JPH05339721A - 酸化インジウム−酸化錫スパッタリングターゲットの製造法 - Google Patents

酸化インジウム−酸化錫スパッタリングターゲットの製造法

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JPH05339721A
JPH05339721A JP4168529A JP16852992A JPH05339721A JP H05339721 A JPH05339721 A JP H05339721A JP 4168529 A JP4168529 A JP 4168529A JP 16852992 A JP16852992 A JP 16852992A JP H05339721 A JPH05339721 A JP H05339721A
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JP
Japan
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powder
vacuum
sputtering target
indium oxide
tin oxide
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Withdrawn
Application number
JP4168529A
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English (en)
Inventor
Tadashi Sugihara
忠 杉原
Takeshi Machino
毅 町野
Takuo Takeshita
拓夫 武下
Yukihiro Ouchi
幸弘 大内
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表
示装置の透明電極、帯電防止導電膜コーティング、ガス
センサーなどに用いられるインジウム−錫酸化物透明導
電膜を作製するためのスパッタリング用ターゲットの製
造法に関する。 【構成】 Snが固溶した酸化インジウム粉末、または
酸化インジウム粉末および酸化錫粉末からなる混合粉末
を、650〜1100℃で真空中で熱処理したのち50
0℃以下まで一旦冷却し、ついで900〜1300℃で
真空ホットプレスするITOスパッタリングターゲット
の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インジウム−錫酸化
物(以下、ITOという)透明導電膜をスパッタリング
により製造するときに使用するターゲットの製造法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ITO膜は、透明でありかつ導
電性を有するために、液晶表示装置、エレクトロルミネ
ッセンス表示装置、太陽電池などの透明電極、帯電防止
導電膜、ガスセンサーなどとして幅広く使用されてお
り、前記ITO膜を形成する方法の1つとしてスパッタ
リング法がある。前記スパッタリング法には、In−S
n合金ターゲットを用いる方法とITOターゲットを用
いる方法があり、前記In−Sn合金ターゲットを用い
る方法は、安定した成膜を得るためには酸素量の厳しい
制御を必要とするために、比較的成膜が容易なITOタ
ーゲットを用いる方法が主流になっている。
【0003】かかるITOターゲットを製造する方法
は、特開平3−28156号公報、特開平3−1266
55号公報、特開平3−207858号公報などに公開
されており、ITO混合粉末の成形体を真空中、酸素
中、空気中、不活性ガス中などの任意の雰囲気を選定し
て行うことができるが、一般的には、空気中、1200
〜1500℃で行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記ITOターゲット
は難焼結性であり、混合→粉砕→成形→常圧焼結という
通常のセラミックス焼結体製造法で得られたITOター
ゲットの理論密度比はせいぜい60%程度しか上がら
ず、また前記理論密度比が低いためにITOターゲット
の比抵抗も高くなり、2×10-3Ωcm以下に下げるこ
とは難しく、かかる従来のITOターゲットを用いて高
速成膜を達成するために高電圧をかけながらスパッタリ
ングを実施すると、異常放電が発生しやすく、放電状態
が不安定でターゲットが不均一に消耗し、一方、投入電
力を小さくして電圧を低くすると成膜速度が遅くなり、
十分なITO成膜速度を得ることはできなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
従来よりも理論密度比が高くかつ比抵抗が2×10-3Ω
cm以下となって高電圧をかけても異常放電が発生せ
ず、高速成膜を行うことのできるITOスパッタリング
ターゲットの製造法を開発すべく研究を行なった結果、
Snが固溶した酸化インジウム粉末、または平均粒径:
0.01〜1μmの酸化インジウム粉末および酸化錫粉
末からなる混合粉末を、真空ホットプレスする前に、6
50〜1100℃で真空中で熱処理した後、500℃以
下まで一旦冷却し、ついで900〜1300℃で真空ホ
ットプレスすることにより得られたITOスパッタリン
グターゲットは、高密度でかつ比抵抗も低く、従来より
も高い電圧をかけても異常放電が発生せず、投入電力を
増加させることができ、したがって高速成膜を行うこと
のできるという知見を得たのである。
【0006】この発明は、かかる知見に基づいて成され
たものであって、Snが固溶した酸化インジウム粉末、
または酸化インジウム粉末および酸化錫粉末からなる混
合粉末を、650〜1100℃で真空中で熱処理したの
ち500℃以下まで一旦冷却し、ついで900〜130
0℃で真空ホットプレスするITOスパッタリングター
ゲットの製造法に特徴を有するものである。
【0007】この発明のITOスパッタリングターゲッ
トの製造法における焼結条件を前記のごとく限定した理
由を説明する。 (a) 原料粉末 原料粉末の平均粒径は特に限定されるものではないが、
1μmより大きいと焼結性が悪く、焼結密度が上昇せ
ず、得られたITOスパッタリングターゲットの平均結
晶粒径も1μmより大きくなるので好ましくなく、逆に
平均結晶粒径が0.01μmより小さいと、凝集を抑制
することが難しく、焼結性の高い粉末とすることは極め
て困難である。したがって、このITOスパッタリング
ターゲット製造に用いる原料粉末の平均粒径は、0.0
1〜1μmの範囲内にあることが好ましく、さらに0.
02〜0.5μmの範囲内にあることが一層好ましい。
【0008】また、この発明のITOスパッタリングタ
ーゲットの製造に用いる原料粉末は、酸化錫を固溶した
酸化インジウム粉末または酸化錫粉末と酸化インジウム
粉末の混合粉末のうちいずれを用いても良いが、酸化錫
を固溶した酸化インジウム粉末の方が一層好ましい。そ
の理由は、混合粉末だと微視的な混合度が低く、得られ
たターゲットのSnの分散性が悪いため、成膜して得ら
れた膜のSnの分散性も悪く、さらに導電性も悪くなる
からである。
【0009】前記Snを固溶した酸化インジウム粉末
は、例えば、一般に市販されている酸化錫粉末と酸化イ
ンジウム粉末を混合したのち、1350℃以上で焼成し
て固溶させた後、機械的粉砕を施すことによって得るこ
とができる。
【0010】(b) 熱処理 熱処理温度は、650℃より低いと熱処理効果がなく、
一方、1100℃より高いとSnの凝集が激しくなって
メタルが析出し好ましくない。したがって、熱処理温度
は650〜1100℃に定めた。かかる熱処理したの
ち、500℃以下好ましくは室温に一旦冷却することが
必要である。500℃より高い温度に保持したまま次の
真空ホットプレスに移るとSnが凝集し成長して大きな
Sn凝集粒となり、ITOスパッタリングターゲットの
理論密度比および比抵抗に好ましくない結果が現れる。
【0011】(c) ホットプレス温度 ホットプレスにおける焼結温度は、900〜1300℃
が良く、900℃より低いと、高い焼結密度が得られ
ず、逆に1300℃より高いとSnの凝集が激しくなっ
たり、金属が析出したりするので好ましくない。
【0012】
【実施例】
実施例1 In2 3 粉末とSnO2 粉末を9:1の割合で混合し
た後、大気中、温度:1450℃で焼成し、完全に固溶
させた後、粉砕し、平均粒径:0.7μmのSn固溶I
2 3 粉末を製造した。ついでこのSn固溶In2
3 粉末を試料重量/面積:4.2(g/cm2 )となる
ようにホットプレス金型に充填し、雰囲気を5×10-3
torrの真空となるように保持した後、表1に示され
る条件で真空熱処理し、続いてその真空度を保持したま
ま一旦表1に示される冷却条件で冷却した後、5×10
-3torrの真空中、表1に示される温度および圧力で
真空ホットプレスを行なうことにより本発明製造法1〜
8、比較製造法1〜7および従来製造法1〜2を実施
し、直径:80mm、厚さ:7mmの円盤状ターゲット
を製造した。
【0013】本発明製造法1〜8、比較製造法1〜7お
よび従来製造法1〜2により得られた円盤状ターゲット
の理論密度比、比抵抗(×10-3Ωcm)、抗折力およ
び熱伝導率を測定し、さらにその組織を電子線マイクロ
アナライザー(EPMA)により観察し、Snの分散性
の良否を判定し、その結果を表2に示した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】実施例2 平均粒径:0.7μmのIn2 3 粉末および平均粒
径:0.7μmのSnO2 粉末を9:1の割合で混合
し、ついでこの混合粉末を試料重量/面積:4.2(g
/cm2 )となるようにホットプレス金型に充填し、以
下、実施例1の表1の本発明製造法1〜8、比較製造法
1〜7および従来製造法1〜2に示される条件と全く同
じ条件でそれぞれ本発明製造法9〜16、比較製造法8
〜14および従来製造法3〜4を実施し、得られた円盤
状ターゲットの理論密度比、比抵抗(×10-3Ωc
m)、抗折力および熱伝導率を測定し、さらにその組織
を電子線マイクロアナライザー(EPMA)により観察
し、Snの分散性の良否を判定し、その結果を表3に示
した。
【0017】
【表3】
【0018】
【発明の効果】表1〜表3に示される結果から、原料混
合粉末を真空ホットプレスする前に、650〜1100
℃で真空中で熱処理したのち500℃以下まで冷却する
工程を施し、ついで900〜1300℃で真空ホットプ
レスする本発明製造法1〜16により得られたITOス
パッタリングターゲットは、前記熱処理および冷却工程
を施さない従来製造法1〜4により得られたITOスパ
ッタリングターゲットに比べてSnの分散性が良好でか
つ比抵抗も低く、さらに理論密度比、抗折力および熱伝
導率も高いために異常放電が発生せず、投入電力を増加
させることができ、したがって高速成膜を行うことので
きることがわかる。
【0019】しかし、この発明の条件から外れた条件を
持つ比較製造法1〜14(この発明の条件から外れてい
る値に*印を付して示した)により得られたITOスパ
ッタリングターゲットは、Snの分散性、比抵抗、理論
密度比、抗折力および熱伝導率のうち少なくとも一つに
好ましくない値が出ることがわかる。この発明の製造法
によると、優れたITOスパッタリングターゲットを製
造することができ、産業上優れた貢献を成し得るもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 幸弘 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Snが固溶した酸化インジウム粉末を、
    真空中、温度:650〜1100℃で熱処理したのち5
    00℃以下まで一旦冷却し、ついで900〜1300℃
    で真空ホットプレスすることを特徴とする酸化インジウ
    ム−酸化錫スパッタリングターゲットの製造法。
  2. 【請求項2】 酸化インジウム粉末および酸化錫粉末か
    らなる混合粉末を、真空中、温度:650〜1100℃
    で熱処理したのち500℃以下まで一旦冷却し、ついで
    900〜1300℃で真空ホットプレスすることを特徴
    とする酸化インジウム−酸化錫スパッタリングターゲッ
    トの製造法。
JP4168529A 1992-06-03 1992-06-03 酸化インジウム−酸化錫スパッタリングターゲットの製造法 Withdrawn JPH05339721A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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Effective date: 19990803