JP2020534378A - 高い加工耐性を有するアルファ化澱粉、ならびにその製造及び使用方法 - Google Patents

高い加工耐性を有するアルファ化澱粉、ならびにその製造及び使用方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、高度の加工耐性を有するアルファ化澱粉、ならびにその製造及び使用方法に関する。一態様において、本開示は、15重量%以下の可溶分、及び20mL/g〜45mL/gの範囲の沈降体積を有するアルファ化澱粉であって、前記アルファ化澱粉は澱粉粒子を含む凝集体の形態であり、前記アルファ化澱粉は、実質的に平面の形態であるアルファ化澱粉を提供する。別の態様において、本開示は、15重量%以下の可溶分、及び20mL/g〜45mL/gの範囲の沈降体積を有するアルファ化澱粉であって、前記アルファ化澱粉は澱粉粒子を含む凝集体の形態であるアルファ化澱粉を提供する。特定の実施形態において、澱粉は、ドラム乾燥される。特定の実施形態において、本開示のアルファ化澱粉は、10以下の黄色度指数を有する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2017年6月26日付で出願された米国仮特許出願第62/525085号に対する優先権の利益を主張し、同文献全体を本明細書に援用する。
本開示の分野
本開示は、一般的に澱粉に関する。より詳細に、本開示は、高度の加工耐性を有するアルファ化澱粉、ならびにその製造及び使用方法に関する。
技術背景
食品グレードの澱粉は、一般に、様々な食品に望ましい品質を提供するために使用される。例えば、架橋結合及び安定化された改質食品澱粉は、食品のテクスチャ化のために広く使用される。安定化は、澱粉に凍結−融解安全性を与え、一方、架橋結合は、加工耐性を与える。安定化は、澱粉ヒドロキシ基をヒドロキシプロピルエーテルまたはアセチルエステルなどの基に置換することにより提供され得る。加工耐性は、リン酸塩(例えば、オキシ塩化リン澱粉の処理を介して)またはアジペート(例えば、酢酸−アジピン酸混合無水物への処理を介して)などの基で架橋結合させることにより得ることができる。本明細書で使用されるように、澱粉に関して「加工耐性の」(process tolerant)または「加工耐性」(process tolerance)という用語は、調理時に澱粉の個々の顆粒が水中でおおむねは壊れるが、その物質は膨潤するところ、加工全体にわたって顆粒状性のかなりの部分を保持し得ることを意味する。したがって、加工耐性澱粉は、小さい破片への分解に抵抗し得、加工時の溶解に抵抗し得る。このような挙動により、澱粉が望ましくないゲル化、凝集性または曳糸性(stringiness)を生じることなく、食品をわずか濃厚にすることができるようにする。したがって、加工耐性の澱粉は、グレービー、ソース及びドレッシングのような食品だけでなく、特定のフルーツフィリング及び乳製品に使用するために非常に望ましい。しかしながら、そのような加工耐性澱粉は、澱粉の化学的改質の利用が求められる。しかし、化学的改質は、追加の工程段階とコストを必要とし、おそらくさらに重要なことは、消費者にとって望ましくないと考えられる。天然澱粉は、「化学的に改質」されないが、必要な加工耐性が欠如されており、そのため、望ましくない高度の可用分を生成させる。また、加工耐性テクスチャ化澱粉である、「クリーンラベル」に対する現在のオプションは、最終食品(たとえば、乳製品)に望ましくなく伝達され得る、顕著な色相と香味に悩まされている。
多くの用途において、所定の食品に所望のテクスチャ挙動を提供するために、しばしば100℃に近接する比較的高温で澱粉を調理する必要がある。しかし、澱粉を予め調理するか、または「アルファ化」すると知られている様々な技術があり;このようなアルファ化澱粉を使用して、食品をこのような高温で加熱することを必要とせず、食品に所望の粘度を提供することができる。いくつかのこのようなアルファ化方法には、スプレー調理、ドラム乾燥及び水性アルコールでの予備膨潤が含まれる。ドラム乾燥は、湿った澱粉材料を熱い回転ドラム上に通過させ、これをドラムと別の表面(例えば、別の回転ドラム)の間に形成された狭い開口部を通して圧搾させることを含む。この加工は、澱粉をアルファ化するだけでなく、それから水分の大部分を乾燥するのに十分な温度で行われ、所望のフレークまたは粒径に加工され得る乾燥したシートまたはフレーク形で澱粉を提供する。ドラム乾燥はこれらの技術の中で最も安価であるが、本発明者らが決定したように(及び以下により詳細に説明するように)ドラム乾燥は、澱粉顆粒の完全性に悪影響を及ぼし、凝集性及び曳糸性のような望ましくないテクスチャを食品に提供する澱粉材料を提供することができる。ドラム乾燥澱粉は、一般に、同等の加工耐性で製造するとき、スプレー調理及びアルコール加工澱粉よりも粘度が低い分散液を提供する。そして、これらは高度の可溶分を有することができ、これは凝集性をもたらすことができるので望ましくない。ドラム乾燥は、加工耐性を大幅に減少させることができる。
一態様において、本開示は、15重量%以下の可溶分及び20mL/g〜45mL/gの範囲の沈降体積を有するアルファ化澱粉であって、前記アルファ化澱粉は澱粉粒子を含む凝集体の形態であり、前記アルファ化澱粉は、実質的に平面の形態であるアルファ化澱粉を提供する。特定の実施形態において、澱粉は、ドラム乾燥される。特定の望ましい実施形態において、アルファ化澱粉は、10以下の黄色度指数を有する。
別の態様において、本開示は、15重量%以下の可溶分、及び20mL/g〜45mL/gの範囲の沈降体積を有するアルファ化澱粉であって、前記アルファ化澱粉は澱粉粒子を含む凝集体の形態であるアルファ化澱粉を提供する。特定の望ましい実施形態において、アルファ化澱粉は、10以下の黄色度指数を有する。特定の実施形態において、澱粉は、ドラム乾燥される。
別の態様において、本開示は、本明細書に記載のようなアルファ化澱粉を製造する方法であって、水性媒体で湿らせた非ゼラチン化澱粉を提供する段階;及び上記澱粉をアルファ化するのに十分な条件下で湿った非ゼラチン化澱粉をドラム乾燥させる段階を含む方法を提供する。
別の態様において、本開示は、本明細書に記載のアルファ化澱粉を含む食品を提供する。
本開示は、以下の図を参照してより完全に理解され得る:
図1は、本明細書に記載のRVA条件下で水に分散された従来の非アルファ化ヒドロキシプロピル化改質澱粉の顕微鏡写真である。 図2は、本明細書に記載のRVA条件下で水に分散され、スプレー調理によってアルファ化された、従来のヒドロキシプロピル化改質澱粉の顕微鏡写真である。 図3は、本明細書に記載のRVA条件下で水に分散され、ドラム乾燥によってアルファ化された、従来のヒドロキシプロピル化改質澱粉の顕微鏡写真である。 図4は、調理される前の、天然ワキシー澱粉の顕微鏡写真である。 図5は、RVA条件で処理された後、図4の天然ワキシー澱粉の顕微鏡写真である。 図6は、調理される前の、本開示の澱粉の顕微鏡写真である。 図7は、RVA条件で処理された後、図6の澱粉の顕微鏡写真である。 図8は、ドラム乾燥澱粉の一実施例の顕微鏡写真である。 図9は、弾力性(springiness)の評価に使用される一連の写真である。 図10は、沈降速度を決定するのに使用される一連の写真である。 図11は、凝集度を決定するのに使用される一連の絵である。 図12は、実施例1のサンプルに対するRVAプロット(plot)および水和RVAプロットである。 図13は、実施例1のサンプルに対するRVAプロット(plot)および水和RVAプロットである。 図14は、実施例1のサンプルの分散特性に対するデータを提供する。 図15は、実施例2のサンプルに対するRVAプロットおよび水和RVAプロットである。 図16は、実施例2のサンプルに対するRVAプロットおよび水和RVAプロットである。 図17は、実施例2のサンプルの分散特性に対するデータを提供する。 図18は、実施例3のババロアクリームに対するテクスチャデータを提供する。 図19は、実施例3のスプーンを利用し得るサラダドレッシングに対するテクスチャデータを提供する。 図20は、実施例3のフルーツフィリングに対するテクスチャデータを提供する。
ドラム乾燥は、上記のように、アルファ化のためのコスト効率的な方法であるが、澱粉性能に望ましくない影響を及ぼすことができる。例えば、図1は、後述のRVA条件下で水に分散された従来の非アルファ化ヒドロキシプロピル化改質澱粉の顕微鏡写真である。明らかなように、澱粉の個々の粒子は、実質的に損傷されない状態で維持される。この澱粉をスプレー調理によりアルファ化した後、後述するRVA条件下で水に分散させる場合には、図2に示したように、膨潤するが実質的に断片化または崩壊しない粒子をもたらす。対照的に、図1の澱粉がドラム乾燥によりアルファ化される場合、生成された平面シート状またはフレーク状凝集体は、水に再導入されると分解され、図3に示したように、断片であることで明らかに見える粒子がほとんど生成される。これらの断片は、図1及び図2の無傷の断片化されていない粒子と視覚的に区別されるよって、澱粉のこのようなドラム乾燥は、加工耐性の損失及び可溶性澱粉の量の増加をもたらすことができ、これは澱粉に望ましくないテクスチャ品質を提供し得る。
驚くべきことに、本発明者らは、ドラム乾燥を使用して、加工耐性及び非常に望ましいテクスチャ化特性の両方を提供できるアルファ化澱粉材料を提供することができた。したがって、本開示の一態様は、15重量%未満の可溶分及び20mL/g〜45mL/gの範囲の沈降体積(及び特定の実施形態において、10以下の黄色度指数)を有するアルファ化澱粉である。アルファ化澱粉は、澱粉粒子を含む凝集体の形態であり得;特定の好ましい実施形態において、澱粉粒子の少なくとも50%が膨潤するが、水で処理するとき、実質的に断片化されない。本開示のこの態様のアルファ化澱粉は、例えば、ドラム乾燥澱粉であり得る。
さらに、本開示のアルファ化澱粉は、実質的に平面の形態で提供され得る。したがって、本開示の別の態様は、15重量%未満の可溶分及び20mL/g〜45mL/gの範囲の沈降体積(及び特定の実施形態において、10以下の黄色度指数)を有するアルファ化澱粉である。アルファ化澱粉は、澱粉粒子を含む凝集体の形態であり得;特定の好ましい実施形態において、澱粉粒子の少なくとも50%が膨潤するが、95℃の水で処理するとき、実質的に断片化されない。本開示のこのような態様によれば、アルファ化澱粉は、実質的に平面の形態である。本明細書で使用される「実質的に平面」形態は、重量基準で材料の少なくとも50%、少なくとも75%、さらには少なくとも90%は、それぞれ粒子の長さ及び幅のそれぞれの1/2以下(例えば、本明細書に別途記載された特定の実施形態では、1/3以下または1/4以下)の厚さを有する個々のシート状またはフレーク状材料粒子の形態である。厚さは、最短寸法に沿って平均厚さとして測定され、一方、長さは、厚さに垂直な最長寸法として測定され、幅は、厚さと長さの両方に垂直な最長寸法として測定される。本明細書に別途記載された特定の実施形態において、本開示のこの態様のアルファ化澱粉は、ドラム乾燥澱粉である。
当業者が理解するように、沈降体積は、加工耐性の尺度として使用され得る。本明細書で使用される、沈降体積は、加塩緩衝溶液100g(すなわち、澱粉を含む、総量)中1gの調理された澱粉(乾燥基準)によって占められる体積である。この値は、当業者では、「膨潤体積」としても知られている。本明細書で使用される、「加塩緩衝溶液」は、以下の段階によって製造された溶液を指す:
トップローダー天秤を使用して、20グラムの塩化ナトリウムをスターラーバーが入っている2リットルのメスフラスコに入れて秤量する;
これに、RVApH6.5緩衝液(リッカ・ケミカル社から購入する)を添加してフラスコを少なくとも半分満たし;
塩化ナトリウムが溶解するまで撹拌する;
追加のRVApH6.5緩衝液を添加して最終体積を2リットルにする。
本明細書に記載の沈降体積は、最初にスラリーを含有する容器を95℃の水浴内に浮遊させ、ガラス棒または金属へらで6分間攪拌した後、容器を覆い、ペーストを95℃で20分間維持させることによって、澱粉を加塩緩衝溶液中の5%固形分で調理して決定する。容器を浴槽から取り出し、ベンチで冷却させる。生成されたペーストは、水を添加し(すなわち、任意の蒸発された水を置換するために)よく混合して初期重量になるようにする。ペースト(澱粉1.0gを含む)20.0gを、加塩緩衝溶液を含有する100mLメスシリンダー内に重み付けし、シリンダー内の混合物の総重量を、緩衝液を用いて100gとなるようにする。シリンダーを室温(約23℃)にて24時間放置する。澱粉沈降物の占める体積(すなわち、シリンダーで読み取られる)は、澱粉1gに対する沈降体積、すなわち、mL/g単位である。
沈降体積が比較的少ない澱粉(例えば、20mL/g〜30mL/gの範囲)は、加工耐性が優れている。本明細書に別途記載された特定の実施形態において、アルファ化澱粉は、20mL/g〜37mL/g、または20mL/gまたは32mL/g、または20mL/g〜27mL/g、または20mL/g〜24mL/g、または24mL/g〜45mL/g、または24mL/g〜37mL/g、または24mL/gまたは32mL/g、または24mL/g〜30mL/g、または24mL/g〜27mL/g、または27mL/g〜45mL/g、27mL/g〜37mL/g、または27mL/g〜30mL/gの範囲の沈降体積を有する。本明細書に別途記載された特定の特別な実施形態において、アルファ化澱粉は、20mL/g〜25mL/gの範囲の沈降体積を有する。
上で記載の沈降体積検査において、粒状沈降物上の上澄液は、可溶性澱粉、すなわち、沈降物の抑制された顆粒によって維持されない澱粉の一部分を含有する。可溶性澱粉の量は、上澄液の一部分を回収し、酸または酵素を用いて澱粉をデキストロースで定量的に加水分解した後、例えば、YSIインコーポレーテツド(YSI Incorporated)から入手可能なグルコース分析器のような機器分析器を用いてデキストロースの濃度を測定して定量する。上澄液中のデキストロースの濃度を澱粉の可溶分百分率(すなわち、重量%)に代数的に転換させることができる。
澱粉が食品加工時にその顆粒から高度の材料を放出すると、食品にある程度の凝集性または曳糸性を提供することができる。これは、一部の食品では望ましいが、他の食品では非常に望ましくない。したがって、ドレッシング、ソース及びグレービー及び特定のフルーツフィリング及び乳製品のような特定の用途の場合、少量の可溶物を有するアルファ化澱粉が望ましい。従来のドラム乾燥澱粉は、可溶分が高い傾向がある。対照的に、本発明のアルファ化澱粉は、15%以下の可溶分を有する。したがって、本発明のアルファ化澱粉は、望ましくない量の凝集性または曳糸性なしに、所望のテクスチャ化特性を提供することができる。本明細書に別途記載された特定の実施形態において、アルファ化澱粉は、10%以下の可溶分を有する。本明細書に別途記載された特定の実施形態において、アルファ化澱粉は、5%以下の可溶分、例えば、4%以下の可溶分または2%以下の可溶分を有する。
本開示のアルファ化澱粉は、多数の別個澱粉粒子、すなわち液体への澱粉の分散時に生成される個々の粒子を含む。乾燥した澱粉の個々の凝集体は、当業者に明らかなように、このような多くの粒子を含むだろう。粒子は、たとえば、無傷顆粒または顆粒の断片であり得る。粒子大きさは、澱粉の植物供給源だけでなく、加工途中に天然澱粉顆粒が物理的に断片化される程度に左右され得るであろう。
特に、本開示のアルファ化澱粉において、澱粉粒子は膨潤するが、95℃の水で処理するとき、実質的に断片化されない。本明細書で使用される「95℃の水で処理」とは、RVA(Rapid Visco Analyzer)実験の条件を意味し:粘度は、1%NaClのpH6.5リン酸塩緩衝液中の5%固形分でRVAによって測定される。アルファ化澱粉を35℃の水に添加し、700rpmで1分間及び160rpmで14分間35℃で撹拌し;160rpmでの撹拌は測定全般にわたって継続する。温度は、7分間かけて95℃まで直線的に上昇し、次いで、95℃で10分間保持し、次いで、6分間かけて35℃まで直線的に下降し、最後に35℃で10分間保持する。このときに粘度を測定することができ、得られた澱粉分散液をヨウ素で染色し、顕微鏡で観察して断片化の程度を判断することができる。染色は、次のように実行される:ガラスバイアルで1gの澱粉ペーストを4gの脱イオン水で希釈させる。完全に混合した後、5マイクロリットルのサンプルを顕微鏡スライドで5マイクロリットルの0.1Nヨウ素溶液で希釈し、よく混合する。サンプルをカバースリップで覆わせて200倍で拡大撮影する。断片化の程度は、断片化されていない粒子と粒子断片によって撮影された視野での総面積の一部として、断片化されていない粒子によって撮影された顕微鏡の視野での面積を比較することによって決定され得る。例えば、特定の実施形態において、本明細書に別途記載されたアルファ化澱粉は、50%以下の断片化度を有し、すなわち、断片化されていない粒子と粒子断片の面積の合計で割った断片化されていない粒子の面積は50%以下である。他の実施形態において、本明細書に別途記載されたアルファ化澱粉は、30%以下、さらには10%以下の断片化度を有する。
図4は、調理する前に、前述したようにイメージ化された、天然ワキシー澱粉の顕微鏡写真であり、図5は、前述したRVA条件で処理した後の同一の澱粉の顕微鏡写真である。図6は、調理する前の本開示の澱粉の顕微鏡写真であり、図7は、前述したRVA条件で処理した後の本開示の澱粉の顕微鏡写真である。
本明細書に別途記載されたアルファ化澱粉の特定の実施形態において、澱粉粒子の少なくとも75%が膨潤するが、95℃の水で処理するとき、実質的に崩壊しない。本明細書に別途記載されたアルファ化澱粉の特定の特別な実施形態において、澱粉粒子の少なくとも90%が膨潤するが、95℃の水で処理するとき、実質的に崩壊しない。
上記のように、本発明の澱粉は、アルファ化されている。当業者が理解するように、アルファ化工程は、天然澱粉顆粒の半結晶構造を分解し、したがって、高温にて処理することを必要とせずに後に食品に粘度を提供することができる。本明細書で使用される「アルファ化」澱粉は、偏光顕微鏡で見たときに、その粒子の25%以下が粒子を通して複屈折、すなわち、高消光、いわゆる「マルタ」クロス(Maltese cross)を示す。例えば、特定の実施形態において、アルファ化澱粉粒子の10%以下、5%以下、または2%以下でさえが複屈折を示す
特に、本開示の特定の態様において、本明細書に別途記載されたアルファ化澱粉はドラム乾燥澱粉である。ドラム乾燥は、経済的に魅力的なアルファ化方法であるが、澱粉材料に望ましくない損傷を引き起こすことができる。例えば、従来のドラム乾燥澱粉は、高い凝集性及び曳糸性のような望ましくない特性を経ることができ、その結果、澱粉顆粒が崩壊して多量の可溶性材料が生じる。対照的に、本開示のこれらの態様のアルファ化澱粉は、ドラム乾燥されているにもかかわらず、少ない量の可溶性及び優れた加工性を有する。従来のドラム乾燥装置及び工程を使用して、本開示のドラム乾燥澱粉を提供することができる。当業者が理解するように、典型的なドラム乾燥機は、1つまたは2つのシリンダーの表面に液体、スラリーまたはピューレの薄層を適用するように構成された供給システムを備えた水平に取り付けられた1つまたは2つの中空シリンダー(複数)を含む。乾燥作業では、ドラムが加熱されて乾燥し、温度に応じて液体、スラリーまたはピューレの材料を調理して、材料の薄い固体層を形成し、スクレーパーでドラムから取り外して所望のサイズに粉砕するか、製粉(milled)することができる。ドラム乾燥機は、J.Tang et al.,Drum Drying,pages 211−14 in Encyclopedia of Agricultural,Food,and Biological Engineering,Marcel Dekker,2003により詳細に説明されており、この全文は参照によって本明細書に組み込まれる。特定のドラム乾燥装置及び工程は、以下に説明し;当業者は、様々なドラム乾燥及びロール乾燥装置及び条件を使用して、本明細書に記載の「ドラム乾燥」材料を提供することができることを理解するであろう。当業者は、ドラム乾燥した澱粉材料が、スプレー−調理またはアルコール−処理澱粉とは異なる乾燥外観を有することを理解するであろう。ドラム乾燥澱粉の一例の顕微鏡写真を図8に示す。例えば、ドラム乾燥は、シート状またはフレーク状の凝集体外観、及び/または以下により詳細に説明され、図8に示したようなクレーター状の外観を有する乾燥澱粉材料を提供することができる。
本明細書に別途記載された特定の実施形態において、アルファ化澱粉の凝集体(例えば、その少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも90重量%)は、実質的に丸くない形状(例えば、ギザギザ形状)を有する。このような凝集体は、例えば、上記のように、ドラム乾燥によって製造されることができ;個々の凝集体は、乾燥した材料のシートを破壊または粉砕することで形成され得る。このような材料の実質的に丸くない形状は、スプレー調理またはアルコール処理によって作られた丸い凝集体とは対照的である。
本明細書に別途記載された特定の実施形態において、上記アルファ化澱粉の凝集体(例えば、その少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも90重量%)が、クレーター表面(cratered surface)を有する。このような表面の一実施例は、図8に示す。このような凝集体は、例えば、上述のように、ドラム乾燥によって;特に、実質的なアルファ化を提供するのに望ましいより高い乾燥温度で作ることができ、ドラム乾燥は、蒸気の形態で乾燥材料から回避する水から生じるクレーター表面を有する澱粉凝集体を提供することができる。
本明細書に別途記載された特定の実施形態において、アルファ化澱粉の少なくとも75重量%(例えば、その少なくとも90重量%)は、それぞれ凝集体の長さ及び幅のそれぞれの1/2以下の厚さを有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である。このような凝集体は、例えば、凝集体サイズを提供するために、選択的なミリング(milling)または粉砕ステップで上述のようなドラム乾燥によって製造され得る。
本明細書に別途記載された特定の実施形態において、アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ凝集体の長さ及び幅のそれぞれの1/3以下の厚さを有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である。本明細書に別途記載された特定の特別な実施形態において、アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ凝集体の長さ及び幅のそれぞれの1/4以下の厚さを有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である。このような凝集体は、例えば、所望の凝集体サイズを提供するために、選択的なミリング(milling)または粉砕ステップで上述のようなドラム乾燥によって製造され得る。有利には、ドラム乾燥工程において、凝集体サイズは、スプレー−調理及び/または凝集体に典型的であるよりも広い範囲にわたって操作され得る。乾燥澱粉は、先ず、比較的大きなシートとして製造されるため、凝集体サイズは、大きなフレークから所望の微粉砕するまで様々なことができる。例えば、ドラム乾燥シートは、主な寸法で数百ミクロン(例えば、750ミクロン)の凝集体に粉砕され、食品にパルプのテクスチャを提供する澱粉を提供し、食品にまろやかなテクスチャを提供する澱粉の場合、5〜10ミクロン程度まで粉砕することができる。
当業者が理解するように、本明細書に記載のアルファ化澱粉は、様々な凝集体サイズ(すなわち、実質的に乾燥した形態)に提供され得る。例えば、本明細書に別途記載された特定の実施形態において、アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ20ミクロン〜250ミクロンの範囲の厚さを有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である。例えば、本明細書に別途記載された様々な実施形態において、上記アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ20ミクロン〜200ミクロン、または20ミクロン〜150ミクロン、または20ミクロン〜125ミクロン、または20ミクロン〜100ミクロン、または20ミクロン〜75ミクロン、または30ミクロン〜250ミクロン、または30ミクロン〜200ミクロン、または30ミクロン〜150ミクロン、または30ミクロン〜125ミクロン、または30ミクロン〜100ミクロン、または50ミクロン〜250ミクロン、または50ミクロン〜200ミクロン、または50ミクロン〜150ミクロン、または50ミクロン〜125ミクロン、または75ミクロン〜250ミクロン、または75ミクロン〜200ミクロン、または75ミクロン〜150ミクロン、または75ミクロン〜125ミクロン、または100ミクロン〜250ミクロン、または100ミクロン〜200ミクロンの範囲の厚さを有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である。本明細書に別途記載された特定の実施形態において、上記アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)、すなわち、上述の厚さを有する凝集体は、それぞれ少なくとも50ミクロン、または少なくとも100ミクロン、または少なくとも200ミクロン、例えば、少なくとも300ミクロンまたは少なくとも400ミクロン、または50ミクロン〜1000ミクロン、または50ミクロン〜800ミクロン、または50ミクロン〜500ミクロン、または50ミクロン〜250ミクロン、または100ミクロン〜1000ミクロン、または100ミクロン〜800ミクロン、または100ミクロン〜500ミクロン、または100ミクロン〜250ミクロン、200ミクロン〜1000ミクロン、または200ミクロン〜800ミクロン、または200ミクロン〜500ミクロン、または300ミクロン〜1000ミクロン、または300ミクロン〜800ミクロン、または300ミクロン〜500ミクロン、または400ミクロン〜1000ミクロン、または400ミクロン〜800ミクロンの範囲の長さを有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である。同様に、本明細書に別途記載された特定の実施形態において、アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)、すなわち、上述の厚さ及び長さを有する凝集体は、少なくとも50ミクロン、または少なくとも100ミクロン、または少なくとも200ミクロン、例えば、少なくとも300ミクロンまたは少なくとも400ミクロン、または50ミクロン〜1000ミクロン、または50ミクロン〜800ミクロン、または50ミクロン〜500ミクロン、または50ミクロン〜250ミクロン、または100ミクロン〜1000ミクロン、または100ミクロン〜800ミクロン、または100ミクロン〜500ミクロン、または100ミクロン〜250ミクロン、または200ミクロン〜1000ミクロン、または200ミクロン〜800ミクロン、または200ミクロン〜500ミクロン、または300ミクロン〜1000ミクロン、または300ミクロン〜800ミクロン、または300ミクロン〜500ミクロン、または400ミクロン〜1000ミクロン、または400ミクロン〜800ミクロンの範囲の幅を有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である。上述の平面凝集体は、例えば、1〜20ミクロン(例えば、5〜10ミクロン)の範囲まで凝集体サイズを提供するために、より小さく粉砕されることもできる。
例えば、本明細書に別途記載された特定の実施形態において、アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ20ミクロン〜250ミクロンの範囲の厚さ;少なくとも50ミクロンの長さ;及び少なくとも50ミクロンの幅を有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である。本明細書に別途記載された他の実施形態において、アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ20ミクロン〜250ミクロンの範囲の厚さ;少なくとも100ミクロンの長さ;及び少なくとも100ミクロンの幅を有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である。本明細書に別途記載された他の実施形態において、アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ20ミクロン〜250ミクロンの範囲の厚さ;200ミクロン〜1000ミクロンの範囲の長さ;及び200ミクロン〜1000ミクロンの範囲の幅を有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である。本明細書に別途記載された他の実施形態において、アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ50ミクロン〜250ミクロンの範囲の厚さ;100ミクロン〜1000ミクロンの範囲の長さ;及び100ミクロン〜1000ミクロンの範囲の幅を有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である。当業者は、様々な他の実施形態において、アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ(例えば、シート状またはフレーク状凝集体が形成されるように)上述のような厚さ、長さ及び幅の任意の組み合わせをそれぞれ有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態であることを理解するであろう。
澱粉源のブレンドを含む、様々な異なる澱粉源を使用して、本開示の澱粉を提供することができる。当業者は、異なる供給源からの異なる類型の澱粉は、異なるテクスチャーおよびレオロジー特性を有することができ、したがって、異なる食品用途での使用に望ましいことがあることを理解するであろう。当業者は、従来の顕微鏡法及び分析技術を使用して、澱粉のタイプを区別することができるだろう。例えば、本明細書に別途記載された特定の実施形態において、上記アルファ化澱粉は、コーン澱粉である。本明細書に別途記載された他の実施形態において、上記アルファ化澱粉は、タピオカまたはキャッサバ澱粉である。本明細書に別途記載された他の実施形態において、上記アルファ化澱粉は、ジャガイモ澱粉である。本明細書に別途記載された他の実施形態において、上記アルファ化澱粉は、米澱粉または小麦澱粉である。本明細書に別途記載されたまた他の実施形態において、上記アルファ化澱粉は、ドングリ、クズウコン、アラカチァ、バナナ、大麦、パンノキの実、ソバ、カンナ、コラシア、カタクリ、クズ、マランガ、キビ、オーツ麦、オカ、ポリネシアクズウコン、サゴ、ソルガム、サツマイモ、ライ麦、タロイモ、栗、水栗、ヤマノイモ、または、例えば、ソラマメ、レンズ豆、緑豆、エンドウ豆、またはヒヨコマメなどの豆類から由来される。澱粉は、ワキシー状または非ワキシー状であり得る。本開示の材料および方法は、天然澱粉供給源を含み、事実上、任意の澱粉供給源に対して実施され得る。
当業者が理解できるように、澱粉供給原料は、例えば、澱粉固有のものであるか、他に存在する望ましくない香味、匂いおよび色相を減少させるために、例えば、従来の方法によって精製することができる。例えば、洗浄(例えば、アルカリ洗浄)、蒸気ストリッピング、イオン交換工程、透析、濾過、例えば、亜塩素酸塩などによる漂白、酵素改質(例えば、タンパク質を除去するために)および/または遠心分離などの方法を用いて不純物を減少させることができる。当業者は、このような精製作業が工程中の様々な適切な時点で実施され得ることを理解できるであろう。澱粉を当業界に公知されている技術を使用して洗浄して単糖類および二糖類および/またはオリゴ糖など、可溶性低分子量分画を除去することができる。
本明細書に記載のアルファ化澱粉は、様々なテクスチャの利点を提供することができる。例えば、本明細書に別途記載された特定の実施形態において、アルファ化澱粉は、水性媒体で(例えば、曳糸性によって測定時)低度の凝集性を提供することができる。このようなアルファ化澱粉は、グレービー、ソースまたはドレッシングのような食品に望ましくは低い凝集性を提供するために使用され得る。曳糸性は、図9の写真(3、6及び9の曳糸性値、上から下に)と比較して食品成分の感覚特性を決定するように訓練されたテスターのパネルなどの感覚パネルによって決定することができる。曳糸性評価のために澱粉サンプルを製造するために、澱粉が湿るまでプラスチックヘラを使用して、1:1の比率でプロピレングリコールと澱粉を混合する。澱粉/プロピレングリコール混合物を、825RPMに設定されたカフラモ(Caframo)ミキサーに置く。ミキサーが活性化され、澱粉混合物が入っている容器に1%(w/w)の塩水を注ぐ。ヘラを使用して、澱粉が塩水に完全にさらされるようにする。澱粉混合物の総量は2500グラムであり、澱粉濃度は6.5%(乾燥固体基準)である。混合物を825RPMで10分間ブレンドする。澱粉ペーストは、10等分し、8オンスの覆われた瓶(covered jar)に入れる。各瓶には、約250グラムの製品が入っている。澱粉は、評価前に1時間水和し続ける。曳糸性を決定するために、サンプルをよく撹拌し、その後1スプーンの材料を瓶から取り出して容器にゆっくり落とす。澱粉がスプーンを離れるときの尾の長さを観察し、図9の写真と比較して曳糸性値を決定する。特定の実施形態において、本明細書に別途記載された澱粉は、5以下、または4以下、または1〜5、1〜4、または2〜5または2〜4の範囲の曳糸性値を有する。
水性媒体中のアルファ化澱粉の分散性は、250mLビーカー内の5グラムの澱粉(そのまま)を95グラムの1%(w/w)塩水にダンピングすることにより評価することができる。パネリストは、10秒の時間フレームにわたって澱粉凝集体の沈降速度を観察し、図10の写真と比較して沈降速度値を決定する。沈降速度は、例えば、少なくとも1、少なくとも5、または1〜15または5〜15範囲であり得る。次に、パネリストは、ミニ泡立て器(whisk)を使用して1分間中程度の速度で澱粉溶液を撹拌し、初期濃厚さ、浮遊数、浮遊面積、沈降物(底に沈降凝集体の量)、塊(溶液中の大きな未分散凝集体)、粒状性(graininess)、相分離及び3分後の濃厚さを評価する。撹拌後、未溶解凝集体の量を図11の写真と比較して、例えば0〜15の凝集値を決定することができる。
本明細書に記載のアルファ化澱粉は、様々な水和速度を有することができる。高速水和は、アルファ化澱粉が水性媒体に直接分散されるときに凝集を引き起こす可能性があるが、澱粉を他の成分、例えば、オイルまたは砂糖に事前分散させて凝集を最小化することができる。対照的に、より遅い水和速度により、アルファ化澱粉が水性媒体に直接分散されるときに凝集の最小化が可能になる。当業者は、例えば、材料の粒子の大きさを制御することによって(例えば、ドラム乾燥後の粉砕によって)材料の分散性に影響を与えることができる。
本明細書に別途記載された特定の実施形態において、アルファ化澱粉は、せん断耐性がある。せん断耐性は、せん断加工の前と後の澱粉の沈降体積と可溶分値を比較して測定することができる。本明細書に別途記載された特定の望ましい実施形態において、せん断加工時に沈降体積は、25%以下、さらには10%以下まで増加する。特定の望ましい実施形態において、可溶分の量は、せん断加工時に25%以下、さらには10%以下まで増加する。本明細書に別途記載された特定の実施形態において、澱粉は、せん断加工後、50%以下、30%以下、さらには10%以下の断片化度を有する。このような特定の実施形態において、「せん断加工」は、30Vで40秒間せん断することにより、ワーリングブレンダー(モデル51BL32)での処理である。澱粉は、せん断加工の前に、任意で(例えば、RVA条件により)調理することができる。
本明細書に記載のアルファ化澱粉は、比較的少ない色相で製造することができる。例えば、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉の特定の実施形態は、10以下、例えば3〜10または5〜10範囲の黄色度指数を有する。特定の望ましい実施形態において、黄色度指数は、8未満(例えば、3〜8または5〜8)である。黄色度指数は、ASTM E313によって測定される。しかも、本明細書に記載のアルファ化澱粉は、高度の光沢をつけて製造することができる。光沢度は、標準印画紙(光沢度3:Kodak印画紙バーコード04177174332;光沢度7:Kodakウルトラプレミアム印画紙バーコード04177183398;光沢度11:上部に積層シートを有するKodakプレミアム印画紙。Kodakプレミアム印画紙バーコード04177103438)と比較して確認することができる。
さらに、本明細書に記述されているアルファ化澱粉は、それらが投入される食品の香味に著しく影響を及ぼさないように低香味で製造され得る。
特に、特定の実施形態において、本明細書に記載のアルファ化澱粉は、化学的に改質されない。例えば、特定の実施形態において本明細書に記載のアルファ化澱粉は、従来の改質澱粉および/または抑制澱粉を製造するのに使用される多くの従来の化学的改質剤なしで製造することができる。したがって、特定の好ましい実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、いわゆる、「クリーンラベル」澱粉として表示することができる。例えば、特定の実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、ヒドロキシプロピル化されない。特定の実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、アセチル化されない。特定の実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、カルボキシメチル化されない。特定の実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、ヒドロキシエチル化されない。特定の実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、リン酸化されない。特定の実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、コハク化されない(例えば、オクテニルコハク化されない)。特定の実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、陽イオン性または両性イオン性ではない。
同様に、特定の実施形態において、本明細書に記載のアルファ化澱粉は、澱粉の抑制で一般に使用される架橋結合化学的改質剤を使用せずに製造することができる。例えば、特定の実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、リン酸塩(例えば、オキシ塩化リンまたはメタリン酸塩を用いて)と架橋結合されない。特定の実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、アジペートと架橋結合されない。特定の実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、エピクロロヒドリンと架橋結合されない。特定の実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、アクロレインと架橋結合されない。
そして、本発明のアルファ化澱粉(例えば、上述黄色値を有する)は、特定の実施形態において、当業界で一般的な他の過酷な化学的処理を使用せずに製造することができる。例えば、特定の実施形態において、アルファ化澱粉は、過酸化水素または次亜塩素酸塩によって漂白または酸化されない。当然ながら、他の実施形態において、過酸化水素または次亜塩素酸塩は、本明細書に記載のトウモロコシ、小麦、またはアルファ化澱粉にさらに良好な発色を提供するために用いることができる。
特定の実施形態において、本発明のアルファ化澱粉は、デキストリン化せずに製造することができ、このようにデキストリンの典型的な相当な量の再重合された分岐鎖を含有しない。したがって、このような実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、実質的に1,2−および1,3−分岐化(例えば、それぞれ1%未満)がない。このような分岐化は、当業者に知られている核磁気共鳴技術を用いて判定することができる。
本発明のアルファ化澱粉は、ラピッドビスコ分析器(Rapid Visco Analyzer)によって測定されるように様々な粘度を有することができる。例えば、特定の実施形態において、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉は、RVAによって測定される粘度が50〜1500cP範囲内にあり得る。このような特定の実施形態において、RVAによって測定される粘度は、50〜1000cP、50〜850cP、50〜700cP、50〜500cP、50〜400cP、50〜300cP、50〜200cP、100〜1100cP、100〜1000cP、100〜850cP、100〜700cP、100〜500cP、100〜400cP、100〜300cP、200〜1100cP、200〜1000cP、200〜850cP、200〜700cP、200〜500cP、400〜1100cP、400〜1000cP、400〜850cP、400〜700cP、600〜1100cPまたは600〜850cP、700〜1500cPまたは700〜1300cP範囲内にある。粘度は、1%NaClにおけるpH6.5リン酸塩緩衝液中で5%固形分で160rpmの攪拌速度でRVAによって測定する。分析の初期温度は、50℃である;温度を3分にわたって90℃まで直線的に上昇させた後、95℃で20分間維持させ、次いで3分間にわたって50℃まで直線的に低下させ、次いで50℃で9分間維持させ、以後粘度を測定する。特に、ペースト化(pasting)ピークが、約2〜5分の時間で表示される場合、測定された最終粘度は、ペースト化ピーク粘度よりも高い。ペースト化ピークが存在しない場合、95℃維持中の粘度は、平坦であるか、増加する。特定の実施形態において、澱粉は、粘度測定実験の95℃保持時間にわたって3%未満、2%未満、または1%未満の粘度崩壊を示す。
特定の実施形態において、本開示のアルファ化澱粉は、調理時に無傷粒子を実質的に保存する。本明細書で使用される無傷粒子の程度は、スラリーを含有する容器を95℃水浴内に浮遊させ、ガラス棒または金属へらで6分間攪拌した後、容器を覆い、ペーストを95℃でさらに20分間維持させ、次いでペーストを室温まで冷却させることによって、澱粉を加塩緩衝溶液中の5%固形分で調理して測定する。このように調理した後、膨潤されているが、完全な粒子を顕微鏡で観察することができる。当業者は、微粒子の性質による僅かな偏差が許容されることを理解するであろう。例えば、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉の特定の実施形態において、澱粉粒子の30%以下が、調理時に(すなわち、上で説明したように)損傷される。このような特定の実施形態において、澱粉粒子の20%以下、さらには10%以下が、調理時に(すなわち、上で説明したように)損傷される。当業者は、当業界において通常的であるように、澱粉粒子を顕微鏡(例えば、染色された)下で観察し、澱粉粒子が完全な状態を維持しているか否かを判定することができる。RVA調理直前および直後にバッファに分散した物質間で比較を行なって粒子のどの部分が実質的に無傷に残っているかを決定することができる。本明細書に記載のアルファ化澱粉の特定の望ましい実施形態は、実質的に消化可能である。例えば、本明細書に特に記載されるアルファ化澱粉の特定の実施形態において、繊維の量は、AOAC 2001.03によって決定されるところにしたがえば、10%未満である。このような特定の実施形態において、繊維の量は、5%未満、さらには2%未満である。
したがって、本開示のアルファ化澱粉は、費用効果的な方式で加工耐性を有するように製造することができ、色相が低く「改質された」または「E−ナンバー」(すなわち、改質を意味)で表示される必要のない非−凝集性瞬間増粘を提供することができる。
本発明の別の態様は、本明細書に記載のアルファ化澱粉の製造方法である。方法は、水性媒体で湿らせた抑制非ゼラチン化澱粉を提供する段階;及び、例えば、本開示のアルファ化澱粉に対して上述した程度まで、上記澱粉をアルファ化するのに十分な条件下で、上記湿った抑制非ゼラチン化澱粉をドラム乾燥させる段階を含む。このような特定の実施形態において、抑制非ゼラチン化澱粉は、例えば、本開示のアルファ化澱粉に対して上記記載されたように、例えば、アセチル化またはヒドロキシプロピル化により安定化されない。そして、このような特定の実施形態において、抑制非ゼラチン化澱粉は、本開示のアルファ化澱粉に対して上記記載されたように、例えば、リン酸塩またはアジペートによって架橋結合されない。抑制非ゼラチン化澱粉は、上記のような任意の澱粉タイプであり得る。当業者であれば、本明細書に記載の澱粉に提供するために従来のドラム乾燥技術を使用することができる。
本開示のアルファ化澱粉が製造される抑制された非ゼラチン化澱粉は、様々な方法論を使用して提供され得る。様々な澱粉供給原料(例えば、コーン澱粉、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、または本明細書に記載される他の任意の澱粉)を使用することができる。澱粉供給原料は、例えば、当業界において通常的であるように、澱粉中に存在する脂質および/またはタンパク質の量を減少させるために前処理することができる。
特定の実施形態において、抑制非ゼラチン化澱粉は、その全文が本明細書で参照に引用される国際特許出願公開第2013/173161号に記載の方法を使用して製造する。したがって、本明細書に記載の澱粉の製造方法は、
a)非−アルファ化澱粉供給原料をアルコール媒体中で塩基の存在下で少なくとも35℃の温度で加熱するステップ;
b)上記塩基を酸を用いて中和するステップ;
c)抑制非ゼラチン化澱粉をアルコール媒体から分離するステップ;および
d)例えば、加熱または蒸気によって、非ゼラチン化澱粉からアルコール溶媒を除去するステップを含む。
アルコール媒体は、一般に少なくとも1種のアルコール、特にメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブチルアルコールなどのC1−C4モノアルコールを含む。1つ以上の他の物質が非アルコール性有機溶媒(特に、アルコールと混和性であるもの)などのアルコール媒体および/または水中に存在することもあり得る。しかしながら、上記方法の一実施形態において、アルコール媒体は、アルコール以外の任意の溶媒および水を含有しない。例えば、有利にするために水性アルコールを使用することができる。アルコール媒体は、例えば、30重量%〜100重量%のアルコール(例えば、エタノール)および0重量%〜70重量%の水を含むことができる。一実施形態において、アルコール媒体は、80重量%〜96重量%のアルコール(例えば、エタノール)および4重量%〜20重量%の水を含み、アルコールと水の総量は、100%と同一である。別の実施形態において、アルコール媒体は、90重量%〜100重量%のアルコール(例えば、エタノール)および0重量%〜10重量%の水を含み、アルコールおよび水の総量は、100%と同一である。他の実施形態において、10重量%以下または15重量%以下の水がアルコール媒体中に存在する。澱粉に相対的なアルコール媒体の量は、極めて重要なものと見なされないが、一般に便宜および加工の容易さのために、攪拌可能なおよび/またはポンピング可能なスラリーを提供するに十分なアルコール媒体が存在する。例えば、澱粉:アルコール媒体の重量比は、約1:2〜約1:6であり得る。
特定の方法において、非ゼラチン化澱粉供給原料がアルコール媒体中で加熱されるときに、少なくともある程度の量の処理剤(塩基および/または塩)が存在する。しかしながら、以前から知られている澱粉改質工程とは対照的に、澱粉の効果的な抑制を達成するために多量の処理剤(澱粉に対して)を使用する必要がないことが有利である。これは、抑制された澱粉の後続加工を単純化し、潜在的な生産コストを減少させる。一般に、(使用される澱粉の乾燥重量を基準で)少なくとも0.5重量%の処理剤が使用されるが、他の実施形態においては、少なくとも1重量%以上2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、または少なくとも5重量%の処理剤が存在する。経済的な理由から、一般に10重量%または15重量%以下の処理剤が存在する。
一般に、澱粉、アルコール媒体および処理剤の混合物は、スラリーの形態である。特定の実施形態において、スラリーのpHを特定の値に調整することが望まれ得る。このようなスラリーのpHを測定することは、アルコールの存在のため、困難であり得る。塩基を添加してスラリーを塩基性にする一実施形態において、スラリーが単独の脱イオン水中の澱粉スラリーであるかのように適切な量の塩基を決定し、次いで塩基と澱粉の同一の比率を維持しながら実際量でスケールアップ(scale up)することができる。
スラリーは、例えば、中性(pH6〜8)または塩基性(pH8超過)であり得る。一実施形態において、スラリーのpHは、少なくとも6である。別の実施形態において、スラリーのpHは、少なくとも7である。別の実施形態において、スラリーのpHは、12以下である。他の実施形態において、スラリーのpHは、6〜10、7.5〜10.5または8〜10である。さらに他の実施形態において、スラリーのpHは、5〜8または6〜7である。
澱粉のアルコール処理剤による処理は、最初に澱粉をアルコール媒体に入れ、次いで処理剤(例えば、塩基および/または塩)を添加して行うことができる。代替的に、処理剤を最初にアルコール媒体と混合し、次いで澱粉と接触させることができる。処理剤は、反応して処理剤として機能する塩を形成する塩基と酸を別々に添加するなどによって、元の位置(in situ)で形成させることができる。
上記工程で使用するのに適した塩基は、これらに限定されないが、水酸化カリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物を含む。
これらの方法で使用するのに適した塩は、水溶液でイオン化し、実質的に中性溶液(すなわち、pHが6〜8である溶液)を提供する水溶性物質を含む。有機酸、例えば、イタコン酸、マロン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、アコニット酸、コハク酸、オキサロコハク酸、グルタル酸、ケトグルタル酸、リンゴ酸、脂肪酸およびこれらの組み合わせの塩(例えば、ナトリウム塩またはカリウム塩)と同様にアルカリ金属含有塩が特に有用である。
異なる処理剤の混合物を使用することができる。例えば、澱粉は、少なくとも1つの塩基と少なくとも1つの塩の両方の存在下でアルコール媒体中で加熱することができる。
澱粉、アルコール媒体および処理剤は、澱粉を所望の程度まで抑制するのに效果的な時間および温度で加熱される。一般に、室温以上の温度(すなわち、35℃以上)が必要であろう。同時に、極めて高い温度は、避けるべきである。加熱温度は、例えば、35℃〜200℃であり得る。一般に、100℃〜190℃、120℃〜180℃、または130℃〜160℃、または140℃〜150℃の温度が十分であろう。加熱時間は、一般に少なくとも5分であるが、20時間以下であり、通常40分〜2時間である。一般に所望のレベルの澱粉抑制は、加熱温度が上昇すると、より迅速に達成することができる。
処理時間、処理温度、および澱粉、アルコール媒体と処理剤の混合物の成分比率の具体的条件は、一般に澱粉が相当な程度までゼラチン化しないように選択される。すなわち、澱粉は、上で説明したように、非−アルファ化された状態を維持する。
加熱段階のために選択された温度がアルコール媒体の1つ以上の成分の沸騰点を超過する場合、加圧され得る容器または他の装置で加熱段階を行うことが有利であろう。アルコール媒体を液体状態に維持するために、処理を制限された領域で実施することができる。追加の陽圧を用いることもできるが、一般的には必要ではない。澱粉は、高温高圧の条件下で処理剤とともにアルコール媒体中でスラリー化し、澱粉の粘度特性を変化させるのに十分な時間処理することができる。他の適切な加工技術が当業者に明らかであり得るが、このような処理は、バッチ(batch)式攪拌タンク反応器または連続式管状反応器で行うことができる。別の実施形態において、澱粉は、管状反応器内の床(bed)の形態であってもよく、アルコール媒体と処理剤の混合物は、このような床を通過し(任意に連続的に)、床は、所望の温度で維持され、澱粉の抑制をもたらす。
塩基が処理剤として用いられる実施形態において、澱粉、アルコール媒体および塩基の混合物は、一旦加熱段階が完了されると、塩基を中和させる目的で1つ以上の酸と混合することができる。このような中和段階で使用するのに適した酸には、有機カルボン酸、例えばイタコン酸、マロン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、フマル酸、アコニット酸、コハク酸、オキサロコハク酸、グルタル酸、ケトグルタル酸、リンゴ酸、クエン酸、脂肪酸およびこれらの組み合わせの塩および尿酸などの他の類型の酸が含まれるが、これらに限定されない。抑制された澱粉が食品成分としての使用が意図される場合、酸は一般に、適用される規定下でこのような使用が許容されるものになるように選択されるべきである。一般に、混合物のpHをほぼ中性から弱酸性、例えば、約5〜約7または約6〜約6.5のpHに低下させるのに十分な酸を添加する。
酸による中和は、任意の適切な温度で実施することができる。一実施形態において、澱粉、塩基およびアルコール媒体のスラリーは、中和に使用される酸と混合する前に、使用される加熱温度からほぼ室温(例えば、約15℃〜30℃)まで冷却させる。以後、中和された混合物を以下に記載されるように、さらに加工して抑制された澱粉をアルコール媒体から分離することができる。しかしながら、別の実施形態において、塩基の中和に続いて澱粉スラリーをさらに加熱する。このようなさらなる加熱は、塩基の中和後に加熱されていない類似に製造された澱粉の粘度特性と比較し、獲得された抑制澱粉のレオロジー特性を変形させ得ることが見出された。
一般に、このようなさらなる加熱段階は、常温以上の温度(すなわち、35℃以上)で実施することが有利である。同時に、極めて高い温度は、避けるべきである。加熱温度は、例えば、35℃〜200℃であり得る。一般に、100℃〜190℃、120℃〜180℃、または130℃〜160℃、または140℃〜150℃の温度が十分であろう。加熱時間は、一般に少なくとも5分であるが、20時間以下であり、通常40分〜2時間である。
澱粉とアルコール媒体の混合物は、澱粉をアルコール媒体から分離するように加工することができる。濾過、傾斜分離、沈降または遠心分離などの液体から固体を回収するための従来の方法がこのような目的に適合することができる。任意の望ましくない水溶性不純物を除去するために分離された澱粉を追加のアルコール媒体および/またはアルコールおよび/または水で洗浄することができる。一実施形態において、残留塩基の中和は、回収された澱粉を酸性化した液体媒体で洗浄することによって達成される。分離された澱粉の乾燥は、本発明による抑制された非−アルファ化顆粒澱粉を提供するであろう。例えば、オーブンまたは流動床反応器または乾燥機またはミキサなどの適切な装置内で比較的高い温度(例えば、30℃〜60℃)で行うことができる。澱粉から揮発性物質(例えば、水、アルコール)の除去を容易にするため、真空および/またはガスパージ(例えば、窒素スイープ(nitrogen sweep))を適用することができる。得られた乾燥された抑制非−アルファ化澱粉は、破砕、粉砕、ミリング、スクリーニングまたは篩掛けすることができるか、特定の所望の凝集体サイズを達成する任意のこのような他の技術に適用することができる。一実施形態において、抑制澱粉は、自由流動性の凝集体の形態である。
しかしながら、一実施形態において、澱粉は、著しく高い温度(例えば、80℃超過または100℃超過または120℃超過)で脱溶媒化段階に適用される。しかしながら、過度に高い温度は、澱粉の変性または変色を引き起こし得るため、避けるべきである。このような段階は、生成物中の残留溶媒(アルコール)の量を減少させるのみならず、澱粉によって示される抑制程度を増進させるという予想外のさらなる利点を提供する。脱溶媒化温度は、例えば、約100℃〜約200℃であり得る。一般に、温度は、120℃〜180℃または150℃〜170℃である。脱溶媒化は、蒸気の存在または不在下で実施することができる。蒸気処理は、このような高温で起こり得る澱粉の変色程度を最小化するのに役立つという点で有利であることが明らかになった。一実施形態において、蒸気は、トウモロコシ、小麦、またはタピオカをもとにした抑制されたワキシー澱粉の床またはケーキを通過する。あらゆる目的上、その全文が本明細書で参照に引用される米国特許第3,578,498号の澱粉脱溶媒化方法が使用に適合することができる。蒸気処理後、トウモロコシ、小麦、またはタピオカをもとにした抑制されたワキシー澱粉を(例えば、約30℃〜70℃の温度のオーブンでまたは流動床反応器で加熱して)乾燥させて残留水分含量を減少させることができる。
一実施形態において、アルコール媒体から回収された処理澱粉は、最初に約35重量%以下または約15重量%以下の総揮発性物質含量となるようにする。これは、例えば、回収された澱粉を最初に適度な温度(例えば、20℃〜70℃)で所望の初期揮発性物質含量まで空気乾燥またはオーブン乾燥させることによって達成することができる。次いで、生蒸気を乾燥された澱粉に通過させ、システムを蒸気の凝縮点より高い温度で維持させる。このような蒸気脱溶媒化の段階を実施するために流動床装置を使用することができる。
一般に、抑制非アルファ化澱粉中の残留アルコール含量が1重量%未満または0.5重量%未満または0.1重量%未満となるのに効果的な条件下で脱溶媒化を行うことが望ましいであろう。
脱溶媒化された後、抑制非アルファ化澱粉を水で洗浄した後に再乾燥して色相および/または香味をさらに向上させおよび/または、水分含量を減少させることができる。
当然、当業者であれば、抑制非アルファ化澱粉に到達するために他の方法論を使うことができる。澱粉供給原料は、例えば、pH調整されて加熱され得る。pH調整は、pH調整剤を澱粉と接触させて行うことができる;pH調整制の例には、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、マロン酸、酒石酸、イタコン酸、アコニット酸、オキサロコハク酸、ケトグルタル酸、脂肪酸および炭酸のみならず、これらの塩(例えば、酸性の中和により元の位置で生成され得るカリウムおよび/ナトリウム塩)が含まれる。pH調整剤は、任意の便利な方式で、例えば、液体(例えば、水、水性エタノールなどの水性アルコールを含むアルコール(例えば、エタノールまたはイソプロパノールを含む上で説明したような)または別の溶媒)中のスラリーであって;乾燥形態;湿った形態(例えば、溶媒(例えば、水、水性エタノールまたは別の溶媒)の中のミスト);または澱粉の湿ったドウ形態(例えば、水、水性エタノールまたは別の溶媒によって)の澱粉供給原料と接触することができる。また、酸のアルカリ金属塩を使用する場合、例えば、酸およびアルカリ金属水酸化物または炭酸塩を別途の段階で添加し、それを元の位置で形成させることができる。
pH調整を実施し、様々なpH値を算出することができる。例えば、特定の実施形態において、そして国際公開第2013/173161号に記載されているように、pH調整を実施し、7〜10範囲のpHを算出することができる。他の代替的な実施形態において、pH調整を実施し、3〜7範囲、例えば、3〜6、または3〜5、または3〜4、または4〜7、または4〜6、または4.5〜7、または4.5〜6、または5〜7、または5〜6、または約3、または約3.5、または約4、または約4.5、または約5、または約5.5、または約6、または約6.5、または約7の範囲のpHを算出することができる。pH調整がスラリーで行われる場合、スラリーのpHは、関連pHである。pH調整が実質的に非−液体形態(例えば、ドウまたは湿った固体)で行われる場合、水中の38%の固体物質のpHは、関連pHである。澱粉に相対的なpH調整剤の量は、例えば、乾燥固体を基準で0.05〜30重量、例えば、0.05〜20重量%、0.05〜10重量%、0.05〜5重量%、0.05〜2重量%、0.05〜1重量%、0.05〜0.5重量%、0.2〜30重量%、0.2〜20重量%、0.2〜10重量%、0.2〜5重量%、0.2〜2重量%、0.2〜1重量%、1〜30重量%、1〜20重量%、1〜10重量%、1〜5重量%、5〜30重量%、または5〜20重量%に変えることができる。望ましくは、pH調整剤は、澱粉供給原料と完全に混合される。これは、pH調整が行われる形態に応じて異なる工程条件を必要とするであろう。pH調整がスラリーで行われる場合、単にスラリーを数分間攪拌するだけで十分である。pH調整がより乾燥した形態(例えば、湿った固体またはドウ)で行われる場合、より実質的な接触手順が望まれ得る。例えば、pH調整剤溶液を乾燥澱粉供給原料に噴霧する場合、約30分間混合した後、少なくとも数時間貯蔵することが望まれ得る。均一な抑制を提供するために、澱粉全体にわたって、すなわち顆粒レベルで、均一なpH調整剤分布を提供することが望ましい。
pH調節剤を澱粉と接触させた後、澱粉を加熱させることができる(すなわち、依然としてpH調整剤と接触させた状態で)。澱粉は、様々な形態で加熱することができる。例えば、澱粉は、アルコールまたは非水性溶媒スラリー中で(例えば、溶媒の沸騰点が加熱温度より十分に高くない場合には加圧下で);(例えば、国際公開第2013/173161号に開示されているように)顆粒膨潤を抑制するための澱粉、水および非水溶媒のドウとして,または乾燥状態で(溶媒は、例えば、WO2013/173161に対して上で説明したような濾過、遠心分離および/または熱−乾燥などの従来の技術を用いて除去することができる)加熱することができる。澱粉は、例えば、さらなる加熱前に5%未満の水分レベルまで乾燥することができる。このような乾燥のために、相対的に低温、例えば、40〜80℃、または40〜60℃、または約50℃が使用され得る。真空が、また乾燥工程において使用され得る。澱粉は、加熱工程(下記参照)の結果として乾燥され得る;別途の乾燥段階は必要ではない。
乾燥澱粉は、100〜200℃の範囲の温度で加熱され得る。例えば、特定の方法において、加熱温度は120〜160℃である。他の様々な方法において、加熱温度は120〜180℃、または120〜160℃、または120〜140℃、または140〜200℃、または140〜180℃、または140〜160℃、または160〜200℃、または160〜180℃、または180〜200℃である。澱粉は、数回加熱することができる。澱粉は、例えば、20秒〜20時間の範囲で所定時間加熱され得る。一般的な加熱時間は、10分〜2時間の範囲である。より長い加熱時間および/またはより高い熱処理温度を使用してより多い抑制を提供することができる。材料は、望ましくは均一に加熱される。澱粉は、所望の水分含量を維持するために、加圧下で加熱され得るか、マスフロービン(mass flow bin)または同様の装置で加熱され得る。
本明細書に記載された特定の方法は、例えば、pH調整との上記接触のために液体媒体中にアルコールを使用しないで実施され得る。特に望ましい特定の方法において、水がpH調整のための媒体として使用される。したがって、特定の望ましい実施形態において、トウモロコシ、小麦、またはタピオカをもとにした抑制されたワキシー澱粉は、500ppm未満のアルコール溶媒、例えば、500ppm未満のエタノールを含む。例えば、様々な実施形態において、トウモロコシ、小麦、またはタピオカをもとにした抑制されたワキシー澱粉は、100ppm未満、50ppm未満、10ppm未満、5ppm未満、または1ppm未満のアルコール溶媒、例えば、100ppm未満、50ppm未満、10ppm未満、5ppm未満、または1ppm未満のエタノールを含む。
加熱された澱粉を冷却させた後、そのまま使用するか、当技術分野において慣用的な方法でさらに処理することができる。例えば、澱粉を洗浄してさらに白い色およびより心地良い香味を提供することができる。非水性溶媒が使用される場合、できるだけ多くの溶媒を除去することが望ましい。しかし、相対的に低いレベルのpH調整剤が使用されると、最終生成物はさらなる洗浄なしに、妥当なpHおよび灰分目標を満たすことができる。
本開示の別の態様は、本明細書に記載のような方法により製造されたアルファ化澱粉である。
本発明の別の態様は、本明細書に記載のアルファ化澱粉を食品に分散させることを含む、アルファ化澱粉の製造方法である。分散は、様々な温度で実行され得る。特に、澱粉がアルファ化されているため、分散は高温で行う必要はない。したがって、特定の実施形態において、アルファ化澱粉は、95℃以下、例えば90℃以下、70℃以下、さらには50℃以下の温度で食品に分散される。本明細書に別途記載された方法の特定の実施形態において、アルファ化澱粉は、15〜95℃、例えば、15〜90℃、15〜70℃、15〜50℃、15〜30℃、20〜95℃、20〜90℃、20〜70℃、または20〜50℃の範囲の温度で食品に分散される。もちろん、アルファ化澱粉は、異なる温度、例えば、本明細書に記載の温度よりも高い温度で食品に分散され得る。例えば、場合によっては、アルファ化澱粉を調理温度が非常に高い高糖質食品に使用することができる。アルファ化澱粉は、糖の存在下で水和を提供するのに役立つことができ、そうでなければ、食品中の非ゼラチン化澱粉が調理されることを防止することができる。
アルファ化澱粉の分散は、澱粉顆粒が食品中で実質的に崩壊せずに残るように実行され得る。例えば、本明細書に別途記載された方法の特定の実施形態において、澱粉顆粒の少なくとも50%(例えば、少なくとも75%、さらには少なくとも90%)が膨潤するが食品に分散するときに実質的に崩壊しない。
本発明の別の態様は、その中に分散された本明細書に記載の澱粉を含む食品である。望ましくは、アルファ化澱粉の澱粉顆粒は、食品中では実質的に崩壊しない。例えば、本明細書に別途記載された方法の特定の実施形態において、澱粉顆粒の少なくとも50%(例えば、少なくとも75%、さらには少なくとも90%)は膨潤するが、食品中では実質的に崩壊しない。
本開示のアルファ化澱粉は、様々な食品に使用され得る。例えば、本明細書に別途記載された方法及び食品の特定の実施形態において、食品は液体である。本明細書に別途記載された方法及び食品の特定の実施形態において、食品は油−含有食品である。本明細書に別途記載された方法及び食品の特定の実施形態において、食品は、スープ、グレービー、ソース、マヨネーズ、ドレッシング(例えば、注ぐことができるかまたはスプーンを利用し得るサラダドレッシング)、フィリング(例えば、高糖度フルーツフィリングのようなフルーツフィリング)、クリーム(例えば、ババロアクリーム)、または乳製品(例えば、ヨーグルトまたはクォーク)である。例えば、本開示のアルファ化澱粉は、様々な実施形態でサラダドレッシング、マヨネーズ、及びチーズソースなどの様々な他の油/水エマルジョンだけでなく、パイフィリングなどの高糖質フィリングに使用され得る。本明細書に記載の澱粉は、製菓製パン類にも含まれることができる。
本明細書に記載の澱粉はまた、乾燥ミックス、例えば、スープ、ソースおよび焼き菓子などの食品用である、インスタント乾燥ミックスで有利に使用され得る。したがって、本開示の別の態様は、1つ以上の乾燥成分および本明細書に記載のアルファ化澱粉(すなわち、乾燥形態)を含む乾燥ミックスである。
本開示のアルファ化澱粉は、例えば、卵によって別途提供される特性を提供するために、卵を含有しない食品に有用であることができ;したがって、本明細書に別途記載された方法及び食品の特定の実施形態において、食品は卵を含有しない。
本明細書に記載の澱粉は、極めて様々な他の食品に使用することができる。例えば、本発明の澱粉および方法の特定の実施形態において、澱粉は、ベーキングされた食品、朝食用シリアル、無水コーティング(例えば、アイスクリーム配合コーティング、チョコレート)、乳製品、菓子、ジャムおよびゼリー、飲料、フィリング、押出型およびシート状スナック、ゼラチンデザート、スナックバー、チーズおよびチーズソース、食用および水溶性フィルム、スープ、シロップ、ソース、ドレッシング、クリーマー、アイシング、フロスティング、グレーズ、ペットフード、トルティーヤ、肉類および魚、ドライフルーツ、乳幼児食品および生地と衣から選択される食品で使用される。本明細書に記載の澱粉は、様々な医療用食品にも使用することができる。本明細書に記載の澱粉は、ペットフードにも使用することができる。
加工された食品調剤物に基づき、当業者は、完成食品で必須的な食感および粘度を提供するのに必要な本発明の澱粉の量および種類を容易に選択することができる。一般に、澱粉は、食品の0.1〜35重量%、例えば、0.1〜10重量%、0.1〜5重量%、1〜20重量%、1〜10重量%または2〜6重量%の量で使用される。本明細書に記載の澱粉は、例えば、0.1〜95%、例えば、0.1〜80%、0.1〜50%、0.1〜30%、0.1〜15%、0.1〜10%、0.1〜5%、1〜95%、1〜80%、1〜50%、1〜30%、1〜15%、1〜10%、5〜95%、5〜80%、5〜50%、5〜30%、20〜95%、20〜80%、または20〜50%の範囲の量で、プレブレンド及び乾燥ミックスにも使用され得る。
本開示の澱粉は、いくつかの特定食品において驚くほど高い安定性を有し得る。たとえば、特定の実施形態において、本開示の澱粉が砂糖とともに食品に存在するとき、それは向上された安定性を提供することができる。他の実施形態において、本開示の澱粉が脂肪酸またはその誘導体(例えば、ステアリン酸塩)とともに食品に存在するとき、それは向上された安定性を提供することができる。
実施例1
製造例において、本明細書に記載のように製造された26mL/gの沈降体積および600〜700cPのRVA粘度を有する抑制された澱粉は、3回の異なる実行で125psig蒸気圧および8rpmのドラム速度でGoudaシングルドラム乾燥機(モデルE5/5)(500mmX500mm)上で37%固形物でドラム乾燥された(11ヵ月にわたって実施され、サンプル2および3は、サンプル1より、それぞれ9ヵ月および10ヵ月後に製造された)。サンプル2は、出発物質として614cPのRVA粘度および26mL/gの沈降体積を有する澱粉を使用した。サンプル3は、出発物質として704cPのRVA粘度および26mL/gの沈降体積を有する澱粉を使用した。サンプル1は、上記材料のブレンドを使用した。フィッツ(Fitz)ナイフで材料をミリング製粉した。そのように生産されたアルファ化澱粉に対して測定したデータは、以下の表に提供されており、図12と13は、それぞれ3つのサンプルに対するRVAプロットおよび水和RVAプロットを提供する。
Figure 2020534378
サンプル1および2を提出してこれらの分散およびテクスチャの特性に対して官能評価した。図14は、これら2つの材料に対する分散挙動を示す。先に製造されたバッチ(1)は、より新しく製造されたバッチよりもわずかに沈殿されて浮遊物がよりわずかに多いが、その違いは有意ではない。
実施例2
別の製造例において、それぞれ、243および405cPのRVA粘度そして24および23mLの沈降体積を有し、本明細書に記述されているように製造された抑制澱粉は、3回の異なる実行で125psig蒸気圧および8rpmのドラム速度でGoudaシングルドラム乾燥機(モデルE5/5)(500mm×500mm)上で37%固形物でドラム乾燥された(11ヵ月にわたって実施され、サンプル5および6は、サンプル4より、それぞれ9ヵ月および10ヵ月後に製造された)。サンプル5は、出発物質として243cPのRVA粘度および24mL/gの沈降体積を有する澱粉を使用した。サンプル3は、出発物質として405cPのRVA粘度および23mL/gの沈降体積を有する澱粉を使用した。サンプル4は、上記材料のブレンドを使用した。フィッツナイフで材料を製粉した。そのように製造されたアルファ化澱粉に対する測定データは、以下の表に提供され、図15および16は、それぞれ3つのサンプルに対するRVAプロットおよび水和RVAプロットを提供する。
Figure 2020534378
サンプル4および5を提出してこれらの分散およびテクスチャの特性に対して官能評価した。図17は、これら2つの材料に対する分散挙動を示す。先に製造されたバッチ(4)は、新しく製造されたバッチよりもわずかに沈殿されて浮遊物がよりわずか多いが、その違いは有意ではない。
実施例3
本開示の澱粉および通常的に改質された食品澱粉をそれぞれババロアクリームで製造した。バッチ調製法は、以下に提供される:
Figure 2020534378
オイルを2分間速度2で泡立て器を使用してホバート(Hobart)ミキサー内のスクロースにコーティングした。残りの乾燥成分を事前−ブレンディングしてオイルコーティングされた(oiled)スクロースに添加し、2分間速度2でブレンディングした。速度1で総1分間混合しながら、熱水を徐々に添加した。速度2で4分間混合を継続した後、クリームを冷蔵保管した。組織分析結果は、図18に提示されている。本開示の澱粉は、改質された食品澱粉と比較するとき、優秀な増粘力、優秀な光沢度および低い粒状性を示した。さらに、色相が非常に低かったが、従来の「クリーンラベル」澱粉で製造されたババロアクリームよりはるかに低く、これは本開示の澱粉の低い黄色度指数を示す。
本開示の澱粉(サンプル6)および通常的に改質された食品澱粉は、それぞれスプーンを利用し得るサラダドレッシングで製造された。バッチ調製法は、以下に提供される:
Figure 2020534378
ドレッシングを準備するために、Isosweet(登録商標)100および水をホバートミキシングボウルに入れた。乾式−ブレンディングされたSTAR−DRI(登録商標)42C、塩およびソルビン酸カリウムを上記ボウルに添加して混合して分散させた。キサンタンガムを少量のオイルに分散させてボウルに添加し、5分間水和されるように静置した。次いで酢を添加した。澱粉を少量のオイルに分散させて容器に添加した;攪拌を継続して5分間材料を水和させた。卵黄を添加した。残りのオイルを徐々に添加してプレ−エマルジョンを生成させた。コロイドミルを通して材料を通過させて最終エマルジョンを生成させた。組織分析結果は、図19に提示されている。本開示の澱粉は、改質された食品澱粉と比較するとき、優秀な増粘力、優秀な光沢度および低い粒状性を示した。
本開示の澱粉(サンプル3)および通常的に改質された食品澱粉をそれぞれ高−固形分フルーツフィリングに製造した。バッチ調製法は、以下の通りである:
Figure 2020534378
フィリングを準備するために、Isosweet(登録商標)5500をホバートミキシングボウルに入れた。澱粉が完全に分散されるまで(2〜4分)速度1で混合しながら澱粉を徐々に添加した。香料、着色剤および水を添加し、混合物を速度1で1分間ブレンディングした。混合物が濃くなるまで静置した。プレブレンディングされたKRYSTAR(登録商標)300および酸味料を添加し、混合物を均一になるまでブレンディングした。組織分析結果は、図20に提示されている。本開示の澱粉は、改質された食品澱粉と比較するとき、優秀な増粘力、優秀な光沢度および低い粒状性を示した。
本明細書に示した詳細な内容は、例示であり、本発明の材料および方法の様々な態様および実施形態の例証する考察の目的のためのものであり、本発明の原理および概念的態様の最も有用かつ容易に理解される技術であると考えられるものを提供するために提示される。この点において、本発明の基礎的な理解に必要なもの以上に詳細に本明細書に記載の澱粉および方法の詳細な内容を示す意図ではなく、説明は、本発明の様々な形態が実際にどのように具体化され得るかが当業者に明白になるようにする図および/または実施例とともに示した。したがって、開示された材料および方法を説明する前に、本明細書に記載の実施形態が特定の実施形態、装置または構成に限定されず、当然様々であり得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明しようとする目的のためのものであり、本明細書で特に定義しない限り、限定しようとする意図ではないということが理解されるべきである。
本明細書に開示された材料および方法を説明する脈絡において(特に添付の特許請求の範囲の脈絡において)、使用される用語「1つ(a、an)」、「上記(the)」および類似した指示対象は、本明細書で別途に指摘されない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、単数および複数対象の両方を含むものと解釈されるべきである。本明細書で値範囲の列挙は、単にその範囲に含まれる各々の個別値を個別に言及する短縮方法として機能するものと意図される。本明細書で別途に指摘されない限り、各々の個別値は、あたかも本明細書で個別に列挙されているように本明細書に統合される。範囲は、本明細書で1つの特定値からおよび/または別の特定値までとして表現することができる。このような範囲が表現される場合、別の態様は、1つの特定値からおよび/または他の特定値までを含む。同様に、値が先行詞「約」を使用し、近似値として表現される場合、特定値は、別の態様を形成するものと理解されるであろう。各範囲の終点は、他の終点に関連しても有意味であり、他の終点と独立的にも有意味であることがさらに理解されるであろう。
本明細書に記載のすべての方法は、本明細書で別途に指摘されない限り、または文脈によって明らかに否定されない限り、任意の適切な段階の手順で実施することができる。本明細書で提供される任意のおよびすべての例または例示的な言語(例えば、「〜などの」)の使用は、本発明の材料および方法をよりよく明確にするためのことのみを意図し、他に開示されている材料および方法の範囲に対して制限を提起しない。本明細書のいかなる言語も、本発明の実施に必須である任意の請求されない要素を示すものと解釈されるべきではない。
文脈が明らかに別途に要求されない限り、詳細な説明および特許請求の範囲全般にわたって「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などの用語は、排他的または徹底的な意味ではなく、包括的な意味に解釈されるであろう;すなわち、「を含むが、これに限定されない」の意味である。単数または複数を使用する用語は、各々複数と単数を含む。さらに、「本明細書で」、「上」および「以下」という用語および類似の用語は、本出願で使用される場合、本出願全体を指すものであって本出願の任意の特定部分を指すものではない。
当業者が理解できるように、本明細書に開示された各々の実施形態は、その特定の記述された要素、段階、成分または構成要素を含み得るか、これらから本質的になり得るか、これらからなり得る。本明細書で使用される場合、移行用語「含む(comprise)」または「含む(comprises)」は、これらに限定されないが、含む(includes)を意味し、また過半量であっても、明示されない要素、段階、成分または構成要素を含むことを許容する。移行句「からなる」は、明示されない任意の要素、段階、成分または構成要素を除外する。移行句「から本質的になる」は、実施形態の範囲を、明示されている要素、段階、成分または構成要素および実施形態で実質的に影響を及ぼさないものに限定する。
別途の指示がない限り、材料の量、本明細書および特許請求の範囲で使用される分子量、反応条件などの特性を表すすべての数値は、「約」という用語によってすべての実例において修飾されると理解される。したがって、それとは反対の指示がない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記述された数字によるパラメータは、本発明の材料および方法によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である少なくとも、また特許請求の範囲と均等の原則の適用を限定しようとする意図ではなく、各々の数字によるパラメータは、少なくとも報告された有効桁数の数字に照らし、通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。
広範囲に及ぶ本発明を説明している数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、特定の実施例で記述している数値は、可能な限り、正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、これら各々の試験測定で見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含む。
本明細書に開示されている材料および方法の代替的要素または実施形態の分類は、限定としては解釈されない。各々の群のメンバーは、個々にまたは群の他のメンバーまたは本明細書で見出される他の要素との任意の組み合わせで言及および特許請求され得る。1つまたは複数の群のメンバーは、便宜性および/または特許性の理由によって群に含まれ得るか、または群から除去され得ることが予想される。任意のこのような包含または除去が発生した場合、本明細書は、修正されたものとしてその群を含むものと見なされる。
方法および材料のいくつかの実施形態は、本明細書に記載される。当然ながら、これらの記述された実施形態の変形形態は、前述した説明を読むと当業者には明らかになるであろう。本発明者は、当業者が必要に応じ、このような変形形態を採用することを期待し、また本発明の材料および方法が本明細書に具体的に記載されること以外の方法で実施されることを意図する。したがって、本発明には、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙される準拠法によって許可されるような主題のすべての変形形態および均等物が含まれる。さらに、そのすべての可能な変形形態における上記要素の任意の組み合わせは、本明細書に別途の指示がない限り、または文脈によって明らかに否定されない限り、本発明によって包含される。
さらに、多数の参照が本明細書全体を通して特許および刊行物に対してなされている。上記引用された参照および刊行物の各々は、その全体が個別的に参照によって本明細書に組み込まれる。
最後に、本明細書に開示された方法及び物質の実施形態は、本開示の原理を例示するである。ことを理解されたい。採用され得る他の変形形態は、本発明の範囲内にある。したがって、例として、これに限定されないが、本発明の材料および方法の代替構成は、本明細書における教示にしたがって利用することができる。したがって、本発明は、示されて記述されたように、正確には限定されない。

Claims (67)

  1. 15重量%以下の可溶分、10以下の黄色度指数、及び20mL/g〜45mL/gの範囲の沈降体積を有するアルファ化澱粉であって、前記アルファ化澱粉は澱粉粒子を含む凝集体の形態であり、前記アルファ化澱粉は実質的に平面の形態である、アルファ化澱粉。
  2. 前記アルファ化澱粉が、ドラム乾燥澱粉である、請求項1に記載のアルファ化澱粉。
  3. 15重量%以下の可溶分、10以下の黄色度指数、及び20mL/g〜45mL/gの範囲の沈降体積を有するアルファ化澱粉であって、前記アルファ化澱粉は澱粉粒子を含む凝集体の形態である、アルファ化澱粉。
  4. 前記アルファ化澱粉が、ドラム乾燥澱粉である、請求項3に記載のアルファ化澱粉。
  5. 前記澱粉粒子の少なくとも50%が膨潤するが、95℃の水で処理するとき、実質的に崩壊しない、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  6. 前記澱粉が、20mL/g〜30mL/gの範囲の沈降体積を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  7. 前記澱粉は、20mL/g〜37mL/g、または20mL/gまたは32mL/g、または20mL/g〜27mL/g、または20mL/g〜24mL/g、または24mL/g〜45mL/g、または24mL/g〜37mL/g、または24mL/gまたは32mL/g、または24mL/g〜30mL/g、または24mL/g〜27mL/g、または27mL/g〜45mL/g、27mL/g〜37mL/g、または27mL/g〜30mL/gの範囲の沈降体積を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  8. 10%以下の可溶分を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  9. 5%以下の可溶分(例えば、4%以下の可溶分、または2%以下の可溶分)を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  10. RVA検査で50〜1500cP範囲の粘度を有する、請求項1〜9のいずれかに記載のアルファ化澱粉。
  11. RVA検査で50〜1000cP、50〜850cP、50〜700cP、50〜500cP、50〜400cP、50〜300cP、50〜200cP、100〜1100cP、100〜1000cP、100〜850cP、100〜700cP、100〜500cP、100〜400cP、100〜300cP、200〜1100cP、200〜1000cP、200〜850cP、200〜700cP、200〜500cP、400〜1100cP、400〜1000cP、400〜850cP、400〜700cP、600〜1100cP、600〜850cP、700〜1500cP、または700〜1300cP範囲の粘度を有する、請求項1〜9のいずれかに記載のアルファ化澱粉。
  12. 前記アルファ化澱粉の凝集体の少なくとも50%(例えば、少なくとも75%または少なくとも90%)が実質的に丸くない形状を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  13. 前記アルファ化澱粉の凝集体の少なくとも50重量%(例えば、少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)が、クレーター表面を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  14. 前記アルファ化澱粉の少なくとも75重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ凝集体の長さ及び幅のそれぞれの1/2以下の厚さを有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  15. 前記アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ凝集体の長さ及び幅のそれぞれの1/3以下(例えば、1/4以下)の厚さを有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  16. 前記アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ20ミクロン〜250ミクロンの範囲の厚さを有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である、請求項1〜15のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  17. 前記アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ20ミクロン〜200ミクロン、または20ミクロン〜150ミクロン、または20ミクロン〜125ミクロン、または20ミクロン〜100ミクロン、または20ミクロン〜75ミクロン、または30ミクロン〜250ミクロン、または30ミクロン〜200ミクロン、または30ミクロン〜150ミクロン、または30ミクロン〜125ミクロン、または30ミクロン〜100ミクロン、または50ミクロン〜250ミクロン、または50ミクロン〜200ミクロン、または50ミクロン〜150ミクロン、または50ミクロン〜125ミクロン、または75ミクロン〜250ミクロン、または75ミクロン〜200ミクロン、または75ミクロン〜150ミクロン、または75ミクロン〜125ミクロン、または100ミクロン〜250ミクロン、または100ミクロン〜200ミクロンの範囲の厚さを有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である、請求項1〜15のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  18. 前記アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ少なくとも50ミクロン、または少なくとも100ミクロン、または少なくとも200ミクロン、例えば、少なくとも300ミクロンまたは少なくとも400ミクロン、または50ミクロン〜1000ミクロン、または50ミクロン〜800ミクロン、または50ミクロン〜500ミクロン、または50ミクロン〜250ミクロン、または100ミクロン〜1000ミクロン、または100ミクロン〜800ミクロン、または100ミクロン〜500ミクロン、または100ミクロン〜250ミクロン、200ミクロン〜1000ミクロン、または200ミクロン〜800ミクロン、または200ミクロン〜500ミクロン、または300ミクロン〜1000ミクロン、または300ミクロン〜800ミクロン、または300ミクロン〜500ミクロン、または400ミクロン〜1000ミクロン、または400ミクロン〜800ミクロンの範囲の長さを有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である、請求項1〜17のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  19. 前記アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ少なくとも50ミクロン、または少なくとも100ミクロン、または少なくとも200ミクロン、例えば、少なくとも300ミクロンまたは少なくとも400ミクロン、または50ミクロン〜1000ミクロン、または50ミクロン〜800ミクロン、または50ミクロン〜500ミクロン、または50ミクロン〜250ミクロン、または100ミクロン〜1000ミクロン、または100ミクロン〜800ミクロン、または100ミクロン〜500ミクロン、または100ミクロン〜250ミクロン、200ミクロン〜1000ミクロン、または200ミクロン〜800ミクロン、または200ミクロン〜500ミクロン、または300ミクロン〜1000ミクロン、または300ミクロン〜800ミクロン、または300ミクロン〜500ミクロン、または400ミクロン〜1000ミクロン、または400ミクロン〜800ミクロンの範囲の幅を有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である、請求項1〜18のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  20. 前記アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ20ミクロン〜250ミクロンの範囲の厚さ;少なくとも50ミクロンの長さ;及び少なくとも50ミクロンの幅を有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である、請求項1〜15のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  21. 前記アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ20ミクロン〜250ミクロンの範囲の厚さ;200ミクロン〜1000ミクロンの範囲の長さ;及び200ミクロン〜1000ミクロンの範囲の幅を有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である、請求項1〜15のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  22. 前記アルファ化澱粉の少なくとも50重量%(例えば、その少なくとも75重量%または少なくとも90重量%)は、それぞれ50ミクロン〜250ミクロンの範囲の厚さ;100ミクロン〜1000ミクロンの範囲の長さ;及び100ミクロン〜1000ミクロンの範囲の幅を有する個々のシート状またはフレーク状材料凝集体の形態である、請求項1〜15のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  23. 前記アルファ化澱粉が、化学的に改質されない、請求項1〜22のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  24. 前記アルファ化澱粉が、ヒドロキシプロピル化されない、請求項1〜23のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  25. 前記アルファ化澱粉が、アセチル化されない、請求項1〜24のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  26. 前記アルファ化澱粉が、カルボキシメチル化されない、請求項1〜25のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  27. 前記アルファ化澱粉が、ヒドロキシエチル化されない、請求項1〜26のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  28. 前記アルファ化澱粉が、リン酸化されない、請求項1〜27のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  29. 前記アルファ化澱粉は、コハク化されない(例えば、オクテニルコハク化されない)、請求項1〜28のいずれかに記載のアルファ化澱粉。
  30. 前記アルファ化澱粉が、陽イオン性または両性イオン性ではない、請求項1〜29のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  31. 前記アルファ化澱粉が、リン酸塩と架橋結合されない、請求項1〜30のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  32. 前記アルファ化澱粉が、アジペートと架橋結合されない、請求項1〜31のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  33. 前記アルファ化澱粉は、エピクロロヒドリンと架橋結合されない、請求項1〜32のいずれかに記載のアルファ化澱粉。
  34. 前記アルファ化澱粉は、アクロレインと架橋結合されない、請求項1〜33のいずれかに記載のアルファ化澱粉。
  35. 前記アルファ化澱粉は、過酸化水素または次亜塩素酸塩によって漂白または酸化されない、請求項1〜34のいずれかに記載のアルファ化澱粉。
  36. 前記アルファ化澱粉が、デキストリン化されない、請求項1〜35のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  37. 前記アルファ化澱粉は、実質的に1,2−および1,3−分岐がない、請求項1〜36のいずれかに記載のアルファ化澱粉。
  38. 前記アルファ化澱粉は、10%未満である繊維を有する、請求項1〜37のいずれかに記載のアルファ化澱粉。
  39. 前記澱粉がコーン澱粉である、請求項1〜38のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  40. 前記澱粉がタピオカまたはキャッサバ澱粉である、請求項1〜39のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  41. 前記澱粉がジャガイモ澱粉である、請求項1〜39のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  42. 前記澱粉が米澱粉または小麦澱粉である、請求項1〜39のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  43. 前記澱粉が、ドングリ、クズウコン、アラカチァ、バナナ、大麦、パンノキの実、ソバ、カンナ、コラシア、カタクリ、クズ、マランガ、キビ、オーツ麦、オカ、ポリネシアクズウコン、サゴ、ソルガム、サツマイモ、ライ麦、タロイモ、栗、水栗、ヤマノイモ、または、例えば、ソラマメ、レンズ豆、緑豆、エンドウ豆、またはヒヨコマメなどの豆類から由来される、請求項1〜39のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  44. 前記アルファ化澱粉は、低い曳糸性(例えば、5以下、例えば、4以下、または1〜5、または1〜4、または2〜5、または2〜4の範囲の曳糸性値)を有する、請求項1〜43のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  45. 前記アルファ化澱粉は、せん断耐性がある、請求項1〜44のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  46. 前記アルファ化澱粉は、せん断加工時に沈降体積の25%以下(例えば、10%以下)の増加を示す、請求項1〜45のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  47. 前記アルファ化澱粉は、せん断加工時に可溶分の25%以下(例えば、10%以下)の増加を示す、請求項1〜45のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  48. 前記アルファ化澱粉は、せん断加工後に50%以下、例えば、30%以下、さらには10%以下の断片化度を有する、請求項1〜47のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  49. 前記せん断加工は、30Vで40秒間せん断することにより、ワーリングブレンダー(Waring blender)での処理である、請求項46〜48のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉。
  50. 前記澱粉が、せん断加工の前に(例えば、RVA条件により)調理される、請求項49に記載のアルファ化澱粉。
  51. 請求項1〜50のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉を製造する方法であって、水性媒体に湿らせた非ゼラチン化澱粉を提供する段階;及び前記澱粉をアルファ化するのに十分な条件下で前記湿った非ゼラチン化澱粉をドラム乾燥させる段階を含む、方法。
  52. 請求項51に記載の方法により製造された、アルファ化澱粉。
  53. 請求項1〜50または52のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉を食品に分散させる段階を含む、食品の製造方法。
  54. 前記アルファ化澱粉が、95℃以下、例えば、90℃以下、70℃以下、さらには50℃以下の温度で食品に分散される、請求項53に記載の方法。
  55. 前記アルファ化澱粉が、15〜95℃、例えば、15〜90℃、15〜70℃、15〜50℃、15〜30℃、20〜95℃、20〜90℃、20〜70℃、または20〜50℃の範囲の温度で食品に分散される、請求項53に記載の方法。
  56. 前記澱粉顆粒の少なくとも50%(例えば、少なくとも75%、または少なくとも90%)が膨潤するが、食品に分散するときに実質的に崩壊しない、請求項53〜55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記食品が液体である、請求項53〜56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記食品が、スープ、グレービー、ソース、ドレッシング(例えば、サラダドレッシング)、フィリング(例えば、フルーツフィリング)、クリーム(例えば、ババロアクリーム)、または乳製品(例えば、ヨーグルトまたはクォーク)である、請求項53〜56のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記食品が冷凍食品である、請求項53〜56のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記食品が卵を含有しない、請求項54〜59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記食品が、内部に澱粉が分散された高せん断条件に適用させる、請求項54〜60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 内部に分散された請求項1〜51または53のいずれか一項に記載の澱粉を含む、食品。
  63. 澱粉顆粒の少なくとも50%(例えば、少なくとも75%、さらには少なくとも90%)が膨潤されるが、食品中では実質的に崩壊しない、請求項62に記載の食品。
  64. 前記食品が液体である、請求項62または63に記載の食品。
  65. 前記食品が、スープ、グレービー、ソース、マヨネーズ、ドレッシング(例えば、サラダドレッシング)、フィリング(例えば、フルーツフィリング)、クリーム(例えば、ババロアクリーム)、乳製品(例えば、ヨーグルトまたはクォーク)、または製菓製パン類である、請求項62または63に記載の食品。
  66. 前記食品が卵を含有しない、請求項62〜65のいずれか一項に記載の食品。
  67. 請求項1〜50または52のいずれか一項に記載のアルファ化澱粉と1つ以上の乾燥成分を含む、乾燥ミックス。
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