JP7292134B2 - 酸性液状調味料 - Google Patents
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Description
脂質含有量が3質量%未満、ナトリウム含有量が1.26質量%以下、およびカリウム含有量が0.1質量%以下であり、酢酸を含有する酸性液状調味料であって、
結晶セルロースと、
黒酢、トマト酢、ワインビネガー、五穀酢、リンゴ酢、レモン酢、柚子果汁、およびライム果汁からなる群から選択される少なくとも一種の酸材と、
を含有し、
前記酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度の、酸性液状調味料の酢酸酸度に対する比が、0.005以上0.5以下であることを特徴とする、
酸性液状調味料が提供される。
本発明の酸性液状調味料は、低オイル、低ナトリウム、低カリウムの酢酸含有調味料である。酸性液状調味料中の脂質含有量は3質量%未満、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2質量%以下であり、ナトリウム含有量は1.26質量%以下、好ましくは1.24質量%以下、より好ましくは1.23質量%以下であり、およびカリウム含有量は0.1質量%以下、好ましくは0.095質量%以下、より好ましくは0.09質量%以下である。調味料中の脂質含有量が上記数値範囲内であれば、低カロリーのノンオイル液状調味料を設計でき、また、ナトリウム含有量及びカリウム含有量が上記数値範囲内であれば、腎臓病患者等の食事制限がある人々にも使用可能である。なお、脂質含有量、ナトリウム含有量、及びカリウム含有量は常法により測定することができる。例えば、脂質含有量はソックスレー抽出法により、ナトリウム含有量は原子吸光光度法により、カリウム含有量は原子吸光光度法により、測定することができる。
酸性液状調味料の水分含有量は、特に限定されずに他の成分の含有量に応じて適宜設定することができる。酸性液状調味料の水分含有量は、例えば、50質量%以上95質量%以下であり、下限値は好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、また、上限値は好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下である。
酸性液状調味料のpHは、特に限定されないが、例えば、3.0以上4.6以下であり、下限値は好ましくは3.2以上であり、より好ましくは3.3以上であり、上限値は好ましくは4.3以下であり、より好ましくは4.2以下である。酸性液状調味料のpHが上記範囲内であれば、酸性液状調味料の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酸性液状調味料の風味のバランスを良好にすることができる。なお、酸性液状調味料のpHの値は、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF-72)を用いて測定した値である。
酸性液状調味料の酢酸酸度は、例えば、0.1%以上2.0%以下であり、下限値は好ましくは0.5%以上であり、より好ましくは0.8%以上であり、また、上限値は好ましくは1.5%以下であり、より好ましくは1.2%以下である。酸性液状調味料の酢酸酸度が上記範囲内であれば、酸性液状調味料の微生物発生を制御して保存性を高めながら、酸性液状調味料の風味のバランスを良好にすることができる。
なお、酢酸酸度の測定方法は、以下の方法(中和滴定法:定量式)により算出することができる。まず、サンプル液である調味料を正確に採り、イオン交換水で10倍に希釈し、その希釈液(100g)に、指示薬として3.1%フェノールフタレイン溶液を2滴加え、力価既知の0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液で中和滴定して、下記式により、サンプル液の酸度を求めた。結果を表1に示した。
サンプル液の酢酸酸度(%)={(60.05×0.1×F×V)×100}/{サンプル採取量(10g)×1000}
60.05:酢酸の分子量
0.1:水酸化ナトリウム溶液のモル濃度(mol/L)
F:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の力価
V:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)
酸性液状調味料の25℃における粘度は、例えば、0.03Pa・s以上10Pa・s以下であり、下限値は好ましくは0.05Pa・s以上であり、より好ましくは0.1Pa・s以上であり、また、上限値は好ましくは8.0Pa・s以下、より好ましくは5.0Pa・s以下である。液状調味料に上記範囲内の粘度を付与することで、酸性液状調味料の風味をより感じることができる。
なお、粘度の測定方法は、BH形粘度計を使用し、品温25℃、回転数10rpmの条件で、粘度が0.7Pa・s未満のとき:ローターNo.1、0.7Pa・s以上2.8Pa・s未満のとき:ローターNo.2、2.8Pa・s以上7Pa・s未満のとき:ローターNo.3、7Pa・s以上のとき:ローターNo.4を使用し、測定開始後示度が安定した時の値により算出した値である。
酸性液状調味料は、結晶セルロースを含むものである。結晶セルロースとは、グルコースがβ(1-4)結合で直鎖状に縮合してなる多糖類である。セルロースには繊維状セルロースや結晶セルロース等があるが、本発明の酸性液状調味料に用いるセルロースは結晶セルロースである。酸性液状調味料に結晶セルロースを配合することでコク味のある風味を付与できるため、低オイル調味料であってもコク味のある風味が得られる。
酸性液状調味料は、酢酸含有原料として、特定の酸材を含むものである。本発明においては、特定の酸材として、黒酢、トマト酢、ワインビネガー、五穀酢、リンゴ酢、及びレモン酢等の醸造酢や、柚子果汁及びライム果汁等の果汁を用いる。これらの酸材は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの酸材を用いることで、酸味を抑制しながら、酸性液状調味料のpHを調整したり、酸性液状調味料の風味を良好にしたりすることができる。
上記の特定の酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度は、例えば、0.005%以上0.5%以下であり、下限値は好ましくは0.008%以上であり、より好ましくは0.01%以上であり、また、上限値は好ましくは0.3%以下であり、より好ましくは0.2%以下である。酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度が上記範囲内であれば、酸性液状調味料の酸味を抑制しながら、風味を良好にすることができる。
なお、酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度は、酸材原液の酢酸酸度を上記の酸性液状調味料の酢酸酸度の測定方法と同様にして測定し、酸性液状調味料全体における酸度に換算することで算出できる。酸材を2種以上併用する場合には、それらの合計の酢酸酸度が上記数値範囲内であればよい。また、上記の特定の酸材自体の酢酸酸度は特に限定されず、原料や製法等に応じて、適宜調節することができる。
酸性液状調味料は、粘度調節のために増粘剤を配合することが好ましい。増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、及びアラビアガム等が挙げられ、キサンタンガムが好ましい。
酸性液状調味料は、上述した原料以外に、本発明の効果を損なわない範囲で液状調味料に通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、醤油、みりん、食塩、胡麻、グルタミン酸ナトリウム、ブイヨン等の調味料、ぶどう糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、オリゴ糖、トレハロース等の糖類、スクラロース等の人口甘味料、からし粉、胡椒等の香辛料、レシチン、リゾレシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の加工澱粉以外の乳化剤、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止剤、静菌剤等が挙げられる。
本発明の酸性液状調味料の製造方法の一例について説明する。例えば、まず、結晶セルロースを清水で膨潤させる。続いて、攪拌タンクに、清水、アルコール酢、グルタミン酸ナトリウム、スクラロース、キサンタンガム、膨潤した結晶セルロース、及び、酸材を投入して均一に混合することにより酸性液状調味料を製造することができる。
[実施例1~3、比較例1]
表1に記載の配合割合に準じ、酸性液状調味料を製造した。具体的には、まず、微結晶セルロース(メジアン径:8μm)を清水で膨潤させた。続いて、攪拌タンクに、清水、アルコール酢(酢酸酸度4%)、グルタミン酸ナトリウム、スクラロース、キサンタンガム、膨潤した微結晶セルロース、及び、酸材を投入して均一に混合することにより酸性液状調味料を製造した。
上記で得られた実施例1~3及び比較例1の酸性液状調味料について、脂質含有量はソックスレー抽出法により、ナトリウム含有量は原子吸光光度法により、カリウム含有量は原子吸光光度法により測定したところ、脂質含有量は2.0質量%以下であり、ナトリウム含有量は1.23質量%以下であり、カリウム含有量は0.09質量%以下であった。
上記で用いた酸材や上記で得られた実施例1~3及び比較例1の酸性液状調味料について、酢酸酸度は、以下の方法(中和滴定法:定量式)により算出した。まず、サンプル液を正確に採り、イオン交換水で10倍に希釈し、その希釈液(100g)に、指示薬として3.1%フェノールフタレイン溶液を2滴加え、力価既知の0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液で中和滴定して、下記式により、サンプル液の酸度を求めた。結果を表1に示した。
サンプル液の酢酸酸度(%)={(60.05×0.1×F×V)×100}/{サンプル採取量(10g)×1000}
60.05:酢酸の分子量
0.1:水酸化ナトリウム溶液のモル濃度(mol/L)
F:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の力価
V:0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液の滴定量(mL)
上記で得られた実施例1~3及び比較例1の酸性液状調味料について、1気圧、品温20℃とした時に、pH測定器(株式会社堀場製作所製卓上型pHメータF-72)を用いてpHを測定した。測定結果を表1に示した。その結果、実施例1~3及び比較例1の酸性液状調味料のpHは、いずれも3.3以上4.2以下の範囲内であった。
上記で得られた酸性乳化液状調味料について、BH形粘度計を使用し、品温25℃、回転数10rpmの条件で、粘度が0.7Pa・s未満のとき:ローターNo.1、0.7Pa・s以上2.8Pa・s未満のとき:ローターNo.2、2.8Pa・s以上7Pa・s未満のとき:ローターNo.3、7Pa・s以上のとき:ローターNo.4を使用し、測定開始後示度が安定した時の値により算出した。その結果、実施例1~3及び比較例1の酸性液状調味料の粘度は、いずれも0.1Pa・s以上5Pa・s以下の範囲内であった。
上記で得られた実施例1~3及び比較例1の酸性液状調味料について、訓練されたパネル(4名)により、酸味およびコク味の好ましさを官能評価した。各評価の点数は、比較例1の評価(5点)を基準としたときの相対評価であり、酸味の抑制の度合い及びコク味の度合いに応じて、1~5点を0.5点刻みで加点もしくは減点し、4名のパネルの平均点を表2示した。
[実施例4~21、比較例2]
表3及び4に記載の配合割合に準じ、<酸性液状調味料の製造例1>と同様にして、酸性液状調味料を製造した。
上記で得られた実施例4~21及び比較例2の酸性液状調味料について、<酸性液状調味料の製造例1>と同様にして、酸味およびコク味の好ましさを官能評価した。評価結果を表5及び6に示した。
Claims (5)
- 脂質含有量が3質量%未満、ナトリウム含有量が1.26質量%以下、およびカリウム含有量が0.1質量%以下であり、酢酸を含有する酸性液状調味料であって、
結晶セルロースと、
黒酢、トマト酢、ワインビネガー、五穀酢、リンゴ酢、レモン酢、柚子果汁、およびライム果汁からなる群から選択される少なくとも一種の酸材と、
を含有し、
前記酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度の、酸性液状調味料の酢酸酸度に対する比が、0.005以上0.5以下であることを特徴とする、
酸性液状調味料。 - 前記酸材の酸性液状調味料全体における酢酸酸度の、酸性液状調味料中の結晶セルロース含有量に対する比が、0.001以上0.1以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の酸性液状調味料。 - 前記結晶セルロースの含有量が、酸性液状調味料全体に対して0.1質量%以上20質量%以下であることを特徴とする、
請求項1または2に記載の酸性液状調味料。 - 前記結晶セルロースが、微結晶セルロースであることを特徴とする、
請求項1~3のいずれか一項に記載の酸性液状調味料。 - ノンオイルドレッシングであることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか一項に記載の酸性液状調味料。
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