JPH0880589A - 積層体及びその製造方法 - Google Patents

積層体及びその製造方法

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JPH0880589A
JPH0880589A JP7145009A JP14500995A JPH0880589A JP H0880589 A JPH0880589 A JP H0880589A JP 7145009 A JP7145009 A JP 7145009A JP 14500995 A JP14500995 A JP 14500995A JP H0880589 A JPH0880589 A JP H0880589A
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JP
Japan
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skin
molten resin
resin
laminate
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Application number
JP7145009A
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English (en)
Inventor
Katsunori Ishidoya
勝則 石戸谷
Yoshihiko Hiraiwa
良彦 平岩
Makoto Horiba
誠 堀場
Kazunori Kuse
和則 久瀬
Hiroyuki Kato
浩之 加藤
Yukio Ishihara
幸雄 石原
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Araco Co Ltd
Original Assignee
Araco Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表皮層や発泡層をあらかじめシート状に形成
することなく基材及び表皮材を一体化することによって
長期間接着効果を維持することのできるドアトリムなど
の積層体を提供すること。更に、製造工程の簡略化が達
成された積層体の製造方法を提供すること。 【構成】 ドアトリムの形状に成形された基材11と表
皮材12を構成するための発泡性の溶融樹脂12meltと
を一対の成形型31,32間でプレスし、続いて両成形
型31,32を所定量離間させる。これにより溶融樹脂
12meltが発泡・硬化した発泡層12aと発泡すること
なく硬化した表皮層12bからなる表皮材12が形成さ
れる。基材として多孔性基材を採用すれば、表皮材と多
孔性基材とは、アンカー効果により確実な強度を保って
接合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のドアトリム、車
両用内装材、屋内用内装材等に使用される積層体及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記した用途に使用される積層体とし
て、所定形状に形成された木質系材料あるいは樹脂系材
料からなる基材に発泡層を介して樹脂層を被覆したもの
が知られている。このような積層体の一例としては、ド
アトリムの形状に形成された木質系のハードボードから
なる基材と、この基材の表面に接着された発泡性シート
と、これらを全面被覆する表皮シートとからなるドアト
リムがある。
【0003】このような構成のドアトリムを製造する工
程においてはまず、図11(a)に示したように、基材
203に発泡性シート204を貼着し、表面に適宜所定
の意匠模様をつけてシート状に成形された表皮シート2
05をこの発泡性シート204上に配設して真空成形型
の下型201と上型202の間でプレスすることによっ
て接着剤で基材203と発泡性シート204と表皮シー
ト205との接着一体化が行われる。こうして三部材2
03,204及び205が一体化されたのち、表皮シー
ト205は、図11(b)に示されているようにその端
末が基材203から幾分はみ出るように切断される。こ
の表皮シート205のはみ出し部分205aは、つづい
て図11(c)に示されているように基材203の端部
を巻き込むように接着処理され、表皮シート205がは
み出て美観を損ねることがないように形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のド
アトリムの製造方法においては、基材203に接着させ
る発泡性シート204及び表皮シート205はあらかじ
めシート状に成形しておかなくてはならず、したがって
発泡性シート204及び表皮シート205を成形するの
ための別個の装置及び工程が必要となり、一連の製造装
置及び製造工程の数が増加して複雑であるという問題点
があった。
【0005】
【発明の目的】そこで本発明は上記の課題を解決するた
めになされたもので、表皮シートや発泡性シートをそれ
ぞれシート状に形成することなく簡単な工程でドアトリ
ムなどの積層体を製造するための方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1に記載された本発明の積層体は、基
材とこの基材の表側表面を被覆する表皮材とで構成され
た積層体であって、前記表皮材が樹脂系材料が発泡・硬
化した前記基材側の発泡層と同樹脂系材料が発泡するこ
となく硬化した前記発泡層上の表面層とからなり、その
表皮材を構成する樹脂系材料と前記基材とが接着されて
いることを特徴とする。
【0007】ここで前記基材が、樹脂系材料あるいは木
質系材料からなることが好ましい。また上記の目的を達
成するためになされた請求項3に記載された本発明の積
層体の製造方法は請求項1に記載された積層体の製造方
法であって、基材とこの基材の表面に供給された表皮材
となる発泡性溶融樹脂系材料とを一対の成形型間で所定
の厚さまでプレスして前記基材の表面全面に前記発泡性
溶融樹脂系材料を押し広げた後前記一対の成形型を所定
量離間することによって、前記基材側の前記発泡性溶融
樹脂系材料は発泡・硬化させて発泡層としまたこの発泡
層上の同発泡性溶融樹脂系材料は発泡させることなく硬
化させて表皮層とするとともに、前記基材と前記表皮材
とを接着することを特徴とする。
【0008】また上記の目的を達成するためになされた
請求項4に記載された本発明の積層体の製造方法は請求
項1に記載された積層体の製造方法であって、基材を所
定の間隔を保った一対の成形型間にセットし、この成形
型間の前記基材の表側に表皮材となる発泡性溶融樹脂系
材料を注入した後前記一対の成形型を所定量離間するこ
とによって、前記基材側の前記発泡性溶融樹脂系材料は
発泡・硬化させて発泡層としまたこの発泡層上の同溶融
樹脂系材料は発泡させることなく硬化させて表皮層とす
るとともに、前記基材と前記表皮材とを接着することを
特徴とする。
【0009】そして請求項3または請求項4に記載され
た積層体の製造方法において、前記基材が、樹脂系材料
あるいは木質系材料からなることを特徴とする。
【0010】次に上記目的を達成するためになされた請
求項6に記載された本発明の積層体は、樹脂系材料から
なる基材とこの基材の表側表面を被覆する表皮材とで構
成された積層体であって、前記表皮材が樹脂系材料が発
泡・硬化した前記基材側の発泡層と同樹脂系材料が発泡
することなく硬化した前記発泡層上の表面層とからな
り、その表皮材を構成する樹脂系材料と前記基材とが溶
着されていることを特徴とする。
【0011】また上記目的を達成するためになされた請
求項7に記載された本発明の積層体の製造方法は、請求
項6に記載された積層体を製造する方法であって、基材
とこの基材の表面に供給された表皮材となる発泡性溶融
樹脂系材料とを一対の成形型間で所定の厚さまでプレス
して前記基材の表面全面に前記発泡性溶融樹脂系材料を
押し広げた後前記一対の成形型を所定量離間することに
よって、前記基材側の前記発泡性溶融樹脂系材料は発泡
・硬化させて発泡層としまたこの発泡層上の同発泡性溶
融樹脂系材料は発泡させることなく硬化させて表皮層と
するとともに、前記基材と前記表皮材とを溶着すること
を特徴とする。
【0012】また、上記目的を達成するためになされた
請求項8に記載された本発明の積層体の製造方法は、請
求項6に記載された積層体を製造する方法であって、基
材を所定の間隔を保った一対の成形型間にセットし、こ
の成形型間の前記基材の表側に表皮材となる発泡性溶融
樹脂系材料を注入した後前記一対の成形型を所定量離間
することによって、前記基材側の前記発泡性溶融樹脂系
材料は発泡・硬化させて発泡層としまたこの発泡層上の
同溶融樹脂系材料は発泡させることなく硬化させて表皮
層とするとともに、前記基材と前記表皮材とを溶着する
ことを特徴とする。
【0013】そして請求項7または請求項8に記載され
た積層体の製造方法において、前記表皮材となる発泡性
溶融樹脂系材料を供給する前に前記基材の表面を表面改
質剤で処理することが好ましい。
【0014】次に上記目的を達成するためになされた請
求項10に記載された本発明の積層体は、多孔性基材と
この多孔性基材の表側表面を被覆する表皮材とで構成さ
れた積層体であって、前記表皮材が樹脂系材料が発泡・
硬化した前記多孔性基材側の発泡層と同樹脂系材料が発
泡することなく硬化した前記発泡層上の表面層とからな
り、その表皮材を構成する樹脂系材料が前記多孔性基材
の内部の少なくとも表側に含浸された状態で硬化してい
ることを特徴とする。
【0015】ここで前記多孔性基材が、樹脂系材料ある
いは木質系材料からなることが好ましい。
【0016】また上記目的を達成するためになされた請
求項12に記載された本発明の積層体の製造方法は、請
求項10に記載された積層体を製造する方法であって、
多孔性基材とこの多孔性基材の表面に供給された表皮材
となる発泡性溶融樹脂系材料とを一対の成形型間で所定
の厚さまでプレスして前記多孔性基材の表面全面に前記
発泡性溶融樹脂系材料を押し広げた後前記一対の成形型
を所定量離間することによって、前記多孔性基材側の前
記発泡性溶融樹脂系材料は発泡・硬化させて発泡層とし
またこの発泡層上の同溶融樹脂系材料は発泡させること
なく硬化させて表皮層とするとともに、前記多孔性基材
の内部の少なくとも表側に前記溶融樹脂系材料を含浸さ
せて同溶融樹脂系材料を硬化させることを特徴とする。
【0017】また上記目的を達成するためになされた請
求項13に記載された本発明の積層体の製造方法は、請
求項10に記載された積層体を製造する方法であって、
多孔性基材を所定の間隔を保った一対の成形型間にセッ
トし、この成形型間の前記多孔性基材の表側に表皮材と
なる発泡性溶融樹脂系材料を注入した後前記一対の成形
型を所定量離間することによって、前記多孔性基材側の
前記発泡性溶融樹脂系材料は発泡・硬化させて発泡層と
しまたこの発泡層上の同溶融樹脂系材料は発泡させるこ
となく硬化させて表皮層とするとともに、前記多孔性基
材の内部の少なくとも表側に前記溶融樹脂系材料を含浸
させて同溶融樹脂系材料を硬化させることを特徴とす
る。
【0018】そして請求項12または請求項13に記載
された積層体の製造方法において、前記多孔性基材が、
樹脂系材料あるいは木質系材料からなることを特徴とす
る。
【0019】さらにこれらの積層体の製造方法におい
て、前記表皮材となる溶融樹脂系材料を含浸させる前に
前記多孔性基材の内部の少なくとも表側を表面改質剤で
処理することが好ましい。
【0020】また本発明の積層体が、車両のドアトリム
あるいは車両用内装材であることが好ましい。
【0021】
【発明の作用・効果】請求項1、2、6、10、11、
及び16に記載された本発明の積層体では、表皮材を構
成する樹脂系材料は基材側が発泡して発泡層を形成し、
またその発泡層の表面が発泡することなく硬化して表皮
層を形成しており、即ち両層は別個の部材が接着されて
いるのではないため、両層がはがれることはありえな
い。
【0022】そしてこのように構成された積層体の製造
方法、即ち請求項3〜5、請求項7〜9、請求項12〜
15、及び請求項17に記載された本発明の積層体の製
造方法では、基材の表面に発泡性溶融樹脂系材料を供給
し、一対の成形型間で所定の厚さまでプレスしてその発
泡性溶融樹脂系材料を基材の表面全面に押し広げる工程
(請求項3、7または12)を行うか、あるいは基材を
所定の間隔を保った一対の成形型間にセットし、この成
形型間の基材の表面全面に発泡性溶融樹脂系材料を注入
する工程(請求項4、8または13)を行うかした後、
この一対の成形型を所定量離間させる工程を経ることに
より、成形型に接触している界面付近の発泡性溶融樹脂
系材料は比較的冷却が速いために発泡することなく硬化
し、一方基材表面付近の溶融樹脂系材料は冷却速度が遅
いために発泡しつつ硬化してそれぞれ表皮層と発泡層と
が形成される。したがって、このような本発明の製造方
法によれば、従来の製造方法においては必須であった表
皮シート及び発泡性シートの成形工程を行う必要がな
く、製造工程を簡略化することができる。そしてこのよ
うに形成された表皮材を構成する両層は別個の部材が接
着されているのではないため、両層がはがれることはあ
りえない。また、表皮材の発泡層の厚みや多孔度を均一
にできるとともに、表皮層の表面は型面に沿って一様に
成形できるので、均一な弾性と手触りを有する、見栄え
のよい積層体を提供することができる。
【0023】そして基材と表皮材との固着手段として
は、請求項3〜5に記載された方法では接着手段が採用
されている。このような接着手段は例えば基材が木質系
基材や金属や樹脂などで溶着に適さない材料からなる場
合に適している。また、基材と表皮材との固着手段とし
て、請求項7〜9に記載された方法では溶着手段が採用
されており、このような溶着手段は基材が溶着可能な樹
脂からなる場合に適している。なお溶着による固着で
は、接着剤を使用する必要もないのでとくに好ましい。
【0024】また、請求項10及び請求項11に記載さ
れたように基材として多孔性基材を用いて構成された積
層体では、基材と表皮材との固着は、表皮材を構成する
樹脂系材料が多孔性基材の少なくとも表面に直接含浸さ
れた状態で硬化する、即ちアンカー効果によってなされ
ている。この固着手段によれば、接合部では表皮材と多
孔性基材を構成する二つの材料しか関与しておらず、そ
してその二つの材料が直接アンカー効果で接合されてい
るため、たとえば接着剤を用いて基材と表皮材とを接着
したもので生じる可能性のある接着剤層におけるひずみ
が発生することがない。したがって、たとえ長期間この
積層体が使用されたとしても表皮材の発泡層と多孔性基
材とがはがれてしまうことがない。また接着剤を用いて
いないため、製造時における接着剤の塗布むらなどに起
因して接着の確実でない箇所が形成される可能性もな
い。
【0025】そして請求項10及び請求項11に記載さ
れた積層体は、請求項12及び請求項13に記載された
製造方法によって製造することができ、多孔性基材表面
への表皮材の積層一体化は、一対の成形型間で多孔性基
材上で発泡性溶融樹脂系材料を発泡させて表皮層と発泡
層とを形成すると同時に同発泡性溶融樹脂系材料を多孔
性基材の内部の少なくとも表側に含浸・硬化させること
で簡単に行うことができる。したがってこのような本発
明の積層体の製造方法によれば、表皮シート及び発泡性
シートの成形工程を行う必要がないばかりか、接着剤の
塗布工程を行う必要もなく、製造工程を簡略化すること
ができる。さらに接着剤を使用しないことによる、使用
材料の低減も達成できる。
【0026】なお基材と表皮材との固着を溶着によって
行う製造方法において、特に表皮材を構成する溶融樹脂
系材料と基材を構成する樹脂系材料との濡れ性が悪い場
合には、溶融樹脂系材料を供給するのに先立ちあらかじ
め基材の表面を表面改質剤で処理しておくことによっ
て、表皮材と基材との溶着を確実にすることができる。
【0027】また基材として多孔性基材を用いた場合
も、溶融樹脂系材料と多孔性基材との濡れ性の改善を図
るべく、溶融樹脂系材料を含浸させるのに先立ちあらか
じめ多孔性基材の内部の少なくとも表側を表面改質剤で
処理しておくことができる。
【0028】
【実施例】本発明の積層体の実施例として車両用のドア
トリムを採用し、以下にその構造(以下に説明する実施
例A、実施例B、及び実施例C)と製造方法(以下に説
明する第1実施例〜第24実施例)を図面を用いて説明
する。
【0029】[実施例A:請求項1に記載された「積層
体」の一実施例]まずこの出願の請求項1に記載された
発明の実施例(以下、実施例Aという)のドアトリム
は、図1及び図2に示すような自動車用のドアトリム1
0であって、ドアトリムの形状に形成された熱可塑性の
ABS樹脂からなる基材11と、この基材11の表側表
面を被覆する熱可塑性のポリプロピレン樹脂からなる表
皮材12とで構成され、必要に応じてこの表皮材12の
一部分がオーナメント13で装飾されている。この表皮
材12は熱可塑性樹脂であるポリプロピレン樹脂を発泡
させて硬化した発泡層12aと同樹脂を発泡させること
なく硬化した表皮層12bとからなり、基材11と表皮
材12との接合部は、クロロプレン系の接着剤で接着さ
れている。
【0030】[実施例Aの効果]このように構成された
実施例Aのドアトリム10では、発泡層12aと表皮層
12bとは別個の部材で形成されていないので、両層1
2a,12bが剥がれることがありえない。
【0031】[第1実施例:請求項3に記載された「積
層体の製造方法」の一実施例]図3には、実施例Aのド
アトリム10(即ち、図1及び図2に示されたドアトリ
ム10)を製造する方法、即ち請求項3に記載された発
明にかかる第1番目の実施例(以下、第1実施例とい
う)を説明するための図が示されている。この第1実施
例の製造方法には、ドアトリム10の裏側成形面31a
が形成された下型31と、表皮材12の表面の意匠模様
を形作るためのシボが刻まれた表側成形面32aが形成
された上型32とからなる上下一対の成形型31,32
が用いられる。製造にあたっては、あらかじめ20℃〜
30℃の温度に調節されている成形型31,32のうち
の下型31の成形面31aに、まずABS樹脂をドアト
リムの形状に成形した20℃〜60℃の基材11をセッ
トした後、この基材11の上面に接着剤を塗布してから
不活性ガス(例えば窒素ガス)を混入して攪拌した溶融
状態(180℃〜220℃)のポリプロプレン樹脂12
meltを吐出装置33を用いて吐出量1500g/分、供
給時間12秒/枚で供給する。この際ポリプロピレン樹
脂12meltは、厚みが製品肉厚+1.1mm程度、また
供給幅が製品幅×0.95程度になるようにドアトリム
の形状に合わせて供給される。続いて溶融ポリプロピレ
ン樹脂12melt(樹脂温度は140℃〜160℃に降下
している)を、上型32と下型31との間で30kgf
/cm2以上のプレス圧をかけて、プレス時間2〜3秒
で押圧し、溶融ポリプロピレン樹脂12meltを基材11
の全面に押し広げる。このとき溶融ポリプロピレン樹脂
12meltは基材11と上型32の間の距離が約1mmに
なるように、約1秒で瞬時に押し広げられる。この状態
で約1秒間保持してから両型31,32の間隔を約1m
m広げると、上型32の成形面32aと当接している表
面付近の溶融ポリプロピレン樹脂12meltは冷却速度が
速いためその表面にシボによる意匠模様が刻まれてその
まま硬化し、一方基材11の近傍の溶融ポリプロピレン
樹脂12meltは冷却速度が遅いために発泡しつつ硬化し
てそれぞれ表皮層12bと発泡層12a(図2参照)と
が形成される。そしてこの状態で約30秒間保持するこ
とにより溶融樹脂12meltは冷却硬化して基材11の表
面に塗布されたクロロプレン系の接着剤によって同基材
11に接着される。こうして、基材11の表側表面の全
面が表皮材12で被覆されたドアトリム10が形成され
る。
【0032】[第2実施例:請求項3に記載された「積
層体の製造方法」の一実施例]図4は請求項3に記載さ
れた発明の第2番目の実施例(以下、第2実施例とい
う)、即ち実施例Aのドアトリム10を製造する方法を
説明するための図であって、この第2実施例の製造方法
では一対の成形型として裏側成形面41aが形成された
下型41と表側成形面42aが形成された上型42が用
いられる。この第2実施例の製造方法と前述した第1実
施例の製造方法とは、下型41が、裏側成形面41aの
全体にわたって分散した位置に開口している樹脂供給通
路44(なお、この樹脂供給通路44には、供給途中に
溶融樹脂12meltの温度の降下を防止すべくヒータ45
が設けられている。)を内蔵している点、溶融樹脂12
meltの基材11の表側表面への供給手段が注入装置43
から同溶融樹脂12meltを樹脂供給通路44に注入する
ことで行っている点でのみ異なっている。
【0033】[第3実施例:請求項3に記載された「積
層体の製造方法」の一実施例]図5は請求項3に記載さ
れた発明の第3番目の実施例(以下、第3実施例とい
う)、即ち実施例Aのアトリム10(図1及び図2参
照)を製造する方法を説明するための図であって、この
第3実施例の製造方法では一対の成形型として裏側成形
面が形成された下型51と表側成形面52aが形成され
た上型52が用いられる。この第3実施例の製造方法と
前述した第1実施例の製造方法とは、上型52が表側成
形面52aの全体にわたって分散した位置に開口してい
る樹脂供給通路54(なお、この樹脂供給通路54に
は、供給途中に溶融樹脂12meltの温度の降下を防止す
べくヒータ55が設けられている。)を内蔵している
点、溶融樹脂12meltの基材11の表側表面への供給
が、注入装置53から同溶融樹脂12meltを樹脂供給通
路54に注入して下型51の成形面51a上にセットさ
れた基材11に落下させることで行っている点でのみ異
なっている。
【0034】[第4実施例:請求項3に記載された「積
層体の製造方法」の一実施例]図6は請求項3に記載さ
れた発明の第4番目の実施例(以下、第4実施例とい
う)、即ち実施例Aのドアトリム10を製造する方法を
説明するための図である。この第4実施例の製造方法に
用いられる上下一対の成形型61,62のうち下型61
には、ドアトリムの表側成形面61aが形成されてい
て、一方上型62にはドアトリムの裏側成形面62aが
形成されている。なお、この下型61の成形面61aに
も表皮材表面の意匠模様を形作るためのシボが刻まれて
いる。これらの成形型61,62を用いたドアトリム1
0の製造方法においては、あらかじめ20℃〜30℃の
温度に調節されている成形型61,62のうちの上型6
2の成形面62aに、ABS樹脂をドアトリムの形状に
成形した基材11(20℃〜60℃)をセットした後、
この基材11の上面にクロロプレン系の接着剤を塗布す
る。一方下型61の成形面61aに、不活性ガス(例え
ば窒素ガス)を混入して攪拌した溶融状態(180℃〜
220℃)のポリプロピレン樹脂12meltを吐出装置6
3を用いて吐出量1500g/分の速度で、供給時間約
12秒/枚をかけて供給する。続いて前述した第1実施
例と同様に、上型62と下型61との間でプレスを行う
ことによって溶融ポリプロピレン樹脂12meltを基材1
1の全面に約1mmの厚みになるまで約1秒間で押し広
げる。この状態で約1秒間保持してから両型61,62
の間隔を約1mm広げることによって、溶融ポリプロピ
レン樹脂12meltがその表面にシボによる意匠模様が刻
まれてそのまま硬化した表皮層12bと、溶融ポリプロ
ピレン樹脂12meltが発泡しつつ硬化した発泡層12a
(図2参照)とが形成される。そしてこの状態で30秒
間保持して冷却することにより基材11の表面に塗布さ
れた接着剤によって硬化した溶融ポリプロピレン樹脂1
2meltは基材11に接着されて、基材11の表側表面全
面が表皮材12で被覆されたドアトリム10が形成され
る。
【0035】[第5実施例:請求項3に記載された「積
層体の製造方法」の一実施例]図7は請求項3に記載さ
れた発明の製造方法の第5番目の実施例(以下、第5実
施例という)、即ち実施例Aのドアトリム10を製造す
る方法を説明するための図であって、この第5実施例の
製造方法では一対の成形型として表側成形面71aが形
成された下型71と裏側成形面71aが形成された上型
71が用いられる。この第5実施例の製造方法と前述し
た第4実施例の製造方法とは、下型71が、表側成形面
71aの全体にわたって分散した位置に開口している樹
脂供給通路74(なお、この樹脂供給通路74には、供
給途中に溶融ポリプロピレン樹脂12meltの温度の降下
を防止すべくヒータ75が設けられている。)を内蔵し
ている点、溶融樹脂12meltの基材11の表側表面への
供給が、注入装置73から同溶融ポリプロピレン樹脂1
2meltを樹脂供給通路74に注入することで行っている
点でのみで異なっている。
【0036】[第6実施例:請求項3に記載された「積
層体の製造方法」の一実施例]図8は請求項3に記載さ
れた発明の製造方法の第6番目の実施例(以下、第6実
施例という)、即ち実施例Aのドアトリム10を製造す
る方法を説明するための図であって、この第6実施例の
製造方法では一対の成形型として表側成形面81aが形
成された下型81と裏側成形面82aが形成された上型
82が用いられる。この第6実施例の方法と前述した第
4実施例の製造方法とは、上型82が、裏側成形面82
aの全体にわたって分散した位置に開口している樹脂供
給通路84(なお、この樹脂供給通路84には、供給途
中に溶融ポリプロピレン樹脂12meltの温度の降下を防
止すべくヒータ85が設けられている。)を内蔵してい
る点、溶融ポリプロピレン樹脂12meltの基材11の表
側表面への供給が、注入装置83から同溶融ポリプロピ
レン樹脂12meltを樹脂供給通路84に注入して下型8
1の成形面81aの上に落下させることで行っている点
でのみ異なっている。
【0037】[第7実施例:請求項4に記載された「積
層体の製造方法」の一実施例]図9には請求項4に記載
された発明の第1番目の実施例(以下、第7実施例とい
う)、即ち実施例Aのドアトリム10を製造する方法を
説明するための図が示されている。この第7実施例の製
造方法で用いられる成形型は裏側成形面92aが形成さ
れた基材側成形型92と表側成形面91aが形成された
表皮材側成形型91であり、この表皮材側成形型91の
内部には、成形面91aの全体にわたって分散した位置
に開口する樹脂供給通路94(なお、この樹脂供給通路
94には、供給途中に溶融樹脂12meltの温度の降下を
防止すべくヒータ95が設けられている。)が設けられ
ている。そして注入装置93から溶融ポリプロピレン樹
脂12meltがこの樹脂供給通路94に注入できるように
構成されている。この第7実施例の製造方法においては
まず、一対の成形型91,92の各成形面91a,92
a間に、ABS樹脂をドアトリムの形状に成形した基材
11に接着剤を塗布してセットする。ここで基材11と
下型91とは約1mmの間隔が保たれている。ついでこ
の基材11の表側表面と下型91の成形面91aとの間
に、窒素ガスを混入・攪拌した溶融状態(180℃〜2
20℃)のポリプロプレン樹脂12meltを注入装置93
によって樹脂供給通路94より高圧(100〜300k
g/cm2)で注入することによって、溶融樹脂12mel
tを基材11の表面全体に押し広げる。この状態から両
型91,92の距離を約1mm離間させると、下型91
の成形面91aと当接している表面付近の溶融ポリプロ
ピレン樹脂12meltは冷却速度が速いためその表面にシ
ボによる意匠模様が刻まれてそのまま硬化し、一方基材
11の近傍の溶融ポリプロピレン樹脂12meltは冷却速
度が遅いために発泡しつつ硬化してそれぞれ表皮層12
bと発泡層12a(図2参照)とが形成される。そして
この状態で30秒間保持して冷却することによって、基
材11の表面に塗布されたクロロプレン系の接着剤によ
り硬化した溶融ポリプロピレン樹脂12meltは基材11
に接着されて、基材11の表側表面全面が表皮材12で
被覆されたドアトリム10が形成される。
【0038】[第8実施例:請求項4に記載された「積
層体の製造方法」の一実施例]図10には、請求項4に
記載された発明の第2番目の実施例(以下、第8実施例
という)、即ち実施例Aのドアトリム10を製造する方
法を説明するための図が示されている。この第8実施例
は、裏側成形面102aの全体にわたって分散した位置
に開口している樹脂供給通路104(なお、この樹脂供
給通路104には、供給途中に溶融樹脂12meltの温度
の降下を防止すべくヒータ105が設けられている。)
を内蔵した上型102と表側成形面101aを備えた下
型101を用いている点、多孔性基材11の表側表面へ
の溶融ポリプロピレン樹脂12meltの供給を樹脂供給通
路104を経て注入装置103から溶融ポリプロピレン
樹脂12meltを注入することによって行っている点での
み前記第7実施例と異なる。
【0039】[第1実施例〜第8実施例の効果]したが
って、上述のような第1実施例〜第8実施例のドアトリ
ムの製造方法によれば、従来の製造方法においては必須
であった表皮シート及び発泡性シートの成形工程を行う
必要がなく、製造工程を簡略化することができる。そし
てこのように形成された表皮材12を構成する両層12
a,12bは別個の部材が接着されているのではないた
め、両層12a,12bがはがれることはありえない。
また、表皮材12の発泡層12aの厚みや多孔度を均一
にできるとともに、表皮層12bの表面は型面に沿って
一様に成形できるので、均一な弾性と手触りを有する、
見栄えのよい積層体を提供することができる。
【0040】[実施例B:請求項6に記載された「積層
体」の一実施例]次にこの出願の請求項6に記載された
発明の実施例(以下、実施例Bという)のドアトリム
は、基材として熱可塑性のポリプロピレン樹脂を用い、
ポリプロピレン樹脂で構成される表皮材と溶着によって
接合される点でのみ実施例Aの自動車用のドアトリムと
異なる。
【0041】[実施例Bの効果]このように構成された
実施例Bのドアトリムでは、発泡層と表皮層とは別個の
部材で形成されていないので、両層が剥がれることがあ
りえない。
【0042】[第9〜第14実施例:請求項7に記載さ
れた「積層体の製造方法」の各実施例]請求項7に記載
された発明の第9〜第14実施例は、前述した請求項3
に記載された発明の第1〜第6実施例と、基材をポリプ
ロピレン樹脂で構成する点、及び基材に接着剤を供給し
ない点でのみ異なっている。
【0043】[第15実施例及び第16実施例:請求項
8に記載された「積層体の製造方法」の各実施例]請求
項8に記載された発明の第15実施例及び第16実施例
と、前述した請求項4に記載された発明の第7実施例及
び第8実施例との差異も、基材をポリプロピレン樹脂で
構成する点、及び基材に接着剤を供給しない点のみであ
る。
【0044】[第9〜第16実施例の効果]このような
製造方法によれば、表皮材の成形工程を行わないことに
よって製造方法が簡略化できるという効果、表皮材12
を構成する両層12a,12bは別個の部材が接着され
ているのではないため、両層12a,12bがはがれる
ことがないという効果、また、表皮材12の発泡層12
aの厚みや多孔度を均一にできるとともに、表皮層12
bの表面は型面に沿って一様に成形できるので、均一な
弾性と手触りを有する、見栄えのよい積層体を提供する
ことができるという効果に加えて、接着剤を使用しない
ことによる使用材料の低減も格別の効果として奏するも
のである。
【0045】[実施例C:請求項10に記載された「積
層体」の一実施例]この出願の請求項10に記載された
発明の実施例(以下、実施例Cという)は、基材として
木質繊維や粉末などの主材料93%に結着剤としてのフ
ェノール樹脂7%を混合した集合体を多孔性を保って成
形した木質系の多孔性基材を用いている点、また、ポリ
プロピレン樹脂で構成される表皮材と多孔性基材との接
合部が表皮材のポリプロピレン樹脂が多孔性基材の内部
の孔内に含浸・充填された状態で硬化した形態になって
いる、即ち両部材がアンカー効果で接合されている点で
のみ図1及び図2に示された自動車用のドアトリムと異
なる。
【0046】[実施例Cの効果]このようにアンカー効
果で表皮材と多孔性基材を接合したドアトリムでは、発
泡層12aと表皮層12bとは別個の部材が接着されて
いるのではないため、両層12a,12bがはがれるこ
とはありえない。また表皮材12と多孔性基材の接合部
では、従来の接着剤を用いて接着したもののように接着
剤層にストレスがかかることがないため、たとえ長期間
この積層体が使用されたとしても表皮材12と多孔性基
材とがはがれてしまうことがない。また接着剤を用いて
いないので、製造時における接着剤の塗布むらなどに起
因して確実に接着されていない箇所が形成される可能性
もない。
【0047】[第17〜第22実施例:請求項12に記
載された「積層体の製造方法」の各実施例]請求項12
に記載された発明の第17〜22実施例は、前述した請
求項3に記載された発明の第1〜第6実施例と、基材を
木質系の多孔性基材で構成する点、及び多孔性基材に接
着剤を供給しないで多孔性基材の表側表面の孔に溶融樹
脂が含浸された状態で硬化させることによるアンカー効
果で表皮材と多孔性基材を接合させる点でのみ異なって
いる。
【0048】[第23実施例及び第24実施例:請求項
13に記載された「積層体の製造方法」の一実施例]請
求項13に記載された発明の第23実施例及び第24実
施例と前述した請求項4に記載された発明の第7実施例
及び第8実施例との差異も、基材を木質系の多孔性基材
で構成する点、及び多孔性基材に接着剤を供給しないで
表皮材と多孔性基材とをアンカー効果で接合させる点の
みである。
【0049】[第17〜第24実施例の効果]このよう
な製造方法によれば、表皮材の成形工程を行わないこと
によって製造方法が簡略化できるという効果、表皮材1
2を構成する両層12a,12bは別個の部材が接着さ
れているのではないため、両層12a,12bがはがれ
ることがないという効果、また、表皮材12の発泡層1
2aの厚みや多孔度を均一にできるとともに、表皮層1
2bの表面は型面に沿って一様に成形できるので、均一
な弾性と手触りを有する、見栄えのよい積層体を提供す
ることができるという効果、また、接着剤を使用しない
ことによる使用材料の低減、及び接着剤の塗布工程の削
減が達成できる効果に加えて、表皮材と多孔性基材とが
アンカー効果で強固に接合できるという効果も奏するも
のである。
【0050】そして上記の請求項3の発明にかかる第1
〜第6実施例、請求項4の発明にかかる第7実施例及び
第8実施例、及びこれらに対応する請求項7、8、1
2、13の発明にかかる各実施例の製造方法において使
用する表側成形面32a,42a,52a,61a,7
1a,81a,91a,101aには、図3〜図10に
示されているように、表皮材12に意匠模様を形成する
ためのシボが設けられているため、基材11に表皮材1
2を被覆形成すると同時に表皮材12の表面に意匠模様
を形成することができる。
【0051】また、図3〜図10に示されているよう
に、これらの実施例の両型31,32,41,42,5
1,52,61,62,71,72,81,82,9
1,92,101,102の成形面31a,32a,4
1a,42a,51a,52a,61a,62a,71
a,72a,81a,82a,91a,92a,101
a,102aは、基材11(あるいは多孔性基材)の端
面11aと成形面31a,32a,41a,42a,5
1a,52a,61a,62a,71a,72a,81
a,82a,91a,92a,101a,102aとの
間に溶融樹脂12meltが供給される隙間を有するように
形成されており、したがって表皮材12を構成する樹脂
が基材11(あるいは多孔性基材)の端面11aを完全
に被覆することができるので、上記従来の表皮材を基材
に接着して一体化する製造方法(図11参照)において
必要であった表皮材の端末が基材から幾分はみ出るよう
に切断する工程(図11(b)参照)、及びこの表皮材
のはみ出し部分を基材の端部を巻き込むように被覆する
工程(図11(c)参照)を行う必要がなく、表皮材1
2の形成と同時にドアトリム10の端部を美観を損ねな
いように処理することが可能である。
【0052】なお上述した第7実施例および第8実施例
(あるいは第15実施例および第16実施例、また第2
3実施例および第24実施例)において、樹脂供給通路
94,104の成形面91a,101aへの開口位置を
図9および図10に示されている位置に代えて、ドアト
リムの端末部分やオーナメントを取り付けるような部分
とすれば、たとえ表皮材12の表面において樹脂供給通
路94,104が開口している位置に対応する部分にバ
リが発生したとしても外観からは見えなくなるので、こ
のドアトリム10を自動車のドアに取り付けた場合の意
匠性が損なわれない。
【0053】また上述した第9〜第24実施例の製造方
法において、表皮材を構成する溶融樹脂系材料と基材あ
るいは多孔性基材との濡れ性が悪い場合には、溶融樹脂
系材料を含浸させるのに先立ちあらかじめ基材あるいは
多孔性基材の少なくとも表面を変性オレフィンなどの表
面改質剤を塗布あるいは含浸して濡れ性を改善すること
によって表皮材と基材との接合を確実にすることができ
る。例えば、基材がポリプロピレン樹脂で表皮材が塩化
ビニルであるような場合には、表面改質剤としては塩素
化ポリオレフィンをベースとするプライマーが用いられ
る。
【0054】また請求項1〜請求項5の発明にかかる上
記の実施例A及び第1〜第8実施例においては、基材1
1として熱可塑性の樹脂としてABS樹脂を用いたが、
例えばポリアミド樹脂やASA樹脂などの他の熱可塑性
材料を用いてもよい。また、木質のチップや繊維、粉末
などの主材料にフェノール樹脂を結着剤として添加混合
した集合体を成形した木質系成形体を用いることもでき
る。
【0055】これに対して請求項6〜請求項9の発明に
かかる上記の実施例B及び第9〜第16実施例において
は、基材として熱可塑性のポリプロピレン樹脂を用いた
が、表皮材を構成する樹脂と溶着することのできる樹脂
であれば他の熱可塑性のオレフィン樹脂、例えばポリエ
チレンを用いることもができる。また、これらの樹脂を
主体として適宜充填剤、ガラス繊維などの補強材、帯電
防止のための導電剤、例えばケイ酸マグネシウムや炭酸
カルシウムなどを添加した成形体を用いることも可能で
ある。
【0056】更に請求項10〜請求項21の発明にかか
る上記の実施例C及び第17〜第224実施例において
は多孔性基材として、木質繊維及びフェノール樹脂を9
3:7で混合して成形した木質系成形体を用いたが、木
質繊維を80%、フェノール樹脂を10%、オレフィン
樹脂系繊維を10%混合して成形した木質系成形体も好
適に用いることができる。この他、硬質発泡ウレタンな
どからなる多孔性の樹脂系成形体を用いてもよいし、ま
た、フェノール樹脂やエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂
などの熱硬化性材料やポリプロピレン樹脂、ABS樹脂
などの熱可塑性樹脂を主体として適宜補強剤や帯電防止
のための導電剤などを添加した多孔性の樹脂系成形体や
金属繊維を加圧成形した多孔性の成形体、カーボン材料
からなる成形体、ラスメタルや不織布等からなる支持体
に多孔性の樹脂を担持または積層した成形体等も用いる
ことができる。
【0057】また、上記実施例においては、表皮材とし
てポリプロピレン樹脂を用いたが、ポリプロピレン樹脂
にエチレンプロピレンゴムを10〜50%配合して、樹
脂の成形性(流動性)や風合い(硬さ)調節してもよ
い。特にエチレンプロピレンゴムを40%配合すること
が好ましい。下記表1に、ポリプロピレン樹脂とエチレ
ンプロピレンゴムとの配合比を変えた場合の成形性(流
動性)及び風合い(硬さ)に関する評価を示す。
【0058】
【表1】
【0059】また表皮材として他のオレフィン樹脂、例
えば塩化ビニルやポリエチレン、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸重合体などや、ポリアミド樹脂、ASA樹脂
等の熱可塑性樹脂を単独で、あるいは二種以上を配合し
て用いてもよい。また、表皮材に光沢を付与する光沢付
与剤や、難燃剤などを添加することも、出来上り製品の
見栄えや性能等を考慮して適宜行うことができる。
【0060】また上述した成形型31,32,41,4
2,51,52,61,62,71,72,81,8
2,91,92,101,102はAlからなるが、例
えば鉄やZAS(三井金属鉱業(株)の亜鉛合金の商品
名)、樹脂などで形成した型であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる積層体の一実施例であるドア
トリムの斜視図である。
【図2】 図1における線2−2で切断した縦断面図で
ある。
【図3】 本発明にかかる積層体の製造方法の第1実施
例であるドアトリムの製造方法を説明するための図であ
る。
【図4】 本発明にかかる積層体の製造方法の第2実施
例であるドアトリムの製造方法を説明するための図であ
る。
【図5】 本発明にかかる積層体の製造方法の第3実施
例であるドアトリムの製造方法を説明するための図であ
る。
【図6】 本発明にかかる積層体の製造方法の第4実施
例であるドアトリムの製造方法を説明するための図であ
る。
【図7】 本発明にかかる積層体の製造方法の第5実施
例であるドアトリムの製造方法を説明するための図であ
る。
【図8】 本発明にかかる積層体の製造方法の第6実施
例であるドアトリムの製造方法を説明するための図であ
る。
【図9】 本発明にかかる積層体の製造方法の第7実施
例であるドアトリムの製造方法を説明するための図であ
る。
【図10】 本発明にかかる積層体の製造方法の第8実
施例であるドアトリムの製造方法を説明するための図で
ある。
【図11】 (a),(b)及び(c)は従来のドアト
リムの製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
10…ドアトリム、11…多孔性基体、12…表皮材、
12a…発泡層、12b…表皮層、12melt…溶融樹
脂、31,32,41,42,51,52,61,6
2,71,72,81,82,91,92,101,1
02…成形型、31a,32a,41a,42a,51
a,52a,61a,62a,71a,72a,81
a,82a,91a,92a,101a,102a…成
形面、33,63…吐出装置、43,53,73,8
3,93,103…注入装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久瀬 和則 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内 (72)発明者 加藤 浩之 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内 (72)発明者 石原 幸雄 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材とこの基材の表側表面を被覆する表
    皮材とで構成された積層体において、前記表皮材が樹脂
    系材料が発泡・硬化した前記基材側の発泡層と同樹脂系
    材料が発泡することなく硬化した前記発泡層上の表面層
    とからなり、その表皮材を構成する樹脂系材料と前記基
    材とが接着されていることを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】 前記基材が、樹脂系材料あるいは木質系
    材料からなることを特徴とする請求項1に記載の積層
    体。
  3. 【請求項3】 基材とこの基材の表側表面を被覆する表
    皮材とで構成された積層体の製造方法において、前記基
    材とこの基材の表面に供給された表皮材となる発泡性溶
    融樹脂系材料とを一対の成形型間で所定の厚さまでプレ
    スして前記基材の表面全面に前記発泡性溶融樹脂系材料
    を押し広げた後前記一対の成形型を所定量離間すること
    によって、前記基材側の前記発泡性溶融樹脂系材料は発
    泡・硬化させて発泡層としまたこの発泡層上の同発泡性
    溶融樹脂系材料は発泡させることなく硬化させて表皮層
    とするとともに、前記基材と前記表皮材とを接着するこ
    とを特徴とする積層体の製造方法。
  4. 【請求項4】 基材とこの基材の表側表面を被覆する表
    皮材とで構成された積層体の製造方法において、前期基
    材を所定の間隔を保った一対の成形型間にセットし、こ
    の成形型間の前記基材の表側に表皮材となる発泡性溶融
    樹脂系材料を注入した後前記一対の成形型を所定量離間
    することによって、前記基材側の前記発泡性溶融樹脂系
    材料は発泡・硬化させて発泡層としまたこの発泡層上の
    同溶融樹脂系材料は発泡させることなく硬化させて表皮
    層とするとともに、前記基材と前記表皮材とを接着する
    ことを特徴とする積層体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基材が、樹脂系材料あるいは木質系
    材料からなることを特徴とする請求項3または請求項4
    に記載の積層体の製造方法。
  6. 【請求項6】 樹脂系材料からなる基材とこの基材の表
    側表面を被覆する表皮材とで構成された積層体におい
    て、前記表皮材が樹脂系材料が発泡・硬化した前記基材
    側の発泡層と同樹脂系材料が発泡することなく硬化した
    前記発泡層上の表面層とからなり、その表皮材を構成す
    る樹脂系材料と前記基材とが溶着されていることを特徴
    とする積層体。
  7. 【請求項7】 樹脂系材料からなる基材とこの基材の表
    側表面を被覆する表皮材とで構成された積層体の製造方
    法において、前記基材とこの基材の表面に供給された表
    皮材となる発泡性溶融樹脂系材料とを一対の成形型間で
    所定の厚さまでプレスして前記基材の表面全面に前記発
    泡性溶融樹脂系材料を押し広げた後前記一対の成形型を
    所定量離間することによって、前記基材側の前記発泡性
    溶融樹脂系材料は発泡・硬化させて発泡層としまたこの
    発泡層上の同発泡性溶融樹脂系材料は発泡させることな
    く硬化させて表皮層とするとともに、前記基材と前記表
    皮材とを溶着することを特徴とする積層体の製造方法。
  8. 【請求項8】 樹脂系材料からなる基材とこの基材の表
    側表面を被覆する表皮材とで構成された積層体の製造方
    法において、前期基材を所定の間隔を保った一対の成形
    型間にセットし、この成形型間の前記基材の表側に表皮
    材となる発泡性溶融樹脂系材料を注入した後前記一対の
    成形型を所定量離間することによって、前記基材側の前
    記発泡性溶融樹脂系材料は発泡・硬化させて発泡層とし
    またこの発泡層上の同溶融樹脂系材料は発泡させること
    なく硬化させて表皮層とするとともに、前記基材と前記
    表皮材とを溶着することを特徴とする積層体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記表皮材となる発泡性溶融樹脂系材料
    を供給する前に前記基材の表面を表面改質剤で処理する
    ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の積層
    体の製造方法。
  10. 【請求項10】 多孔性基材とこの多孔性基材の表側表
    面を被覆する表皮材とで構成された積層体において、前
    記表皮材が樹脂系材料が発泡・硬化した前記多孔性基材
    側の発泡層と同樹脂系材料が発泡することなく硬化した
    前記発泡層上の表面層とからなり、その表皮材を構成す
    る樹脂系材料が前記多孔性基材の内部の少なくとも表側
    に含浸された状態で硬化していることを特徴とする積層
    体。
  11. 【請求項11】 前記多孔性基材が、樹脂系材料あるい
    は木質系材料からなることを特徴とする請求項10に記
    載の積層体。
  12. 【請求項12】 多孔性基材とこの多孔性基材の表側表
    面を被覆する表皮材とで構成された積層体の製造方法に
    おいて、前記多孔性基材とこの多孔性基材の表面に供給
    された表皮材となる発泡性溶融樹脂系材料とを一対の成
    形型間で所定の厚さまでプレスして前記多孔性基材の表
    面全面に前記発泡性溶融樹脂系材料を押し広げた後前記
    一対の成形型を所定量離間することによって、前記多孔
    性基材側の前記発泡性溶融樹脂系材料は発泡・硬化させ
    て発泡層としまたこの発泡層上の同溶融樹脂系材料は発
    泡させることなく硬化させて表皮層とするとともに、前
    記多孔性基材の内部の少なくとも表側に前記溶融樹脂系
    材料を含浸させて同溶融樹脂系材料を硬化させることを
    特徴とする積層体の製造方法。
  13. 【請求項13】 多孔性基材とこの多孔性基材の表側表
    面を被覆する表皮材とで構成された積層体の製造方法に
    おいて、前期多孔性基材を所定の間隔を保った一対の成
    形型間にセットし、この成形型間の前記多孔性基材の表
    側に表皮材となる発泡性溶融樹脂系材料を注入した後前
    記一対の成形型を所定量離間することによって、前記多
    孔性基材側の前記発泡性溶融樹脂系材料は発泡・硬化さ
    せて発泡層としまたこの発泡層上の同溶融樹脂系材料は
    発泡させることなく硬化させて表皮層とするとともに、
    前記多孔性基材の内部の少なくとも表側に前記溶融樹脂
    系材料を含浸させて同溶融樹脂系材料を硬化させること
    を特徴とする積層体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記多孔性基材が、樹脂系材料あるい
    は木質系材料からなることを特徴とする請求項12また
    は請求項13に記載の積層体の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記表皮材となる溶融樹脂系材料を含
    浸させる前に前記多孔性基材の内部の少なくとも表側を
    表面改質剤で処理することを特徴とする請求項12から
    請求項14のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記積層体が、車両のドアトリムある
    いは車両用内装材であることを特徴とする請求項1、請
    求項2、請求項6、請求項10、及び請求項11のいず
    れか一項に記載の積層体。
  17. 【請求項17】 前記積層体が、車両のドアトリムある
    いは車両用内装材であることを特徴とする請求項3から
    請求項5、請求項7から請求項9、及び請求項12から
    請求項15のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
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