JP6955216B2 - 起泡性調味料 - Google Patents

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Description

本発明は、起泡性調味料に関する。
醤油等の液体調味料を食材等にかける場合、食材の一部分にたまってしまい食材に均一にふりかけることができない場合がある。
そこで、液体調味料を泡状にすることで食材に均一に添加する技術が開示されている。
例えば、特許文献1では、発酵セルロース複合体、大豆多糖類等の多糖類、並びに起泡剤を含有し、食塩含量が2重量%以上かつ、pHが5以下の気泡含有調味料に関する技術が開示されている(特許文献1)。また、液体調味料と、液体調味料に溶解する起泡剤と、キラヤ抽出物を含有する起泡性調味料に関する技術が開示されている(特許文献2)。また、有機酸含有液状飲食品に、(A)大豆多糖類、(B)ゼラチン、コラーゲンペプチドまたはガム類を配合した液状飲食品組成物を起泡させた泡状飲食品に関する技術が開示されている(特許文献3)。
特開2013−252127号公報 特開2012−223186号公報 特開2015−112031号公報
しかしながら、特許文献1〜3の技術は、起泡力や泡の安定性について十分に満足できるものではなく、さらなる改良の要望がある。
本発明は、起泡力、泡の安定性に優れる起泡性調味料を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題の解決に対し、様々な素材で鋭意検討を行った。その結果、水溶性多糖類とタンパク質が重要であることがわかった。そこで、種々の水溶性多糖類やタンパク質を調味料に添加して起泡性や泡の安定性をみたが十分な効果は得られなかった。さらに検討を進める中で、単に水溶性多糖類とタンパク質を添加するのではなく、水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物を添加することが重要であることがわかった。すなわち、水溶性多糖類とタンパク質を酸性下で加熱することにより得られる、水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物を調味料に添加することで、起泡性や泡の安定性が非常に良好になることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)液体調味料及び、水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物を含有することを特徴とする起泡性調味料、
但し、該水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物は、構成糖としてウロン酸を含む水溶性多糖類を、タンパク質の存在下において、pH2〜5かつ80℃以上180℃以下で加熱されたものである、
(2)前記水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物は、構成糖としてウロン酸を含む水溶性多糖類を、タンパク質の存在下において、pH2.5〜3.5かつ110℃以上140℃以下で加熱されたものである、(1)に記載の起泡性調味料、
(3)前記水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物中の水溶性多糖類とタンパク質との比率が質量基準で10:1〜1:100である、(1)に記載の起泡性調味料、
(4)前記水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物中の水溶性多糖類とタンパク質との比率が質量基準で10:1〜1:100である、(2)に記載の起泡性調味料、
(5)前記水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物中の水溶性多糖類とタンパク質との比率が質量基準で3:1〜1:4である、(1)に記載の起泡性調味料、
(6)前記水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物中の水溶性多糖類とタンパク質との比率が質量基準で3:1〜1:4である、(2)に記載の起泡性調味料、
(7)前記水溶性多糖類がエンドウ種子または大豆由来である、(1)〜(6)何れか1つに記載の起泡性調味料、
(8)水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物が起泡性調味料に対して0.001〜10質量%含有する、請求項1〜7何れか1つに記載の起泡性調味料、
である。
また、換言すれば、
(11)液体調味料及び、水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物を含有することを特徴とする起泡性調味料。
但し、該水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物は、構成糖としてウロン酸を含む水溶性多糖類を、タンパク質の存在下において、pH2〜5かつ80℃以上180℃以下で加熱されたものである、
(12)前記水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物中の水溶性多糖類とタンパク質との比率が質量基準で10:1〜1:100である、(11)に記載の起泡性調味料、
(13)前記水溶性多糖類がエンドウ種子または大豆由来である、(11)または(12)に記載の起泡性調味料、
(14)水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物が起泡性調味料に対して0.001〜10質量%含有する、(11)〜(13)何れか1つに記載の起泡性調味料、
である。
本発明により、起泡性、泡の安定性が良好な起泡性調味料を提供することができる。
(起泡性調味料)
本発明の起泡性調味料は、液体調味料及び、水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物を含有することを特徴とする。液体調味料としては、醤油、ポン酢、たれ、つゆ、ドレッシング等が挙げられる。
本実施形態に係る水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物を起泡性調味料に添加することにより、例えば、ポンプ式のディスペンサー等で起泡性調味料を吐出した場合、起泡性調味料の起泡力が優れ、生成した泡を安定化することができる。
本実施形態に係る水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物の、起泡性調味料中の含有量は、好ましくは、0.001〜10質量%とすることができ、より好ましくは0.01〜5質量%である。0.001〜10質量%とすることにより、より高い泡安定化効果を得ることができる。本実施形態に係る水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物は、少ない添加量であっても高い泡安定化効果を奏する。
本発明においては、水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物を用いることが重要である。例えば、単に水溶性多糖類とタンパク質を添加して調製した起泡性調味料では、起泡性や泡の安定化効果が十分に得られない。
本発明の起泡性調味料は、醤油、ポン酢、たれ、つゆ、ドレッシング等の液体調味料に本発明の水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物を添加し混合することにより調製することができる。該水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物を溶液の状態で液体調味料に添加して調製することもできるし、粉体を液体調味料に添加し、溶解混合して調製することもできる。
本発明の起泡性調味料の効果が発揮できるpHは概ねpH2〜6であり、好ましくはpH3〜5である。
(水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物)
本実施形態に係る水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物は、水溶性多糖類をタンパク質の存在下で加熱処理することにより、得ることができる。該加熱混合物の製造は、多糖類源からの多糖類の加熱抽出工程と、多糖類とタンパク質との加熱混合物を得るための加熱工程を同時に行う、すなわち多糖類源からの多糖類の抽出を、タンパク質の存在下で加熱することによって実施してもよく、予め原料から抽出された多糖類及びタンパク質を混合し、加熱処理することによって実施してもよい。
加熱混合物を得る方法は水の存在下で行うことが好ましく、水溶液中で行うことがより好ましい。加熱時の水溶液中の多糖類の濃度は、0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることが好ましい。また、加熱時の水溶液中のタンパク質の濃度は、0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることが好ましい。
水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物は、具体的には例えば以下の方法により得ることができる。水系下に多糖類及びタンパク質を懸濁し、懸濁液をpH2〜5、好ましくはpH2.5〜3.5に調整する。pH調整の際に使用する酸は、塩酸、リン酸、硫酸、乳酸、クエン酸、酢酸、シュウ酸等、食品工業で使用可能な酸が特に制限なく使用できる。pH調整後、80℃以上180℃以下の温度で、加熱処理を行う。これにより、水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物を含む液を得ることができる。加熱温度は好ましくは100〜160℃、より好ましくは110〜140℃である。加熱温度が80℃以上であることにより、該加熱混合物をより短時間で効率よく得ることができる。また180℃以下であることにより、複合化反応中の多糖類及びタンパク質の過剰な分解を抑制することができる。加熱時間は概ね1〜180分間であるが、原料の状態や温度等により、任意に調整することができる。
加熱処理後、ろ過・遠心分離等の常法により、懸濁液中の固形分を分離除去してもよい。固形分の除去を行わなくとも、起泡性や泡安定効果への影響はないが、固形分を分離して除去することで調味料に添加した際のザラツキの防止や外観をより良好なものとすることができるため、より好ましい。また、外観をさらに良好にするために、懸濁液中の澱粉を分解又は除去してもよい。澱粉の分解はアミラーゼを用いて行うことができる。澱粉の除去は、例えば、冷却又は乳化剤添加による凝集により生じた沈殿物を除去することにより行うことができる。
得られた水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物を含む液に対し、必要に応じて、中和・脱塩、疎水性物質又は低分子物質の除去等の精製処理を行ってもよい。精製処理の方法として、活性炭処理、樹脂吸着処理、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等の極性溶媒を用いて行う再沈殿法、限外ろ過法、逆浸透法、ゲルろ過法、透析法、イオン交換樹脂法、電気透析法、イオン交換膜法等が例示でき、これらの方法の1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、極性溶媒を用いる再沈殿法、限外ろ過、逆浸透法、ゲルろ過法又は透析法を用いると、種々の低分子をも取り除くことができるため好ましい。脱塩精製処理を行う場合には、処理後の液中の灰分が10質量%以下となるように処理することが好ましい。
得られた水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物を含む液は、そのまま起泡性調味料の製造に用いてもよく、常法により乾燥させたものを用いてもよい。
水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物における水溶性多糖類とタンパク質との比率は、質量基準で10:1〜1:100であることが好ましい。比率が上記範囲内であることにより、きめ細かい泡を発生・保持する効果を高めることができる。水溶性多糖類とタンパク質との比率は、質量基準で5:1〜1:10であることがより好ましく、3:1〜1:4であることが更に好ましい。また、多糖類源として抽出前の原料を直接加熱処理に用いる場合には、得られる加熱混合物における水溶性多糖類とタンパク質との比率が上記範囲内となるように多糖類源及びタンパク質量を調整すればよい。
本実施形態に係る水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物の分子量は、分子量12000以上の画分が30質量%以下、かつ分子量500以上12000未満の画分が30質量%以上であり、より好ましくは分子量12000以上の画分が25質量%以下、かつ分子量500以上12000未満の画分が40質量%以上である。
加熱混合物中の分子量500以上12000未満の画分は、100質量%であってもよく、80質量%以下、60質量%以下又は50質量%以下であってもよい。加熱混合物中の分子量12000以上の画分は、0質量%であってもよく、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上又は20質量%以上であってもよい。加熱混合物中の分子量500未満の画分は、0質量%以上70質量未満%であり、0質量%以上60質量%未満であることが好ましく、0質量%以上40質量%未満であることがより好ましい。分子量500未満の画分は、20質量%以上40質量%未満であってもよく、30質量%以上40質量%未満であってもよい。
加熱混合物の分子量分布は、ゲルろ過HPLC法を用いて測定することができる。より詳細には、例えば、複合体を20mMリン酸緩衝液に溶解して水溶液とし、0.2μmフィルターでろ過したサンプルを、ゲルろ過クロマトグラフィーカラムに通し、上記リン酸緩衝液を用いて溶出し、214nmの吸光度を測定することにより、複合体の溶出時間を特定する。分子量検量線は、例えば、シトクロムC(分子量12384)、アプロチニン(分子量6512)、ガストリンI(分子量2098)、アンジオテンシンII(分子量1046)、トリグルタミン酸(分子量405)を分子マーカーとして用いて作製し、当該検量線に基づいて複合体の分子量分布を求めることができる。
(水溶性多糖類)
本実施形態において用いられる水溶性多糖類は、構成糖としてウロン酸を含むものであればよい。水溶性多糖類は、好ましくは植物原料から抽出して得られる植物由来多糖類、又は微生物が発酵等により産生する微生物由来多糖類である。多糖類におけるウロン酸の量は、例えば0.01〜50質量%であってもよい。ウロン酸は、例えば、D−グルクロン酸、D−ガラクツロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸等である。
植物由来多糖類としては、例えば、下記に詳述する、エンドウ種子由来の水溶性エンドウ多糖類、大豆由来の水溶性大豆多糖類を用いることができる。これらの水溶性多糖類は構成糖としてウロン酸を含むことが知られている。また、構成糖としてウロン酸を含む植物由来多糖類源は、例えば、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、ガッティガム、カラヤガム、サイリウムシードガム、寒天、アルギン酸類等であってもよく、その他の植物由来のものであってもよい。ペクチンは、例えば、柑橘類由来のものであってもよく、ポテト由来、ビート由来等のものであってもよい。なお、アルギン酸類とは、アルギン酸又はその誘導体を意味する。構成糖としてウロン酸を含む微生物由来多糖類源としては、例えば、キサンタンガム、ジェランガム等が挙げられる。
上記水溶性多糖類又は多糖類源は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。構成糖としてウロン酸を含む水溶性多糖類としては、水溶性エンドウ多糖類又は水溶性大豆多糖類を用いることが好ましく、水溶性エンドウ多糖類を用いることがより好ましい。後述する水溶性多糖類及びタンパク質の加熱処理には、予め単離又は抽出された多糖類を用いてもよく、多糖類以外の成分を含む多糖類源を用いてもよい。また、多糖類とタンパク質の加熱処理と、多糖類源からの多糖類の加熱抽出とを同時に行ってもよい。
水溶性エンドウ多糖類とは、エンドウ種子から抽出して得られる水溶性の多糖類である。水溶性エンドウ多糖類は、エンドウ種子に含まれるタンパク質画分及び澱粉画分を除去して得られる繊維画分等のエンドウ種子処理物から抽出して得たものであってもよい。
エンドウ種子からの水溶性エンドウ多糖類の抽出には、水を溶媒として用いることができる。水は熱水であってもよい。抽出時のpHは3〜12であることが好ましい。pH3以上であると水溶性多糖類の加水分解を抑制することができ、pH12以下であると水溶性多糖類の脱離分解を抑制することができるため好ましい。抽出時のpHは4〜10であることがより好ましい。
水溶性エンドウ多糖類は、例えば、原料としてのエンドウ種子又はその処理物にその5〜20倍量の水を加えた後、pH3〜12に調整し、60℃以上180℃以下、好ましくは60℃以上150℃以下又は80℃以上180℃以下、より好ましくは80℃以上150℃以下、更に好ましくは80℃以上130℃以下の温度で抽出することができる。抽出温度は高いほど抽出効率が向上するため好ましく、また180℃以下であると水溶性多糖類の加水分解を抑制することができる。抽出時間は、例えば0.5〜3時間とすることができ、原料の状態、温度等により、任意に調整することができる。
得られた抽出液は、液中の不溶性繊維分を遠心分離機等により分離した後、水溶性エンドウ多糖類源として用いることができ、さらに、タンパク質の除去、澱粉の除去、脱塩、色素成分の除去等の精製処理、高温殺菌、レトルト殺菌、電磁波殺菌、高温真空殺菌、オゾン殺菌、電解水殺菌、間接加熱殺菌等の殺菌処理などを行ったものを水溶性エンドウ多糖類源として用いてもよい。澱粉の除去は、例えばアミラーゼによる分解により行うことができる。水溶性エンドウ多糖類源は、液状のまま用いてもよく、凍結乾燥、噴霧乾燥等により乾燥させて用いてもよい。
水溶性大豆多糖類とは、大豆から抽出して得られる水溶性の多糖類である。水溶性大豆多糖類は、大豆子葉由来であることが好ましい。多糖類を抽出する原料としては、豆腐、分離大豆タンパク質等を産生する場合に副生されるおからを用いることもできる。おからは脱脂大豆から得られたおからであることが好ましく、分離大豆タンパク質を製造する工程で副生するおからであることが好ましい。
水溶性大豆多糖類は、おから等の原料にその5〜20倍量の水を加えた後、pH3〜7に調整し、60℃以上180℃以下、好ましくは60℃以上150℃以下、より好ましくは80℃以上130℃以下、更に好ましくは100℃以上130℃以下の温度で抽出することができる。抽出温度が上記範囲であることにより、抽出効率を向上させ、かつ水溶性大豆多糖類の加水分解を抑制することができる。抽出時間、得られる抽出液における不溶性繊維分の分離、精製処理、殺菌処理及び乾燥は、水溶性エンドウ多糖類の抽出と同様の態様を適用することができる。
(タンパク質)
本実施形態に係る水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物の製造に用いられるタンパク質は、任意のタンパク質種であってよく、例えば、大豆タンパク質、エンドウタンパク質、卵白アルブミン、小麦グルテン、カゼイン、オーツ麦タンパク質、緑豆タンパク質、落花生タンパク質、レンズ豆タンパク質等であってよい。タンパク質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。タンパク質は、起泡性調味料の泡安定性の効果を高めることができる点で、大豆タンパク質、カゼイン、エンドウタンパク質又は卵白であることが好ましい。
以下に実施例を記載することで本発明を説明する。尚、例中の部及び%は特に断らない限り重量基準を意味するものとする。
(製造例1)
エンドウの種子50kgを脱皮した後、5倍量の水を子葉部に加えて24時間浸漬した。ホモミキサー(5,000rpm、30分間)を用いて子葉部を砕き、30%水酸化ナトリウム溶液を用いてpH9を保持しながらタンパク質及び澱粉を抽出した。遠心ろ過機(1,000rpm、5分間)を用いて水に分散しているタンパク質、澱粉等の成分を除
去し、繊維質を回収した。さらに、繊維質に5倍量の水を加えてホモミキサー(3,000rpm、30分間)で攪拌し、遠心ろ過機(1,000rpm、5分間)により繊維質を回収した。この操作を繰り返して計2回行い、得られた繊維質を凍結乾燥して10kgのエンドウ種子処理物を得た。
上記エンドウ種子処理物40部及び大豆タンパク質(フジプロ−R:不二製油社製)20部を940部の水に分散し、塩酸を用いてpH3に調整した後、120℃にて90分間加熱し、水溶性多糖類の抽出及び水溶性多糖類とタンパク質との加熱処理を行った。液中の不溶性繊維を遠心分離(5,000rpm、30分間)にて除去して上清を回収し、水酸化ナトリウム水溶液にて上清をpH6に調整した後、固形分の0.1質量%に相当するアミラーゼ(Fungamyl800L:ノボザイム社製)を添加して1時間澱粉を分解した。得られた溶液を沸騰水中で15分間加熱しアミラーゼを失活させた後、凍結乾燥して粉末状の水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物Aを得た。なお、該加熱混合物の分子量12000以上の画分は22.1%、分子量500以上12000未満の画分は43.0%、分子量500未満の画分は34.9%であった。
(比較製造例1)
上記エンドウ種子処理物60部を940部の水に分散し、塩酸を用いてpH6に調整した後、120℃にて90分間加熱して多糖類を抽出した。液中の不溶性繊維を遠心分離(5,000rpm、30分間)にて除去して上清を回収した。上清を60℃に加温した後、pH6にて固形分の0.1質量%に相当するアミラーゼ(Fungamyl800L:ノボザイム社製)を添加して1時間澱粉を分解した。沸騰水中で15分間加熱しアミラーゼを失活させた後、凍結乾燥して粉末状の水溶性エンドウ多糖類Aを得た。
上記水溶性エンドウ多糖類A 30部と大豆タンパク質(フジプロ−R:不二製油社製)30部を水に溶解又は分散し、塩酸を用いてpH3に調整した後、未加熱のまま、不溶物を遠心分離(5,000rpm、30分間)にて除去して上清を回収し、アルカリにて上清をpH4.5に調整した後、凍結乾燥して粉末状の水溶性多糖類及びタンパク質を含む組成物Aを得た。なお、該組成物の分子量12000以上の画分は36.3%、分子量500以上12000未満の画分は23.0%、分子量500未満の画分は40.8%であった。
(実施例1〜2)
市販の醤油(食塩含量16%、pH4.4)または市販のポン酢(食塩含量8%、pH3.3)98重量部に、製造例1の水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物Aを 2重量部溶解させ、起泡性調味料A及びBを得た(実施例1〜2)。
(比較例1〜4)
市販の醤油(食塩含量16%、pH4.4)または市販のポン酢(食塩含量8%、pH3.3)98重量部に、比較製造例1の組成物Aを 2重量部溶解させ、それぞれ、起泡性調味料C、Dを得た(比較例1〜2)。また、無添加のものを比較例3〜4とした。
(評価)
実施例、比較例で得られた起泡性調味料をポンプ式の泡ディスペンサーに入れ、泡状の調味料を吐出した。吐出してから室温で30分間放置後の泡の状態を下記の評価基準で熟練したパネル6名が評価し、6名の合意により評価点を決定した。評価点が3点または4点の場合、起泡性調味料の品質が良好とし合格と判断した。

(評価基準)
4点:泡がきめ細かく、立体的に泡が形成されており、非常に良好である。
3点:泡がややきめ細かく、立体的に泡が形成されており、良好である。
2点:泡がやや粗く、泡の形成がやや崩れており、やや不良である。
1点:泡が粗く、泡の形成がなくなっており、不良である。
実施例1〜2、比較例1〜4について評価した結果を表1に示した。
(表1)
Figure 0006955216
表1の結果が示すように、本発明の水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物Aを添加した起泡性調味料A及びBではディスペンサーでの吐出後30分間以上にわたってきめ細かく且つ安定した泡形状を維持していた。それに対して、組成物Aを添加した起泡性調味料C及びDでは静置30分間の内に泡の合一が進み、形状を維持できなくなっていた。

Claims (4)

  1. 液体調味料及び、エンドウ種子または大豆由来の水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物を含有することを特徴とする起泡性調味料。
    但し、該エンドウ種子または大豆由来の水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物は、構成糖としてウロン酸を含む水溶性多糖類を、タンパク質の存在下において、pH2.5〜3.5かつ110℃以上140℃以下、1〜180分間で加熱されたものである。
  2. 前記エンドウ種子または大豆由来の水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物中のエンドウ種子または大豆由来の水溶性多糖類とタンパク質との比率が質量基準で10:1〜1:100である、請求項1に記載の起泡性調味料。
  3. 前記エンドウ種子または大豆由来の水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物中のエンドウ種子または大豆由来の水溶性多糖類とタンパク質との比率が質量基準で3:1〜1:4である、請求項1に記載の起泡性調味料。
  4. エンドウ種子または大豆由来の水溶性多糖類とタンパク質との加熱混合物が起泡性調味料に対して0.001〜10質量%含有する、請求項1〜3何れか1項に記載の起泡性調味料。
JP2017551356A 2016-03-30 2017-03-28 起泡性調味料 Active JP6955216B2 (ja)

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