JPH0867556A - 平面アンテナ用誘電体セラミックス及びそれを用いた平面アンテナ - Google Patents
平面アンテナ用誘電体セラミックス及びそれを用いた平面アンテナInfo
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 平面アンテナの形状によって比誘電率εｒを
１７〜２７の範囲内で、また周波数温度特性τｆを比誘
電率εｒによらず±２５ｐｐｍ／℃の範囲内で制御で
き、焼結性や耐還元性、材料電気特性に優れ、小型の平
面アンテナに好適な低原価の平面アンテナ用誘電体セラ
ミックス及びそれを用いた平面アンテナを提供すること
を目的とする。 【構成】 主成分が（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・
ＣａＴｉＯ3 の組成を有し、ｘが０．０８≦ｘ≦０．２
４のとき、Ｎｄ2 Ｏ3 等の酸化物又はＮｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7
等のチタン酸化合物が０．５〜４ｍｏｌ％添加されてい
る構成を有している。
１７〜２７の範囲内で、また周波数温度特性τｆを比誘
電率εｒによらず±２５ｐｐｍ／℃の範囲内で制御で
き、焼結性や耐還元性、材料電気特性に優れ、小型の平
面アンテナに好適な低原価の平面アンテナ用誘電体セラ
ミックス及びそれを用いた平面アンテナを提供すること
を目的とする。 【構成】 主成分が（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・
ＣａＴｉＯ3 の組成を有し、ｘが０．０８≦ｘ≦０．２
４のとき、Ｎｄ2 Ｏ3 等の酸化物又はＮｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7
等のチタン酸化合物が０．５〜４ｍｏｌ％添加されてい
る構成を有している。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、平面アンテナ用誘電体
セラミックス及びそれを用いた平面アンテナに関するも
のである。
セラミックス及びそれを用いた平面アンテナに関するも
のである。
【０００２】
【従来の技術】近年、移動体に搭載してその位置の測定
を行うグローバル・ポジショニング・システム（Ｇｌｏ
ｂａｌ Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ，以下
ＧＰＳと称す）等に用いられる平面アンテナが広く利用
されている。
を行うグローバル・ポジショニング・システム（Ｇｌｏ
ｂａｌ Ｐｏｓｉｔｉｏｎｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ，以下
ＧＰＳと称す）等に用いられる平面アンテナが広く利用
されている。
【０００３】以下に従来の平面アンテナについて、図面
を参照しながら説明する。図２は従来の一般的な平面ア
ンテナを示す斜視図である。１′は従来の平面アンテ
ナ、２′は平面矩形状等の板状物の平面アンテナ用誘電
体（以下誘電体と称す）からなる基板、３は基板２′の
片面に形成された平面矩形状等の板状物からなる放射電
極、４は基板２′の他面に形成された平面矩形状等の板
状物からなる接地導体である。尚、図示しないが、平面
アンテナ１′には、基板２′の放射電極形成面から接地
導体形成面に亘って開設された給電点５と、一端部が放
射電極３に接合されかつ周壁部が接地導体４と接触しな
いように給電点５に挿通された給電ピン６と、を備えて
いる。また、誘電体には、テフロン，エポキシ系等の樹
脂系誘電体やフォルステライト，アルミナ等のセラミッ
ク系誘電体が用いられている。また、平面アンテナに使
用される誘電体には、目的とする平面アンテナに対して
適正な比誘電率εｒ、低誘電体損ｔａｎδ（＝１／
Ｑ）、安定した周波数温度特性τｆ等の材料電気特性、
更に形状・寸法精度が要求されている。
を参照しながら説明する。図２は従来の一般的な平面ア
ンテナを示す斜視図である。１′は従来の平面アンテ
ナ、２′は平面矩形状等の板状物の平面アンテナ用誘電
体（以下誘電体と称す）からなる基板、３は基板２′の
片面に形成された平面矩形状等の板状物からなる放射電
極、４は基板２′の他面に形成された平面矩形状等の板
状物からなる接地導体である。尚、図示しないが、平面
アンテナ１′には、基板２′の放射電極形成面から接地
導体形成面に亘って開設された給電点５と、一端部が放
射電極３に接合されかつ周壁部が接地導体４と接触しな
いように給電点５に挿通された給電ピン６と、を備えて
いる。また、誘電体には、テフロン，エポキシ系等の樹
脂系誘電体やフォルステライト，アルミナ等のセラミッ
ク系誘電体が用いられている。また、平面アンテナに使
用される誘電体には、目的とする平面アンテナに対して
適正な比誘電率εｒ、低誘電体損ｔａｎδ（＝１／
Ｑ）、安定した周波数温度特性τｆ等の材料電気特性、
更に形状・寸法精度が要求されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、平面アンテナに使用される誘電体、すなわ
ち樹脂系誘電体やセラミック系誘電体は、その比誘電率
εｒが３〜１０であるため、放射電極の寸法が４０〜５
０mm程度必要となり、放射電極の寸法が２０〜３０mm程
度の小型の平面アンテナに使用できず、また、小型の平
面アンテナに適用するには、誘電体の比誘電率εｒが１
７〜２５程度必要となり、従来の誘電体材料では小型の
平面アンテナに対応できないという問題点を有してい
た。また、比誘電率εｒが高い誘電体材料として、Ｍｇ
ＴｉＯ3 ＋ＣａＴｉＯ3 系の材料等（比誘電率εｒ２０
程度）が挙げられるが、Ｔｉの含有率が高いため、小型
の平面アンテナに対応して形成された誘電体の厚みが大
きくなると、誘電体の内部が還元され易くなり、焼結性
等が低下したり、また、比誘電率εｒをはじめ材料電気
特性がばらつく等不安定となってしまい、信頼性に欠け
るという問題点を有していた。また、従来の誘電体材料
では、比誘電率εｒと周波数温度特性τｆとの間に相関
関係があり、これらを別々に制御することが困難である
という問題点を有していた。
の構成では、平面アンテナに使用される誘電体、すなわ
ち樹脂系誘電体やセラミック系誘電体は、その比誘電率
εｒが３〜１０であるため、放射電極の寸法が４０〜５
０mm程度必要となり、放射電極の寸法が２０〜３０mm程
度の小型の平面アンテナに使用できず、また、小型の平
面アンテナに適用するには、誘電体の比誘電率εｒが１
７〜２５程度必要となり、従来の誘電体材料では小型の
平面アンテナに対応できないという問題点を有してい
た。また、比誘電率εｒが高い誘電体材料として、Ｍｇ
ＴｉＯ3 ＋ＣａＴｉＯ3 系の材料等（比誘電率εｒ２０
程度）が挙げられるが、Ｔｉの含有率が高いため、小型
の平面アンテナに対応して形成された誘電体の厚みが大
きくなると、誘電体の内部が還元され易くなり、焼結性
等が低下したり、また、比誘電率εｒをはじめ材料電気
特性がばらつく等不安定となってしまい、信頼性に欠け
るという問題点を有していた。また、従来の誘電体材料
では、比誘電率εｒと周波数温度特性τｆとの間に相関
関係があり、これらを別々に制御することが困難である
という問題点を有していた。
【０００５】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、比誘電率εｒを１７〜２７の範囲内で、また周波数
温度特性τｆを比誘電率εｒによらず±２５ｐｐｍ／℃
の範囲内で制御でき、焼結性や耐還元性、材料電気特性
に優れ、小型の平面アンテナに好適な平面アンテナ用誘
電体セラミックスを提供すること、及び、小型化しても
比誘電率εｒ，周波数温度特性τｆ等のアンテナ特性の
信頼性に優れた低原価で量産性に優れた平面アンテナを
提供することを目的とする。
で、比誘電率εｒを１７〜２７の範囲内で、また周波数
温度特性τｆを比誘電率εｒによらず±２５ｐｐｍ／℃
の範囲内で制御でき、焼結性や耐還元性、材料電気特性
に優れ、小型の平面アンテナに好適な平面アンテナ用誘
電体セラミックスを提供すること、及び、小型化しても
比誘電率εｒ，周波数温度特性τｆ等のアンテナ特性の
信頼性に優れた低原価で量産性に優れた平面アンテナを
提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項１に記載の平面アンテナ用誘電体セラ
ミックスは、主成分が（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ
・ＣａＴｉＯ3 の組成を有し、ｘが０．０８≦ｘ≦０．
２４のとき、Ｎｄ2 Ｏ3 等の酸化物又はＮｄ2Ｔｉ2 Ｏ7
等のチタン酸化合物が０．５〜４ｍｏｌ％添加されて
いる構成を有している。
に本発明の請求項１に記載の平面アンテナ用誘電体セラ
ミックスは、主成分が（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ
・ＣａＴｉＯ3 の組成を有し、ｘが０．０８≦ｘ≦０．
２４のとき、Ｎｄ2 Ｏ3 等の酸化物又はＮｄ2Ｔｉ2 Ｏ7
等のチタン酸化合物が０．５〜４ｍｏｌ％添加されて
いる構成を有している。
【０００７】また、請求項２に記載の平面アンテナは、
請求項１に記載の平面アンテナ用誘電体セラミックスか
らなる基板と、前記基板の所定部に開設された給電点
と、前記基板の一端面に配設された放射電極と、前記基
板の他端面に配設された接地導体と、前記給電点に挿通
されかつ一端部が前記放射電極に接合された給電ピン
と、を備えた構成を有している。
請求項１に記載の平面アンテナ用誘電体セラミックスか
らなる基板と、前記基板の所定部に開設された給電点
と、前記基板の一端面に配設された放射電極と、前記基
板の他端面に配設された接地導体と、前記給電点に挿通
されかつ一端部が前記放射電極に接合された給電ピン
と、を備えた構成を有している。
【０００８】ここで、ｘがｘ＜０．０８の組成では比誘
電率εｒが小さくなり、平面アンテナを小型化すること
が困難となる傾向が現れだし、ｘがｘ＞０．２４の組成
では比誘電率εｒが大きくなり、平面アンテナを小型化
できるもののこの平面アンテナの小型化により放射電極
が小さくなり利得が得難くなる傾向が現れだし、いずれ
も好ましくない。（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・Ｃ
ａＴｉＯ3 系材料に添加されるものとしては、Ｎｄ2 Ｏ
3 ，Ｎｄ4 Ｏ7 ，Ｎｄ（ＯＨ）3 ，Ｎｄ2 （ＣＯ3 ）3
等の酸化物，Ｎｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7 等のチタン酸化合物等が
挙げられる。Ｎｄ2 Ｏ3 等の酸化物又はＮｄ2 Ｔｉ2 Ｏ
7 等のチタン酸化合物の添加量が０．５〜４ｍｏｌ％と
されると、比誘電率εｒを１７〜２７の範囲内で、また
周波数温度特性τｆを比誘電率εｒによらず±２５ｐｐ
ｍ／℃の範囲内で制御でき、小型の平面アンテナのアン
テナ特性等を向上でき、好ましい。
電率εｒが小さくなり、平面アンテナを小型化すること
が困難となる傾向が現れだし、ｘがｘ＞０．２４の組成
では比誘電率εｒが大きくなり、平面アンテナを小型化
できるもののこの平面アンテナの小型化により放射電極
が小さくなり利得が得難くなる傾向が現れだし、いずれ
も好ましくない。（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・Ｃ
ａＴｉＯ3 系材料に添加されるものとしては、Ｎｄ2 Ｏ
3 ，Ｎｄ4 Ｏ7 ，Ｎｄ（ＯＨ）3 ，Ｎｄ2 （ＣＯ3 ）3
等の酸化物，Ｎｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7 等のチタン酸化合物等が
挙げられる。Ｎｄ2 Ｏ3 等の酸化物又はＮｄ2 Ｔｉ2 Ｏ
7 等のチタン酸化合物の添加量が０．５〜４ｍｏｌ％と
されると、比誘電率εｒを１７〜２７の範囲内で、また
周波数温度特性τｆを比誘電率εｒによらず±２５ｐｐ
ｍ／℃の範囲内で制御でき、小型の平面アンテナのアン
テナ特性等を向上でき、好ましい。
【０００９】
【作用】この構成によって、Ｍｇ−Ｔｉ−Ｃａ−Ｏ系の
誘電体セラミックスの内、特にＴｉＯ2 成分の比較的少
ない（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・ＣａＴｉＯ3 の
組成を主成分とする誘電体セラミックスを使用したこと
により、平面アンテナの小型化にともなって誘電体セラ
ミックスの厚みが厚くなった場合でも、Ｔｉの還元を抑
制でき、すなわち焼結性を向上することができる。ま
た、ｘの値が、０．０８≦ｘ≦０．２４とされたことに
より、平面アンテナによって誘電体セラミックスの比誘
電率εｒを１７〜２７の範囲内で制御できる。また、Ｎ
ｄ2 Ｏ3 等の酸化物，Ｎｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7 等のチタン酸化
合物等を０．５〜４ｍｏｌ％添加することにより、誘電
体セラミックスの周波数温度特性τｆを±２５ｐｐｍ／
℃の範囲内で制御できる。また平面アンテナが前述の誘
電体セラミックスを用いたことにより、良好なアンテナ
特性を備えかつ所望の形状を持って容易に小型化するこ
とができる。
誘電体セラミックスの内、特にＴｉＯ2 成分の比較的少
ない（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・ＣａＴｉＯ3 の
組成を主成分とする誘電体セラミックスを使用したこと
により、平面アンテナの小型化にともなって誘電体セラ
ミックスの厚みが厚くなった場合でも、Ｔｉの還元を抑
制でき、すなわち焼結性を向上することができる。ま
た、ｘの値が、０．０８≦ｘ≦０．２４とされたことに
より、平面アンテナによって誘電体セラミックスの比誘
電率εｒを１７〜２７の範囲内で制御できる。また、Ｎ
ｄ2 Ｏ3 等の酸化物，Ｎｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7 等のチタン酸化
合物等を０．５〜４ｍｏｌ％添加することにより、誘電
体セラミックスの周波数温度特性τｆを±２５ｐｐｍ／
℃の範囲内で制御できる。また平面アンテナが前述の誘
電体セラミックスを用いたことにより、良好なアンテナ
特性を備えかつ所望の形状を持って容易に小型化するこ
とができる。
【００１０】
【実施例】以下、本発明の一実施例における平面アンテ
ナについて、図面を参照しながら説明する。図１は本発
明の一実施例における平面アンテナを示す断面図であ
る。３は放射電極、４は接地導体、５は給電点、６は給
電ピンであり、これらは従来例と同様なものであり、同
一の符号を付して説明を省略する。１は本発明の一実施
例における平面アンテナ、２は主成分が（１−ｘ）・Ｍ
ｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・ＣａＴｉＯ3 の組成を有し、ｘが
０．０８≦ｘ≦０．２４のとき、Ｎｄ2 Ｏ3 等の酸化物
又はＮｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7 等のチタン酸化合物が０．５〜４
ｍｏｌ％添加されてなる平面アンテナ用誘電体セラミッ
クス（以下誘電体セラミックスと称す）からなる基板で
ある。
ナについて、図面を参照しながら説明する。図１は本発
明の一実施例における平面アンテナを示す断面図であ
る。３は放射電極、４は接地導体、５は給電点、６は給
電ピンであり、これらは従来例と同様なものであり、同
一の符号を付して説明を省略する。１は本発明の一実施
例における平面アンテナ、２は主成分が（１−ｘ）・Ｍ
ｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・ＣａＴｉＯ3 の組成を有し、ｘが
０．０８≦ｘ≦０．２４のとき、Ｎｄ2 Ｏ3 等の酸化物
又はＮｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7 等のチタン酸化合物が０．５〜４
ｍｏｌ％添加されてなる平面アンテナ用誘電体セラミッ
クス（以下誘電体セラミックスと称す）からなる基板で
ある。
【００１１】以上のように構成された平面アンテナにつ
いて、以下その製造方法について説明する。まず、酸化
マグネシウム、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化ネオ
ジム（又はチタン酸ネオジム等）を所定量秤量した後、
ボールミルにて１６時間以上湿式混合を行った。次に、
得られた混合物を乾燥した後、ＰＶＡ系のバインダーを
加え、らいかい・造粒して、原料粉体を作製した。次
に、得られた原料粉体を約７００kg／cm2 の成形圧力で
成形し、直径１３．５mm、厚み７mmの円柱型成形体、及
び、縦横が約３３mm、厚みが７．２mmの方形型で給電点
５（インピーダンス整合点）用のピンホールを開設した
方形型成形体を得た。次に、円柱型成形体及び方形型成
形体の２種類を、１３００〜１４００℃の温度範囲で２
〜４時間焼成し、これにより、給電ピン６及び基板２を
得た。次に、基板２の両面に銀ペーストで放射電極３及
び接地導体４を印刷した後、８００℃にて焼き付け、そ
の後、給電点５に銅製の給電ピン６を差し込み、放射電
極３と半田付けして、図１に示すような１５７５ＭＨｚ
用の平面アンテナ１を作製した。
いて、以下その製造方法について説明する。まず、酸化
マグネシウム、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化ネオ
ジム（又はチタン酸ネオジム等）を所定量秤量した後、
ボールミルにて１６時間以上湿式混合を行った。次に、
得られた混合物を乾燥した後、ＰＶＡ系のバインダーを
加え、らいかい・造粒して、原料粉体を作製した。次
に、得られた原料粉体を約７００kg／cm2 の成形圧力で
成形し、直径１３．５mm、厚み７mmの円柱型成形体、及
び、縦横が約３３mm、厚みが７．２mmの方形型で給電点
５（インピーダンス整合点）用のピンホールを開設した
方形型成形体を得た。次に、円柱型成形体及び方形型成
形体の２種類を、１３００〜１４００℃の温度範囲で２
〜４時間焼成し、これにより、給電ピン６及び基板２を
得た。次に、基板２の両面に銀ペーストで放射電極３及
び接地導体４を印刷した後、８００℃にて焼き付け、そ
の後、給電点５に銅製の給電ピン６を差し込み、放射電
極３と半田付けして、図１に示すような１５７５ＭＨｚ
用の平面アンテナ１を作製した。
【００１２】以上のように製造された本発明の一実施例
における平面アンテナ１と、従来の平面アンテナについ
て、マクロ波帯における材料電気特性について性能比較
試験を行った。
における平面アンテナ１と、従来の平面アンテナについ
て、マクロ波帯における材料電気特性について性能比較
試験を行った。
【００１３】（実験例１乃至８）まず、（表１）に示す
組成を有する誘電体セラミックスを用いた本発明の一実
施例における平面アンテナ１を準備した。次に、得られ
た平面アンテナ１について、ポストジェネレーター法に
て比誘電率εｒを測定した。次に、空洞共振器法にて周
波数温度特性τｆ（−２０℃〜８０℃）を測定した。次
に、平面アンテナ１形状でアンテナとしての周波数温度
特性τｆ（−４０℃〜１００℃）を調べた。次に、誘電
体セラミックスの焼成状態について、誘電体セラミック
スを割ってその内部状況を色調の様子で調べた。その結
果を（表１）に示す。
組成を有する誘電体セラミックスを用いた本発明の一実
施例における平面アンテナ１を準備した。次に、得られ
た平面アンテナ１について、ポストジェネレーター法に
て比誘電率εｒを測定した。次に、空洞共振器法にて周
波数温度特性τｆ（−２０℃〜８０℃）を測定した。次
に、平面アンテナ１形状でアンテナとしての周波数温度
特性τｆ（−４０℃〜１００℃）を調べた。次に、誘電
体セラミックスの焼成状態について、誘電体セラミック
スを割ってその内部状況を色調の様子で調べた。その結
果を（表１）に示す。
【００１４】
【表１】
【００１５】（比較例１乃至６）次に、（表１）に示す
組成を有する従来のＭｇＴｉＯ3 ＋ＣａＴｉＯ3 系の誘
電体セラミックスを用いた平面アンテナ１を準備した。
次に、従来の平面アンテナ１について、実験例１乃至８
と同様にして比誘電率εｒ、周波数温度特性τｆ（−２
０℃〜８０℃）、アンテナとしての周波数温度特性τｆ
（−４０℃〜１００℃）、誘電体セラミックスの焼成状
態を調べた。その結果を（表１）に示す。
組成を有する従来のＭｇＴｉＯ3 ＋ＣａＴｉＯ3 系の誘
電体セラミックスを用いた平面アンテナ１を準備した。
次に、従来の平面アンテナ１について、実験例１乃至８
と同様にして比誘電率εｒ、周波数温度特性τｆ（−２
０℃〜８０℃）、アンテナとしての周波数温度特性τｆ
（−４０℃〜１００℃）、誘電体セラミックスの焼成状
態を調べた。その結果を（表１）に示す。
【００１６】（表１）から明らかなように、主成分が
（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・ＣａＴｉＯ3 の組成
からなり、ｘの値が、０．０８≦ｘ≦０．２４としたと
き、比誘電率εｒが、１７〜２７まで変化させることが
でき、更にＮｄ2 Ｏ3 等の酸化物を０．５〜４ｍｏｌ％
添加したことにより、ｘ値による比誘電率εｒの制御に
伴って変化した周波数温度特性τｆを−２５〜＋２５ｐ
ｐｍ／℃の範囲内で制御できることがわかった。また、
従来のＭｇＴｉＯ3 ＋ＣａＴｉＯ3 系の誘電体セラミッ
クスに比較し、Ｍｇ2 ＴｉＯ4 をベースとする組成系と
することで均質な焼結性が得られることがわかった。
尚、Ｎｄ2 Ｏ3 に代わってＮｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7をやはり
０．５〜４ｍｏｌ％添加した場合も、Ｎｄ2 Ｏ3 を添加
した場合と同様の結果が得られた。
（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・ＣａＴｉＯ3 の組成
からなり、ｘの値が、０．０８≦ｘ≦０．２４としたと
き、比誘電率εｒが、１７〜２７まで変化させることが
でき、更にＮｄ2 Ｏ3 等の酸化物を０．５〜４ｍｏｌ％
添加したことにより、ｘ値による比誘電率εｒの制御に
伴って変化した周波数温度特性τｆを−２５〜＋２５ｐ
ｐｍ／℃の範囲内で制御できることがわかった。また、
従来のＭｇＴｉＯ3 ＋ＣａＴｉＯ3 系の誘電体セラミッ
クスに比較し、Ｍｇ2 ＴｉＯ4 をベースとする組成系と
することで均質な焼結性が得られることがわかった。
尚、Ｎｄ2 Ｏ3 に代わってＮｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7をやはり
０．５〜４ｍｏｌ％添加した場合も、Ｎｄ2 Ｏ3 を添加
した場合と同様の結果が得られた。
【００１７】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、主成分が
（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・ＣａＴｉＯ3 の組成
を有し、ｘが０．０８≦ｘ≦０．２４のとき、Ｎｄ2 Ｏ
3 等の酸化物又はＮｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7 等のチタン酸化合物
が０．５〜４ｍｏｌ％添加されているので、比較的Ｔｉ
Ｏ2 成分の少ない（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・Ｃ
ａＴｉＯ3 系材料を使用したことにより、Ｔｉの耐還元
性を向上でき、また焼結性を向上でき、材料特性に優
れ、またｘの値が、０．０８≦ｘ≦０．２４とされたこ
とにより、誘電体セラミックスの比誘電率εｒを１７〜
２７まで高めることができ、かつ平面アンテナの用途に
応じて誘電体セラミックスの比誘電率εｒを制御でき、
またＮｄ2 Ｏ3 等の酸化物，Ｎｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7 等のチタ
ン酸化合物等を０．５〜４ｍｏｌ％添加することによ
り、誘電体セラミックスの周波数温度特性τｆを±２５
ｐｐｍ／℃とすることができ、かつ平面アンテナの用途
に応じて誘電体セラミックスの周波数温度特性τｆをそ
の範囲内で制御でき、材料電気特性に優れ、量産性に優
れた小型の平面アンテナに好適な低原価の平面アンテナ
用誘電体セラミックスの提供を実現することができる。
（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・ＣａＴｉＯ3 の組成
を有し、ｘが０．０８≦ｘ≦０．２４のとき、Ｎｄ2 Ｏ
3 等の酸化物又はＮｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7 等のチタン酸化合物
が０．５〜４ｍｏｌ％添加されているので、比較的Ｔｉ
Ｏ2 成分の少ない（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ・Ｃ
ａＴｉＯ3 系材料を使用したことにより、Ｔｉの耐還元
性を向上でき、また焼結性を向上でき、材料特性に優
れ、またｘの値が、０．０８≦ｘ≦０．２４とされたこ
とにより、誘電体セラミックスの比誘電率εｒを１７〜
２７まで高めることができ、かつ平面アンテナの用途に
応じて誘電体セラミックスの比誘電率εｒを制御でき、
またＮｄ2 Ｏ3 等の酸化物，Ｎｄ2 Ｔｉ2 Ｏ7 等のチタ
ン酸化合物等を０．５〜４ｍｏｌ％添加することによ
り、誘電体セラミックスの周波数温度特性τｆを±２５
ｐｐｍ／℃とすることができ、かつ平面アンテナの用途
に応じて誘電体セラミックスの周波数温度特性τｆをそ
の範囲内で制御でき、材料電気特性に優れ、量産性に優
れた小型の平面アンテナに好適な低原価の平面アンテナ
用誘電体セラミックスの提供を実現することができる。
【００１８】また前述の平面アンテナ用誘電体セラミッ
クスからなる基板と、前記基板の所定部に開設された給
電点と、前記基板の一端面に配設された放射電極と、前
記基板の他端面に配設された接地導体と、前記給電点に
挿通されかつ一端部が前記放射電極に接合された給電ピ
ンと、を備えたので、小型化しても比誘電率εｒ，周波
数温度特性τｆ等のアンテナ特性等の信頼性に優れた低
原価で量産性に優れた平面アンテナの提供を実現するこ
とができる。
クスからなる基板と、前記基板の所定部に開設された給
電点と、前記基板の一端面に配設された放射電極と、前
記基板の他端面に配設された接地導体と、前記給電点に
挿通されかつ一端部が前記放射電極に接合された給電ピ
ンと、を備えたので、小型化しても比誘電率εｒ，周波
数温度特性τｆ等のアンテナ特性等の信頼性に優れた低
原価で量産性に優れた平面アンテナの提供を実現するこ
とができる。
【図１】本発明の一実施例における平面アンテナを示す
断面図
断面図
【図２】従来の一般的な平面アンテナを示す斜視図
【符号の説明】 １，１′ 平面アンテナ ２，２′ 基板 ３ 放射電極 ４ 接地導体 ５ 給電点 ６ 給電ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 和秀 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 椎葉 健吾 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項１】主成分が（１−ｘ）・Ｍｇ2 ＴｉＯ4 ＋ｘ
・ＣａＴｉＯ3 の組成を有し、ｘが０．０８≦ｘ≦０．
２４のとき、Ｎｄ2 Ｏ3 等の酸化物又はＮｄ2Ｔｉ2 Ｏ7
等のチタン酸化合物が０．５〜４ｍｏｌ％添加されて
いることを特徴とする平面アンテナ用誘電体セラミック
ス。 - 【請求項２】請求項１に記載の平面アンテナ用誘電体セ
ラミックスからなる基板と、前記基板の所定部に開設さ
れた給電点と、前記基板の一端面に配設された放射電極
と、前記基板の他端面に配設された接地導体と、前記給
電点に挿通されかつ一端部が前記放射電極に接合された
給電ピンと、を備えたことを特徴とする平面アンテナ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20221494A JP3419097B2 (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 平面アンテナ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20221494A JP3419097B2 (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 平面アンテナ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0867556A true JPH0867556A (ja) | 1996-03-12 |
| JP3419097B2 JP3419097B2 (ja) | 2003-06-23 |
Family
ID=16453857
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20221494A Expired - Fee Related JP3419097B2 (ja) | 1994-08-26 | 1994-08-26 | 平面アンテナ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3419097B2 (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005143061A (ja) * | 2003-11-06 | 2005-06-02 | Tasada Kosakusho:Kk | 探知対象物の電波式探知装置及び電波式探知方法 |
| JP2006304271A (ja) * | 2005-03-22 | 2006-11-02 | Toshiba Corp | アンテナデバイスおよびアンテナデバイスの製造方法 |
| US8067324B2 (en) * | 2007-11-26 | 2011-11-29 | Elizaveta Arkadievna Nenasheva | Low dielectric loss ceramic ferroelectric composite material |
| CN112521129A (zh) * | 2020-12-25 | 2021-03-19 | 无锡鑫圣慧龙纳米陶瓷技术有限公司 | 低温烧结的mlcc用低介电常数陶瓷介质材料及其制备方法 |
| CN113548888A (zh) * | 2021-08-10 | 2021-10-26 | 浙江嘉康电子股份有限公司 | 一种频率温度系数改善的微波介质材料及其制备方法 |
| CN114031393A (zh) * | 2021-11-29 | 2022-02-11 | 成都理工大学 | 一种谐振频率温度系数近零的微波介电材料及其制备方法 |
-
1994
- 1994-08-26 JP JP20221494A patent/JP3419097B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005143061A (ja) * | 2003-11-06 | 2005-06-02 | Tasada Kosakusho:Kk | 探知対象物の電波式探知装置及び電波式探知方法 |
| JP2006304271A (ja) * | 2005-03-22 | 2006-11-02 | Toshiba Corp | アンテナデバイスおよびアンテナデバイスの製造方法 |
| US8067324B2 (en) * | 2007-11-26 | 2011-11-29 | Elizaveta Arkadievna Nenasheva | Low dielectric loss ceramic ferroelectric composite material |
| CN112521129A (zh) * | 2020-12-25 | 2021-03-19 | 无锡鑫圣慧龙纳米陶瓷技术有限公司 | 低温烧结的mlcc用低介电常数陶瓷介质材料及其制备方法 |
| CN113548888A (zh) * | 2021-08-10 | 2021-10-26 | 浙江嘉康电子股份有限公司 | 一种频率温度系数改善的微波介质材料及其制备方法 |
| CN113548888B (zh) * | 2021-08-10 | 2022-07-08 | 浙江嘉康电子股份有限公司 | 一种频率温度系数改善的微波介质材料及其制备方法 |
| CN114031393A (zh) * | 2021-11-29 | 2022-02-11 | 成都理工大学 | 一种谐振频率温度系数近零的微波介电材料及其制备方法 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3419097B2 (ja) | 2003-06-23 |
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