 住友金属鉱山株式会社 | 酸化亜鉛系焼結体タブレットおよびその製造方法 |
JP2013144820A (ja) * | 2012-01-13 | 2013-07-25 | Mitsubishi Materials Corp | 酸化物スパッタリングターゲット及び光記録媒体用保護膜 |
KR20140140187A (ko) * | 2013-05-28 | 2014-12-09 | 삼성코닝어드밴스드글라스 유한회사 | 산화아연계 스퍼터링 타겟 및 이를 통해 증착된 보호층을 갖는 광전지 |
-
1993
- 1993-11-18 JP JP5289203A patent/JP3004518B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH07138745A (ja) | 1995-05-30 |
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