JP3133902B2 - 積層体の製造装置 - Google Patents
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Landscapes
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のドアトリム、車
両用内装材、屋内用内装材、車両用シートの外装材等に
使用される積層体の製造装置に関する。
両用内装材、屋内用内装材、車両用シートの外装材等に
使用される積層体の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記した用途に使用される積層体とし
て、木質系成形基材や樹脂系成形基材の一側面に表皮材
として樹脂層を被覆したものが知られている。そしてこ
のような積層体の一例としては、たとえば特開平3−2
39540号公報に記載されているように、ドアトリム
の形状に形成された木質系のハードボードからなる基材
と、この基材の一側面に接着されてこれを全面被覆する
第1表皮材と、この第1表皮材の一側面に局部的に接着
された第2表皮材とからなるドアトリムがあり、同ドア
トリムは、基材と第1表皮材を接着した後、その第1表
皮材の所定部位に第2表皮材(オーナメントファブリッ
ク)を接着し、その第2表皮材の端末を木目込みによる
端末処理を施すことによって製造されている。
て、木質系成形基材や樹脂系成形基材の一側面に表皮材
として樹脂層を被覆したものが知られている。そしてこ
のような積層体の一例としては、たとえば特開平3−2
39540号公報に記載されているように、ドアトリム
の形状に形成された木質系のハードボードからなる基材
と、この基材の一側面に接着されてこれを全面被覆する
第1表皮材と、この第1表皮材の一側面に局部的に接着
された第2表皮材とからなるドアトリムがあり、同ドア
トリムは、基材と第1表皮材を接着した後、その第1表
皮材の所定部位に第2表皮材(オーナメントファブリッ
ク)を接着し、その第2表皮材の端末を木目込みによる
端末処理を施すことによって製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来の製
造方法においては、第1表皮材はあらかじめシート状に
成形しておかなくてはならず、したがって第1表皮材を
成形するのための別個の装置及び工程が必要となり、そ
のうえ、基材に接着した第1表皮材に第2表皮材の端末
を木目込むための溝部を形成する工程、及び第2表皮材
の端末を同溝部に木目込み処理する工程も必要であっ
て、一連の製造装置及び製造工程数が増加して複雑であ
るという問題点があった。
造方法においては、第1表皮材はあらかじめシート状に
成形しておかなくてはならず、したがって第1表皮材を
成形するのための別個の装置及び工程が必要となり、そ
のうえ、基材に接着した第1表皮材に第2表皮材の端末
を木目込むための溝部を形成する工程、及び第2表皮材
の端末を同溝部に木目込み処理する工程も必要であっ
て、一連の製造装置及び製造工程数が増加して複雑であ
るという問題点があった。
【0004】
【発明の目的】そこで本発明は上記の課題を解決するた
めになされたもので、第1の表皮材をシート状に形成す
ることなく基材と第1表皮材と第2表皮材を一体化する
ことのできる積層体の製造装置を提供することを目的と
する。特に、第1表皮材の形成と同時に第2表皮材の端
末の木目込み処理を行うことのできる積層体の製造装置
を提供することを目的とする。
めになされたもので、第1の表皮材をシート状に形成す
ることなく基材と第1表皮材と第2表皮材を一体化する
ことのできる積層体の製造装置を提供することを目的と
する。特に、第1表皮材の形成と同時に第2表皮材の端
末の木目込み処理を行うことのできる積層体の製造装置
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明の積層体の製造装置は、基材と、この
基材の表側表面を全面的に被覆する第1表皮材と、この
第1表皮材の表側表面を局部的に被覆する第2表皮材と
を備えた積層体の製造装置であり、その特徴は、同製造
装置が基材の裏側表面の形状に合わせた成形面を設けた
基材側成形型と、第1表皮材および同第1表皮材を局部
的に被覆する第2表皮材の両表面形状に合わせた成形面
を設けるとともに基材側成形型と重合した状態で前記第
2表皮材の端末を基材に設けられた第2表皮材の端末と
略同一形状の木目込み用溝部に押し込む突起部を設けた
表皮材側成形型と、基材側成形型にセットされた前記基
材と前記表皮材側成形型にセットされた第2表皮材との
間及び同基材と同第2表皮材がセットされていない部分
の前記表皮材側成形型の成形面との間に前記第1表皮材
となる溶融樹脂系材料を供給する供給手段とからなり、
前記両成形型の重合状態で前記溶融樹脂系材料を硬化さ
せて前記基材と前記第1表皮材と前記第2表皮材とを一
体化することができることにある。
になされた本発明の積層体の製造装置は、基材と、この
基材の表側表面を全面的に被覆する第1表皮材と、この
第1表皮材の表側表面を局部的に被覆する第2表皮材と
を備えた積層体の製造装置であり、その特徴は、同製造
装置が基材の裏側表面の形状に合わせた成形面を設けた
基材側成形型と、第1表皮材および同第1表皮材を局部
的に被覆する第2表皮材の両表面形状に合わせた成形面
を設けるとともに基材側成形型と重合した状態で前記第
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表皮材側成形型と、基材側成形型にセットされた前記基
材と前記表皮材側成形型にセットされた第2表皮材との
間及び同基材と同第2表皮材がセットされていない部分
の前記表皮材側成形型の成形面との間に前記第1表皮材
となる溶融樹脂系材料を供給する供給手段とからなり、
前記両成形型の重合状態で前記溶融樹脂系材料を硬化さ
せて前記基材と前記第1表皮材と前記第2表皮材とを一
体化することができることにある。
【0006】
【0007】また前記突起部が、前記両成形型の重合状
態で基材と第2表皮材がセットされていない部分の表皮
材側成形型の成形面との間に供給された溶融樹脂系材料
が前記第2表皮材の表面に流れるのを阻止する突起部で
あることを特徴とする。
態で基材と第2表皮材がセットされていない部分の表皮
材側成形型の成形面との間に供給された溶融樹脂系材料
が前記第2表皮材の表面に流れるのを阻止する突起部で
あることを特徴とする。
【0008】
【発明の作用・効果】このように構成された本発明の積
層体の製造装置を用いれば、第1表皮材となる溶融樹脂
系材料を固化成形すると同時にその第1表皮材と基材及
び第2表皮材とを一体化することができるため、従来の
製造方法では必須であった第1表皮材の成形工程を行う
必要がなく、製造工程を簡略化することができる。また
表皮材側成形型には、基材に設けた第2表皮材の端末と
略同一形状の木目込み用溝部に同第2表皮材の端末を押
し込むための突起が設けられているため、両成形型の重
合によって第1表皮材を成形すると同時に第2の表皮材
の端末の木目込み処理を行うことができる。
層体の製造装置を用いれば、第1表皮材となる溶融樹脂
系材料を固化成形すると同時にその第1表皮材と基材及
び第2表皮材とを一体化することができるため、従来の
製造方法では必須であった第1表皮材の成形工程を行う
必要がなく、製造工程を簡略化することができる。また
表皮材側成形型には、基材に設けた第2表皮材の端末と
略同一形状の木目込み用溝部に同第2表皮材の端末を押
し込むための突起が設けられているため、両成形型の重
合によって第1表皮材を成形すると同時に第2の表皮材
の端末の木目込み処理を行うことができる。
【0009】また表皮材側成形型の突起部を、前記両成
形型の重合状態で基材と第2表皮材がセットされていな
い部分の表皮材側成形型の成形面との間に供給された溶
融樹脂系材料が前記第2表皮材の表面に流れるのを阻止
する突起部としたものによれば、製造された積層体の第
2表皮材の表面が第1表皮材を構成する溶融樹脂系材料
で汚されることがなく、美観の保たれた優れた意匠の積
層体を形成することができる。
形型の重合状態で基材と第2表皮材がセットされていな
い部分の表皮材側成形型の成形面との間に供給された溶
融樹脂系材料が前記第2表皮材の表面に流れるのを阻止
する突起部としたものによれば、製造された積層体の第
2表皮材の表面が第1表皮材を構成する溶融樹脂系材料
で汚されることがなく、美観の保たれた優れた意匠の積
層体を形成することができる。
【0010】
【実施例】本発明の積層体の製造装置の実施例として車
両用のドアトリムの製造装置を採用し、その製造装置を
図面を用いて説明する。
両用のドアトリムの製造装置を採用し、その製造装置を
図面を用いて説明する。
【0011】この実施例の製造装置によって製造される
ドアトリムは、図1及び図2に示すような自動車用のド
アトリム10であって、ドアトリムの形状に形成された
基材11と、この基材11の表側表面を全面的に被覆す
る表皮材12(本発明の第1の表皮材に相当する。)
と、この表皮材12を部分的に被覆して装飾するオーナ
メント13(本発明の第2の表皮材に相当する。)を主
要構成部材としている。この基材11は木質のチップや
繊維、粉末などの主材料にフェノール樹脂を結着剤とし
て添加混合した集合体を多孔性を保って成形した木質系
成形体からなり、表皮材12は熱可塑性樹脂であるポリ
プロピレン樹脂からなる。またオーナメント13は、ポ
リウレタンフォームからなるベース部13aとこのベー
ス部13aに接着されたファブリック部13bで構成さ
れている。オーナメント13の端末部分13cは、基材
11に形成された木目込み用溝部11aに挿入されて、
表皮材12を構成する樹脂によって接合されている。
ドアトリムは、図1及び図2に示すような自動車用のド
アトリム10であって、ドアトリムの形状に形成された
基材11と、この基材11の表側表面を全面的に被覆す
る表皮材12(本発明の第1の表皮材に相当する。)
と、この表皮材12を部分的に被覆して装飾するオーナ
メント13(本発明の第2の表皮材に相当する。)を主
要構成部材としている。この基材11は木質のチップや
繊維、粉末などの主材料にフェノール樹脂を結着剤とし
て添加混合した集合体を多孔性を保って成形した木質系
成形体からなり、表皮材12は熱可塑性樹脂であるポリ
プロピレン樹脂からなる。またオーナメント13は、ポ
リウレタンフォームからなるベース部13aとこのベー
ス部13aに接着されたファブリック部13bで構成さ
れている。オーナメント13の端末部分13cは、基材
11に形成された木目込み用溝部11aに挿入されて、
表皮材12を構成する樹脂によって接合されている。
【0012】図3にはこのような構成のドアトリム10
を製造する装置の第1番目の実施例が示されており、ま
た図4には、ドアトリム10の木目込み処理を詳細に説
明するために図3におけるこの木目込み部分を中心に拡
大した拡大図が示されている。この第1番目の実施例に
かかる製造装置は、ドアトリム10の基材の裏側表面の
形状に合わせた成形面20aが形成された下型20と、
表皮材12表面の意匠模様を形作るためのシボが刻ま
れ、オーナメント13を被覆した表皮材12の表側表面
の形状に合わせた成形面21aが形成された上型21と
からなる。
を製造する装置の第1番目の実施例が示されており、ま
た図4には、ドアトリム10の木目込み処理を詳細に説
明するために図3におけるこの木目込み部分を中心に拡
大した拡大図が示されている。この第1番目の実施例に
かかる製造装置は、ドアトリム10の基材の裏側表面の
形状に合わせた成形面20aが形成された下型20と、
表皮材12表面の意匠模様を形作るためのシボが刻ま
れ、オーナメント13を被覆した表皮材12の表側表面
の形状に合わせた成形面21aが形成された上型21と
からなる。
【0013】下型20には、成形面20aの全体にわた
って分散した位置に開口している樹脂供給通路22(な
お、この樹脂供給通路22には、供給途中に溶融樹脂1
2meltの温度が硬化するのを防止すべくヒータ23が設
けられている。)が内蔵されており、注入装置24によ
ってこの樹脂供給通路22に溶融樹脂が供給できるよう
に構成されている。なお、この注入装置24及び樹脂供
給通路22が本発明の供給手段に相当する。
って分散した位置に開口している樹脂供給通路22(な
お、この樹脂供給通路22には、供給途中に溶融樹脂1
2meltの温度が硬化するのを防止すべくヒータ23が設
けられている。)が内蔵されており、注入装置24によ
ってこの樹脂供給通路22に溶融樹脂が供給できるよう
に構成されている。なお、この注入装置24及び樹脂供
給通路22が本発明の供給手段に相当する。
【0014】一方上型21の成形面21aには、オーナ
メント13をセットする部分が形作られており、この上
型21に内蔵された吸引手段によって、オーナメント1
3が確実に保持されるようになっている。また同上型2
1の成形面21aに形成された基材11の木目込み用溝
部11aに対応する突起部21a1には、その先端に、オ
ーナメント13がセットされていない基材11の表側表
面に供給された溶融樹脂系材料がオーナメント13の表
面に流れるのを阻止するシール部21a11が形成されて
いる。
メント13をセットする部分が形作られており、この上
型21に内蔵された吸引手段によって、オーナメント1
3が確実に保持されるようになっている。また同上型2
1の成形面21aに形成された基材11の木目込み用溝
部11aに対応する突起部21a1には、その先端に、オ
ーナメント13がセットされていない基材11の表側表
面に供給された溶融樹脂系材料がオーナメント13の表
面に流れるのを阻止するシール部21a11が形成されて
いる。
【0015】このように形成された本実施例の製造装置
を用いてドアトリムを製造するにはまず、あらかじめ5
0℃〜80℃の温度に調節した下型20の成形面20a
に木質系成形体からなる多孔性基材11を、同温度に調
節した上型21の成形面21aにオーナメント13をセ
ットした後、両成形型20,21を重合する。この時オ
ーナメント13の端末部分は、上型21の突起部21a1
によって基材11の木目込み用溝部11aに押し込ま
れ、突起部21a1の先端のシール部21a11は、この木
目込み用溝部11aの下端に当接している。
を用いてドアトリムを製造するにはまず、あらかじめ5
0℃〜80℃の温度に調節した下型20の成形面20a
に木質系成形体からなる多孔性基材11を、同温度に調
節した上型21の成形面21aにオーナメント13をセ
ットした後、両成形型20,21を重合する。この時オ
ーナメント13の端末部分は、上型21の突起部21a1
によって基材11の木目込み用溝部11aに押し込ま
れ、突起部21a1の先端のシール部21a11は、この木
目込み用溝部11aの下端に当接している。
【0016】続いて多孔性基材11と上型21の成形面
21aとの間の隙間、及び多孔性基材11とオーナメン
ト13との間の隙間に、溶融状態(180℃〜200
℃)の表皮材12となるポリプロピレン樹脂12melt
を、注入装置24によって樹脂供給通路23より高圧
(100〜300kg/cm2) で注入する。注入され
た溶融樹脂12meltは多孔性基材11の表面全体に押し
広げらる。この際、オーナメント13が設けられていな
い部分の基材11の表面に供給された溶融樹脂12melt
は、シール部21a11に遮られてオーナメント13を設
けた領域に流れることがないため、オーナメント13を
設けた領域の溶融樹脂12meltは、オーナメント13の
裏面に供給された溶融樹脂12meltのみである。そして
このオーナメント13は、このオーナメント13の裏面
に供給された溶融樹脂12meltの圧力によってその裏面
から押圧されているため、端末部分13cからオーナメ
ント13の表面側に溶融樹脂12meltは回り込むことが
なく、溶融樹脂12meltによってオーナメント13の表
面が汚されることがない。なお、オーナメント13の端
末部分13cを、シール部21a11と木目込み用溝部1
1aの下端との間に挟み込むようにすれば、オーナメン
ト13が設けられていない部分の基材11の表面に供給
された溶融樹脂12meltがオーナメント13の表面に流
れるのを阻止する効果は更に確実なものとなる。
21aとの間の隙間、及び多孔性基材11とオーナメン
ト13との間の隙間に、溶融状態(180℃〜200
℃)の表皮材12となるポリプロピレン樹脂12melt
を、注入装置24によって樹脂供給通路23より高圧
(100〜300kg/cm2) で注入する。注入され
た溶融樹脂12meltは多孔性基材11の表面全体に押し
広げらる。この際、オーナメント13が設けられていな
い部分の基材11の表面に供給された溶融樹脂12melt
は、シール部21a11に遮られてオーナメント13を設
けた領域に流れることがないため、オーナメント13を
設けた領域の溶融樹脂12meltは、オーナメント13の
裏面に供給された溶融樹脂12meltのみである。そして
このオーナメント13は、このオーナメント13の裏面
に供給された溶融樹脂12meltの圧力によってその裏面
から押圧されているため、端末部分13cからオーナメ
ント13の表面側に溶融樹脂12meltは回り込むことが
なく、溶融樹脂12meltによってオーナメント13の表
面が汚されることがない。なお、オーナメント13の端
末部分13cを、シール部21a11と木目込み用溝部1
1aの下端との間に挟み込むようにすれば、オーナメン
ト13が設けられていない部分の基材11の表面に供給
された溶融樹脂12meltがオーナメント13の表面に流
れるのを阻止する効果は更に確実なものとなる。
【0017】そして多孔性基材11の表面全体に押し広
げられた溶融樹脂12meltは、多孔性基材11の少なく
とも表面側の孔内と、オーナメント13のベース部13
aの孔内を充填するように含浸されて、そのまま硬化す
る。これによって多孔性基材11の表側表面全面が表皮
材12で被覆されると同時に、その表皮材12の一部分
がオーナメント13で被覆された図1及び図2に示され
てたドアトリム10が製造される。
げられた溶融樹脂12meltは、多孔性基材11の少なく
とも表面側の孔内と、オーナメント13のベース部13
aの孔内を充填するように含浸されて、そのまま硬化す
る。これによって多孔性基材11の表側表面全面が表皮
材12で被覆されると同時に、その表皮材12の一部分
がオーナメント13で被覆された図1及び図2に示され
てたドアトリム10が製造される。
【0018】なお、この第1番目の実施例の製造装置を
用いてドアトリムを製造する説明においては、溶融樹脂
12meltを注入する前に両成形型20,21を重合させ
ているが、あらかじめ溶融樹脂12meltを多孔性基材1
1の上面に供給した後に両成形型20,21を重合させ
てもよい。
用いてドアトリムを製造する説明においては、溶融樹脂
12meltを注入する前に両成形型20,21を重合させ
ているが、あらかじめ溶融樹脂12meltを多孔性基材1
1の上面に供給した後に両成形型20,21を重合させ
てもよい。
【0019】次に図5には本発明にかかる製造装置の第
2番目の実施例が示されており、この第2の実施例の装
置は、上記の第1実施例の製造装置で用いた下型20
(図3及び図4参照)に代えて樹脂供給通路22が内蔵
されていない下型30が用いられている点、また溶融樹
脂の供給手段として、第1実施例で用いた注入装置24
に代えて下型30にセットされた多孔性基材11の上面
に吐出して供給する吐出装置31が用いられている点で
のみ第1実施例とは異なる。
2番目の実施例が示されており、この第2の実施例の装
置は、上記の第1実施例の製造装置で用いた下型20
(図3及び図4参照)に代えて樹脂供給通路22が内蔵
されていない下型30が用いられている点、また溶融樹
脂の供給手段として、第1実施例で用いた注入装置24
に代えて下型30にセットされた多孔性基材11の上面
に吐出して供給する吐出装置31が用いられている点で
のみ第1実施例とは異なる。
【0020】この第2番目の実施例の製造装置を用いて
図1及び図2に示されたドアトリム10を製造するには
まず、下型30と上型21の成形面30a,21aにそ
れぞれ多孔性基材11及びオーナメント13をセット
し、多孔性基材11の上に吐出装置31によって溶融樹
脂12meltを供給した後、両成形型30,21を重合す
ることによって、多孔性基材11上で表皮材12を固化
成形すると同時にオーナメント13が一体化される。こ
こで、オーナメント13が設けられていない部分の基材
11の表面に供給された溶融樹脂12meltがオーナメン
ト13の表面に流れるのをシール部21a11によって阻
止する効果、及び多孔性基材11と表皮材12、また表
皮材12とオーナメント13とが接合される機構(アン
カー効果)に関しては、上記第1実施例の装置を用いて
ドアトリム10を製造した場合と同じである。
図1及び図2に示されたドアトリム10を製造するには
まず、下型30と上型21の成形面30a,21aにそ
れぞれ多孔性基材11及びオーナメント13をセット
し、多孔性基材11の上に吐出装置31によって溶融樹
脂12meltを供給した後、両成形型30,21を重合す
ることによって、多孔性基材11上で表皮材12を固化
成形すると同時にオーナメント13が一体化される。こ
こで、オーナメント13が設けられていない部分の基材
11の表面に供給された溶融樹脂12meltがオーナメン
ト13の表面に流れるのをシール部21a11によって阻
止する効果、及び多孔性基材11と表皮材12、また表
皮材12とオーナメント13とが接合される機構(アン
カー効果)に関しては、上記第1実施例の装置を用いて
ドアトリム10を製造した場合と同じである。
【0021】このように第1及び第2番目の実施例のド
アトリム10の製造装置によれば、両成形型20と2
1,30と21を重合させるだけで、表皮材12となる
溶融樹脂12meltが固化成形するのと同時にその表皮材
12と基材11及びオーナメント13とが一体化され、
また、上型21に設けられた突起部21a1によってオー
ナメント13の端末部分13cが基材11の木目込み用
溝部11aに押し込まれて木目込み処理できる。そして
この時、突起部21a1に形成されたシール部21a11に
よって溶融樹脂12meltがオーナメント13の表面側に
回り込むことがない。したがって、従来の製造方法では
必須であった表皮材12の成形工程、木目込み処理工程
を行う必要がなく、製造工程を簡略化することができる
とともに、製造されたドアトリム10のオーナメント1
3の表面が溶融樹脂12meltで汚されることがなく、美
観の保たれた優れた意匠のドアトリム10を形成するこ
とができる。
アトリム10の製造装置によれば、両成形型20と2
1,30と21を重合させるだけで、表皮材12となる
溶融樹脂12meltが固化成形するのと同時にその表皮材
12と基材11及びオーナメント13とが一体化され、
また、上型21に設けられた突起部21a1によってオー
ナメント13の端末部分13cが基材11の木目込み用
溝部11aに押し込まれて木目込み処理できる。そして
この時、突起部21a1に形成されたシール部21a11に
よって溶融樹脂12meltがオーナメント13の表面側に
回り込むことがない。したがって、従来の製造方法では
必須であった表皮材12の成形工程、木目込み処理工程
を行う必要がなく、製造工程を簡略化することができる
とともに、製造されたドアトリム10のオーナメント1
3の表面が溶融樹脂12meltで汚されることがなく、美
観の保たれた優れた意匠のドアトリム10を形成するこ
とができる。
【0022】そして上述の第1及び第2番目の実施例で
ある製造装置において使用する表側成形面21aには、
図3〜図5に示されているように、表皮材12に意匠模
様を形成するためのシボが設けられているため、基材1
1に表皮材12を被覆形成すると同時に表皮材12の表
面に意匠模様を形成することができる。
ある製造装置において使用する表側成形面21aには、
図3〜図5に示されているように、表皮材12に意匠模
様を形成するためのシボが設けられているため、基材1
1に表皮材12を被覆形成すると同時に表皮材12の表
面に意匠模様を形成することができる。
【0023】また、図3及び図5に示されているよう
に、両型20,21,30の成形面20a,21a,3
0aは、基材11の端面11bと成形面20a,21
a,30aとの間に溶融樹脂12meltが供給される隙間
を有するように形成されており、したがって表皮材12
を構成する樹脂が基材11の端面11bを完全に被覆す
ることができ、表皮材12の形成と同時にドアトリム1
0の端部を美観を損ねないように処理することが可能で
ある。
に、両型20,21,30の成形面20a,21a,3
0aは、基材11の端面11bと成形面20a,21
a,30aとの間に溶融樹脂12meltが供給される隙間
を有するように形成されており、したがって表皮材12
を構成する樹脂が基材11の端面11bを完全に被覆す
ることができ、表皮材12の形成と同時にドアトリム1
0の端部を美観を損ねないように処理することが可能で
ある。
【0024】なお上記第1及び第2実施例の製造装置に
おいては、多孔性基材11をセットできる下型20,3
0と、オーナメント13をセットできる上型21を用い
ているが、これらの両成形型20,21,30に代え
て、下型としてドアトリムの表側の形状に合わせた成形
面を有しオーナメントをセットできる成形型を、上型と
して多孔性基材をセットできる成形型を採用し、これら
の成形型を用いて注入・成形工程(図3参照)、あるい
は吐出・プレス成形工程(図5参照)を行う製造装置に
構成してもよい。
おいては、多孔性基材11をセットできる下型20,3
0と、オーナメント13をセットできる上型21を用い
ているが、これらの両成形型20,21,30に代え
て、下型としてドアトリムの表側の形状に合わせた成形
面を有しオーナメントをセットできる成形型を、上型と
して多孔性基材をセットできる成形型を採用し、これら
の成形型を用いて注入・成形工程(図3参照)、あるい
は吐出・プレス成形工程(図5参照)を行う製造装置に
構成してもよい。
【0025】また上述の実施例の製造装置によるドアト
リムの製造の説明においては木質系成形体からなる多孔
性基材を用いたが、硬質発泡ウレタンなどからなる多孔
性の樹脂系成形体を用いてもよい。この他、フェノール
樹脂やエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化性
材料やポリプロピレン樹脂、ABS樹脂などの熱可塑性
樹脂を主体として適宜補強剤や帯電防止のための導電剤
などを添加した多孔性の樹脂系成形体や金属繊維を加圧
成形した多孔性の成形体、カーボン材料からなる成形
体、ラスメタルや不織布等からなる支持体に多孔性の樹
脂を担持または積層した成形体等も用いることができ
る。
リムの製造の説明においては木質系成形体からなる多孔
性基材を用いたが、硬質発泡ウレタンなどからなる多孔
性の樹脂系成形体を用いてもよい。この他、フェノール
樹脂やエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの熱硬化性
材料やポリプロピレン樹脂、ABS樹脂などの熱可塑性
樹脂を主体として適宜補強剤や帯電防止のための導電剤
などを添加した多孔性の樹脂系成形体や金属繊維を加圧
成形した多孔性の成形体、カーボン材料からなる成形
体、ラスメタルや不織布等からなる支持体に多孔性の樹
脂を担持または積層した成形体等も用いることができ
る。
【0026】そして、それらの材料からなる基材と表皮
材を構成する樹脂、あるいはオーナメントのベース部と
表皮材を構成する樹脂との濡れ性が悪いような場合に
は、変性オレフィンなどの表面改質剤を基材表面あるい
はオーナメントのベース部表面に塗布、または含浸して
多孔性基材やオーナメントのベース部の孔内への溶融樹
脂の浸透性を良くすることによって、それぞれの接合部
の接合強度を高めることができる。たとえば基材がポリ
プロピレン樹脂で表皮材が塩化ビニルであるような場合
には、表面改質剤としては塩素化ポリオレフィンをベー
スとするプライマーが用いられる。
材を構成する樹脂、あるいはオーナメントのベース部と
表皮材を構成する樹脂との濡れ性が悪いような場合に
は、変性オレフィンなどの表面改質剤を基材表面あるい
はオーナメントのベース部表面に塗布、または含浸して
多孔性基材やオーナメントのベース部の孔内への溶融樹
脂の浸透性を良くすることによって、それぞれの接合部
の接合強度を高めることができる。たとえば基材がポリ
プロピレン樹脂で表皮材が塩化ビニルであるような場合
には、表面改質剤としては塩素化ポリオレフィンをベー
スとするプライマーが用いられる。
【0027】また、上述の実施例の製造装置を用いてド
アトリムを製造する際の説明では、基材として多孔性基
材11を用い、またオーナメント13のベース部13a
としてポリウレタン樹脂を用いているため、基材11と
表皮材12、また表皮材12とオーナメント13はそれ
ぞれアンカー効果で接合され、基材11側あるいはオー
ナメント13側に接着剤を塗布する必要がないが、例え
ば基材やオーナメントのベース部として無孔性で熱可塑
性のABS樹脂などを用いた場合には、基材側成形型に
セットした基材、あるいは表皮材側成形型にセットした
オーナメントのベース部にあらかじめ接着剤を施すなど
の工程が必要である。これに対して基材やオーナメント
のベース部として無孔の例えば熱可塑性樹脂であるポリ
プロピレンやポリエチレンなどを用いれば、表皮材を構
成するポリプロピレンと溶着によって接合することが可
能である。この時、基材と表皮材との濡れ性を高めて確
実な溶着を行うための表面改質剤を、必要に応じて施す
こともできる。
アトリムを製造する際の説明では、基材として多孔性基
材11を用い、またオーナメント13のベース部13a
としてポリウレタン樹脂を用いているため、基材11と
表皮材12、また表皮材12とオーナメント13はそれ
ぞれアンカー効果で接合され、基材11側あるいはオー
ナメント13側に接着剤を塗布する必要がないが、例え
ば基材やオーナメントのベース部として無孔性で熱可塑
性のABS樹脂などを用いた場合には、基材側成形型に
セットした基材、あるいは表皮材側成形型にセットした
オーナメントのベース部にあらかじめ接着剤を施すなど
の工程が必要である。これに対して基材やオーナメント
のベース部として無孔の例えば熱可塑性樹脂であるポリ
プロピレンやポリエチレンなどを用いれば、表皮材を構
成するポリプロピレンと溶着によって接合することが可
能である。この時、基材と表皮材との濡れ性を高めて確
実な溶着を行うための表面改質剤を、必要に応じて施す
こともできる。
【0028】また、上記実施例の製造装置を用いたドア
トリムを製造する説明においては、表皮材としてポリプ
ロピレン樹脂を用いたが、他のオレフィン樹脂、例えば
塩化ビニルやポリエチレン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸重合体などや、ポリアミド樹脂、ASA樹脂等の
熱可塑性樹脂を単独で、あるいは二種以上を配合して用
いてもよい。また、表皮材に光沢を付与する光沢付与剤
や、難燃剤などを添加することも、出来上り製品の見栄
えや性能等を考慮して適宜行うことができる。
トリムを製造する説明においては、表皮材としてポリプ
ロピレン樹脂を用いたが、他のオレフィン樹脂、例えば
塩化ビニルやポリエチレン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸重合体などや、ポリアミド樹脂、ASA樹脂等の
熱可塑性樹脂を単独で、あるいは二種以上を配合して用
いてもよい。また、表皮材に光沢を付与する光沢付与剤
や、難燃剤などを添加することも、出来上り製品の見栄
えや性能等を考慮して適宜行うことができる。
【図1】 本発明にかかる積層体の製造装置の一実施例
によって製造されるドアトリムの斜視図である。
によって製造されるドアトリムの斜視図である。
【図2】 図1における線2−2で切断した縦断面図で
ある。
ある。
【図3】 本発明にかかる積層体の製造装置の第1番目
の実施例であるドアトリムの製造装置を示す図である。
の実施例であるドアトリムの製造装置を示す図である。
【図4】 図3に示す製造装置の木目込み部分を中心に
拡大した拡大図である。
拡大した拡大図である。
【図5】 本発明にかかる積層体の製造装置の第2番目
の実施例であるドアトリムの製造装置を示す図である。
の実施例であるドアトリムの製造装置を示す図である。
10…ドアトリム、11…多孔性基材、11a…木目込
み用溝部、12…表皮材、12melt…溶融樹脂、13…
オーナメント、13a…ベース部、20,21,30…
成形型、20a,21a,30a…成形面、21a1…突
起部、21a11…シール部、22…溶融樹脂供給通路、
23…注入装置、31…吐出装置。
み用溝部、12…表皮材、12melt…溶融樹脂、13…
オーナメント、13a…ベース部、20,21,30…
成形型、20a,21a,30a…成形面、21a1…突
起部、21a11…シール部、22…溶融樹脂供給通路、
23…注入装置、31…吐出装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 31:58 (72)発明者 石原 幸雄 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラ コ株式会社内 (72)発明者 山田 友久 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラ コ株式会社内 (72)発明者 久瀬 和則 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラ コ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−318510(JP,A) 特開 平5−16163(JP,A) 特開 平1−26414(JP,A) 実開 昭61−47608(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 43/18 - 43/20 B29C 43/32 - 43/42 B29C 33/12 - 33/14 B29C 33/42
Claims (2)
- 【請求項1】 基材と、この基材の表側表面を全面的に
被覆する第1表皮材とこの第1表皮材の表側表面を局部
的に被覆する第2表皮材とを備えた積層体の製造装置で
あって、この製造装置が、 前記基材の裏側表面の形状に合わせた成形面を設けた基
材側成形型と、 前記第1表皮材および同第1表皮材を局部的に被覆する
前記第2表皮材の両表面形状に合わせた成形面を設ける
とともに前記基材側成形型と重合した状態で前記第2表
皮材の端末を前記基材に設けられた前記第2表皮材の端
末と略同一形状の木目込み用溝部に押し込む突起部を設
けた表皮材側成形型と、 前記基材側成形型にセットされた前記基材と前記表皮材
側成形型にセットされた第2表皮材との間及び同基材と
同第2表皮材がセットされていない部分の前記表皮材側
成形型の成形面との間に前記第1表皮材となる溶融樹脂
系材料を供給する供給手段とからなり、 前記両成形型の重合状態で前記溶融樹脂系材料を硬化さ
せることにより前記基材と前記第1表皮材と前記第2表
皮材とを一体化して積層体を製造する積層体の製造装
置。 - 【請求項2】 前記突起部が、前記両成形型の重合状態
で前記基材と前記第2表皮材がセットされていない部分
の表皮材側成形型の成形面との間に供給された溶融樹脂
系材料が前記第2表皮材の表面に流れるのを阻止する突
起部であることを特徴とする請求項1記載の積層体の製
造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16702794A JP3133902B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 積層体の製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16702794A JP3133902B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 積層体の製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0825383A JPH0825383A (ja) | 1996-01-30 |
JP3133902B2 true JP3133902B2 (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=15842038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16702794A Expired - Fee Related JP3133902B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 積層体の製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3133902B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6467105B1 (ja) * | 2018-09-21 | 2019-02-06 | 太平洋工業株式会社 | 樹脂成形品 |
-
1994
- 1994-07-19 JP JP16702794A patent/JP3133902B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0825383A (ja) | 1996-01-30 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |