JPH085878Y2 - ウエビング巻取装置 - Google Patents

ウエビング巻取装置

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JPH085878Y2
JPH085878Y2 JP1990030447U JP3044790U JPH085878Y2 JP H085878 Y2 JPH085878 Y2 JP H085878Y2 JP 1990030447 U JP1990030447 U JP 1990030447U JP 3044790 U JP3044790 U JP 3044790U JP H085878 Y2 JPH085878 Y2 JP H085878Y2
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lever
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wheel
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隆行 安藤
光博 小椋
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Tokai Rika Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は車両緊急時の乗員保護用シートベルト装置に
用いられ、車両緊急時にのみ巻取軸のウエビング引出方
向回転を阻止する状態とウエビングが所定量引き出され
た後はウエビングの引出しが常に阻止される状態とが使
い分けできるウエビング巻取装置に関する。
[従来の技術] 車両に配置されるウエビング巻取装置には、必要時に
ウエビングの引出方向回転を阻止するロツク機構が内蔵
されている。
このロツク機構には、通常はウエビングの巻取り及び
引出しが可能で、車両緊急時には加速度センサでこれを
検知し瞬時に巻取軸のウエビング引出方向回転を阻止す
るELR(エマージエンシー・ロツキング・リトラクタ)
と、ウエビングが所定量引き出された後はその後のウエ
ビングの引出しを常に阻止するALR(オートマチツク・
ロツキング・リトラクタ)とがある。
ELRでは、巻取軸のウエビング引出方向回転に追従す
るようにロツク輪が設けられて巻取軸との間に弾性体が
介在されており、通常はこのロツク輪と巻取軸とは一体
的に回転するようになっている。したがって車両の通常
走行時では、ウエビングを巻取軸から自由に巻取り及び
引出しができるので、乗員は自由な運転姿勢をとること
ができる。車両緊急時には、加速度センサによりこれが
検知されてELRレバー(所謂、パウル)によってロツク
輪が回転阻止され、巻取軸と共に回転するロツク部材が
ロツク輪の巻取軸に対する回転遅れによって案内移動さ
れてフレームのラチエツト歯と噛み合い、これによって
巻取軸の回転が阻止されてウエビングの引出しが停止さ
れる(例えば、特公昭44−016969号、特開昭47−1115号
公報)。
またALRでは、所定量のウエビング引出しでロツク輪
の回転がALRレバー(パウル)によって阻止され(した
がってこの状態では、巻取軸と共に回転するロツク部材
がフレームのラチエツト歯に噛み合い)、それ以後はウ
エビングが巻取軸から引出されることがないので乗員を
確実に拘束することができる。
ところで、このELRとALRとが併設されたウエビング巻
取装置が開示されている(一例として実開昭59−76252
号公報)。
この種のウエビング巻取装置では、必要に応じてELR
とALRとを切り換えることができるようになっている。
そなわち、ウエビングが巻取軸に全量巻き取られた状態
から所定量引き出された状態までの間においては、ロツ
ク輪へ付勢力で係合可能とされているALRレバーを強制
的にロツク輪から離間させ係合を解除して以後の係合を
阻止し、加速度センサによるロツク部材の制御(すなわ
ち、ELR作動可能状態)とし、ウエビングが所定量以上
引き出された状態(例えば、全引出し状態)では、ALR
レバーを強制的にロツク輪へ係合して以後のウエビング
の引き出しを阻止するように(すなわち、ALR作動状態
と)なっている。
従って、単一のウエビング巻取装置でありながら必要
に応じてELRとALRの機能を果たすことができる。
[考案が解決しようとする課題] ところで、この種のウエビング巻取装置(ALR/ELR併
設巻取装置)では、前述の如く各ロツク機構のそれぞれ
の利点が包含されているが、反面、ELR機構において加
速度センサにより作動してロツク輪の回転を阻止するEL
Rレバーと、ALR機構においてウエビングの所定引出し量
で作動してロツク輪の回転を阻止するALRレバーとを共
に設ける必要があり、したがって必然的に部品点数が多
くコスト高となり、またこれらを狭いスペースに収納す
ることが難しく組付けにも手間がかかるという欠点があ
った。
本考案は上記事実を考慮し、ALR及びELRの各ロツク機
能を損なうことなく、構造が簡単で部品点数が少なく組
付けも容易に行なうことができるウエビング巻取装置を
得ることが目的である。
[課題を解決するための手段] 本考案に係るウエビング巻取装置は、巻取軸に係合し
ウエビング引出し方向回転を阻止するロツク手段と、巻
取軸に追従して回転し回転停止時に前記ロツク手段を巻
取軸回転阻止状態へ案内するロツク輪と、前記ロツク輪
に係合してロツク輪の回転を阻止する状態とロツク輪か
ら離間してロツク輪の回転を可能にする状態との間で移
動可能に配置され、車両の緊急状態を検知することによ
り作動して前記ロツク輪の回転を停止するロツクレバー
と、前記ロツクレバーから離間してロツクレバーの回転
を可能にする状態とロツクレバーに係合しロツクレバー
を強制的に作動させる状態との間で移動可能に配置され
た切換えレバーと、巻取軸の回転に伴って回転し、ウエ
ビングの所定巻取り、引出し量に応じて前記切換えレバ
ーに係合し切換えレバーを前記二つの状態のうち何れか
一方の状態へ切り換えると共に、ウエビングの全量巻取
り付近では前記ロツクレバーに係合してロツクレバーを
前記ロツク輪から強制的に離間させるカムプレートと、
前記切換えレバーを付勢して前記二つの状態のうち何れ
か一方の状態で保持する保持部材と、を備え、前記切換
えレバーが前記二つの状態で切り換わることによりELR
及びALRの何れか一方の機能で作動することを特徴とし
ている。
[作用] 上記構成のウエビング巻取装置では、ELR作動状態に
おいては、切換えレバーが保持部材によって押圧されて
ロツクレバーから離間した状態で保持され、このため、
ロツクレバーの移動が可能となる。したがって、このEL
R作動状態では、車両が緊急状態に至るとロツクレバー
がロツク輪の回転を阻止し、ロツク輪によってロツク手
段が巻取軸回転阻止状態へ案内され、巻取軸のウエビン
グ引出方向回転が阻止される。このため、ウエビングが
巻取軸から引出されることがないので乗員を確実に拘束
することができる。
さらに、このELR作動状態において、ウエビングがほ
ぼ全量巻き取られた状態では、カムプレートがロツクレ
バーに係合してロツクレバーがロツク輪から強制的に離
間される。このため、仮に、巻取軸の回転が終了した際
の衝撃等がロツクレバーに作用しても、ロツクレバーが
ロツク輪の回転を停止することがない。したがって、巻
取軸の回転が不必要に阻止されることがなく、ウエビン
グの引出しが不能になることが防止される。
一方、ELRからALRに切り換える際には、巻取軸の回転
に伴って回転するカムプレートが切換えレバーに係合し
てこの切換えレバーを切り換える。このため、切換えレ
バーによってロツクレバーが押圧されて強制的に作動さ
れ、ロツクレバーがロツク輪の回転を阻止する。さら
に、切換えレバーは保持部材によって押圧されてこの状
態で保持される。したがって、このALR作動状態では、
ロツクレバーが常にロツク輪に係合してロツク輪の回転
を阻止している。したがって、ALR作動状態では、ロツ
ク輪によってロツク手段が巻取軸回転阻止状態へ案内さ
れ、巻取軸のウエビング引出方向回転が阻止される。こ
のため、ウエビングが巻取軸から引出されることがない
ので乗員を確実に拘束することができる。
このように、カムプレートと切換えレバーの作動によ
ってALR及びELRの各ロツク機構を切り換えることがで
き、部品点数が少なくなると共にコストの低減を図るこ
とができる。また、これらの部品を狭いスペースであっ
ても収納することが可能となり、組付けも容易となる。
[実施例] 第1図には本考案に係るウエビング巻取装置10の分解
斜視図が示されている。
このウエビング巻取装置10ではフレーム12が図示しな
い取付ボルトによって車体へ固着されている。フレーム
12には両側部から一対の脚板部12Aが互いに平行に延長
されている。
これらの脚板部12Aには巻取軸14が軸支されており、
さらに、この巻取軸14の中央部へ半径方向に貫通される
貫通孔16には乗員拘束用ウエビング(図示省略)の一端
が係止されている。また巻取軸14の後端にはゼンマイば
ね18の一端が係止されており、巻取軸14を常にウエビン
グ巻取方向に付勢している。このため通常は、乗員拘束
用ウエビングは巻取軸14へ層状に巻取られており、これ
を引出してウエビング端部に取付けられたタングプレー
トを車体へ取付けられたバツクル装置に係合させること
により装着状態となることができる。
巻取軸14の先端には突出部20が形成されており、さら
に伝達部材22が嵌着するようになっている。伝達部材22
の中央からは突出部24が突出しており、先端にはピニオ
ンギヤ26が形成されている。また突出部24には一対の凹
部28が形成されている。さらに突出部24の基部近傍には
透孔30が穿設されており、伝達部材22が巻取軸14の先端
に嵌着された際に突出部20がこの透孔30を貫通した後さ
らに伝達部材22から突出して配置される構成となってい
る。
突出部24の周囲にはロツク手段の一部を構成する一対
のロツクプレート32が配置されている。第7図及び第8
図にも示す如く、これらのロツクプレート32は、それぞ
れ中央部に略U字形の切欠凹部34が形成された略C字形
となっており、この切欠凹部34内へ前記巻取軸14の突出
部20が対応して巻取軸14と共に回転するようになってい
る。この切欠凹部34の幅寸法は突出部20の幅寸法よりも
若干大きく形成されており、ロツクプレート32が巻取軸
14に対して所定角度だけ相対回転可能となっている。
これらのロツクプレート32の一端にはそれぞれ爪部36
が形成されており、脚板部12Aに固着されロツクプレー
ト32と共にロツク手段を構成する内歯ラチエツトホイル
38のロツク歯38Aと対応している。
さらに、ロツクプレート32にはそれぞれ一対のピン40
が突出しており、ロツク輪42に形成される長孔44内へ挿
入されている。このロツク輪42は伝達部材22の突出部24
に軸支される大径の外歯ラチエツトホイルで、巻取軸14
と相対回転可能となっている。ロツク輪42の外周にはラ
チエツト歯46が形成されている。
ロツク輪42の外側には回転アダプタ48が伝達部材22の
突出部24に一体的に軸支されている。回転アダプタ48の
中央には係合爪50が形成されており、この係合爪50が伝
達部材22の突出部24に形成された凹部28に嵌入して伝達
部材22すなわち巻取軸14と一体的に回転する構成であ
る。回転アダプタ48とロツク輪42との間には捩じりコイ
ルスプリング54が介在されている。
捩じりコイルスプリング54はロツク輪42に突出形成さ
れた支持突起56に支持され、その一端はロツク輪42のば
ね係止ピン58へ当接し、他端は回転アダプタ48に突出形
成されたばね係止ピン60へ当接している。この捩じりコ
イルスプリング54の付勢力を受けてロツク輪42は常に巻
取軸14のウエビング引出方向へ付勢回転されている。し
たがって通常は、ロツクプレート32のピン40は長孔44の
一端側に位置し、ロツクプレート32の爪部36はロツク歯
38Aから離間した状態となっている。一方、ロツク輪42
は、ウエビング引出方向に回転する巻取軸14との間に相
対回転が生ずると捩じりコイルスプリング54の付勢力に
抗して回転遅れを生じ、この回転遅れによってロツクプ
レート32のピン40を長孔44の他端側へ案内し、これによ
って爪部36をロツク歯38Aへ嵌み合わせるようになって
いる。
ロツク輪42直下の脚板部12Aにはセンサホルダ62が固
着されており、ロツクレバー64及び加速度センサ66がそ
れぞれ組付けられている。
ロツクレバー64は略L字形で、センサホルダ62の一端
に突出形成された支軸70に回転可能に軸支されている。
腕部72の先端は上方へ向いて屈曲する係合部74となって
おり、加速度センサ66の作動時に回転駆動されてロツク
輪42のラチエツト歯46へ嵌み合い、ロツク輪42の回転を
停止させるようになっている。またロツクレバー64には
解除アーム部76が形成されており、この解除アーム部76
を押圧することにより係合部74とラチエツト歯46との嵌
み合いを解除できるようになっている。
一方、加速度センサ66は、ケース78の取付突起80がセ
ンサホルダ62の受部82へ嵌入して取付けられ、円錐受部
84内へ配置されたボール86が加速度作用時に円錐受部84
内を登り上がるようになっている。
加速度センサ66へ軸支されたアクチユエータ88は、一
端がボール86上に載置されており、ボール86によって押
上げられると他端がロツクレバー64を支軸70周りに回転
させて、ロツクレバー64の係合部74をロツク輪42のラチ
エツト歯46へ嵌み合わせるようになっている。
センサホルダ62に組付けられたロツクレバー64の直上
には、切換えレバー68が配置されている。切換えレバー
68は、第2図に詳細に示す如く、略くの字状に屈曲して
形成されており、中央部が、カバー118に突出形成され
た支軸94によって回転可能に軸支されている。この切換
えレバー68は、ロツクレバー64の解除アーム部76に接近
する状態と解除アーム部76から離間する状態との間で支
軸94周りに回転可能である。
また切換えレバー68には、ロツク輪42の方向へ延出す
る解除突起92が形成されている。このため切換えレバー
68は、解除突起92を支軸94回りに第3図時計方向へ押圧
することにより回転移動し、第5図に示す如く、ロツク
レバー64の解除アーム部76に係合しこれを押圧できる。
したがって、この状態では、ロツクレバー64は強制的に
回転されて係合部74がロツク輪42のラチエツト歯46に嵌
み合う状態となる。
切換えレバー68の解除突起92の側の端部には、有底の
収納孔96が形成されており、さらにこの収納孔96には付
勢部材としての圧縮コイルスプリング98の一端が収納さ
れている。圧縮コイルスプリング98の他端は、カバー11
8に形成されたU字形のスプリング収容部100へ収容され
ている。このため、圧縮コイルスプリング98はその付勢
力によって、切換えレバー68がロツクレバー64の解除ア
ーム部76へ接近した状態又は離間した状態のいずれかを
保持するスナツプアクシヨンを構成している。
切換えレバー68の解除突起92にはカムプレート102が
係合するようになっている。カムプレート102は円板状
で、周縁からは軸方向に突出してリブ部108が形成され
ている。リブ108の外周の一部には、半径方向へ突出す
る突起部104が形成されており、さらに突起部104の一端
には、更に半径方向へ突出する凸部106が形成されてい
る。このカムプレート102は伝達部材22の突出部24に回
転可能に軸支されており、突起部104の周方向両端部が
切換えレバー68の解除アーム92に対応しており、また凸
部106の半径方向周端部がロツクレバー64の係合部74に
対応している。
また、カムプレート102のリブ部108の内側には内歯11
0が形成されている。この内歯110はギヤ12を介してピニ
オンギヤ26と噛み合っている。ギヤ112は大径ギヤ部114
と小径ギヤ部116とが一体的に形成された二段歯車で、
カバー118に回転可能に軸支されており、ピニオンギヤ2
6が大径ギヤ部114と噛み合い、小径ギヤ部116が内歯110
と噛み合っている。このため、カムプレート102は巻取
軸14の回転が減速して伝達され、巻取軸14のウエビング
巻取から引出までの間にほぼ1回転するようになってお
り、さらに巻取軸14の回転方向とは逆向きに回転するよ
うになっている。
すなわち、巻取軸14がウエビング巻取方向へ回転した
場合に、カムプレート102がこれと反対方向(第3図乃
至第6図矢印B方向)へ回転し突起部104が切換えレバ
ー68の解除突起92を押圧して支軸94周りに回転させ、ロ
ツクレバー64の解除アーム部76から離間させるようにな
っている。また、カムプレート102が回転し突起部104が
切換えレバー68の解除突起92を押圧する直前において
は、カムプレート102の凸部106がロツクレバー64の係合
部74に当接し、係合部74が凸部106の傾斜面に乗り上が
りながら移動するようになっている。したがって、この
状態では、ロツクレバー64の係合部74は、ロツク輪42の
ラチエツト歯46から強制的に離間される。
一方、巻取軸14がウエビング引出方向へ回転した場合
には、解除ギヤ102が第3図乃至第6図矢印A方向へ回
転し、ほぼ一回転すると突起部104が切換えレバー68の
解除突起92を前記ウエビング巻取方向回転時とは逆向き
に押圧して支軸94周りに回転させ、切換えレバー68がロ
ツクレバー64の解除アーム部76を押圧する状態へ切り換
えるようになっている。
なおこれらの各状態、すなわち、切換えレバー68とロ
ツクレバー64との離間状態又は接近状態は圧縮コイルス
プリング98によって一定の付勢力で保持される。
次に本実施例の作用を説明する。
乗員がウエビングを装着する前は、ウエビングはウエ
ビング巻取装置10の巻取軸14へ全巻状態となっている。
したがってカムプレート102の突起部104が着替えレバー
68の解除突起92を押し上げで着替えレバー68をロツクレ
バー64の解除アーム部76から離間させている。さらに、
切換えレバー68は圧縮コイルスプリング98によって付勢
されてこの状態で保持されている。
したがってこの状態では、巻取軸14のロツク機構はEL
R(エマージエンシー・ロツキング・リトラクタ)とな
っており、ロツクレバー64は係合部74がロツク輪42のラ
チエツト歯46へ係合するまで移動可能であるが、車両へ
加速度が作用していないので腕部72は降下位置にあり、
係合部74はロツク輪42のラチエツト歯46から離間した状
態となっている。
また乗員がウエビングを装着した後の車両通常時に
は、ボール86が円錐受部84の底部にあるのでロツクレバ
ー64の係合部74は巻取軸14の回転に拘らずロツク輪42の
ラチエツト歯46と離間している。このため、ウエビング
を装着した乗員は任意にウエビングを巻取軸14へ巻取、
又は巻取軸14から引出して自由に運転姿勢をとることが
できる。
車両が衝突等の緊急状態に陥ると、ボール86はアクチ
ユエータ88を押し上げロツクレバー64を支軸70周りに回
転させ係合部74がラチエツト歯46へ噛み合う(第3図図
示状態)。
一方、乗員は慣性により加速度方向へ移動するので、
ウエビングが巻取軸14から引き出され、巻取軸14は第3
図矢印B方向へ回転する。このため、巻取軸14と共に回
転したロツク輪42はロツクレバー64によってその回転が
阻止され、巻取軸14との間に相対回転が生ずる。この相
対回転によって、巻取軸14と共に回転するロツクプレー
ト32は第8図に示す如くピン40がロツク輪42の長孔44に
案内されて移動し、爪部36が内歯ラチエツトホイル38の
ロツク歯38Aと噛み合い巻取軸14のウエビング引出方向
回転が阻止される。この結果、乗員はウエビングによる
確実な拘束状態となる。
乗員がウエビングの装着を解除した場合には、巻取軸
14に連結されたゼンマイばね18の付勢力によって自動的
に巻取軸14が回転し、ウエビングが巻取軸14に巻き取ら
れる。
ここで、ウエビングを巻取軸14に全部巻き取る際に、
巻取軸14の回転に応じてカムプレート102が回転して突
起部104が切換えレバー68の解除突起92を押圧する直前
においては、カムプレート102の凸部106がロツクレバー
64の係合部74に当接し、係合部74が凸部106の傾斜面に
乗り上がりながら移動する。したがって、ウエビングが
巻取軸14にほぼ全量巻き取られた状態では、ロツクレバ
ー64の係合部74は、ロツク輪42のラチエツト歯46から強
制的に離間される(第4図図示状態)。このため、仮
に、巻取軸14の回転が終了した(ウエビングが全量巻き
取られた)際の衝撃等がロツクレバー64に作用しても、
係合部74が不用意にラチエツト歯46に噛み合うことが無
い。したがって、巻取軸14の回転が不必要に阻止される
ことがなく、ウエビングの引き出しが不能になることが
防止される。
ここで、本実施例に係るウエビング巻取装置10では、
必要に応じてそのロツク機構をALR(オートマチツク・
ロツキング・リトラクタ)に切換えることができる。こ
れは、ウエビングを巻取軸14から全部引出すことにより
切り換えることができる。
巻取軸14のウエビング引出方向回転により、カムプレ
ート102が巻取軸14の回転方向と反対方向へ回転する。
この回転はギヤ112によって減速されており、カムプレ
ート102はウエビング全巻取から全引出までの間にほぼ
1回転する。従って、ウエビングを引出して全引出状態
となるとカムプレート102の突起部104が切換えレバー68
の解除突起92に当接してこれを押し下げる。このため、
切換えレバー68が支軸94周りに回転してロツクレバー64
の解除アーム部76を押圧し、これによって、ロツクレバ
ー64が強制的に回転されて係合部74がロツク輪42のラチ
エツト歯46に噛み合い、ロツク輪42のウエビング引出方
向の回転を阻止する(第5図図示状態)。これにより、
巻取軸14のウエビング引出方向回転時には常にロツクレ
バー64(係合部74)がロツク輪42と噛み合ってロツク輪
42の回転を停止するので、前記ELR機構の場合と同様に
ロツク手段を作動させこの引出回転を阻止できる。
このALR作動状態において、巻取軸14をウエビング巻
取方向へ回転させる際には、巻取軸14と共にロツク輪42
が回転する。この場合ロツク輪42は、このロツク輪42の
ラチエツト歯46に係合しそのウエビング引出方向回転を
阻止しているロツクレバー64の係合部74が当接しなが
ら、ウエビング巻取方向へ回転する。
しかしながらこの場合、係合部74はそれ自身が撓みな
がらラチエツト歯46を乗り越えると共に、ロツクレバー
64をALR状態で保持している切換えレバー68すなわち圧
縮コイルスプリング98によってロツクレバー64の回転移
動力が吸収される(第6図図示状態)。このため、ロツ
ク輪42のウエビング巻取方向回転に伴って、係合部74が
ラチエツト歯46に当接しながら乗り越えても、断続的な
異音が発生することが低減される。
さらにこの場合、ウエビングが巻取方向回転から引出
方向回転に変ると、前述と同様に係合部74はラチエツト
歯46に噛み合っているのでALRとしての機能を損なうこ
となくウエビングの引出しを停止できる。
ALR状態からELR状態へ切り換える場合には、再びウエ
ビングを全量巻取ると、カムプレート102の突起部104が
切換えレバー68の解除突起92を上方へ押圧し切換えレバ
ー68を回転させる。このため、切換えレバー68がロツク
レバー64の解除アーム部76から離間して、ロツクレバー
64の回転が可能となる。さらに、この係合解除状態が圧
縮コイルスプリング98によって維持される。これによっ
て、ウエビングを引き出した後は、再び元のロツクレバ
ー64がロツク輪42から離間したELR状態となる。
このように本実施例では、カムプレート102と切換え
レバー68の作動によってALR及びELRの各ロツク機構を切
り換えることができ、部品点数が少なくなると共にコス
トの低減を図ることができる。また、これらの部品を狭
いスペースであっても収納することが可能となり、組付
けも容易となる。
[考案の効果] 以上説明した如く本考案に係るウエビング巻取装置
は、ALR及びELRの各ロツク機能を損なうことなく、構造
が簡単で部品点数が少なく組付けも容易に行なうことが
できるという優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係るウエビング巻取装置の分解斜視
図、第2図は切換えレバーの詳細を示す斜視図、第3図
乃至第6図はウエビング巻取装置に配置されるロツク機
構部の作動を示す正面図、第7図はロツクプレートの内
歯ラチエツトホイルへの対応関係を示す正面図、第8図
は第7図の作動図である。 10……ウエビング巻取装置、14……巻取軸、32……ロツ
クプレート(ロツク手段)、38……内歯ラチエツトホイ
ル(ロツク手段)、42……ロツク輪、64……ロツクレバ
ー、66……加速度センサ、68……切換えレバー、74……
係合部、76……解除アーム部、92……解除突起、98……
圧縮コイルスプリング(付勢部材)、102……カムプレ
ート。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻取軸に係合しウエビング引出し方向回転
    を阻止するロツク手段と、 巻取軸に追従して回転し回転停止時に前記ロツク手段を
    巻取軸回転阻止状態へ案内するロツク輪と、 前記ロツク輪に係合してロツク輪の回転を阻止する状態
    とロツク輪から離間してロツク輪の回転を可能にする状
    態との間で移動可能に配置され、車両の緊急状態を検知
    することにより作動して前記ロツク輪の回転を停止する
    ロツクレバーと、 前記ロツクレバーから離間してロツクレバーの回転を可
    能にする状態とロツクレバーに係合しロツクレバーを強
    制的に作動させる状態との間で移動可能に配置された切
    換えレバーと、 巻取軸の回転に伴って回転し、ウエビングの所定巻取
    り、引出し量に応じて前記切換えレバーに係合し切換え
    レバーを前記二つの状態のうち何れか一方の状態へ切り
    換えると共に、ウエビングの全量巻取り付近では前記ロ
    ツクレバーに係合してロツクレバーを前記ロツク輪から
    強制的に離間させるカムプレートと、 前記切換えレバーを付勢して前記二つの状態のうち何れ
    か一方の状態で保持する保持部材と、 を備え、前記切換えレバーが前記二つの状態で切り換わ
    ることによりELR及びALRの何れか一方の機能で作動する
    ウエビング巻取装置。
JP1990030447U 1990-03-23 1990-03-23 ウエビング巻取装置 Expired - Lifetime JPH085878Y2 (ja)

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JPS56141647U (ja) * 1980-03-27 1981-10-26
JPS63110155U (ja) * 1987-01-12 1988-07-15

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