JP4018839B2 - SnO2系焼結体、薄膜形成用材料および導電膜 - Google Patents
SnO2系焼結体、薄膜形成用材料および導電膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4018839B2 JP4018839B2 JP09016199A JP9016199A JP4018839B2 JP 4018839 B2 JP4018839 B2 JP 4018839B2 JP 09016199 A JP09016199 A JP 09016199A JP 9016199 A JP9016199 A JP 9016199A JP 4018839 B2 JP4018839 B2 JP 4018839B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sno
- sintered body
- thin film
- conductive film
- transparent conductive
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スパッタリングターゲットなどの薄膜形成用材料に関し、特にプラズマディスプレイパネル(PDP)やタッチパネル等の透明導電膜の形成に使用するスパッタリングターゲットに好適なSnO2(酸化錫)系焼結体、薄膜形成 用材料およびこれによって形成された透明導電膜に関するものである。
【0002】
ここで、SnO2系焼結体とは、SnO2を80重量%以上、好ましくは94重量%以上ならびに不可避的不純物を含む化合物からなる焼結体をいう。
【0003】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイ(LCD)に代わる表示デバイスとして、プラズマディスプレイパネル(PDP)が注目されている。PDPはLCDに比べて、バックライトを要しないため、表示装置をより薄く形成することができる等の利点を有しており、壁掛けTV等への応用が期待されている。
【0004】
PDPには、LCDと同様、透明電極が必要不可欠であり、ITO(酸化インジウム−酸化錫)膜やSnO2系透明導電膜がこれに用いられている。ITO膜 は、低抵抗でエッチング特性にもすぐれているが、高価であり、またPDP製造プロセス上、耐熱性や耐薬品性において問題がある。一方、SnO2系薄膜は、 抵抗値の点ではITO膜に劣るものの、比較的安価であり、耐熱性や耐薬品性にもすぐれているという利点を有している。
【0005】
従来、SnO2系焼結体においては、SnO2薄膜の抵抗値を下げるために酸化第一アンチモン(Sb2O3)を添加することが行われている。このようなSb2 O3が添加されたSnO2焼結体からなるスパッタリングターゲットを製造するためには、ホットプレス(HP)法が一般に用いられている。ホットプレス法においては、圧力をかけながら焼結を行うため、焼成密度や強度をある程度向上させる上では有利であるものの、装置上の制限から大型の焼結体を得ることは容易ではない。したがって、従来、大型のスパッタリングターゲットを作製する場合、複数の焼結体を張り合わせてターゲットを構成することが一般に行われている。しかしながら、複数の継ぎ目を有するターゲットを使用してスパッタリングによりSnO2薄膜を形成する場合においては、継ぎ目からアーキングやノジュール が発生し、安定な成膜を行うことができないという問題がある。したがって、継ぎ目のないターゲットやより継ぎ目の少ないターゲットが要請されていることから、より大型の焼結体を製造する技術が求められている。
【0006】
大型の焼結体を製造する方法としては、原料混合粉末をプレス成形して得た成形体を焼結するコールドプレス(CP)法や、原料混合粉末を鋳込み成形して得た成形体を焼結する鋳込み法がある。
【0007】
ところで、SnO2系透明導電膜に要求される特性は、一般に、SnO2系透明導電膜の比抵抗が0.1Ω・cm以下、膜厚1000オングストロームにおける波長550nmの光の透過率が80%以上である。上述したように、Sb2O3が添加されたSnO2薄膜は、Sb2O3が均一に添加されたSnO2ターゲットをスパッタリングすることにより成膜される。このようにして成膜されたSb2O3が添加されたSnO2薄膜は比抵抗のオーダーが10-3Ω・cm、膜厚1000オ ングストロームにおける波長550nmの光の透過率が90%程度であり、SnO2系透明導電膜に要求される特性を満足している。
【0008】
しかしながら、Sb2O3が添加されたSnO2ターゲットを作製する場合、S b2O3が約1000℃前後の温度で、大気中、酸素雰囲気中、不活性ガス中あるいは真空中など一般的な雰囲気条件において溶融するため、少なくとも1000℃以下の温度で熱処理する必要がある。したがって、CP法または鋳込み法によって焼結体を焼成する場合は、このように焼成温度に制限があるため、焼結が十分に進行せず、焼結が不十分な脆い焼結体しか得ることができないという問題がある。このような脆さを有する焼結体を用いてスパッタリングターゲットを作製する場合にあっては、その加工中に加工応力によって焼結体に割れや亀裂が生じたり、あるいはバッキングプレートへ焼結体をボンディングする際の熱応力によって割れが生じるという問題がある。このような割れが生じる傾向は、ターゲットの寸法が大型化するに従って顕著となる。
【0009】
したがって、高温での焼結、たとえば1300℃以上、好ましくは1450℃以上での高温での焼結が可能なSb2O3に代わる添加剤が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、比較的大型の焼結体を製造することのできるCP法、鋳込み法により作製が可能であり、しかも1300℃以上の高温条件で焼結することができる、組成のばらつきのなく、かつ、比抵抗が1×107Ω・cm以下のSnO2系焼結体からなる薄膜形成用材料を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によるSnO2系焼結体は、Al、Si、Nb、TaおよびYからなる 群から選ばれた少なくとも1種を含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であり、かつ、比抵抗が1×107Ω・cm以下であることを特徴と するものである。
【0012】
さらに本発明によるSnO2系薄膜形成用材料は、Al、Si、Nb、Taお よびYからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系混合粉末を成形し、大気雰囲気また は酸素雰囲気中において1300℃以上で焼結されたSnO2系焼結体からなり 、その比抵抗が1×107Ω・cm以下であることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の好ましい態様においては、SnO2系焼結体は、X2O5(Xは任意の 元素)の酸化形態を持つ元素を少なくとも1種含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系焼結体からなり、その比抵抗が1×1 04Ω・cm以下である。
【0014】
また、本発明の好ましい態様においては、SnO2系薄膜形成用材料は、X2O5(Xは任意の元素)の酸化形態を持つ元素を少なくとも1種含有し、その添加 量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系混合粉末を成形し、大 気雰囲気または酸素雰囲気にて1300℃以上で焼結された比抵抗が1×104 Ω・cm以下であるSnO2系焼結体からなる。
【0015】
さらに、この場合の好ましい態様においては、上記添加成分は、Nbおよび/またはTaからなる。
【0016】
また、本発明によるSnO2系透明導電膜は、Al、Si、Nb、Taおよび Yからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であり、膜厚1000オングストロームにおける波長550nmの光の透過率が80%以上であり、かつ、比抵抗が0.1Ω・cm以下であることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明のSnO2系透明導電膜の好ましい態様においては、X2O5( Xは任意の元素)の酸化形態を持つ元素を少なくとも1種含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であり、膜厚1000オングストロームにおける波長550nmの光の透過率が80%以上であり、かつ、比抵抗が0.1Ω・cm以下である。
【0018】
また、本発明の好ましい態様においては、SnO2系透明導電膜は、比抵抗が 0.01Ω・cm以下であり、さらに、Nbおよび/またはTaを含有するものである。
【0019】
さらに、本発明に係るSnO2系焼結体、薄膜形成用材料ならびにこれによっ て得られたSnO2系透明導電膜は、実質的にSb2O3を含有しないか、含有し ていたとしてもその量は、10ppm以下である。
【0020】
さらにまた、本発明は、上記薄膜形成用材料を用いてSnO2系透明導電膜を 成膜する透明導電膜の製造方法も含む。
【0021】
さらに、本発明に係る上記焼結体は、大気雰囲気または酸素雰囲気にて焼結してなるものであり、該焼結体は、実質的にSb2O3を含有しない。
【0022】
本発明による薄膜形成用材料は、所定のバッキングプレート等を具備することによってスパッタリングターゲットへの好適に適用され得る。したがって、本発明は、スパッタリングターゲットをも包含する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明による焼結体は、Al、Si、Nb、TaおよびYからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であり、かつ、比抵抗が1×107Ω・cm以下であることを特徴とする。
【0024】
さらに、本発明によるSnO2系薄膜形成用材料は、Al、Si、Nb、Ta およびYからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系混合粉末を成形し、大気雰囲気ま たは酸素雰囲気中において1300℃以上で焼結されたSnO2系焼結体からな り、その比抵抗が1×107Ω・cm以下であることを特徴としている。
【0025】
本発明者は、SnO2系粉末に、Al、Si、Nb、TaおよびYからなる群 から選ばれた少なくとも1種を含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下とし、この原料混合粉末を成形・焼結することによって、比抵抗が1×107Ω・cm以下であり、比較的大型の焼結体を製造することのできるCP法 、鋳込み法による作製が可能であり、しかも1300℃以上の高温条件での焼結が可能になることを見出した。本発明はこのような知見によりなされたものである。
【0026】
上記の添加成分の添加形態については、メタル粉、酸化物粉、窒化物粉、水酸化物粉、炭化物粉など特に形態を選ばないが、焼結中におけるガスの発生がないメタル粉、酸化物粉での添加が好ましく、比較的高温まで溶融しない酸化物粉がさらに好ましい。
【0027】
混合方法は、不純物が混入せず、均一に混合できればよく、一般的には乾式混合、湿式混合などが知られている。また、共沈法などにより混合粉を作製する方法も有効である。
【0028】
上記添加成分の添加量は、その合計が酸化物換算で20重量%以下であり、さらに好ましくは6重量%以下である。添加量が20重量%を超えると、焼結体の比抵抗がいきおい増大し、さらにスパッタリング効率が低下するので好ましくない。さらに、上記上限値を超えると、成膜された膜中にも添加成分が析出し、膜の比抵抗も増大するので好ましくない。
【0029】
本発明のSnO2系焼結体の好ましい態様においては、X2O5(Xは任意の元 素)の酸化形態を持つ元素を少なくとも1種含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系焼結体からなり、その比抵抗が1×104Ω・cm以下である。
【0030】
また、本発明のSnO2系薄膜形成用材料は、X2O5(Xは任意の元素)の酸 化形態を持つ元素を少なくとも1種含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系混合粉末を成形し、大気雰囲気または酸素雰囲気 にて1300℃以上で焼結された比抵抗が1×104Ω・cm以下のであるSn O2系焼結体からなる。
【0031】
本発明による薄膜形成用材料は、所定のバッキングプレート等を具備することによってスパッタリングターゲットへの好適に適用され得る。したがって、本発明は、スパッタリングターゲットをも包含する。
【0032】
本発明による焼結体の製造に際しては、原料粉末を常法にしたがって混合し、成形し、焼結する諸工程を含む。成型方法は特に限定されるものではなく、プレス成形、鋳込み成形などが考えられるが、所定の寸法に成形できる限り、どのような成型方法でも本発明に適用することができる。
【0033】
本発明に係るSnO2系焼結体は実質的にSb2O3を含有しないか、含有して いたとしてもその量は、10ppm以下の不可避的含有量であることから、従来のようにSb2O3を含有する原料混合物の焼結の場合のように焼結温度を1000℃程度以上に上げることができないという焼結条件上の制限がない。すなわち、本発明においては、焼結条件として、1300℃以上、好ましくは1450℃以上の温度条件を採用することができる。したがって、本発明においては、高温の条件によって、強度の高い焼結体が得られることから、比較的大型の焼結体の製造に適したCP法や鋳込み法を採用することが可能となる。
【0034】
なお、焼結時間は得ようとする焼結体の寸法や組成によって適宜選択され得るが、通常、1時間から30時間が適当であり、好ましくは2時間から10時間である。焼結雰囲気は、大気、酸素、還元雰囲気など特に限定されるものではないが、製造コストの観点から、、大気中、酸素雰囲気中での焼結がより好ましく、大気雰囲気が特に好ましい。
【0035】
上述した本発明による焼結体は、CP法、鋳込み法による製造方法に特に適しているが、同様に、HP法、HIP法(Hot Isostatic Press法)にも適用が可 能である。
【0036】
本発明によれば、大型のSnO2系焼結体の製造が可能であり、製造法にもよ るが、たとえば、300×600×8mm程度の比較的大型の焼結体を得ることができる。
【0037】
一般にスパッタリングターゲットによって成膜を行う場合、その比抵抗が1×107Ω・cm以下であれば、成膜効率の比較的良好なDCスパッタリング法に よる成膜が可能となる。この点から、さらに好ましくは焼結体の比抵抗は、1×104Ω・cm以下が望ましく、さらに比抵抗が低いほど好ましい。
【0038】
また、焼結体をスパッタリングターゲットとして用いる場合、そのスパッタ面の表面粗さは、一般にその組成の如何によらず、表面粗さ0.1〜6.0μm程度が適当である。
【0039】
上記焼結体からなるスパッタリングターゲットを用いた透明導電膜の成膜方法は特に限定されるものではないが、好ましくは工業的に効率の良いスパッタリング法を適宜選択することができ、特に好ましくはDCスパッタリング法である。SnO2系透明導電膜に要求される特性は、SnO2系透明導電膜の比抵抗が0.1Ω・cm以下、膜厚1000オングストロームにおける波長550nmの光の透過率が80%以上である。上記本発明によれば、SnO2系薄膜の比抵抗は 0.1Ω・cm以下が可能であり、好ましくは0.01Ω・cm以下であり、より好ましくは0.007Ω・cm以下である。また、本発明によって得られるSnO2系透明導電膜の透過率は、80%以上であり、さらに好ましくは85%以 上である。
【0040】
【実施例】
参考例1
純度99.99%、平均粒径0.8〜1.4μm(光透過法にて測定)、比表面積2.0〜3.0m2/gのSnO2粉末に市販のAl2O3、SiO2、Y2O3 、Ta2O5、Nb2O5粉末を個別に5wt%添加し、ボールミルを用いて20時間混合した。混合粉にポリビニルアルコール水溶液を添加し造粒し、400×800mmの寸法のプレス金型に充填し、500kg/cm2の圧力でプレス成形した。これを80℃で15時間乾燥したのち、200℃〜600℃にて脱脂した物を、酸素雰囲気1500℃にて4時間焼結した。なお昇温速度、降温速度共に100℃/hrである。このようにして得られた焼結体を加工して、300×600×8mmの寸法のスパッタリングターゲットを作製した。得られたスパッタリングターゲットの表面粗さRaは0.6μm、内部組織は、添加元素が均一に分散されており、またボアも均一に分散されていた。スパッタリングターゲットの組成を分析するとそれぞれの混合粉と同じ組成であった。スパッタリングターゲットは着色されており高純度のSnO2を焼結したときの白色ではなかった。
【0041】
得られたスパッタリングターゲットの比抵抗を表1に示す。比抵抗はLoresta HP MGP−T410(三菱化学株式会社製)により測定した。
【0042】
特に、X2O5(Xは任意の元素)の酸化形態を持つ元素の添加が比抵抗には効果的であることがわかる。
【0043】
比較例1
純度99.99%、平均粒径0.8〜1.4μm(光透過法にて測定)、比表面積2.0〜3.0m2/gのSnO2粉末に市販のGeO2、Ga2O3、Bi2O3、Mn2O3、MnO、Fe2O3粉末を個別に5wt%添加し、ボールミルを用 いて20時間混合した。混合粉にポリビニルアルコール水溶液を添加し造粒し、プレス金型に充填し、500kg/cm2の圧力でプレス成形した。これを80 ℃で15時間乾燥したのち、200℃〜600℃にて脱脂した物を、酸素雰囲気1500℃にて4時間焼結した。なお昇温速度、降温速度共に100℃/hrである。このようにして得られた焼結体を加工して、スパッタリングターゲットを作製した。得られたスパッタリングターゲットの表面粗さRaは0.6μm、内部組織は、添加元素が均一に分散されており、またボアも均一に分散されていた。スパッタリングターゲットの組成を分析するとそれぞれの混合粉と同じ組成であった。スパッタリングターゲットは着色されており高純度のSnO2を焼結し たときの白色ではなかった。
【0044】
得られたスパッタリングターゲットの比抵抗を表2に示す。比抵抗はLoresta HP MGP−T410(三菱化学株式会社製)により測定した。
【0045】
実施例1および参考例
純度99.99%、平均粒径0.8〜1.4μm(光透過法にて測定)、比表面積2.0〜3.0m2/gのSnO2粉末に市販のTa2O5、Nb2O5粉末を添加し、ボールミルを用いて20時間混合した。混合粉にポリビニルアルコール水溶液を添加し造粒し、400×800mmの寸法のプレス金型に充填し、500kg/cm2の圧力でプレス成形した。これを80℃で15時間乾燥したのち、200℃〜600℃にて脱脂した物を、酸素雰囲気1500℃にて4時間焼結した。なお昇温速度、降温速度共に100℃/hrである。このようにして得られた焼結体を加工して、300×600×8mmの寸法のスパッタリングターゲットを作製した。得られたスパッタリングターゲットの表面粗さRaは0.6μm、内部組織は、添加元素が均一に分散されており、またボアも均一に分散されていた。スパッタリングターゲットの組成を分析するとそれぞれの混合粉と同じ組成であった。スパッタリングターゲットは着色されており高純度のSnO2を焼結したときの白色ではなかった。
【0046】
得られたスパッタリングターゲットの比抵抗を表3に示す。比抵抗はLoresta HP MGP−T410(三菱化学株式会社製)により測定した。
【0047】
実施例2および参考例
実施例1により得られたスパッタリングターゲットを用いて、スパッタリングによりガラス基板上に成膜した。この時のスパッタ条件は下記に示す。このようにして得られたSnO2系透明導電膜の比抵抗と透過率を測定した。その結果を表4に示す。さらに、得られたSnO2系透明導電膜をガラス基盤ごと大気中500℃で30分アニールし、アニールされたSnO2系透明導電膜の比抵抗と透過率を測定した。その結果を表5に示す。なお比抵抗はLoresta HP MGP−T410(三菱化学株式会社製)により測定した。
【0048】
スパッタ条件
スパッタ圧 3×10-3Torr
O2 分圧 0〜9×10-4Torr
投入パワー(定電流源) 360mA
成膜温度 100℃
カソードマグネット フェライト磁石
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
Claims (7)
- Al、Si、Nb、TaおよびYからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するSnO2系薄膜形成用材料であって、NbおよびTaの双方を必須成分として含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であるSnO2系混合粉末を成形し、大気雰囲気または酸素雰囲気中において1450℃以上で焼結されたSnO2系焼結体からなり、その比抵抗が1×10 4 Ω・cm以下であることを特徴とする、SnO2系薄膜形成用材料。
- 実質的にSb2O3を含有しない、請求項1に記載のSnO2系薄膜形成用材料。
- Al、Si、Nb、TaおよびYからなる群から選ばれた少なくとも1種を含有するSnO2系透明導電膜であって、NbおよびTaの双方を必須成分として含有し、その添加量の合計が酸化物換算で20重量%以下であり、膜厚1000オングストロームにおける波長550nmの光の透過率が85%以上であり、かつ、比抵抗が0.007Ω・cm以下であることを特徴とする、SnO2系透明導電膜。
- 実質的にSb2O3を含有しない、請求項3に記載のSnO2系透明導電膜。
- 請求項1または2に記載のSnO2 系薄膜形成用材料を用いて得られたことを特徴とする、SnO2系透明導電膜。
- 請求項1または2に記載の薄膜形成用材料を用いて請求項3または4に記載のSnO2系透明導電膜を成膜することを特徴とする、透明導電膜の製造方法。
- 請求項1または2に記載の薄膜形成用材料のスパッタリングターゲットへの使用。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09016199A JP4018839B2 (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | SnO2系焼結体、薄膜形成用材料および導電膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09016199A JP4018839B2 (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | SnO2系焼結体、薄膜形成用材料および導電膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000281431A JP2000281431A (ja) | 2000-10-10 |
JP4018839B2 true JP4018839B2 (ja) | 2007-12-05 |
Family
ID=13990778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09016199A Expired - Lifetime JP4018839B2 (ja) | 1999-03-30 | 1999-03-30 | SnO2系焼結体、薄膜形成用材料および導電膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4018839B2 (ja) |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6524647B1 (en) * | 2000-03-24 | 2003-02-25 | Pilkington Plc | Method of forming niobium doped tin oxide coatings on glass and coated glass formed thereby |
JP4851777B2 (ja) * | 2005-11-09 | 2012-01-11 | 三井金属鉱業株式会社 | SnO2系スパッタリングターゲットおよびその製造方法 |
WO2007142330A1 (ja) * | 2006-06-08 | 2007-12-13 | Asahi Glass Company, Limited | 透明導電膜およびその製造方法、ならびにその製造に使用されるスパッタリングターゲット |
US7452488B2 (en) | 2006-10-31 | 2008-11-18 | H.C. Starck Inc. | Tin oxide-based sputtering target, low resistivity, transparent conductive film, method for producing such film and composition for use therein |
JP5146443B2 (ja) * | 2007-03-14 | 2013-02-20 | 旭硝子株式会社 | 透明導電膜およびその製造方法、ならびにその製造に使用されるスパッタリングターゲット |
JP4859726B2 (ja) * | 2007-03-29 | 2012-01-25 | 三井金属鉱業株式会社 | SnO2系スパッタリングターゲットおよびスパッタ膜 |
CN101265501B (zh) * | 2008-04-23 | 2011-08-24 | 昆明理工大学 | 一种基因芯片用钽掺杂氧化锡薄膜载体材料 |
CN101265502B (zh) * | 2008-04-23 | 2011-08-24 | 昆明理工大学 | 一种基因芯片用钽掺杂氧化锡薄膜载体材料的制备方法 |
CN101260512B (zh) * | 2008-04-23 | 2010-06-02 | 昆明理工大学 | 一种钽掺杂氧化锡透明导电薄膜的制备方法 |
JPWO2010032432A1 (ja) * | 2008-09-19 | 2012-02-02 | 出光興産株式会社 | 酸化イットリウムを含有する焼結体及びスパッタリングターゲット |
JP5681590B2 (ja) * | 2011-08-19 | 2015-03-11 | Jx日鉱日石金属株式会社 | スパッタリング用酸化物焼結体ターゲット及びその製造方法並びに前記ターゲットを用いた薄膜の形成方法及び薄膜形成方法 |
CN102723386A (zh) * | 2012-06-29 | 2012-10-10 | 苏州嘉言能源设备有限公司 | 薄膜太阳能电池光吸收透明薄膜 |
KR102042081B1 (ko) * | 2016-08-10 | 2019-11-07 | 가부시키가이샤 아루박 | 투명 도전층이 구비된 기판, 액정 패널 및 투명 도전층이 구비된 기판의 제조 방법 |
JP2021021122A (ja) | 2019-07-30 | 2021-02-18 | 住友金属鉱山株式会社 | 蒸着用タブレットと酸化物透明導電膜および酸化錫系焼結体の製造方法 |
CN112521144B (zh) * | 2020-12-21 | 2022-01-18 | 华中科技大学 | 一种低温巨介电反铁磁陶瓷材料及其制备和应用 |
JPWO2022181617A1 (ja) * | 2021-02-24 | 2022-09-01 |
-
1999
- 1999-03-30 JP JP09016199A patent/JP4018839B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000281431A (ja) | 2000-10-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4018839B2 (ja) | SnO2系焼結体、薄膜形成用材料および導電膜 | |
JP4826066B2 (ja) | 非晶質の透明導電性薄膜およびその製造方法、並びに、該非晶質の透明導電性薄膜を得るためのスパッタリングターゲットおよびその製造方法 | |
JP5733208B2 (ja) | イオンプレーティング用タブレットとその製造方法、および透明導電膜 | |
KR101184353B1 (ko) | 투명도전막, 투명도전막 제조용 소결체 타겟, 투명도전성기재 및 이를 이용한 표시 디바이스 | |
JP5146443B2 (ja) | 透明導電膜およびその製造方法、ならびにその製造に使用されるスパッタリングターゲット | |
JPH10306367A (ja) | スパッタリングターゲット用ZnO−Ga2O3系焼結体およびその製造方法 | |
JPWO2007142330A1 (ja) | 透明導電膜およびその製造方法、ならびにその製造に使用されるスパッタリングターゲット | |
KR20140041950A (ko) | 아모르퍼스 복합 산화막, 결정질 복합 산화막, 아모르퍼스 복합 산화막의 제조 방법, 결정질 복합 산화막의 제조 방법 및 복합 산화물 소결체 | |
WO2010018707A1 (ja) | 酸化ガリウム-酸化スズ系酸化物焼結体及び酸化物膜 | |
JP5388266B2 (ja) | ZnO系ターゲット及びその製造方法並び導電性薄膜の製造方法及び導電性薄膜 | |
JP2006188392A (ja) | 酸化物焼結体、透明導電性薄膜およびその実装素子 | |
JP3957917B2 (ja) | 薄膜形成用材料 | |
TWI580663B (zh) | 氧化鋅系燒結體與其製造方法以及濺鍍靶與透明導電膜 | |
JPH07196365A (ja) | Ito焼結体ならびにito透明電導膜およびその膜の形成方法 | |
TWI778100B (zh) | 氧化物燒結體及濺鍍靶 | |
CN110546300B (zh) | 透明导电膜用溅射靶 | |
JP4075361B2 (ja) | Mg含有ITOスパッタリングターゲットの製造方法 | |
JP4794757B2 (ja) | 透明電極膜を形成するためのスパッタリングターゲット | |
JP3004518B2 (ja) | スパッタリングターゲットとその製造方法 | |
JP5809542B2 (ja) | スパッタリングターゲット材およびその製造方法 | |
WO2021019854A1 (ja) | 蒸着用タブレットと酸化物透明導電膜および酸化錫系焼結体の製造方法 | |
JP2012020911A (ja) | 酸化亜鉛焼結体、その製造方法、スパッタリングターゲット及び透明性膜の製造方法 | |
WO1989005283A1 (en) | Target material for forming superconductive film | |
JPH0726371A (ja) | スパッタリング用ターゲットおよび低屈折膜 | |
JPH05339721A (ja) | 酸化インジウム−酸化錫スパッタリングターゲットの製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20031209 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060714 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060721 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060912 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070309 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070420 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20070521 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070626 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070810 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070907 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070921 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100928 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110928 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120928 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130928 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |