JP3494705B2 - 発泡成形品の製造方法 - Google Patents

発泡成形品の製造方法

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JP3494705B2 JP21263494A JP21263494A JP3494705B2 JP 3494705 B2 JP3494705 B2 JP 3494705B2 JP 21263494 A JP21263494 A JP 21263494A JP 21263494 A JP21263494 A JP 21263494A JP 3494705 B2 JP3494705 B2 JP 3494705B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャビティ内に発泡性
合成樹脂を装填し、発泡させて発泡成形品を製造するた
めの発泡成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サンバイザ等のパッド材に適用される発
泡製品は、軽量でかつ保形性が要求されるため、ウレタ
ンフォームやポリプロピレンフォーム等の発泡性合成樹
脂を原料にして製造されることが多い。このような発泡
製品の製造法は、予め製造された低比重(0.03〜
0.05)の平板状のスラブパッド材を2枚用意し、こ
れらの間に芯材等を挟持させた状態で2枚の表皮でスラ
ブパッド材を挟み込み、これら表皮の外周縁部をウェル
ダー処理して製造する方法と、液状または微粉状に調整
された所定の発泡性合成樹脂に発泡剤の混入された発泡
原料を、芯材等が装填された金型のキャビティ内に供給
し、その後加熱等の発泡処理を施す、いわゆる一体発泡
成形法でパッド材を製造し、このパッド材の表面を2枚
の表皮で挟持し、周縁部をウェルダー処理する方法とが
存在する。
【0003】ところで、発泡製品にスラブパッド材を使
用する場合、表皮のウェルダー処理時に、溶着ラインに
沿って形成するいわゆる溶着玉が軟らかいスラブパッド
材の中に侵入して溶着ラインの幅を大きくするため、上
下の表皮の結合は良好に行われる。これに対して一体発
泡成形法で製造されたパッド材の比重は通常約0.11
であり、上記のスラブパッド材に比べて比重が大きい分
一体発泡成形法のパッド材は硬質になっており、ウェル
ダー処理時に溶着玉がパッド材の中に入り込むことがで
きないという事情がある。以下、このような一体発泡成
形法によるパッド材を用いた発泡製品の製造について説
明する。
【0004】図6に、一体発泡成形法が使用される従来
の金型の断面略図を示している。この図に示すように、
金型10は、下型110と上型120とから構成され、
これら両金型110,120の互いに対向した面に下型
用キャビティ210と上型用キャビティ220とが凹設
されている。これら両キャビティ210,220を合体
させることによって成形製品の外形に合致した金型10
のキャビティ20が形成される。
【0005】このようなキャビティ20内に、発泡性合
成樹脂と発泡剤とが混合された成形原料Mが充填され、
下型110と上型120とが離間しないように締結さ
れ、その後加熱等の発泡処理が施されて発泡成形品が得
られるようになっている。
【0006】図7は、上記のようにして製造された発泡
成形品がトリムによって被覆された状態を示す一部断面
斜視図である。この図に示すように発泡成形品であるパ
ッド材50の上面および下面には上部トリム51aおよ
び下部トリム51bが配設され、これらのパッド材50
から側部にはみ出したいわゆる耳部52が、高周波溶着
装置の上下一対のウェルダー刃Wによって溶着されると
ともに、その耳部52が切り取られてトリム被覆品53
が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の上記
のようにして製造された一体発泡成形法によるパッド材
50においては、上下一対のウェルダー刃Wによってト
リム51の耳部52が溶着されるに際し、上下の耳部5
2の当接部分が相互に熱溶融して図8の(イ)に示すよ
うな、いわゆる溶着玉54が形成し、溶着部55が形成
するが、パッド材の比重は0.11とスラブパッド材の
比重0.03〜0.05より非常に大きく、その分硬質
になっているため、耳部52の基端部においては、上部
トリム51aと下部トリム51bの当接部分の裏面部に
パッド材50の端部が当接した状態になり、溶着玉54
はこのパッド材50の端部に阻止されてトリム51の内
部に入り込むことができず、ウェルダー刃Wよりも外側
の上下の耳部52間に膨出した状態になっている。
【0008】従って、ウェルダー刃Wによる溶着操作の
後、離間している上下のウェルダー刃Wの刃先を互いに
当接させる方向に押圧して耳部52を切断した状態で
は、溶着玉54はウェルダー刃Wによる切断処理が完了
した上部トリム51aの縁部と下部トリム51bの縁部
との間のわずかな間隙部にしか形成されないため、上部
トリム51aと下部トリム51bとを相互に確実に溶着
させることができないという問題点を有していた。
【0009】また、たとえ確実に溶着が行われたとして
も、溶着面積が小さいため溶着部分の強度が弱く、わず
かな外力がトリム51に加わった場合でも上記溶着部分
が破断し易くなるという問題点を有していた。
【0010】さらに、トリム51の内部に形成した溶着
玉54は、パッド材50の端面とトリム51の内面とに
挾持された状態になっているため、この溶着玉54ので
き具合によって溶着部55に長手方向に亘って水平方向
に凹凸が形成されるとともに、垂直方向に蛇行する。そ
の結果外観の見栄えが悪くなるような不良品が発生し易
くなるという問題点を有していた。
【0011】上記のような問題点を解消するために、パ
ッド材50の耳部52に対向した部分に環状溝を形成し
ておき、上記溶着玉54をこの環状溝内に誘導するよう
にしたものが、特開昭62−101418号公報によっ
て開示されている。しかし特開昭62−101418号
公報によって開示されているものは、上記環状溝をパッ
ド材50に形成させるために、一旦発泡成形で得られた
パッド材50の外周縁部に環状溝を凹設するための面倒
な処理を施さなければならず、製造コストが上昇すると
いう問題点を有している。
【0012】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、一体発泡成形法によって得
られた発泡成形品を被覆するトリムの溶着を確実に行う
ことができ、溶着した部分が破断し難く、トリムで被覆
されたトリム被覆品の不良率が低減され、さらに発泡成
形品の製造コストを安価にすることができる発泡成形品
の製造方法を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
発泡成形品の製造方法は、キャビティが互いに対向する
ように凹設された上型と下型とからなる発泡成形用金型
を用いて発泡成形品を製造する発泡成形品の製造方法に
おいて、上型および下型の内の少なくとも一方のパーテ
ィングライン部に、予め柔軟性を有する材料によってパ
ッキン部が形成された金型を用い、この金型のキャビテ
ィ内に発泡性合成樹脂の原料を装填する原料装填工程、
この原料装填工程の後に上型と下型とを合わせて互いに
押圧することにより上記パッキン部の一部を弾性変形に
よりキャビティ内に環状に没入させた状態で上型と下型
とを互いに締結する金型締結工程、およびこの金型締結
工程の後にキャビティ内の発泡性合成樹脂の原料を発泡
させる発泡工程を経て発泡成形品を製造することを特徴
とするものである。
【0014】本発明の請求項2記載の発泡成形品の製造
方法は、キャビティが互いに対向するように凹設された
上型と下型とからなる発泡成形用金型を用いて発泡成形
品を製造する発泡成形品の製造方法において、上型およ
び下型の内の一方のパーティングライン部に、予めキャ
ビティ内に環状に没入する環状没入部を有するパッキン
部の形成された金型を用い、この金型のキャビティ内に
発泡性合成樹脂の原料を装填する原料装填工程、この原
料装填工程の後に上型と下型とを互いに締結することに
よってパッキン部を押圧する金型締結工程、およびこの
金型締結工程の後にキャビティ内の発泡性合成樹脂の原
料を発泡させる発泡工程を経て発泡成形品を製造するこ
とを特徴とするものである。
【0015】本発明の請求項3記載の発泡成形品の製造
方法は、請求項1または2記載の発泡成形品の製造方法
において、上記パッキン部は、パーティングライン部に
ウレタンゴムを塗布することによって形成することを特
徴とするものである。
【0016】
【作用】上記請求項1記載の発泡成形品の製造方法によ
れば、上型および下型の内の少なくとも一方のパーティ
ングライン部に、予め柔軟性を有する材料によってパッ
キン部が形成された金型が用いられるため、金型締結工
程において上型と下型とを合わせた状態でそれらを互い
に押圧することにより上記パッキン部は圧縮され、その
一部が弾性変形によってキャビティ内に環状に没入す
る。従って、つぎの発泡工程において金型内に装填され
ている発泡性合成樹脂原料に発泡処理を施すと、上記環
状にキャビティ内に没入したパッキン部の一部によって
得られた発泡成形品の周縁部には環状溝が形成された状
態になる。
【0017】上記請求項2記載の発泡成形品の製造方法
によれば、上型および下型の内の一方のパーティングラ
イン部に、予めキャビティ内に環状に没入する環状没入
部を有するパッキン部の形成された金型が用いられてい
るため、発泡工程において金型内に装填されている発泡
性合成樹脂原料に発泡処理を施すと、上記環状にキャビ
ティ内に没入したパッキン部の一部によって得られた発
泡成形品の周縁部には環状溝が形成された状態になる。
【0018】上記請求項3記載の発泡成形品の製造方法
によれば、パッキン部は、パーティングライン部にウレ
タンゴムを塗布するだけで容易に形成させることができ
る。
【0019】
【実施例】図1は、本発明に係る発泡成形品の製造方法
に適用される金型の一例を示す一部切欠き斜視図であ
る。本実施例においては金型1として自動車用のサンバ
イザを製造するためのものを例示している。この図に示
すように、金型1は、上面に下型用キャビティ21が凹
設された下型11と、下面に上型用キャビティ22が凹
設された上型12とから構成されている。下型11と上
型12とが合体した状態で金型1には下型用キャビティ
21と上型用キャビティ22とからなる発泡成形品の外
形に合致したキャビティ2が形成されるようになってい
る。
【0020】このような金型1は、例えば図2に示すよ
うな押圧締結手段であるクランプ6によって押圧締結さ
れるようになっている。なお、図1にはクランプ6は描
いていない。このクランプ6は、下型11の一側部に設
けられた基台61と、この基台61の上部に立設された
ブラケット62と、このブラケット62の中央上部に設
けられた第一支持軸62a回りに回動可能に軸支される
操作腕63と、上記ブラケット62の右上端部に設けら
れた第二支持軸62b回りに回動自在に軸支された上型
12を押圧する押圧腕64とから構成されている。押圧
腕64の先端部には上型12の表面に当止して押圧する
押圧ネジ65が螺着されている。
【0021】上記操作腕63には第一支持軸62aより
も上方に係止ロッド63aが設けられている。そして、
押圧腕64を第二支持軸62b回りに反時計方向に回動
させて上記押圧ネジ65で上型12の表面を押圧した状
態で、上記操作腕63を第一支持軸62a回りに反時計
方向に回動させることによって、係止ロッド63aが押
圧腕64の第二支持軸62b回りの時計方向の回動をロ
ックし、押圧ネジ65による上型12表面の押圧状態が
維持されるようになっている。
【0022】一方、金型1の他側部には蝶番66が設け
られており、この蝶番66によって下型11と上型12
とが結合されている。そして、蝶番66の結合軸66a
回りに上型12を反時計方向に回動させることによって
キャビティ2は開放状態になり、開放状態の上型12を
結合軸66a回りに時計方向に回動させることによって
キャビティ2は閉止状態になる。
【0023】そして、キャビティ2が閉止された状態で
クランプ6を操作し、押圧腕64の押圧ネジ65で上型
12の表面を押圧するとともに、操作腕63を操作して
上記押圧ネジ65の上記押圧状態をロックすることによ
り下型11と上型12とが押圧締結される。
【0024】上記下型11および上型12の相互の当接
部にはそれぞれ下型パーティングライン部31および上
型パーティングライン部32が設けられており、これら
両パーティングライン部31,32によって金型1のパ
ーティングライン部3が形成されている。
【0025】そして、本実施例においては、図3に示す
ように、上型パーティングライン部32は、その先端面
に微小幅の平面部34aを備えた刃先部34を有する環
状突起33から形成されている。上記平面部34aの幅
寸法dは0.5mm〜2mmに設定されている。なおこ
の幅寸法dは略1mmが最も好適である。
【0026】上記刃先部の適所には切欠き部34bが設
けられており、発泡成形時にこの切欠き部34bからキ
ャビティ2内の空気を外部に導出するようにしている。
また、上記平面部34aは、刃先部34の先端のキャビ
ティ2側に設けられており、キャビティ2内の下型11
と上型12との当接部分は上下方向に面一状態になって
いる。
【0027】一方、上記下型パーティングライン部31
は、上記上型パーティングライン部32に対向して下型
用キャビティ21の表面縁部に形成されている。本実施
例においては、下型パーティングライン部31は、下型
11の表面に塗布された接着剤層31aとこの接着剤層
31aに積層されたウレタンゴム塗布層(パッキン部)
31bとから構成されている。
【0028】このようにウレタンゴム塗布層31bの下
層に接着剤層31aを介在させたのは、金属からなる下
型11とウレタンゴム塗布層31bとの接合をより強固
にするためであり、金属およびウレタンゴムの両者に対
して親和力に優れた接着剤層31aを両者の間に介在さ
せることによって下型11の表面に確実にウレタンゴム
塗布層31bを形成させることができるからである。
【0029】なお、接着剤層31aを形成する接着剤と
しては、クロロプレンゴム系の接着剤、ニトリルゴム系
の接着剤、エポキシ樹脂系の接着剤、あるいはポリウレ
タン系の接着剤等が好適に用いられるが、本実施例にお
いてはポリウレタン系の接着剤が使用されている。
【0030】また、ウレタンゴム塗布層31bを形成す
るウレタンゴム(ウレタン系熱可塑性エラストマー)と
しては、カプロラクトン型、アジピン酸型およびエーテ
ル型のいずれが適用されている。特に先端に球面状のダ
イヤモンドを取り付けたハンマーを所定の高さから試料
面に垂直に当るように落下させてハンマーが跳ね上がる
高さで試料の硬さを測定するいわゆるショア(A)硬度
が85°前後で弾性をもつものが好適である。
【0031】本実施例においては、以上のように、下型
パーティングライン部31は、接着剤層31aとこの接
着剤層31aの上に積層されたウレタンゴム塗布層31
bによって形成されているため、下型パーティングライ
ン部31上に上型パーティングライン部32が重ね合わ
された状態でクランプ6によって両者を押圧締結する
と、刃先部34の平面部34aがウレタンゴム塗布層3
1bを押圧した状態になる。
【0032】そしてこの状態においては、柔軟性を備え
たウレタンゴム塗布層31bの押圧された部分は圧縮さ
れ、この圧縮によって押圧された部分の左右は盛り上が
り、特にウレタンゴム塗布層31bの図3の左端部はキ
ャビティ2内に没入し、環状没入部31cが形成された
状態になる。
【0033】従って、このような環状没入部31cがキ
ャビティ2内に形成された金型1を用いて発泡成形処理
を施すと、図5に示すように、パッド材(発泡成形品)
5の周縁部にはパッド材5を取り巻く環状溝56が形成
された状態になる。
【0034】以下、下型11の表面に対する下型パーテ
ィングライン部31の形成について図4を基に説明す
る。図4は、ウレタンゴムの塗布層からなるパーティン
グラインの塗布工程を説明する断面視の説明図であり、
(イ)はパーティングライン面に接着剤層が形成された
状態、(ロ)は接着剤層の上にウレタンゴムの塗布層が
形成された状態、(ハ)はウレタンゴム塗布層の表面が
扁平になるように処理された状態を示している。
【0035】まず、下型用キャビティ21の上縁部であ
って下型11の表面に環状に形成された被塗布面11a
を露出させるようにマスキング材4が下型11の表面に
載置されるとともに下型用キャビティ21内にも嵌装さ
れる。そして、接着性能を向上させるために、露出した
被塗布面11aにショットブラスト処理が施される。そ
の後マスキング材4が取り除かれ、エアーブローによる
粉塵の除去が行われ、再度マスキング材4が装着され
る。
【0036】そして、マスキング材4が装着されて表面
に露出した被塗布面11aに接着剤が塗布され、図4の
(イ)に示すように、厚さが約0.2mmの接着剤層3
1aが形成される。
【0037】つぎに、接着剤が半乾きの状態で接着剤層
31aの上から1回の塗布当りの厚みが約0.2mmに
なるようにウレタンゴムが刷毛塗りによって塗布され
る。そして、この塗布されたウレタンゴムが半乾きの状
態で塗布面に再度上記同様にウレタンゴムが塗布され
る。この塗布操作を複数回繰り返すことによって、図4
の(ロ)に示すように、厚みが0.5mm〜3mmのウ
レタンゴムの塗布部が形成される。なお、ウレタンゴム
の塗布層の厚みは3mm以下に設定されるが、1〜2m
mに設定されるのが好ましい。
【0038】そして、ウレタンゴムの塗布操作が完了し
てからマスキング材4が取り除かれ、その後、上記ウレ
タンゴムの塗布部の表面が扁平になるようにカッター等
の所定の工具で削り取られて図4の(ハ)に示すような
ウレタンゴム塗布層31bが形成される。本実施例にお
いては、(ロ)に示すウレタンゴムの塗布部の表面と下
型用キャビティ21内に突出した部分とが削り取られて
いるが、下型用キャビティ21内に突出した部分は特に
削り取らなくてもよい。
【0039】以下上記のようにして下型パーティングラ
イン部31にウレタンゴム塗布層31bの設けられた金
型1を用いた発泡成形品の製造について説明する。ま
ず、原料装填工程においては、ウレタンフォーム、プロ
ピレンフォーム等の発泡性合成樹脂原料に所定の発泡材
等の混入された成形原料Mが、上型12と分離された下
型11内に装填される。
【0040】そしてつぎの金型締結工程においては、図
2に示すように、下型11と上型12とを合体し、クラ
ンプ6によって両者を締結するとともに、上型12の刃
先部34の平面部34aによって下型パーティングライ
ン部31上のウレタンゴム塗布層31bを押圧する。そ
うすると、図3に示すように、ウレタンゴム塗布層31
bの押圧された部分が圧縮するとともに、押圧された部
分の左右が盛り上がり、キャビティ2の内部にウレタン
ゴム塗布層31bの右端部が膨出した環状没入部31c
が形成される。
【0041】このようにキャビティ2内に環状没入部3
1cが形成された状態でつぎの発泡工程において加熱等
による所定の発泡処理を施すと、上記環状没入部31c
によってパッド材5の周縁部に環状溝56が形成され
る。発泡処理が完了してからクランプ6による金型1の
締結が解除され、パッド材5は金型1のキャビティ2か
ら取り出される。
【0042】以下図5を基に、上記ようにして製造さ
れたパッド材5をトリム51で被覆する操作について説
明する。図5は、発泡成形品へのトリムの装着工程を説
明するための断面視の説明図であり、(イ)は上下のト
リムがウェルダー刃によって溶着される前の状態、
(ロ)は上下のトリムがウェルダー刃によって溶着され
つつある状態、(ハ)はウェルダー刃によって上下のト
リムが溶着された後に耳部が切断された状態をそれぞれ
示している。
【0043】まず図5の(イ)に示すように、パッド材
5はそれより若干大きい下部トリム51bと上部トリム
51aとによって覆われた状態で図略の高周波溶着装置
に装着される。トリム51の材料としては熱可塑性の合
成樹脂である塩ビ(ポリビニルクロライド)が一般的に
使用される。本実施例においては、織布の裏面に塩ビシ
ートのラミネートされたものが使用されている。なお図
中のFはパッド材5内に埋設されたサンバイザのフレー
ムを表している。高周波溶着装置の上下のウェルダー刃
Wは、パッド材5の縁部よりも若干外側にあって、パッ
ド材5の縁部から外側に延びたトリム51の上下に位置
している。
【0044】つぎに離間していた上下のウェルダー刃W
が互いに接近する方向に押圧され、上部トリム51aと
下部トリム51bとが互いに当接された状態でウェルダ
ー刃Wからトリム51の当接部分に高周波が印加される
ので、同図の(ロ)に示すように、トリム51の当接部
分が高温になり、溶融して溶着玉54が形成される。こ
の溶着玉54はパッド材5の縁部に形成された環状溝5
6内に入り込み、この溶着玉54によって上部トリム5
1aの端部と下部トリム51bの端部とが強固に結合さ
れた状態になっている。
【0045】そして、所定時間の上記溶着処理の後、上
下一対のウェルダー刃Wにさらに大きな力を加えると、
同図の(ハ)に示すように、ウェルダー刃Wの外側に形
成された耳部52は切断除去され、トリム被覆品53が
得られる。
【0046】本発明の発泡成形品の製造方法は、以上詳
述したように、下型パーティングライン部31がウレタ
ンゴム塗布層31bによって形成された金型1が適用さ
れているため、下型11と上型12とを合体させた状態
で、上型パーティングライン部32を形成する環状突起
33の平面部34aがウレタンゴム塗布層31bに当接
して塗布層内に食い込み、その結果下型パーティングラ
イン部31と上型パーティングライン部32との当接面
に全く隙間が形成されない状態になるとともに、ウレタ
ンゴム塗布層31bの膨出によりキャビティ2内に環状
没入部31cが、従来のような切削加工を行うことなく
容易に形成される。
【0047】従って、この環状没入部31cによってキ
ャビティ2内で発泡成形されたパッド材5の周縁部には
環状溝56が形成され、この環状溝56の存在によって
後のトリム51の装着工程においては、トリム51のウ
ェルダー刃Wによって挾持された部分に形成される溶着
玉54が環状溝56内に入り込み、溶着玉54の生成量
のバラツキが有効に吸収され、その結果従来溶着玉の生
成量のバラツキによって発生したトリムの表面の凹凸が
解消されるとともに、この環状溝56内に侵入した溶着
玉54によっての上部トリム51aと下部トリム51b
とが確実強固に接合した状態になる。
【0048】なお、上記の実施例においては、環状没入
部31cはウレタンゴム塗布層31bが上型12の刃先
部34によって押圧されることによって形成されるよう
になっているが、本発明は環状没入部31cがウレタン
ゴム塗布層31bの上型12の刃先部34による被押圧
によって形成されることに限定されるものではなく、予
め下型パーティングライン部31からキャビティ2内に
突出するようにように形成させてもよい。
【0049】そのためには、上記図4の(ハ)に示すウ
レタンゴムの削り取り工程において、ウレタンゴム塗布
層31bの下型用キャビティ21内に突出した部分を特
に削り取らずに残すようにすればよい。こうすることに
よって、特に上型12の刃先部34でウレタンゴム塗布
層31bを強く押圧しなくても環状没入部が形成され好
都合である。
【0050】また、本実施例においては、パッキン部と
してのウレタンゴム塗布層31bは下型11のパーティ
ングラインにウレタンゴムを塗布することによって形成
されているが、本発明はウレタンゴムを塗布することに
限定されるものではなく、予め柔軟性を有する材料によ
ってパッキン部のみをつくっておき、それをパーティン
グラインに貼着するようにしてもよい。
【0051】なお、本実施例においては、金型1として
自動車用のサンバイザ製造用のものを例示したが、本発
明に適用される金型は、サンバイザ用のものに限定され
るものではなく、座席用の金型等その他の発泡成形用の
金型であってもよい。
【0052】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の発泡成形品の製
造方法によれば、上型および下型の内の少なくとも一方
のパーティングライン部に、予め柔軟性を有する材料に
よってパッキン部が形成された金型が用いられるため、
金型締結工程において上型と下型とを合わせた状態でそ
れらを互いに押圧することにより上記パッキン部は圧縮
され、その一部が弾性変形によってキャビティ内に環状
に没入する。従って、つぎの発泡工程において金型内に
装填されている発泡性合成樹脂原料に発泡処理を施す
と、上記環状にキャビティ内に没入したパッキン部の一
部によって得られた発泡成形品の周縁部には環状溝が形
成された状態になる。
【0053】このような周縁部に環状溝が形成された発
泡成形品を、一対のトリムで挾持し、これらトリムの当
接部を上記環状溝に対応させた状態で溶着処理を施せ
ば、トリムの溶融によって形成した溶着玉が上記環状溝
に入り込んだ状態になるため、この溶着玉の存在によっ
て一対のトリムの溶着面積が大きくなり、確実かつ強固
に接合された状態のトリム被覆品が得られる。
【0054】また、発泡成形品の周縁部に亘って溶着玉
の生成量にバラツキが発生したとしても、このバラツキ
は溶着玉が環状溝に入り込むことによって吸収され、そ
の結果トリム被覆品の外面に溶着玉の生成量のバラツキ
によって生じる凹凸や溶着線の蛇行が有効に抑制され、
不良品の発生率を確実に減少させることができる。
【0055】本発明の請求項2記載の発泡成形品の製造
方法によれば、上型および下型の内の一方のパーティン
グライン部に、予めキャビティ内に環状に没入する環状
没入部を有するパッキン部の形成された金型が用いられ
ているため、発泡工程において金型内に装填されている
発泡性合成樹脂原料に発泡処理を施すと、上記環状にキ
ャビティ内に没入したパッキン部の一部によって得られ
た発泡成形品の周縁部には環状溝が形成された状態にな
る。
【0056】このような周縁部に環状溝が形成された発
泡成形品を、一対のトリムで挾持し、これらトリムの当
接部を上記環状溝に対応させた状態で溶着処理を施せ
ば、トリムの溶融によって形成した溶着玉が上記環状溝
に入り込んだ状態になるため、この溶着玉の存在によっ
て一対のトリムの溶着面積が大きくなり、それらは確実
かつ強固に接合された状態のトリム被覆品が得られる。
【0057】また、発泡成形品の周縁部に亘って溶着玉
の生成量にバラツキが発生したとしても、このバラツキ
は溶着玉が環状溝に入り込むことによって吸収され、そ
の結果トリム被覆品の外面に溶着玉の生成量のバラツキ
によって生じる凹凸や溶着線の蛇行が有効に抑制され、
不良品の発生率を確実に減少させることができる。
【0058】本発明の請求項3記載の発泡成形品の製造
方法によれば、パッキン部は、パーティングライン部に
ウレタンゴムを塗布するだけで容易に形成させることが
でき好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発泡成形品の製造方法に適用され
る金型の一例を示す一部切欠き斜視図である。
【図2】金型の押圧締結手段の一例を示す断面視の説明
図である。
【図3】上型および下型の各パーティングライン部の接
合状態を例示する断面図であり、上記両型の相互押圧に
よってキャビティ内に環状突条が形成された状態を描い
ている。
【図4】ウレタンゴムの塗布層からなるパーティングラ
イン部の塗布工程を説明する断面視の説明図であり、
(イ)はパーティングライン面に接着剤層が形成された
状態、(ロ)は接着剤層の上にウレタンゴムの塗布層が
形成された状態、(ハ)はウレタンゴム塗布層の表面が
扁平になるように処理された状態をそれぞれ示してい
る。
【図5】発泡成形品へのトリムの装着工程を説明するた
めの断面視の説明図であり、(イ)は上下のトリムがウ
ェルダー刃によって溶着される前の状態、(ロ)は上下
のトリムがウェルダー刃によって溶着されつつある状
態、(ハ)はウェルダー刃によって上下のトリムが溶着
された後に耳部が切断された状態をそれぞれ示してい
る。
【図6】従来の発泡成形用の金型を示す断面視の説明図
である。
【図7】発泡成形品がトリムによって被覆された状態を
示す一部断面斜視図である。
【図8】トリム被覆品の断面図であり、(イ)は上下一
対のトリムがウェルダー刃によって溶着されつつある状
態、(ロ)はトリムの耳部が切断された状態をそれぞれ
示している。
【符号の説明】
1 金型 11 下型 12 上型 2 キャビティ 21 下型用キャビティ 22 上型用キャビティ 3 パーティングライン部 31 下型パーティングライン部 31b ウレタンゴム塗布層(パッキン部) 32 上型パーティングライン部 31a 接着剤層 31c 環状没入部 33 環状突起 34 刃先部 34a 平面部 34b 切欠き部 4 マスキング材 M 成形原料 5 パッド材(発泡成形品)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 39/00 - 39/44 B29C 67/00 - 67/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティが互いに対向するように凹設
    された上型と下型とからなる発泡成形用金型を用いて発
    泡成形品を製造する発泡成形品の製造方法において、上
    型および下型の内の少なくとも一方のパーティングライ
    ン部に、予め柔軟性を有する材料によってパッキン部が
    形成された金型を用い、この金型のキャビティ内に発泡
    性合成樹脂の原料を装填する原料装填工程、この原料装
    填工程の後に上型と下型とを合わせて互いに押圧するこ
    とにより上記パッキン部の一部を弾性変形によりキャビ
    ティ内に環状に没入させた状態で上型と下型とを互いに
    締結する金型締結工程、およびこの金型締結工程の後に
    キャビティ内の発泡性合成樹脂の原料を発泡させる発泡
    工程を経て発泡成形品を製造することを特徴とする発泡
    成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 キャビティが互いに対向するように凹設
    された上型と下型とからなる発泡成形用金型を用いて発
    泡成形品を製造する発泡成形品の製造方法において、上
    型および下型の内の一方のパーティングライン部に、予
    めキャビティ内に環状に没入する環状没入部を有するパ
    ッキン部の形成された金型を用い、この金型のキャビテ
    ィ内に発泡性合成樹脂の原料を装填する原料装填工程、
    この原料装填工程の後に上型と下型とを互いに締結する
    ことによってパッキン部を押圧する金型締結工程、およ
    びこの金型締結工程の後にキャビティ内の発泡性合成樹
    脂の原料を発泡させる発泡工程を経て発泡成形品を製造
    することを特徴とする発泡成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記パッキン部は、パーティングライン
    部にウレタンゴムを塗布することによって形成すること
    を特徴とする請求項1または2記載の発泡成形品の製造
    方法。
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