JPH0747239Y2 - ウエビング巻取装置 - Google Patents

ウエビング巻取装置

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JPH0747239Y2
JPH0747239Y2 JP3044690U JP3044690U JPH0747239Y2 JP H0747239 Y2 JPH0747239 Y2 JP H0747239Y2 JP 3044690 U JP3044690 U JP 3044690U JP 3044690 U JP3044690 U JP 3044690U JP H0747239 Y2 JPH0747239 Y2 JP H0747239Y2
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alr
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隆行 安藤
賢司 星野
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Tokai Rika Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は車両緊急時の乗員保護用シートベルト装置に用
いられ、車両緊急時にのみ巻取軸のウエビング引出方向
回転を阻止する状態とウエビングが所定量引き出された
後はウエビングの引出しが常に阻止される状態とが使い
分けできるウエビング巻取装置に関する。
[従来の技術] 車両に配置されるウエビング巻取装置には、必要時にウ
エビングの引出方向回転を阻止するロツク機構が内蔵さ
れている。
このロツク機構には、通常はウエビングの巻取り及び引
出しが可能で、車両緊急時には加速度検知手段でこれを
検知し瞬時に巻取軸のウエビング引出方向回転を阻止す
るELR(エマージエンシー・ロツキング・リトラクタ)
と、ウエビングが所定量引き出された後はその後のウエ
ビングの引出しを常に阻止するALR(オートマチツク・
ロツキング・リトラクタ)とがある。
ELRでは、巻取軸のウエビング引出方向回転に追従する
ようにロツク輪が設けられて巻取軸との間に弾性体が介
在されており、通常はこのロツク輪と巻取軸とは一体的
に回転するようになっている。したがって車両の通常走
行時では、ウエビングを巻取軸から自由に巻取り及び引
出しができるので、乗員は自由な運転姿勢をとることが
できる。車両緊急時には加速度検知手段によってロツク
輪が回転阻止され、巻取軸と共に回転するロツク部材が
ロツク輪の巻取軸に対する回転遅れによって案内移動さ
れてフレームのラチエツト歯と噛み合い、これによって
巻取軸の回転が阻止されてウエビングの引出しが停止さ
れる(例えば、特公昭44-016969号、特開昭47-1115号公
報)。
またALRでは、所定量のウエビング引出しでロツク輪の
回転がALRレバー(所謂、パウル)によって阻止され
(したがってこの状態では、巻取軸と共に回転するロツ
ク部材がフレームのラチエツト歯に噛み合い)、それ以
後はウエビングが巻取軸から引出されることがないので
乗員を確実に拘束することができる。
ところで、このELRとALRとが併設されたウエビング巻取
装置が開示されている(一例として実開昭59-76252号公
報)。
この種のウエビング巻取装置では、必要に応じてELRとA
LRとを切換えることができるようになっている。すなわ
ち、ウエビングが巻取軸に全量巻き取られた状態から所
定量引き出された状態までの間においては、ロツク輪へ
付勢力で係合可能とされているALRレバーを強制的にロ
ツク輪から離間させ係合を解除して以後の係合を阻止
し、加速度検知手段によるロツク部材の制御(すなわ
ち、ELR作動可能状態)とし、ウエビングが所定量以上
引き出された状態(例えば、全引出し状態)では、ALR
レバーを強制的にロツク輪へ係合して以後のウエビング
の引き出しを阻止するように(すなわち、ALR作動状態
と)なっている。
従って、単一のウエビング巻取装置でありながら必要に
応じてELRとALRの機能を果たすことができる。
[考案が解決しようとする課題] ところで、この種のウエビング巻取装置では、ウエビン
グの引き出しのみが阻止された状態(すなわち、ALR状
態)において、ウエビングを巻取軸に巻き取る際に、巻
取軸と共に回転するロツク輪がこのロツク輪へ付勢力で
係合しているALRレバーに当接しながら回転した。この
ため、ALRレバーがロツク輪のラチエツト歯を乗り越え
る際の「弾み」によって回転(反転)してロツク輪から
離間し、ロツク輪の回転阻止が解除されて不用意にALR
からELRに切り換わる可能性があった。
この場合、フリクシヨンスプリング等の他の部品を更に
配置することによって、前記ALRレバーが不用意に切り
換わることを防止した巻取り装置も提案されている。す
なわち、この種の巻取装置では、所定の範囲で巻取軸と
共に回転するフリクシヨンスプリングをALRレバーの近
傍に配置し、ALR作動状態ではこのフリクシヨンスプリ
ングによってALRレバーを押し上げてロツク輪から若干
量離間させ、これによって、ALR状態におけるウエビン
グ巻き取り時に、ALRレバーがロツク輪に当接しないよ
うに構成している。
しかしながら、この種の巻取装置に用いられる前記フリ
クシヨンスプリングやその保持機構は、形状や構造が比
較的複雑であり、高い寸法精度が要求された。このた
め、組み付けに手間がかかったり、他の別な機能を巻取
装置に付加することが困難になる等の欠点がある。
本考案は上記事実を考慮し、ALR作動中のウエビング巻
き取り時に、ロツク輪の回転を阻止するALRレバーが弾
むことがなく、不用意にALRからELRに切り換わることの
ないウエビング巻取装置を得ることが目的である。
[課題を解決するための手段] 本考案に係るウエビング巻取装置は、巻取軸に直接係合
しウエビング引出し方向回転を阻止するロツク手段と、
巻取軸に追従して回転し回転停止時に前記ロツク手段を
巻取軸回転阻止状態へ案内するロツク軸と、車両の緊急
状態を検知することにより作動し前記ロツク輪の回転を
停止する加速度検知手段と、前記ロツク輪に係合してロ
ツク輪の回転を阻止する状態とロツク輪から離間してロ
ツク輪の回転を可能にする状態との間で移動可能なALR
レバーと、前記ALRレバーを前記二つの状態のうち何れ
か一方の状態で保持する切換保持部材と、を有し、前記
ALRレバーが前記二つの状態で切り換わることによりELR
及びALRの何れか一方の機能で作動するウエビング巻取
装置において、前記切換保持部材によって押圧され、EL
Rに対応する第1の状態とALRに対応する第2の状態との
間で移動可能なレバー本体と、前記レバー本体に一体的
でかつ弾性変形可能に形成され、前記レバー本体の第1
の状態では前記ロツク輪から離間し、前記レバー本体の
第2の状態では前記ロツク輪に直接係合してロツク輪の
回転を阻止すると共に、弾性変形することにより前記レ
バー本体に対して相対移動して前記ロツク輪から受ける
衝撃力を緩衝する弾性爪部と、によって前記ALRレバー
を構成したことを特徴としている。
[作用] 上記構成のウエビング巻取装置では、ALR作動状態にお
いては、レバー本体が切換保持部材によって押圧されて
第2の状態となる。またこの状態では、弾性爪部がロツ
ク輪に係合してロツク輪の回転を阻止する。したがっ
て、このALR作動状態では、ロツク輪によってロツク手
段が巻取軸回転阻止状態へ案内され、巻取軸のウエビン
グ引出方向回転が阻止される。このため、ウエビングが
巻取軸から引出されることがないので乗員を確実に拘束
することができる。
ここで、ALR作動状態において、ウエビングを巻取軸に
巻き取る際には、巻取軸と共にロツク輪が回転する。こ
の場合ロツク輪は、このロツク輪に係合しそのウエビン
グ引出方向回転を阻止している弾性爪部が当接しなが
ら、ウエビング巻取方向へ回転する。このため、ロツク
輪のウエビング巻取方向回転に伴って弾性爪部が断続的
に移動する(弾性爪部の「弾み」が生じる)。
しかしながら、弾性爪部は弾性変形することによりレバ
ー本体に対し相対的に移動してこのロツク輪のウエビン
グ巻取方向回転に伴う断続的な移動(弾み)を吸収す
る。したがって、ロツク輪のウエビング巻取方向回転に
よって生じる弾性爪部の「弾み」がレバー本体に影響す
ることが無く、切換保持部材によって押圧されて第2の
状態で保持されているレバー本体が、回転(反転)して
ロツク輪から離間することが無い。このため、弾性爪部
によるロツク輪の回転阻止が解除されることが無く、不
用意にALRからELRに切り換わることが防止される。
[実施例] 第1図には本考案に係るウエビング巻取装置10の分解斜
視図が示されている。
このウエビング巻取装置10ではフレーム12が図示しない
取付ボルトによって車体へ固着されている。フレーム12
には両側部から一対の脚板部12Aが互いに平行に延長さ
れている。
これらの脚板部12Aには巻取軸14が軸支されており、さ
らに、この巻取軸14の中央部へ半径方向に貫通される貫
通孔16には乗員拘束用ウエビング(図示省略)の一端が
係止されている。また巻取軸14の後端にはゼンマイばね
18の一端が係止されており、巻取軸14を常にウエビング
巻取方向に付勢している。このため通常は、乗員拘束用
ウエビングは巻取軸14へ層状に巻取られており、これを
引出してウエビング端部に取付けられたタングプレート
を車体へ取付けられたバツクル装置に係合させることに
より装着状態となることができる。
巻取軸14の先端には突出部20が形成されており、さらに
伝達部材22が嵌着するようになっている。伝達部材22の
中央からは突出部24が突出しており、先端にはピニオン
ギヤ26が形成されている。また突出部24には一対の凹部
28が形成されている。さらに突出部24の基部近傍には透
孔30が穿設されており、伝達部材22が巻取軸14の先端に
嵌着された際に突出部20がこの透孔30を貫通した後さら
に伝達部材22から突出して配置される構成となってい
る。
突出部24の周囲にはロツク手段の一部を構成する一対の
ロツクプレート32が配置されている。第7図及び第8図
にも示す如く、これらのロツクプレート32は、それぞれ
中央部に略U字形の切欠凹部34が形成された略C字形と
なっており、この切欠凹部34内へ前記巻取軸14の突出部
20が対応して巻取軸14と共に回転するようになってい
る。
この切欠凹部34の幅寸法は突出部20の幅寸法よりも若干
大きく形成されており、ロツクプレート32が巻取軸14に
対して所定角度だけ相対回転可能となっている。
これらのロツクプレート32の一端にはそれぞれ爪部36が
形成されており、脚板部12Aに固着されロツクプレート3
2と共にロツク手段を構成する内歯ラチエツトホイル38
のロツク歯38Aと対応している。
さらに、ロツクプレート32にはそれぞれ一対のピン40が
突出しており、ロツク輪42に形成される長孔44内へ挿入
されている。このロツク輪42は伝達部材22の突出部24に
軸支される大径の外歯ラチエツトホイルで、巻取軸14と
相対回転可能となっている。ロツク輪42の外周にはラチ
エツト歯46が形成されている。このロツク輪42の外側に
は回転ホイル48が伝達部材22の突出部24に一体的に軸支
されている。
回転ホイル48の中央には係合爪50が形成されており、伝
達部材22の突出部24に形成された凹部28に嵌入して伝達
部材22すなわち巻取軸14と一体的に回転するようになっ
ている。回転ホイル48の外周には断面U字形のスプリン
グ受部52が形成されている。この回転ホイル48とロツク
輪42との間には捩じりコイルスプリング54が介在されて
いる。
捩じりコイルスプリング54はロツク輪42に突出形成され
た支持突起56に支持され、その一端はロツク輪42のばね
係止ピン58へ当接し、他端は回転ホイル48に突出形成さ
れたばね係止ピン60へ当接している。この捩じりコイル
スプリング54の付勢力を受けてロツク輪42は常に巻取軸
14のウエビング引出方向へ付勢回転されている。
したがって通常は、ロツクプレート32のピン40は長孔44
の一端側に位置し、ロツクプレート32の爪部36はロツク
歯38Aから離間した状態となっている。しかしこのロツ
ク輪42は、ウエビング引出方向に回転する巻取軸14との
間に相対回転が生ずると捩じりコイルスプリング54の付
勢力に抗して回転遅れを生じ、この回転遅れ時にロツク
プレート32のピン40を長孔44の他端側へ案内し、これに
よって爪部36をロツク歯38Aへ嵌み合わせるようになっ
ている。
ロツク輪42の直下の脚板部12Aにはセンサホルダ62が固
着されており、加速度検知手段としてのELRレバー64、
加速度センサ66、及びALRレバー68がそれぞれ組付けら
れている。
ELRレバー64は略L字形で、センサホルダ62の一端に突
出形成された支軸70に回転可能に軸支されている。腕部
72の先端は上方へ向いて屈曲する係合部74となってお
り、加速度センサ66の作動時に回転駆動されてロツク輪
42のラチエツト歯46へ嵌み合い、ロツク輪42の回転を停
止させるようになっている。またELRレバー64には解除
アーム76が形成されており、この解除アーム76を押圧す
ることにより係合部74とラチエツト歯46との嵌み合いを
解除できるようになっている。
加速度センサ66は、ケース78の取付突起80がセンサホル
ダ62の受部82へ嵌入して取付けられ、円錐受部84内へ配
置されたボール86が加速度作用時に円錐受部84内を登り
上がるようになっている。
加速度センサ66へ軸支されたアクチユエータ88は、一端
がボール86上に載置されており、ボール86によって押上
げられると他端がELRレバー64を支軸70周りに回転させ
て、ELRレバー64の係合部74をロツク輪42のラチエツト
歯46へ嵌み合わせるようになっている。
一方、ALRレバー68は、第2図に詳細に示す如く、レバ
ー本体90と爪部91とによって構成されている。レバー本
体90は、ELRレバー64と同様にセンサホルダ62の一端に
突出形成された支軸94によって回転可能に軸支されてお
り、ロツク輪42から離間する状態(第1の状態)とロツ
ク輪42に接近する状態(第2の状態)との間で支軸94周
りに回転可能である。またレバー本体90の支軸94の近傍
には、ロツク輪42の方向へ延出する解除アーム92が形成
されている。このためこのレバー本体90は解除アーム92
を支軸94回りに第3図時計方向へ押圧することにより回
転移動し、第5図に示す如くロツク輪42のラチエツト歯
46に接近する状態となる。
レバー本体90の支軸94と反対側の端部近傍には係止突起
96が形成されており、切換保持部材としての圧縮コイル
スプリング98の一端が係止されている。さらに圧縮コイ
ルスプリング98の他端はセンサホルダ62に形成されたU
字形のスプリング収容部100へ収容されている。このた
め、圧縮コイルスプリング98はその付勢力によって、レ
バー本体90がロツク輪42のラチエツト歯46から離間した
状態又は接近した状態のいずれかを維持するスナツプア
クシヨンを構成している。
レバー本体90の係止突起96の近傍には、解除アーム92の
方向へ延出する爪部91が、レバー本体90と一体的に形成
されており、この爪部91とレバー本体90とは全体として
略U字形に形成されている。爪部91の先端部には、ロツ
ク輪42のラチエツト歯46の方向へさらにU字状に屈曲さ
れて弾性爪部としての係止部95が形成されている。この
係止部95は、弾性を有すると共にラチエツト歯46に対応
しており、レバー本体90が支軸94周りに回転してロツク
輪42のラチエツト歯46へ接近した状態(第2の状態)と
なった場合においてのみ、ロツク輪42のラチエツト歯46
へ嵌まり合うことができるようになっている。係止部95
がラチエツト歯46に係合した状態では、ロツク輪42のウ
エビング引出方向の回転が阻止される。またこの場合、
ロツク輪42がウエビング巻取方向に回転して係止部95が
レバー本体90に接近する方向の力(係止部95の弾性力に
抗する外力)が作用すると、係止部95が弾性変形してこ
の外力を緩衝するようになっている。
尚この場合、係止部95の弾性力は、圧縮コイルスプリン
グ98の付勢力よりも小さくなっており、係止部95にこの
係止部95の弾性力に抗する力が作用した場合であって
も、レバー本体90がラチエツト歯46から完全に離間した
状態とならないように、圧縮コイルスプリング98の付勢
力及び係止部95の弾性力が設定されている。
ALRレバー68の解除アーム92には解除ギヤ102が係合する
ようになっている。解除ギヤ102は円板状で外周の一部
に半径方向へ突出する突起部104が形成されており、さ
らに突起部104の一端には凸部106が形成されている。こ
の解除ギヤ102は伝達部材22の突出部24に回転可能に軸
支されており、突起部104及び凸部106がALRレバー68の
解除アーム92に対応している。
また解除ギヤ102の周縁からは軸方向に突出してリブ部1
08が形成され、このリブ部108の内側に形成される内歯1
10はギヤ112を介してピニオンギヤ26と噛み合ってい
る。ギヤ112は大径ギヤ部114と小径ギヤ部116とが一体
的に形成された二段歯車で、カバー118に回転可能に軸
支されており、ピニオンギヤ26が大径ギヤ部114と噛み
合い、小径ギヤ部116が内歯110と噛み合っている。この
ため、解除ギヤ102は巻取軸14の回転が減速して伝達さ
れ、巻取軸14のウエビング巻取から引出までの間にほぼ
1回転するようになっており、さらに巻取軸14の回転方
向とは逆向きに回転するようになっている。
すなわち、巻取軸14がウエビング巻取方向へ回転した場
合に、解除ギヤ102がこれと反対方向(第3図乃至第6
図矢印方向)へ回転し突起部104がALRレバー68(レバー
本体90)の解除アーム92を押圧してレバー本体90をラチ
エツト歯46から離間する方向へ回転させるようになって
いる。一方、巻取軸14がウエビング引出方向へ回転した
場合は解除ギヤ102が第3図乃至第6図矢印A方向へ回
転し、ほぼ一回転すると凸部106が解除アーム92を前記
ウエビング巻取方向回転時とは逆向きに押圧し、レバー
本体90をラチエツト歯46に接近する方向へ回転させるよ
うになっている。
なおこれら各状態、すなわち、ALRレバー68(レバー本
体90)とロツク輪42との離間状態又は接近状態は圧縮コ
イルスプリング98によって一定の付勢力で保持されるよ
うになっている。
回転ホイル48のスプリング受部52には摩擦スプリング12
0が取り付けられている。摩擦スプリング120は略U字形
の板ばねで、中間部近傍には、外側へ向って凸となった
ELR当接部124が屈曲形成されている。この摩擦スプリン
グ120は中間部が回転ホイル48のスプリング受部52へ圧
接され、巻取軸14の回転を摩擦力を介して伝達するよう
になっている。すなわち、巻取軸14がウエビング引出方
向へ回転した場合には第3図に示す如くカバー118に形
成されたストツパー126にELR当接部124の内側が当接し
てそれ以上の回転が阻止されるが、巻取軸14がウエビン
グ巻取方向へ回転した場合にはELR当接部124が解除アー
ム76に当接して押圧し、係合部74をラチエツト歯46から
若干量だけ離間させるようになっている。
次に本実施例の作用を説明する。
乗員がウエビングを装着する前は、ウエビングはウエビ
ング巻取装置10の巻取軸14へ全巻状態となっている。し
たがって解除ギヤ102の突起部104がALRレバー68(レバ
ー本体90)の解除アーム92を押し下げてレバー本体90を
ロツク輪42のラチエツト歯46から離間させた状態となっ
ており、圧縮コイルスプリング98によってこの状態が保
持されている。またこの状態では、爪部91はレバー本体
90と共にロツク輪42から離間しており、係止部95はラチ
エツト歯46との係合が解除された状態となっている。
したがってこの状態では、巻取軸14のロツク機構はELR
(エマージエンシー・ロツキング・リトラクタ)となっ
ており、ELRレバー64の係合部74がロツク輪42のラチエ
ツト歯46へ係合するまで移動可能であるが、車両へ加速
度が作用していないので腕部72は降下位置にあり係合部
74はラチエツト歯46と離れた状態となっている。
また乗員がウエビングを装着した後の車両通常時には、
ボール86が円錐受部84の底部にあるのでELRレバー64の
係合部74は巻取軸14の回転に拘らずロツク輪42のラチエ
ツト歯46と離間している。このため、ウエビングを装着
した乗員は任意にウエビングを巻取軸14へ巻取、又は巻
取軸14から引出して自由に運転姿勢をとることができ
る。
車両が衝突等の緊急状態に陥ると、ボール86はアクチユ
エータ88を押し上げELRレバー64を支軸70周りに回転さ
せ係合部74がラチエツト歯46へ噛み合う(第3図図示状
態)。
一方、乗員は慣性により加速度方向へ移動するので、ウ
エビングが巻取軸14から引き出され、巻取軸14は第3図
矢印B方向へ回転する。このため、巻取軸14と共に回転
したロツク輪42はELRレバー64によってその回転が阻止
され、巻取軸14との間に相対回転が生ずる。この相対回
転によって、巻取軸14と共に回転するロツクプレート32
は第8図に示す如くピン40がロツク輪42の長孔44に案内
されて移動し、爪部36が内歯ラチエツトホイル38のロツ
ク歯38Aと噛み合い巻取軸14のウエビング引出方向回転
が阻止される。この結果、乗員はウエビングによる確実
な拘束状態となる。
また、車両が凹凸の多い悪路上を走行した場合には、ボ
ール86はアクチユエータ88及び係合部74を押し上げたま
まの状態となる。またこれと同時に乗員が車体振動を受
けて上下動するので、ウエビングは巻取軸14から引き出
し、巻き取りを繰り返すことになる。
この場合、従来の巻取装置ではウエビングの巻取り時
に、ウエビング巻取方向すなわち第3図矢印A方向へ回
転したロツク輪42が一歯分以上回転して、上昇したまま
にある係合部74と噛み合い、次第にウエビングが巻取軸
14へ巻取られることになる。
しかしながら本実施例では、巻取軸14と一体的に回転す
る回転ホイル48に圧接された摩擦スプリング120が巻取
軸14と同方向へ回転し、摩擦力を介してELR当接部124が
解除アーム76を押圧してこれを押し下げ第4図に示す如
く係合部74をラチエツト歯46から離間させる。さらにこ
れと同時にロツク輪42はねじりコイルスプリング54の付
勢力によって第4図矢印B方向へ若干量回転する。した
がって、その後さらに車両振動によって巻取軸14がウエ
ビング引出方向に回転されても、ロツク輪42は前のロツ
ク状態か又はこれよりもさらにウエビング引出方向にラ
チエツト歯46の一歯分以上回転した状態でロツクされる
ことになり、ウエビングが次第に巻取軸14へ巻取られる
ことはない。
このように、車両が悪路上を走行してもウエビングが巻
取軸14へ次第に巻取られることがないので、乗員は快適
な運転状態となることができる。
ここで、本実施例に係るウエビング巻取装置10では、必
要に応じてそのロツク機構をALR(オートマチツク・ロ
ツキング・リトラクタ)に切換えることができる。これ
は、ウエビングを巻取軸14から全部取出すことにより切
換えることができる。
巻取軸14のウエビング引出方向回転で解除ギヤ102が巻
取軸14の回転方向と反対方向へ回転する。この回転はギ
ヤ112によって減速されており、ウエビング全巻取から
全引出までの間にほぼ1回転する。従って、ウエビング
を引出して全引出状態となると解除ギヤ102の凸部106が
ALRレバー68(レバー本体90)の解除アーム92へ当接し
てこれを押し上げる。このためレバー本体90がロツク輪
42に接近する方向へ支軸94周りに回転移動される。また
この場合、爪部91はレバー本体90と一体的に形成されて
いるため、レバー本体90と共に支軸94周りに回転移動さ
れる。
レバー本体90が爪部91と共にロツク輪42に接近した状態
となると、爪部91の係止部95がラチエツト歯46へ噛み合
い、ロツク輪42のウエビング引出方向の回転を阻止する
(第5図図示状態)。これにより、巻取軸14のウエビン
グ引出方向回転時には常に爪部91の係止部95がロツク輪
42と噛み合ってロツク輪42の回転を停止するので、前記
ELR機構の場合と同様にロツク手段を作動させウエビン
グ引出方向回転を阻止できる。
このALR作動状態において、巻取軸14をウエビング巻取
方向へ回転させる際には、巻取軸14と共にロツク輪42が
回転する。この場合ロツク輪42は、このロツク輪42のラ
チエツト歯46に係合しそのウエビング引出方向回転を阻
止しているALRレバー68の爪部91の係止部95が当接しな
がら、ウエビング巻取方向へ回転する。このため、ロツ
ク輪42のウエビング巻取方向回転に伴って、係止部95が
ロツク輪42のラチエツト歯46を乗り越えることによる断
続的な弾みが生じる。
しかしながら、この係止部95の断続的な弾みは、係止部
95が弾性変形することによって吸収され、このため係止
部95(爪部91)自体はレバー本体90に対して相対移動す
る(第6図図示状態)。したがって、ロツク輪42のウエ
ビング巻取方向回転によって生じる爪部91(係止部95)
の「弾み」がレバー本体90に影響することが無い。
したがって、爪部91の係止部95がロツク輪42のラチエツ
ト歯46に当接した状態のままでロツク輪42がウエビング
巻取方向へ回転しても、圧縮コイルスプリング98の付勢
力でロツク輪42に接近した状態のレバー本体90が回転
(反転)してロツク輪42から離間することが無い。この
ため、係止部95によるロツク輪42の回転阻止が解除され
ることが無く、急激なウエビング巻取回転であっても不
用意にALRレバー68がロツク輪42から完全に離間して切
り換わる(ALRからELRに切り換わる)ことが防止され
る。
なおこの場合、係止部95の弾性力は、圧縮コイルスプリ
ング98によるレバー本体90の押圧力(ロツク輪42に接近
した状態の保持力)すなわち圧縮コイルスプリング98の
ばね付勢力よりも小さいため、ロツク輪42のラチエツト
歯46が係止部95を押圧しても(換言すれば、爪部91がレ
バー本体90に対して相対移動しても)、レバー本体90が
ロツク輪42から離間する方向へ移動し係止部95が係合解
除状態へ切り換わることはない。
さらにこの場合、ウエビングが巻取方向回転から引出方
向回転に変ると、前述と同様に係止部95はラチエツト歯
46に噛み合っているのでALRとしての機能を損なうこと
なくウエビングの引出しを停止できる。
ALR状態からELR状態へ切り換える場合には、再びウエビ
ングを全量巻取ると、解除ギヤ102の突起部104がレバー
本体90の解除アーム92を下方へ押圧しレバー本体90を回
転させる。このため、レバー本体90と共に爪部91がラチ
エツト歯46から完全に離間して係止部95とラチエツト歯
46との係合が解除され、さらに、この係合解除状態が圧
縮コイルスプリング98によって維持される。これによっ
て、再び元のALRレバー68がロツク輪42から離間したELR
状態となる。
このように本実施例では、ALR状態においてウエビング
を巻取軸14に巻き取る際に、爪部91の係止部95がロツク
輪42に当接した状態のままでロツク輪42が回転しても、
ロツク輪42のラチエツト歯46を係止部95が乗り越える際
の「弾み」によってレバー本体90が回転(反転)してロ
ツク輪42から離間することが無く、不用意にALRからELR
に切り換わることが無い。
なお、本実施例においては、爪部91の係止部95が弾性を
備えておりラチエツト歯46が乗り越える際の弾みを吸収
する構成としたが、これに限らず、爪部91自体が弾性を
有し弾性変形して弾みを吸収する構成としてもよい。こ
の場合であっても、弾みによってレバー本体90が反転す
ることが無く、不用意にALRからELRに切り換わることが
無い。
また、本実施例においては、ウエビングが所定量以上引
き出された後にALRレバー68を移動させてロツク輪42へ
係合させ以後のウエビングの引き出しを阻止する(ELR
からALRに切り換える)構成としたが、本考案はこれに
限らず、手動あるいはソレノイド等によってALRレバー6
8を操作し、ウエビングの引出し、巻取り量に拘わらず
所望の時点でロツク輪42へ係合させてELRからALRに切り
換えて以後のウエビングの引き出しを阻止する構成とし
てもよい。
この場合であっても、ウエビングを巻取軸14に巻き取る
際の爪部91(係止部95)の「弾み」がレバー本体90に影
響することが無く、不用意にALRからELRに切り換わるこ
とが無い。
[考案の効果] 以上説明した如く本考案に係るウエビング巻取装置は、
ALR作動中のウエビング巻き取り時に、ロツク輪の回転
を阻止するALRレバーが弾むことがなく、不用意にALRか
らELRに切り換わることがないという優れた効果を有し
ている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係るウエビング巻取装置の分解斜視
図、第2図はALRレバーの詳細を示す斜視図、第3図乃
至第6図はウエビング巻取装置に配置されるロツク機構
部の作動を示す正面図、第7図はロツクプレートの内歯
ラチエツトホイルへの対応関係を示す正面図、第8図は
第7図の作動図である。 10……ウエビング巻取装置、14……巻取軸、32……ロツ
クプレート(ロツク手段)、38……内歯ラチエツトホイ
ル(ロツク手段)、42……ロツク輪、64……ELRレバー
(加速度検知手段)、66……加速度センサ(加速度検知
手段)、68……ALRレバー、90……レバー本体、91……
爪部、95……係止部、98……圧縮コイルスプリング(切
換保持部材)、102……解除ギヤ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻取軸に直接係合しウエビング引出し方向
    回転を阻止するロツク手段と、巻取軸に追従して回転し
    回転停止時に前記ロツク手段を巻取軸回転阻止状態へ案
    内するロツク輪と、車両の緊急状態を検知することによ
    り作動し前記ロツク輪の回転を停止する加速度検知手段
    と、前記ロツク輪に係合してロツク輪の回転を阻止する
    状態とロツク輪から離間してロツク輪の回転を可能にす
    る状態との間で移動可能なALRレバーと、前記ALRレバー
    を前記二つの状態のうち何れか一方の状態で保持する切
    換保持部材と、を有し、前記ALRレバーが前記二つの状
    態で切り換わることによりELR及びALRの何れか一方の機
    能で作動するウエビング巻取装置において、 前記切換保持部材によって押圧され、ELRに対応する第
    1の状態とALRに対応する第2の状態との間で移動可能
    なレバー本体と、 前記レバー本体に一体的でかつ弾性変形可能に形成さ
    れ、前記レバー本体の第1の状態では前記ロツク輪から
    離間し、前記レバー本体の第2の状態では前記ロツク輪
    に直接係合してロツク輪の回転を阻止すると共に、弾性
    変形することにより前記レバー本体に対して相対移動し
    て前記ロツク輪から受ける衝撃力を緩衝する弾性爪部
    と、 によって前記ALRレバーを構成したことを特徴とするウ
    エビング巻取装置。
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