JPH08112823A - 車両用ドアトリムおよびその製造方法 - Google Patents
車両用ドアトリムおよびその製造方法Info
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- JPH08112823A JPH08112823A JP25236694A JP25236694A JPH08112823A JP H08112823 A JPH08112823 A JP H08112823A JP 25236694 A JP25236694 A JP 25236694A JP 25236694 A JP25236694 A JP 25236694A JP H08112823 A JPH08112823 A JP H08112823A
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- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 表皮材をシート状に形成することなく、また
機能部品を別途製造することなくかつその機能部品を接
着剤やビス等の固着材料を用いることなく表皮材に一体
化することによって、車両用ドアトリムの製造工程を簡
略化する。 【構成】 木質系基材11を下型20にセットし、次い
でその基材11の表側に表皮材12となる溶融樹脂を供
給した後、同溶融樹脂を前記基材11と両成形型20,
21との隙間に押し広げる。これにより基材11表面
に、表皮部12a及びウェザーストリップ部12b、異
音防止用凸部12bなどの機能部とからなる表皮材12
が形成される。
機能部品を別途製造することなくかつその機能部品を接
着剤やビス等の固着材料を用いることなく表皮材に一体
化することによって、車両用ドアトリムの製造工程を簡
略化する。 【構成】 木質系基材11を下型20にセットし、次い
でその基材11の表側に表皮材12となる溶融樹脂を供
給した後、同溶融樹脂を前記基材11と両成形型20,
21との隙間に押し広げる。これにより基材11表面
に、表皮部12a及びウェザーストリップ部12b、異
音防止用凸部12bなどの機能部とからなる表皮材12
が形成される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用ドアトリムおよ
びその製造方法に関する。
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用ドアトリムには、図12(車両用
ドアトリムを車室内側から見た分解正面図)に示されて
いるように、木質系ボードを所定の形状に成形した基材
50の表面に表皮材51を貼着してドアトリム本体52
が構成され(図13〜図15参照)、その所定の部位に
別途製造されたウェザーストリップ53や異音防止用フ
ェルト54、エアコンで温度調整された空気をインスツ
ルメンタルパネルからドア内のダクトへと導く接続用エ
アダクト55等の機能部品を取り付けたタイプのものが
ある。
ドアトリムを車室内側から見た分解正面図)に示されて
いるように、木質系ボードを所定の形状に成形した基材
50の表面に表皮材51を貼着してドアトリム本体52
が構成され(図13〜図15参照)、その所定の部位に
別途製造されたウェザーストリップ53や異音防止用フ
ェルト54、エアコンで温度調整された空気をインスツ
ルメンタルパネルからドア内のダクトへと導く接続用エ
アダクト55等の機能部品を取り付けたタイプのものが
ある。
【0003】図13〜図15にはこれらの機能部品の取
り付け状態を説明する断面図が示されている。即ち図1
3は、図12に示されたドアトリム本体52の上縁端部
にウェザーストリップ53をブラケット56を用いて組
み付けた状態において、そのウェザーストリップ53の
長手方向に対して垂直で縦方向に切断した断面図であ
り、ウェザーストリップ53の弾性のある突起部53a
がウインドウガラス57に弾撥的に当接してドアの内部
に雨水が侵入しないようになっている。
り付け状態を説明する断面図が示されている。即ち図1
3は、図12に示されたドアトリム本体52の上縁端部
にウェザーストリップ53をブラケット56を用いて組
み付けた状態において、そのウェザーストリップ53の
長手方向に対して垂直で縦方向に切断した断面図であ
り、ウェザーストリップ53の弾性のある突起部53a
がウインドウガラス57に弾撥的に当接してドアの内部
に雨水が侵入しないようになっている。
【0004】また図14は、図12に示されたドアトリ
ム本体52の下方端部に異音防止用フェルト54が接着
剤によって接着された状態において、その異音防止用フ
ェルト54の長手方向に対して垂直で縦方向に切断した
断面図である。このようにドアトリム本体52に取り付
けられた異音防止用フェルト54はドアインナパネル5
8に圧接していて、ドアトリム本体52とドアインナパ
ネル58との間の間隔を保持するためのスペーサとして
機能する。このスペーサ(異音防止用フェルト54)を
設けたことにより、車両に振動が加わってもドアトリム
本体52とドアインナパネル58とが接触・非接触を繰
り返すことがないため異音の発生が防止できる。
ム本体52の下方端部に異音防止用フェルト54が接着
剤によって接着された状態において、その異音防止用フ
ェルト54の長手方向に対して垂直で縦方向に切断した
断面図である。このようにドアトリム本体52に取り付
けられた異音防止用フェルト54はドアインナパネル5
8に圧接していて、ドアトリム本体52とドアインナパ
ネル58との間の間隔を保持するためのスペーサとして
機能する。このスペーサ(異音防止用フェルト54)を
設けたことにより、車両に振動が加わってもドアトリム
本体52とドアインナパネル58とが接触・非接触を繰
り返すことがないため異音の発生が防止できる。
【0005】更に図15は、図12に示されたドアトリ
ム本体52のエアホール52aに接続用エアダクト55
を嵌着した状態において、その接続用エアダクト55の
中心軸に沿って水平方向に切断した断面図であり、この
接続用エアダクト55はインスツルメンタルパネル59
のエア吹き出し口59aとドア内のダクト60を連結
し、エアコンによって温度調節されたエアをドアトリム
本体52上部のサイドデフロスターグリル61(図12
参照)から放出できるようになっている。
ム本体52のエアホール52aに接続用エアダクト55
を嵌着した状態において、その接続用エアダクト55の
中心軸に沿って水平方向に切断した断面図であり、この
接続用エアダクト55はインスツルメンタルパネル59
のエア吹き出し口59aとドア内のダクト60を連結
し、エアコンによって温度調節されたエアをドアトリム
本体52上部のサイドデフロスターグリル61(図12
参照)から放出できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように構成された
上記従来の車両用ドアトリムにおいては、ドアトリム本
体52とウェザーストリップ53や異音防止用フェルト
54、接続用エアダクト55などの機能部品とが別体に
構成されているため、それぞれの機能部品を別途製造す
る工程、及びそれらの機能部品をドアトリム本体52に
固定する作業が必要である。また、表皮材51をシート
状にあらかじめ成形する工程や、基材50に接着する工
程も必要であって、ドアトリム製造の一連の工程が複雑
であるという問題点があった。
上記従来の車両用ドアトリムにおいては、ドアトリム本
体52とウェザーストリップ53や異音防止用フェルト
54、接続用エアダクト55などの機能部品とが別体に
構成されているため、それぞれの機能部品を別途製造す
る工程、及びそれらの機能部品をドアトリム本体52に
固定する作業が必要である。また、表皮材51をシート
状にあらかじめ成形する工程や、基材50に接着する工
程も必要であって、ドアトリム製造の一連の工程が複雑
であるという問題点があった。
【0007】
【発明の目的】そこで本発明は上記の課題を解決するた
めになされたもので、表皮材をシート状に形成すること
なく、また、機能部品を別途製造することなくかつその
機能部品を接着剤やビス等の固着材料を用いることなく
表皮材に一体化することによって、車両用ドアトリムの
製造工程を簡略化するとともに、使用材料(例えば接着
剤)の低減を達成することを目的とする。
めになされたもので、表皮材をシート状に形成すること
なく、また、機能部品を別途製造することなくかつその
機能部品を接着剤やビス等の固着材料を用いることなく
表皮材に一体化することによって、車両用ドアトリムの
製造工程を簡略化するとともに、使用材料(例えば接着
剤)の低減を達成することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明の車両用ドアトリムは、所定形状に成
形された基材と樹脂系材料からなる表皮材とを積層して
構成された車両用ドアトリムにおいて、前記表皮材が、
前記基材の表側表面を全面的に被覆する表皮部とこの表
皮部に一体成形された機能部とからなることを特徴とす
る。
になされた本発明の車両用ドアトリムは、所定形状に成
形された基材と樹脂系材料からなる表皮材とを積層して
構成された車両用ドアトリムにおいて、前記表皮材が、
前記基材の表側表面を全面的に被覆する表皮部とこの表
皮部に一体成形された機能部とからなることを特徴とす
る。
【0009】またこのような構成のドアトリムを製造す
るための本発明の第1の車両用ドアトリムの製造方法
は、基材を基材側成形型にセットし、次いでその基材の
表側に表皮材となる樹脂系材料を溶融状態で供給した
後、同溶融状態の樹脂系材料を前記基材と表皮材側成形
型及び基材側成形型との隙間に押し広げることを特徴と
する。
るための本発明の第1の車両用ドアトリムの製造方法
は、基材を基材側成形型にセットし、次いでその基材の
表側に表皮材となる樹脂系材料を溶融状態で供給した
後、同溶融状態の樹脂系材料を前記基材と表皮材側成形
型及び基材側成形型との隙間に押し広げることを特徴と
する。
【0010】またこのような構成のドアトリムを製造す
るための本発明の第2番目の車両用ドアトリムの製造方
法は、基材を基材側成形型と表皮材側成形型との間にセ
ットし、次いで基材と両成形型との隙間に表皮材となる
樹脂系材料を溶融状態で注入することを特徴とする。
るための本発明の第2番目の車両用ドアトリムの製造方
法は、基材を基材側成形型と表皮材側成形型との間にセ
ットし、次いで基材と両成形型との隙間に表皮材となる
樹脂系材料を溶融状態で注入することを特徴とする。
【0011】
【発明の作用・効果】このように構成された本発明の車
両用ドアトリムは、従来の機能部品が表皮材と別体では
なく、表皮材の機能部として表皮部と一体成形されてい
るため、接着剤の使用を省略できて、使用材料の低減を
図ることができる。そして、従来の製造方法においては
必須であった、機能部品を別途製造する工程、その機能
部品を接着あるいは組み付ける工程も行う必要がなく、
製造工程の簡略化が可能となる。
両用ドアトリムは、従来の機能部品が表皮材と別体では
なく、表皮材の機能部として表皮部と一体成形されてい
るため、接着剤の使用を省略できて、使用材料の低減を
図ることができる。そして、従来の製造方法においては
必須であった、機能部品を別途製造する工程、その機能
部品を接着あるいは組み付ける工程も行う必要がなく、
製造工程の簡略化が可能となる。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を用いて説明
する。図1には本発明の一実施例のドアトリムを車室内
側から見た正面図が示されており、図2〜図4にはこの
車両用ドアトリムの特徴を説明するための部分拡大断面
図が示されている。この車両用ドアトリムは、木質のチ
ップや繊維、粉末などの主材料にフェノール樹脂を結着
剤として添加混合した集合体を多孔性を保って成形した
木質系基材11とこの木質系基材11の表面を被覆する
ポリプロピレン樹脂製の表皮材12とからなり、表皮材
12は表皮部12aと機能部とからなっている。この実
施例における機能部は、前記従来技術を説明する図13
〜図15にそれぞれ対応する図2〜図4に示すようにウ
インドウガラス15に弾撥的に当接する突起部12b1を
設けたウェザーストリップ部12bと、ドアトリムとこ
のドアトリムを組み付けるドアインナパネル16とが車
両の振動によって接触・非接触を繰り返して異音を発生
するのを阻止すべくドアインナパネル16に対して圧接
状態を保つように形成された異音防止用凸部12cと、
インスツルメンタルパネル17のエア吹き出し口17a
とドア内のダクト18を連結して、エアコンからの空気
をサイドデフロスターグリル19へと導く接続用エアダ
クト部12dとからなっている。
する。図1には本発明の一実施例のドアトリムを車室内
側から見た正面図が示されており、図2〜図4にはこの
車両用ドアトリムの特徴を説明するための部分拡大断面
図が示されている。この車両用ドアトリムは、木質のチ
ップや繊維、粉末などの主材料にフェノール樹脂を結着
剤として添加混合した集合体を多孔性を保って成形した
木質系基材11とこの木質系基材11の表面を被覆する
ポリプロピレン樹脂製の表皮材12とからなり、表皮材
12は表皮部12aと機能部とからなっている。この実
施例における機能部は、前記従来技術を説明する図13
〜図15にそれぞれ対応する図2〜図4に示すようにウ
インドウガラス15に弾撥的に当接する突起部12b1を
設けたウェザーストリップ部12bと、ドアトリムとこ
のドアトリムを組み付けるドアインナパネル16とが車
両の振動によって接触・非接触を繰り返して異音を発生
するのを阻止すべくドアインナパネル16に対して圧接
状態を保つように形成された異音防止用凸部12cと、
インスツルメンタルパネル17のエア吹き出し口17a
とドア内のダクト18を連結して、エアコンからの空気
をサイドデフロスターグリル19へと導く接続用エアダ
クト部12dとからなっている。
【0013】なお、木質系基材11と表皮部12aとの
接合部は、表皮材12を構成するポリプロピレン樹脂が
木質系基材11の内部の孔内に含浸・充填された状態で
硬化した形態になっており、即ち木質系基材11と表皮
材12がアンカー効果で接合されている。
接合部は、表皮材12を構成するポリプロピレン樹脂が
木質系基材11の内部の孔内に含浸・充填された状態で
硬化した形態になっており、即ち木質系基材11と表皮
材12がアンカー効果で接合されている。
【0014】次にドアトリムの製造方法の実施例として
上記の構成のドアトリムの製造方法を図5〜図8を用い
て説明する。なお、図5及び図7は図1における線X−
Xに沿った切断面について示された図であり、また図6
及び図8は図1における線Y−Yに沿った切断面につい
て示された図である。
上記の構成のドアトリムの製造方法を図5〜図8を用い
て説明する。なお、図5及び図7は図1における線X−
Xに沿った切断面について示された図であり、また図6
及び図8は図1における線Y−Yに沿った切断面につい
て示された図である。
【0015】この製造方法には、ドアトリムの裏側成形
面20aが形成された下型20(本発明の基材側成形型
に相当する。)と、表側成形面21aが形成された上型
21(本発明の表皮材側成形型に相当する。)とからな
る上下一対の成形型20,21が用いられる。裏側成形
面20aには、ウェザーストリップ部12bの形状に合
わせたウェザーストリップ成形面20ab(図5及び図7
参照)と、異音防止用凸部12cの形状に合わせた異音
防止用凸部形成面20ac(図5及び図7参照)と、接続
用エアダクト部12dを形成するための木質系基材11
に設けられた円形穴11aよりも大きな径を持つ凹部2
0adとが形成されている。下型21の内部には、下記に
詳細に説明するように、形成されたウェザーストリップ
部12bが支障なく下型より取り外すためのスライド型
20bと油圧シリンダ24と回動リンク25とからなる
ウェザーストリップ脱機構が内蔵されている。一方表側
成形面21aには、接続用エアダクト部12dを形成す
るための木質系基材11に設けられた円形穴11aの径
よりも小さくて裏側成形面20aに形成された凹部20
acに向かって進退する可動片21bがスプリング23に
よって組み付けられている。
面20aが形成された下型20(本発明の基材側成形型
に相当する。)と、表側成形面21aが形成された上型
21(本発明の表皮材側成形型に相当する。)とからな
る上下一対の成形型20,21が用いられる。裏側成形
面20aには、ウェザーストリップ部12bの形状に合
わせたウェザーストリップ成形面20ab(図5及び図7
参照)と、異音防止用凸部12cの形状に合わせた異音
防止用凸部形成面20ac(図5及び図7参照)と、接続
用エアダクト部12dを形成するための木質系基材11
に設けられた円形穴11aよりも大きな径を持つ凹部2
0adとが形成されている。下型21の内部には、下記に
詳細に説明するように、形成されたウェザーストリップ
部12bが支障なく下型より取り外すためのスライド型
20bと油圧シリンダ24と回動リンク25とからなる
ウェザーストリップ脱機構が内蔵されている。一方表側
成形面21aには、接続用エアダクト部12dを形成す
るための木質系基材11に設けられた円形穴11aの径
よりも小さくて裏側成形面20aに形成された凹部20
acに向かって進退する可動片21bがスプリング23に
よって組み付けられている。
【0016】製造にあたっては図5及び図6に示されて
いるように、あらかじめ50℃〜80℃の温度に調節さ
れている成形型20,21のうちの下型20の成形面2
0aに、まずドアトリムの形状の木質系基材11をセッ
トした後、この木質系基材11の上面に表皮材となるポ
リプロプレン樹脂を溶融状態(180℃〜200℃)で
吐出装置22を用いて供給する。この時、木質系基材1
1に形成された円形穴11aには溶融樹脂を載置しな
い。
いるように、あらかじめ50℃〜80℃の温度に調節さ
れている成形型20,21のうちの下型20の成形面2
0aに、まずドアトリムの形状の木質系基材11をセッ
トした後、この木質系基材11の上面に表皮材となるポ
リプロプレン樹脂を溶融状態(180℃〜200℃)で
吐出装置22を用いて供給する。この時、木質系基材1
1に形成された円形穴11aには溶融樹脂を載置しな
い。
【0017】続いて上型21の降下を開始し、可動片2
1bを下型20の裏側成形面20aに当接させつつ溶融
樹脂を上型21と下型20との間で押し広げることによ
り、その溶融樹脂は木質系基材11の内部の少なくとも
表側の孔を充填するように含浸されて直ちに硬化し、図
7及び図8に示すように、木質系基材11の表側表面全
面が樹脂からなる表皮材12で被覆されたドアトリムが
形成される。こうして形成された表皮材12には、図9
〜図11の拡大図に示すように、ウェザーストリップ部
12b、異音防止用凸部12c、及び接続用エアダクト
12dが設けられている。
1bを下型20の裏側成形面20aに当接させつつ溶融
樹脂を上型21と下型20との間で押し広げることによ
り、その溶融樹脂は木質系基材11の内部の少なくとも
表側の孔を充填するように含浸されて直ちに硬化し、図
7及び図8に示すように、木質系基材11の表側表面全
面が樹脂からなる表皮材12で被覆されたドアトリムが
形成される。こうして形成された表皮材12には、図9
〜図11の拡大図に示すように、ウェザーストリップ部
12b、異音防止用凸部12c、及び接続用エアダクト
12dが設けられている。
【0018】次にこのように両成形型20,21間で製
造されたドアトリムは、上型21を下型20から離間さ
せた後にスライド型20bを回動リンク25を介して油
圧シリンダ24で木質系基材11の裏面から後退させる
ことによって下型20より取り外すことができる。なお
この時、ウェザーストリップ部12bに形成された突起
部12b1には弾力性があるため、成形されたドアトリム
を取り外しが支障なく行える。
造されたドアトリムは、上型21を下型20から離間さ
せた後にスライド型20bを回動リンク25を介して油
圧シリンダ24で木質系基材11の裏面から後退させる
ことによって下型20より取り外すことができる。なお
この時、ウェザーストリップ部12bに形成された突起
部12b1には弾力性があるため、成形されたドアトリム
を取り外しが支障なく行える。
【0019】このように構成された車両用ドアトリムで
は、ウェザーストリップ等が表皮材12の機能部として
表皮部12aと一体成形されているため、接着剤の使用
を省略できて、使用材料の低減を図ることができる。そ
して、従来の製造方法においては必須であった、機能部
品を別途製造する工程、その機能部品を接着あるいは組
み付ける工程も行う必要がなく、製造工程の簡略化が可
能となる。
は、ウェザーストリップ等が表皮材12の機能部として
表皮部12aと一体成形されているため、接着剤の使用
を省略できて、使用材料の低減を図ることができる。そ
して、従来の製造方法においては必須であった、機能部
品を別途製造する工程、その機能部品を接着あるいは組
み付ける工程も行う必要がなく、製造工程の簡略化が可
能となる。
【0020】なお上記実施例の製造方法を行うにあたり
採用した表皮材12を構成する溶融樹脂の供給手段は吐
出装置22であるが、裏面成形面の全体にわたって分散
した位置に開口している樹脂供給通路を内蔵した下型を
用い、その樹脂供給通路に溶融樹脂を注入することによ
って木質系基材11の表側表面に溶融樹脂を供給する供
給手段を採用してもよい。
採用した表皮材12を構成する溶融樹脂の供給手段は吐
出装置22であるが、裏面成形面の全体にわたって分散
した位置に開口している樹脂供給通路を内蔵した下型を
用い、その樹脂供給通路に溶融樹脂を注入することによ
って木質系基材11の表側表面に溶融樹脂を供給する供
給手段を採用してもよい。
【0021】また、上記実施例の製造方法においては下
型20に木質系基材を載置し表皮材12となる溶融樹脂
を供給した後、上型21を重合させているが、これに代
えて同じ上下一対の型20,21を用い、その両成形型
20,21間に木質系基材11をセットしてからその木
質系基材11と両成形型20,21の成形面20a,2
1aとの隙間に表皮材12となる溶融樹脂を注入し、目
的とするドアトリムを製造してもよい。なおこの製造方
法においては、上型21に設けた進退可能な可動片21
b及びスプリング23を設ける必要なない。
型20に木質系基材を載置し表皮材12となる溶融樹脂
を供給した後、上型21を重合させているが、これに代
えて同じ上下一対の型20,21を用い、その両成形型
20,21間に木質系基材11をセットしてからその木
質系基材11と両成形型20,21の成形面20a,2
1aとの隙間に表皮材12となる溶融樹脂を注入し、目
的とするドアトリムを製造してもよい。なおこの製造方
法においては、上型21に設けた進退可能な可動片21
b及びスプリング23を設ける必要なない。
【0022】また、上記の実施例においては、基材とし
て木質系基材を用いたが、硬質発泡ウレタンなどからな
る多孔性の樹脂系成形体を用いてもよい。この他、フェ
ノール樹脂やエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの熱
硬化性材料やポリプロピレン樹脂、ABS樹脂などの熱
可塑性樹脂を主体として適宜補強剤や帯電防止のための
導電剤などを添加した多孔性の樹脂系成形体や金属繊維
を加圧成形した多孔性の成形体、カーボン材料からなる
成形体、ラスメタルや不織布等からなる支持体に多孔性
の樹脂を担持または積層した成形体等も用いることがで
きる。そして、それらの材料からなる基材と表皮材を構
成する樹脂との濡れ性が悪いような場合には、変性オレ
フィンなどの表面改質剤を基材表面に塗布、あるいは含
浸して多孔性基材の孔内への溶融樹脂の浸透性を良くす
ることによって、両者の接合強度を高めることができ
る。たとえば基材がポリプロピレン樹脂で表皮材が塩化
ビニルであるような場合には、表面改質剤としては塩素
化ポリオレフィンをベースとするプライマーが用いられ
る。
て木質系基材を用いたが、硬質発泡ウレタンなどからな
る多孔性の樹脂系成形体を用いてもよい。この他、フェ
ノール樹脂やエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの熱
硬化性材料やポリプロピレン樹脂、ABS樹脂などの熱
可塑性樹脂を主体として適宜補強剤や帯電防止のための
導電剤などを添加した多孔性の樹脂系成形体や金属繊維
を加圧成形した多孔性の成形体、カーボン材料からなる
成形体、ラスメタルや不織布等からなる支持体に多孔性
の樹脂を担持または積層した成形体等も用いることがで
きる。そして、それらの材料からなる基材と表皮材を構
成する樹脂との濡れ性が悪いような場合には、変性オレ
フィンなどの表面改質剤を基材表面に塗布、あるいは含
浸して多孔性基材の孔内への溶融樹脂の浸透性を良くす
ることによって、両者の接合強度を高めることができ
る。たとえば基材がポリプロピレン樹脂で表皮材が塩化
ビニルであるような場合には、表面改質剤としては塩素
化ポリオレフィンをベースとするプライマーが用いられ
る。
【0023】また上述の実施例の製造方法においては、
基材として木質系基材11を用いているため基材11と
表皮材12とはアンカー効果で接合され、基材側あるい
は表皮材側に接着剤を塗布する必要がないが、例えば基
材として無孔性で熱硬化性樹脂のフェノール樹脂などを
用いた場合には、基材側成形型にセットした基材にあら
かじめ接着剤を施すなどの工程が必要である。これに対
して基材として無孔の例えば熱可塑性樹脂であるポリプ
ロピレン樹脂などを用いれば、表皮材を構成するポリプ
ロピレンと溶着によって接合することが可能である。こ
の時、基材と表皮材との濡れ性を高めて確実な溶着を行
うための表面改質剤を、必要に応じて施すこともでき
る。
基材として木質系基材11を用いているため基材11と
表皮材12とはアンカー効果で接合され、基材側あるい
は表皮材側に接着剤を塗布する必要がないが、例えば基
材として無孔性で熱硬化性樹脂のフェノール樹脂などを
用いた場合には、基材側成形型にセットした基材にあら
かじめ接着剤を施すなどの工程が必要である。これに対
して基材として無孔の例えば熱可塑性樹脂であるポリプ
ロピレン樹脂などを用いれば、表皮材を構成するポリプ
ロピレンと溶着によって接合することが可能である。こ
の時、基材と表皮材との濡れ性を高めて確実な溶着を行
うための表面改質剤を、必要に応じて施すこともでき
る。
【0024】また、上記実施例においては、表皮材とし
てポリプロピレン樹脂を用いたが、他のオレフィン樹
脂、例えば塩化ビニルやポリエチレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸重合体などや、ポリアミド樹脂、AS
A樹脂等の熱可塑性樹脂を単独で、あるいは二種以上を
配合して用いてもよい。また、表皮材に光沢を付与する
光沢付与剤や、難燃剤などを添加することも、出来上り
製品の見栄えや性能等を考慮して適宜行うことができ
る。
てポリプロピレン樹脂を用いたが、他のオレフィン樹
脂、例えば塩化ビニルやポリエチレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸重合体などや、ポリアミド樹脂、AS
A樹脂等の熱可塑性樹脂を単独で、あるいは二種以上を
配合して用いてもよい。また、表皮材に光沢を付与する
光沢付与剤や、難燃剤などを添加することも、出来上り
製品の見栄えや性能等を考慮して適宜行うことができ
る。
【図1】 本発明の一実施例であるドアトリムを車室内
側から見た正面図である。
側から見た正面図である。
【図2】 図1に示されたウェザーストリップ部12b
の長手方向に対して垂直で縦方向に切断した部分拡大断
面図である。
の長手方向に対して垂直で縦方向に切断した部分拡大断
面図である。
【図3】 図1に示された異音防止用凸部12cの長手
方向に対して垂直で縦方向に切断した部分拡大断面図で
ある。
方向に対して垂直で縦方向に切断した部分拡大断面図で
ある。
【図4】 図1に示された接続用エアダクト部12dの
中心軸に沿って水平方向に切断した部分拡大断面図であ
る。
中心軸に沿って水平方向に切断した部分拡大断面図であ
る。
【図5】 本発明の一実施例であるドアトリムの製造方
法の一工程を示す図であり、図1における線X−Xに沿
った切断面について示された断面図である。
法の一工程を示す図であり、図1における線X−Xに沿
った切断面について示された断面図である。
【図6】 図5に示された工程において、図1における
線Y−Yに沿った切断面について示された断面図であ
る。
線Y−Yに沿った切断面について示された断面図であ
る。
【図7】 同実施例であるドアトリムの製造方法の次の
一工程を示す図であり、図1における線X−Xに沿った
切断面について示された断面図である。
一工程を示す図であり、図1における線X−Xに沿った
切断面について示された断面図である。
【図8】 図7に示された工程において、図1における
線Y−Yに沿った切断面について示された断面図であ
る。
線Y−Yに沿った切断面について示された断面図であ
る。
【図9】 図7におけるウェザーストリップ部12bの
拡大断面図である。
拡大断面図である。
【図10】 図7における異音防止用凸部12cの拡大
断面図である。
断面図である。
【図11】 図8における接続用エアダクト部12dの
拡大断面図である。
拡大断面図である。
【図12】 車両用ドアトリムを車室内側から見た分解
正面図である。
正面図である。
【図13】 図12に示されたドアトリム本体52にウ
ェザーストリップ53を組み付けた状態において、その
ウェザーストリップ53の長手方向に対して垂直で縦方
向に切断した断面図である。
ェザーストリップ53を組み付けた状態において、その
ウェザーストリップ53の長手方向に対して垂直で縦方
向に切断した断面図である。
【図14】 図12に示されたドアトリム本体52に異
音防止用フェルト54が接着された状態において、その
異音防止用フェルト54の長手方向に対して垂直で縦方
向に切断した断面図である。
音防止用フェルト54が接着された状態において、その
異音防止用フェルト54の長手方向に対して垂直で縦方
向に切断した断面図である。
【図15】 図12に示されたドアトリム本体52に接
続用エアダクト55が嵌着された状態において、その接
続用エアダクト55の中心軸に沿って水平方向に切断し
た断面図である。
続用エアダクト55が嵌着された状態において、その接
続用エアダクト55の中心軸に沿って水平方向に切断し
た断面図である。
11…木質系基材、12…表皮材、12a…表皮部、1
2b…ウェザーストリップ部、12c…異音防止用凸
部、12d…接続用エアダクト部、20…下型、20b
…スライド型、21…上型、21b…可動片、22…吐
出装置、24…油圧シリンダ。
2b…ウェザーストリップ部、12c…異音防止用凸
部、12d…接続用エアダクト部、20…下型、20b
…スライド型、21…上型、21b…可動片、22…吐
出装置、24…油圧シリンダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 友久 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内 (72)発明者 梶田 尚樹 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】所定形状に成形された基材と樹脂系材料か
らなる表皮材とを積層して構成された車両用ドアトリム
において、前記表皮材が、前記基材の表側表面を全面的
に被覆する表皮部とこの表皮部に一体成形された機能部
とからなることを特徴とする車両用ドアトリム。 - 【請求項2】所定形状に成形された基材と、樹脂系材料
からなり前記基材の表側表面を全面的に被覆する表皮部
とこの表皮部に一体成形された機能部とからなる表皮材
とで構成された車両用ドアトリムの製造方法であって、
前記基材を基材側成形型にセットし、次いでその基材の
表側に前記表皮材となる樹脂系材料を溶融状態で供給し
た後、同溶融状態の樹脂系材料を前記基材と表皮材側成
形型及び基材側成形型との隙間に押し広げることを特徴
とする車両用ドアトリムの製造方法。 - 【請求項3】所定形状に成形された基材と、樹脂系材料
からなり前記基材の表側表面を全面的に被覆する表皮部
とこの表皮部に一体成形された機能部とからなる表皮材
とで構成された車両用ドアトリムの製造方法であって、
前記基材を基材側成形型と表皮材側成形型との間にセッ
トし、次いで前記基材と前記両成形型との隙間に前記表
皮材となる樹脂系材料を溶融状態で注入することを特徴
とする車両用ドアトリムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25236694A JPH08112823A (ja) | 1994-10-18 | 1994-10-18 | 車両用ドアトリムおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25236694A JPH08112823A (ja) | 1994-10-18 | 1994-10-18 | 車両用ドアトリムおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08112823A true JPH08112823A (ja) | 1996-05-07 |
Family
ID=17236303
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25236694A Pending JPH08112823A (ja) | 1994-10-18 | 1994-10-18 | 車両用ドアトリムおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08112823A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100420545C (zh) * | 2006-08-16 | 2008-09-24 | 南车株洲电力机车有限公司 | 一种流线型机车司机室三维曲面蒙皮成型方法及模具 |
JP2013124073A (ja) * | 2011-12-16 | 2013-06-24 | Ts Tech Co Ltd | 自動車内装品 |
JP2013124074A (ja) * | 2011-12-16 | 2013-06-24 | Ts Tech Co Ltd | 自動車内装品及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-10-18 JP JP25236694A patent/JPH08112823A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100420545C (zh) * | 2006-08-16 | 2008-09-24 | 南车株洲电力机车有限公司 | 一种流线型机车司机室三维曲面蒙皮成型方法及模具 |
JP2013124073A (ja) * | 2011-12-16 | 2013-06-24 | Ts Tech Co Ltd | 自動車内装品 |
JP2013124074A (ja) * | 2011-12-16 | 2013-06-24 | Ts Tech Co Ltd | 自動車内装品及びその製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040511 |