JPH0880121A

JPH0880121A - ベルト式選別装置

Info

Publication number: JPH0880121A
Application number: JP21894494A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Yamanaka; 健史山中
Original assignee: Seirei Industry Co Ltd
Current assignee: Yanmar Agribusiness Co Ltd
Priority date: 1994-09-13
Filing date: 1994-09-13
Publication date: 1996-03-26

Abstract

(57)【要約】【目的】脱粒選別装置を小型化、低振動化するため、
選別装置を揺動選別装置でなく、ベルト式とするに当た
って、ベルト式における選別能力の劣性を向上させるこ
とを目的とする。【構成】ベルト式搬送装置１の両搬送軸２・２間にお
いて、中央付近に小カム４を、終端部寄りに大カム５
を、ベルト上辺３ａの下面に当接させる如く配設するよ
う構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自走自脱機等、穀類や
豆類の脱粒選別装置における選別装置の構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動脱粒選別装置において、送風
部より吸塵部にかけて選別装置を配設し、扱室より穀粒
と藁屑等の塵の混合物（或いは豆類と枝類等の塵の混合
物）を選別装置上に落下して、混合物に向けて送風し、
軽い藁屑等の塵類は吸塵側に吹き飛ばし、重い穀粒や豆
類を残存させることで選別する構成のものは公知となっ
ている。ここで、選別装置には、大きく分けて、実開平
３−２２６３１や実開平３−５０８２７に開示されるよ
うなベルト式のものと、実開平３−５０８３６に開示さ
れるような揺動式のものがある。また、特公昭４０−２
０６４８に開示される流穀板も揺動する点で、揺動式の
ものと言える。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】振動が少なく、小型の
脱粒選別装置を構成するには、ベルト式選別装置を使用
する方がよい。揺動式選別装置は、選別装置全体が揺動
して、振動を発生させる他、揺動用の空間分の大きさが
必要だからである。しかし、ベルト式選別装置は揺動式
のものと違って、混合物を攪拌せずに単にベルト上に載
置された混合物に送風するだけなので、選別力が劣り、
流量が多い場合には送風量を多くしなければならない
等、対応力が不足する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、振動の少ない
脱粒選別装置を構成すべくベルト式選別装置を使用しか
つ高度の選別力を有するように、ベルト式選別装置にお
ける前記弊害を解消するよう構成したものである。即
ち、扱室下方における送風部の吹出口に始端部を臨ま
せ、吸塵部側に終端部を臨ませて、終端部側に上昇傾斜
するベルト式選別装置を配設した脱粒選別装置におい
て、該ベルト式選別装置の搬送面裏面側に、搬送面に直
交する方向へ該ベルトを振動させる振動機構を設けた。

【０００５】また、扱室下方における送風部の吹出口に
始端部を臨ませ、吸塵部側に終端部を臨ませて、終端部
側に上昇傾斜するベルト式選別装置を配設した脱粒選別
装置において、該ベルト式選別装置の搬送面裏面側に、
搬送面に直交する方向へ該ベルトを振動させる複数の振
動機構を設け、該振動機構は、搬送終端側のものの振幅
を搬送始端側のものの振幅よりも大きく構成した。

【０００６】また、前記の振動機構をカム体にて構成し
た。

【０００７】

【作用】ベルト式選別装置における振動機構の配設によ
り、ベルト搬送面上の穀粒（混合物）を搬送中にベルト
面より跳上させて、送風作用と相まって選別効果を向上
する。また、該振動機構の振幅を、終端側寄りの方を大
きくすることで、ベルトの振動が始端側から終端側へと
漸次大きくなることとなり、振動による穀粒と藁屑等の
塵類との分別効果が更に高まる。また、この振動機構
は、カム体より容易に構成することができる。

【０００８】

【実施例】本発明の解決すべき課題及び構成は以上の如
くであり、次に添付の図面に示した本発明の実施例を説
明する。図１は自走自脱機の前方斜視図、図２は同じく
後方斜視図、図３は脱粒選別装置の内部側面図、図４は
ベルト式選別装置の斜視図、図５はカムの斜視図であ
る。

【０００９】自走自脱機の全体構成について図１及び図
２より説明する。自走自脱機は、自動走行装置Ｂに自動
脱穀装置（脱粒選別装置）Ａを搭載してなるもので、例
えば収穫機であるバインダーにて刈り取り、束ねて稲木
に掛けた稲束を、その後自走自脱機を走行させながら回
収し、脱穀するという作業に用いられる。自動走行装置
Ｂは、左右クローラ２１・２１を駆動するクローラ式走
行装置であって、その上方が自動脱穀装置Ａの搭載用フ
レーム２０となっており、後方にエンジンカバー等を兼
ねる本体部２２を搭載し、ハンドル２３を延設してお
り、その付近に幾つかの操作レバーを配設し、作業者が
ハンドル２３を握り、レバー操作をしながら走行駆動す
るようになっている。また、ハンドル２３の下方の２４
は籾袋台で、自動脱穀装置Ａより延設されている上方の
籾放出口１７より放出される籾を籾袋にて受ける際に、
該籾袋台２４を後方回動させて水平状にし、この上に籾
袋を載置するのである。

【００１０】自動脱穀装置Ａは、前記の自動走行装置Ｂ
の搭載用フレーム２０上に搭載されるもので、その外部
構成は、側方に供給架台１３が延設されていて、この上
に例えばバインダーが束ねた稲束等の穀稈を置く。該供
給架台１３の根元部は扱口となっていて、掻込用のラグ
１４が回転駆動されて、扱口に穀稈をあてがうと、自然
に内部の脱穀部に掻き込む。また、扱口より奥部にフィ
ードチェーン１５が配設されていて、それに対峙して挟
扼ガイド１６を配設しており、穀稈の根元部がこれに挟
扼され、搬送されて、脱穀部内の後記扱胴６にて脱穀さ
れ、籾が前記の籾放出口１７より放出されるようになっ
ている。供給架台１３の反対側には排藁コンベア１８が
側方に突設されていて、排藁を進行方向に直角に圃場上
に放出する。なお、前方には排塵口１９が突設されてい
て、脱穀の際に発生した藁屑等の塵類を放出するように
なっている。

【００１１】次に、脱粒選別装置である自動脱穀装置Ａ
の内部構成について説明する。後部上方には、前記供給
架台１３より供給された穀稈を脱穀する扱胴６が回転駆
動される脱穀部となっており、扱胴６の下部に選別網７
が配設されていて、該選別網７にて大きな藁屑等は通過
せず、通過した籾や藁屑の混合物が、その下方から前方
にかけて形成されている選別部にて選別されるものであ
る。選別部は、後方下部に送風部である唐箕ファン９を
配設しており、その前方には、選別網７を通過した混合
物が滑落するスロア８となっていて、その底部を始端部
として前部上方に傾斜するベルト式選別装置１が配設さ
れている。スロア８の８ａ部分は、通風網で、唐箕ファ
ン９からの送風が通過できるようになっている。ベルト
式選別装置１は、図３及び図４の如く、始端部と終端部
に搬送軸２・２を左右方向に回転駆動可能に枢支して、
両搬送軸２・２間にベルト３を巻回してなっており、平
行状にベルト上辺３ａ・ベルト下辺３ｂを形成し、搬送
面となるベルト上辺３ａが前部上方に搬送されるように
駆動される。該唐箕ファン９は上部送風口９ａよりベル
ト式選別装置１の上方側に選別風Ｋを送風して、該ベル
ト式選別装置のベルト上辺３ａの上部に載置されて前部
上方に搬送される籾Ｍと藁屑Ｗとの混合物に風を送っ
て、該混合物のうち、軽い藁屑Ｗ等の塵類を上方に吹き
上げ、重い籾Ｍを下層にして、ベルト上辺３ａの上面に
載置させるよう風選するのである。

【００１２】また、ベルト式選別装置の両搬送軸２・２
間において、図３乃至図５の如く、上下に平行状に搬送
駆動されるベルト３のうち、ベルト上辺３ａの下部に、
搬送軸２・２と平行状のカム軸４ａ・５ａが回転駆動可
能に枢支されていて、該カム軸４ａ・５ａに各々小カム
４・大カム５が外嵌されており、各カム４・５の外縁部
がベルト上辺３ａの下面に当接して、振動機構を形成
し、ベルト上辺３ａを上に持ち上げるように、即ち、搬
送面に直交する方向に振動させるようになっている。ま
た、該小カム４・カム軸４ａの配設位置は、搬送軸２・
２間の略中央部とし、該大カム５・カム軸５ａの配設位
置は、ベルト式選別装置１の終端部寄りとしていて、小
カム４は小さく、大カム５は大きくすることによって、
ベルト上辺３ａの中央部付近が小さく揺動し、終端部に
近づくにつれ大きく揺動するようになっている。このカ
ム数は、二個より多い数にしてもよく、その際、終端部
に近づくほどカムの大きさを大きくするのである。この
ようにベルト上辺３ａを揺動することで、その上に載置
された混合物が、ベルト中央付近より終端部にかけて徐
々に大きく揺動し、下層に重い籾Ｍを、上層に軽い藁屑
Ｗ等の塵類を分別する上、唐箕ファン９からの選別風Ｋ
が混合物の全体に充分に当たり、その風選効果がより一
層高まる。

【００１３】ベルト式選別装置１の終端部側、即ち、選
別部内の前部では、上方に、唐箕ファン９の送風にて吹
き上げた藁屑等の塵類を吸引すべく、吸塵ファン１２が
配設されており、ベルト式選別装置１の下方において、
その終端部に近い方に一番物用スロア１０ａを、より遠
い方に二番物用スロア１１ａを配設している。各スロア
１０ａ・１１ａの底部には各々一番物コンベア１０、二
番物コンベア１１を配設しており、一番物コンベア１０
は一番物（殆ど籾のみ）を前記の籾放出口１７へと送
り、二番物コンベア１１は二番物（籾と藁屑等の混合
物）を再び脱穀部或いはベルト式選別装置の始端部に回
収し、再選別するのである。

【００１４】また、唐箕ファン９の下部送風口９ｂがベ
ルト式選別装置１の始端部の下方に向けて開口してい
て、一番物スロア１０ａの後方端は、該下部送風口９ｂ
の下端より延設された流穀板９ｃに連結されている。従
って、ベルト式選別装置１の下方において、一番物スロ
ア１０ａの上方に唐箕ファン９の下部送風口９ｂからの
送風路が形成され、ベルト上辺３ａ上の混合物の堆積が
厚い等で、風選が充分でない場合に、一番物スロア１０
ａ内に入り、流穀板９ｄ上に載った混合物に下部送風口
９ｂからの送風が当たって風選する。つまり、前記カム
４・５による揺動と唐箕ファン９の上部送風口９ａから
の送風だけでは選別しきれなかった混合物が一番物スロ
ア１０ａ内に入った際に、下部送風口９ｂからの送風に
て風選するのである。なお、上部送風口９ａと下部送風
口９ｂとの間の仕切板は風向板９ｃとなっていて、角度
を変更して送風の風向を調節することができる。

【００１５】このように、ベルト式選別装置１のベルト
３をカム４・５にて揺動し、更にベルト式選別装置１の
下方にも唐箕ファン９の送風を送ることで、選別流量が
多くても、唐箕ファン９の風力を極端に大きくすること
なく、充分な選別ができるのである。

【００１６】

【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、次
のような効果を奏する。即ち、請求項１の如く、脱粒選
別装置における選別装置をベルト式に構成することによ
り、振動がなく、コンパクトな脱粒選別装置を構成する
ことができるが、ベルト式であっても、その搬送面裏面
に振動機構を配設することにより、ベルト面上の混合物
が跳上して選別力が向上され、選別流量が多くても送風
部からの送風量をさほど高めなくてもすみ、低コスト化
を実現できる。また、このベルト振動にて、湿材もベル
トより離脱されるので、雨上がりにおける脱穀作業も可
能となる。更に、請求項２の如く、振動機構において、
その振幅を、搬送終端側を始端側よりも大きくすること
で、ベルト面上の混合物の跳上による分別力がより一層
向上するのである。また、請求項３及び請求項４の如
く、これらの振動機構は、カム体により容易に構成で
き、コストがかからない。

【００１７】このような構成のベルト式選別装置を用い
ることにより、小型で低振動で、かつ、選別力の高い脱
粒選別装置を提供することができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】自走自脱機の前方斜視図である。

【図２】同じく後方斜視図である。

【図３】脱粒選別装置の内部側面図である。

【図４】ベルト式選別装置の斜視図である。

【図５】カムの斜視図である。

【符号の説明】

Ａ自動脱穀装置Ｂ自動走行装置１ベルト式選別装置２搬送軸３ベルト３ａベルト上辺３ｂベルト下辺４小カム４ａカム軸５大カム５ａカム軸６扱胴９唐箕ファン９ａ上部送風口９ｂ下部送風口９ｃ風向板９ｄ流穀板１０一番物コンベア１０ａ一番物スロア１１二番物コンベア１１ａ二番物スロア１２吸塵ファン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】扱室下方における送風部の吹出口に始端
部を臨ませ、吸塵部側に終端部を臨ませて、終端部側に
上昇傾斜するベルト式選別装置を配設した脱粒選別装置
において、該ベルト式選別装置の搬送面裏面側に、搬送
面に直交する方向へ該ベルトを振動させる振動機構を設
けたことを特徴とするベルト式選別装置。
【請求項２】扱室下方における送風部の吹出口に始端
部を臨ませ、吸塵部側に終端部を臨ませて、終端部側に
上昇傾斜するベルト式選別装置を配設した脱粒選別装置
において、該ベルト式選別装置の搬送面裏面側に、搬送
面に直交する方向へ該ベルトを振動させる複数の振動機
構を設け、該振動機構は、搬送終端側のものの振幅を搬
送始端側のものの振幅よりも大きく構成したことを特徴
とするベルト式選別装置。
【請求項３】請求項１記載のベルト式選別装置におい
て、該振動機構をカム体にて構成したことを特徴とする
ベルト式選別装置。
【請求項４】請求項２記載のベルト式選別装置におい
て、該振動機構をカム体にて構成したことを特徴とする
ベルト式選別装置。