JP7292134B2 - 酸性液状調味料 - Google Patents

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Description

本発明は、酸性液状調味料に関し、詳細には、低ナトリウム、低カリウム、低オイル酸性液状調味料に関する。
腎臓病患者は、カリウムやナトリウムを排出する能力が低下している。そのため、これらを多量に摂取すると、尿として排出できず、体内に蓄積してしまう。その結果、ナトリウム(塩分)は水分と一緒になって体液過剰になり、カリウムは濃度が上がると高カリウム血症になる。体液過剰はむくみや高血圧などをもたらし、進行すると、うっ血性心不全、肺水腫になる恐れがある。また、高カリウム血症は手や口のしびれや不整脈が出現し、心臓疾患(心不全など)を誘引してしまうことがある。
腎臓病患者の血中ナトリウム濃度やカリウム濃度を低下させるには、例えば、利尿薬等の薬物による治療方法があるが、薬物による副作用が低く、費用も少なくて済む観点から、低ナトリウム、低カリウム食品による食事療法が注目されている。
ところで、調味料の分野では、高血圧改善のために減塩ドレッシングが市販されている。減塩ドレッシングについては、塩化ナトリウムの代替で塩化カリウムが使用される技術が一般であるため、カリウム濃度も下げる必要がある腎臓病患者は常用することができない。
また、しょう油様調味料については、好適な低塩、低カリウム化の設計が検討されていたが(特許文献1参照)、さらにナトリウム濃度の低いドレッシングにおいては、低カリウム化の設計には検討の余地があった。
特開平09-275930号公報
本発明者等は、低ナトリウム、低カリウム酸性液状調味料において、さらに低カロリー設計のために低オイル化することを検討したが、オイル由来のコク味に乏しいため、調味料にコク味を与えることが難しかった。また、調味料中の塩類を抑えた上で微生物を制御するためには酢酸濃度を上げる必要があり、その結果、酸味が強まって調味料の味のバランスが悪化するという新たな問題も知見した。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、低ナトリウム、低カリウム酸性液状調味料において、低オイル化しながら、酸味が抑えられ、かつコク味がある酸性液状調味料を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、驚くべきことに、低ナトリウム、低カリウムの酢酸含有酸性液状調味料において、結晶セルロースと特定の酸材とを配合し、酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度の、調味料の酢酸酸度に対する比を特定の範囲内に調節することによって、酸味が抑えられ、かつコク味がある酸性液状調味料が得られることを知見した。本発明者等は、当該知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様によれば、
脂質含有量が3質量%未満、ナトリウム含有量が1.26質量%以下、およびカリウム含有量が0.1質量%以下であり、酢酸を含有する酸性液状調味料であって、
結晶セルロースと、
黒酢、トマト酢、ワインビネガー、五穀酢、リンゴ酢、レモン酢、柚子果汁、およびライム果汁からなる群から選択される少なくとも一種の酸材と、
を含有し、
前記酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度の、酸性液状調味料の酢酸酸度に対する比が、0.005以上0.5以下であることを特徴とする、
酸性液状調味料が提供される。
本発明の態様においては、前記酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度の、酸性液状調味料中の結晶セルロース含有量に対する比が、0.001以上0.1以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記結晶セルロースの含有量が、酸性液状調味料全体に対して0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
本発明の態様においては、前記結晶セルロースが、微結晶セルロースであることが好ましい。
本発明の態様においては、酸性液状調味料がノンオイルドレッシングであることが好ましい。
本発明によれば、低ナトリウム、低カリウム酸性液状調味料において、低オイル化しながら、酸味が抑えられ、かつコク味がある酸性液状調味料を提供することができる。このような酸性液状調味料は、従来の調味料と同等の使用量で、十分に素材の味を引き立てながら、美味しさを感じることができる。このような酸性液状調味料は、腎臓病患者等の食事制限がある人々にも使用可能であり、酸性液状調味料のさらなる市場拡大が期待できる。
<酸性液状調味料>
本発明の酸性液状調味料は、低オイル、低ナトリウム、低カリウムの酢酸含有調味料である。酸性液状調味料中の脂質含有量は3質量%未満、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2質量%以下であり、ナトリウム含有量は1.26質量%以下、好ましくは1.24質量%以下、より好ましくは1.23質量%以下であり、およびカリウム含有量は0.1質量%以下、好ましくは0.095質量%以下、より好ましくは0.09質量%以下である。調味料中の脂質含有量が上記数値範囲内であれば、低カロリーのノンオイル液状調味料を設計でき、また、ナトリウム含有量及びカリウム含有量が上記数値範囲内であれば、腎臓病患者等の食事制限がある人々にも使用可能である。なお、脂質含有量、ナトリウム含有量、及びカリウム含有量は常法により測定することができる。例えば、脂質含有量はソックスレー抽出法により、ナトリウム含有量は原子吸光光度法により、カリウム含有量は原子吸光光度法により、測定することができる。
本発明の酸性液状調味料は、ノンオイル液状調味料である。ノンオイル液状調味料とは、積極的に食用油脂を配合しておらず、栄養成分としての脂質含有量が3%未満の液状調味料、すなわち原材料名の欄において食用油脂が表示されていない液状調味料のことであって、一般的に水性媒体(例えば、食酢、醤油、果汁、液糖、清水等)に水溶性原料や水分散性原料が配合された調味料である。ノンオイル液状調味料としては、例えば、ドレッシング、ソース、タレ、及びこれらに類する他の食品が挙げられ、特にノンオイルドレッシングが好ましい。
(酸性液状調味料の水分含有量)
酸性液状調味料の水分含有量は、特に限定されずに他の成分の含有量に応じて適宜設定することができる。酸性液状調味料の水分含有量は、例えば、50質量%以上95質量%以下であり、下限値は好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、また、上限値は好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下である。
(酸性液状調味料のpH)
酸性液状調味料のpHは、特に限定されないが、例えば、3.0以上4.6以下であり、下限値は好ましくは3.2以上であり、より好ましくは3.3以上であり、上限値は好ましくは4.3以下であり、より好ましくは4.2以下である。酸性液状調味料のpHが上記範囲内であれば、酸性液状調味料の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酸性液状調味料の風味のバランスを良好にすることができる。なお、酸性液状調味料のpHの値は、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF-72)を用いて測定した値である。
(酸性液状調味料の酢酸酸度)
酸性液状調味料の酢酸酸度は、例えば、0.1%以上2.0%以下であり、下限値は好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは0.8%以上であり、また、上限値は好ましくは1.5%以下であり、より好ましくは1.2%以下である。酸性液状調味料の酢酸酸度が上記範囲内であれば、酸性液状調味料の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酸性液状調味料の風味のバランスを良好にすることができる。
なお、酢酸酸度の測定方法は、以下の方法(中和滴定法:定量式)により算出することができる。まず、サンプル液である調味料を正確に採り、イオン交換水で10倍に希釈し、その希釈液(100g)に、指示薬として3.1%フェノールフタレイン溶液を2滴加え、力価既知の0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液で中和滴定して、下記式により、サンプル液の酸度を求めた。結果を表1に示した。
サンプル液の酢酸酸度(%)={(60.05×0.1×F×V)×100}/{サンプル採取量(10g)×1000}
60.05:酢酸の分子量
0.1:水酸化ナトリウム溶液のモル濃度(mol/L)
F:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の力価
V:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)
(粘度)
酸性液状調味料の25℃における粘度は、例えば、0.03Pa・s以上10Pa・s以下であり、下限値は好ましくは0.05Pa・s以上であり、より好ましくは0.1Pa・s以上であり、また、上限値は好ましくは8.0Pa・s以下、より好ましくは5.0Pa・s以下である。液状調味料に上記範囲内の粘度を付与することで、酸性液状調味料の風味をより感じることができる。
なお、粘度の測定方法は、BH形粘度計を使用し、品温25℃、回転数10rpmの条件で、粘度が0.7Pa・s未満のとき:ローターNo.1、0.7Pa・s以上2.8Pa・s未満のとき:ローターNo.2、2.8Pa・s以上7Pa・s未満のとき:ローターNo.3、7Pa・s以上のとき:ローターNo.4を使用し、測定開始後示度が安定した時の値により算出した値である。
(結晶セルロース)
酸性液状調味料は、結晶セルロースを含むものである。結晶セルロースとは、グルコースがβ(1-4)結合で直鎖状に縮合してなる多糖類である。セルロースには繊維状セルロースや結晶セルロース等があるが、本発明の酸性液状調味料に用いるセルロースは結晶セルロースである。酸性液状調味料に結晶セルロースを配合することでコク味のある風味を付与できるため、低オイル調味料であってもコク味のある風味が得られる。
結晶セルロースの性状は特に限定されず、例えば粉末状やフレーク状のものを液状調味料に配合してもよい。また、粉末状やフレーク状の結晶セルロースを液体に懸濁させたものを液状調味料に配合してもよい。
結晶セルロースとしては、微結晶セルロースを用いることが好ましい。微結晶セルロースの体積基準における粒子径(メジアン径)は、5μm以上20μm以下であり、下限値は好ましくは6μm以上であり、より好ましくは7μm以上であり、上限値は好ましくは15μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。微結晶セルロースの粒子径が上記数値範囲内であれば、酸性液状調味料にコク味やボディ感のある風味を付与することができる。なお、微結晶セルロースの体積基準粒子径(メジアン径)は、レーザー回析式粒度分布測定装置を用いて、屈折率1.6の条件で測定することができ、無水換算で5%の水懸濁液を12000rpmで4分間攪拌を行った後、測定したときの測定値である。
結晶セルロースの含有量は、酸性液状調味料全体に対して、例えば0.1質量%以上20質量%以下であり、下限値は好ましくは0.5質量%以上であり、より好ましくは0.8質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上であり、上限値は好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは10%以下である。酸性液状調味料中の結晶セルロースの含有量が上記数値範囲内であれば、酸性液状調味料に十分なコク味を付与することができ、低オイル調味料であってもコク味のある風味が得られる。
(酢酸含有原料)
酸性液状調味料は、酢酸含有原料として、特定の酸材を含むものである。本発明においては、特定の酸材として、黒酢、トマト酢、ワインビネガー、五穀酢、リンゴ酢、及びレモン酢等の醸造酢や、柚子果汁及びライム果汁等の果汁を用いる。これらの酸材は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの酸材を用いることで、酸味を抑制しながら、酸性液状調味料のpHを調整したり、酸性液状調味料の風味を良好にしたりすることができる。
(特定の酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度)
上記の特定の酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度は、例えば、0.005%以上0.5%以下であり、下限値は好ましくは0.008%以上であり、より好ましくは0.01%以上であり、また、上限値は好ましくは0.3%以下であり、より好ましくは0.2%以下である。酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度が上記範囲内であれば、酸性液状調味料の酸味を抑制しながら、風味を良好にすることができる。
なお、酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度は、酸材原液の酢酸酸度を上記の酸性液状調味料の酢酸酸度の測定方法と同様にして測定し、酸性液状調味料全体における酸度に換算することで算出できる。酸材を2種以上併用する場合には、それらの合計の酢酸酸度が上記数値範囲内であればよい。また、上記の特定の酸材自体の酢酸酸度は特に限定されず、原料や製法等に応じて、適宜調節することができる。
上記の特定の酸材の含有量は、特に限定されず、用いる酸材の酢酸酸度や酸性液状調味料の酢酸酸度に応じて適宜調節することができる。上記の特定の酸材の含有量は、酸性液状調味料全体に対して、例えば、0.05質量%以上5質量%以下であり、下限値は好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.15質量%以上であり、上限値は好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは2質量%以下である。酸性液状調味料中の特定の酸材の含有量が上記数値範囲内であれば、酸性液状調味料の酸味を抑制しながら、風味を良好にすることができる。酸材を2種以上併用する場合には、それらの合計含有量が上記数値範囲内であればよい。
酸性液状調味料は、上記の特定の酸材以外にも他の酢酸含有原料を含むものである。他の酢酸含有原料としては、その種類は特に限定されないが、アルコール酢、米酢、五穀酢以外の穀物酢等の一般的な食酢や、酢酸及び酢酸を希釈したもの等を用いることができる。これらの他の酢酸含有原料を用いることで、酸性液状調味料の酢酸酸度を調節することができる。
上記の特定の酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度は、酸性液状調味料の酢酸酸度に対する比(酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度/酸性液状調味料の酢酸酸度)が、0.005以上0.5以下であり、下限値は好ましくは0.008以上であり、より好ましくは0.010以上であり、さらに好ましくは0.011以上であり、また、上限値は好ましくは0.3以下であり、より好ましくは0.25以下であり、さらに好ましくは0.2以下である。上記の特定の酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度は、酸性液状調味料の酢酸酸度に対する比が上記数値範囲内であれば、酸味を抑制しながら、酸性液状調味料のコク味を十分に感じることができる。なお、酸材を2種以上併用する場合には、それらの合計の酢酸酸度の酸性液状調味料の酢酸酸度に対する比が上記数値範囲内であればよい。
上記の特定の酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度は、酸性液状調味料中の結晶セルロース含有量に対する比(酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度/酸性液状調味料中の結晶セルロース含有量)が、例えば、0.001以上0.1以下であり、下限値は好ましくは0.0015以上であり、より好ましくは0.002以上であり、また、上限値は好ましくは0.07以下であり、より好ましくは0.06以下である。上記の特定の酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度は、酸性液状調味料中の結晶セルロース含有量に対する比が上記数値範囲内であれば、酸味を抑制しながら、酸性液状調味料のコク味を十分に感じることができる。なお、酸材を2種以上併用する場合には、それらの合計の酢酸酸度の酸性液状調味料の酢酸酸度に対する比が上記数値範囲内であればよい。
(増粘剤)
酸性液状調味料は、粘度調節のために増粘剤を配合することが好ましい。増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、及びアラビアガム等が挙げられ、キサンタンガムが好ましい。
増粘剤の含有量は、酸性液状調味料の全量に対して、例えば、0.01質量%以上1.0質量%以下であり、下限値は好ましくは0.03質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.10質量%以上であり、また、上限値は好ましくは1.0質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下である。増粘剤の含有量が上記範囲内であれば、酸性液状調味料は保存後でも安定した乳化状態を維持することができる。
(他の原料)
酸性液状調味料は、上述した原料以外に、本発明の効果を損なわない範囲で液状調味料に通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、醤油、みりん、食塩、胡麻、グルタミン酸ナトリウム、ブイヨン等の調味料、ぶどう糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、オリゴ糖、トレハロース等の糖類、スクラロース等の人口甘味料、からし粉、胡椒等の香辛料、レシチン、リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の加工澱粉以外の乳化剤、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、静菌剤等が挙げられる。
<酸性液状調味料の製造方法>
本発明の酸性液状調味料の製造方法の一例について説明する。例えば、まず、結晶セルロースを清水で膨潤させる。続いて、攪拌タンクに、清水、アルコール酢、グルタミン酸ナトリウム、スクラロース、キサンタンガム、膨潤した結晶セルロース、及び、酸材を投入して均一に混合することにより酸性液状調味料を製造することができる。
本発明の酸性液状調味料の製造には、通常の乳化食品の製造に使われる装置を用いることができる。このような装置としては、例えば、一般的な攪拌機、スティックミキサー、スタンドミキサー、ホモミキサー等が挙げられる。撹拌機の撹拌羽形状としては、例えばプロペラ翼、タービン翼、パドル翼、アンカー翼等が挙げられる。
以下に、実施例と比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容に限定して解釈されるものではない。
<酸性液状調味料の製造例1>
[実施例1~3、比較例1]
表1に記載の配合割合に準じ、酸性液状調味料を製造した。具体的には、まず、微結晶セルロース(メジアン径:8μm)を清水で膨潤させた。続いて、攪拌タンクに、清水、アルコール酢(酢酸酸度4%)、グルタミン酸ナトリウム、スクラロース、キサンタンガム、膨潤した微結晶セルロース、及び、酸材を投入して均一に混合することにより酸性液状調味料を製造した。
(成分測定)
上記で得られた実施例1~3及び比較例1の酸性液状調味料について、脂質含有量はソックスレー抽出法により、ナトリウム含有量は原子吸光光度法により、カリウム含有量は原子吸光光度法により測定したところ、脂質含有量は2.0質量%以下であり、ナトリウム含有量は1.23質量%以下であり、カリウム含有量は0.09質量%以下であった。
(酢酸酸度の測定方法)
上記で用いた酸材や上記で得られた実施例1~3及び比較例1の酸性液状調味料について、酢酸酸度は、以下の方法(中和滴定法:定量式)により算出した。まず、サンプル液を正確に採り、イオン交換水で10倍に希釈し、その希釈液(100g)に、指示薬として3.1%フェノールフタレイン溶液を2滴加え、力価既知の0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液で中和滴定して、下記式により、サンプル液の酸度を求めた。結果を表1に示した。
サンプル液の酢酸酸度(%)={(60.05×0.1×F×V)×100}/{サンプル採取量(10g)×1000}
60.05:酢酸の分子量
0.1:水酸化ナトリウム溶液のモル濃度(mol/L)
F:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の力価
V:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)
(pH測定)
上記で得られた実施例1~3及び比較例1の酸性液状調味料について、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF-72)を用いてpHを測定した。測定結果を表1に示した。その結果、実施例1~3及び比較例1の酸性液状調味料のpHは、いずれも3.3以上4.2以下の範囲内であった。
(粘度測定)
上記で得られた酸性乳化液状調味料について、BH形粘度計を使用し、品温25℃、回転数10rpmの条件で、粘度が0.7Pa・s未満のとき:ローターNo.1、0.7Pa・s以上2.8Pa・s未満のとき:ローターNo.2、2.8Pa・s以上7Pa・s未満のとき:ローターNo.3、7Pa・s以上のとき:ローターNo.4を使用し、測定開始後示度が安定した時の値により算出した。その結果、実施例1~3及び比較例1の酸性液状調味料の粘度は、いずれも0.1Pa・s以上5Pa・s以下の範囲内であった。
Figure 0007292134000001
(官能評価)
上記で得られた実施例1~3及び比較例1の酸性液状調味料について、訓練されたパネル(4名)により、酸味およびコク味の好ましさを官能評価した。各評価の点数は、比較例1の評価(5点)を基準としたときの相対評価であり、酸味の抑制の度合い及びコク味の度合いに応じて、1~5点を0.5点刻みで加点もしくは減点し、4名のパネルの平均点を表2示した。
Figure 0007292134000002
実施例1~3の酸性液状調味料は、比較例1の酸性液状調味料に比べて、いずれも、酸味が十分に抑えられ、かつコク味が十分に付与されており、風味が良好であった。実施例1~3の酸性液状調味料の中では、結晶セルロースの量が増すほど、酸味の抑制及びコク味の付与のいずれも良好になった。
<酸性液状調味料の製造例2>
[実施例4~21、比較例2]
表3及び4に記載の配合割合に準じ、<酸性液状調味料の製造例1>と同様にして、酸性液状調味料を製造した。
続いて、得られた実施例4~21及び比較例2の酸性液状調味料について、<酸性液状調味料の製造例1>と同様にして、脂質含有量、ナトリウム含有量、カリウム含有量、酢酸酸度、pH、及び粘度を測定した。酢酸酸度の測定結果は、表3及び4に示した。また、酸性液状調味料のpHは、いずれも3.3以上4.2以下の範囲内であり、粘度は、いずれも0.1Pa・s以上5Pa・s以下の範囲内であった。
Figure 0007292134000003
Figure 0007292134000004
(官能評価)
上記で得られた実施例4~21及び比較例2の酸性液状調味料について、<酸性液状調味料の製造例1>と同様にして、酸味およびコク味の好ましさを官能評価した。評価結果を表5及び6に示した。
Figure 0007292134000005
Figure 0007292134000006
実施例4~21の酸性液状調味料は、比較例2の酸性液状調味料に比べて、いずれも、酸味が十分に抑えられ、かつコク味が十分に付与されており、風味が良好であった。実施例4~21の酸性液状調味料の中では、リンゴ酢を用いたものが、酸味の抑制及びコク味の付与のいずれも特に良好になった。

Claims (5)

  1. 脂質含有量が3質量%未満、ナトリウム含有量が1.26質量%以下、およびカリウム含有量が0.1質量%以下であり、酢酸を含有する酸性液状調味料であって、
    結晶セルロースと、
    黒酢、トマト酢、ワインビネガー、五穀酢、リンゴ酢、レモン酢、柚子果汁、およびライム果汁からなる群から選択される少なくとも一種の酸材と、
    を含有し、
    前記酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度の、酸性液状調味料の酢酸酸度に対する比が、0.005以上0.5以下であることを特徴とする、
    酸性液状調味料。
  2. 前記酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度の、酸性液状調味料中の結晶セルロース含有量に対する比が、0.001以上0.1以下であることを特徴とする、
    請求項1に記載の酸性液状調味料。
  3. 前記結晶セルロースの含有量が、酸性液状調味料全体に対して0.1質量%以上20質量%以下であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の酸性液状調味料。
  4. 前記結晶セルロースが、微結晶セルロースであることを特徴とする、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の酸性液状調味料。
  5. ノンオイルドレッシングであることを特徴とする、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の酸性液状調味料。
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Citations (3)

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