JP6091846B2 - 気泡含有調味料 - Google Patents

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Description

本発明は気泡含有調味料に関する。具体的には、食塩含量が2質量%以上かつpHが5以下であっても起泡性及び泡保持性に優れる気泡含有調味料に関する。特には、ポンプ式の泡ディスペンサーから吐出するのみで、キメ細かな泡が形成され、経時的な離水が抑制された気泡含有調味料に関する。
本発明はまた、フライ食品等と接触させた場合であっても気泡が消滅することなく、耐油性に優れた気泡含有調味料、更には耐熱性にも優れた気泡含有調味料にも関する。
気泡含有調味料に関する技術として、醤油に乳化剤を添加してなる起泡性醤油組成物を、気体と強制的に混和し起泡させる技術(特許文献1)、乳化剤及び発泡用ガスを含有する発泡性ドレッシング(特許文献2)、液状の調味料原料を含有してなる原液と噴射剤とからなり、原液に0.05〜8.0質量%の増粘剤が溶解されていることを特徴とする発泡調味料エアゾール組成物(特許文献3)等が知られている。
また、特許文献4には水溶性セルロースエーテルを用いて気泡含有ゲル組成物を調製する技術が開示されている。
特開平02−257850号公報 特開平02−273156号公報 特開2007−110918号公報 特開2008−111013号公報
特許文献1に開示された技術は、醤油組成物及び気体を強制的に混和する必要性、具体的にはホモジナイザー、ホイップクリーム用起泡装置等による強制的混和、若しくは気体噴出部を有するノズル内での強制的混和が必要となり、汎用性が低い技術である。
また、特許文献1で用いられている技術はエチルアルコールを必須成分とするため、起泡性、泡保持性が著しく低下し、容器を振とうする、ポンプ式の泡ディスペンサーから吐出する等の簡便な手法を用いて泡状調味料を調製することは到底できない。
特許文献2に開示された技術も特許文献1と同様にして発泡用ガスを強制的に注入する必要があり使用容器に受ける制約が大きい。また、発泡用ガスの注入により強制的に気泡を形成させているにも関わらず、その泡保持性は常温で約1分間と極めて短時間しか効果を奏さないものであった。
特許文献3における技術も、プロパンガス、ブタンガス等の噴射剤と共に亜酸化窒素ガスまたは炭酸ガス等を強制的に吹き込む必要があり、振とう若しくはポンプ式の泡ディスペンサー等によって簡便に起泡させることが困難である。また、特許文献3で用いられている増粘剤、具体的にはキサンタンガム及びカラギナンを用いた場合であっても、十分に起泡及び泡保持性を付与することはできなかった。
特許文献4は、水溶性セルロースエーテルを用いて気泡ゲルを形成する技術である。本技術を用いて調製された調味料は、泡がゲル化するため食感が低下し、キメ細かで滑らかな食感を付与することができない。更に、水溶性セルロースエーテルを用いる場合は、温度管理が必要となり(20℃以下での溶解が必要)、利便性に欠けるという問題点も有していた。
一般的に、調味料の食塩含量が2質量%以上かつpHが5以下であると、強制的混和若しくは発泡性ガス等を用いることなく十分に起泡させることが困難である。更には、起泡によって生じた泡が直ぐに消失するなど十分な泡保持性を付与することができず、喫食と共に泡が消失する、離水が発生する等の課題を抱えていた。
かかる従来技術に鑑み、本発明では振とう若しくはポンプ式の泡ディスペンサー等によって簡便に起泡させることが可能であり、かつ起泡によって生じた泡の保持力にも優れた気泡含有調味料を提供することを目的とする。更には、ポンプ式の泡ディスペンサーから吐出するのみで、キメ細かな泡が形成され、経時的な離水が抑制された気泡含有調味料を提供することを目的とする。
更に、従来の気泡含有調味料は総じて耐油性に欠ける。例えば、気泡含有調味料をフライ食品等に載せると極めて容易に気泡が消滅してしまう。また、調理後や加熱後のホットな食品と接触することによって容易に気泡が消滅してしまう。かかるところ、本発明では、フライ食品等と接触させた場合であっても気泡が消滅することがなく、耐油性に優れた気泡含有調味料、更には耐熱性にも優れた気泡含有調味料を提供することもその目的とする。
本発明者らは、上記のごとき課題を解決すべく鋭意研究した結果、発酵セルロース複合体、水溶性大豆多糖類、アラビアガム及びガティガムからなる群から選択される1種以上の多糖類、並びに起泡剤を併用することで、食塩含量が2質量%以上かつpHが5以下である気泡含有調味料であっても簡便に起泡させることが可能であり、かつ泡保持性にも優れることを見出した。更には、ポンプ式の泡ディスペンサーから吐出するといった極めて簡便な工程のみで、キメ細かな泡が形成され、経時的な離水が抑制された気泡含有調味料を提供できること、更には耐油性及び耐熱性に優れる気泡含有調味料を提供できることを見出して本発明に至った。
本発明は以下の態様を有する気泡含有調味料に関する;
項1.発酵セルロース複合体、水溶性大豆多糖類、アラビアガム及びガティガムからなる群から選択される1種以上の多糖類、並びに起泡剤を含有し、食塩含量が2質量%以上かつpHが5以下である、気泡含有調味料。
項2.ポンプ式の泡ディスペンサーに充填されたものである、項1記載の気泡含有調味料。
項3.起泡剤が小麦タンパク分解物である、項1又は2に記載の気泡含有調味料。
項4.発酵セルロース複合体及び水溶性大豆多糖類を必須成分とする、項1〜3のいずれかに記載の気泡含有調味料。
項5.更に、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解レシチンからなる群から選択される1種以上を含有する、項1〜4のいずれかに記載の気泡含有調味料。
本発明により、起泡性及び泡保持性に優れた気泡含有調味料を提供することができる。
本発明の気泡含有調味料は、振とう若しくはポンプ式の泡ディスペンサー等によって簡便にキメ細かな泡を形成することができ、滑らかな食感を有する気泡含有調味料を提供できる。本発明の調味料は泡状に成形されているため、見た目にも美しく、軽い食感とすることができる。また、液状の調味料よりも食材からのダレを防止することが可能となる。
更には本発明の気泡含有調味料は耐油性に優れ、フライ食品等と接触させた場合であっても気泡を保持することが可能であり、各種食品への利用が可能である。また、本発明の気泡含有調味料は耐熱性にも優れるため、調理後や加熱後のホットな食品にも利用可能である。
ポンプ式の泡ディスペンサーの写真である。 ポンプ式泡ディスペンサーから吐出し、10分経過後の気泡含有調味料(実施例2−1)の様子を示す写真である。 ポンプ式泡ディスペンサーから吐出し、10分経過後の気泡含有調味料(実施例2−2)の様子を示す写真である。 ポンプ式泡ディスペンサーから吐出し、10分経過後の気泡含有調味料(実施例2−3)の様子を示す写真である。 ポンプ式泡ディスペンサーから吐出し、10分経過後の気泡含有調味料(実施例2−4)の様子を示す写真である。 ポンプ式泡ディスペンサーから吐出し、10分経過後の気泡含有調味料(比較例2−1)の様子を示す写真である。 実施例3−7の気泡含有調味料に消泡剤であるシリコーンを滴下して10分経過した後の写真、及び約80℃のフライ食品の上に気泡含有調味料をのせて10分経過した後の写真である。 実施例3−1の気泡含有調味料に消泡剤であるシリコーンを滴下して10分経過した後の写真、及び約80℃のフライ食品の上に気泡含有調味料をのせて10分経過した後の写真である。
本発明の気泡含有調味料は、食塩含量が2質量%以上かつpHが5以下である。
一般的に、調味料の食塩含量が2質量%以上かつpHが5以下であると、強制的混和若しくは発泡性ガス等を用いることなく十分に起泡させることが困難である。更には、起泡によって生じた泡が直ぐに消失するなど十分な泡保持性を付与することができず、喫食と共に泡が消失する、離水が発生する等の課題を抱えていたが、本発明にかかる構成をとることで、起泡性及び泡保持性に優れた気泡含有調味料を提供できる。
本発明の気泡含有調味料は食塩含量が2質量%以上かつpHが5以下であれば、その種類は特に制限されない。例えば、醤油、ドレッシング、ポン酢、たれ等をの液状調味料を例示できる。
本発明の気泡含有調味料は、発酵セルロース複合体、水溶性大豆多糖類、アラビアガム及びガティガムからなる群から選択される1種以上の多糖類、並びに起泡剤を含有することを特徴とする。
本発明で用いる発酵セルロースは、セルロース生産菌(例.アセトバクター属、シュードモナス属、アグロバクテリウム属等に属する細菌)が産生するセルロースである。
かかる発酵セルロースは、植物由来の一般的なセルロース繊維の繊維径に比べて非常に微細な繊維径を有する。一方でその繊維長は長く、純粋な結晶領域のみを取得して得られる結晶セルロースとは大きく異なる。
本発明では当該発酵セルロースと他の高分子物質との複合化体である発酵セルロース複合体を用いる。当該複合体は、発酵セルロースと他の高分子物質とから実質的になり、好ましくは発酵セルロース繊維の表面に他の高分子物質が付着している。このような複合化に使用される「他の高分子物質」は、食品に使用可能な高分子物質であれば特に限定されない。例えば、キサンタンガム、ガラクトマンナン、カルボキシメチルセルロース(CMC)とその塩、タマリンド種子ガム、ペクチン、アラビアガム、トラガントゴム、カラヤガム、ガティガム、カラギナン、寒天、アルギン酸とその塩、ジェランガム、カードラン、プルラン、大豆多糖類、サイリウムシードガム、グルコマンナン、キチン、キトサン等が挙げられる。
なかでも、好ましくは、キサンタンガム、ガラクトマンナン、並びにカルボキシメチルセルロース(CMC)またはその塩が挙げられる。ガラクトマンナンとして好ましくはグァーガムが挙げられ、CMC又はその塩として好ましくはCMCナトリウムが挙げられる。本発明では特に、グァーガムと、CMC又はその塩を用いて複合化された発酵セルロース複合体、若しくはキサンタンガムと、CMC又はその塩を用いて複合化された発酵セルロース複合体を好適に使用できる。
発酵セルロース複合体は、例えば、発酵セルロースを含有する液体(所望により、本液体が含有し得る発酵セルロース生産菌体をアルカリ処理等によって溶解することが可能である)と他の高分子物質の溶液とを混合し、その後、イソプロピルアルコール等のアルコール沈殿又はスプレードライ等によって発酵セルロース複合体を取得する方法、発酵セルロースのゲルを他の高分子物質の溶液に浸漬させる方法、又は特開平09−121787号公報に開示されている方法、具体的には、発酵セルロース産生微生物の培養において、用いる培地中に他の高分子物質を添加する方法等を用いて、発酵セルロースの複合化が可能である。なお、所望により、発酵セルロース複合体を乾燥させて、乾燥粉末を得ることができる。
かかる発酵セルロース複合体の乾燥粉末は商業上入手可能であり、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「サンアーティスト[登録商標]PG(グァーガム、CMCナトリウム及び発酵セルロースの複合体製剤)」、「サンアーティスト[登録商標]PX(キサンタンガム、CMCナトリウム及び発酵セルロースの複合体製剤)」などを例示できる。
本発明の気泡含有調味料における発酵セルロース複合体の含量は、複合体中に含まれる発酵セルロース単体としての含量が0.02〜0.3質量%、好ましくは0.04〜0.2質量%、更に好ましくは0.06〜0.2質量%の範囲内となるように添加することが望ましい。
発酵セルロース含量が上記添加量の範囲を下回ると、泡の保持効果が弱く離水する場合があり、一方で発酵セルロース含量が上記添加量の範囲を超えると粘度が高くなり、泡を形成しにくい場合がある。
水溶性大豆多糖類は、分離大豆蛋白を製造する過程で生じる水溶性食物繊維(オカラ)より抽出した水溶性大豆多糖類を使用することができる。例えば、特開平05−32701号公報に記載の方法に従って調製することができる。ガラクトース、アラビノース、ガラクツロン酸、ラムノース、キシロース、フコース、グルコースなどの糖から構成され、ラムノガラクツロン酸鎖にガラクタンとアラビナンが結合した構造が推定される。
商業上入手可能な水溶性大豆多糖類製剤として、例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「SM−700」、「SM−1200」等を例示できる。
本発明の気泡含有調味料における水溶性大豆多糖類の含量は、通常、0.2〜0.8質量%、好ましくは0.3〜0.6質量%の範囲内である。
アラビアガムはマメ科アカシア属の植物樹液の粘質物であり、通常、平均分子量が200,000〜580,000の多糖類である。ガティガムは、インド、スリランカなどに広く生育するAnogeissus Latifoliaの樹液から得られる多糖類であり、通常、平均分子量が10,000〜20,000程度である。
商業上入手可能なアラビアガム製剤として、例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「ガムアラビックSD」を、商業上入手可能なガティガム製剤として、例えば三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「ガティガムSD」を例示できる。
本発明の気泡含有調味料におけるガティガム及び/又はアラビアガムの含量は、通常、0.2〜0.8質量%、好ましくは0.3〜0.6質量%の範囲内である。
発酵セルロース複合体、水溶性大豆多糖類、アラビアガム及びガティガムからなる群から選択される1種以上の多糖類と併用して用いられる起泡剤は、各種起泡剤として用いられている素材を使用することができる。例えば、タンパク分解物(小麦タンパク、大豆タンパク、乳タンパク等のタンパク分解物)、サポニン、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤等を例示できる。好適には小麦タンパク分解物である。
気泡含有調味料における起泡剤の含量は、対象となる調味料によって適宜調整可能であるが、通常0.2〜1質量%、好ましくは0.4〜0.7質量%の範囲内である。
本発明の気泡含有調味料は、発酵セルロース複合体、水溶性大豆多糖類、アラビアガム及びガティガムからなる群から選択される1種以上の多糖類の中でも、好ましくは発酵セルロース複合体及び水溶性大豆多糖類を併用することが望ましい。
また、本発明の気泡含有調味料は、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解レシチンからなる群から選択される1種以上をさらに含有することがより望ましい。アルギン酸プロピレングリコールエステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解レシチンからなる群から選択される1種以上を含有することで、気泡含有調味料に優れた耐油性、耐熱性を付与することができる。
一般的に油は消泡作用を有するため、気泡含有調味料をフライ食品等と接触させる(載せる、絡める等)と容易に気泡が消滅してしまう。また、調理後や加熱後のホットな食品等と接触させた場合も容易に気泡が消滅してしまう。かかるところ、本発明では発酵セルロース複合体、水溶性大豆多糖類、アラビアガム及びガティガムからなる群から選択される1種以上の多糖類に加え、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解レシチンからなる群から選択される1種以上を併用することで、優れた起泡性及び泡保持性に加え、極めて耐油性、耐油性に優れた気泡含有調味料を提供できる。
なお、ショ糖脂肪酸エステルを用いる場合は、HLB値が11以上、より好ましくはHLBが15〜20のショ糖脂肪酸エステルと、HLBが3〜7、より好ましくはHLBが3〜6のショ糖脂肪酸エステルを組み合わせて用いることが望ましい。
アルギン酸プロピレングリコールエステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解レシチンからなる群から選択される1種以上は、通常、気泡含有調味料中0.01〜1質量%、好ましくは0.1〜0.4質量%である。
本発明の気泡含有調味料は、振とう若しくはポンプ式の泡ディスペンサー等によって簡便に起泡させることができるという利点を有する。特には、ポンプ式の泡ディスペンサーから吐出するのみで、キメ細かな泡を形成することができるという利点を有する。
ポンプ式の泡ディスペンサーは、図1に示すような、ポンプ式で泡を生成する非エアゾール容器であり、通常、空気注入ピストン、泡生成開口、メッシュ、ポンプ等を備えており、市販品を使用できる。
なお、振とうにより起泡させる場合であっても、本発明によれば、数回〜十数回の振とうといった極めて簡便な方法で容易に気泡含有調味料を調製できるという利点を有する。
本発明の気泡含有調味料は、発酵セルロース複合体、水溶性大豆多糖類、アラビアガム及びガティガムからなる群から選択される1種以上の多糖類及び起泡剤、必要に応じてアルギン酸プロピレングリコールエステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解レシチンからなる群から選択される1種以上を含有し、食塩含量を2質量%以上かつpHを5以下に調整する以外は常法に従って製造可能である。
例えばドレッシングであれば、水に発酵セルロース複合体、水溶性大豆多糖類、アラビアガム及びガティガムからなる群から選択される1種以上の多糖類及び起泡剤、並びに必要に応じてアルギン酸プロピレングリコールエステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解レシチンからなる群から選択される1種以上を添加し、80℃で10分間撹拌溶解する。次いで食酢、果汁、食塩、酸味料等を添加し攪拌することで製造できる。また、予め製造しておいた食塩含量2質量%以上かつpH5以下の調味料(ドレッシング、醤油、ポン酢等)に対して、発酵セルロース複合体、水溶性大豆多糖類、アラビアガム及びガティガムからなる群から選択される1種以上の多糖類及び起泡剤、並びに必要に応じてアルギン酸プロピレングリコールエステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解レシチンからなる群から選択される1種以上を添加する方法によっても製造できる。
発酵セルロース複合体は、好ましくは発酵セルロース複合体溶液として添加することが望ましい。具体的には、水に発酵セルロース複合体を添加し、攪拌溶解後、ホモジナイズ処理した発酵セルロース複合体溶液として添加することが望ましい。ホモジナイズ処理(均質化)の条件として、例えば、第一段9,800kPa、第二段4,900kPaの二段階処理を例示できる。
なお、ポンプ式の泡ディスペンサーに充填される気泡含有調味料に関しては、上記発酵セルロース複合体溶液として、粉体の発酵セルロース複合体を200メッシュ篩過まで粉砕した発酵セルロース複合体粉砕品を原料に用いた発酵セルロース複合体溶液を用いることが更に好ましい。
本発明の気泡含有調味料は、好ましくは粘度が5〜60mPa・s、更に好ましくは20〜45mPa・sの範囲であることが望ましい。気体を強制的に注入、混和する手法により気泡含有調味料を調製する場合は、一定の粘度を有することで泡保持性が向上する場合もある。しかし、振とう若しくはポンプ式の泡ディスペンサー等による気泡形成を目的とする場合は、粘度が60mPa・sを超えると起泡性が低下する場合がある。かかるところ、本発明では、気泡含有調味料の粘度が上記記載の範囲内であっても優れた起泡性及び泡保持性を有する。
なお、本明細書中において「粘度」とは、B型回転粘度計を用いて20℃、60rpmの条件で測定した場合の値をいう。
本発明の気泡含有調味料は食塩含量が2質量%以上かつpHが5以下であれば、その種類は特に制限されず各種調味料を用いることができるが、好ましくは油脂含量が0.01質量%以下、更に好ましくは油脂を実質的に含有しないことが望ましい。
また、本発明の気泡含有調味料はブリックス(可溶性固形分)が30度以下であることが望ましい。
以下に、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「部」「%」は、それぞれ「質量部」「質量%」、文中「*」印は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製であることを意味する。
実験例1 気泡含有調味料(振とうタイプ、ドレッシング)
表1及び表2の処方に従って、気泡含有ドレッシングを調製した。
具体的には、水と果糖ブドウ糖液糖の混合物を攪拌しながら、起泡剤(小麦タンパク分解物)及び多糖類を添加し、80℃で10分間撹拌加熱溶解した。醸造酢、リンゴ酢、レモン果汁、食塩、グルタミン酸Na及びリンゴ酸を加え、5分間攪拌後、香料を添加した。なお、発酵セルロース複合体は、水に攪拌溶解後、ホモジナイザーで均質化(第一段9,800kPa、第二段4,900kPa)して調製した発酵セルロース複合体溶液として添加した。
全量が100質量%となるようにイオン交換水で補正し、気泡含有調味料を調製した。得られた気泡含有調味料について、起泡性及び泡保持性試験を行なった。
(起泡性及び泡保持性試験)
調製した気泡含有調味料を100mLメスシリンダーに各々50mL注ぎいれ、15回振とうし、振とう直後、5分後及び10分後の容積を測定した。振とう直後の容積は起泡性を表す。更に5分後及び10分後については容器中で生じる下部スキ(泡保持効果が弱く、下部に水層部が現れる状態)についても測定した。下部スキが示す数値が大きい程、気泡が消滅し、泡保持性が低いことを示す。結果を表2に示した。
注1)発酵セルロース、キサンタンガム及びCMCの複合体である発酵セルロース複合体含量33.3質量%(発酵セルロース単体含量20質量%)の発酵セルロース複合体含有製剤を使用。
発酵セルロース複合体及び起泡剤として小麦タンパク分解物を各々単独で用いた気泡含有調味料(比較例1−1及び比較例1−2)は、共に振とう直後に気泡と液状部に分離が生じ、全体に気泡を含む調味料を調製できなかった。
一方、発酵セルロース複合体及び小麦タンパク分解物を併用した実施例1−1は、振とうといった極めて簡便な工程で、全体に気泡を含有する調味料を調製できた。更には、5分後及び10分後も起泡状態が保持され、下部スキも極めて少なかった。
更に、実施例1−1で得られた気泡含有調味料は、キメ細やかな気泡を含有する調味料であり、食感も滑らかであった。
実験例2 気泡含有調味料(ポンプ式泡ディスペンサー、醤油)
表3の処方に従って、気泡含有調味料を調製した。
具体的には、各種多糖類を溶解した溶液に小麦タンパク分解物を添加した溶液A及び醤油を2:8となるように混合し、ポンプ式の泡ディスペンサーに充填した(食塩含量12質量%、pH4.3)。
ポンプ式の泡ディスペンサーより調味料を吐出し、吐出〜10分後まで経過観察した。
なお、発酵セルロース複合体を用いた実施例2−1は、200メッシュ程度に粉砕した発酵セルロース複合体粉末を水に溶解後ホモジナイザーで均質化(第一段9,800kPa、第二段4,900kPa)して調製した発酵セルロース複合体溶液に小麦タンパク分解物を添加した溶液Aを用いた。
注2)発酵セルロース、グァーガム及びCMCの複合体である発酵セルロース複合体含量33.4質量%(発酵セルロース単体含量20質量%)の発酵セルロース複合体含有製剤を使用。200メッシュ篩過の粉砕品タイプを使用。
発酵セルロース複合体、水溶性大豆多糖類、アラビアガム及びガティガムからなる群から選択される1種以上の多糖類、並びに起泡剤(小麦タンパク分解物)を含有した実施例2−1〜2−4の気泡含有調味料は、図2〜5に示すようにポンプ式の泡ディスペンサーから吐出するのみで、調味料全体がキメ細やかな泡状となり、10分経過後も離水が発生することなく当該状態が保持された。
一方、小麦タンパク分解物のみを用いた比較例2−1の気泡含有調味料は、図6に示すように10分経過後には粗い泡となり、離水が発生した。
実験例3 気泡含有調味料(ポンプ式泡ディスペンサー、ドレッシング)
表4及び5の処方に従って、気泡含有調味料を調製した。
具体的には、水と果糖ブドウ糖液糖の混合物を攪拌しながら、起泡剤(小麦タンパク分解物)、多糖類及び乳化剤を添加し、80℃で10分間撹拌加熱溶解した。濃口醤油、醸造酢、柑橘混合透明果汁、食塩、グルタミン酸ナトリウムを加え、5分間攪拌後、香料を添加した。なお、発酵セルロース複合体は、200メッシュ程度に粉砕した発酵セルロース複合体粉末を水に攪拌溶解後、ホモジナイザーで均質化(第一段9,800kPa、第二段4,900kPa)して調製した発酵セルロース複合体溶液として添加した。
全量が100質量%となるようにイオン交換水で補正した後、ポンプ式の泡ディスペンサーに充填し、気泡含有調味料を調製した。得られた気泡含有調味料についてポンプ式の泡ディスペンサーより調味料を吐出し、吐出〜10分後まで経過観察した。
注3)HLB15〜20のショ糖脂肪酸エステル及びHLB3〜6のショ糖脂肪酸エステルを3:2で併用した。
発酵セルロース複合体、水溶性大豆多糖類、並びに起泡剤(小麦タンパク分解物)を含有した実施例3−1の気泡含有調味料は、ポンプ式の泡ディスペンサーから吐出するのみで、調味料全体がキメ細やかな泡状となり、10分経過後も離水が発生することなく当該状態が保持された。かかる実施例3−1を「基準:3」として、他の多糖類、乳化剤を併用した効果を検証した。
アラビアガム又はガティガムを併用した実施例3−2及び3−3の気泡含有調味料は、実施例3−1に比べて泡がよりキメ細かくなり、その保形性も向上した。アルギン酸プロピレングリコールエステルを併用した実施例3−4及び3−5はいずれも耐油性が著しく向上した。具体的には、実施例3−1の気泡含有調味料は室温で放冷したフライ食品の上にのせると当該気泡が徐々に粗くなり、10分程度で消泡したが、アルギン酸プロピレングリコールエステルを併用することで、1時間以上も気泡が保持されていた(実施例3−4及び3−5)。
HLB15以上のショ糖脂肪酸エステル及びHLB6以下のショ糖脂肪酸エステルを併用した実施例3−6の気泡含有調味料は、耐熱性に極めて優れていた。具体的には、約80℃のフライ食品上にのせても長時間泡が消失することなく、吐出直後と変わらない泡保持性を有していた。同様にして、実施例3−6に加え、更に酵素分解レシチンを併用した実施例3−7の気泡含有調味料は、顕著に耐熱性が向上し、更には泡保持性も格段に向上した。図7に実施例3−7の気泡含有調味料に消泡剤であるシリコーンを滴下して10分経過した後の場合、及び約80℃のフライ食品の上に気泡含有調味料をのせて10分経過した後の写真を示す。
図7から明らかなように、実施例3−7の泡状調味料は、消泡剤であるシリコーンを滴下した場合であっても、滴下部が若干凹む程度で優れた気泡保持力を有していた。更に約80℃のフライ食品上にのせても長時間泡が消失することなく、吐出直後と変わらない泡保持性を有していた。
一方、図8に実施例3−1の泡状調味料にシリコーンを滴下した場合及び約80℃のフライ食品にのせた場合の写真を示す。実施例3−1の泡状調味料は、通常の状態では優れた起泡性、泡保持性を示すが、苛酷な条件であるシリコーン滴下では泡が消失してしまった。また、調理直後を想定した約80℃でのフライ食品に添加した場合も10分後には泡が一部消失してしまった。図7及び8を比較して、実施例3−7の泡状調味料が極めて優れていることが判明した。
実施例4 気泡含有調味料(ポンプ式泡ディスペンサー、ドレッシング)
表7の処方に従って、気泡含有調味料を調製した。
具体的には、水と果糖ブドウ糖液糖の混合物を攪拌しながら、砂糖、水溶性大豆多糖類、起泡剤(小麦タンパク分解物)、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解レシチンを添加し、80℃で10分間撹拌加熱溶解した。醸造酢、りんご酢、淡口醤油、レモン透明果汁、食塩、グルタミン酸ナトリウム、香料及びクエン酸を添加し、全量が100質量%となるようにイオン交換水で補正した。ポンプ式の泡ディスペンサーに充填し、気泡含有調味料を調製した。得られた気泡含有調味料についてポンプ式の泡ディスペンサーより調味料を吐出し、吐出〜10分後まで経過観察した。
得られた気泡含有調味料は、ポンプ式の泡ディスペンサーから吐出するのみで、調味料全体がキメ細やかな泡状となり、10分経過後も離水が発生することなく当該状態が保持された。更に、得られた気泡含有調味料に対して、消泡剤であるシリコーンを滴下したが泡は10分後も保持された。
更には、約80℃のフライ食品の上に気泡含有調味料をのせた場合も長時間気泡状態が保持され、極めて耐油性及び耐熱性に優れた気泡含有調味料であった。

Claims (5)

  1. 発酵セルロース複合体、水溶性大豆多糖類、アラビアガム及びガティガムからなる群から選択される1種以上の多糖類、並びに起泡剤を含有し、食塩含量が2質量%以上かつpHが5以下である、気泡形性前の粘度が5〜60mPa・sの気泡含有調味料。
  2. ポンプ式の泡ディスペンサーに充填され、吐出されたものである、請求項1記載の気泡含有調味料。
  3. 起泡剤が小麦タンパク分解物である、請求項1又は2に記載の気泡含有調味料。
  4. 発酵セルロース複合体及び水溶性大豆多糖類を必須成分とする、請求項1〜3のいずれかに記載の気泡含有調味料。
  5. 更に、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ショ糖脂肪酸エステル及び酵素分解レシチンからなる群から選択される1種以上を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の気泡含有調味料。
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