JP2005143061A - 探知対象物の電波式探知装置及び電波式探知方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】 送信アンテナや受信アンテナに、放射電波を広範囲に走査し、かつ探知対象物までの距離の計測が可能なオフセット給電型パッチアンテナを用いることで、簡便で小型な探知対象物の電波式探知装置及び電波式探知方法を提供することを目的とする。
【構成】 本発明の電波式探知装置は、送信部11と送信アンテナ19とからなる送信装置1と、受信部21と受信アンテナ29とからなる受信装置2と、信号処理装置3とから概略構成される。送信アンテナ19及び受信アンテナ29の先端には、ビーム走査機能を有するオフセット給電型パッチアンテナが装着されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地中に埋没した文化財や配管などの埋没物や土砂崩れなどの自然災害により土砂や瓦礫に埋没した生存者などの探知対象物を探知するための、小型かつ簡便で広範囲の探知が可能である、探知対象物の電波式探知装置及び方法に関する。
従来、地中に埋没した文化財や配管などの埋没物や土砂崩れなどの自然災害により土砂や瓦礫に埋没した生存者などの探知対象物を探知するためには、小型CCDカメラによる光学方式、交番磁場を探知対象物に照射する磁気方式、アンテナから放射された電波を探知対象物に照射する電波方式など様々な方法があった。中でも電波方式は、電波が地中や土砂・瓦礫の奥深くまで浸透し伝搬する性質があるため、効率のよい探知が可能となり幅広く使用されていた。
例えば特許文献1における電波方式は、複数の送信アンテナから電波信号を放射し、地中や土砂・瓦礫などのなかに埋没した生存者などで反射した電波信号を受信アンテナで受信し、地中や土砂・瓦礫などのなかに埋没した生存者までの距離を計測することにより生存者を探知するものである。この場合、送信アンテナ及び受信アンテナには給電部が中心部にある通常のパッチアンテナが使用されている。
特開平11−006874
しかし、この特許文献1における電波方式では、広範囲の捜索を行うために電波を放射する送信アンテナと生存者からの反射波を受信する受信アンテナのいずれか一方または両方を複数本としなければならず、装置の取扱いが難しかった。また、送信アンテナや受信アンテナの本数の増大により、送信アンテナへ供給する信号数や受信アンテナから受信する信号数も増大するため、信号を制御・変換する送信部や受信部の規模が大きくなり、装置の小型化が難しかった。
そこで本発明は、送信アンテナや受信アンテナに、放射電波を広範囲に走査し、かつ探知対象物までの距離の計測が可能なオフセット給電型パッチアンテナを用いることで、簡便で小型な探知対象物の電波式探知装置及び電波式探知方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決し目的を達成するため、この発明に係わる電波式探知装置のオフセット給電型パッチアンテナは、請求項1の記載によれば、電波信号を送信する平面導体と、前記平面導体に前記平面導体の中心点からオフセットされた給電点で接続される給電線とを備えるオフセット給電型パッチアンテナにおいて、前記給電線から印加する電気信号の周波数を変化させることにより、前記平面導体から送信する電波信号の送信方向を走査することを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知装置のオフセット給電型パッチアンテナは、請求項2の記載によれば、電波信号を受信する平面導体と、前記平面導体に前記平面導体の中心点からオフセットされた給電点で接続される給電線とを備えるオフセット給電型パッチアンテナにおいて、電波信号の周波数の変化により、前記平面導体で受信する電波信号の到来方向を検知することを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知装置のオフセット給電型パッチアンテナは、請求項3の記載によれば、前記平面導体の近傍に配設された無給電の平面導体を備えることを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知装置は、請求項4の記載によれば、送信信号を発生させる送信部と、前記送信信号を電波信号として送信する送信アンテナと、探知対象物で反射された前記電波信号を受信し受信信号に変換する受信アンテナと、前記受信信号を処理する受信部とを備える電波式対象物探知装置において、前記送信アンテナ又は前記受信アンテナの少なくとも一方は、前記電波信号を送受信する平面導体と、前記平面導体に前記平面導体の中心点からオフセットされた給電点で接続される給電線とを具備するオフセット給電型パッチアンテナであることを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知装置は、請求項5の記載によれば、送信信号を発生させる送信部と、前記送信信号を電波信号として送信すると共に探知対象物で反射された前記電波信号を受信し受信信号に変換する送受信アンテナと、前記受信信号を処理する受信部とを備える電波式対象物探知装置において、前記送受信アンテナは、前記電波信号を送受信する平面導体と、前記平面導体に前記平面導体の中心点からオフセットされた給電点で接続される給電線とを具備するオフセット給電型パッチアンテナであることを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知装置は、請求項6の記載によれば、サーキュレータをさらに備えることを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知装置は、請求項7の記載によれば、前記送信部は、前記送信信号の周波数を変化させる周波数変調部を具備することを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知装置は、請求項8の記載によれば、前記受信部は、前記送信信号と前記受信信号とから差周波信号を生成するミキサを具備することを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知装置は、請求項9の記載によれば、前記送信部は、周波数の異なる複数の連続波信号を発生させる多周波連続信号発生部と、前記連続波信号を一定時間毎に切り替える信号切替部と、パルスを発生させるパルス発生部と、前記信号切替部により一定時間毎に切り替えられた前記連続波信号と前記パルスを混合するミキサとを具備することを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知装置は、請求項10の記載によれば、前記受信部は、前記送信信号と前記受信信号とから位相差信号を生成する位相検波部を具備することを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知装置は、請求項11の記載によれば、さらに信号処理装置を備えることを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知装置は、請求項12の記載によれば、前記信号処理部は、さらにウエーブレット変換処理部を具備することを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知方法は、請求項13の記載によれば、平面導体の中心点からオフセットされた給電点から、周波数を変化させた第一の電気信号を印加することにより、送信する電波信号の送信方向を走査し、探知対象物で反射された前記電波信号を受信アンテナで受信し、前記受信アンテナで受信した前記電波信号により生成された第二の電気信号と前記第一の電気信号との差周波信号により探知対象物までの距離を測定することを特徴とする
また、この発明に係わる電波式探知方法は、請求項14の記載によれば、送信アンテナに第一の電気信号を印加することにより電波信号を送信し、探知対象物で反射した前記電波信号を平面導体の中心点からオフセットされた給電点を備える受信アンテナで受信し、受信した前記電波信号の周波数の変化により前記電波信号の到来方向を検知し、前記受信アンテナで受信した前記電波信号により生成された第二の電気信号と前記第一の電気信号との差周波信号により探知対象物までの距離を測定することを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知方法は、請求項15の記載によれば、平面導体の中心点からオフセットされた給電点から、周波数を変化させた第一の電気信号を印加することにより、送信する電波信号の送信方向を走査し、探知対象物で反射した前記電波信号を平面導体の中心点からオフセットされた給電点を備える受信アンテナで受信し、受信した前記電波信号の周波数の変化により前記電波信号の到来方向を検知し、前記受信アンテナで受信した前記電波信号により生成された第二の電気信号と前記第一の電気信号との差周波信号により探知対象物までの距離を測定することを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知方法は、請求項16の記載によれば、前記第一の電気信号の周波数の変化は、一定の時間幅で繰り返されることを特徴とする。
また、この発明に係わる電波式探知方法は、請求項17の記載によれば、さらに探知対象物の既存の時間変動データと前記受信信号から得られる探知対象物の時間変動データとをウエーブレット変換することを特徴とする。
この発明では、送信アンテナまたは受信アンテナの少なくとも一方に放射電波の広範囲な走査が可能なオフセット給電型パッチアンテナを使用するので、小型で簡便な探知対象物の電波式探知装置及び電波式探知方法を提供することができる。
また、この発明では、オフセット給電型パッチアンテナで放射電波をビーム走査させながら探知対象物までの距離を計測することが可能となり、広範囲の探知が可能で、かつ、土砂や瓦礫に埋没した生存者の探知が可能な探知対象物の電波式探知装置及び電波式探知方法を提供することができる。
<第一の実施例>
以下本発明を図面に従って説明する。
本発明の第一の実施例を図1から図6に従って説明する。図1は、本発明の第一の実施例を示す外観図である。本発明の電波式探知装置は、送信部11と送信アンテナ19とからなる送信装置1と、受信部21と受信アンテナ29とからなる受信装置2と、信号処理装置3とから概略構成される。送信アンテナ19及び受信アンテナ29の先端には、ビーム走査機能を有するオフセット給電型パッチアンテナが装着されている。送信アンテナ19は探知対象物100の方向に電波が放射されるように、また受信アンテナ29は探知対象物100からの反射波を最大限受信できる方向にそれぞれ設置されている。
図2は、本発明の第一の実施例を示す概略構成図である。本発明の電波式探知装置は、送信部11と送信アンテナ19とからなる送信装置1と、受信部21と受信アンテナ29とからなる受信装置2と、信号処理装置3とから概略構成されている。
送信装置1の送信アンテナ19は、ビーム走査機能を有するオフセット給電型パッチアンテナが用いられている。また、送信装置1の送信部11は、FM信号発生器12と、電力増幅器13とから構成されている。
受信装置2の受信アンテナ29は、ビーム走査機能を有するオフセット給電型パッチアンテナが用いられている。また、受信装置2の受信部21は、低雑音増幅器22、ミキサ23、帯域通過フィルタ24、低域通過フィルタ25とAD変換器26とから構成されている。
信号処理装置3は、演算処理部31、データ記憶部32と探知対象物判定処理部34から構成されている。
図2において、FM信号発生器12から送出されたFM送信信号は、電力増幅器13で増幅されて送信アンテナ19からFM電波信号として放射される。また、FM送信信号は、ホモダイン検波のために、FM信号発生器12から受信装置2のミキサ23にも送出される。
送信アンテナ19から放射されたFM電波信号は、地中や土砂・瓦礫などの遮蔽物を伝搬し、探知対象物100で反射されて受信アンテナ29で受信される。
受信アンテナ29で受信されたFM電波信号は、FM受信信号に変換されて低雑音増幅器22により増幅される。増幅されたFM受信信号は、ミキサ23に送出される。
FM受信信号とFM信号発生器12から送出されたFM送信信号は、ミキサ23でホモダイン検波され、FM電波信号の伝播時間により生じる差周波信号(ビート信号)が生成される。生成された差周波信号は、帯域通過フィルタ24によって片側の側帯波のみのSSB信号に変換され、さらに低域通過フィルタ25により差周波信号に相当する電圧信号としてFM検波される。FM検波された差周波信号は、AD変換器26でデジタル差周波信号に変換され、信号処理装置3へ出力される。
信号処理装置3へ出力されたデジタル差周波信号は、演算処理部31で探知対象物100までの距離データに変換され、データ記憶部32と探知対象物判定処理部34により探知対象物100の各種判定を行う。
図3は送信アンテナ19及び受信アンテナ29に用いられるオフセット給電型パッチアンテナの詳細を示す図である。本発明で使用されるオフセット給電型パッチアンテナは、平面導体9aと、接地導体9bと、平面導体9aと接地導体9bとにより挟持される誘電体9cと、芯線と編線とを具備する給電用同軸線9dとから概略構成されている。また、給電用同軸線9dの芯線は平面導体9aの給電点9eに接続され、給電用同軸線9dの編線は接地導体9bに接続されている。給電用同軸線9dの給電点9eは、例えば平面導体9aの対角線の交点である平面導体中心点9fの位置からずらされた位置に配設されることにより、給電点9eの位置が平面導体中心点9fの位置からオフセットされることになる。
このオフセット給電型パッチアンテナに給電用同軸線9dを通して、例えば周波数f1、f2、f3の信号を印加すると、平面導体9aから放射される電波信号である放射パターン9gは、周波数f1、f2、f3の信号に応じて放射方向が変化する。例えば周波数f1の信号の印加により放射される放射パターン9gは図面の右上方向に、周波数f2の信号の印加により放射される放射パターン9gは図面の右方向に、周波数f3の信号の印加により放射される放射パターン9gは図面の右下方向に変化する。送信アンテナ19は、この周波数に応じて放射方向が変化するビーム走査機能により一本のアンテナで広範囲に電波信号を放射することができる。同様に、受信アンテナ29は、ビーム走査機能により一本のアンテナで広範囲に電波信号を受信することができる。このように、本発明で使用されるオフセット給電型パッチアンテナのビーム走査機能により、広範囲の探知対象物の探知が可能となるばかりでなく、送信アンテナと受信アンテナとを各々1本とすることができるので装置を簡便かつ小型にすることができる。
また、平面導体9aの近傍に、無給電の平面導体を配設することにより、ビームの指向性を上げることができる。
図4はオフセット給電型のパッチアンテナのビーム走査機能を示す実験結果である。この実験で使用したパッチアンテナは、X方向の長さ57.0mm、Y方向の長さ58.5mm、厚さ1mmである。また、このパッチアンテナのX方向の一辺からの距離16.5mm、Y方向の一辺からの距離17.5mmの位置には信号を印加する給電点が設けられている。
図4(a)(b)(c)は、給電用同軸9dに周波数2.5GHzから2.6GHZz付近の信号を印加した際に放射される電波信号の放射パターンを示している。図4(a)(b)(c)において電波信号の放射パターンは、円周方向が放射方向、半径方向が放射強度を示す極座標上で、黒く塗りつぶされた部分で示される。すなわち、この黒く塗りつぶされた部分の半径が最大となる方向が電波放射の放射方向となる。図4(a)は周波数2.55GHzの信号の印加により放射される電波信号の放射パターン、図4(b)は周波数2.57GHzの信号の印加により放射される電波信号の放射パターン、図4(c)は周波数2.61GHzの信号の印加により放射される電波信号の放射パターンを示している。図4に示すように、周波数2.5GHzから2.6GHZzに信号を変化させることにより、アンテナから放射される電波信号の放射方向は変化する。このように、本発明で使用されるオフセット給電型パッチアンテナは、印加する信号の周波数に応じて、電波信号の放射方向が変化するビーム走査機能を有する。
図5は、図4のオフセット給電型パッチアンテナの入力インピーダンスの周波数依存性を示すインピーダンス・スミスチャートである。このように、本発明で使用されるオフセット給電型パッチアンテナは広帯域で使用することができる。また、オフセット給電型パッチアンテナは入力インピーダンスが高いため、図2に示す送信部11の電力増幅器13及び受信部21の低雑音増幅器22の出力インピーダンスは高く設定されている。
図6は、本発明で使用されるオフセット給電型パッチアンテナのビーム走査機能により、探知対象物100までの距離計測を行う原理を説明する図である。図6(a)はパッチアンテナに印加されるFM送信信号の形態を示す図である。FM送信信号は、周波数帯域をΔF、時間間隔ΔTとすると、例えば、周波数は時間の増加によりΔF/ΔTの比で直線的に増加するアップチャープ特性を示す。また、このアップチャープ特性はΔTの周期で繰り替えされる。
図3で示したように、ΔF内の周波数f1、f2、f3の信号の印加により、オフセット給電型パッチアンテナにより放射される電波信号は放射方向が変化する。このように、本発明で使用されるオフセット給電型パッチアンテナは、電波信号の放射方向の変化により広範囲の探知対象物の探知を行い、さらに、周波数f1の周波数付近のアップチャープ特性を利用して探知対象物までの距離の計測を行うことができる。
以下に、図2及び図6(a)を用いて、電波信号の放射方向を変化させ、探知対象物までの距離を計測する方法について詳細な説明をする。FM信号発生器12により形成されたアップチャープ特性のFM送信信号は、送信アンテナ19からFM電波信号として放射される。また、FM送信信号は、ホモダイン検波のために、FM信号発生器12から受信装置2のミキサ23にも送出される。送信アンテナ19から放射されたFM電波信号は、探知対象物100で反射されて受信アンテナ29で受信される。受信アンテナ29で受信されたFM受信信号はミキサ23に送出される。ミキサ23に送出されFM受信信号は、FM信号発生器12からミキサ23に送出されたFM送信信号と、ミキサ23により混合されることによりホモダイン検波され、探知対象物100までの距離に対応する差周波信号(ビート信号)が検出される。この結果、FM電波信号の伝搬時間により生じる差周波信号が生成される。この差周波信号をδf1とすると、探知対象物100までの距離L1は
L1=0.5×(ΔT/ΔF)×δf1×Co ・・(1)
で求められる。ここでCoは光速である。
なお、差周波信号δf1は周波数帯域ΔFに比較して極めて小さな値のため、距離L1は式(1)により精度よく求めることができる。同様に、式(1)を利用して、周波数f2に対するδf2により距離L2と、周波数f3に対するδf3により距離L3を求めることが出来る。
従って図6(b)に示すように、本発明のオフセット給電型パッチアンテナを使用することにより、周波数f1、f2、f3の信号の印加により放射される電波信号の放射方向と、周波数f1、f2、f3に対するδf1、δf2、δf3により求められる距離L1、L2、L3とにより、探知対象物100の方向・距離を求めることができると共に、電波信号の放射方向と距離を信号処理することで探知対象物100の大きさや形を求めることができる。
<変形例>
図7は、本発明の第一の実施例における変形例を示す図である。第一の実施例において送信アンテナ19及び受信アンテナ29は、共にオフセット給電型パッチアンテナを用いたが、この発明はこの構成に限定されることはなく、図7(1)に示すように、送信アンテナ19にオフセット給電型パッチアンテナを、受信アンテナ29に給電点が中心部にある従来のパッチアンテナを用いる構成とすることができる。また、図7(2)に示すように、送信アンテナ19に給電点が中心部にある従来のパッチアンテナを、受信アンテナ29にはオフセット給電型パッチアンテナを用いる構成とすることができる。この図7(2)に示すように、受信アンテナ29にオフセット給電型パッチアンテナを使用する場合には、探知対象物100で反射された電波信号の周波数の変化により電波信号の到来方向を検知することで、探知対象物の方向・距離や、大きさ・形を求めることになる。
<第二の実施例>
本発明の第二の実施例を図8及び図9に従って説明する。図8は、本発明の第二の実施例を示す概略構成図である。第二の実施例における電波式探知装置は、送信部11と送信アンテナ19とからなる送信装置1と、受信部21と受信アンテナ29とからなる受信装置2と、信号処理装置3とから概略構成されている。
送信装置1の送信アンテナ19は、ビーム走査機能を有するオフセット給電型パッチアンテナが用いられている。また、送信装置1の送信部11は、FM信号発生器12と、電力増幅器13とから構成されている。
受信装置2の受信アンテナ29は、ビーム走査機能を有するオフセット給電型パッチアンテナが用いられている。また、受信装置2の受信部21は、低雑音増幅器22、ミキサ23、帯域通過フィルタ24、低域通過フィルタ25とAD変換器26とから構成されている。
信号処理装置3は、演算処理部31、データ記憶部32、ウエーブレット変換処理部33と探知対象物判定処理部34から構成されている。
図8において、FM信号発生器12から送出されたFM送信信号は、電力増幅器13で増幅されて送信アンテナ19からFM電波信号として放射される。また、FM送信信号は、ホモダイン検波のために、FM信号発生器12から受信装置2のミキサ23にも送出される。
送信アンテナ19から放射されたFM電波信号は、地中や土砂・瓦礫などの遮蔽物を伝搬し、探知対象物100で反射されて受信アンテナ29で受信される。
受信アンテナ29で受信されたFM電波信号は、FM受信信号に変換されて低雑音増幅器22により増幅される。増幅されたFM受信信号は、ミキサ23に送出される。
FM受信信号とFM信号発生器12から送出されたFM送信信号は、ミキサ23でホモダイン検波され、FM電波信号の伝播時間により生じる差周波信号(ビート信号)が生成される。生成された差周波信号は、帯域通過フィルタ24によって片側の側帯波のみのSSB信号に変換され、さらに低域通過フィルタ25により差周波信号に相当する電圧信号としてFM検波される。FM検波された差周波信号は、AD変換器26でデジタル差周波信号に変換され、信号処理装置3へ出力される。
信号処理装置3へ出力されたデジタル差周波信号は、演算処理部31で探知対象物100までの距離データに変換され、データ記憶部32、ウエーブレット変換処理部33と探知対象物判定処理部34により探知対象物100の各種判定を行う。
図9は、第二の実施例における信号処理装置3の詳細機能を示す図である。演算処理部31は、式(1)を用いて、受信装置2のAD変換器26より送出されたデジタル差周波信号により探知対象物100までの距離を算出する。データ記憶部32は、算出した探知対象物100までの距離と、周波数の信号毎(電波信号の放射方向毎)の探知対象物100までの距離を時系列で取得した時間変動データとを記憶する。ウエーブレット変換処理部33は、心拍による既存の人体表面の時間変動データを参照信号(アナライジングウエーブレット)として、データ蓄積部32の放射方向毎の探知対象物100までの距離の時間変動データをウエーブレット変換処理する。
このウエーブレット変換処理は、生存者の心拍による人体表面の時間変動が含まれている探知対象物までの距離データと、心拍による既存の人体表面の時間変動データ(アナライジングウエーブレット)との時間相関をとるものである。この結果得られた相関出力信号から、探知対象物100が判定され、特定される。
すなわち、探知対象物100が生存者であった場合に、探知対象物100までの距離の時間変動データから生存者の人体表面の時間変動データが強調し得られる。
このように、第二の実施例の電波式探知装置を使用することにより、探知対象物100の方向・距離・大きさ・形を求めることができると共に、ウエーブレット変換処理により土砂・瓦礫の中の生存者を判定し特定することが可能となる。
<第三の実施例>
本発明の第三の実施例を図10に従って説明する。図10は、本発明の第二の実施例を示す概略構成図である。第三の実施例における電波式探知装置は、送受信装置4と、信号処理装置3とから概略構成されている。
送受信装置4は、FM信号発生器12と電力増幅器13とからなる送信部11と、低雑音増幅器22とミキサ23と帯域通過フィルタ24と低域通過フィルタ25とAD変換器26とからなる受信部21と、サーキュレータ41と送受信アンテナ42とから構成されている。
サーキュレータ41は、電力増幅器13から出力されるFM送信信号を送受信アンテナ42へ送出するとともに、送受信アンテナ42から受信されるFM受信信号を受信部21の低雑音増幅器22へ送出する機能を有する。
送受信アンテナ42は、ビーム走査機能を有するオフセット給電型パッチアンテナが用いられている。また、送受信アンテナ42は、サーキュレータ41により、1つのアンテナで送信アンテナと受信アンテナの機能を有する。
信号処理装置3は、演算処理部31、データ記憶部32、ウエーブレット変換処理部33と探知対象物判定処理部34から構成されている。
図10において、FM信号発生器12から送出されたFM送信信号は、電力増幅器13で増幅されてサーキュレータ41に出力される。また、FM送信信号は、ホモダイン検波のために、FM信号発生器12から受信部21のミキサ23にも送出される。
サーキュレータ41に出力されたFM送信信号は、送受信アンテナ42に送出され、送受信アンテナ42でFM電波信号として放射される。
送受信アンテナ42から放射されたFM電波信号は、地中や土砂・瓦礫などの遮蔽物を伝搬し、探知対象物100で反射されて送受信アンテナ42で受信される。
送受信アンテナ42で受信されたFM電波信号は、FM受信信号に変換されてサーキュレータ41から低雑音増幅器22に送出され、低雑音増幅器22で増幅される。増幅されたFM受信信号は、ミキサ23に送出される。
FM受信信号とFM信号発生器12から送出されたFM送信信号は、ミキサ23でホモダイン検波され、FM電波信号の伝播時間により生じる差周波信号(ビート信号)が生成される。生成された差周波信号は、帯域通過フィルタ24によって片側の側帯波のみのSSB信号に変換され、さらに低域通過フィルタ25により差周波信号に相当する電圧信号としてFM検波される。FM検波された差周波信号は、AD変換器26でデジタル差周波信号に変換され、信号処理装置3へ出力される。
信号処理装置3へ出力されたデジタル差周波信号は、演算処理部31で探知対象物100までの距離データに変換され、データ記憶部32、ウエーブレット変換処理部33と探知対象物判定処理部34により探知対象物100の各種判定を行う。
このように、第三の実施例の電波式探知装置を使用することにより、探知対象物100の方向・距離・大きさ・形や生存者の探知が可能となるばかりでなく、送信アンテナと受信アンテナを1本の送受信アンテナで共用することができるので装置を簡便かつ小型にすることができる。
<第四の実施例>
本発明の第四の実施例を図11及び図12に従って説明する。図11は、本発明の第四の実施例を示す概略構成図である。第四の実施例における電波式探知装置は、送信部11と送信アンテナ19とからなる送信装置1と、受信部21と受信アンテナ29とからなる受信装置2と、信号処理装置3とから概略構成されている。
送信装置1の送信アンテナ19は、ビーム走査機能を有するオフセット給電型パッチアンテナが用いられている。また、送信装置1の送信部11は、多周波連続信号発生器15、信号切替器16、ミキサ17、パルス発生器18と電力増幅器13とから構成されている。
受信装置2の受信アンテナ29は、ビーム走査機能を有するオフセット給電型パッチアンテナが用いられている。また、受信装置2の受信部21は、低雑音増幅器22、位相検波器27とAD変換器26とから構成されている。
信号処理装置3は、演算処理部31、データ記憶部32、ウエーブレット変換処理部33と探知対象物判定処理部34から構成されている。
図11において、多周波連続信号発生器15から送出された周波数の異なる複数の連続波(CW波)信号は、信号切替器16へ送出される。複数の連続波信号は、信号切替器16で一定時間毎に次々と切り替えられる。この切り替えにより複数の連続波信号は、周期的に周波数が変わる連続信号となる。
具体的には、多周波連続信号発生器15から送出された周波数fa、fb、fcの連続波信号は、信号切替器16で一定時間毎に周波数fa、fb、fcと周波数を切り替えられた後、再び周波数faの信号に戻されて周期的に周波数が変わる連続信号となる。
この連続波信号とパルス発生器18からのパルスとは、ミキサ17により混合されて周波数毎のパルス変調(PM)送信信号となる。このPM送信信号は、電力増幅器13により増幅されて、送信アンテナ19からPM電波信号として放射される。また、PM送信信号は、位相検波のために、ミキサ17から受信装置2の位相検波器27にも送出される。
送信アンテナ19から放射されたPM電波信号は、地中や土砂・瓦礫などの遮蔽物を伝搬し、探知対象物100で反射されて受信アンテナ29で受信される。
受信アンテナ29で受信されたPM電波信号は、PM受信信号に変換されて低雑音増幅器22により増幅される。増幅されたPM受信信号は、位相検波器27に送出される。
PM受信信号とミキサ17から送出されたPM送信信号は、位相検波器27で位相検波され、PM電波信号の伝播時間により生じる位相差信号が生成される。生成された位相差信号は、AD変換器26でデジタル位相差信号に変換され、信号処理装置3へ出力される。
信号処理装置3へ出力されたデジタル差周波信号は、演算処理部31で探知対象物100までの距離データに変換され、データ記憶部32、ウエーブレット変換処理部33と探知対象物判定処理部34により探知対象物100の各種判定を行う。
図12は、第四の実施例の原理を示す図である。
図12(1)は、多周波連続信号発生器15から送出される周波数fa、fb、fcの連続波(CW波)信号を示している。図12(2)は、周波数fa、fb、fcの連続波信号を信号切替器16で切り替え、一定時間毎に周波数がfa、fb、fc、faと変化する信号を示している。
図12(3)は、fa、fb、fc、faと時系列で周波数が変化する信号と、パルス発生器18から送出されるパルスとをミキサ17で混合することにより得られるパルス変調(PM)送信信号を示している。このPM送信信号は、電力増幅器13により増幅されて、送信アンテナ19からPM電波信号として放射される。また、PM送信信号は、位相検波のために、ミキサ17から受信装置2の位相検波器27にも送出される。PM電波信号は送信アンテナ19から放射され、探知対象物100で反射され受信アンテナ29で受信される。受信アンテナ29で受信されたPM受信信号は位相検波器27に送出される。位相検波器27に送出されPM受信信号は、送信部11のミキサ17から位相検波器27に送出されたPM送信信号と、位相検波器27で位相検波され、探知対象物100までの距離に対応する時間差が位相差信号として検出される。
図12(4)は、伝搬時間による時間差で遅延を生じたPM受信信号を示す。図12(5)は、位相検波器27により検出された、PM送信信号とPM受信信号との位相差を示す。この位相差の値から探知対象物100までの距離が計測される。例えば、連続波の周波数fa、位相検波器27により計測された位相差をΨaとすると、探知対象物100までの距離L1は
L1=0.5×(Ψa/(2×π×fa))×Co ・・(2)
で求められる。ここでCoは光速である。同様に、式(2)を利用して、周波数fbに対する位相差Ψbにより距離L2と、周波数fcに対するΨcにより距離L3を求めることができる。
従って本発明のオフセット給電型パッチアンテナを使用することにより、周波数fa、fb、fcの信号の印加により放射される電波信号の放射方向と、周波数fa、fb、fcに対する位相差Ψa、Ψb、Ψcにより求められる距離L1、L2、L3とにより、探知対象物100の方向・距離を求めることができると共に、電波信号の放射方向と距離を信号処理することで探知対象物100の大きさや形を求めることができる。
信号処理装置3は図9と同様の構成である。図9によれば、演算処理部31は、式(2)を用いて、受信装置2のAD変換器26より送出されたデジタル差周波信号により探知対象物100までの距離を算出する。データ記憶部32は、算出した探知対象物100までの距離と、周波数の信号毎(電波信号の放射方向毎)の探知対象物100までの距離を時系列で取得した時間変動データとを記憶する。ウエーブレット変換処理部33は、心拍による既存の人体表面の時間変動データを参照信号(アナライジングウエーブレット)として、データ蓄積部32の放射方向毎の探知対象物100までの距離の時間変動データをウエーブレット変換処理する。
このウエーブレット変換処理は、生存者の心拍による人体表面の時間変動が含まれている探知対象物までの距離データと、心拍による既存の人体表面の時間変動データ(アナライジングウエーブレット)との時間相関をとるものである。この結果得られた相関出力信号から、探知対象物100が判定され、特定される。
すなわち、探知対象物100が生存者であった場合に、探知対象物100までの距離の時間変動データから生存者の人体表面の時間変動データが強調し得られる。
<第五の実施例>
本発明の第五の実施例を図13に従って説明する。図13は、本発明の第五の実施例を示す概略構成図である。第五の実施例における電波式探知装置は、送受信装置4と、信号処理装置3とから概略構成されている。
送受信装置4は、多周波連続信号発生器15、信号切替器16、ミキサ17、パルス発生器18と電力増幅器13とからなる送信部11と、低雑音増幅器22、位相検波器27とAD変換器26とからなる受信部21と、サーキュレータ41と送受信アンテナ42とから構成されている。
サーキュレータ41は、電力増幅器13から出力されるPM送信信号を送受信アンテナ42へ送出するとともに、送受信アンテナ42から受信されるPM受信信号を受信部21の低雑音増幅器22へ送出する機能を有する。
送受信アンテナ42は、ビーム走査機能を有するオフセット給電型パッチアンテナが用いられている。また、送受信アンテナ42は、サーキュレータ41により、1つのアンテナで送信アンテナと受信アンテナの機能を有する。
信号処理装置3は、演算処理部31、データ記憶部32、ウエーブレット変換処理部33と探知対象物判定処理部34から構成されている。
図13において、ミキサ17から送出されたPM送信信号は、電力増幅器13で増幅されてサーキュレータ41に出力される。また、PM送信信号は、位相検波のために、ミキサ17から受信部21の位相検波器27にも送出される。
サーキュレータ41に出力されたPM送信信号は、送受信アンテナ42に送出され、送受信アンテナ42でPM電波信号として放射される。
送受信アンテナ42から放射されたPM電波信号は、地中や土砂・瓦礫などの遮蔽物を伝搬し、探知対象物100で反射されて送受信アンテナ42で受信される。
送受信アンテナ42で受信されたPM電波信号は、PM受信信号に変換されてサーキュレータ41から低雑音増幅器22に送出され、低雑音増幅器22で増幅される。増幅されたPM受信信号は、位相検波器27に送出される。
PM受信信号とミキサ17から送出されたPM送信信号は、位相検波器27で位相検波され、PM電波信号の伝播時間により生じる位相差信号が生成される。生成された位相差信号は、AD変換器26でデジタル位相差信号に変換され、信号処理装置3へ出力される。
信号処理装置3へ出力されたデジタル差周波信号は、演算処理部31で探知対象物100までの距離データに変換され、データ記憶部32、ウエーブレット変換処理部33と探知対象物判定処理部34により探知対象物100の各種判定を行う。
このように、第五の実施例の電波式探知装置を使用することにより、探知対象物100の方向・距離・大きさ・形や生存者の探知が可能となるばかりでなく、送信アンテナと受信アンテナを1本の送受信アンテナで共用することができるので装置を簡便かつ小型にすることができる。
この発明は、上述した実施例の手順に限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変形可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施例では、アップチャープ特性のFM信号について述べたが、この他、時間の増加とともに直線的に周波数が減少するダウンチャープ特性のFM信号が周期的に繰り返される場合、アップチャープ特性の次にダウンチャープ特性のFM信号が続く信号が周期的に繰り返される場合も含まれることは言うまでもない。
また、上述した実施例では、アップチャープ特性のFM信号として、f1、f2、f3の3種の周波数について説明したが、FM信号は3種に限るものではないことは言うまでもない。
また、上述した実施例では、連続波信号として、fa、fb、fcの3種の周波数について説明したが、連続波信号が3種に限るものではないことは言うまでもない。
また、上述した実施例では、パッチアンテナは、平面導体と、接地導体と、平面導体と接地導体とにより挟持される誘電体と、芯線が平面導体に給電点を介して接続される給電用同軸線とから概略構成されていると説明したが、本発明に使用できるパッチアンテナはこの構成に限られることは無く、給電点がオフセットされた構成であれば、どのようなパッチアンテナを使用することができることは言うまでもない。
本発明は、地中に埋没した文化財や配管などの埋没物や土砂崩れなどの自然災害により土砂や瓦礫に埋没した生存者などの探知対象物を探知する、探知対象物の電波式探知装置及び方法として説明してきたが、その他の対象物を探知することも可能である。すなわち、生い茂った樹木等で目視での探索が不可能な人や動物等の探知対象物の探知が可能である。
本発明の第一の実施例を示す外観図である。 本発明の第一の実施例を示す概略構成図である。 本発明の第一の実施例に用いられるオフセット給電型のパッチアンテナの詳細を示す図である。 オフセット給電型パッチアンテナの実験例であり、電波信の放射パターンを示す。 オフセット給電型パッチアンテナの実験例であり、インピーダンス・スミスチャートを示す。 本発明の第一の実施で使用されるオフセット給電型パッチアンテナの、ビーム操作及び距離計測の原理を示す図である。 本発明の第一の実施例における変形例を示す図である。 本発明の第二の実施例を示す概略構成図である。 本発明の第二の実施例における信号処理装置の詳細機能を示す図である。 本発明の第二の実施例を示す概略構成図である。 本発明の第四の実施例を示す概略構成図である。 本発明の第四の実施例の原理を示す図である。 本発明の第五の実施例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 送信装置
11 送信部
12 FM信号発生器
13 電力増幅器
15 多周波連続信号発生器
16 信号切替器
17 ミキサ
18 パルス発生器
19 送信アンテナ
2 受信装置
21 受信部
22 低雑音増幅器
23 ミキサ
24 帯域通過フィルタ
25 低域通過フィルタ
26 AD変換器
27 位相検波器
28 パルス発生器
29 受信アンテナ
3 信号処理装置
31 演算処理部
32 データ記憶部
33 ウエーブレット変換処理部
34 探知対象物判定処理部
4 送受信装置
41 サーキュレータ
42 送受信アンテナ
9a 平面導体
9b 接地導体
9c 誘電体
9d 給電用同軸
9e 給電点
9f 平面導体中心点
100 探知対象物

Claims (17)

  1. 電波信号を送信する平面導体と、前記平面導体に前記平面導体の中心点からオフセットされた給電点で接続される給電線とを備えるオフセット給電型パッチアンテナにおいて、
    前記給電線から印加する電気信号の周波数を変化させることにより、前記平面導体から送信する電波信号の送信方向を走査することを特徴とするオフセット給電型パッチアンテナ。
  2. 電波信号を受信する平面導体と、前記平面導体に前記平面導体の中心点からオフセットされた給電点で接続される給電線とを備えるオフセット給電型パッチアンテナにおいて、
    電波信号の周波数の変化により、前記平面導体で受信する電波信号の到来方向を検知することを特徴とするオフセット給電型パッチアンテナ。
  3. 前記平面導体の近傍に配設された無給電の平面導体を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のオフセット給電型パッチアンテナ。
  4. 送信信号を発生させる送信部と、前記送信信号を電波信号として送信する送信アンテナと、探知対象物で反射された前記電波信号を受信し受信信号に変換する受信アンテナと、前記受信信号を処理する受信部とを備える電波式対象物探知装置において、
    前記送信アンテナ又は前記受信アンテナの少なくとも一方は、前記電波信号を送受信する平面導体と、前記平面導体に前記平面導体の中心点からオフセットされた給電点で接続される給電線とを具備するオフセット給電型パッチアンテナであることを特徴とする電波式対象物探知装置。
  5. 送信信号を発生させる送信部と、前記送信信号を電波信号として送信すると共に探知対象物で反射された前記電波信号を受信し受信信号に変換する送受信アンテナと、前記受信信号を処理する受信部とを備える電波式対象物探知装置において、
    前記送受信アンテナは、前記電波信号を送受信する平面導体と、前記平面導体に前記平面導体の中心点からオフセットされた給電点で接続される給電線とを具備するオフセット給電型パッチアンテナであることを特徴とする電波式対象物探知装置。
  6. サーキュレータをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の波式対象物探知装置。
  7. 前記送信部は、前記送信信号の周波数を変化させる周波数変調部を具備することを特徴とする請求項4乃至6に記載の電波式対象物探知装置。
  8. 前記受信部は、前記送信信号と前記受信信号とから差周波信号を生成するミキサを具備することを特徴とする請求項4乃至7に記載の電波式対象物探知装置。
  9. 前記送信部は、周波数の異なる複数の連続波信号を発生させる多周波連続信号発生部と、前記連続波信号を一定時間毎に切り替える信号切替部と、パルスを発生させるパルス発生部と、前記信号切替部により一定時間毎に切り替えられた前記連続波信号と前記パルスを混合するミキサとを具備することを特徴とする請求項4乃至6に記載の電波式対象物探知装置。
  10. 前記受信部は、前記送信信号と前記受信信号とから位相差信号を生成する位相検波部を具備することを特徴とする請求項4乃至6又は9に記載の電波式対象物探知装置。
  11. さらに信号処理装置を備えることを特徴とする請求項4乃至10に記載の電波式対象物探知装置。
  12. 前記信号処理部は、さらにウエーブレット変換処理部を具備することを特徴とする請求項11に記載の電波式対象物探知装置。
  13. 平面導体の中心点からオフセットされた給電点から、周波数を変化させた第一の電気信号を印加することにより、送信する電波信号の送信方向を走査し、
    探知対象物で反射された前記電波信号を受信アンテナで受信し、
    前記受信アンテナで受信した前記電波信号により生成された第二の電気信号と前記第一の電気信号との差周波信号により探知対象物までの距離を測定することを特徴とする電波式対象物探知方法。
  14. 送信アンテナに第一の電気信号を印加することにより電波信号を送信し、
    探知対象物で反射した前記電波信号を平面導体の中心点からオフセットされた給電点を備える受信アンテナで受信し、
    受信した前記電波信号の周波数の変化により前記電波信号の到来方向を検知し、
    前記受信アンテナで受信した前記電波信号により生成された第二の電気信号と前記第一の電気信号との差周波信号により探知対象物までの距離を測定することを特徴とする電波式対象物探知方法。
  15. 平面導体の中心点からオフセットされた給電点から、周波数を変化させた第一の電気信号を印加することにより、送信する電波信号の送信方向を走査し、
    探知対象物で反射した前記電波信号を平面導体の中心点からオフセットされた給電点を備える受信アンテナで受信し、
    受信した前記電波信号の周波数の変化により前記電波信号の到来方向を検知し、
    前記受信アンテナで受信した前記電波信号により生成された第二の電気信号と前記第一の電気信号との差周波信号により探知対象物までの距離を測定することを特徴とする電波式対象物探知方法。
  16. 前記第一の電気信号の周波数の変化は、一定の時間幅で繰り返されることを特徴とする請求項13又は15に記載の電波式探知方法。
  17. さらに探知対象物の既存の時間変動データと前記受信信号から得られる探知対象物の時間変動データとをウエーブレット変換することを特徴とする請求項14乃至16に記載の電波式探知方法。
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