JPH0873501A - カルボキシメチルセルロースエーテルアルカリ塩の造粒乾燥方法 - Google Patents

カルボキシメチルセルロースエーテルアルカリ塩の造粒乾燥方法

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JPH0873501A
JPH0873501A JP21505894A JP21505894A JPH0873501A JP H0873501 A JPH0873501 A JP H0873501A JP 21505894 A JP21505894 A JP 21505894A JP 21505894 A JP21505894 A JP 21505894A JP H0873501 A JPH0873501 A JP H0873501A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】乾燥粉末の粒径が均一かつ微粉の生成が抑制さ
れ、しかも溶剤を含んだ系においても実施可能なCMC
スラリーの乾燥方法を提供する。 【構成】CMCの溶剤−水含有スラリーを噴霧乾燥して
粉末化する方法である。この乾燥方法は、不活性ガス雰
囲気下において、CMCスラリーをチャンバー3内に供
給する際に、上記スラリーを回転円盤5上に流下させ霧
化させることにより乾燥を行う方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶剤および水を含有
したカルボキシメチルセルロースエーテルアルカリ塩
(以下「CMC」と称す)の造粒乾燥方法に関するもの
であって、水溶解性を改良し、溶解性に優れたCMCが
製造可能な方法である。
【0002】
【従来の技術】従来、CMCは、パルプ等を原料とし、
アルカリ反応の後、エーテル化反応を行い、ついで、酢
酸等で中和を行い、脱液濾過して粗製CMCを作製す
る。そして、メタノール水溶液にして脱塩精製を行い、
つぎに、濾過されたCMCを熱風乾燥し、最後に粉砕す
ることにより製造される。上記熱風乾燥では、通常の乾
燥機が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記乾
燥機による乾燥方法は、下記に示す欠点を有している。
【0004】CMCが乾燥機内に付着して、乾燥機の
加熱による着色が生じ(いわゆるスポット)、これが製
品中に混入して品質の低下を招く。 得られたCMCの粒径が不均一であり、かつ微粉(粒
径20μm以下)状のものが多いため、粉立ちが多く、
作業性に問題がある。 CMCを使用する際に、粉塵が発生し、人体に刺激性
の悪影響を及ぼす。 粒径が不均一かつ微粉が多いため、水への溶解におい
て、継粉が生成しやすく、固まり状となることから溶解
性が悪くなり、溶解に長時間を要する。
【0005】さらに、通常、水溶液での噴霧乾燥(エア
ー熱風)は、よく行われる方法であるが、溶剤を含んだ
系での噴霧乾燥は、爆発の危険を伴い、工業化に問題が
ある。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、乾燥粉末の粒径が均一かつ微粉の生成が抑制
され、しかも溶剤を含んだ系においても実施可能なCM
Cの造粒乾燥方法の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明のCMCの造粒乾燥方法は、CMCの溶剤
−水含有スラリーを噴霧乾燥して造粒化する方法であっ
て、上記噴霧乾燥を、不活性ガスおよび空気の少なくと
も一方の雰囲気下において、上記スラリーを回転円盤上
に流下させて霧化させるか、もしくはノズルから噴霧し
て霧化させることにより行うという構成をとる。
【0008】
【作用】すなわち、この発明は、溶剤−水含有のCMC
スラリーを、不活性ガスおよび空気の少なくとも一方の
雰囲気下において、回転円盤上に流下させて霧化させ
る。もしくは、ノズルから噴霧して霧化させることによ
り噴霧乾燥して造粒化するCMCの造粒乾燥方法であ
る。このため、従来法の加熱乾燥の着色によるスポット
の混入等が生じず、高品質のCMC粉末が得られる。し
かも、その粒径は均一であり、かつ粒径が20μm以下
の微粉の含有割合が従来に比べて非常に少ない。したが
って、CMCを水に溶解する際、従来みられる継粉の生
成から固まり状となる現象が生じず、水に速やかに溶解
するため、使用時、溶解時間が大幅に短縮される。さら
に、粉立ちが少なく、ハンドリング性も良好である。ま
た、CMC粉末の使用時の粉塵の発生が少なく、人体に
刺激性の悪影響を及ぼす等の問題が生じることもない。
さらに、溶剤を含んだ系においても、爆発の危険性もな
く乾燥が行える。
【0009】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0010】この発明のCMCの造粒乾燥方法におい
て、対象とするCMCは、通常のものであって特に限定
するものではない。例えば、エーテル置換度が0.5〜
2.8で、アルカリ塩の種類としては、ナトリウム塩,
カリウム塩,カルシウム塩,アンモニウム塩等があげら
れる。通常、ナトリウム塩である。そして、CMCは、
粗製CMC、この粗製CMCを用い副生塩を除く工程を
加えて得られる精製CMCのいずれを用いてもよい。
【0011】つぎに、CMCスラリーにおけるCMCの
含有量は、5〜70重量%(以下「%」と略す)の範囲
に設定することが好ましい。すなわち、CMCの含有量
が70%を超えると、団子状に固化することからほぐれ
ず、スラリー輸送が困難となる。このため、噴霧乾燥を
行うことが非常に難しくなるからである。そして、スラ
リーの溶媒としては、溶剤と水の混合物が用いられる。
このときの両者の混合割合は、重量比で、水/溶剤=3
/97〜40/60の割合に設定することが好ましく、
特に好ましくは、水/溶剤=5/95〜20/80であ
る。すなわち、両者の混合割合で、水が3%未満(溶剤
が97%を超える)では、乾燥して得られるものに微粉
が多く生成しやすい。また、水が40%を超える(溶剤
が60%未満)と、水の蒸発潜熱が高く、多くの熱量が
必要になって乾燥コストが高くなり好ましくない。さら
に、CMCが溶解して系がペースト状になり流動性に劣
る傾向がみられるからである。
【0012】また、CMCスラリーの粘度は、10mP
a・s以上であって、かつスラリー輸送ができ、噴霧乾
燥に供することが可能であれば特に問題はない。
【0013】上記溶剤は、炭素数1〜4の低級アルコー
ルを用いることが好ましい。例えば、メタノール,エタ
ノール,イソプロピルアルコール等があげられる。
【0014】つぎに、この発明のCMCの造粒乾燥方法
について説明する。
【0015】この発明のCMCの造粒乾燥は、例えばつ
ぎのようにして行われる。すなわち、図1に示すよう
に、原料タンク1内にCMCスラリーを投入し、供給ポ
ンプ2により配管を通ってチャンバー3の上部から、チ
ャンバー3内にCMCスラリーを供給し、回転円盤5上
に流下させる。このとき、モーター4に連結された回転
円盤5が回転し、チャンバー3内に供給されたCMCス
ラリーは霧状となる。一方、チャンバー3の側壁上部に
は、気体供給口7が設けられており、送風機6によって
気体がチャンバー3内に供給される。そして、霧状とな
ったCMCスラリーは、供給された気体と接触し乾燥し
て粉末状となる。上記粉末状となったCMCは自重落下
して、下端中央部に設けられた捕集機8に回収される。
また、供給された気体と、気化した溶剤のガスは、排気
口9から吸引され、排風機12で系外に排気される。1
0は、気体および溶剤ガスに一部同拌し、上記捕集機8
に回収されなかったCMCを回収するためのサイクロン
式捕集機であって、回収されたCMCは上記サイクロン
式捕集機10の下端中央部に設けられた捕集部11に回
収される。
【0016】上記チャンバー3内に供給されるCMCス
ラリーの供給温度は、10℃〜含有溶剤の沸点の範囲内
に設定される。特に乾燥効率の点から、より高い供給温
度に設定することが好ましい。また、CMCスラリーの
供給量は、装置全体のスケールおよびCMC濃度によっ
て適宜に設定される。
【0017】上記チャンバー3内に供給される気体は、
不活性ガス,空気が用いられ、これらは単独でもしくは
二つを併用した混合気体として使用される。上記不活性
ガスとしては、特に限定するものではなく従来公知のガ
スが用いられる。例えば、窒素ガス、炭酸ガス、あるい
はこれらの混合ガス等があげられる。そして、これら不
活性ガスは繰り返し使用される。また、上記不活性ガス
と空気を混合した混合気体では、上記空気の混合割合は
適宜に設定されるが、爆発限界以下の酸素濃度となるよ
う、上記不活性ガスに空気を混入する必要がある。さら
に、供給される気体として、空気単独を供給する際に
は、爆発が発生しないように、CMCスラリーのCMC
濃度が高く、溶剤の含有割合を少なく設定したCMCス
ラリーを用いなければならない。具体的には、CMC濃
度(CMC含有量)が60%以上に設定されたCMCス
ラリーを用いる際に、空気のみを単独供給した造粒乾燥
が可能となる。これらチャンバー3内に供給される気体
のなかでも、不活性ガス単独が特に好ましい。
【0018】そして、気体の供給温度は、気体のチャン
バー3内での温度が80〜120℃の範囲となるよう設
定することが好ましく、この範囲内でより高い温度が好
ましい。そして、上記温度範囲となるように、気体をチ
ャンバー3内に供給する際に、例えば、送風機6によっ
て供給を行うと同時に加熱する。また、気体の供給量
は、装置全体のスケールによって適宜に設定される。
【0019】また、上記乾燥工程において、チャンバー
3内は、減圧,常圧のいずれであってもよいが、CMC
スラリーの操作が容易かつ造粒性が高いこと等の点か
ら、660〜760mmHgの弱減圧から常圧の範囲内
に設定することが好ましい。極端な減圧は、スラリー中
に含有する溶剤が急激にガス化して爆発現象が起き微粉
化するため好ましくない。
【0020】上記回転円盤5としては、円盤の直径を5
〜20cm程度に設定することが好ましく、また、回転
円盤5の回転数は2000〜8000rpmに設定する
ことが好ましい。すなわち、回転数が高過ぎると粒径が
小さくなり微粉化するため、極端な高回転は好ましくな
い。
【0021】図2はこの発明のCMCの造粒乾燥方法に
用いられる装置の他の例を示すものである。すなわち、
この装置は、回転円盤5を用いたスラリーの霧化に代え
て、供給配管の先端に噴霧用のノズル13を取り付け、
このノズル13からCMCスラリーを霧化してチャンバ
ー3内に供給するものである。その他の構成について
は、図1の装置と同様であり、同一部分に同一符号を記
している。
【0022】また、気体の供給は、図1および図2のい
ずれも、チャンバー3の側壁上部に設けられた不活性ガ
ス供給口7から行われるが、この位置に限定するもので
はなく、チャンバー3の下部から供給してもよく、ま
た、上部と下部の双方から供給してもよい。
【0023】さらに、CMCスラリーの霧化に際して、
回転円盤5もしくはノズル13を用いているが、CMC
スラリーの粘度が大きい点を考慮した場合、回転円盤5
を用い、この回転円盤5上にスラリーを流下させ霧化さ
せることがより好ましい。
【0024】このように噴霧乾燥して得られるCMCの
粉末は、全体の80%以上が粒径70〜200μmの範
囲内の粉末であり、粒径20μm以下の微粉の含有量
は、全体の2.0%以下となる。上記粒径の測定は、コ
ールターカウンターによって測定され、全体の粒度分布
を確認することができる。この測定の結果は、図3に示
すようなチャート図として示される。図3から、粒径2
0μm以下の微粉の含有割合は極僅かであり、全体の8
0%以上が粒径70〜200μmの範囲(斜線部分)の
粒度分布となる。また、得られるCMC粉末の揮発分は
10%以下である。
【0025】
【発明の効果】以上のように、この発明のCMCの造粒
乾燥方法は、溶剤−水含有のCMCスラリーを、不活性
ガスおよび空気の少なくとも一方の雰囲気下において、
回転円盤上に流下させて霧化させる。もしくは、ノズル
から噴霧して霧化させることにより噴霧乾燥して造粒化
する方法である。このため、得られるCMC粉末は、高
品質で、その粒径は均一であり、かつ20μm以下の粒
径の微粉の含有割合が従来に比べて非常に少ない。した
がって、CMC粉末の使用時の粉塵の発生が少なく、ハ
ンドリング性が向上する。また、水への溶解が容易で、
いわゆる継粉等が生じず、均一な水系のものが短時間で
得られ、溶解作業時間の短縮化が図れる。さらに、この
発明の造粒乾燥方法は、溶剤を含むCMCスラリーの乾
燥においても爆発等の危険がなく、溶剤含有CMCスラ
リーの造粒乾燥の工業化が実現する。
【0026】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0027】CMCスラリーの乾燥に先立ち、その材料
となる粗製CMC,精製CMCおよびハイグレード精製
CMCを製造した。
【0028】〔CMCの製造A〕原料パルプ(興人社
製,サルフェート法パルプ)を粉砕機(スクリーン直径
0.3mm)で粉砕した水分6%の微粉砕パルプ30k
gを、イソプロピルアルコール650kgと水60kg
の混合液の入った1m3 反応釜に加え、攪拌した。これ
に、48%苛性ソーダ33.2kgを20〜30℃にて
10分間かけ添加し、約30℃で60分間攪拌し、アル
カリセルロース化反応を行った。
【0029】つぎに、これに、クロロ酢酸15kgを1
0分間添加した後、反応温度を30℃から70℃に30
分間かけて昇温した。そして、70℃で90分間攪拌し
てエーテル化反応を行った。その後、5分間で40℃ま
で冷却した後、酢酸4.6kgを加え、苛性ソーダを中
和した。このような操作により、エーテル化度(DS)
0.75のCMCを得た。
【0030】そして、上記中和操作の後、濾過にて脱溶
液を行い、食塩量11%を含む70%濃度の粗製CMC
(粗製CMC)を得た。続いて、80%メタノール含
水液700kgに、濾過した上記粗製CMCを加え攪
拌し、脱塩洗浄した後、濾過にて脱溶液を行い、食塩量
2%を含む精製CMC(精製CMC)を得た。さら
に、90%メタノール含水液700kgに、濾過した精
製CMCを加え攪拌した。脱塩洗浄した後、濾過にて
脱溶液を行い、食塩量0.1%を含むハイグレードの精
製CMC(ハイグレード精製CMC)42kgを得
た。
【0031】〔CMCの製造B〕エーテル化度(DS)
が1.50のCMCを合成し、これを用いた。それ以外
は、上記CMCの製造Aと同様の条件にて粗製CMC
′、精製CMC′、ハイグレード精製CMC′を
得た。
【0032】〔CMCの製造C〕エーテル化度(DS)
が2.30のCMCを合成し、これを用いた。それ以外
は、上記CMCの製造Aと同様の条件にて粗製CMC
″、精製CMC″、ハイグレード精製CMC″を
得た。
【0033】なお、上記エーテル化度は、つぎのように
して求めた。すなわち、75℃で3時間真空乾燥した試
料(CMC)約1.0gを精秤し、るつぼ中で灰化し
た。ついで、これを冷却した後、温水中で灰化物を溶出
し、N/10−硫酸50〜80mlを加えて酸性にして
煮沸冷却した。そして、過剰の酸をN/10−水酸化ナ
トリウムで逆滴定し、灰分中のアルカリ中和に消費され
た硫酸量よりエーテル化度を求めた。
【0034】
【実施例1〜10】上記CMCの製造A〜Cにより合成
された粗製CMC、精製CMC,′,″、ハイ
グレード精製CMCを用い、下記の表1に示すアルコ
ールおよび水を同表に示す割合となるよう混合してCM
Cスラリーを調製した。このように調製したCMCスラ
リーを用い、図1に示す乾燥機に投入する(CMCスラ
リーの投入温度は30℃)とともに、不活性ガスを供給
して、前記乾燥方法に従い噴霧乾燥を行った。この際、
不活性ガスによる熱風を、チャンバー3内に供給して、
サイクロン状の熱風流を生じさせて霧化したCMCスラ
リーをチャンバー3内で乾燥させた。そして、乾燥CM
Cをチャンバー3内の下部にある捕集機8に捕集した。
図1に示す回転円盤5の直径は8cmであり、チャンバ
ー3内は弱減圧状態の740mmHgであった。なお、
上記乾燥方法における条件を下記の表2に示した。
【0035】
【実施例11〜14】上記CMCの製造A〜Cにより合
成された粗製CMC′,″、精製CMC″、ハイ
グレード精製CMC′を用い、下記の表1に示すアル
コールおよび水を同表に示す割合となるよう混合してC
MCスラリーを調製した。このように調製したCMCス
ラリーを用い、図2に示す乾燥機に投入する(CMCス
ラリーの投入温度は30℃)とともに、不活性ガスを供
給して、前記乾燥方法に従い、噴霧用のノズル13から
CMCスラリーを霧化してチャンバー3内に供給し、噴
霧乾燥を行った。この際、不活性ガスによる熱風を、チ
ャンバー3内に供給して、サイクロン状の熱風流を生じ
させて霧化したCMCスラリーをチャンバー3内で乾燥
させた。そして、乾燥CMCをチャンバー3内の下部に
ある捕集機8に捕集した。チャンバー3内は弱減圧状態
の680mmHgであった。なお、上記乾燥方法におけ
る条件を下記の表2に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【比較例1〜3】上記CMCの製造A〜Cにより合成さ
れた粗製CMC、精製CMC′、ハイグレード精製
CMC″をそれぞれ用い(下記の表3に示すCM
C)、このCMCを、直接、棚式加熱乾燥機で温度10
0℃雰囲気下、120分間の静置乾燥を行った。水分乾
燥時に、一部のCMCが溶融し塊状物に固化したため、
乾燥後、ハンマー式粉砕機(スクリーン直径0.5m
m)で解砕して粉砕した。このように、通常、一般に行
われている方法によりCMC製品を得た。
【0039】
【表3】
【0040】このようにして得られたCMCの性状を分
析した。CMCの粒度分布は、コールターカウンター
(コールターカウンター社製)で測定し、全体の80%
以上の粉末が分布する粒度領域(実施例品)もしくは全
体の50%以上の粉末が分布する粒度領域(比較例
品)、および粒径20μm以下の微粉の含有量を後記の
表4および表5に示す。さらに、CMC粉の発塵性およ
び溶解性を目視により下記に従って評価した。また、C
MC粉の溶解速度を測定した。その結果を後記の表6に
併せて示す。
【0041】〔CMC粉の発塵性〕CMC試料を100
mlスクリュー管に1/2容量入れ、これを上下に攪拌
した。その結果、微粉の埃立ちがなかったものを○、微
粉の埃立ちが多かったものを×として表示した。
【0042】〔CMC粉の溶解性および溶解速度〕10
00mlビーカーに水800mlを入れ、この中にCM
C試料を8g(1%濃度)加えた。その結果、すぐに分
散状となり水溶解が素早く行えたものを○、すぐに継粉
状の塊が形成され、水溶解に長時間を要したものを×と
して表示した。また、軽く攪拌して、CMC試料が完全
に溶解するまでの時間を測定した。
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】上記表4〜6の結果から、比較例品はCM
Cの分布領域において、全体の50%以上が粒径32〜
85μmの範囲内であり、かつ粒径20μm以下の微粉
の含有割合が全体の10%以上である。これに対して、
実施例品は、CMCの分布領域において、全体の80%
以上が粒径70〜200μmの範囲内であり、かつ粒径
20μm以下の微粉の含有割合が全体の1.7%以下で
ある。このことから、実施例品は、粒径の小さなものが
少なく、しかも粒径のばらつきの少ない均一なCMC粉
末が得られたことがわかる。さらに、実施例品では、発
塵性および溶解性の双方において良好な評価結果が得ら
れた。また、水に対する溶解速度も、比較例品に比べて
非常に速いものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCMCの造粒乾燥方法に用いられる装
置を示す断面図である。
【図2】本発明のCMCの造粒乾燥方法に用いられる装
置の他の例を示す断面図である。
【図3】コールターカウンターによって測定されたCM
C粉末の粒径分布状態を示すチャート図である。
【符号の説明】
3 チャンバー 5 回転円盤 8 捕集機 13 ノズル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシメチルセルロースエーテルア
    ルカリ塩の溶剤−水含有スラリーを噴霧乾燥して造粒化
    する方法であって、上記噴霧乾燥を、不活性ガスおよび
    空気の少なくとも一方の雰囲気下において、上記スラリ
    ーを回転円盤上に流下させて霧化させるか、もしくはノ
    ズルから噴霧して霧化させることにより行うことを特徴
    とするカルボキシメチルセルロースエーテルアルカリ塩
    の造粒乾燥方法。
  2. 【請求項2】 上記カルボキシメチルセルロースエーテ
    ルアルカリ塩の溶剤−水含有スラリー中のカルボキシメ
    チルセルロースエーテルアルカリ塩の含有量が、5〜7
    0重量%である請求項1記載のカルボキシメチルセルロ
    ースエーテルアルカリ塩の造粒乾燥方法。
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