JPH0929769A - 積層体の製造装置 - Google Patents

積層体の製造装置

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JPH0929769A
JPH0929769A JP17917895A JP17917895A JPH0929769A JP H0929769 A JPH0929769 A JP H0929769A JP 17917895 A JP17917895 A JP 17917895A JP 17917895 A JP17917895 A JP 17917895A JP H0929769 A JPH0929769 A JP H0929769A
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JP
Japan
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base material
resin
skin
outer peripheral
molding
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JP17917895A
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English (en)
Inventor
Kazunori Kuse
和則 久瀬
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Araco Co Ltd
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Araco Co Ltd
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表皮材をあらかじめシート状に形成すること
なく、また基材に反りを生じさせることなく簡単な工程
で基材の表面及び端面が被覆された積層体を製造する製
造装置を提供すること。 【構成】 基材11と、この基材11の表面に供給され
た表皮材となる溶融ポリプロピレン樹脂12meltとをプ
レスして基材11と表皮材12を一体化する一対の成形
型20,21を備えた製造装置において、基材側の成形
型20に段部20a1が設けられている。この段部20a1
には基材外周部11aの支持部20a11が形成されてい
て、プレス工程で溶融樹脂12meltが基材11の外周部
11aを押圧して同基材11が反るのを防止する。よっ
て得られたドアトリム10の表皮材12は厚みが均一で
擦れ跡がなく、シボも良好に転写されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用ドアトリム、車
両用内装材、屋内用内装材等に使用される積層体の製造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記した用途に使用される積層体とし
て、所定形状に形成された木質系材料あるいは樹脂系材
料からなる基材に樹脂層を被覆したものが知られてい
る。このような積層体の一例としては、ドアトリムの形
状に形成された木質系のハードボードからなる基材と、
この基材の表面に接着されてこれを全面被覆する表皮材
とからなるドアトリムがある。
【0003】このようなドアトリムを製造するにはま
ず、図9(a)に示したようにドアトリムの形状に形成
された木質系基材31を下型35にセットし、表面に適
宜所定の意匠模様をつけてシート状に形成された表皮材
32をその木質系基材31の上に配設して真空成形する
ことによって接着剤で木質系基材31と表皮材32との
接着一体化が行われる。こうして両部材31,32が一
体化されたのち、表皮材32は図9(b)に示されてい
るようにその端末が木質系基材31から幾分はみ出るよ
うに切断される。この表皮材32のはみ出し部分32a
は、続いて図9(c)に示されているように木質系基材
31の端部を巻き込むように接着処理され、表皮材32
がはみ出て美観を損ねることがないように形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のド
アトリムの製造方法においては、接着剤を木質系基材3
1側あるいはまたは表皮材32側に塗布などによって供
給する装置及び供給工程が必要であるとともに、木質系
基材31に接着させる表皮材32はあらかじめシート状
に成形しておかなくてはならず、したがって表皮材32
を成形するのための別個の装置及び工程も必要となり、
一連の製造装置及び製造工程数が増加して複雑であると
いう問題点があった。
【0005】そこで出願人は先に、例えば下型にセット
した木質系基材の表面に表皮材となる溶融樹脂性材料を
供給し、成形面にシボを刻んだ上型との間でプレスする
ことによってその溶融樹脂系材料を木質系基材の内部の
少なくとも表側に含浸させ、その状態で同溶融樹脂系材
料を硬化させて積層体を製造する方法(特願平6−13
6072号)、あるいは下型にセットした樹脂製の基材
の表面に表皮材となる溶融樹脂系材料を供給し、成形面
にシボを刻んだ上型との間でプレスすることによってそ
の溶融樹脂系材料を基材と溶着または接着するとともに
硬化させて積層体を製造する方法(特願平6−1641
06号)を提案している。そしてこれらの方法では、表
皮材を構成する溶融樹脂系材料が基材の端面を被覆して
基材の裏側に周りこむことができるように、基材側成形
型の成形面における基材の外周部の裏面に相当する部分
に、裏面との間に多少の隙間をおいて段部が形成されて
いる。
【0006】しかしながらこれらの方法によれば、基材
側成形型にセットした基材上に溶融樹脂系材料を供給し
てプレスする際、同成形型の成形面における基材の外周
部の裏面に相当する部分に、裏面との間に隙間をおいて
段部が形成されているため、基材の外周がこの段部に向
かって押圧(通常、約30kg/cm2程度の圧力がか
かる。)されて基材の外周部に反りが生じることがあっ
た。このような反りが生じると、その基材と下型の成形
面との間に隙間ができたり、あるいは基材と上型の成形
面とのクリアランスが一定に保たれなくなったりする。
よって基材上を表皮材となる溶融樹脂系材料が流動する
際にその流動性が妨げられたり、クリアランスが小さい
箇所で溶融樹脂系材料の流動した後が擦れ跡として残っ
たりして、シボの転写が良好になされず、出来上りの積
層体の見栄えが悪くなるといった問題点が生じていた。
また基材が反った状態でプレス工程が行なわれた後で成
形された積層体が成形型から取り外されると、基材の反
りが元に戻るため、出来上がった積層体の外周部分が表
皮材側に反り返ってしまうという問題点もあった。
【0007】
【発明の目的】そこで本発明は上記の課題を解決するた
めになされたもので、表皮材をあらかじめシート状に形
成することなく、また基材の端面を被覆する工程を基材
上に表皮材を形成すると同時に行って、ドアトリムなど
の積層体を簡単な工程で製造すること、また基材に反り
を生じさせず下型の成形面に隙間なくセットすることに
よって出来上りの積層体の見栄えが損なわれるのを防止
することの可能な製造装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明は、基材の裏側表面の形状に合わせた
成形面を設けた基材側成形型と、表皮材の表面の形状に
合わせた成形面を設けた表皮材側成形型と、前記両成形
型間に前記表皮材となる溶融樹脂系材料を供給する供給
手段とからなり、前記両成形型間で前記基材とこの基材
の表側表面に供給された前記溶融樹脂系材料をプレスし
て同溶融樹脂系材料を硬化させることにより前記基材の
表側表面が前記表皮材で全面的に被覆された積層体を製
造する製造装置であって、前記基材側成形型の成形面に
おける前記基材の外周部の裏面に相当する部分には前記
溶融樹脂系材料が基材の端面を経て周り込む段部が設け
られており、そしてこの段部に基材の外周部を支持する
支持部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
【発明の作用・効果】このように構成された本発明の積
層体の製造装置を用いて積層体を製造する場合には、基
材側成形型の成形面にセットされた基材とこの基材の表
側表面に供給された溶融樹脂系材料とが両成形型間でプ
レスされて、溶融樹脂系材料が基材の表面全面に押し広
げられる。押し広げられた溶融樹脂系材料は更に基材の
端面を越えて裏面へ周り込み、基材側成形型の成形面に
設けられた段部との間の隙間を充填するように行き渡
る。この際、基材側成形型の成形面に設けられた段部に
は基材の外周部を支持する支持部が形成されているた
め、溶融樹脂系材料が基材の外周部を段部に向かって押
圧しても、基材の外周部はこの支持部に支持されて反り
を生じることがない。
【0010】したがって、基材側成形型の成形面と基材
との間に隙間ができることがなく、かつ基材と上型の成
形面とのクリアランスが一定に保たれる。よって、溶融
樹脂系材料は基材の表面上を支障なく流動することがで
き、溶融樹脂系材料の流動の妨げによる擦れ跡ができ
ず、シボの転写も良好になされ、かつ表皮材の厚みも均
一となる。また、成形された積層体を成形型から取り外
した後に、積層体の外周部が表皮材側に反り返ることも
ない、従って、外観及び形状に問題のない表皮材で被覆
された積層体を製造することができる。
【0011】またこのような本発明の積層体の製造装置
によれば、従来の製造装置においては必須であった表皮
材の成形工程を行う必要がなく、製造工程を簡略化する
ことができる。
【0012】
【実施例】本発明の積層体の製造装置の実施例として車
両用のドアトリムの製造装置を採用し、図面を用いて以
下にその製造装置の構成及びその製造装置を用いた製造
工程を説明する。
【0013】この実施例の製造装置によって製造される
ドアトリムは、図1(この実施例にかかるドアトリムを
車両の外側から見た斜視図)及び図2(図1に示された
線2−2で切断した断面図)に示すような自動車用のド
アトリム10であって、ドアトリムの形状に形成された
木質系基材11(本発明の基材に相当する)と、この木
質系基材11の表側表面を全面的に被覆する表皮材12
とで構成される。このドアトリム10の外周部分は、表
皮材12で基材11の外周部11aが被覆されており、
表皮材12の端部12aが基材11の裏面に周り込んで
いる。
【0014】この木質系基材11は木質のチップや繊
維、粉末などの主材料にフェノール樹脂を結着剤として
添加混合した集合体を多孔性を保って成形した成形体か
らなり、曲げ強さが200〜350kg/cm2の特性
を有している。表皮材12は熱可塑性のポリプロピレン
樹脂からなる。木質系基材11と表皮材12との接合部
は、表皮材12のポリプロピレン樹脂が木質系基材11
の内部の孔内に含浸・充填された状態で硬化した形態に
なっており、即ち両部材11,12がアンカー効果で接
合されている。
【0015】本実施例の製造装置を用いて上述した構成
のドアトリムを製造する場合の製造工程図が図3及び図
4に断面図(図1の線2−2において切断されている)
として示されており、同装置は、ドアトリムの裏側表面
の形状に合わせた成形面20aが形成された下型20
(本発明の基材側成形型に相当する。)と、表皮材表面
の意匠模様を形作るためのシボが刻まれた成形面21a
が形成された上型21(本発明の表皮材側成形型に相当
する。)と、木質系基材11の上面に表皮材となる溶融
樹脂12meltを吐出して供給する吐出装置23(本発明
の供給手段に相当する。)とを主要構成部材としてい
る。
【0016】図5にはこの製造装置の下型20の斜視図
が、また図6には図5における成形面20aの外周の一
部拡大図(図5の線6−6において切断されている)が
示されている。これらの図に示されているように下型2
0の成形面20aには、基材11をセットした場合に基
材11の外周部11aの裏面に相当する部分に、裏面と
の間に1.0〜2.0mm(表皮材の厚みに等しい)の
隙間をおいて段部20a1が設けられており、この段部2
0a1に基材11の外周部11aを支持する支持部20a1
1が形成されている。この段部20a1は奥行きが5mm
であり、また支持部20a11は幅3mm、長さ3mm、
及び段部20a1からの高さが1.0〜2.0mm(表皮
材の厚みに等しい)の大きさであって、約3mmの間隔
をおいて断続的に設けられている。なお本実施例のドア
トリム10では、外周部12aのうち上側縁を除く前
側、後側及び下側3側縁に外方に突出する短いフランジ
を形成し、このフランジを形成した各外周部12aに対
応して支持部20a11が形成されている。図2及び図3
においては、右側の外周部12aが下側であり、左側の
外周部12aが上側である。
【0017】この実施例の製造装置を用いてドアトリム
10を製造するにあたってはまず、図3に示されている
ように、あらかじめ50℃〜80℃の温度に調節されて
いる両成形型20,21のうちの下型20の成形面20
aに、ドアトリムの形状の木質系基材11をセットした
後、吐出装置23より溶融状態のポリプロピレン樹脂1
2meltを吐出して木質系基材11の表面に溶融ポリプロ
ピレン樹脂12meltを供給する。次に上型21を下降さ
せ、溶融ポリプロピレン樹脂12meltを木質系基材11
の全面を被覆するように押し広げる。押し広げられた溶
融ポリプロピレン樹脂12meltは木質系基材11の端面
11a1を越えて外周部11aの裏面へ周り込み、下型2
0の成形面20aに設けられた段部20a1と基材11の
外周部11aとの間の隙間を充填するように行き渡る。
この際、下型20の成形面20aに設けられた段部20
a1には基材11の外周部11aを支持する支持部20a1
1が断続的に形成されているため、溶融ポリプロピレン
樹脂12meltが基材11の外周部11aを段部20a1に
向かって押圧しても、支持部20a11が基材11の外周
部11aを支持するため基材11の外周部11aに反り
が生じることがない。
【0018】したがって本実施例の製造装置を用いてド
アトリム10を製造する場合には基材11が反らないの
で、下型20の成形面20aと基材11との間に隙間が
できることがなく、かつ基材11と上型21の成形面2
1aとのクリアランスが一定に保たれる。よって、溶融
樹脂系材料は基材の表面上を支障なく流動することがで
き、溶融樹脂系材料の流動の妨げによる擦れ跡ができ
ず、シボの転写も良好になされ、かつ表皮材の厚みも均
一となる。そして押し広げられた溶融ポリプロピレン樹
脂12meltは木質系基材11の内部の少なくとも表面の
孔を充填するように含浸されており、この状態で溶融ポ
リプロピレン樹脂12meltが冷却・硬化することによっ
て、木質系基材11の表面が意匠性に問題のない表皮材
12で被覆されたドアトリム10を製造することができ
る。またこのようなドアトリムの製造装置によれば、従
来の製造装置においては必須であった表皮材の成形工程
を行う必要がなく、製造工程を簡略化することができ
る。
【0019】なお、上述の実施例の製造装置においては
木質系基材11をセットでき基材11の外周部11の裏
面に相当する部分に段部20a1及び支持部20a11を設
けた下型20と、表皮材の形状に合わせた成形面21a
を備えた上型21を用いているが、これらの両成形型2
0,21に代えて、下型としてドアトリムの表側の形状
に合わせた成形面を設けた成形型を、上型として基材を
セットでき段部及び支持部を設けた成形型を採用し、こ
れらの成形型を用いてプレス工程を行う製造装置に構成
してもよい。
【0020】また上述の実施例の製造装置においては、
表皮材12を構成する溶融ポリプロピレン樹脂12melt
の木質系基材11の表面への供給は、吐出装置23を用
いて行っているが、下型あるいは上型の内部に樹脂供給
通路を形成し、この樹脂供給通路に溶融ポリプロピレン
樹脂を注入装置で注入して基材の表面側に供給できるよ
うに構成してもよい。
【0021】また上記実施例の製造装置の下型20の成
形面20aに設けた段部20a1は奥行きが5mmであ
り、また支持部20a11は幅3mm、長さ3mm、及び
段部20a1からの高さが1.0〜2.0ミリメートル
(表皮材の厚みに等しい)の大きさであって、約3mm
の間隔で設けられているが、使用する基材の曲げ強さ
や、表皮材の材質(基材の外周部の押圧に影響を与え
る)によって適宜段部や支持部の大きさを変えることが
できる。
【0022】上記実施例では、支持部20a11は、基材
11のフランジを形成した外周部11aの端面11a1に
達するものを断続的に設けたが、図7及び図8に示す変
形実施例では、下型20の段部20a1に外周部11aの
フランジより短い奥行きの支持部20a11を連続的に設
けている。この変形実施例の段部20a1は上記実施例と
同様、奥行きが5mmであり、また支持部20a11は奥
行きが2mm、段部20a1からの高さが1.0〜2.0
mm(表皮材の厚みに等しい)の大きさであって、基材
11の外周部11aの端面11a1は支持部20a11より
1mm突出している。この変形実施例でも、上型21に
より押し広げられた溶融ポリプロピレン樹脂12meltは
基材11の端面11a1を越えて外周部11aの先端部裏
面へ周り込み、下型20の成形面20aに設けられた段
部20a1と基材11の外周部11aの先端部裏面との間
の隙間を充填するように行き渡る。この際に、溶融ポリ
プロピレン樹脂12meltが基材11の外周部11aを段
部20a1に向かって押圧しても、支持部20a11が基材
11の外周部11aの根元側大半部を支持しているの
で、基材11の外周部11aに反りが生じることがな
い。
【0023】また上述の実施例の製造装置の作動説明と
して、基材表面に溶融樹脂を供給してプレスしたのちそ
のまま硬化させるドアトリムの製造方法を採用したが、
表皮材を構成する樹脂として発泡性樹脂を用い、基材と
溶融状態の同発泡性樹脂をこの実施例の上下一対の成形
型間で一旦プレスして基材の表面上に発泡性樹脂を押し
広げたのち、続いてこの上下一対の成形型を所定量離間
させることによって、基材側の発泡性樹脂は発泡・硬化
させて発泡層とし、またこの発泡層上の同発泡性樹脂は
発泡させることなく硬化させて表皮層とすれば、発泡層
による弾性のある表皮材を簡単に製造することができ
る。
【0024】またこの実施例の製造装置によるドアトリ
ムの製造の説明においては木質系成形体11からなる多
孔性基材を用いたが、硬質発泡ウレタンなどからなる多
孔性の樹脂系成形体を用いてもよい。この他、フェノー
ル樹脂やエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化
性材料やポリプロピレン樹脂、ABS樹脂などの熱可塑
性樹脂を主体として適宜補強剤や帯電防止のための導電
剤などを添加した多孔性の樹脂系成形体や金属繊維を加
圧成形した多孔性の成形体、カーボン材料からなる成形
体、ラスメタルや不織布等からなる支持体に多孔性の樹
脂を担持または積層した成形体等も用いることができ
る。
【0025】そして、それらの材料からなる基材と表皮
材を構成する樹脂、あるいはオーナメントのベース部と
表皮材を構成する樹脂との濡れ性が悪いような場合に
は、変性オレフィンなどの表面改質剤を基材表面あるい
はオーナメントのベース部表面に塗布、または含浸して
多孔性基材やオーナメントのベース部の孔内への溶融樹
脂の浸透性を良くすることによって、それぞれの接合部
の接合強度を高めることができる。たとえば基材がポリ
プロピレン樹脂で表皮材が塩化ビニルであるような場合
には、表面改質剤としては塩素化ポリオレフィンをベー
スとするプライマーが用いられる。
【0026】また上述の実施例の製造装置を用いてドア
トリム10を製造する際の説明では、基材として多孔性
の木質系基材11を用いているため木質系基材11と表
皮材12とはアンカー効果で接合され、基材側あるいは
表皮材側に接着剤を塗布する必要がないが、例えば基材
として無孔性で熱可塑性樹脂のABS樹脂などを用いた
場合には、基材側成形型にセットした基材にあらかじめ
接着剤を施すなどの工程が必要である。これに対して基
材として無孔の例えば熱可塑性樹脂であるポリプロピレ
ン樹脂などを用いれば、表皮材を構成するポリプロピレ
ンと溶着によって接合することが可能である。この時、
基材と表皮材との濡れ性を高めて確実な溶着を行うため
の表面改質剤を、必要に応じて施すこともできる。
【0027】また、上記実施例の製造装置を用いたドア
トリムを製造する説明においては、表皮材としてポリプ
ロピレン樹脂を用いたが、他のオレフィン樹脂、例えば
塩化ビニルやポリエチレン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸重合体などや、ポリアミド樹脂、ASA樹脂等の
熱可塑性樹脂を単独で、あるいは二種以上を配合して用
いてもよい。また、表皮材に光沢を付与する光沢付与剤
や、難燃剤などを添加することも、出来上り製品の見栄
えや性能等を考慮して適宜行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる積層体の製造装置の一実施例
であるドアトリムの製造装置によって製造されるドアト
リムの斜視図である。
【図2】 図1における線2−2で切断した縦断面図で
ある。
【図3】 本発明の実施例の製造装置を用いて図1及び
図2に示されたドアトリムを製造する際の一工程を示す
断面図である。
【図4】 本発明の実施例の製造装置を用いて図1及び
図2に示されたドアトリムを製造する際の図3に続く一
工程を示す断面図である。
【図5】 図3及び図4に示された下型の斜視図であ
る。
【図6】 図5における線6−6で下型の外周部分を切
断した一部拡大図である。
【図7】 図1〜図6に示す実施例の変形例を示す、図
6に相当する下型の一部拡大図である。
【図8】 図7に示す変形例の図4に対応する工程にお
ける一部拡大図である。
【図9】 (a)〜(c)は、従来のドアトリムの製造
方法の一例を説明するための各工程図である。
【符号の説明】
10…ドアトリム、11…木質系基材、11a…外周
部、12…表皮材、12a…外周部、12melt…溶融ポ
リプロピレン樹脂、20…下型、21…上型、20a,
21a…成形面、20a1…段部、20a11…支持部、2
3…吐出装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の裏側表面の形状に合わせた成形面
    を設けた基材側成形型と、表皮材の表面の形状に合わせ
    た成形面を設けた表皮材側成形型と、前記両成形型間に
    前記表皮材となる溶融樹脂系材料を供給する供給手段と
    からなり、前記両成形型間で前記基材とこの基材の表側
    表面に供給された前記溶融樹脂系材料をプレスして同溶
    融樹脂系材料を硬化させることにより前記基材の表側表
    面が前記表皮材で全面的に被覆されるとともに同基材の
    端面が同表皮材で被覆された積層体を製造する製造装置
    であって、 前記基材側成形型の成形面における前記基材の外周部の
    裏面に相当する部分には前記溶融樹脂系材料が基材の端
    面を経て周り込む段部が設けられており、そしてこの段
    部に基材の外周部を支持する支持部が形成されているこ
    とを特徴とする積層体の製造装置。
JP17917895A 1995-07-14 1995-07-14 積層体の製造装置 Pending JPH0929769A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009226889A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Toyota Motor Corp 射出発泡成形品、射出発泡成形型、および射出発泡成形品の製造方法

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JP2009226889A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Toyota Motor Corp 射出発泡成形品、射出発泡成形型、および射出発泡成形品の製造方法

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