JPH08839B2 - B型肝炎ウイルスの表面抗原と重合ヒト血清アルブミンレセプタ−とを有する粒子を含むワクチン製造に有用な組成物、前記の如き粒子を産生し得る動物細胞、並びにこれら細胞を得るための方法 - Google Patents

B型肝炎ウイルスの表面抗原と重合ヒト血清アルブミンレセプタ−とを有する粒子を含むワクチン製造に有用な組成物、前記の如き粒子を産生し得る動物細胞、並びにこれら細胞を得るための方法

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JPH08839B2
JPH08839B2 JP60501078A JP50107885A JPH08839B2 JP H08839 B2 JPH08839 B2 JP H08839B2 JP 60501078 A JP60501078 A JP 60501078A JP 50107885 A JP50107885 A JP 50107885A JP H08839 B2 JPH08839 B2 JP H08839B2
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    • C12N2730/10111Orthohepadnavirus, e.g. hepatitis B virus
    • C12N2730/10122New viral proteins or individual genes, new structural or functional aspects of known viral proteins or genes

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、少なくとも大部分がほぼ球形でB型ウイル
ス性肝炎のウイルスの表面抗原の特徴をなす免疫原的性
質及び免疫学的性質を有するポリペプチド粒子を含むか
又はこれら粒子で構成された、ワクチン製造に有用な組
成物に係る。前記抗原はしばしばHBsAg又はより簡単にH
Bsの略字で示される。本発明はまた、培地中に前述の如
きポリペプチド粒子を高産生率で分泌し得る好ましくは
動物の真核細胞系(lignes cellulaires eucaryote
s)と、このような細胞系を得ることを可能にする手
段、特に改良ベクターとにも係る。
ここで先ず、B型肝炎ウイルス(HBV)の慣性的保持
者の血清は直径22nmの粒子状又はフイラメント状の中空
ウイルスエンベロープを含み、時には42nmの球形粒子た
る伝染性の完全ウイルス粒子(ビリオン)を含むことを
思い出されたい。ウイルスエンベロープは表面抗原(HB
sAg)を有し、伝染性ウイルス粒子の存在は抗原(HBeA
g)と称する可溶性抗原を伴うのが普通である。
ウイルスエンベロープのポリペプチド組成は既に深く
研究されている(ロビンソン ダブル・エス(Robinson
W.S.)(1977年),微生物学誌(Ann.Rev.Microbio
l.),31,357−377参照)。この組成には糖付加(グリ
コシル化)した形状(GP29)および糖付加していない形
状(P25)で存在する主ポリペプチド、ならびにGP33、G
P36およびP41と称される少なくとも3種の副ポリペプチ
ドが含まれている。ポリペプチドGP33及びGP36は同一の
アミノ酸配列を有すると考えられる。GP36は補足糖質残
基を1個しか有さないと考えられる(ステイブ、ダブル
(Stibbe W.)及びゲルリヒ、ダブル・エツチ(Gerlich
W.H.)、ウイルス学誌(J.Virology)(1983年),4
6、626−628参照)。主ポリペプチドに対する前記副タ
ンパク質の相対量は血漿毎に異なる。この量はウイルス
粒子に富んだHBeAg陽性の血清中では極めて多い。この
場合ポリペプチドGP33及びGP36は前記エンベロープのタ
ンパク質の数%を占め得るが、HBeAg陰性の非伝染性血
清中では1%以下を占めるにすぎない(スチイブ、ダブ
ル及びゲルリヒ、ダブル・エツチ著ウイルス誌(Virolo
gy)(1982年),123、436−442参照)。
前記エンベロープの主ポリペプチドは226個のアミノ
酸からなり、S遺伝子によりコードされている。GP33及
びGP36のポピペプチド配列はS遺伝子及びプレーS領域
(rgionpr−S)の一部によりコードされていると
考えられる。この仮定に立てば前記ポリペプチド配列は
主ポリペプチドと同じC末端を有することになり、N末
端に55個のアミノ酸からなる補足配列を有することにな
る(ステイブ、ダブル及びゲルリヒ、ダブル・エツチ著
ウイルス学誌(1983年),46、626−628参照)。
近年になつて、HBeAg陽性の血清から単離したウイル
ス粒子は重合ヒトアルブミン(l′albumine humaine p
olymrise、pHSA)のレセプターを含むことが判明
した(マチダ、エー(Machida A.)他著胃腸病学(Gast
roenterology)(1983年),85、268−274参照)。この
レセプターはポリペプチドGP33及びGP36に保持されると
考えられる。このレセプターによつてpHSAがウイルス粒
子と肝細胞との間で架橋を形成し、その結果ウイルスが
肝細胞に付着し且つその中に侵入するのであろう。抗レ
セプター抗体の出現はウイルス除去プロセス(クリアラ
ンス)において不可欠とも考えられる。実際、治癒の初
段階たるHBeAg/抗−HBe血清変換にはこれら抗体の出現
が伴うが、これら抗体は慢性に向かう変化の過程では存
在しない(ポンテイツソ、ピー(Pontisso P)他著ビロ
ロジカルメソド誌(J.of Virological Methods)(1983
年)、、151−159参照)。
これと平行して、pHSAのレセプターに対応する抗原の
消失が観察される。このことは、対応遺伝子の発現が通
常は定められた生物学的状況(特にウイルスの複製ステ
ツプの間)でしか生起しないことを意味すると思われ
る。このことはまた、過去にB型肝炎ウイルスに感染し
たことのあるドナーの血清から得られた現在市販されて
いるワクチン製剤中に含まれているようなB型肝炎ウイ
ルスの天然中空エンベロープの分析によつても裏付けら
れる。実際、ジチオスレイトール(DTT)の存在下100℃
で5分間天然粒子の解離を行なつて得たポリペプチド
を、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の存在下ポリアク
リルアミドゲルでの電気泳動により分析すると、分子量
の大きい、特に34,000のオーダーの分子量を持つポリペ
プチドの存在は観察されない。このような分子量の大き
いポリペプチドの存在はまた、例えば欧州特許出願第3
8,765号に記載のベクターを用いて遺伝子工学の技術に
より形質転換した動物細胞のトランスホーメーシヨンに
よつて得たような、HBs抗原の免疫学的及び免疫原的性
質を有する粒子からなる組成物中でも観察されなかつ
た。
本発明の目的はB型肝炎ウイルスに対する保護性が強
化されたワクチン組成物を提供することにある。本発明
の別の目的は、培養維持し得、且つ培地中にこれら強化
ワクチン組成物の活性成分を現在入手し得る遺伝子的に
形質転換された培養物の大部分によつて得られるより遥
かに高い産生収率で分泌し得る、遺伝子工学的技術によ
り形質転換された細胞系を提供することにある。本発明
は更に、培養維持できる種類の特に哺乳類の真核細胞系
から前述の如き細胞系を得るための手段(ベクター及び
方法)を提供することも目的とする。
本発明は、B型肝炎ウイルスのゲノム中でpHSAのレセ
プターをコードする遺伝子配列の発現を、前述の定めら
れた生物学的状況において優位を占める条件とは著しく
異なる条件下で誘起することができるという確認に基づ
くものである。また、同一ワクチン組成物中でHBs抗原
と前記レセプターに対応すると思われる抗原決定基を有
するポリペプチド断片とを結合させると、前述の如き強
化されたワクチン組成物が得られることも確認された。
(全部ではなくても)少なくとも大部分がほぼ球形で
あり、HBsAg抗原の特徴をなす免疫原的性質及び免疫学
的性質を有し、かつ18〜25nm、特に20〜22nmの大きさ
と、CsClをベースとする密度勾配の1.20〜1.22g/mlの密
度ゾーン内で単離できるような密度と、あらゆるデイン
粒子およびHBcを含めたHBe抗原が存在しないという完全
な純度レベルとを有するポリペプチド粒子を含む(又は
これら粒子で構成された)、本発明のワクチン製造に有
用な組成物は、より特定的には、前記球形粒子が重合ヒ
トアルブミンに対するレセプターをも有することを特徴
とする。さらに特定的には、本発明のポリペプチド粒子
は34,000ダルトンのオーダーの分子量を有するポリペプ
チドをかなりの割合で含む。好ましくは、これらのポリ
ペプチドは前記粒子を構成するポリペプチド総量の10%
より大きい割合を占め、好ましくは20%より多くを占め
る。本発明の組成物はまた、ヒト血清中に見出されるよ
うなヒト由来成分を一切含んでいないことが好ましい。
ここで本質的に問題にするのは、適切なコード配列を含
むベクターによつて予め形質転換され培養維持された細
胞系により培地中に分泌されたHBsAg抗原及びpHSAレセ
プターの免疫原的性質を有する粒子からなる組成物であ
る。尚前記形質転換はpHSAのレセプターの免疫原部位と
同様にHBs抗原の免疫原部位も有するペプチド配列の有
効発現を可能にする条件下で実施する。
本発明はまた真核細胞系、より特定的にはヒト又は動
物の培養細胞を前述の免疫原性粒子の産生に適したもの
にすべく形質転換するのに適したベクターにも係る。こ
れらのベクターはB型ウイルス性肝炎のウイルスのゲノ
ムのS及びプレーS領域をコードしているDNA配列を含
み、このDNA配列が該ベクター内で外因性プロモーター
の直接制御下におかれることを特徴とする。前記プロモ
ーターは前記ベクターを導入する真核細胞、特にヒト又
は動物の細胞内でその制御下で直接遺伝子の転写を有効
に開始せしめ得る能力が知られているようなプロモータ
ーである。前記DNA配列に関しては例えばネーチヤー誌
(Nature)第281巻、1979年、646−650ページに記載の
ガリバート(Galibert)他の論文を参照されたい。この
DNA配列は所謂プレーS配列の後のS遺伝子を特に含
む。このプレーS配列は約165個のトリプレツトを有
し、最初の複数個のヌクレオチドが前記配列の下記部分
構造式中に現われる。
使用される外因性プロモーターは、B型肝炎ウイルス
のゲノム内でS遺伝子及びプレーS遺伝子と正常に関連
する「内因性」プロモーターに対して異質または外来の
プロモーターである。細胞がサルに由来する場合には、
これらサル細胞内で隣接し合う遺伝子の転写を有効に開
始せしめ得る能力が知られているSV40ウイルス由来のプ
ロモーターを使用すると有利である。このプロモーター
は有利にはSV40ウイルスの「初期(prcoce)」プロモ
ーターに対応する。これは通常「スモールT(small
T)」抗原及び同時に「ラージT(large T)」抗原の発
現を制御する。
この特定のプロモーターはHBs抗原及びpHSAレセプタ
ーの特徴をなす免疫原決定基を有するポリペプチドの形
質転換細胞による産生と、使用培地中への前記ポリペプ
チドの分泌とに関して特に好ましい結果をもたらした
が、本発明はこのプロモーターの使用に限定はされな
い。例えばSV40の後期プロモーター(VP1、VP2及びVP3
タンパク質の発現を制御)も使用し得る。これらプロモ
ーターと、これらに関連した種々の抗原をコードしてい
る遺伝子との相対位置を理解するためには、SV40ウイル
スの制限地図を参照し得る(ジエー・トウーズ(J.Tooz
e)編DNA腫瘍ウイルス(DNA Tumor Viruses)、ニユー
ヨーク州コールドスプリングハーバー、コールドスプリ
ングハーバーラボラトリー(Cold Spring Harbor Labor
atory)、1980年、第2〜第5章)。
勿論SV40プロモーターに代えて、前記S及びプレーS
領域をコードしている前記配列の転写を、使用する細胞
系内で、前記配列がその制御下におかれるや否や促進し
その結果受容細胞のゲノム内で前記配列が当該プロモー
ターと統合されるようにする能力及び/又はこのように
して形質転換された受容細胞に与えられる能力であつ
て、pHSAレセプター及びHBsAgの免疫原特性を有するポ
リペプチドをかなりの量で合成及び分泌する能力を有す
るとして知られているか又はこのような能力が見出され
得るような別タイプの任意のプロモーターも使用し得
る。尚後者の能力はこれら細胞に由来する後の世代に順
次伝達され得る。
前記の形質転換された系は、本発明の細胞系が獲得し
た前記ポリペプチドを合成する性質が或る世代の細胞か
ら次の世代の細胞へと少なくとも10世代に亘つて伝達さ
れれば「安定している」と称されよう。
使用可能な別のプロモーターとしては、例えばポリオ
ーマの初期プロモーター、種々のレトロウイルスのLTR
プロモーター又はアデノウイルスのEAプロモーターなど
が挙げられる。
周知の如く、由来源たるウイルスのゲノムから採取さ
れるプロモーターは、通常これらプロモーターより前
(通常これらプロモーターの制御下におかれる遺伝子配
列の転写の方向から見て)に配置される活性化用「配
列」(“squences"activatrices)を伴うのが好まし
い。このような活性化用配列の例に関してはサイエンス
誌(Science)、1983年、第219巻、626−631ページ、及
びネーチヤー誌(Nature)、1982年、第295巻、568−57
2ページに記載の論文を参照し得る。
有利には、前記プレーS及びS領域をコードする前記
DNA配列がプレーSもしくはS配列の正常な転写を可能
にするプロモーターと活性化用配列とからなるDNA断片
の直ぐ後に配置される。前記断片はプロモーター及び使
用される活性化用配列の種類に応じて特に300から400対
の塩基を含む。
また、本発明のベクターは更にあるDNA配列又はマー
カー、例えば酵素を含むのが好ましい。このマーカー自
体は前述の第1のプロモーターより弱い別のプロモータ
ーの制御下におかれる。このマーカーは好ましくはジヒ
ドロホレートレダクターゼ(dhfr)をコードしている遺
伝子又はDNA配列で構成される。このマーカーは後述の
条件下で、当該ベクターによつて形質転換し得る細胞中
での該ベクターのコピー数の増幅に極めて有利に役立
つ。
前記第2のプロモーターも通常は外因性プロモーター
である。但しこのプロモーターはB型ウイルス性肝炎の
ゲノム内に含まれる天然プロモーターの1つによつても
構成し得る。特に好ましいプロモーターはマウス乳癌ウ
イルス(MMTV)のLTR(ネーチヤー誌、1981年、294、22
8−232に記載の「長い末端繰り返し構造(Long Termina
l Repeat)」と称する配列)から得られるプロモーター
である。
本発明は培地中に前述の免疫原粒子を分泌し得る、同
様に前述した如きベクターによつて形質転換した細胞系
にも係る。本発明は特に、HBsAg抗原を106個の細胞に付
き24時間当り少なくとも1μg、好ましくは少なくとも
10μg産生する能力を持つ細胞系に係る。より特定的に
は本発明は、2.1kbより大きく、特に2.2から2.8kbのオ
ーダー、好ましくは2.6kbの大きさを持ち、通常プレー
S領域内で開始されるS及びプレーS領域の転写が生起
するとそこに見出され得るような特異的HBV−RNA(ARN
−HBV−spcifiques)によつて特徴付けられる細胞系
に係る。好ましい系は、2.1kbより大きく、特に2.2から
2.8kbのオーダー、好ましくは2.4から2.6kbのオーダー
のサイズを持つ特異的HBV−RNAもその中に検出され得る
ような細胞系である。通常は、前述の特定の生物学的条
件下で(特にB型肝炎ウイルスの複製の過程で)、外因
性プロモーターの制御下で通常プレーS領域内で開始さ
れるS及びプレーS領域の転写の結果得られるような2.
1kbのオーダーのサイズを有する特異的HBV−RNAと、前
述の如きより大きい値に対応するサイズを有する特異的
HBV−RNAとが同時に検出されよう。
本発明の細胞系は哺乳類の細胞、特にCHO細胞からな
るのが好ましい。
本発明はまた、培養維持し得る前述の如き細胞系の製
造方法にも係り、この方法は前述の如きベクターによる
これら細胞系の形質転換と、B型肝炎ウイルスのゲノム
のS及びプレーS領域をコードする配列を同時に発現す
る培養物からのこれら細胞系の単離とを含む。
好ましくは、第2のベクターの制御下におかれたマー
カーを含んだ完全ベクターを用いる。この場合形質転換
された細胞系の培養は当該マーカーのインヒビター(阻
害剤)の存在下で行ない、培地中の前記インヒビター含
量は培養中のコロニーの少なくとも一部分において前記
マーカーをコードする遺伝子のコピー数を増幅せしめる
に足る十分な濃度に調整する。このコピー数の増幅によ
つて、耐性コロニーの選択と、HBsAg及びpHSAレセプタ
ーに特有な免疫原活性を有する粒子をより多く分泌する
細胞クローンの取得とが同時に可能になる。
前記マーカーをdhfrをコードするDNA配列(又は遺伝
子)で構成し、前記インヒビターをメトトレキセートで
構成すると有利である。
第1のプロモーターより弱い第2のプロモーターを使
用すると、HBsAgとpHSAのレセプターとをコードするDNA
配列のコピー数が増幅し易くなる。実際、インヒビター
を含む培地中で生存し得るのは、通常、マーカーをコー
ドする配列のコピー数が最大のクローン、従つて本発明
の好ましい細胞系ではプレーS及びS領域をコードする
配列の数が最大のクローンである。
有効なクローンはメトトレキセートを0.5から40μ
g、特に1から25μg含む培地中で選択すると有利であ
る。望ましくは、インヒビター含量のより少ない、特に
メトトレキセートを5〜150nM含む培地中で予増幅処理
(pr−amplification)を行ない、この第1ステツプ
の最後に選択したクローンを前述の如きメトトレキセー
ト含量のより高い培地中で培養する。
本発明の他の特徴は、動物に由来する細胞系の形質転
換に使用したベクターの好ましい構築と、本発明の粒子
を高収率で分泌する細胞系の形成と、得られる結果とに
関する次の説明から明らかにされよう。また添付図面も
参照されたい。図面中、 −第1図及び第2図はCHO系の如き動物細胞の有効な形
質転換に特に適している本発明のプラスミドの形成の主
要連続ステツプを示し、 −第3図はCHO細胞における本発明の免疫原性ポリペプ
チドをコードするDNA配列の増幅操作を概略的に示し、 −第4図及び第5図は本発明の方法の条件下で予め形質
転換した細胞の遺伝子増幅の結果を示す。
−第6図は産生細胞において観察され得る特異的HBV−R
NAの含量に対する産生されたHBsAg抗原量の変化を示す
曲線であり、 −第7図は定常期の細胞に関して連続的に行なつた複数
の回収の結果を模式的に示す。
I−ベクターの構築 A−プラスミドpSVSの構築(第1図) このプラスミドはSV40ウイルスの初期プロモーターの
制御下でS領域(プレーS領域+S遺伝子)の発現を可
能にする。
欧州特許出願第81 400634号(特開昭57−39784号に相
当する)に記載のプラスミドpcP10から2.3kbのBgl II断
片を切除した。プラスミドpCP10は第1図に簡略に示さ
れている。厚みのある斜線部分はHBV−DNAに由来し、よ
り細い線の部分はプラスミドpBR322から得たものであ
る。弧に対応する部分は前記2.3kb断片に該当する。p
CP10はHBVゲノムの頭と尾がつき合わされてタンダムに
連なるダイマーを含む。この断片はプレーS領域のATG
の前の10個のヌクレオチドから始まり、S遺伝子のスト
ツプコドンTAAの後1.1kbで終わる。この断片はHBsAgのm
RNAの推定ポリアデニル化部位とS遺伝子の転写開始部
位とを有する。
大腸菌(coil)のgptの遺伝子がSV40の初期領域
の348bp Pvu II Hind II断片に融合されているプラスミ
ドpSV2gpt(ATCC37145)に含まれるSV40初期プロモータ
ーを使用する。この断片はSV40複製起点(SV40 ori)以
外に、タンデムに並ぶ初期プロモーター、後期プロモー
ター、初期メツセンジヤー(messagers prcoces)の
転写開始部位及び72bpの繰り返しを含む。第1図にpSV2
gptを簡単に示す。厚くて黒い部分はSV40を起源とし、
より細い線の部分はpBR322に由来する。厚くて白い部分
はプレーS及びS領域を含む。斜線部分は使用されない
HBVの配列に該当する。
pCP10に由来する2.3kbのBgl II断片を、DNAポリメラ
ーゼ(クレノウ(Klenow))により自由(平滑端)にし
たDNA断片の先端を互に連結することによつてプラスミ
ドpSV2 gptの単一Hind III部位に挿入した。組換えプラ
スミドを調べてHBSをコードする領域がSV40プロモータ
ーに対してその発現を可能にすべく配向されているクロ
ーンを選択した(pSVH4)。制限地図によつて構築を確
認し、SV40及びHBVの2つの断片の接合部のヌクレオチ
ド配列を決定した。
3つのプラスミドに由来する下記の3つの断片を連結
することによりプラスミドpSVSを形成した。
1゜) pSVH4に由来する2.5kbのPvu I−Xho I断片(弧
)、 2゜) pcP10に由来する1.9kbのXho I Bgl II断片(弧
)、 3゜) pBR322に由来する1.0kbのbamHI Pvu I断片(弧
)、 得られるプラスミドpSVS(5.4kb)は、gpt領域とこのgp
t配列の下流の隣接SV40DNA配列とが無く、pBR322のEcoR
I−BamHI断片が存在するという点でpSVH4とは異なる。
B−プラスミドpSVS dhfrの構築(第2図) 下記のa)及びb)に規定される断片の遺伝子組換え
から操作を始める。
a) dhfrを含む断片 分子遺伝学及び応用遺伝学誌(J.of Molecular and A
pplied Genetics)1,(1981年),165−170にジー・リン
ゴールド(G.Ringold)他によつて開示されているプラ
スミドpM TV dhfr(1984年3月7日C.N.C.M.にブタペス
ト条約に基づいて番号I−286で寄託)をPvu I酵素で直
線化した後、Hind III酵素によつて部分的に消化し、複
数の断片を遊離させた。これら断片のうち4400bpの −断片(弧)は、 −MMTVのLTR、 −dhfrのcDNA、 −SV40のtAgのイントロン、 −SV40の初期遺伝子のポリアデニル化部位、 −pBR322のEco RI−Pvu I断片 を含んでいた。
b) HBV DNA断片 プラスミドpSVSをPvu I及びHind IIIで順次消化し、
それによつて下記のものを含む4676bp断片(弧)を遊
離させた。
−pBR322の複製起点を含むPvu I−Pvu II断片、 −SV40ウイルスの複製起点及び初期プロモーター、 −プレーSをコードする部分及びS遺伝子とこの遺伝子
のポリアデニル化信号とを含むHBVの2.3kb Bgl II断
片、 −pBR322のBamHI−Hind III断片。
c) 前記断片の連結 精製後これら2つの断片をPvu I及びHind III相同部
位(siteshomologues)を介して結合し、このようにし
てpBR322のアンピシリン耐性を回復させる。
組換えベクター内ではS領域及びdhfr遺伝子の転写ユ
ニツトが互に同一の方向に配向し且つ約300bpのpBR322
により分離される。
dhfrをコードするcDNAはpSV2 dhfr(ATCC37146)、pS
V3 dhfr(ATCC37147)又はpSV5 dhfr(ATCC31148)から
も得られる。
dhfrの遺伝子を弱いプロモーター(MMTVのLTR)の制
御下におき、HBV遺伝子を強いプロモーター(SV40の初
期プロモーター)の制御下におくと、遺伝子増幅の効率
が増大する。プレーS領域とSV40の初期プロモーターと
の接合部のヌクレオチド配列を調べた(第2図参照)。
II−動物細胞のトランスフエクシヨン 1゜) CHO dhfr-細胞へのプラスミドpSVS dhfrの移入
及び発現 CHO dhfr-細胞(アーローブ,ジー(Urlaub G.)及びチ
エイシン,エル.エー(Chasin L.A.)、(1980年)ピ
ー,エヌ,エー,エス(P.N.A.S.)77,4216〜4220)(1
984年3月7日C.N.C.Mに番号I−287で寄託)をパーカ
ー(Parker)及びスターク(Stark)によつて改変され
た(1979年ウイルス学誌(J.Virology),31,360−36
9)グラハム(Graham)及びバンデルエブ(Van der E
b)の技術(1973年,ウイルス誌(Virology)52,456−4
67)によりトランスフエクシヨン処理した。CHO dhfr+
クローンによるHBsAgの産生を培養細胞株の上清中でラ
ジオイムノアツセイ(RIA)によりテストした。前記dhf
r+クローンの60%がHBsAg+であつた。HBsAg産生率は比
較的低く、1〜20ng/106細胞/24時間であつた。
2゜) HBV配列の増幅 この増幅は、葉酸のアナログであり且つdhfrのインヒ
ビターであるメトトレキセート(MTX)の存在下でCHO H
BsAg+クローンを繁殖させることにより実現した。実際M
TXに対する耐性は、dhfr酵素の増量につながるdhfr遺伝
子のコピー数の増幅に主として起因する。HBV配列及びd
hfr遺伝子は同一プラスミドに担持され、従つて宿主細
胞のDNA内に一緒に組込まれるため、前記HBV配列はMTX
に対して耐性を示すクローン内でdhfr配列と一緒に増幅
される。dhfrの場合と同様にHBV配列のコピー数が増加
すると細胞によるHBsAgの合成が増加する。
遺伝子増幅は第3図に示した方法により2つのステツ
プで実施した。第4図は第1増幅ステツプの結果を示
し、第5図は第2増幅ステツプの結果を示す。第2ステ
ツプの増幅操作は第1ステツプで得た最も産生量の大き
いクローンを用いて行なつた。第4図及び第5図では、
点線が増幅前の、実線が増幅後の、HBsAg合成率を表わ
す。これらの図面にはMTX濃度が示されている。これら
の濃度は第1ステツプでは50,100又は140nM、第2ステ
ツプでは1,5,10又は25Mであつた。合計すると約150個の
MTX耐性クローンのHBsAg産生をスクリーニングした。第
4図及び第5図から明らかなように、HBsAg産生増幅は
第1ステツプでも第2ステツプでもクローン毎に著しく
異なつていた。
種々のクローン中に存在するHBV配列の細胞当りコピ
ー数を、32Pで標識されたクローン化HBV−DNAをプロー
ブとして使用し、いわゆる「ドツト ブロツト(dot bl
ot)」の技術によりセルロースフイルター又は類似のフ
イルター上のハイブリダイゼーシヨン技術に従い評価し
た。同一用量のMTXを用いた場合前記コピー数は100から
500までの範囲でクローン毎に著しく異なつていた。
細胞クローン内のHBV配列の構成をサザン(Souther
n)の技術によつて分析した。これらHBV配列は一体化さ
れた形態で存在していた。電気泳動プロフイルはクロー
ン毎に十分類似していた。同一用量のMTXを用いた場合
の選択されたクローン相互間に見られる差異はHBV−DNA
のコピー数とHBsAg合成レベル(結果は示さない)との
間の不調和を説明し得るようなものではなかつた。dhfr
遺伝子についても同様の分析を行なつた。MTX用量を同
一にした場合、細胞当りコピー数はやはりクローン毎に
著しく異なつていた(結果は示さない)。所定クローン
に関してはHBV配列及びdhfr配列が平行して増幅してい
た。
HBVの特異的RNAの量も分子ハイブリダイゼーシヨンに
よつて分析した。DNAに関して得られた結果とは逆に、
特異的HBV−RNAの量はHBsAg産生率に比例していた(第
6図参照)。また、MTX用量が同一の場合(50nM)、dhf
r特異的RNAの量は分析した種々のクローンの間で一定し
ていた(第6図参照)。特異的HBV−RNAをノザン(Nort
hern)の技術で分析した。2つのRNA、即ち2.1kbの主RN
A及び2.5kbの副RNAが明らかにされた。S1ヌクレアーゼ
マツピングによりこれらRNAを調べた結果、プレーS領
域内の3157位に2.1kb RNAに対応する主開始(une initi
ation majeure)が存在し、SV40のプロモータ内に2.5kb
RNAに対応するもう一方の副開始が存在していた。
3゜) HBsAg粒子の分析 この分析は37BA5クローンによつて産生した粒子に関
して行なつた。定常期に得られる複数の24時間回収分に
対応する上清を一緒にした。CsCl密度勾配超遠心分離を
2度連続して行ない、次いでショ糖勾配速度超遠心分離
(ultracentrifugationde vlocit)を行なうことに
よりHBsAg粒子を精製した。これらHBsAg粒子の密度は1.
20であつた。電子顕微鏡で観察すると、これら粒子は平
均直径22nmの球形粒子のように見え、形態学的にはヒト
に由来する粒子に類似していた。管状形態は全く観察さ
れなかつた。
DTTの存在下100゜で5分間粒子の解離処理を行なつた
後、SDSの存在下ポリアクリルアミドゲル電気泳動によ
りこれらのポリペプチドを分析した。前記ゲルを銀塩で
着色することにより可視化した。22,300,26,100及び34,
000ダルトンのポリペプチドに夫々対応する3つのバン
ドが観察された。これら3つのバンドの着色の相対強度
によつてこれら3種のタンパク質の割合は54%,19%及
び27%と計算された。35Sメチオニンによりインビボで
標識した後、これら精製粒子を抗HBs血清によつて免疫
沈降処理し、次いでこれらタンパク質を電気泳動で分析
した。前記3種のポリペプチドはオートラジオグラムに
より前記と同様の割合で検出された。
これら粒子の表面におけるpHSAに対するレセプターの
存在を、ポンテイツソ(Pontisso)他により改変された
(ビロロジカルメソド誌(J.of Virological Methods)
,151−159)ハンソン(Hansson)及びパーセル(Purc
ell)の方法(インフエクト・イム)(Infect.immun.)
26,125(1979年))に従い固相でのラジオイムノアツ
セイによつて検査した。このレセプターの検出は細胞の
上清中でも精製粒子上でも陽性であると判明した(表I
参照)。
マチダ(Machida)他による技術(胃腸病学誌(Gastr
oenterology)85,268−274,1983年)も使用し得る。
III−免疫テスト 水酸化アルミニウムAl(OH)を0.1%の濃度で添加
した後、粒子製剤を用いてBalb/Cマウスを免疫処理し
た。表IIから明らかなように、これら細胞粒子を免疫原
性はヘバク(HEVAC)Bという商標で市販されている対
B型肝炎ワクチン(天然HBsAgを含むヒトドナーの血清
から得られる)と同様であつた。50%有効投与量(dose
efficace50%)は細胞粒子の場合が0.04μg、ヘバク
B(パスツール研究所(Institut Pasteur)の商標)の
場合が0.03μgである。
従つて以上の説明から、ベクターpSVS dhfrは細胞DNA
中に組込まれた後、HBVウイルスの中空エンベロープを2
2nmの粒子の形状で合成及び分泌せしめるという結論が
得られる。HBVのゲノムの大部分、特にカプシドのタン
パク質をコードする遺伝子を除去することによつて伝染
性完全ウイルス粒子の産生が妨害される。このベクター
はまたマウスdhfrの遺伝子の転写ユニツトも有する。こ
れはdhfr-細胞内に導入されるとMTXの存在下で遺伝子増
幅現象によりこれらdhfr-細胞を増殖させる。
ここで使用したMTX耐性による増幅法は、HBsAg粒子を
高レベルで産生するCHO細胞のクローンを取得せしめ
た。この増幅はクローン毎に異なつていた。場合によつ
ては合成率は1500倍になつた。当該クローンに関しては
産生率は15μg/106細胞/24時間であつた。HBsAgを細胞1
06個に付き24時間当り1から10μg産生する複数のクロ
ーンが得られた。ml当り24時間で発現されるHBsAg産生
率は培養条件によつて異なる。通常は10から20μg/ml/2
4時間の値を得ることができた。この値は慢性保持者の
血清中のHBsAg濃度に匹敵する。HBsAg産生の動力学的研
究の結果、この合成は定常期で数週間に亘つて安定して
いることが判明した。第7図は定期的に培地を交替しな
がら3週間に亘り定常期の細胞に関して行なつた連続的
回収の結果を示している。これらの回収には無血清培地
を使用し得る。無血清培地を用いると原価への影響以外
に、細胞上清からの粒子の精製が遥かに容易になり、且
つ血清に起因する汚染の危険が回避されるという利点が
得られる。CHOクローンによるHBsAgの合成はMTXを用い
ずとも極めて安定していることが判明した。これは6ケ
月間、即ち約300世代に亘つて持続する。場合によつて
は、産生HBsAgが自然に少し増加することさえあつた。
遺伝子増幅中のHBsAg産生の低下又は消失は、テストし
た約150個のクローンに関しては全く観察されなかつ
た。これら最後の2つの観察結果は、HBV配列とdhfr遺
伝子とが約300bpのpBR322によつて分離されているにす
ぎないという当該ベクターの構造に起因し得る。
従つて本発明を用いれば、極めて優れた遺伝子安定性
を有する免疫原粒子産生クローンが得られる。
HBV配列のコピー数とBHsAg合成率との間の関連性は観
察されなかつた。使用した技術(「ドツトブロツト」)
では全体的量化(quantification globale)は可能であ
るが、機能配列(sequences fonctionnelles)の判別は
不可能である。得られた結果はトランスフエクシヨン及
び増幅の間のベクターにおける欠失及び再配列(転位,r
earrangement)の出現によつて説明され得よう。この仮
定は組込まれたHBV及びdhfr配列の電気泳動プロフイル
の複雑性によつて裏打ちされる。これら配列の多くは恐
らく非機能的である。一方、HBsAg合成レベルと特異的H
BV−RNAの量とは完全に比例する。これは、観察されたH
BsAg合成の増加がHBV配列の転写の増加に起因すること
を立証するものである。この転写の増加の原因の一部分
は機能コピー数の増加である可能性が極めて高い。この
結果はまた、増幅された遺伝子のコピー数の評価がドツ
トブロツトによるものであれ又は電気泳動分析によるも
のであれ、細胞クローン中の有効コピー数を評価するた
めの最良のテストではないことも示している。これに対
し、特異RNAの量化は機能コピーを完全に反映する。こ
の量化は、産生されるタンパク質の量を容易に測定し得
ないようなシステムで有利に使用される。
従つて本発明はより特定的には、108cpm/μgの比活
性を有するプローブ(32Pで標識)に対して前述した如
き測定システムで少なくとも2×103cpm/106細胞の量の
HBV−RNAを含むクローンに係る。
2つの特異的HBV−RNAが明らかにされた。21kbの主転
写の開始はプレーS領域内の3157位に位置付けられた。
これはS遺伝子の転写開始をこの位置に位置付けたネー
チヤー誌(1983年)第305巻,336−338のカツテネオ(Ca
tteneo)他の結果と合致する。2.5kbの副RNAはSV40のプ
ロモーター内で開始される。このRNAは前記粒子中に存
在する34,000のポリペプチド(GP34)のmRNAであり得
る。従つてGP34の大量合成(これら粒子のポリペプチド
の27%)は72bp繰返しを含みプレーS領域の上流に配置
されたSV40の初期プロモーターの使用に起因するものと
考えられる。
ラジオイムノアツセイを使用した結果、CHO細胞によ
り合成される粒子はpHSAのレセプターを有することが判
明した。胃腸病学誌85(1983年),268−274のマチダ他
の記述によれば、このレセプターはポリペプチドGP31及
びGP35に担持されると考えられる。従つて我々のシステ
ムではこのレセプターは恐らくGP34に担持されると考え
られる。細胞に由来する粒子中にpHSAレセプターを有す
るポリペプチドが2つではなく1つしか存在していない
という観察については説明されていない。血清粒子と異
なりCHO細胞内でのグリコシレーシヨンは均質的なのか
もしれない。
CHO細胞によつて合成された22nmのHBsAg粒子は血清に
由来する粒子からなる製剤であるヘバクBと同じ免疫原
性を有する。得られるHBsAg産生率は工業的使用に匹敵
するような値である。これら粒子の表面にpHSAレセプタ
ーが存在することも対B型肝炎ワクチンの製造にこのシ
ステムを使用することの更なる論拠をなす。
このような理由から、本発明は有効量、特に3〜6μ
gタンパク質/ml、好ましくは5μgタンパク質/ml(単
位用量)の割合の本発明の粒子を、選択した投与法、特
に非経口投与に適した薬剤用ベヒクルと共に含む総ての
対B型ウイルス性肝炎ワンチン組成物に係る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/02 C12R 1:91) (71)出願人 999999999 サントル・ナシオナル・ドウ・ラ・ルシエ ルシユ・シアンテイフイク フランス国、75007・パリ、ケ・アナトー ル・フランス、15 (72)発明者 ソブザキ,エリアンヌ フランス国、75011・パリ、ブルヴアー ル・リシヤール・ルノワール、38 (72)発明者 マルピエス,イヴ フランス国、80000・アミアン、リユ・サ ン・マグロワール、10 (72)発明者 ミシエル・マリールイーズ フランス国75018・パリ、リユ・ラメ、7 (72)発明者 チオレ,ピエール フランス国、75013・パリ、リユ・ドウ・ ラ・グラシエール、16 (72)発明者 ストレーク,ロルフ・ウー フランス国、75016・パリ、アヴニユ・フ オツシユ・17・ビス (56)参考文献 特開 昭56−10119(JP,A) 特開 昭53−113009(JP,A) 特開 昭57−39784(JP,A) 特開 昭58−56685(JP,A) 特開 昭55−104887(JP,A) 米国特許4113712(US,A) ・J.Virol.Methods 1 (1)(1980)P.47−59 ・GASTROENTEROLOGY 85(2)(1983)P.268−274 ・GASTROENTEROLOGY 76(2)(1979)P.242−247 ・GASTROENTEROLOGY 81(2)(1981)P.218−225 ・Prog.Clin.Biol.Re s.(1983)143(Viral hepa titis Delta Infec t.)327−336 (54)【発明の名称】 B型肝炎ウイルスの表面抗原と重合ヒト血清アルブミンレセプタ−とを有する粒子を含むワクチ ン製造に有用な組成物、前記の如き粒子を産生し得る動物細胞、並びにこれら細胞を得るための 方法

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】HBsAg抗原に特有の免疫原性および免疫学
    的特性と、18〜25nm、特に20〜22nmの大きさと、CsClベ
    ースの密度勾配中で1.20〜1.22g/mlの密度ゾーン内に単
    離できる密度とを有する遺伝子工学的に処理されたほぼ
    球形のポリペプチド粒子から本質的に構成され、デーン
    粒子ならびにHBe抗原およびHBc抗原を全く含まない、B
    型肝炎ウィルス(HBV)に対するワクチンの製造に有用
    な組成物であって、 重合ヒトアルブミンに対するレセプターを担持する約3
    4,000ダルトンの分子量のポリペプチドの前記粒子中に
    おける割合が、前記粒子中に含まれるポリペプチドの総
    量の10%より大きいことを特徴とし、かつ前記ポリペプ
    チド粒子がBHVゲノムのプレーS及びS領域をコードす
    るDNAの発現によって得られることを特徴とする組成
    物。
  2. 【請求項2】約34,000ダルトンの分子量を有し、ヒトア
    ルブミンに対するレセプターを担持するポリペプチドの
    割合が、前記粒子に含まれるポリペプチドの総量の20%
    より大きいことを特徴とする請求の範囲1に記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】HBsAg抗原に特有の免疫原性および免疫学
    的特性と、18〜25nm、特に20〜22nmの大きさと、CsClベ
    ースの密度勾配中で1.20〜1.22g/mlの密度ゾーン内に単
    離できる密度とを有する遺伝子工学的に処理されたほぼ
    球形のポリペプチド粒子から本質的に構成され、デーン
    粒子ならびにHBe抗原およびHBc抗原を全く含まず、重合
    ヒトアルブミンに対するレセプターを担持する約34,000
    ダルトンの分子量のポリペプチドの前記粒子中における
    割合が前記粒子中に含まれるポリペプチドの総量の10%
    より大きい、B型肝炎ウィルスに対するワクチンの製造
    に有用な組成物の製造方法であって、 B型肝炎ウィルスのゲノムのS領域およびプレーS領域
    をコードしているDNA配列がプロモーターの制御下にあ
    るベクターで形質転換されたヒトまたは動物起源の細胞
    系を培養し、前記プレーS領域およびS領域の発現産物
    を前記粒子の形態で回収することからなっており、前記
    プロモーターが、HBVウィルスゲノム中で前記領域を制
    御する天然のウィルスプロモーターとは異なる外因性の
    第1プロモーターであり、この第1プロモーターが前記
    細胞系中で遺伝子の転写を有効に開始せしめるのに有効
    なプロモーターであることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】前記ベクターの第1プロモーターがSV40の
    プロモーターであり、特に初期プロモーターであること
    を特徴とする請求の範囲3に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記S領域およびプレーS領域をコードし
    ている前記DNA配列が、前記ベクター中で、前記第1プ
    ロモーターおよびこの第1プロモーターと関連している
    活性化用配列を含有するDNA断片の直後に位置している
    ことを特徴とする請求の範囲4に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記DNA断片が300〜400個の塩基対を含ん
    でいることを特徴とする請求の範囲5に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記ベクターが、酵素のようなマーカーを
    コードしており別の第2プロモーターの制御下にあるDN
    A配列も含有しており、この第2プロモーターが前記第
    1プロモーターより弱いことを特徴とする請求の範囲3
    〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】マーカーをコードしている配列がジヒドロ
    ホレートレダクターゼをコードしている遺伝子であるこ
    とを特徴とする請求の範囲7に記載の方法。
  9. 【請求項9】第2プロモーターがマウス乳癌ウィルス
    (MMTV)由来のプロモーターであることを特徴とする請
    求の範囲7または8に記載の方法。
  10. 【請求項10】細胞系が哺乳類の細胞系であることを特
    徴とする請求の範囲3〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】細胞系がCHO細胞系であることを特徴と
    する請求の範囲10に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記細胞系の分泌産物から前記粒子を回
    収することを特徴とする請求の範囲3〜11のいずれかに
    記載の方法。
JP60501078A 1984-03-07 1985-03-07 B型肝炎ウイルスの表面抗原と重合ヒト血清アルブミンレセプタ−とを有する粒子を含むワクチン製造に有用な組成物、前記の如き粒子を産生し得る動物細胞、並びにこれら細胞を得るための方法 Expired - Lifetime JPH08839B2 (ja)

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