JPH08855Y2 - 釣り用リールのハンドル折畳み構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はハンドル取付台の端部にハンドルアームを、
屈折格納状態かつ伸長作用状態に揺動切換可能に連結す
ると共に、前記伸長作用状態を固定しかつ手指の押し操
作で固定解除して前記固定解除状態に切換えるロック機
構を設けてある釣り用リールのハンドル折畳み構造に関
する。

〔従来の技術〕

この種の釣り用リールのハンドル折畳み構造として、
ロック機構を、ハンドルアームを伸長作用状態に固定
し、手指の押し操作を受けて固定解除状態を現出するロ
ック具と、このロック具を伸長作用状態に突出付勢する
戻しバネを設けるものがあった（例えば特開平１−9843
5号公報）。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記構成においては、ロック具を押し込み操作して固
定解除状態に切り換えその状態を維持するには、常に、
戻しバネの付勢力に抗して、ロック具を押し込み状態に
維持する必要がある。

したがって、ハンドルアームを伸長作用状態より屈折
格納状態に切り換えるには、ロック具を手指で押し続け
ながら、手首を捻ってハンドルアームを屈折させる必要
があり、釣り人はロック具を押し込むこととハンドルア
ームを捻じることの両方に意を注ぐ為に、操作が遺りに
くい面があった。

本考案は、ハンドルアームの屈折揺動にかかる操作を
容易に行える位置関係を合理的に設定して操作性の向上
を図れる釣り用リールのハンドル折畳構造を提供する点
にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による特徴構成は、前記ハンドルアームに、前
記ロック機構を収納する収納空間を形成し、前記ロック
機構に手指操作可能なロック具を設け、このロック具を
前記伸長作用状態に対応した突出姿勢と前記固定解除状
態に対応した収納姿勢とに切換移動可能に設けるととも
に、前記ロック具を前記突出姿勢に付勢する戻しバネを
設け、前記ロック具に前記収納姿勢で前記収納空間形成
面との接当によって、前記突出姿勢への戻りを規制する
戻り規制部を形成してある点にあり、その作用・効果は
次の通りである。

〔作用〕

ハンドルアームの所定位置を二本の指で摘み、一方の
指でロック具を押し込み操作して、前記規制部を前記収
納空間形成面に接当させると、戻り規制力が作用して、
前記突出姿勢への復帰力が弱くなり、ロック具を収納姿
勢に維持する操作力を軽減できる。そして、その儘手首
毎捻じるとハンドルアームを屈折格納することができ
る。

〔考案の効果〕

したがって、屈折揺動操作する際にロック具を押し込
むことに対する意を配する度合いを少なくできて、その
分だけ屈折揺動操作を容易に行えるようになった。

〔実施例〕

スピニングリール式ハンドル構造について説明する。
第４図及び第５図に示すように、スピニングリール本体
（７）の横側面よりハンドル軸（１）を突設すると共
に、前記ハンドル軸（１）の先端にハンドル取付台
（２）を設ける。このハンドル取付台（２）にハンドル
アーム（３）を屈折格納状態及び伸長作用状態に揺動可
能に連結し、前記伸長作用状態を固定しかつ手指の押し
操作で固定解除状態を切換えるロック機構（４）を設け
てハンドルを構成する。

第４図及び第５図に示すように、前記ハンドルアーム
（３）はハンドル取付台（２）に対して軸心（Ｘ）を中
心に揺動可能に連結されると共に、前記軸心（Ｘ）近く
にロック機構（４）用収納空間（ａ）を形成してある。
前記ロック機構（４）は、前記収納空間（ａ）に保持さ
れ出退移動するロック具（５）と、このロック具（５）
をロック作用状態に戻し付勢する戻しバネ（６）とから
なる。ロック具（５）の後記第１側壁（3b）より突出し
た先端に手指操作載置部（ｂ）を設けてあり、もって、
この手指操作載置部（ｂ）にかけた手指の押し込み操作
による付勢力によってロック解除状態に切り換える。前
記ハンドルアーム（３）のロック機構用収納空間（ａ）
を囲む両側壁のうちの第２側壁（3a）は、前記ハンドル
アーム（３）の伸長作用状態でハンドル取付台（２）に
接当すべく構成されると共に、前記両側壁面のうちの第
１側壁（3b）は、テーパ面に形成され、そのテーパ面を
前記ロック具（５）のテーパ面に作用させて、ロック作
用状態での抜け出しを阻止する構成を採っている。そし
て、前記テーパ面の位置は前記軸心（Ｘ）と間隔（Ｌ）
だけ偏位しており、付勢力によってロック具（５）が突
出される方向に付勢されるとその反力が前記テーパ面に
より前記ハンドルアーム（３）の第１側壁（3b）に作用
して第１図で時計回り方向にハンドルアーム（３）を回
転させる力となり、前記第２側壁（3a）をハンドル取付
台（２）に押圧し、ハンドルアーム（３）の伸長作用状
態での“ガタ付”を抑える構成を採っている。

ロック具（５）の上面には、段差部（5a）を形成して
あり、ロック具（５）を押し込んだ際に、この段差部
（5a）が収納空間（ａ）形成面としての第１側壁（3b）
の開口角部に接当して、ロック具（５）の戻り力を軽減
する。

格納するには、前記ロック具（５）の手指操作載置面
（ｂ）に親指をかけてロック具（５）を押し込み、その
指を支えとして、他の自由な指でハンドルアーム（３）
を折り曲げ操作することによって格納姿勢に切換えるこ
とができる。この場合に、ロック具（５）を押し込んだ
際に、手指操作載置面（ｂ）に置いた指で僅かにロック
具（５）を押し上げると段差部（5a）が開口角部に接当
する。

これによって、屈折揺動時のロック具（５）に対する
押し込み力を軽減できる。段差部（5a）を戻り規制部と
称する。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る釣り用リールのハンドル折畳み構造
の実施例を示し、第１図は親指をロック具に掛けた状態
を示す断面図、第２図はロック具を押し込んだ状態を示
す断面図、第３図はロック具を押し込み折り曲げ格納状
態を示す断面図、第４図はハンドルを示す平面図、第５
図はリールを示す側面図である。 （２）……ハンドル取付台、（３）……ハンドルアー
ム、（４）……ロック機構、（５）……ロック具、（5
a）……戻り規制部、（ｂ）……手指操作載置面、
（６）……戻しバネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ハンドル取付台（２）の端部にハンドルア
   ーム（３）を、屈折格納状態かつ伸長作用状態に揺動切
   換可能に連結すると共に、前記伸長作用状態を固定しか
   つ手指の押し操作で固定解除して前記固定解除状態に切
   換えるロック機構（４）を設けてある釣り用リールのハ
   ンドル折畳み構造であって、 前記ハンドルアーム（３）に、前記ロック機構（４）を
   収納する収納空間を形成し、前記ロック機構（４）に手
   指操作可能なロック具（５）を設け、このロック具
   （５）を前記伸長作用状態に対応した突出姿勢と前記固
   定解除状態に対応した収納姿勢とに切換移動可能に設け
   るとともに、前記ロック具（５）を前記突出姿勢に付勢
   する戻しバネ（６）を設け、前記ロック具（５）に前記
   収納姿勢で前記収納空間形成面との接当によって、前記
   突出姿勢への戻りを規制する戻り規制部（5a）を形成し
   てある釣り用リールのハンドル折畳み構造。