JP4018839B2 - SnO2系焼結体、薄膜形成用材料および導電膜 - Google Patents

SnO2系焼結体、薄膜形成用材料および導電膜 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スパッタリングターゲットなどの薄膜形成用材料に関し、特にプラズマディスプレイパネル(PDP)やタッチパネル等の透明導電膜の形成に使用するスパッタリングターゲットに好適なSnO2(酸化錫)系焼結体、薄膜形成 用材料およびこれによって形成された透明導電膜に関するものである。
【0002】
ここで、SnO2系焼結体とは、SnO2を80重量%以上、好ましくは94重量%以上ならびに不可避的不純物を含む化合物からなる焼結体をいう。
【0003】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイ(LCD)に代わる表示デバイスとして、プラズマディスプレイパネル(PDP)が注目されている。PDPはLCDに比べて、バックライトを要しないため、表示装置をより薄く形成することができる等の利点を有しており、壁掛けTV等への応用が期待されている。
【0004】
PDPには、LCDと同様、透明電極が必要不可欠であり、ITO(酸化インジウム−酸化錫)膜やSnO2系透明導電膜がこれに用いられている。ITO膜 は、低抵抗でエッチング特性にもすぐれているが、高価であり、またPDP製造プロセス上、耐熱性や耐薬品性において問題がある。一方、SnO2系薄膜は、 抵抗値の点ではITO膜に劣るものの、比較的安価であり、耐熱性や耐薬品性にもすぐれているという利点を有している。
【0005】
従来、SnO2系焼結体においては、SnO2薄膜の抵抗値を下げるために酸化第一アンチモン(Sb23)を添加することが行われている。このようなSb23が添加されたSnO2焼結体からなるスパッタリングターゲットを製造するためには、ホットプレス(HP)法が一般に用いられている。ホットプレス法においては、圧力をかけながら焼結を行うため、焼成密度や強度をある程度向上させる上では有利であるものの、装置上の制限から大型の焼結体を得ることは容易ではない。したがって、従来、大型のスパッタリングターゲットを作製する場合、複数の焼結体を張り合わせてターゲットを構成することが一般に行われている。しかしながら、複数の継ぎ目を有するターゲットを使用してスパッタリングによりSnO2薄膜を形成する場合においては、継ぎ目からアーキングやノジュール が発生し、安定な成膜を行うことができないという問題がある。したがって、継ぎ目のないターゲットやより継ぎ目の少ないターゲットが要請されていることから、より大型の焼結体を製造する技術が求められている。
【0006】
大型の焼結体を製造する方法としては、原料混合粉末をプレス成形して得た成形体を焼結するコールドプレス(CP)法や、原料混合粉末を鋳込み成形して得た成形体を焼結する鋳込み法がある。
【0007】
ところで、SnO2系透明導電膜に要求される特性は、一般に、SnO2系透明導電膜の比抵抗が0.1Ω・cm以下、膜厚1000オングストロームにおける波長550nmの光の透過率が80%以上である。上述したように、Sb23が添加されたSnO2薄膜は、Sb23が均一に添加されたSnO2ターゲットをスパッタリングすることにより成膜される。このようにして成膜されたSb23が添加されたSnO2薄膜は比抵抗のオーダーが10-3Ω・cm、膜厚1000オ ングストロームにおける波長550nmの光の透過率が90%程度であり、SnO2系透明導電膜に要求される特性を満足している。
【0008】
しかしながら、Sb23が添加されたSnO2ターゲットを作製する場合、S b23が約1000℃前後の温度で、大気中、酸素雰囲気中、不活性ガス中あるいは真空中など一般的な雰囲気条件において溶融するため、少なくとも1000℃以下の温度で熱処理する必要がある。したがって、CP法または鋳込み法によって焼結体を焼成する場合は、このように焼成温度に制限があるため、焼結が十分に進行せず、焼結が不十分な脆い焼結体しか得ることができないという問題がある。このような脆さを有する焼結体を用いてスパッタリングターゲットを作製する場合にあっては、その加工中に加工応力によって焼結体に割れや亀裂が生じたり、あるいはバッキングプレートへ焼結体をボンディングする際の熱応力によって割れが生じるという問題がある。このような割れが生じる傾向は、ターゲットの寸法が大型化するに従って顕著となる。
【0009】
したがって、高温での焼結、たとえば1300℃以上、好ましくは1450℃以上での高温での焼結が可能なSb23に代わる添加剤が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、比較的大型の焼結体を製造することのできるCP法、鋳込み法により作製が可能であり、しかも1300℃以上の高温条件で焼結することができる、組成のばらつきのなく、かつ、比抵抗が1×107Ω・cm以下のSnO2系焼結体からなる薄膜形成用材料を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によるSnO2系焼結体は、Al、Si、Nb、TaおよびYからなる 群から選ばれた少なくとも1種を含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であり、かつ、比抵抗が1×107Ω・cm以下であることを特徴と するものである。
【0012】
さらに本発明によるSnO2系薄膜形成用材料は、Al、Si、Nb、Taお よびYからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系混合粉末を成形し、大気雰囲気また は酸素雰囲気中において1300℃以上で焼結されたSnO2系焼結体からなり 、その比抵抗が1×107Ω・cm以下であることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の好ましい態様においては、SnO2系焼結体は、X25(Xは任意の 元素)の酸化形態を持つ元素を少なくとも1種含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系焼結体からなり、その比抵抗が1×1 04Ω・cm以下である。
【0014】
また、本発明の好ましい態様においては、SnO2系薄膜形成用材料は、X25(Xは任意の元素)の酸化形態を持つ元素を少なくとも1種含有し、その添加 量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系混合粉末を成形し、大 気雰囲気または酸素雰囲気にて1300℃以上で焼結された比抵抗が1×104 Ω・cm以下であるSnO2系焼結体からなる。
【0015】
さらに、この場合の好ましい態様においては、上記添加成分は、Nbおよび/またはTaからなる。
【0016】
また、本発明によるSnO2系透明導電膜は、Al、Si、Nb、Taおよび Yからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であり、膜厚1000オングストロームにおける波長550nmの光の透過率が80%以上であり、かつ、比抵抗が0.1Ω・cm以下であることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明のSnO2系透明導電膜の好ましい態様においては、X25( Xは任意の元素)の酸化形態を持つ元素を少なくとも1種含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であり、膜厚1000オングストロームにおける波長550nmの光の透過率が80%以上であり、かつ、比抵抗が0.1Ω・cm以下である。
【0018】
また、本発明の好ましい態様においては、SnO2系透明導電膜は、比抵抗が 0.01Ω・cm以下であり、さらに、Nbおよび/またはTaを含有するものである。
【0019】
さらに、本発明に係るSnO2系焼結体、薄膜形成用材料ならびにこれによっ て得られたSnO2系透明導電膜は、実質的にSb23を含有しないか、含有し ていたとしてもその量は、10ppm以下である。
【0020】
さらにまた、本発明は、上記薄膜形成用材料を用いてSnO2系透明導電膜を 成膜する透明導電膜の製造方法も含む。
【0021】
さらに、本発明に係る上記焼結体は、大気雰囲気または酸素雰囲気にて焼結してなるものであり、該焼結体は、実質的にSb23を含有しない。
【0022】
本発明による薄膜形成用材料は、所定のバッキングプレート等を具備することによってスパッタリングターゲットへの好適に適用され得る。したがって、本発明は、スパッタリングターゲットをも包含する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明による焼結体は、Al、Si、Nb、TaおよびYからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であり、かつ、比抵抗が1×107Ω・cm以下であることを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明によるSnO2系薄膜形成用材料は、Al、Si、Nb、Ta およびYからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系混合粉末を成形し、大気雰囲気ま たは酸素雰囲気中において1300℃以上で焼結されたSnO2系焼結体からな り、その比抵抗が1×107Ω・cm以下であることを特徴としている。
【0025】
本発明者は、SnO2系粉末に、Al、Si、Nb、TaおよびYからなる群 から選ばれた少なくとも1種を含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下とし、この原料混合粉末を成形・焼結することによって、比抵抗が1×107Ω・cm以下であり、比較的大型の焼結体を製造することのできるCP法 、鋳込み法による作製が可能であり、しかも1300℃以上の高温条件での焼結が可能になることを見出した。本発明はこのような知見によりなされたものである。
【0026】
上記の添加成分の添加形態については、メタル粉、酸化物粉、窒化物粉、水酸化物粉、炭化物粉など特に形態を選ばないが、焼結中におけるガスの発生がないメタル粉、酸化物粉での添加が好ましく、比較的高温まで溶融しない酸化物粉がさらに好ましい。
【0027】
混合方法は、不純物が混入せず、均一に混合できればよく、一般的には乾式混合、湿式混合などが知られている。また、共沈法などにより混合粉を作製する方法も有効である。
【0028】
上記添加成分の添加量は、その合計が酸化物換算で20重量%以下であり、さらに好ましくは6重量%以下である。添加量が20重量%を超えると、焼結体の比抵抗がいきおい増大し、さらにスパッタリング効率が低下するので好ましくない。さらに、上記上限値を超えると、成膜された膜中にも添加成分が析出し、膜の比抵抗も増大するので好ましくない。
【0029】
本発明のSnO2系焼結体の好ましい態様においては、X25(Xは任意の元 素)の酸化形態を持つ元素を少なくとも1種含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系焼結体からなり、その比抵抗が1×104Ω・cm以下である。
【0030】
また、本発明のSnO2系薄膜形成用材料は、X25(Xは任意の元素)の酸 化形態を持つ元素を少なくとも1種含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系混合粉末を成形し、大気雰囲気または酸素雰囲気 にて1300℃以上で焼結された比抵抗が1×104Ω・cm以下のであるSn O2系焼結体からなる。
【0031】
本発明による薄膜形成用材料は、所定のバッキングプレート等を具備することによってスパッタリングターゲットへの好適に適用され得る。したがって、本発明は、スパッタリングターゲットをも包含する。
【0032】
本発明による焼結体の製造に際しては、原料粉末を常法にしたがって混合し、成形し、焼結する諸工程を含む。成型方法は特に限定されるものではなく、プレス成形、鋳込み成形などが考えられるが、所定の寸法に成形できる限り、どのような成型方法でも本発明に適用することができる。
【0033】
本発明に係るSnO2系焼結体は実質的にSb23を含有しないか、含有して いたとしてもその量は、10ppm以下の不可避的含有量であることから、従来のようにSb23を含有する原料混合物の焼結の場合のように焼結温度を1000℃程度以上に上げることができないという焼結条件上の制限がない。すなわち、本発明においては、焼結条件として、1300℃以上、好ましくは1450℃以上の温度条件を採用することができる。したがって、本発明においては、高温の条件によって、強度の高い焼結体が得られることから、比較的大型の焼結体の製造に適したCP法や鋳込み法を採用することが可能となる。
【0034】
なお、焼結時間は得ようとする焼結体の寸法や組成によって適宜選択され得るが、通常、1時間から30時間が適当であり、好ましくは2時間から10時間である。焼結雰囲気は、大気、酸素、還元雰囲気など特に限定されるものではないが、製造コストの観点から、、大気中、酸素雰囲気中での焼結がより好ましく、大気雰囲気が特に好ましい。
【0035】
上述した本発明による焼結体は、CP法、鋳込み法による製造方法に特に適しているが、同様に、HP法、HIP法(Hot Isostatic Press法)にも適用が可 能である。
【0036】
本発明によれば、大型のSnO2系焼結体の製造が可能であり、製造法にもよ るが、たとえば、300×600×8mm程度の比較的大型の焼結体を得ることができる。
【0037】
一般にスパッタリングターゲットによって成膜を行う場合、その比抵抗が1×107Ω・cm以下であれば、成膜効率の比較的良好なDCスパッタリング法に よる成膜が可能となる。この点から、さらに好ましくは焼結体の比抵抗は、1×104Ω・cm以下が望ましく、さらに比抵抗が低いほど好ましい。
【0038】
また、焼結体をスパッタリングターゲットとして用いる場合、そのスパッタ面の表面粗さは、一般にその組成の如何によらず、表面粗さ0.1〜6.0μm程度が適当である。
【0039】
上記焼結体からなるスパッタリングターゲットを用いた透明導電膜の成膜方法は特に限定されるものではないが、好ましくは工業的に効率の良いスパッタリング法を適宜選択することができ、特に好ましくはDCスパッタリング法である。SnO2系透明導電膜に要求される特性は、SnO2系透明導電膜の比抵抗が0.1Ω・cm以下、膜厚1000オングストロームにおける波長550nmの光の透過率が80%以上である。上記本発明によれば、SnO2系薄膜の比抵抗は 0.1Ω・cm以下が可能であり、好ましくは0.01Ω・cm以下であり、より好ましくは0.007Ω・cm以下である。また、本発明によって得られるSnO2系透明導電膜の透過率は、80%以上であり、さらに好ましくは85%以 上である。
【0040】
【実施例】
参考例1
純度99.99%、平均粒径0.8〜1.4μm(光透過法にて測定)、比表面積2.0〜3.0m/gのSnO粉末に市販のAl、SiO、Y 、Ta、Nb粉末を個別に5wt%添加し、ボールミルを用いて20時間混合した。混合粉にポリビニルアルコール水溶液を添加し造粒し、400×800mmの寸法のプレス金型に充填し、500kg/cmの圧力でプレス成形した。これを80℃で15時間乾燥したのち、200℃〜600℃にて脱脂した物を、酸素雰囲気1500℃にて4時間焼結した。なお昇温速度、降温速度共に100℃/hrである。このようにして得られた焼結体を加工して、300×600×8mmの寸法のスパッタリングターゲットを作製した。得られたスパッタリングターゲットの表面粗さRaは0.6μm、内部組織は、添加元素が均一に分散されており、またボアも均一に分散されていた。スパッタリングターゲットの組成を分析するとそれぞれの混合粉と同じ組成であった。スパッタリングターゲットは着色されており高純度のSnOを焼結したときの白色ではなかった。
【0041】
得られたスパッタリングターゲットの比抵抗を表1に示す。比抵抗はLoresta HP MGP−T410(三菱化学株式会社製)により測定した。
【0042】
特に、X25(Xは任意の元素)の酸化形態を持つ元素の添加が比抵抗には効果的であることがわかる。
【0043】
比較例1
純度99.99%、平均粒径0.8〜1.4μm(光透過法にて測定)、比表面積2.0〜3.0m2/gのSnO2粉末に市販のGeO2、Ga23、Bi23、Mn23、MnO、Fe23粉末を個別に5wt%添加し、ボールミルを用 いて20時間混合した。混合粉にポリビニルアルコール水溶液を添加し造粒し、プレス金型に充填し、500kg/cm2の圧力でプレス成形した。これを80 ℃で15時間乾燥したのち、200℃〜600℃にて脱脂した物を、酸素雰囲気1500℃にて4時間焼結した。なお昇温速度、降温速度共に100℃/hrである。このようにして得られた焼結体を加工して、スパッタリングターゲットを作製した。得られたスパッタリングターゲットの表面粗さRaは0.6μm、内部組織は、添加元素が均一に分散されており、またボアも均一に分散されていた。スパッタリングターゲットの組成を分析するとそれぞれの混合粉と同じ組成であった。スパッタリングターゲットは着色されており高純度のSnO2を焼結し たときの白色ではなかった。
【0044】
得られたスパッタリングターゲットの比抵抗を表2に示す。比抵抗はLoresta HP MGP−T410(三菱化学株式会社製)により測定した。
【0045】
実施例1および参考例
純度99.99%、平均粒径0.8〜1.4μm(光透過法にて測定)、比表面積2.0〜3.0m/gのSnO粉末に市販のTa、Nb粉末を添加し、ボールミルを用いて20時間混合した。混合粉にポリビニルアルコール水溶液を添加し造粒し、400×800mmの寸法のプレス金型に充填し、500kg/cmの圧力でプレス成形した。これを80℃で15時間乾燥したのち、200℃〜600℃にて脱脂した物を、酸素雰囲気1500℃にて4時間焼結した。なお昇温速度、降温速度共に100℃/hrである。このようにして得られた焼結体を加工して、300×600×8mmの寸法のスパッタリングターゲットを作製した。得られたスパッタリングターゲットの表面粗さRaは0.6μm、内部組織は、添加元素が均一に分散されており、またボアも均一に分散されていた。スパッタリングターゲットの組成を分析するとそれぞれの混合粉と同じ組成であった。スパッタリングターゲットは着色されており高純度のSnOを焼結したときの白色ではなかった。
【0046】
得られたスパッタリングターゲットの比抵抗を表3に示す。比抵抗はLoresta HP MGP−T410(三菱化学株式会社製)により測定した。
【0047】
実施例2および参考例
実施例により得られたスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリングによりガラス基板上に成膜した。この時のスパッタ条件は下記に示す。このようにして得られたSnO系透明導電膜の比抵抗と透過率を測定した。その結果を表4に示す。さらに、得られたSnO系透明導電膜をガラス基盤ごと大気中500℃で30分アニールし、アニールされたSnO系透明導電膜の比抵抗と透過率を測定した。その結果を表5に示す。なお比抵抗はLoresta HP MGP−T410(三菱化学株式会社製)により測定した。
【0048】
スパッタ条件
スパッタ圧 3×10-3Torr
2 分圧 0〜9×10-4Torr
投入パワー(定電流源) 360mA
成膜温度 100℃
カソードマグネット フェライト磁石
【0049】
【表1】
Figure 0004018839
【0050】
【表2】
Figure 0004018839
【0051】
【表3】
Figure 0004018839
【0052】
【表4】
Figure 0004018839
【0053】
【表5】
Figure 0004018839

Claims (7)

  1. Al、Si、Nb、TaおよびYからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するSnO2系薄膜形成用材料であって、NbおよびTaの双方を必須成分として含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系混合粉末を成形し、大気雰囲気または酸素雰囲気中において1450℃以上で焼結されたSnO2系焼結体からなり、その比抵抗が1×10 4 Ω・cm以下であることを特徴とする、SnO2系薄膜形成用材料。
  2. 実質的にSb23を含有しない、請求項に記載のSnO2系薄膜形成用材料。
  3. Al、Si、Nb、TaおよびYからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するSnO2系透明導電膜であって、NbおよびTaの双方を必須成分として含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であり、膜厚1000オングストロームにおける波長550nmの光の透過率が85%以上であり、かつ、比抵抗が0.007Ω・cm以下であることを特徴とする、SnO2系透明導電膜。
  4. 実質的にSb23を含有しない、請求項に記載のSnO2系透明導電膜。
  5. 請求項1または2に記載のSnO2 系薄膜形成用材料を用いて得られたことを特徴とする、SnO2系透明導電膜。
  6. 請求項1または2に記載の薄膜形成用材料を用いて請求項3または4に記載のSnO2系透明導電膜を成膜することを特徴とする、透明導電膜の製造方法。
  7. 請求項1または2に記載の薄膜形成用材料のスパッタリングターゲットへの使用。
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