JPH085964B2 - 着色微粒子の製造方法およびそれを用いてなる電子写真用トナー - Google Patents

着色微粒子の製造方法およびそれを用いてなる電子写真用トナー

Info

Publication number
JPH085964B2
JPH085964B2 JP2040768A JP4076890A JPH085964B2 JP H085964 B2 JPH085964 B2 JP H085964B2 JP 2040768 A JP2040768 A JP 2040768A JP 4076890 A JP4076890 A JP 4076890A JP H085964 B2 JPH085964 B2 JP H085964B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fine particles
colored
particles
toner
suspension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2040768A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03243628A (ja
Inventor
悦邦 森
光雄 串野
英樹 大石
忠弘 米田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2040768A priority Critical patent/JPH085964B2/ja
Publication of JPH03243628A publication Critical patent/JPH03243628A/ja
Publication of JPH085964B2 publication Critical patent/JPH085964B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、着色微粒子の製造方法およびそれを用いて
なる電子写真用トナーに関する。より詳しくは、粒子内
での着色剤が均一に分散されてなると共に粒子表面が改
質されてなり、よってトナー、塗料、インク、樹脂成形
物等の着色剤等に利用できる着色微粒子の製造方法およ
び該着色微粒子を用いてなり、レーザプリンタ、液晶プ
リンタ等のプリンタ装置のトナーに用いることにより、
鮮明な画像を形成し得る電子写真用トナーに関する。
[従来の技術] 電子写真法は、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等
の光導電体材料によって構成された感光体上に電子的撮
像を形成せしめ、これを粉体現像剤で現像化し、紙など
に転写して定着するものである。
従来、電子写真の現像に用いられるトナーは、一般に
熱可塑性樹脂中に着色剤およびその他添加剤(電荷制御
剤、オフセット防止剤、潤滑剤等)を溶融混合して分散
した後、固化物を微粉砕、分級して所望の粒径の着色微
粒子として製造してきた。
しかしながら、上記の粉砕によりトナーを製造する方
法には、種々の欠点が存在する。第一には、樹脂を製造
する工程、樹脂と着色剤やその他の添加剤とを混練する
工程、固形物を粉砕する工程、粉砕物を分級して所望の
粒径の着色微粒子を得る工程等、多くの工程とそれに伴
う多種の装置が必要であり、この方法により製造される
トナーは必然的に高価格である。特に、鮮明でかぶりの
少ない画像を形成するための最適な粒子径範囲のトナー
を得るために分級する工程は必須の要件であるが、生産
性かつ収率の上において問題がある。第二に、混練する
工程において着色剤やその他の添加剤が樹脂に均一に分
散するのは極めて困難であり、故にこの方法で製造され
たトナーは、着色剤、電荷制御剤等が分散不良のために
各粒子の摩擦帯電特性が異なり、これが解像度の低下に
つながる。このような問題は今後、画像の高画質化のた
めの必須条件となるトナーの小粒子径化に伴なって更に
顕著なものとなる。すなわち、現状の粉砕機では小粒子
径トナーを得るには限界があり、よしんば小粒子径トナ
ーが得られたとしても着色剤および電荷制御剤の分散不
良のため、帯電量のより大きなバラツキが発生する。
これらの粉砕法によるトナーにみられるさまざまの欠
点を改良するために、乳化重合法または懸濁重合法によ
るトナーの製造方法が種々提案されている(特公昭36−
10,231号、特公昭43−10,799号、特公昭47−518,305
号、特公昭51−14,895号等)。これらの方法は、重合性
単量体にカーボンブラック等の着色剤物質、その他の添
加剤を加え、乳化または懸濁重合せしめて、着色剤物質
を含有するトナーを一気に合成する方法である。この方
法により、従来の粉砕法の欠点をかなり改善することが
可能である。すなわち、粉砕工程を全く含まないため脆
性の改良は必要ではなく、形状が球形で流動性に優れる
ために摩擦帯電性が均一である。しかしながら、重合法
によるトナー製造方法にも問題はある。第一には、重合
時に用いた分散剤、界面活性剤等の親水性物質が洗浄工
程によっても完全には除去できずトナー表面に残存する
ために、帯電性が環境に影響され易くなる。第二には、
重合法により得られるトナーは形状が球で、表面に非常
になめらかである為に、感光性に付着したトナーが除去
され難くなり、クリーニング不良を生じる。
これらの問題を解決するために種々の方法が特開昭61
−255,354号、特開昭53−17,736号、特開昭63−17,460
号、特開昭61−167,956号等により提案されているが、
その効果が不完全であったり、或いはコストアップにつ
ながり実用的でない。
このような問題点を解決するために、例えば重合性単
量体、着色剤および/または磁性粉ならびに重合開始剤
を乳化剤の存在下に乳化分散し、重合させることにより
主要樹脂成分に製造し、得られる重合液を該主要樹脂成
分のガラス転移点以下の温度で凝固させ、かつ凝固後に
得られた粒子を主要樹脂成分のガラス転移点以上の温度
に加熱することにより完全に溶融させ、得られる粒子を
分級することにより所望の粒径を有する電子写真用トナ
ーを製造する方法が開示されている(特開昭61−167,95
5号、特開昭61−167,956号、特開昭61−167,957号およ
び特開昭61−72,258号)。
しかしながら、このような方法は、主として乳化重合
により重合が行なわれるので、得られる重合体粒子の粒
径はサブミクロン程度となるとともにカーボンブラック
等の着色剤が重合体粒子中に含まれずに粒子外に存在す
ることになるので、これを次工程の凝固工程や加熱溶融
工程でより大きな粒子中に包含させても均一に分散させ
ることは不可能である。このため、着色剤の不均一性を
招き、これが例えば電子写真用トナーとして使用する場
合に充電の不均一性を招いたりあるいはトナー飛散の原
因となり、カブリ現象やドラム汚染の原因となる。ま
た、前記方法は、重合により得られる重合体の粒子径が
小さいので、凝固工程においてガラス転移点以下の温度
で凝固させることにより粒径を増大させるとともに粒径
をコントロールする必要があるが、この際、無機酸、有
機酸等を凝固剤として使用する必要があるが、この凝固
剤は、得られるトナーをいかに洗浄しても完全に除去す
ることは不可能であり、残存凝固剤は耐環境依存性を生
じ、電気的特性が不充分であるという問題があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、上記現状に鑑み鋭意研究を重ねた結
果、懸濁重合により得られた着色球状微粒子を特定の順
序により処理して得られる着色微粒子が前記問題点が悉
く改善されたものであり、電子写真用トナーを始め、塗
料、インク、樹脂成形物等の着色剤等に好適に用いられ
ると共に、該着色微粒子を用いてなる電子写真用トナー
が、レーザプリンタ、液晶プリンタ等のプリンタ装置に
用いることにより、前記従来技術の有する問題点が全く
見られず、極めて鮮明な画像を形成し得ることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
[課題を解決するための手段] 本発明は、重合性単量体を着色剤および/または磁性
粉の存在下に懸濁媒体中に懸濁させ、粒子の規制を行な
いながら懸濁重合を行ない、得られる3〜50μmの平均
粒子径を有する着色球状微粒子の懸濁液を50〜98℃の温
度で加熱処理することにより重合熟成を行なうとともに
該粒子同士を融着させてブロック状にし、ついで該ブロ
ック状粒子に実質的に融着前の着色球状微粒子の平均粒
子径に解砕することを特徴とする着色微粒子の製造方法
である。
本発明はまた、上記着色微粒子を含有してなる電子写
真用トナーである。
[作用] 本発明における着色球状微粒子は、重合性単量体を着
色剤および/または磁性粉の存在下に懸濁媒体中に懸濁
させ、粒子径の規制を行ないながら懸濁重合を行なうこ
とにより得られる。この懸濁重合により得られる着色球
状微粒子は3〜50μm、好ましくは3.5〜20μmの粒子
径であるが、この粒子径の大きさは加熱処理および解砕
の工程を経て本発明の着色微粒子を得る上で極めて重要
な意義を有している。懸濁重合以外の重合法、例えば乳
化重合法による球状重合体の平均粒子径は通常0.1μm
前後であり、これを加熱処理、解砕して得られる微粒子
は、本発明の製造方法により得られる着色微粒子に比べ
て粒子の形状や粒子径分布が著しく異なったものとな
り、これをトナーとして用いても充分満足しうる画質の
画像を得ることができない。
懸濁重合の重合性単量体成分に用いる重合性単量体の
例としては次のものが挙げられ、これらを単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
トキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェ
ニルスチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレ
ン、p−クロルスチレン等のスチレン系モノマー;アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アク
リル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メ
チクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソ
ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデ
シル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
のステアリル等のアクリル酸あるいはメタクリル酸系モ
ノマー;エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、アクリロニトリル。
上記重合性単量体を懸濁重合して、得られた着色球状
微粒子を、後述するような条件下において、加熱処理す
る事により解砕時の作業性が良好となる。加熱処理時の
粒子同士の融着が進行し過ぎると後の解砕時の効率が低
下し、融着が不充分な場合は粒子表面の充分な処理効果
が得られない。過度の融着を避けるためには、懸濁重合
時に架橋剤を使用してもよい。
架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニ
ルナフタレン、これらの誘導体等の芳香族ジビニル化合
物、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチルレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、アリルメタクリレート、t−ブチルアミノエ
チルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタ
クリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等
のごときジエチレン性不飽和カルボン酸エステル、N,N
−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサル
ファイド、ジビニルスルホン酸の全てのジビニル化合物
および3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられ
る。更に、ポリブタジエン、ポリイソプレン、不飽和ポ
リエステル、クロロスルホン化ポリオレフィン等も有効
である。
着色球状微粒子を得るために用いる着色剤は、当業者
に周知の染料および顔料等であり、有機および無機の如
何に問わない。その具体例としては、例えばカーボンブ
ラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコオイ
ルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デ
ュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブル
ークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイドグリー
ンオキザレート、ランプブラック、オイルブラック、ア
ゾオイルブラック、ローズベンガル等が挙げられ、必要
であればこれら2種以上を併用して用いてもよい。
また、磁性を有する物質、すなわち、磁性体も着色剤
として使用できる。磁性体として、例えば鉄、コバル
ト、ニッケル等の強磁性金属の粉体、マグネタイト、ヘ
マタイト、フェライト等の金属化合物の粉体等が挙げら
れる。これら磁性体は単独でまたは前記染料や顔料等と
併用して着色剤として使用することができる。
これら着色剤はそのまま用いても良いが、適当な方法
で表面を処理した着色剤を用いると該着色剤が均一に分
散した着色微粒子が得られ、例えばトナーに用いた場合
に高画質に画像が形成されるので好ましい。例えば、着
色剤としてカーボンブラックを用いた場合は、特開昭63
−270,767号および特開昭63−265,913号に記載のカーボ
ンブラックグラフトポリマーが好適である。また、カー
ボンブラック以外の着色剤を用いる場合も、特開平1−
118,573号に記載の方法により得れる表面処理された着
色剤が好適である。
該着色剤の添加量は使用する着色剤の種類や得られる
着色微粒子の使用目的に応じて広い範囲とすことができ
るが、好ましくは重合性単量体100重量部に対して1〜2
00重量部、より好ましくは1〜100重量部である。
着色剤を用いて着色球状微粒子を得るには、通常該着
色剤を溶解もしくは分散させた重合性単量体を懸濁重合
する方法によるのが簡便であるが、場合によっては重合
した後の球状重合体粒子の着色剤を適当な溶剤を用いて
吸収せしめる方法によってもよい。
懸濁重合に用いる安定剤としては、ポリビニルアルコ
ール、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶
性高分子;アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性
剤、両性イオン界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の
界面活性剤等があり、その他硫酸バリウム、硫酸カルシ
ウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシ
ウム、タルク、粘土、ケイソウ土、金属酸化物粉末等が
用いられる。
アニオン性界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウ
ム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステ
ル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホ
ン酸塩、アルカリスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハ
ク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホ
ン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンア
ルキル硫酸エステル塩等がある。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン;グリセリ
ン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレン
ブロックポリマー等がある。
カチオン性界面活性剤としては、ラウリルアミンアセ
テート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミ
ン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の
第四級アンモニウム塩等がある。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルア
ミンオキサイド等がある。
これら安定剤は、得られる着色球状微粒子の粒子径が
3〜50μm、好ましくは3.5〜20μmとなるように、そ
の組成や使用量を適宜調節して使用すべきものである。
例えば、安定剤として水溶性高分子を用いる場合は、重
合性単量体成分に対して0.01〜20重量%、好ましくは0.
1〜10重量%とするのが好適である。界面活性剤の場合
は、重合性単量体成分に対して0.01〜10重量%、好まし
くは、0.1〜5重量%とするのが好適である。
重合に用いる重合開始剤としては、通常懸濁重合に用
いられる油溶性の過酸化物系あるいはアゾ系開始剤が利
用できる。一例を挙げると、例えば、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソク
ロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイ
ル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオ
キサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハ
イドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤、2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス−2,3−
ジメチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス−(2−メ
メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス−2,3,3−ト
リメチルブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−イソ
プロピルブチロニトリル、1,1′−アゾビス−(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−
(4−メチキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2
−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4′−
アゾビス−4−シアノバレリン酸、ジメチル−2,2′−
アゾビスイソブチレート等がある。該重合開始剤は、重
合性単量体に対して、0.01〜20重量%、特に、0.1〜10
重量%使用されるのが好ましい。
このようにして重合性単量体成分を懸濁重合させて着
色球状微粒子を得る際に、該単量体成分中に他の重合
体、例えばポリエステル等を存在させてもよく、更に、
重合度を調整するための連鎖移動剤等公知の添加剤を適
宜配合してもよい。また、本発明の着色微粒子を電子写
真用トナーに用いる場合は、磁性体や電荷制御剤を重合
性単量体に配合しておき、該磁性体や電荷制御剤が内添
された着色微粒子を得ることもできる。こうして得られ
る着色球状微粒子は平均粒子径が3〜50μm、好ましく
は3.5〜20μmで粒子径分布が粒子径の変動係数で0〜8
0%、好ましくは1〜50%のコントロールできた球状を
呈している。
本発明の着色微粒子は、上記手順で得られた着色形状
微粒子を懸濁重合液内で50〜98℃の温度条件下に加熱処
理して重合熟成を行なって未反応単量体をさらに重合さ
せるとともに、該着色球状微粒子同士を融着させてブロ
ック状粒子を得る。ついで実質融着前の着色球状微粒子
の平均粒子径に解砕して得られるものである。
ここで言う実質融着前の着色球状微粒子の平均粒子径
への解砕の最も理想的な形態は、第1図に示す走査型電
子顕微鏡写真(倍率60倍)から明らかなように、該着色
球状微粒子同士の界面を完全に消失しない範囲で該粒子
同士を融着させてなるブロック状粒子の個々の粒子を融
着前の着色球状微粒子の単位まで解砕して融着解砕前の
着色球状微粒子が変形しただけの状態にもどすことであ
る。ただし、融着界面の融着状態を均一にコントロール
することは実際には困難で、第2図に示す走査型電子顕
微鏡写真(倍率1500倍)から明らかなように、通常得ら
れる着色微粒子は融着解砕前の着色球状微粒子が変形す
ると共に一部欠損したものと、この欠損した部分が付着
して微粒子の混合物として得られる。こうした混合物で
あっても得られる着色球状微粒子の平均粒径が融着解砕
前の着色球状微粒子の平均粒径の実質同一であれば、該
着色微粒子の性状は最も理想的な形態の場合に比べてほ
とんど遜色がない。この際、着色微粒子の平均粒径が着
色球状微粒子の平均粒子径に対して通常20%以内、好ま
しくは10%以内、より好ましくは5%以内の変化率であ
れば、該着色微粒子と該着色球状微粒子の平均粒子径は
実質同一であると見なすことができる。
上記加熱処理は、着色球状微粒子の表面を改質するた
めに極めて重要かつ必須の工程である。その際の温度が
50℃未満では、着色球状微粒子同士の融着が全く起らな
いか若しくは融着したとしても不充分であり、顕著な表
面の改質効果が発現しない。逆に98℃を越える場合は、
過度の融着状態となり、後の改砕工程が困難であるばか
りでなく、得られる着色微粒子は粒子径分布が非常に大
きなものになってしまう。さらに、100℃を越える場合
には、加圧下に行なう必要がある。好ましくは60〜95℃
の範囲である。こうした加熱処理によって着色球状微粒
子同士は融着するが、その融着状態は所望の処理効果に
応じて任意にコントロールすれば良い。ただし、後の解
砕工程で均一な粒子径分布となり、従って電子写真用の
トナーとして優れた物性の着色微粒子を得るには、粒子
同士の界面が完全に消失しない範囲、換言すれば、粒界
を残した融着状態とするのが好適である。
しかして、前記着色球状微粒子同士を加熱融着させる
に際し、該懸濁重合体液中の着色球状微粒子の重合率
は、90%以上であることが好ましい。重合率が100%で
も本発明方法は適用できるが、重合率が高ければ高いほ
ど前記懸濁重合体液を製造するのに長時間を要するだけ
でなく、ついで行なわれる加熱温度が高くなるために、
常圧では加熱できず、オートクレーブ等を使用して加圧
下に加熱する必要があるために、若干未反応単量体が残
存する方法が望ましい。したがって、工業的には、重合
率90〜99%の範囲にあることが好ましく、特に93〜99%
の範囲にあることが好ましい。一方、重合率が90%未満
では未反応単量体により、着色球状微粒子が可塑化され
るため、加熱により粒子同士の界面が消失して融着する
ので、後で解砕する際に融着前の着色球状微粒子の平均
粒子径を得ることが困難となるためである。
さらに、融着して得られる該ブロック状粒子の嵩密度
が0.1〜0.9g/cm3、特に0.2〜0.7g/cm3の範囲の融着状態
とするのがより好ましい。ブロック状粒子の形状および
大きさは制限されるものではないが、次の工程である粒
子の濾過、乾燥、解砕等を考慮すれば、20〜10,000μ
m、より好ましくは30〜1,000μmの粒子を生成させる
方がよい。大きさが20μm未満であれば、粒子取出しに
おいて非常に大きなエネルギーあるいは特殊な装置が必
要であり10,000μm越えると、解砕においてよりエネル
ギーが必要となる。上記の大きさの該ブロック状粒子を
生成させるためには、凝集または沈澱が必要である。凝
集に際しては公知の凝集剤、例えば、塩酸等の無機酸、
修酸等の有機酸、これらの酸とアルカリ土類金属、アル
ミニウムなどから成る水溶性金属塩等を用いてもよい。
ただし、これら公知の凝集剤は、得られる着色微粒子を
電子写真用トナーとして用いる場合、性能に影響を及ぼ
す場合があるので、その使用には注意を要する。本発明
者らは、該着色球状微粒子に対する非溶媒が、高分子物
質の単離精製あるいは分別の際に、沈澱剤として使用す
ることができ、しかも得られる着色微粒子は凝集剤を用
いた場合にみられる欠点が無いものであることを見出し
た。このような非溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、石油エーテル等の炭化水素類、メタノール、
エタノール等の低級アルコール等がある。ここでいう着
色球状微粒子に対する非溶媒とは、該着色球状微粒子の
脂肪を溶解もしくは分散させない溶剤をいう。このよう
な非溶媒ないし沈澱剤を用いる場合も、支障のない範囲
で公知の凝集剤が併用して用いられ得ることはいうまで
もない。また、この加熱処理は常圧下、減圧下もしくは
加圧下とすることができる。更に、加熱処理時に融着を
とり促進させる目的で適当な有機溶剤を用いる事は自由
である。得られた該ブロック状物を懸濁液より取り出
し、乾燥を行なう。次に、乾燥した該ブロック状物を、
実質融着前の着色球状微粒子の平均粒径に解砕する。解
砕は、従来から工業的に粉体、粒子等を生産するために
用いられている粉砕機を制限なく使用することができ
る。
このようにして得られる着色微粒子は、粒子径および
粒子径分布が任意にコントロールできたものであるが、
粒子径は3〜50μm、好ましくは3.5〜20μmとするの
が、また粒子径分布は粒子径の変動係数が0〜80%、好
ましくは0〜50%とするのが好適である。ただし、ここ
で言う粒子径の変動係数とは、標準偏差を平均粒子径で
割った値の百分率である。該着色微粒子の形状は特に制
限されるものではないが、例えば、巨視的には球状であ
りながらその表面が微細な凹凸を有する粒子や非球状の
粒子等が挙げられる。
本発明による電子写真用トナーは、前記着色微粒子を
用いてなるものであるが、該トナーの帯電性を適正な状
態とするためには、その平均粒子径を3.5〜20μm、好
ましくは4〜15μmとするのが好適である。該着色微粒
子はそのまま電子写真用トナーとすることもできる。
また、電荷調整のための電荷制御剤や流動化剤等の通
常のトナーに常用させる添加剤が適宜配合されていても
よい。
電荷制御剤を配合せしめる方法は特に制限されるもの
ではなく、従来公知のいかなる方法も採用できる。例え
ば、着色剤を分散せしめた重合性単量体を重合する際に
電荷制御剤を予め該単量体内に含ませておく方法や、本
発明の着色微粒子を電荷制御剤で後処理して着色微粒子
表面に電荷制御剤を付着せしめる方法等を適宜採用でき
る。
[実施例] 以下、実施例による本発明を詳細に説明するが本発明
は以下の実施例によって限定されるものではない。な
お、以下実施例および比較例中の「部」は、特にことわ
らない限りすべて重量による。
実施例1 撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管および温度計
に備えた反応釜に、ポリビニルアルコール1部を溶解し
た脱イオン水2,000部を仕込んだ。そこへ予め調整して
おいたスチレン585部、ブチルメタクリレート390部およ
びグリシジルメタクリレート25部からなる重合性単量体
にベンゾイルパーオキサイド80部を溶解した混合物を仕
込み、高速で攪拌して均一な懸濁液とした。次いで、窒
素ガスを吹き込みながら80℃に加熱し、この温度で5時
間攪拌を続けて重合反応を行なった後水を除去して反応
性基としてエポキシ基を有する重合体を得た。
反応性基としてエポキシ基を有する重合体400部とカ
ーボンブラックMA−100R(三菱化成工業株式会社製)15
0部と電荷制御剤(Aizen Spilon Black TRH保土ケ谷化
学工業株式会社製)50部とを加圧ニーダーを用いて160
℃、100rpmの条件下に混練して反応した後、冷却しかつ
粉砕して着色剤としてのカーボンブラックグラフトポリ
マーを得た。
上記と同様の反応釜にアニオン製界面活性剤としてド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部を溶解した脱
イオン水8,970部を仕込んだ。そこへ予め調整しておい
たスチレン800部、アクリル酸n−ブチル200部およびジ
ビニルベンゼン0.03部からなる重合性単量体成分に上記
の着色剤としてのカーボンブラックグラフトポリマー50
0部、アゾビイソブチロニトリル30部および2,2′7−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30部を配合し
た混合物を仕込み、T.K.ホモミキサー(特殊機化工業株
式会社製)により8,000rpmで5分間攪拌して均一な懸濁
液とした。
次いで、窒素ガスを吹き込みながら65℃に加熱し、こ
の温度で5時間攪拌を続けて懸濁重合反応を行なった
後、さらに75℃で1時間加熱した結果、重合率95.0%、
平均粒子径が5.82μm、粒子径の変動係数が20.5%の着
色球状微粒子の懸濁液を得た。75℃に保たれた着色球状
微粒子の懸濁液にメタノール2,095部を添加し、さらに
1時間加熱を行なったところ粒子同士が融着してなるブ
ロック状物を形成した。これを濾過し、熱風乾燥機を用
いて50℃で10時間乾燥し、粒界を残した融着状態で嵩密
度が0.20g/cm3の粟おこしの形状を呈したフロック状物
1,500部を得た。このブロック状物を超音速ジェット粉
砕機IDS2型(日本ニューマチック工業株式会社製)を用
い、15kg/hrのフィード量で解砕し、着色微粒子(1)
を得た。
得られた着色微粒子(1)をコールターカウンター
(アパーチャ100μm)で測定した結果、平均粒子径が
5.67μmで、粒子径の変動係数が18.7%であった。この
着色微粒子(1)をそのまま電子写真用トナー(1)と
して用いて静電複写機(タイプ4060株式会社リコー製)
により画像出しを行なった結果は第1表に示した通りで
あった。
実施例2 実施例1で用いたのと同様の反応釜にポリビニルアル
コール(PVA205,クラル株式会社製)30部を溶解した脱
イオン水8,970部を仕込んだ。そこへ予め調整しておい
たスチレン800部およびスチレン酸n−ブチル200部から
なる重合性単量体成分に、着色剤としてブリリアントカ
ーミン6B(野間化学株式会社性)50部、アゾビスイソブ
チロニトリル30部および2,2′−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)30部を配合した混合物を仕込み、T.
K.ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)により6,00
0rpmで5分間撹拌して均一な懸濁液とした。
次いで、窒素ガスを吹き込みながら65℃に加熱し、こ
の温度で5時間撹拌を続けた。懸濁重合反応を行ったあ
と、さらに75℃に1時間加熱した結果、重合率98.0%、
平均粒径が6.42μm、粒子径の変動係数が21.3%の着色
球状微粒子の懸濁液を得た。75℃に保たれた着色球状微
粒子の懸濁液に有効成分35%の水性ペースト電荷制御剤
(Bontron S−34オリエント化学工業株式会社製)13部
を添加後95℃で1時間加熱処理を行なったところ、粒子
同士が融着してなるブロック状物を形成した。これを濾
過し、減圧乾燥機を用い50℃で8時間乾燥し、粒界を残
した融着状態で嵩密度が0.28g/cm3の粟おこしの形状を
呈したブロック状物1110部を得た。このブロック状物を
超音速ジェット粉砕機IDS2型(日本ニューマチック工業
株式会社製)を用い12kg/hrのフィード量で解砕し、着
色微粒子(2)を得た。
得られた着色微粒子(2)をコールターカウンター
(アパーチャ100μm)で測定した結果、平均粒子径が
6.15μmで粒子径の変動係数が23.0%であった。この着
色微粒子(2)をそのまま電子写真用トナー(2)とし
て用いて静電複写機(タイプ4060株式会社リコー製)に
より画像出しを行なった結果は第1表に示した通りであ
った。
実施例3 実施例1と同様の方法において得られた反応性基とし
てエポキシ基を有する重合体200部と粉体状の磁性体で
あるマピコBL−200(チタン工業株式会社製)400部とを
加圧ニーダーを用いて160℃、100rpmの条件下に混練し
た後、冷却しかつ粉砕してポリマー処理磁性体を得た。
実施例1で用いたのと同様の反応釜にアニオン製界面
活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5
部を溶解した脱イオン水8,970部を仕込んだ。そこへ予
め調整しておいたスチレン800部、アクリル酸n−ブチ
ル200部およびジビニルベンゼン0.1部からなる重合性単
量体成分に上記のポリマー処理磁性体700部、アゾビス
イソブチロニトリル30部および2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)30部を配合した混合物を仕込
み、T.K.ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)によ
り8,000rpmで5分間撹拌して均一な懸濁液とした。
次いで、窒素ガスを吹き込みながら65℃に加熱し、こ
の温度で5時間撹拌を続けて懸濁重合反応を行った後、
さらに75℃で1時間加熱した結果、重合率98.0%、平均
粒子径が5.43μm、粒子径の変動係数が22.5%の着色球
状微粒子の懸濁液を得た。75℃に保たれた着色球状微粒
子の懸濁液に、有効成分35%の水性ペースト電荷制御剤
(Bontron S−34,オリエント化学工業株式会社製)41部
および塩化アルミニウム5部を添加後、95℃で30分間加
熱処理を行なったところ、粒子同士が融着してなるブロ
ック状物を形成した。これを濾過し、減圧乾燥機を用い
50℃で8時間乾燥し、粒界を残した融着状態で嵩密度が
0.22g/cm3の粟おこしの形状を呈したブロック状物1,700
部を得た。このブロック状物を超音速ジェット粉砕機ID
S2型(日本ニューマチック工業株式会社製)を用い18kg
/hrのフィード量で粉砕し、着色微粒子(3)を得た。
得られた着色微粒子(3)をコールターカウンター
(アパーチャ100μm)で測定した結果、平均粒子径が
5.24μmで、粒子径の変動係数が19.8%であった。この
着色微粒子(3)をそのまま電子写真用トナー(3)と
して用いて静電複写機(NP−5000,キャノン株式会社
製)により画像出しを行なった結果は第1表に示した通
りであった。
実施例4 実施例1と同様の方法においてカーボンブラックグラ
フトポリマーを得、上記と同様のフラスコにアニオン性
界面活性剤ハイテノールN−08(第一工業製薬株式会社
製)10部を溶解した脱イオン水8970部を仕込んだ。そこ
へ予め調整しておいたスチレン800部、アクリル酸n−
ブチル150部およびポリブタジェンNISSO−PB−B−3000
(日本曹達株式会社製)50部からなる成分にカーボンブ
ラックグラフトポリマー500部、アゾビスイソブチロニ
トリル20部および2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ルニトリル)10部を配合した混合物を仕込み、以下実施
例1と同じ操作を行った結果、重合率92%、平均粒子径
が6.30μm、粒子径の変動係数が19.5%の着色球状微粒
子の懸濁液(4)を得た。
得られた着色球状微粒子の懸濁液をさらに90℃で2時
間加熱処理を行なったところ、粒子同士が融着してなる
ブロック状物を形成した。これを濾過し、熱風乾燥機を
用いて50℃で10時間乾燥し、粒界を残した融着状態を嵩
密度が0.31g/cm3の粟おこしの形状を呈したブロック状
物1,500部を得た。このブロック状物を超音速ジェット
粉砕機IDS2型(日本ニューマチック工業株式会社製)を
用い17kg/hrのフィード量で解砕し、着色微粒子(4)
を得た。
得られた着色微粒子(4)をコールターカウンター
(アパーチャ100μm)で測定した結果、平均粒子径が
6.14μmで粒子径の変動係数が20.8%であった。この着
色微粒子(4)をそのまま電子写真用トナー(4)とし
て用いて静電複写機(タイプ4060株式会社リコー製)に
より画像出しを行なった結果を第1表に示した通りであ
った。
実施例5 実施例1で用いたのと同様のフラスコにアニオン性界
面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
5部を溶解した脱イオン水8,970部を仕込んだ。そこへ
予め調整しておいたスチレン800部およびアクリル酸n
−ブチル200部からなる重合性単量体成分に着色剤とし
てカーボンブラックグラフトポリマー500部、アゾビス
イソブチロニトリル30部および2,2′−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)30部を配合した混合物を仕込
み、T.K.ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)によ
り8,000rpmで5分間撹拌して均一な懸濁液とした。
次いで、窒素ガスを吹き込みながら65℃に加熱し、こ
の温度で5時間撹拌を続けて懸濁重合反応を行った後、
さらに75℃で1時間加熱した結果、重合率95.0%、平均
粒子径が5.92μm、粒子径の変動係数が23.0%の着色球
状微粒子の懸濁液を得た。75℃に保たれた着色球状微粒
子の懸濁液に、1N塩酸200部を添加後、85℃で3時間加
熱処理を行なったところ、粒子同士が融着してなるブロ
ック状物を形成した。これを濾過し、減圧乾燥機を用い
50℃で8時間乾燥し、粒界を残した融着状態で嵩密度が
0.35g/cm3の粟おこしの形状を呈したブロック状物1,500
部を得た。このブロック状物を超音速シェット粉砕機ID
S2型(日本ニューマチック工業株式会社製)を用い13kg
/hrのフィード量で解砕し、着色微粒子(5)を得た。
得られた着色微粒子(5)をコールターカウンター
(アパーチャ100μm)で測定した結果、平均粒子径が
5.65μmで粒子径の変動係数が21.2%であった。この着
色微粒子(5)をそのまま電子写真用トナー(5)とし
て用いて静電複写機(タイプ4060株式会社リコー製)に
より画像出しを行なった結果は第1表に示した通りであ
った。
実施例6 実施例4においてポリブタジエン50部の代わりに、HY
PALON20(E.I.duPont de Nemors & Co.製クロロスルホ
ン化ポリエチレン)5部を、アゾビスイソブチロニトリ
ル20部および2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)10部の代わりにベンゾイルパーオキサイド30部
を用いる以外は実施例4と同じ操作を行なった結果、重
合率92%、平均粒径が6.02μm、粒子径の変動係数が2
1.2%の着色球状微粒子の懸濁液を得た。75℃に保たれ
た着色球状微粒子の懸濁液に塩化カルシウム3部を添加
し、95℃で1時間加熱を行なったところ、粒子同士が融
着してなるブロック状物を形成した。これを濾過し、減
圧乾燥機を用い50℃で8時間乾燥し、粒界を残した融着
状態で嵩密度が0.21g/cm3の粟おこしの形状を呈したブ
ロック状物1,500部を得た。このブロック状物を超音速
ジェット粉砕機IDS2型(日本ニューマチック工業株式会
社製)を用い18kg/hrのフィード量で解砕し、着色微粒
子(6)を得た。
得られた着色微粒子(6)をコールターカウンター
(アパーチャ100μm)で測定した結果、平均粒子径が
6.10μmで粒子径の変動係数が22.0%であった。この着
色微粒子(6)をそのまま電子写真用トナー(6)とし
て用いて静電複写機(タイプ4060株式会社リコー製)に
より画像出しを行なった結果は第1表に示した通りであ
った。
実施例7 実施例1で用いたアニオン性界面活性剤としてのドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部に代わり、ノニ
オン性界面活性剤としてノニポール200(三洋化成株式
会社製)10部を用いる以外は実施例1と同じ操作を行な
った結果、重合率96%、平均粒子径5.75μm、粒子径の
変動係数が19.5%、の着色球状微粒子の懸濁液を得た。
その後60℃に保ちヘプタン750部を添加し、1時間、加
熱処理を行なったところ、粒子同士が融着してなるブロ
ック状物を形成した。これを濾過し、熱風乾燥機を用い
50℃で10時間乾燥し、粒界を残した融着状態で嵩密度が
0.22g/cm3の粟おこしの形状を呈したブロック状物1,500
部を得た。このブロック状物を超音速ジェット粉砕機ID
S2型(日本ニューマチック工業株式会社製)を用い15kg
/hrのフィード量で解砕し、着色微粒子(7)を得た。
得られた着色微粒子(7)をコールターカウンター
(アパーチャ100μm)で測定した結果、平均粒子径が
5.65μmで粒子径の変動係数が20.7%であった。この着
色微粒子(7)をそのまま電子写真用トナー(7)とし
て用いて静電複写機(タイプ4060株式会社リコー製)に
より画像出しを行なった結果は第1表に示した通りであ
った。
比較例1 実施例4で得た着色球状微粒子の懸濁液(4)10,480
部を75℃に保った状態で塩化アルミニウム5部を添加
後、加圧下に150℃で30分間加熱処理を行ない、粒子同
士が融着してなるブロック状物を形成した。これを濾過
し、減圧乾燥機を用い50℃で8時間乾燥後、粗粉砕し、
実施例4と同機種を用いて4kg/hrのフィード量で粉砕
し、比較用着色微粒子(a)を1,500部得た。
この比較用着色微粒子(a)の粒子の性状をおよび該
比較用着色微粒子(a)をそのまま比較用電子写真用ト
ナー(a)として用いて、静電複写機(タイプ4060株式
会社リコー製)による画像出しを行なった結果は第1表
に示した通りであった。
比較例2 実施例4と同様の操作により着色球状微粒子の懸濁液
を得た。ただし、懸濁重合反応は65℃で4時間であった
ため、重合率は86%であった。得られた着色球状微粒子
の懸濁液を、さらに90℃で2時間加熱処理を行なったと
ころ、着色球状微粒子の凝集物となり、後処理が困難で
あった。
比較例3 スチレン−アクリル樹脂(TB−1000F三洋化成株式会
社製)2,228部、カーボンブラックMA−100R(三菱化成
株式会社製)187部および電荷制御剤(Aizen Spilon Bl
ack TRH)25部をヘンシェルミキサーにて予備混合し、
これを加圧ニーダにより150℃で30分間溶融混練した
後、冷却し、トナー塊を得た。このトナー塊を粗砕機で
0.1mm〜2mmに粗粉砕し、この粗トナーを実施例1と同様
種を用いて5kg/hrのフィード量で微粉砕を行ない粉砕物
を風力分級機(DS−2型日本ニューマチック工業株式会
社製)により分級し、比較用着色微粒子(b)を1,500
部得た。
この比較用着色微粒子(b)の粒子の性状および該比
較用着色微粒子(b)をそのまま比較用電子写真用トナ
ー(b)として用いて静電複写機(タイプ4060株式会社
リコー製)による画像出しを行なった結果は第1表に示
した通りであった。
(注1)解砕(粉砕)処理量 超音速ジェット粉砕機IDS2型(日本ニューマチック工
業(株)製)を用いた時のフィード量をもって解砕(粉
砕)処理量とした。
(注2) 粒子径:コールターカウンター(コールターエレクトロ
ニクスINC製:TA−II型)により測定した。
変動係数:コールターカウンター(コールターエレクト
ロニクスINC製:TA−II型)により測定した。
摩擦帯電量:鉄キャリヤ(同和鉄粉(株)製:DSP−12
8)との混合物(トナー濃度5重量%)を用いブローオ
フ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル(株)製:モデル
TB−200)により測定した。
流動性:トナーの流動性は肉眼で評価した。
◎トナー粒子が独立して存在しさらさらした流動を示
す。
○トナー粒子は若干凝集しているが通常の流動を示す。
△トナー粒子の凝集がかなり認められ流動性の低下が見
られる。
×トナー粒子の凝集が著しく流動性の顕著な低下が見ら
れる。
(注3)画像出し評価 静電複写機画像出し(タイプ4060(株)リコー製また
はNP−5000キャノン(株)製)によりファクシミリテス
トチャートNo.1を複写して得た画像で評価した。
カブリ:グランドがトナーによって斑点状に汚れる現象
の有無を調べた。
細線再現性:ファクシミリテストチャートNo.1を複写し
て得た画像の読み取り具合により評価した。
クリーニング性:ファクシミリテストチャートNo.1を複
写して得た画像より評価した。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明は、重合性単量体を着色剤
および/または磁性粉の存在下に懸濁媒体中に懸濁さ
せ、粒子径の既製を行ないながら懸濁重合を行ない、得
られる3〜50μmの平均粒子径を有する着色球状微粒子
の懸濁液を50〜98℃の温度で加熱処理することにより重
合熟成を行なうとともに該粒子同士を融着させてブロッ
ク状にし、ついで該ブロック状粒子を実質的に融着前の
着色球状微粒子の平均粒子径に解砕することを特徴とす
る着色微粒子の製造方法および該着色微粒子を含有して
なる電子写真用トナーであるから、粒度が均一でしかも
粒子表面化凹凸状となっており、かつ懸濁重合に用いた
界面活性剤及び分散剤が著しく低減されてなり、湿度の
変化を伴う物性の変動がほとんど解消されている。従っ
て本発明の着色微粒子は、鮮明な画像を形成しうると共
に流動性、クリーニング性にも優れた電子写真用トナー
として好適に使用できるのを始め、その他塗料、イン
ク、樹脂組成物の着色剤あるいは改質剤としても使用す
ることができる。
本発明の電子写真用トナーは上記着色微粒子を用いて
なり、湿度の影響を受けることなくあらゆる環境下で常
に高画質でかぶりのない画像を形成できるために、広範
な電子写真現像装置に使用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の加熱処理工程で得られるブロック
状粒子の電子顕微鏡写真であり、また第2図は本発明方
法で得られる着色微粒子の電子顕微鏡写真である。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性単量体を着色剤および/または磁性
    粉の存在下に懸濁溶媒体中に懸濁させ、粒子径の規制を
    行ないながら懸濁重合を行ない、得られる3〜50μmの
    平均粒子径を有する着色球状微粒子の懸濁液を50〜98℃
    の温度で加熱処理することにより重合熟成を行なうとと
    もに該粒子同士を融着させてブロック状にし、ついで該
    ブロック状粒子を実質的に融着前の着色球状粒子の平均
    粒子径に解砕することを特徴とする着色微粒子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】該粒子同士を融着させるに際し、該懸濁重
    合体液中の着色球状微粒子の重合率が90%以上である請
    求項1に記載の着色微粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】該粒子同士を融着させるのに際し、該着色
    球状微粒子の樹脂に対して非溶媒である有機溶剤を添加
    することよりなる請求項1または2に記載の着色微粒子
    の製造方法。
  4. 【請求項4】着色球状微粒子が着色剤としてカーボンブ
    ラックグラフトポリマーを用いて懸濁重合により得られ
    たものである請求項1ないし3のいずれか一つに記載の
    着色微粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】ブロック状粒子の嵩密度が0.1〜0.9g/cm3
    の範囲にある請求項1ないし4のいずれか一つに記載の
    着色微粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】平均粒子径が3〜50μmである請求項1な
    いし5のいずれか一つに記載の着色微粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】粒子径の変動係数が0〜80%である請求項
    6に記載の着色微粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の着色微粒子を含有してな
    る電子写真用トナー。
  9. 【請求項9】該粒子同士を融着させるに際し、該懸濁重
    合体液中の着色球状微粒子の重合率が90%以上である請
    求項8に記載の電子写真用トナー。
  10. 【請求項10】該粒子同士を融着させるに際し、該着色
    球状微粒子の樹脂に対して非溶媒である有機溶剤を添加
    することによりなる請求項8または9に記載の電子写真
    用トナー。
  11. 【請求項11】着色球状微粒子が着色剤としてカーボン
    ブラックグラフトポリマーを用いて懸濁重合により得ら
    れたものである請求項8ないし10のいずれか一つに記載
    の電子写真用トナー。
  12. 【請求項12】ブロック状粒子の嵩密度が0.1〜0.9g/cm
    3の範囲にある請求項8ないし11のいずれか一つに記載
    の電子写真用トナー。
  13. 【請求項13】平均粒子径が3〜50μmである請求項8
    ないし12のいずれか一つに記載の電子写真用トナー。
  14. 【請求項14】粒子径の変動係数が0〜80%である請求
    項13に記載の電子写真用トナー。
JP2040768A 1990-02-21 1990-02-21 着色微粒子の製造方法およびそれを用いてなる電子写真用トナー Expired - Fee Related JPH085964B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2040768A JPH085964B2 (ja) 1990-02-21 1990-02-21 着色微粒子の製造方法およびそれを用いてなる電子写真用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2040768A JPH085964B2 (ja) 1990-02-21 1990-02-21 着色微粒子の製造方法およびそれを用いてなる電子写真用トナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03243628A JPH03243628A (ja) 1991-10-30
JPH085964B2 true JPH085964B2 (ja) 1996-01-24

Family

ID=12589809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2040768A Expired - Fee Related JPH085964B2 (ja) 1990-02-21 1990-02-21 着色微粒子の製造方法およびそれを用いてなる電子写真用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH085964B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06175402A (ja) * 1992-12-02 1994-06-24 Nippon Shokubai Co Ltd 電子写真用トナーの製造方法
JP5393137B2 (ja) * 2008-12-26 2014-01-22 株式会社トクヤマデンタル 異形化非架橋有機樹脂フィラーの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03243628A (ja) 1991-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR950003303B1 (ko) 착색 미립자 및 그의 제조방법
JPH0545931A (ja) 着色微粒子の製造方法およびそれを用いてなる電子写真用トナー
JP3456324B2 (ja) 重合トナーの製造方法
JP2002229251A (ja) トナー
JPH11218960A (ja) 重合トナー及びその製造方法
KR100779883B1 (ko) 토너 및 그 제조방법
JP2912662B2 (ja) 電子写真用乾式トナー
US5929139A (en) Method for production of microfine colored particles and electrophotographic toner, using the particles
JP2766540B2 (ja) 着色微粒子およびこれを用いてなる静電荷像現像用トナー
US5559168A (en) Method for production of microfine colored particles and electrophotographic toner using the particles
JPH085964B2 (ja) 着色微粒子の製造方法およびそれを用いてなる電子写真用トナー
JP2898715B2 (ja) 着色微粒子の製造法およびそれを用いてなる電子写真用トナー
US5193751A (en) Coloring fine particles and toner for developing electrostatic images using the same
JP2629093B2 (ja) 着色微粒子の製造方法およびそれを用いてなる電子写真用トナー
JP3451514B2 (ja) 着色樹脂粒子の製造方法と静電潜像現像用トナー及び静電潜像現像剤
JP2765937B2 (ja) 着色微粒子およびこれを用いてなる静電荷像現像用トナー
JPH0764935B2 (ja) 着色微粒子およびこれを用いた静電荷像現像用トナー
JP2744335B2 (ja) トナーの製造方法
JP3799127B2 (ja) トナー粒子の製造方法
JPH0812477B2 (ja) 着色微粒子およびこれを用いてなる静電荷像現像用トナー
KR950014871B1 (ko) 현탁매체로부터의 구상미립자의 회수방법
JPH05241376A (ja) トナーおよびその製造方法
KR950003306B1 (ko) 정전 현상 토우너
JPH05100483A (ja) 重合トナーの製造方法
JP2002169323A (ja) トナー

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees