JP3314898B2 - Ito焼結体の製造方法 - Google Patents

Ito焼結体の製造方法

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JP3314898B2 JP24672894A JP24672894A JP3314898B2 JP 3314898 B2 JP3314898 B2 JP 3314898B2 JP 24672894 A JP24672894 A JP 24672894A JP 24672894 A JP24672894 A JP 24672894A JP 3314898 B2 JP3314898 B2 JP 3314898B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明導電膜作成に使用
するスパッタリング用ターゲット、具体的には、200
℃以下に加熱された基板上にスパッタリングすることに
より、透明性がよく、また比抵抗値が2.0×10-4Ω
・cm程度の良質な膜が得られるITO焼結体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー液晶ディスプレイのカラー
フィルター、プラスチック基板へのITO膜のコーティ
ングが行われている。しかし、これらのカラーフィルタ
ーやプラスチック基板は耐熱性に劣るため、従来行われ
てきた高温(400℃程度)でのスパッタリングは行え
ず、基板加熱温度は200℃以下という制約を受けてい
る。酸素雰囲気中あるいは大気中で1600℃以上の温
度で焼結するITO焼結体は、高温での基板加熱(たと
えば、400℃以上)を行うスパッタリングによれば比
抵抗値の低い膜が得られるが、200℃以下の低温の基
板加熱によるスパッタリングでは、得られるITO膜の
比抵抗値は2×10-4Ω・cm以上であり、比抵抗値の
低い膜を得ることが困難である。
【0003】また、酸素雰囲気中で1450〜1500
℃以上の温度で焼結するITO焼結体においては、高密
度が得られにくい。もっとも、酸素流量を上げることに
より高密度は得られるが、炉内の温度分布にばらつきが
生じ、焼結体に割れ、反りの問題が生じる。さらに、加
圧酸素雰囲気焼結法やホットプレス法のような特殊な装
置を用いる方法では、高密度化が可能であり、比抵抗値
の低い膜も得られる。たとえば、特開平4−51409
号、特開平4−160047号では、ホットプレスによ
り、相対密度が80%以上で電子線マイクロアナライザ
ーの線分析による錫組成が平均組成の0.8〜1.2倍
の範囲内にあるITO焼結体が開示されている。しか
し、これらは装置に莫大な投資を必要とするばかりでな
く、大面積の基板に成膜するために必要な大型品の焼結
体を製造する上で、量産性が低下すると共に焼結体価格
が高くなり生産上好ましくない。
【0004】 したがって、基板温度が200℃以下の
温度であっても、比抵抗値の良好なITO膜が安定して
成膜でき、生産性よく安価に製造できる大型品の高密度
ITO焼結体を提供する方法が提案されている。たとえ
ば、特開平6−24826号公報では、実質的にインジ
ウム、錫、酸素からなる粉末を成形した後炉内に入れ、
成形体の周囲に、酸素ガスを焼結炉内の容積に対して1
分間あたり1.8×10-2以上の割合で流入しながら、
1300℃から1450℃まで50分以内で昇温し、1
450〜1550℃の温度範囲で焼結することを特徴と
する高密度ITO焼結体の製造方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、安価な製造方
法で高密度な大型品ITO焼結体が得られ、基板温度が
低い条件においても比抵抗値の良好なITO膜が安定し
て成膜できるITO焼結体の提供がさらに要望されてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明の製造方法で
は、酸素雰囲気中で焼結して高密度焼結体を製造するに
あたり、実質的にインジウム、錫、および酸素からなる
粉末を成形した後、1450〜1550℃の温度で焼結
を行う焼結過程において、前記粉末の成形体の周囲を錫
酸化物成分を含む蒸気で満たしつつ、酸素ガスを流入す
るか、または錫酸化物成分を含む蒸気と酸素との混合ガ
を流入して、焼結を行う。本発明のITO焼結体は、
実質的にインジウム、錫、および酸素からなるものであ
り、In23−SnO2 系のものである。この組成自体
は公知のITO焼結体と同様であり、一般に錫の平均組
成が4〜12重量%であり、インジウムの平均組成が7
0〜78重量%の範囲にある。しかし、200℃以下に
加熱された基板上にスパッタリングすることにより、透
明性がよく、また比抵抗値が2.0×10-4Ω・cm程
度の良質な膜が得られるITO焼結体である。
【0007】
【作用】一般に焼結体の密度が向上すると、焼結体の表
面抵抗値が低下するため、スパッタリング時のプラズマ
状態が安定的になるといわれている。しかし、前述した
従来公知の方法のように1600℃以上の焼結温度で製
造すれば、容易に焼結体密度が6.0g/cm3 以上は
得られるが、このITO焼結体を用いて基板温度が低い
条件でスパッタリングを行った場合、結晶化されていな
い膜や乱れた相が生成し、良質な膜が得られないのであ
る。この原因は、焼結体中に凝集したSn原子の粗大化
によるものであると推察される。すなわち、凝集したS
n原子の粗大化している焼結体を用いてスパッタリング
を行った場合、焼結体から放出される原子のうち10%
程度を占める十数原子ないし十数原子の集団が、Sn原
子を主体とするものになる確率が高くなり、その原子集
団がそのままの状態で基板に到達するため、乱れた結晶
構造を持つ相が基板に形成され、膜の比抵抗値を悪化さ
せる直接の原因となるものと考えられる。なお、凝集し
たSn原子は、電子線マイクロアナライザーの線分析に
より評価できる(特開平4−160047号参照)。一
方、スパッタリングにおいて基板加熱温度が高温である
場合には、膜中の原子の拡散が容易に起こるため、成膜
状態では乱れた構造を持つ膜であっても、スパッタリン
グが継続されるうちに結晶質な膜に変化する。しかし、
基板加熱温度が低かったり、膜厚が薄かったり、スパッ
タリング時間が短い等の場合には、結晶化が起こらずに
良質な膜は得られない。これが比抵抗値の良好な膜が得
られない原因となっているのである。
【0008】本発明の製造方法によるITO焼結体にお
いては、1450〜1550℃の比較的低い焼結温度に
もかかわらず、焼結体密度が6.0g/cm3 以上を達
成しているうえ、ITO焼結体は電子線マイクロアナラ
イザーの線分析における錫組成が平均組成の0.8〜
1.2倍の範囲にあることからSn原子の凝集は認めら
れず、低温での成膜においても比抵抗値の良好なITO
膜を得ることが可能となる。
【0009】以下に、本発明の製造方法に係わる諸要素
について説明する。 (原料粉末)酸化インジウム粉末、酸化インジウム粉末
と酸化錫粉末との混合粉末、酸化インジウム−酸化錫複
合粉末、酸化インジウム−酸化錫複合粉末と酸化インジ
ウム粉末との混合粉末などを組合せあるいは単独で所望
の組成に配合して原料粉末とする。酸化インジウム粉末
を用いるときは、その平均粒径を0.1μm以下にする
必要がある。その理由として、平均粒径が0.1μmを
越えると酸化インジウムを主とする粗大粒子が存在し、
原料粉末中の組成の均一分散性を悪化させ、原料粉末の
成形性、焼結性も悪化させるため高密度の焼結体が得ら
れなくなるためである。
【0010】(混合・粉砕)焼結体の錫組成が20重量
%以下、たとえば7.8重量%となるように酸化錫粉末
を酸化インジウム粉末中に配合した後、混合・粉砕を行
い造粒粉末とする。混合・粉砕を行う方法としては、た
とえばボールミル混合がある。混合時間は好ましくは1
2時間以上さらに好ましくは24時間以上である。パラ
フィンワックス、ポリビニルアルコールなどのバインダ
ーは混合・粉砕時などに1〜4重量%添加することが望
ましい。なお、造粒粉末の平均粒径は10μm以下であ
る。
【0011】(成形)次に、造粒粉末の成形を行う。焼
結体密度を6.0g/cm3 以上にするためには1to
n/cm2 以上の成形圧力が好ましい。
【0012】 (酸化錫の載置)成形後、一定の蒸気圧
を与えるための雰囲気調整用の酸化錫粉末、酸化インジ
ウム粉末と酸化錫粉末との混合粉末、もしくは酸化イン
ジウム−酸化錫複合粉末やこれらの成形物を、前記成形
周囲に載置して成形体の焼結を行う。ITO焼結体の
作製では、特に酸化錫は蒸気圧が高いために、焼結時に
蒸発−再蒸着による物質移動が生じるため、酸化錫成分
成形体周囲に載置しておくことで、焼結炉内の雰囲気
は、主に錫酸化物成分の蒸気で満たされる。この状態で
焼結を行うと、焼結体中の錫原子の蒸発を抑制でき、I
TO焼結体の高密度化を達成できる。この際の酸化錫成
分の載置量は制限しないが、好ましくは成形体重量に対
して、酸化錫成分で5〜40重量%がよい。なお、焼結
炉内の雰囲気に関し、酸化インジウムの蒸気圧は錫のよ
うな問題を生じない。さらに、これらの効果は、錫酸化
物を主とするガス、もしくはインジウム酸化物−錫酸化
物のガス、またはこれらのガスと酸素ガスの混合ガスを
導入することでも達成可能である。酸化物ガスと酸素ガ
スとの混合ガスの割合は酸化物ガスに対し、酸素ガスが
20〜80%含有することが両者のガス効果が薄れるこ
となく高密度化にとっては好ましい。ここでいうインジ
ウム酸化物とは、InO、In2O、In23、錫酸化
物とは、SnO、SnO2、(SnO)2,3,4 が主体と
なる。
【0013】 (焼結−酸素ガス)本発明においては、
酸素ガスを流すことで、高密度化に対する相乗効果が
られる。これは、前述した、焼結体中の錫原子の蒸発を
抑制する効果が、酸素ガスにもあるからである。
【0014】(焼結−昇温速度)焼結では、室温から1
300℃までの昇温時間を23時間程度、1300℃か
ら1450℃までの昇温時間を50分以内、好ましくは
7〜30分の範囲内にて温度を上昇させる。室温から1
000度までは脱バインダー過程であるため、昇温時間
が短いと焼結体に割れが生じてしまう。また、1300
〜1450℃までにおいては、焼結挙動がもっとも活発
な温度範囲であるため昇温時間は炉内の均熱を保てるか
ぎり、速くなければならない。この温度範囲での加熱に
より大きな収縮率が得られ、高密度な焼結体が作製でき
る。また、1450℃から、たとえば1550℃の焼結
温度までの昇温時間は、1300〜1450℃までの昇
温時間より遅くてもよいが、少なくとも150分以内、
好ましくは7〜50分の範囲内にて炉内の均熱を保てる
程度に温度上昇させる。
【0015】(焼結−焼結温度)焼結温度は1450℃
以上かつ1550℃以下とする。1450℃未満では高
密度の焼結体は得られない上、SnO2 相が安定に存在
するために、比抵抗値の低い良質なITO膜を得ること
が困難となる。また、1550℃以上であると電子線マ
イクロアナライザーの線分析における錫組成が平均組成
の0.8〜1.2倍の範囲外となる。
【0016】(焼結−保持時間)焼結温度に達した際に
保持する時間は10時間以上、好ましくは10〜30時
間の範囲内である。保持時間が10時間未満であると結
晶粒径が十分成長せず、高密度な焼結体は得られない。
【0017】(焼結−窒素置換率)本発明の方法に従
い、1450〜1550℃の温度で10〜30時間の焼
結を行った後、炉内の酸化錫蒸気用粉末やその成形物を
取り出し、また酸素ガスの導入を止めて、雰囲気を非還
元性にするのが好ましい。このために、アルゴン、二酸
化炭素等を焼結炉内に導入するが、好ましくは安価な窒
素ガスの導入を行うのが望ましい。その窒素ガス流量を
炉内容積に対して、1分間あたり1.8×10-2以上の
割合で流入させて、さらに5〜30時間程度の焼結を行
う。すなわち、窒素ガスに切り替えることで、内部の酸
欠により酸素空孔が導入され、空孔拡散が行われるの
で、窒素導入時間を延ばすほど、その焼結体密度は上昇
していく。炉内の窒素置換率は、窒素流量が炉内容積に
対し、1分間あたり1.8×10-2以上、好ましくは、
4.9〜6.8×10-2とする。1.8×10-2未満で
あるとその効果は薄く、6.8×10-2以上流してもそ
れほど大きな効果は得られない。なお、窒素ガス置換率
あるいは不活性ガス置換率は、酸素置換率と同様に定義
される。
【0018】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明する。 (実施例1)平均粒径0.07μmの酸化インジウム粉
末中に平均粒径1μmの酸化錫粉末を錫組成が7.8重
量%となるように配合し、3重量%の酢酸ビニール系バ
インダーを添加した後、湿式ボールミル中で18時間混
合し、乾燥および粉砕にて平均粒径を10μm以下に
し、これを造粒粉末とした。さらに、造粒粉末を用いて
3ton/cm2 で成形した。成形体を炉内の容器内に
配置した後、成形体に対し5重量%のインジウム酸化物
−錫酸化物粉末を加熱して得た蒸気状のインジウム酸化
物−錫酸化物のガスに対し酸素ガスを20%含有させ、
炉内容積に対し1分間あたり1.8×10-2の置換率で
混合ガスを導入し焼結を行った。焼結工程は、室温から
1300℃までを23時間にて昇温し、1300℃から
30分間の昇温時間をかけ1450℃まで温度を上昇さ
せた。そして、1500℃まで10分間の昇温時間にて
温度を上昇させ、1500℃にて15時間保持し、□1
75mm、厚さ6mmの大きさの板状のITO焼結体を
得た。この得られた焼結体密度は6.3g/cm3 であ
った。さらに研磨した試料の表面をビーム径1μmの電
子線マイクロアナライザー(EPMA)線分析にて錫組
成の均一性の評価を行った。その結果、錫量は7.6〜
8.1重量%の範囲であった。以上の結果を表1、表2
に示す。
【0019】また、このITO焼結体をスパッタリング
用ターゲット材として使用し、DCマグネトロンスパッ
タ法によってスパッタリング試験を行った。スパッタリ
ング条件は、投入電力2W/cm2 、圧力0.4Pa、
2 分圧2容量%、基板加熱温度200℃とし、1時間
連続スパッタリングをした後、各ターゲットについて2
000A(オングストローム)ごとに成膜し、四端針法
による比抵抗値の測定を行った。さらに同一スパッタリ
ング条件で30時間の連続スパッタリングを行い、比抵
抗値の測定を行った。これらの結果を表2に示す。
【0020】(実施例2)実施例1に使用したインジウ
ム酸化物−錫酸化物のガスの代わりに錫酸化物ガスを使
用した他は、実施例1と同様にしてITO焼結体を得
て、評価・測定を行った。得られた結果を表1、表2に
示す。
【0021】 (参考例)平均粒径0.07μmの酸化
インジウム粉末中に平均粒径1μmの酸化錫粉末を錫組
成が7.8重量%となるように配合し、3重量%の酢酸
ビニール系バインダーを添加した後、湿式ボールミル中
で18時間混合し、乾燥および粉砕にて平均粒径を10
μm以下にし、これを造粒粉末とした。さらに、造粒粉
末を用いて3ton/cm2 で成形した。成形体を炉内
の容器内に配置した後、成形体に対し20重量%の平均
粒径10μmの酸化錫粉末(参考例1、2、3、4、
)、平均粒径0.07μmの酸化インジウム粉末と平
均粒径1μmの酸化錫粉末との混合粉末(参考例6)、
平均粒径0.1μm以下の酸化インジウム−酸化錫複合
粉末(参考例7)を各々成形体全面、裏面もしくは成形
体の周囲に載置して、前記成形体の焼結を行った。焼結
工程は室温から1300℃までを23時間にて昇温し、
1300℃から30分間の昇温時間をかけ1450℃ま
で温度上昇させた。そして、1500℃まで10分間の
昇温時間にて温度を上昇させ、1500℃にて5、1
0、30時間保持し、□175mm、厚さ6mmの大き
さの板状のITO焼結体を得た。得られた焼結体の物性
値と錫組成を実施例1と同様の方法にて測定した後、ス
パッタリング用ターゲット材として使用しDCマグネト
ロンスパッタ法によって、実施例1と同様の方法にてス
パッタリング試験を行った。得られた結果を表1、表2
に示す。
【0022】 (実施例)平均粒径0.07μmの酸
化インジウム粉末中に平均粒径1μmの酸化錫粉末を錫
組成が7.8重量%となるように配合し、3重量%の酢
酸ビニール系バインダーを添加した後、湿式ボールミル
中で18時間混合し、乾燥および粉砕にて平均粒径を1
0μm以下にし、これを造粒粉末とした。さらに、造粒
粉末を用いて3ton/cm2 で成形した。成形体を炉
内の容器内に配置した後、成形体に対し20重量%の平
均粒径1μmの酸化錫粉末を、その成形体の周囲にある
皿の上に載置し、発生した蒸気ガスと、焼結炉の炉内容
積に対して1分間あたり1.8×10-2の割合で流入さ
せた酸素ガスとの混合ガス雰囲気中にて、室温から13
00℃までを23時間にて昇温し、1300℃から30
分間の昇温時間をかけ1450℃まで温度を上昇させ
た。そして、1500℃まで10分間の昇温時間にて温
度を上昇させ、1500℃にて15時間の焼結を行い、
□175mm、厚さ6mmの大きさの板状のITO焼結
体を得た。得られたITO焼結体の物性値と錫組成を実
施例1と同様の方法にて測定した後、スパッタリング用
ターゲット材として使用しDCマグネトロンスパッタ法
によって、実施例1と同様の方法にてスパッタリング試
験を行った。得られた結果を表1、表2に示す。
【0023】(比較例)平均粒径0.07μmの酸化イ
ンジウム粉末中に平均粒径1μmの酸化錫粉末を錫組成
が7.8重量%となるように配合し、3重量%の酢酸ビ
ニール系バインダーを添加した後、湿式ボールミル中で
18時間混合し、乾燥および粉砕にて平均粒径を10μ
m以下にし、これを造粒粉末とした。さらに、造粒粉末
を用いて3ton/cm2 で成形した後、炉内の酸素置
換率を17.0×10-2とした酸素雰囲気中で焼結を行
った。焼結工程では、室温から1300℃までを23時
間にて昇温し、1300℃から30分間かけて1450
℃まで温度を上昇させた。そして、1500℃まで10
分間の昇温時間にて温度を上昇させ、1500℃にて1
5時間の焼結を行い、□175mm、厚さ6mmの大き
さの板状のITO焼結体を得た。得られたITO焼結体
の物性値と錫組成を実施例1と同様の方法にて測定した
後、スパッタリング用ターゲット材として使用しDCマ
グネトロンスパッタ法によって、実施例1と同様の方法
にてスパッタリング試験を行った。得られた結果を表
1、表2に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上述べたように構成されて
いるので、スパッタリングによる成膜において基板加熱
温度が200℃以下の低温であっても、比抵抗値が2.
0×10-4Ω・cm以下の低抵抗なITO膜を安定して
得ることが可能な高密度ITO焼結体を提供できる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−94046(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 C04B 35/457 C04B 35/495 H01B 13/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化インジウムおよび酸化錫からなる粉
    末を成形した成形体を焼結するITO焼結体の製造方法
    において、酸化錫成分を含む蒸気ガス雰囲気中で、酸素
    ガスを流しながら焼結を行うことを特徴とするITO焼
    結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 蒸気ガス雰囲気が、酸化インジウムおよ
    び酸化錫からなる粉末を成形した成形体に対し、雰囲気
    調整用の酸化錫成分を含む粉末および/またはその成形
    物を前記成形体の周囲に載置して、そこで発生する蒸気
    により得られることを特徴とする請求項1に記載のIT
    O焼結体の製造方法。
  3. 【請求項3】 蒸気ガス雰囲気が、酸化インジウムおよ
    び酸化錫からなる粉末を成形した成形体に対し、雰囲気
    調整用の酸化錫成分を含む粉末および/またはその成形
    物を前記成形体の周囲に、成形体重量に対して酸化錫成
    分で5〜40重量%載置して、そこで発生する蒸気によ
    り得られることを特徴とする請求項1に記載のITO焼
    結体の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸素ガスが、焼結炉の炉内容積に対し
    て、1分間あたり1.8×10-2以上の割合で流入され
    ることを特徴とする請求項1に記載のITO焼結体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 蒸気ガス雰囲気が、酸化インジウムおよ
    び酸化錫からなる粉末を成形した成形体に対し、雰囲気
    調整用の酸化錫成分を含む粉末および/またはその成形
    物を前記成形体の周囲に、成形体重量に対して酸化錫成
    分で5〜40重量%載置して、そこで発生する蒸気によ
    り得られ、そして酸素ガスが、焼結炉の炉内容積に対し
    て、1分間当たり1.8×10-2以上の割合で流入され
    ることを特徴とする請求項1に記載のITO焼結体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 蒸気ガス雰囲気が、酸化インジウムおよ
    び酸化錫からなる粉末を成形した成形体に対し、雰囲気
    調整用の酸化錫成分を含む粉末および/またはその成形
    物を前記成形体の周囲に、成形体重量に対して酸化錫成
    分で5〜40重量%載置して、そこで発生する蒸気によ
    り得られ、そして酸素ガスが、焼結炉の炉内容積に対し
    て、1分間当たり1.8×10-2以上の割合で流入さ
    れ、焼結が1450〜1550℃の温度で行われること
    を特徴とする請求項1に記載のITO焼結体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 蒸気ガス雰囲気が、酸化インジウムおよ
    び酸化錫からなる粉末を成形した成形体に対し、雰囲気
    調整用の酸化錫成分を含む粉末および/またはその成形
    物を前記成形体の周囲に、成形体重量に対して酸化錫成
    分で5〜40重量%載置して、そこで発生する蒸気によ
    り得られ、そして酸素ガスが、焼結炉の炉内容積に対し
    て、1分間当たり1.8×10-2以上の割合で流入さ
    れ、焼結が1450〜1550℃の温度で10〜30時
    間行われることを特徴とする請求項1に記載のITO焼
    結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 酸化インジウムおよび酸化錫からなる粉
    末を成形した成形体を焼結するITO焼結体の製造方法
    において、酸化錫成分を含む蒸気ガスと酸素ガスとの混
    合ガスを流しながら焼結を行うことを特徴とするITO
    焼結体の製造方法。
  9. 【請求項9】 蒸気ガスと酸素ガスの混合ガスが、焼結
    炉の炉内容積に対して、1分間あたり1.8×10-2
    上の割合で流入されることを特徴とする請求項8に記載
    のITO焼結体の製造方法。
  10. 【請求項10】 酸化錫成分を含む蒸気ガスに対し、酸
    素ガスを容量で20%以上になるように酸素ガスを流す
    ことを特徴とする請求項8または9に記載のITO焼結
    体の製造方法。
  11. 【請求項11】 酸化錫成分を含む蒸気ガスに対し、酸
    素ガスを容量で20%以上になるように酸素ガスを流
    し、蒸気ガスと酸素ガスの混合ガスが、焼結炉の炉内容
    積に対して、1分間当たり1.8×10-2以上の割合で
    流入されることを特徴とする請求項8に記載のITO焼
    結体の製造方法。
  12. 【請求項12】 酸化錫成分を含む蒸気ガスに対し、酸
    素ガスを容量で20%以上になるように酸素ガスを流
    し、蒸気ガスと酸素ガスの混合ガスが、焼結炉の炉内容
    積に対して、1分間当たり1.8×10-2以上の割合で
    流入され、焼結が1450〜1550℃の温度で行われ
    ることを特徴とする請求項8に記載のITO焼結体の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 酸化錫成分を含む蒸気ガスに対し、酸
    素ガスを容量で20%以上になるように酸素ガスを流
    し、蒸気ガスと酸素ガスの混合ガスが、焼結炉の炉内容
    積に対して、1分間当たり1.8×10-2以上の割合で
    流入され、焼結が1450〜1550℃の温度で10〜
    30時間行われることを特徴とする請求項8に記載のI
    TO焼結体の製造方法。
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