JPH0873795A - 孔版印刷用油中水滴型エマルションインク - Google Patents

孔版印刷用油中水滴型エマルションインク

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JPH0873795A
JPH0873795A JP23956994A JP23956994A JPH0873795A JP H0873795 A JPH0873795 A JP H0873795A JP 23956994 A JP23956994 A JP 23956994A JP 23956994 A JP23956994 A JP 23956994A JP H0873795 A JPH0873795 A JP H0873795A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存安定性や定着性に優れると共に印刷機と
のマッチングも良く、そのうえ裏移り現象の発生を大幅
に抑制することができる孔版印刷用油中水滴型エマルシ
ョンインクを提供すること。 【構成】 油相約10〜90重量%と水相約90〜10
重量%によって構成される油中水滴型エマルションイン
クにおいて、着色剤として添加されるカーボンブラック
の少なくとも一部が、下記(1)及び(2)に示される
物性値を備えていることを特徴とする孔版印刷用油中水
滴型エマルションインク。 (1)平均粒子径:20〜45nm (2)m2/g単位で示されるBET表面積が、nm単
位で示される平均粒子径の0.5〜3.6倍

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は孔版印刷用エマルション
インクに関するものであり、より詳細には被印刷物への
定着性に優れると共に裏移りのない孔版印刷用油中水滴
型エマルションインクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷法は、孔版印刷原紙の穿孔部を
介して原紙の一方の側より他方の側へインクを移動させ
ることにより、紙等の被印刷物面に印刷を行うものであ
る。近年、輪転孔版印刷機のマイクロコンピューター等
による自動化が進んで操作が簡単になり、これに伴って
孔版印刷の利用が増加しているが、孔版印刷では排紙さ
れてきた被印刷物表面に形成されている画像のインクに
よって、次に排紙されてきた被印刷物の裏面が汚染され
る問題がある。これは「裏移り」と呼ばれ、画像を形成
しているインクが紙等の被印刷物にセットされる速度が
遅いために起る現象である。そして、紙等の被印刷物へ
のセットが遅くなる主因は、保存安定性や印刷機との
マッチングを考慮して比較的高粘度のインクを使うこ
と、被印刷物へのインクのセットが該被印刷物内への
インクの浸透で行われることである。
【0003】裏移り防止のため、インクに分散剤を添加
して被印刷物への着色剤の浸透性を高めることが試みら
れている〔高分子学会編、印刷適正 P.234 印刷
学会出版部発行(1970);その他〕。また、特公平
5−62628号公報には、水相重量の5重量%以上の
高沸点非水溶性溶剤を含む孔版印刷用エマルションイン
クが、特開平6−172691号公報には0.5〜5重
量%のワックスを含む孔版印刷用エマルションインクが
提案されている。さらに、特開平5−117564号公
報や特開平4−372671号公報等には、定着性を高
める等の目的でゲル化剤を含む孔版印刷用エマルション
インクが提案されている。しかし、これらの従来技術に
よって充分に裏移りを防止するのは困難なので、より優
れた裏移り防止技術の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、保存安定性
や定着性に優れると共に印刷機とのマッチングも良い上
に、裏移り現象の発生を大幅に抑制可能な孔版印刷用油
中水滴型エマルションインクを提供することをその課題
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、着色用カー
ボンブラックの物性によって印刷後のインクの乾燥性や
定着性が大きく変動すると考え、孔版印刷用油中水滴型
エマルションインク使用時の印刷後のインクの乾燥状況
について、カーボンブラック物性と関連させて考察し
た。その結果、この乾燥では、着色剤を含むインク内
のビヒクルが被印刷物に浸透する;ビヒクル内の低粘
度分や溶剤等のインク内低粘度分が被印刷物表面の毛管
作用でインクから分離する;の両者又は一方が起ってい
るとの結論を得た。そして、の浸透速度が速い場合は
インクの乾燥が速やかとなり、該速度は着色用カーボン
ブラックの平均粒子径やBET表面積を小さくすると増
加すると推定された。また、インクの乾燥がを中心と
して進行すると着色剤が被印刷物内部まで良く浸透する
から、インクの定着性が向上すると推定された。さら
に、の現象も着色用カーボンブラック表面の影響を受
けると推定された。
【0006】本発明者は前記推論を実証するため、カー
ボンブラックの平均粒子径やBET表面積とインクの保
存安定性や定着性等との関係について、試行錯誤的に詳
細に検討した。その結果、平均粒子径やBET表面積が
小さいと保存安定性や定着性に優れ、印刷機とのマッチ
ングも良く裏移りの発生も少ないインクが得られること
を見出した。本発明はこの結果に基づいてなされたもの
である。すなわち、本発明によれば、油相約10〜90
重量%と水相約90〜10重量%によって構成される油
中水滴型エマルションインクにおいて、着色剤として添
加されるカーボンブラックの少なくとも一部が、下記
(1)及び(2)に示される物性値を備えていることを
特徴とする孔版印刷用油中水滴型エマルションインクが
提供される。 (1)平均粒子径:20〜45nm (2)m2/g単位で示されるBET表面積が、nm単
位で示される平均粒子径の0.5〜3.6倍
【0007】本発明の孔版印刷用油中水滴型エマルショ
ンインクに添加される着色用カーボンブラックは、平均
粒子径20〜45nm、好ましくは20〜40nmで、
2/g単位で表されるBET表面積がnm単位で表さ
れる平均粒子径の0.5〜3.6倍、好ましくは1.0
〜3.4倍の値を持つカーボンブラックである。なお、
前記の平均粒子径は電子顕微鏡で測定された粒子径及び
その分布を基礎とし、カーボンブラック便覧〔カーボン
ブラック協会編、図書出版社発行(1971)〕174
頁に記載されている算出法で求めた算術平均粒子径であ
り、BET表面積は窒素を吸着剤とする常法によって測
定した値である。着色用カーボンブラックの平均粒子径
が20nm未満では、インク内にカーボンブラックを安
定分散させるのが困難な上に高価である。平均粒子径が
45nmを超えると、被印刷物へのカーボンブラック浸
透が困難なので裏移りが増え、そのうえ被印刷物表面の
カーボンブラック量が多くなるから画像剥離等が起って
定着性が悪い。また、BET表面積過少ではカーボンブ
ラック表面の孔が少ないために油の保持が困難になり、
そのためにインクから油が分離してインクの安定性が悪
くなる。一方、表面積過大では吸油量過多のためにイン
クの油相粘度が高くなるから、インク粘度が上がって被
印刷物へのインクの吸い込みが悪くなる。
【0008】本発明のインクに添加されるカーボンブラ
ックは、前記物性値を備えていれば単一品でも2種以上
混合物であっても良い。また、着色剤には前記物性値を
持つカーボンブラックと別の着色剤とを混ぜて使うこと
もできるが、この場合は前記物性値のカーボンブラック
を着色剤全重量の70%重量以上、好ましくは85重量
%以上とするのが望ましい。そして、インク内への着色
剤添加量は1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%
とするのが良い。本発明のインクに前記物性値のカーボ
ンブラックと共に添加することのできる着色剤を例示す
ると、前記とは物性値の異なるカーボンブラック;アゾ
系顔料、フタロシアニン系顔料、ニトロソ系顔料、ニト
ロ系顔料、建染染料系顔料、媒染染料系顔料、塩基性染
料系顔料、酸性染料系顔料及び天然染料系顔料等の顔
料;ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性染
料;等が挙げられる。これらの染顔料類は、単独でも2
種以上混合して添加しても良い。
【0009】本発明の孔版印刷用油中水滴型エマルショ
ンインクは、油相約10〜90重量%と水相約90〜1
0重量%によって構成されるエマルションインクであ
り、インク内には前記物性値を持つカーボンブラックの
ほか、少なくとも油、水及び乳化剤を含有させることが
必要である。そして、ここで使われる水は清浄であれば
良く、具体的には水道水、イオン交換水、蒸留水等を使
えば良い。インク製造用の油は公知の鉱物油や植物油等
であり、具体的には石油系溶剤、スピンドル油、流動パ
ラフィン、軽油、灯油、マシン油、ギヤー油、潤滑油、
モーター油等の鉱物油;あまに油、トール油、大豆油、
とうもろこし油、オリーブ油、なたね油、ひまし油、脱
水ひまし油等の植物油;等が例示される。また、ポリイ
ソブチレン類、水素化ポリデセン類、トリメチロールプ
ロパンエステル類、ネオペンチルエステル類、ペンタエ
リスリトールエステル類、シロキサン類、シリコーン
類、フロロカーボン類、アルキル置換ジフェニルエーテ
ル類、フタル酸エステル類、リン酸エステル類等の合成
油も使用可能である。なお、石油系溶剤としてはエクソ
ン社のアイソパーや日本石油社の日石ソルベント等の混
合溶剤を使っても良い。そして、これらの油は単独でも
2種以上混合して使っても良い。
【0010】乳化剤には非イオン界面活性剤を使うのが
望ましく、具体的にはグリセリン脂肪酸エステル、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪
酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコー
ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひ
まし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸
アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムア
ルデヒド縮合物等が例示される。これらは単独又は2種
以上混合してインクに添加すれば良く、添加量はインク
重量の1〜8重量%、好ましくは2〜5.5重量%とす
れば良い。
【0011】以上のほか、油相にはエマルションの形成
を妨害しない範囲で樹脂、着色剤の分散剤、ゲル化剤及
び酸化防止剤等を添加することができる。なお、前記し
た着色剤や乳化剤も油相に含まれる。また、水相にはエ
マルションの形成を妨害しない範囲で水溶性高分子、防
腐・防かび剤、水の蒸発抑制剤、凍結防止剤、pH調整
剤、電解質等を添加することができる。油相に添加され
る樹脂は、着色剤と被印刷物との固着、着色剤の分散及
びインクの経時安定性向上等のために従来から添加され
ているバインダー樹脂である。従って、従来から添加さ
れている樹脂を添加すれば良く、具体的にはロジン;重
合ロジン、水素化ロジン、ロジンエステル、水素化ロジ
ンエステル等のロジン系樹脂;ロジン変性フェノール樹
脂等のロジン変性樹脂;フェノール樹脂;石油樹脂;ア
ルキッド樹脂;ゴム誘導体;重合ひまし油;等を1種又
は2種以上混合して添加すれば良い。また、添加量はイ
ンク重量の10重量%以下、好ましくは1〜7重量%と
すれば良い。
【0012】カーボンブラック等の着色剤用分散剤に
は、前記の乳化剤用非イオン界面活性剤を使うことがで
きる。このほか、アルキルアミン系高分子化合物、アル
ミニウムキレート系化合物、スチレン/無水マレイン酸
共重合体、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポ
リアルキレンポリアミン、脂肪族多価カルボン酸、ポリ
エーテル、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポ
リカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリアミド、燐酸エステ
ル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オ
レフィンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩等
も使用可能である。これらの分散剤は単独又は2種以上
混合して添加すれば良く、その添加量は着色剤重量の4
0重量%以下、好ましくは2〜35重量%とすれば良
い。
【0013】ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化
してインクの保存安定性、定着性、流動性等を向上させ
る役割を持ち、本発明のインクに添加されるゲル化剤と
しては油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。
このような化合物を例示すると、Li、Na、K、Al、Ca、C
o、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr等の金属を含む有機酸塩、
有機キレート化合物、金属石鹸オリゴマー等であり、具
体的にはオクチル酸アルミニウム等のオクチル酸金属
塩、ナフテン酸マンガン等のナフテン酸金属塩、ステア
リン酸亜鉛等のステアリン酸塩、アルミニウムジイソプ
ロポキシドモノエチルアセトアセテート等の有機キレー
ト化合物等が挙げられる。これらのゲル化剤は、1種又
は2種以上を油相に添加すれば良く、その添加量は油相
中の樹脂の15重量%以下、好ましくは5〜10重量%
である。油相に添加される酸化防止剤は、ジブチルヒド
ロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシ
アニソール等であり、これらの添加によって油相中のバ
インダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインク粘度
の上昇等が防止される。また、その添加量はインク中の
油の2重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重量%で
ある。なお、酸化防止剤は単独でも2種以上を混合して
使っても良い。
【0014】エマルションインクの水相に添加される水
溶性高分子は、補湿や増粘のために添加されるものであ
り、具体的には下記の天然又は合成高分子が添加され
る。デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタ
ン、トラガントガム、アラビアガム、プルラン、デキス
トラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲ
ン、カゼイン等の天然高分子;カルボキシメチルセルロ
ース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カル
ボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等の半合
成高分子;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のアクリル
酸樹脂誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子;その
他。これらの水溶性高分子は単独でも2種以上混合して
添加しても良く、インクに含まれる水の25重量%以
下、好ましくは0.5〜15重量%添加される。
【0015】水相に添加される防腐・防かび剤は、エマ
ルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加
され、エマルションを長期間保存する場合は防腐・防か
び剤の添加が普通である。その添加量は、インク中に含
まれる水の3重量%以下、好ましくは0.1〜1.2重
量%とするのが良い。また、防腐・防かび剤としてはサ
リチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、
p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物
及びその塩素化合物のほか、ソルビン酸やデヒドロ酢酸
等が使用され、これらは単独でも2種以上混合して使っ
ても良い。水の蒸発抑制剤と凍結防止剤は兼用可能であ
り、これらの目的で添加される薬品はエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の
グリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価アル
コール;グリセリンやソルビトール等の多価アルコー
ル;等である。これらの薬品は1種又は2種以上を添加
すれば良く、その添加量はインク中の水重量の15重量
%以下、好ましくは4〜12重量%である。
【0016】水相に添加されるpH調整剤は、トリエタ
ノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等で
あり、必要時にはこれらのpH調整剤を添加して水相の
pHを6〜8に保つことができる。水相のpHが前記範
囲からはずれると、増粘剤用水溶性高分子が添加されて
いる場合にその効果が損なわれる等の問題がある。水相
に添加される電解質は、エマルションの安定性を高める
ために添加されるものである。従って、該電解質にはエ
マルションの安定度向上に有効な離液順列が高いイオン
で構成された電解質を添加するのが良い。離液順列が高
い陰イオンは、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イ
オン、酢酸イオン等であり、離液順列が高い陽イオンは
アルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンであるか
ら、ここで添加される電解質としては少なくとも陰イオ
ンか陽イオンの一方が前記イオンよりなる塩が好まし
い。従って、ここで添加される電解質としては、硫酸マ
グネシウム、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リ
ン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム等が好ましく、その添加量は水相の0.1〜2重量
%、好ましくは0.5〜1.5重量%である。
【0017】上記のほか、本発明の孔版印刷用油中水滴
型エマルションインクには、印刷時に印刷用紙と印刷ド
ラムとの分離を良くするため、或いは印刷用紙の巻き上
がり防止等のために油相にワックスを添加することがで
きる。また、水相にはトリエタノールアミンや水酸化ナ
トリウム等を添加して、水溶性高分子添加による高粘度
化を更に増進させることができる。さらに、水相に防錆
剤や消泡剤を添加して印刷の際に印刷機がインクによっ
て錆びたり、インクが泡立つことを防止することができ
る。これらの添加剤は、孔版印刷用インクに添加されて
いる公知品を必要に応じて添加すれば良く、その添加量
は従来品の場合と同程度で良い。本発明のエマルション
インクは、従来のエマルションインク製造時と同様にし
て油相及び水相液を調製し、この両者を公知の乳化機内
で乳化させてインクとすれば良い。すなわち、着色剤、
乳化剤及び必要に応じて添加される樹脂等の添加物を良
く分散させた油を常法で調製し、これに防腐・防かび剤
や水溶性高分子等が必要に応じて添加されている水溶液
を徐々に添加して乳化させれば良い。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるも
のではない。なお、以下に記す部は重量部である。ま
た、実施例及び比較例で使ったカーボンブラックはいず
れも市販品であり、その物性値は表1の通りである。
【表1】
【0019】実施例1 (油相液組成) 着色剤 カーボンブラックA 2.7部 フタロシアニンブルー 0.3部 (東洋インキ社製:商品名シアニンブルーK) 油 スピンドル油 15部 樹脂 ロジン変性フェノール樹脂 5.0部 (ハリマ化成社製:商品名P−140) 界面活性剤 ソルビタンセスキオレエート 3.7部 (花王社製:商品名レオドールAO−15) ソルビタンモノオレエート 2.3部 (花王社製:商品名レオドールAO−10) 酸化防止剤 ジブチルヒドロキシトルエン 0.1部
【0020】 (水相液組成) 水 イオン交換水 70.8部 防腐・防かび剤 パラオキシ安息香酸メチル 0.1部 油相液は、150℃で油に樹脂を溶解させ、この液に着
色剤と界面活性剤と酸化防止剤とを三本ロールで良く分
散させて調製した。水相液は、防腐・防かび剤を水に良
く溶解させて調製した。そして、乳化機として日光ケミ
カルズ社製の乳化試験機ET−3A型を使用し、この中
に油相液を仕込んで400r.p.mの速度で液を撹拌し
ながら、徐々に水相液を添加してエマルションインクを
製造した。なお、エマルションインク300gを製造す
る場合に水相液の添加には15分を要した。
【0021】実施例2 油相液及び水相液の組成を変え、樹脂を添加せずに油相
液を調製した以外は実施例1の場合と同様にしてエマル
ションインクを製造した。油相液及び水相液の組成を下
に示すが、これらの原材料は実施例1で使った原材料と
同一品である。 (油相液組成) カーボンブラックA 2.8部 フタロシアニンブルー 0.2部 スピンドル油 17.5部 ソルビタンセスキオレエート 3.7部 ソルビタンモノオレエート 2.3部 ジブチルヒドロキシトルエン 0.1部 (水相液組成) イオン交換水 73.3部 パラオキシ安息香酸メチル 0.1部
【0022】実施例3 カーボンブラックAの代りにカーボンブラックBを使用
し、それ以外は実施例1の場合と全く同様にして本実施
例のエマルションインクを製造した。 比較例1 カーボンブラックAの代りにカーボンブラックCを使用
し、それ以外は実施例1の場合と全く同様にして比較例
1のエマルションインクを製造した。
【0023】比較例2 カーボンブラックAの代りにカーボンブラックCを使用
し、それ以外は実施例2の場合と全く同様にして比較例
2のエマルションインクを製造した。 比較例3 カーボンブラックAの代りにカーボンブラックDを使用
し、それ以外は実施例1の場合と全く同様にして比較例
3のエマルションインクを製造した。 比較例4 カーボンブラックAの代りにカーボンブラックEを使用
し、それ以外は実施例2の場合と全く同様にして比較例
4のエマルションインクを製造した。
【0024】(エマルションインクの評価)実施例及び
比較例のエマルションインクを使用し、リコー社製の画
像評価用印刷用紙に孔版印刷する方法によって、印刷時
に起る裏移りの発生状況及び印刷画像の定着性について
評価した。また、実施例及び比較例のエマルションイン
クの保存安定性について評価した。これらの評価方法は
以下の通りである。なお、評価用の印刷にはリコー社製
印刷機VT3500を使用した。 (1)裏移りの発生状況 気温20℃、相対湿度65%の環境下に種の印刷速度で
30枚づつ印刷し、30枚の印刷時に発生する裏移りの
状況と印刷された画像濃度について調べた。画像濃度の
測定はマクベス濃度計RD915で行い、30枚の印刷
画像の平均濃度を算出した。また、裏移りの発生状況は
目視で調べ、表2に示す評価基準に従って用紙1枚毎に
点数を付け、30枚の平均点数を算出した。これらの結
果を図1に示す。なお、印刷速度は40枚/分(1
速)、60枚/分(2速)、80枚/分(3速)、10
0枚/分(4速)及び120枚/分(5速)の5段階で
行ったが、印刷速度が速いほど画像濃度が減少すること
が自明である。
【0025】
【表2】
【0026】(2)画像の定着性 東洋精機社製クロックメーターで印刷画像を10回こす
り、こする前後の画像濃度をマクベス濃度計RD915
で測定して定着性を百分率で表した。すなわち、定着性
(%)=〔(こすってから測定した画像濃度)/(こす
る前に測定した画像濃度)〕×100で表されるから、
これを表3に示す。 (3)インクの保存安定性 密閉容器に入れたインクを50℃の恒温槽内に1ケ月間
放置し、放置によるインク成分の分離や変質を目視で調
べ、インクの分離や変質が認められない場合を○、イン
クから油又は水が滲み出ている場合を△、インク成分が
完全に分離している場合を×で表した。結果を表3に示
す。
【0027】
【表3】
【0028】図1から、実施例のインクは印刷速度の大
小に拘らず比較例のインクより裏移りが少ないことが分
る。そして、印刷速度が遅いほど実施例のインクと比較
例のインクに見られる前記の裏移り差が大きくなってい
るが、これは印刷速度が遅いほど印刷用紙へのインクの
転移量が多く、画像濃度が濃くなるためである。表3か
ら、比較例4のインクを除くと定着性やインクの保存安
定性では実施例と比較例の差がないことが分る。これ
は、比較例1〜3のインクに使われているカーボンブラ
ックの平均粒子径が実施例のそれと同範囲のためであ
り、そのため印刷用紙にカーボンブラックが良く浸透
し、保存時にカーボンブラックが凝集するような問題も
起らないからである。この事は、インク製造用カーボン
ブラックの平均粒子径が本発明のインクにおけるそれと
異なっている比較例4のインクでは、定着性も保存安定
性も他より大幅に劣っていることから明らかである。以
上を総括すると、孔版印刷用油中水滴型エマルションイ
ンクに着色剤として添加されるカーボンブラックの平均
粒子径が適正範囲にあれば、印刷画像の定着性やインク
の保存安定性は満足できるが裏移りの点で不充分であ
り、裏移り問題も含めて充分に満足できるインクを製造
するためには、カーボンブラックの平均粒子径と共にB
ET表面積も適正範囲とすることが必要と云うことがで
きる。
【0029】
【発明の効果】本発明の孔版印刷用油中水滴型エマルシ
ョンインクは、着色剤として添加されるカーボンブラッ
クが平均粒子径20〜45nmのために被印刷物に浸透
し易い上に、BET表面積が特定範囲にあるために印刷
画像が別の印刷画像が印刷されている被印刷物の裏面を
汚染する裏移りが発生することも少ない。従って、イン
クの保存安定性や定着性が良好な上に、従来のインクよ
り裏移りを起すことの少ない孔版印刷用エマルションイ
ンクである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例のインク使用時に発生する裏
移りの状況及び画像濃度を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油相約10〜90重量%と水相約90〜
    10重量%によって構成される油中水滴型エマルション
    インクにおいて、着色剤として添加されるカーボンブラ
    ックの少なくとも一部が、下記(1)及び(2)に示さ
    れる物性値を備えていることを特徴とする孔版印刷用油
    中水滴型エマルションインク。 (1)平均粒子径:20〜45nm (2)m2/g単位で示されるBET表面積が、nm単
    位で示される平均粒子径の0.5〜3.6倍
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001262027A (ja) * 2000-03-13 2001-09-26 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷用w/oエマルションインキ
JP2006124476A (ja) * 2004-10-27 2006-05-18 General Kk 孔版印刷用エマルションインキ
CN1300267C (zh) * 2004-04-20 2007-02-14 东北理光株式会社 孔版印刷用乳化油墨

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