WO2014103828A1 - 水溶性大豆多糖類 - Google Patents

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Abstract

 【課題】従来の水溶性大豆多糖類よりも溶解性が向上し、さらに溶解時の起泡抑制及び発生した泡の消泡性が向上する水溶性大豆多糖類を提供することを目的とした。 【解決手段】粉体のメジアン径が60μm以上、且つゲル濾過HPLC測定による分子量分布において分子量が3~7万の画分の比率が18%未満である水溶性大豆多糖類が、乳化剤等の食品添加物を使用せずに、従来の水溶性大豆多糖類より溶解性が向上し、さらに溶解時の起泡性を抑制し、発生した泡の消泡性が向上する。

Description

水溶性大豆多糖類
 本発明は、水溶性大豆多糖類に関するものである。
 水溶性大豆多糖類は、大豆または大豆処理物を原料としてアルカリ性域あるいは弱酸性域で加熱抽出され、多くは精製や殺菌等を経て最後に乾燥して粉体製品となる。水溶性大豆多糖類は、酸性乳飲料を安定化させたり、麺や米飯のほぐれ性向上などの品質改良剤として使用されている(特許文献1,2)。
 この水溶性大豆多糖類を使用するときは、水溶性大豆多糖類自身が持つ機能、特性を発揮するために、通常は製品粉体を一旦水に溶解するが、溶解性や消泡性が良いものではない。すなわち、水溶性多糖類の多くは、水に添加し溶解させる場合、いわゆる「ままこ」(粉末原料を水に添加した場合、粉体自体が水中に分散しながら溶解するよりも、粉体が水との接触面だけで水和する方が早い場合に、水との接触面のみが水和して生じる粗大な粒子であり、中に溶解していない粉末が残っている。)が発生して溶解し難いといった問題と、増粘性や表面張力保持能を有するため、気泡が発生し易く、過度の場合、水溶液よりも気泡の体積の方が大きくなって消泡の必要がある。また、発生した気泡中に「ままこ」が残存した場合、この「ままこ」を溶解させることは非常に困難である。これに対して従来より減圧下で撹拌する方法や、水温を上昇させるか溶解時に加温する方法、あるいは遠心脱泡型の溶解機を使用する方法等があるが、何れも相応の設備を要する。
 一方、水溶性大豆多糖類に油脂類あるいは、水溶性多糖類と乳化剤の混合液をバインダー液として用いて水溶性多糖類の粉体を造粒したとき、当該造粒物は水への溶解性が改善され、さらに溶解時の起泡性が抑制され、作業性に優れた水溶性多糖類を製造する方法が開示されているが、濁度の上昇や、造粒工程の付加や乳化剤のコスト高に加え、食品としてのイメージから、これら乳化剤等の食品添加物を使用しない食品素材を製造する上で採用されることが少ない(特許文献3)。
 一方、起泡を抑制する方法として、製造途中の水溶性多糖類の抽出液を蛋白分解酵素で処理して凝集物を生成させ除去後に精製処理する方法が例示されているが、溶解性や消泡性を謳った方法ではない(特許文献4)。
 さらに、溶解性向上や溶解時の起泡抑制に関する技術知見は多いが、起泡を抑制するも、僅かでも一旦発生した泡においては消えにくい場合が多く、消泡性も兼ね備える技術知見は少ない。
 このように水溶性大豆多糖類を使用するにあたって、食品添加剤等を使用しない中で、作業性の面から更なる改良が望まれていた。
特開平5-262802号公報 特許第3207264号公報 特許第3186737号公報 特許第3331870号公報
 本発明の目的は、従来の水溶性大豆多糖類よりも溶解性が向上し、さらに溶解時の起泡抑制及び発生した泡の消泡性が向上する水溶性大豆多糖類を提供することにある。
 本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、粉体のメジアン径が60μm以上、かつゲル濾過HPLCによる分子量分布において分子量が3~7万の画分が18%未満である水溶性大豆多糖類が、乳化剤等の食品添加物を使用せずに、従来の水溶性大豆多糖類より溶解性が向上し、さらに溶解時の起泡性を抑制し、発生した泡の消泡性が向上することを見出し、本発明を完成させた。 
 即ち本発明は、
(1)粉体のメジアン径が60μm以上、且つゲル濾過HPLC測定による分子量分布において分子量が3~7万の画分の比率が18%未満である水溶性大豆多糖類。
(2)ゲル濾過HPLC測定による分子量分布において分子量が3~7万の画分が14%以下である、(1)記載の水溶性大豆多糖類。
(3)噴霧乾燥品である、(1)または(2)記載の水溶性大豆多糖類。
 である。
 本発明により、従来の水溶性大豆多糖類より溶解性が向上し、さらに溶解時の起泡性を抑制し、発生した泡の消泡性が向上するため、作業性を改善することができ、水溶性大豆多糖類を使用する際の生産性は著しく向上する。
(水溶性大豆多糖類)
 本発明の水溶性大豆多糖類は、粉体のメジアン径が60μm以上、かつゲル濾過HPLCによる分子量分布において分子量が3~7万の画分が18%未満という特徴を有する。
(水溶性大豆多糖類の原料)
 本発明の水溶性大豆多糖類の大豆原料として、子葉由来のものが好ましく、豆腐や分離大豆蛋白などを生産する場合に副産物として生じるオカラを利用することが好ましい。含脂オカラを使用する場合には、含有される油分の加熱による酸化に起因する風味劣化が起こる場合がある点から、脱脂大豆から得られたオカラを使用するのが好ましく、分離大豆蛋白を製造する工程で副産物として生じるオカラを使用することが最も好ましい。
(水溶性大豆多糖類の製造方法)
 本発明の水溶性大豆多糖類の製造方法の一例を示せば、分離大豆蛋白を製造する工程で得られたオカラを原料として、アルカリ性域乃至弱酸性域の条件下、好ましくはpHが3~7、より好ましくは蛋白質の等電点付近のpH4~6で、加熱抽出温度として、好ましくは80℃以上140℃以下、より好ましくは100℃を超え130℃以下にて加熱分解し、遠心分離等の方法で水溶性画分を分画することにより水溶性大豆多糖類の抽出液を得る。この抽出液を、例えば活性炭処理,樹脂吸着処理,エタノール沈澱処理,限外ろ過膜処理等の方法を用いて、分子量が3~7万の画分を18%未満に低減し、これを噴霧乾燥することにより本発明の水溶性大豆多糖類が得られる。
(分子量3~7万の画分の除去)
 オカラ等の原料を加熱抽出して得られた水溶性大豆多糖類は、分子量が7万以下の画分の低減処理がされる。このようにして低減処理された水溶性大豆多糖類は、分子量3~7万の画分が18%未満、好ましくは14%以下に低減する。分子量が3~7万の画分を18%未満にすることで、水溶性大豆多糖類の水溶液を調製する際、従来と比べて発生する泡を少なくし、さらに発生した泡も短時間で消失することができる。
 分子量3~7万の画分を18%未満に低減する方法として、種々の分子量分画する方法が挙げられる。分子量分画する方法として、活性炭処理,樹脂吸着処理,エタノール沈澱処理,限外ろ過処理等が例示できる。
 例えば、限外ろ過膜処理の場合、分画分子量が好ましくは7~20万の限外ろ過膜を用いて限外ろ過処理する。処理液の濃縮度合は、好ましくは1.5倍以上である。
(殺菌)
 水溶性大豆多糖類は殺菌処理することが好ましい。殺菌はいずれの方法によっても可能であり、UHTのような高温殺菌、レトルト殺菌、電磁波殺菌、高温真空殺菌、オゾン殺菌、電界水殺菌、間接加熱殺菌等が例示できる。
(乾燥)
 得られた水溶性大豆多糖類は乾燥するのが好ましい。乾燥方法として、公知の方法を用いることができ、凍結乾燥法、噴霧乾燥法、棚段式乾燥法、ドラム乾燥法、ベルト乾燥法、流動層乾燥法、マイクロウェーブ乾燥法などが例示できる。この中でも噴霧乾燥法が好ましく、噴霧乾燥方法として、アトマイザータイプや高圧ノズルタイプ等を用いることができる。乾燥後の水分は、保存性の観点から10重量%以下が望ましい。
(メジアン径)
 本発明の水溶性大豆多糖類の粉体のメジアン径は60μm以上である。60μm以上とすることで水系への溶解性を向上させることができる。
 粉体のメジアン径を60μm以上とする方法として、例えば噴霧乾燥においては、噴霧圧力,ノズル口径等を適切な条件に調整することにより得られる。噴霧圧力は通常100~300kg/cm2、好ましくは100~150kg/cm2であり、圧力を低くするとメジアン径は大きくなる方向にいく。また、ノズル口径は大きくするとメジアン径は大きくなる方向にいく。
 このようにして得られた本発明の水溶性大豆多糖類は、粉体のメジアン径が60μm以上、かつ分子量3~7万の画分が18%未満である特徴を有し、従来の一般的な水溶性大豆多糖類(粉体のメジアン径が45μm以下、分子量3~7万の画分が18%以上)とは異なる。このような従来にない特徴を有する本発明の水溶性大豆多糖類は、容易に溶解できる上に、溶解時の起泡が著しく抑制され、発生した泡の消泡性の効果も大きい。
 従って、本発明の水溶性大豆多糖類は溶解性,消泡性等の作業性が向上するため、水溶性大豆多糖類を使用する際の生産性は著しく向上する。
(用途)
 本発明の水溶性大豆多糖類は、食品用途や非食品用途として利用できる。食品用途としては、乳化香料等の乳化組成物に分散安定剤あるいは乳化剤として用いることができ、小麦粉製品や米飯、麺類には老化防止剤、ほぐれ剤等としても用いることができ、また、飲料一般に用いることができる。また非食品用途としては、化粧品、医薬品、医薬部外品、化成品、インク、塗料、繊維、樹脂、石油製品などにも用いることができる。
 本発明でいうメジアン径と分子量分布の測定方法は以下の通りである。
○メジアン径
 レーザ回折式粒度分布測定装置(島津SALD-2200)により、イソプロピルアルコールを溶媒として測定し、相対粒子量が50%の粒子径をメジアン径とする。
○分子量測定と分子量3~7万の画分の比率
 標準プルラン(昭和電工(株))を用い、ゲルろ過HPLC(東ソーG5000PWXL(φ7.2mm×30cm)、溶離液:pH6.8 ,0.1Mリン酸緩衝液、カラム温度:40℃、流速:0.6ml/min、検出:RI)の保持時間から標準曲線を作成し、試料の保持時間から分子量分布を測定する。検体試料は溶離液に1重量%濃度で溶解させ、孔径が0.45μmのフィルターで濾過した後にカラムに供した。分子量3~7万の画分のピークエリアの全体のピークエリアに対する面積比を算出し、これを分子量分布における分子量3~7万の画分の比率(%)とする。
 水溶性大豆多糖類の溶解性、起泡性、起泡抑制、消泡性の評価方法は以下の通りである。
○溶解性
 溶解性は、水への溶解率(百分率)により評価する。ビーカーに20℃の水980gを入れ、プロペラ撹拌しながら2重量%となるように粉体20gを投入し、5分後にろ紙(アドバンテック、No.2ろ紙)で濾過した溶液の固形分を測定する。溶解率は、次の式により求める。
 
 溶解率(%)=ろ過後の溶液濃度(%)÷2×100(%)
 
 この数値が100%の場合、完全溶解していることを表し、100%に近いほど溶解性が高いと言える。
○起泡性と起泡抑制
 起泡性は、起泡倍率(百分率)により評価する。ビーカーに20℃の水980gを入れ、ホモミキサーで強制撹拌しながら粉体20gを投入し、5分間撹拌を続ける。撹拌停止して5分後に、底面から泡面までの高さを測定する。起泡倍率は、次の式により求める。
 
 起泡倍率(%)=泡面までの高さ(cm)÷水980gの液面までの高さ(cm)×100(%)
 
 この数値が100%の場合、全く起泡していないことを表し、100%を超えるほど起泡性が高いと言える。
 一方、起泡抑制とは、撹拌5分後の起泡倍率であって、これが100%に近いほど抑制力があると言える。
○消泡性
 消泡性は、消泡率(百分率)により評価する。ビーカーに20℃の水980gを入れ、ホモミキサーで強制撹拌しながら粉体20gを投入し、5分間撹拌を続ける。撹拌停止して5分後と30分後に、泡層の厚みを測定する。撹拌停止して5分後から30分後までの泡層の減少割合を消泡率として表し、次の式により求める。
 
 消泡率(%)=100%-(30分後の泡層の厚み(cm)÷5分後の泡層の厚み(cm))×100(%)
 
 この数値が100%の場合、完全消泡していることを表し、100%に近いほど消泡性が高いと言える。
 以下に実施例を記載する。
(実施例1、比較例1)
 分離大豆蛋白製造工程において得られた生オカラに3倍量の水を加え、塩酸にてpH4.5に調整し、120℃、1.5時間加熱抽出した。加熱抽出スラリーを遠心分離(10000×g、30分間)して上清液部分を回収し、限外ろ過膜(ダイセン・メンブレン・システムズUF膜モジュール)を用いて限外ろ過して2倍濃縮し、分子量3~7万の低分子画分の比率が13.5%の濃縮液得た。濃縮液をノズル口径と噴霧圧力を調整して噴霧乾燥し、粉体のメジアン径が65μm(実施例1)と50μm(比較例1)の水溶性大豆多糖類を得た。
(実施例2、比較例2)
 実施例1と同様に上清液を得た後、限外ろ過膜(ダイセン・メンブレン・システムズUF膜モジュール)を用いて限外ろ過して1.5倍濃縮し、分子量3~7万の低分子画分の比率が17.8%の濃縮液を得た。濃縮液をノズル口径と噴霧圧力を調整して噴霧乾燥し、粉体のメジアン径が60μm(実施例2)と45μm(比較例2)の水溶性大豆多糖類を得た。
(比較例3、比較例4)
実施例1と同様に上清液を得た後、限外ろ過膜(ダイセン・メンブレン・システムズUF膜モジュール)を用いて限外ろ過して1.1倍濃縮し、分子量3~7万の低分子画分の比率が19.3%の濃縮液を得た。濃縮液をノズル口径と噴霧圧力を調整して噴霧乾燥し、粉体のメジアン径が70μm(比較例3)と45μm(比較例4)の水溶性大豆多糖類を得た。
(比較例5)
 実施例1と同様に上清液を得た後、上清液をノズル口径と噴霧圧力を調整して噴霧乾燥し、粉体のメジアン径が40μm(比較例5)の水溶性大豆多糖類を得た。
 実施例1~2、比較例1~5で得られた水溶性大豆多糖類の粉体メジアン径、分子量3~7万の画分の比率、水分量、粗蛋白量、粗灰分量について分析した結果を表1に示した。また、各水溶性大豆多糖類の溶解率を表2に、起泡性及び消泡性の結果を表3及び表4に示した。
 なお、粗たん白量は、試料中の全窒素量をケルダール法により求めて係数6.25を乗じ、試料に対する百分率として測定し乾物中存在率で表した。また、粗灰分量は、試料を600℃で完全に灰化したときの残渣の試料に対する百分率として測定し乾物中存在率で表した。
(表1)メジアン径と分子量3~7万の低分子画分の比率が異なる水溶性大豆多糖類
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
(表2)溶解性
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000002
 実施例1,実施例2及び比較例3において、分子量画分の比率に関わらず、メジアン径を大きくすると水への溶解性が向上することが確認できた。また、メジアン径が小さい比較例2や4、従来の水溶性大豆多糖類である比較例5は溶解性が悪かった。従って、メジアン径が60μm以上の水溶性大豆多糖類は従来の水溶性大豆多糖類よりも容易に水への溶解が出来ることが分かった。
(表3)起泡性及び消泡性(メジアン径が60μm以上区)
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000003

(表4)起泡性及び消泡性(メジアン径が60μm未満区)
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000004
 実施例1,実施例2,比較例1及び比較例2において、分子量3~7万の画分の比率が小さくなると、溶解において起泡しにくく、加えて消泡性も良いことが確認できた。分子量3~7万の画分の比率が比較例2よりも高い、比較例4や、従来の水溶性大豆多糖類である比較例5は起泡性、消泡性とも悪い結果となった。従って、分子量3~7万の画分が18%未満、好ましくは14%以下の水溶性大豆多糖類は、従来の水溶性大豆多糖類よりも起泡しにくく、発生した泡の消泡性も優れていることがわかった。
 総合評価を以下の表5に示した。
(表5)総合評価
Figure JPOXMLDOC01-appb-I000005

(溶解性の評価)
◎:溶解率90%以上で容易に溶解する
○:溶解率80%以上90%未満で時間を掛けると比較的容易に溶解する
△:溶解率50%以上80%未満で、時間を掛けて溶解する
×:溶解率50%未満で、ほとんど溶解しない

(起泡性の評価)
◎:起泡倍率110%未満で、起泡がほとんどない
○:起泡倍率110%以上~130%未満で、起泡するが少ない
△:起泡倍率130%以上~150%未満で、起泡するが、液層には泡が存在しない
×:起泡倍率150%以上で、かなり起泡し、液層にも泡が存在している

(消泡性の評価)
◎:消泡率90%以上で容易に消泡する
○:消泡率80%以上90%未満で時間を掛けると比較的容易に消泡する
△:消泡率80%未満で、時間を掛けて消泡する
×:消泡率50%未満で、ほとんど溶解しない

(総合評価)
○:溶解性と泡制御の面で改善できている
△:溶解性と泡制御の面で、いずれかが改善できている
×:溶解性と泡制御の面で、いずれも改善できていない
 表5より、粉体のメジアン径が60μm以上、かつHPLCによるゲル濾過の分子量が3~7万の画分が18%未満である水溶性大豆多糖類が、容易に溶解できる上に、起泡しにくく、消泡性も優れるという性質を有しており、従来の水溶性大豆多糖類と比較して作業性が向上することがわかった。

Claims (8)

  1. 粉体のメジアン径が60μm以上、且つゲル濾過HPLC測定による分子量分布において分子量が3~7万の画分の比率が18%未満である水溶性大豆多糖類。
  2. ゲル濾過HPLC測定による分子量分布において分子量が3~7万の画分が14%以下である、請求項1記載の水溶性大豆多糖類。
  3. 噴霧乾燥品である、請求項1または2記載の水溶性大豆多糖類。
  4. 大豆原料をアルカリ性域乃至弱酸性域で、80℃以上140℃以下で加熱分解し、水溶性画分を分画することにより得られる水溶性大豆多糖類の抽出液を、分子量分画し、分子量3~7万の画分を18%未満に低減し、これを噴霧乾燥することを特徴とする、粉体のメジアン径が60μm以上、且つゲル濾過HPLC測定による分子量分布において分子量が3~7万の画分の比率が18%未満である水溶性大豆多糖類の製造方法。
  5. 活性炭処理,樹脂吸着処理,エタノール沈殿処理,限外ろ過膜処理から選択される方法で分子量分画する、請求項4記載の水溶性大豆多糖類の製造方法。
  6. 分子量分画する方法が、限外ろ過膜処理である、請求項5記載の水溶性大豆多糖類の製造方法。
  7. 限外ろ過膜処理が、分画分子量が7~20万の限外ろ過膜を用いるものである、請求項6記載の水溶性大豆多糖類の製造方法。
  8. ゲル濾過HPLC測定による分子量分布において分子量が3~7万の画分が14%以下である、請求項4記載の水溶性大豆多糖類の製造方法。
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