JPH078328Y2 - シートベルトのリトラクター - Google Patents

シートベルトのリトラクター

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JPH078328Y2
JPH078328Y2 JP3096888U JP3096888U JPH078328Y2 JP H078328 Y2 JPH078328 Y2 JP H078328Y2 JP 3096888 U JP3096888 U JP 3096888U JP 3096888 U JP3096888 U JP 3096888U JP H078328 Y2 JPH078328 Y2 JP H078328Y2
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ratchet wheel
pawl
arm
webbing
teeth
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憲二郎 松本
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Ashimori Industry Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、シートベルトのリトラクターに係り、特に、
シートベルトの装着時に着用者に圧迫感を与えないよう
にしたシートベルトのリトラクターの改良に関する。
〔従来の技術〕
シートベルトの装着時にウエビングに加わるテンション
を除去し、前述したように着用者に圧迫感を与えないよ
うにするとともに、装着時にウエビングの引出しを自由
になし得るようにし、そのウエビングの引出し量が少な
い場合にはその引出しただけのウエビングを再度巻取る
ことにより同じ状態において再びテンションを除去し、
ウエビングの引出し量が所定量より多い場合には、ウエ
ビングを全量巻取るかあるいは適当な位置で再びテンシ
ョン除去機構を作動させることができるシートベルトの
リトラクターは従来から知られている。
この種のシートベルトのリトラクターの従来のものとし
て実公昭61-22048号公報に記載のシートベルトのリトラ
クターがある。この公報の第1図ないし第6図はこの公
報の考案の比較例を示すものであるが、この比較例の構
成には無駄な経路があり、また動きが不確実であること
から、公報の考案は、その第7図および第8図に示すよ
うに、ウエビング巻取り方向に付勢されてベースに回動
自在に支持されたウエビング巻取り軸と、回転方向に関
してこの巻取り軸に一体的に取付けられた、ウエビング
巻取り回転方向に向いた係合面を有するラチェットホイ
ールと、摩擦係合作用により前記巻取り軸およびラチェ
ットホイールと連動的に回転可能に設けられたカムプレ
ートと、前記ラチェットホイールと係合して巻取り軸の
ウエビング巻取り方向への回転を阻止しカムプレートの
半径方向内方の係合位置方向に付勢されて設けられたラ
チェットホイールとを有し、前記カムプレートは、ウエ
ビング引出しとともに前記ラチェットを係合位置からラ
チェットホイールとの非係合位置へ導く、概ね円周方向
に伸びた第1案内路と、ウエビング巻取りとともにラチ
ェットをラチェットホイールと非係合なまま係合位置の
手前の非係合位置に導き、そこに保持する前記第1案内
路終端から半径方向内方に折返して概ね円周方向に該第
1案内路始端を若干越えて伸び、それにより係合位置方
向に付勢されたラチェットが第1案内路終端に至るとき
付勢力により自動的に落ち込んでくる第2案内路と、ウ
エビング引出しとともに保持されたラチェットを係合位
置へ導くところの第2案内路終端から第1案内路始端へ
と伸びた第3案内路とを有するように構成している。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、この公報のものは、雑な取扱いをしたり
あるいはカムプレートの経年変化によっては第1案内路
から第2案内路に至る折返し点において確実にラチェッ
トを第2案内路に導入することができないおそれがあ
り、動作の信頼性に欠けるという問題点があった。
本考案は前述した点に鑑み、長期にわたって確実な動作
を行なうことのできるシートベルトのリトラクターを提
供することを目的とする。
また、本考案は、大きな操作音を生じることなく長期に
わたって確実な動作を行なうことのできるシートベルト
のリトラクターを提供することを目的とする。
さらに、本考案は、ソレノイドにより瞬間的なテンショ
ン除去と解除動作を可能としたシートベルトのリトラク
ターを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
前述した長期にわたって確実な動作を行なうという目的
を達成するため本考案は、ウエビングの巻取りシャフト
と一体に回転し外周に複数の歯が形成されたラチェット
ホイールと、このラチェットホイールに対し接離するよ
うにベースに回動可能に枢着され思案ばねによりラチェ
ットホイールに対し接離する方向のいずれかに付勢され
ているアームと、このアームに回動可能に支持されこの
ラチェットホイールの歯に係合し得る係合爪およびガイ
ドピンを備え係合爪がラチェットホイールの歯に係合す
る方向に付勢されているパウルと、前記ラチェットホイ
ールに摩擦係合されており両端部にガイドピンに係合し
て前記アームを思案ばねによるアームの付勢方向が逆向
きになるように回動せしめる1対の突部が形成され中間
部に前記アームの向きにより前記係合爪をラチェットホ
イールの歯に係合させる凹部に形成されているガイドピ
ンの案内路を備えているカムプレートとを設けて構成さ
れている(請求項1)。
また、操作音を小さくするため本考案は、カバーに、ア
ームをパウルの係合爪がラチェットホイールの歯に係合
し得る回動の中間位置において停止せしめるストッパを
突設した構成を前記請求項1の構成に付加して構成され
ている(請求項2)。
さらに、ソレノイドにより瞬間的な動作を可能とするた
め本考案は、パウルの係合爪がラチェットホイールの歯
に係合し得るようにする前記アームの位置と前記パウル
の係合爪の前記ラチェットホイールの歯に対する係合を
解除する前記アームの位置との間を移動し得るストッパ
と、このストッパを移動せしめるソレノイドとを前記請
求項1の構成に付加して構成されている(請求項3)。
〔作用〕
前述した請求項1の構成によれば、ウエビングを引出す
と、このウエビング引出しに伴なってラチェットホイー
ルとカムプレートが従動回転し、このカムプレートの回
転に伴なってパウルのガイドピンがカムプレートの案内
路に沿って相対的に移動してカムプレートの案内路の一
端にある突起がパウルのガイドピンに係合し、このパウ
ルを支持しているアームをラチェットホイールに近接す
る方向に引上げる。そして、このアームがラチェットホ
イールに近接した位置においては、パウルの係合爪はラ
チェットホイールの歯には係合し得ない。この状態にお
いてさらにウエビングの引出しを継続すると、カムプレ
ートの前記突起はパウルのガイドピンに係合した状態を
維持しているので、これ以上カムプレートは同方向に回
転し得ず、したがって、このカムプレートと摩擦係合し
ているラチェットホイールのみがウエビングの引出しに
従動回転する。
このようにして所定長さのウエビングが引出されたら、
ウエビングに挿通されたタングをバックルに挿入した上
でウエビングから手を離す。すると、ばねにより巻取り
方向に付勢されている巻取りシャフトがラチェットホイ
ールおよびカムプレートとともに巻取り方向に回転し、
余分のウエビングを巻取る。このときのカムプレートの
回転に伴ってパウルのガイドピンがカムプレートの案内
路に沿って相対移動するが、パウルの係合爪はラチェッ
トホイールの歯には係合し得ない位置にあるので、パウ
ルのガイドピンはカムプレートの案内路の他端にまで相
対移動し、この位置にある突起がパウルのガイドピンに
係合し、このパウルを支持しているアームをラチェット
ホイールから離間する方向に押下げる。そして、このア
ームがラチェットホイールから離間した位置において
は、パウルの係合爪はラチェットホイールの歯に係合す
る位置を取り得る。この状態においてさらにウエビング
の巻取りが継続されると、カムプレートの前記突起はパ
ウルのガイドピンに係合した状態を維持しているので、
これ以上カムプレートは同方向に回転し得ず、したがっ
て、このカムプレートと摩擦係合しているラチェットホ
イールのみがウエビングが乗員に密着するまでウエビン
グの巻取りに従動回転する。
その後乗員が体を動かすとウエビングが引出されるが、
このウエビングの引出しに伴ないカムプレートも回転
し、パウルのガイドピンがカムプレートの凹部に対向す
る以上にカムプレートが回転すると、その後乗員の動き
によりウエビングが巻取られてもパウルの係合爪がカム
プレートの歯に噛合う以上のウエビングの巻取りは生じ
ず、この位置において乗員に圧迫感を与えない装着状態
が得られる。そして、乗員の動きに応じてウエビングは
引出されるが、パウルのガイドピンがカムプレートの突
起に係合しない範囲の引出しにおいてはウエビングの引
出し長さが記憶されているので乗員に圧迫感を与えない
ウエビングの引出し長さは一定とされている。
このように本考案においてはカムプレートの案内路が複
雑でないため長期間にわたって安定的な動作を得ること
ができる。
つぎに、カバーにストッパを設けてアームを中間位置で
停止せしめるようにすれば、アームが完全に一端まで回
動しなくなるので操作音を小さくすることができる。
さらに、ソレノイドを設ければ、パウルの係合爪がカム
プレートの歯に係合するのを瞬間的に解除することがで
きるので、ソレノイドのスイッチをバックルに設けてお
くことによりバックルからタングを解離するだけで瞬間
的にウエビングの巻取りが開始される。
〔実施例〕
以下、本考案を図面に示す実施例により説明する。
第1図は本考案に係るシートベルトのリトラクターの全
体の概略を示すものであり、リトラクター本体1は底板
2を有しており、この底板2の両側縁には側板3,4が立
設され、これらの底板2、側板3,4は全体としてコ字状
をなしている。前記側板3,4には、両側板3,4を貫通する
ウエビングの巻取りシャフト5が回転自在に支持されて
おり、この巻取りシャフト5には、前記両側板3,4間に
位置しウエビングを巻回するドラム6が嵌着されてい
る。前記一方の側板4より外方の巻取りシャフト5の端
部には一例として車両の加速度を検知し、設定値以上の
加速度が車両に作用するとウエビングの引出しを拘束し
て乗員を保護する緊急ロック機構が配設されているが、
この緊急ロック機構は公知のものなので、その図示なら
びに詳細な説明は省略する。
前記他方の側板3より外方の巻取りシャフト5の端部に
は、軸方向に近在する削落部5aが形成されており、この
削落部5aの形成されている巻取りシャフト5の端部に比
較的密に嵌合して巻取りシャフト5と一体に回転する補
助シャフト7が配設されている。この補助シャフト7に
は、第2図に詳示するようにラチェットホイール8が一
体に周設されており、このラチェットホイール8の外周
には後述するパウル16の係合爪17の係合によりウエビン
グの巻取り方向への巻取りシャフト5の回転を拘束する
複数の歯9,9…が形成されている。
前記側板3の外側には、中央部に前記補助シャフト7が
挿通される円形開口11が形成された基板10が取付けられ
ており、この基板10の外面には、枢軸12が立設されてい
る。この枢軸12には、アーム13がその基端部に形成され
たボス14に枢軸12を挿入されるようにして回動自在に枢
着されており、このアーム13の先端部には、前記パウル
16の一端部を回動自在に枢着する枢軸15が突設されてい
る。
前記パウル16の先端部には、前記ラチェットホイール8
の歯9に係合し、ウエビング巻取り方向へのラチェット
ホイール8の回転を拘束する係合爪17が形成されてお
り、また、このパウル16の係合爪17の近傍の背面にはガ
イドピン18が突設されている。一方、前記アーム13のボ
ス14には、アーム13の後方に突出する突起19が突設され
ており、この突起19の背面には、枢軸12の軸方向と平行
に延在するピン20が突設されている。このピン20の近傍
の前記基板10には、ピン20と平行にピン21が突設されて
おり、これらのピン20および21間にはU字形ばね22が介
装されている。このU字形ばね22は、その一端を支持し
ているピン20が枢軸12およびピン21間を結ぶ仮想線分の
いずれの側にあるかによりアーム13を付勢する方向が逆
転する思惑ばねとされており、ピン20が前記仮想線分よ
りラチェットホイール8に近接する側に位置するときに
は、第2図においてアーム13を反時計方向に付勢してラ
チェットホイール8から離間せしめるように機能し、ま
た、ピン20が前記仮想線分よりラチェットホイール8か
ら離間する側に位置するときには、アーム13を時計方向
に付勢してラチェットホイール8に近接せしめるように
機能するようになっている。そして、前記パウル16の係
合爪17は、アーム13がラチェットホイール8から離間し
ているときにのみラチェットホイール8の歯9に係合す
るようになっている。なお、前記ボス14の外周には、一
端部を前記パウル16に係合せしめてパウル16の係合爪17
をラチェットホイール8の歯9に係合する方向に付勢す
る線ばね23が巻回されている。
第1図に戻って、前記補助シャフト7の基端にはフラン
ジ24が周設されており、このフランジ24と前記ラチェッ
トホイール8との間にはラチェットホイール8より大径
のカムプレート25が回転自在に支持されている。そし
て、このカムプレート25は、このカムプレート25と前記
フランジ24との間に介装された皿ばね26によりラチェッ
トホイール8側に付勢されてラチェットホイール8と摩
擦係合している。
前記ラチェットホイール8に対向する側のカムプレート
25の表面には、第3図に詳示するように、周面カムをな
すカム突部27が突設されている。このカム突部27は、前
記カムプレート25の中心部側に形成され360度の範囲に
わたって外周面が形成された基部27Aと、この基部27Aの
外周部から反時計方向に約210度の範囲にわたって連設
された曲線部27Bとにより形成されている。そして、前
記カム突部27の基部27Aおよび曲線部27Bの外周面は、全
体的に前記ラチェットホイール8の各歯9の先端より大
径とされている。
前記基部27Aの時計方向端部から反時計方向への約180度
の範囲は、カムプレート25の中心に対し同心状に形成さ
れた円弧状部28とされ、また、この円弧状部28から反時
計方向端部に連設され前記曲線部27Bに連らなる残りの
約180度の範囲は、反時計方向に半径を漸増された半径
漸増部29とされている。さらに、前記基部27Aの時計方
向端部には、ストッパの役割を果す閉鎖状の段部30が形
成されている。また、この段部30から反時計方向に約60
度隔てた前記円弧状部28には、半径がラチェットホイー
ル8の半径より小さく、ラチェットホイール8の各歯9
が外方へ突出する凹部31が約30度の範囲にわたって形成
されている。
前記曲線部27Bは、半径方向において前記段部30の外側
から前記半径漸増部29に連なるように前記円弧状部28と
同心状に形成されており、この曲線部27Bの先端部に
は、この曲線部27Bの外側に位置しストッパの役割を果
す突部33が突設されて、曲線部27Bの実質長さをほぼ180
度に規制している。そして、前記段部30からこの突部33
まで反時計方向に約540度にわたって前記パウル16のガ
イドピン18を案内する案内路34が形成されている。
前記ラチェットホイール8、アーム13、パウル16、カム
プレート25などの外周はカバー35により被覆されてい
る。このカバー35の内側には突起36が突設されており、
この突起36は、前記アーム13がラチェットホイール8に
近接し、パウル16の係合爪17がラチェットホイール8の
歯9に係合し得ない状態においてパウル16に係合し、こ
のパウル16の係合爪17がラチェットホイール8の歯9に
当接するのを防止するようになっている。また、このカ
バー35の外方の前記補助シャフト7の端部は他のカバー
37により被覆されており、このカバー37および前記補助
シャフト7間には、この補助シャフト7をウエビング巻
取り方向へ回転するように付勢する渦巻ばね38が介装さ
れている。
つぎに、前述した構成からなる本実施例の作用について
説明する。
ウエビングの完全巻取り状態においては、アーム13はラ
チェットホイール8から離間した位置にあるが、パウル
16の先端部のガイドピン18はカムプレート25のカム突部
27の段部30に接合した位置にあるためパウル16の係合爪
17はラチェットホイール8の歯9とは非係合の状態にあ
る。
前述したウエビングの完全巻取り状態から装着のために
ウエビングを引出すと、ウエビングの巻取りシャフト5
と一体に回転するラチェットホイール8は第2図におい
て時計方向に従動回転し、このラチェットホイール8と
摩擦係合しているカムプレート25も同方向に従動回転す
る。すると、パウル16のガイドピン18は、相対的にカム
プレート25の案内路34を反時計方向に移動することにな
り、このガイドピン18は、カム突部27の凹部31に対向
し、パウル16の係合爪17がラチェットホイール8の歯9
に当接するが、このパウル16はウエビングの引出し方向
のラチェットホイール8の回転を拘束しないので、引続
きラチェットホイール8およびカムプレート25は同方向
に回転し、パウル16は、そのガイドピン18が案内路34に
沿って次第に突部33に近接する方向に移動する。そし
て、ラチェットホイール8およびカムプレート25の同方
向への回転が続くと、パウル16のガイドピン18に案内路
34の端部の突部33が係合するので、カムプレート25はも
はや時計方向には回転できず、したがってカムプレート
25は停止し、ラチェットホイール8のみがカムプレート
25に対し摺動するようにして回転を続ける。このとき、
パウル16のガイドピン18は、カムプレート25の突部33に
より上方に引き上げられカバー35の内側の突起36に係合
するため、パウル16の爪17はラチェットホイール8の歯
9と係合し得ない状態にある。このようにして所定長さ
のウエビングが引出されたら、ウエビングに挿通された
タング(図示せず)をバックルに挿入し、ウエビングか
ら手を離すと、渦巻ばね38の作用により余分のウエビン
グを巻取るべく巻取りシャフト5がラチェットホイール
8とともに反時計方向に従動回転し、このラチェットホ
イール8と摩擦係合しているカムプレート25も反時計方
向に従動回転する。そして、ラチェットホイール8とカ
ムプレート25とが反時計方向に約1回転半すると、カム
プレート25の段部30がパウル16のガイドピン18に当接
し、アーム13をラチェットホイール8から離間するよう
にパウル16を介して反時計方向に押動せしめる。する
と、パウル16の係合爪17は、ラチェットホイール8の歯
9に係合し得る位置をとることになる。その後、さらに
余分のウエビングの巻取りを続けると、カムプレート25
はその段部30にパウル16のガイドピン18が係合しており
反時計方向(巻取り方向)には回転できないので、ラチ
ェットホイール8のみがカムプレート25に対し摺動する
ようにして反時計方向への回転を続ける。そして、余分
のウエビングの巻取りの完了後、多少体を動かすことに
よりウエビングが若干引出されるが、これに伴ってラチ
ェットホイール8がカムプレート25とともに時計方向に
約60度回転し、パウル16のガイドピン18がカムプレート
25の凹部31に対向してパウル16の係合爪17がラチェット
ホイール8の歯9に係合すると、ラチェットホイール8
は反時計方向には回転できないためもはやウエビングを
巻取ることはできない。したがって、ウエビングは約60
度回転分の余裕をもって装着されるので、乗員を拘束す
ることがない。そして、この状態において乗員が体を動
かすと、ラチェットホイール8がカムプレート25ととも
に時計方向に回転して、パウル16のガイドピン18は案内
路34に沿って移動するが、パウル16の係合爪17がラチェ
ットホイール8の歯9に係合している状態から約450度
回転して、パウル16のガイドピン18がカムプレート25の
突部33に到達するまでの状態においては、乗員の姿勢が
元に戻ると常にパウル16の係合爪17がラチェットホイー
ル8の歯9に係合する状態に戻るというようにウエビン
グの引出し長さが記憶されることになる。
なお、パウル16のガイドピン18がカムプレート25の突部
33に係合するまでウエビングが引出されると、パウル16
が突部33に引張られるようにしてアーム13が時計方向に
回動し、アーム13はラチェットホイール8に近接する位
置をとることになるが、この状態においては、パウル16
の係合爪17はラチェットホイール8の歯9に係合し得な
いので、前述した記憶は消去されることになる。この場
合は、乗員の姿勢によりウエビングが巻取られてパウル
16のガイドピン18がカムプレート25の段部30に係合し、
アーム13がラチェットホイール8から離間する位置を取
り、パウル16の係合爪17がラチェットホイール8の歯9
に係合し得る状態となって再記憶されることになる。ま
た、ウエビングに挿通されたタングをバックルから解離
してウエビングを完全に巻取るためには、記憶を消去す
る状態まで一度ウエビングを引出した上でタングをバッ
クルから解離する。すると渦巻きばね38の作用によりウ
エビングを完全に巻取ることができる。
このように本実施例によれば、カムプレート25に形成さ
れているガイドピン18の案内路34が単純な構成なので、
長期にわたって確実な動作を行なうことができる。ま
た、パウル16の係合爪17がラチェットホイール8の歯9
に係合し得ない状態においては、カバー35の内側に突設
されている突起36がパウル16に係合してパウル16の係合
爪17がラチェットホイール8の歯9に当接するのを防止
するので、操作音が小さい。
なお、前述した実施例の構成に加えてソレノイドを設
け、このソレノイドによりラチェットホイール8の歯9
に対するパウル16の係合爪17の係合を解除するように構
成することもできる。
第4図はこのようなソレノイドを使用した実施例を示す
ものであり、第4図において、アーム13の近傍の基板10
には、ソレノイド40が取付けられており、このソレノイ
ド40のケーシング41からはプランジャ42が進退可能に突
設されている。このプランジャ42は、コイルばね43によ
り自由状態において前進位置を取るようになっており、
一方、ソレノイド40を付勢すると、このコイルばね43の
弾性に抗して後退位置を取るようになっている。このソ
レノイド40のプランジャ42の近傍の前記基板10には枢軸
44が立設されており、この枢軸44には、前記プランジャ
42の軸線に対しほぼ直交する方向に位置してストッパと
して機能するレバー45が回動自在に枢着されている。こ
のレバー45には、1対の突起46,47が間隔を隔てて突設
されており、これらの突起46,47間には、前記プランジ
ャ42の先端部にプランジャ42の軸線に対し直交するよう
に嵌着されたピン48が遊挿されている。したがって、ソ
レノイド40の付勢、消勢に伴なうこのプランジャ42の移
動に伴なって前記レバー45は回動することになる。な
お、このソレノイド40は、ウエビングに挿通されたタン
グをバックルに装着することにより付勢され、また、タ
ングをバックルから解離すると消勢されるようになって
いる。
パウル16を回動自在に支持しているアーム13には、前記
レバー45の回動範囲内に臨む突起49が突設されており、
ソレノイド40が付勢されてプランジャ42が後退位置を取
るときにこの前記レバー45は突起49の下方に入り込み、
U字形ばね22によるラチェットホイール8から離間する
方向へのアーム13の回動を所定角度に限定するようにな
っている。そして、このアーム13の突起49がレバー45に
当接している状態においてはパウル16の係合爪17はラチ
ェットホイール8の歯9に係合し得るようになってい
る。一方、ソレノイド40が消勢されてプランジャ42が前
進位置を取っているときには、レバー45はアーム13の突
起49の回動範囲から外れるため、U字形ばね22によりア
ーム13がラチェットホイール8から離間した状態におい
ては、アーム13の突起49がレバー45に当接したときより
大きく回動して、この状態においてはパウル16の係合爪
17はラチェットホイール8の歯9に係合し得ない位置を
取るようになっている。
その他の構成は、前述した第1実施例と同様なので、そ
の説明は省略する。
前述した構成によれば、シートベルトを装着するために
ウエビングを引出して、ウエビングに挿通されたタング
をバックルに装着するまでの動作は、前述した第1実施
例と同様であるが、タングをバックルに装着することに
よりソレノイド40が付勢されてそのプランジャ42が後退
し、レバー45をアーム13に突起49の回動範囲に臨ませ
る。すると、U字形ばね22の作用よりアーム13がラチェ
ットホイール8から離間した位置を取るときにパウル16
の係合爪17がラチェットホイール8の歯9により係合し
得るので、前述した第1実施例と同様、ウエビングの引
出し長さを記憶したウエビングの装着時の引出し動作を
安定的に行なうことができる。
一方、タングをバックルから解離すれば、この動作によ
りソレノイド40が消勢されてそのプランジャ42を前進さ
せるので、レバー45はアーム13の突起49の回動範囲外に
位置することになり、U字形ばね22によりラチェットホ
イール8から離間した位置にあるアーム13はさらにラチ
ェットホイール8から離間する方向に回動し、この結
果、パウル16の係合爪17はラチェットホイール8の歯9
に対する係合を解除され、巻取りシャフト5は渦巻ばね
38の作用によりウエビングを完全に巻取るまで回転を続
ける。
このように本実施例によれば、タングをバックルから解
離すると同時にウエビングの巻取り動作が開始されるの
で、複雑な動作を行なうことなしにウエビングを巻取る
ことができる。
〔考案の効果〕
以上説明したように本考案によれば、カムプレートの案
内路の構成が簡単なので、装着時のウエビングの引出し
長さを記憶して、そのうえウエビングのある程度のさら
なる自由引出しを許すリトラクターの機能を長期間にわ
たって確実に保証することができる。また、パウルに係
合し得るストッパを設ければ、ラチェットホイールの歯
に対するパウルの非係合時におけるパウルの歯のラチェ
ットホイールへの接合を防止して操作音を減少すること
ができる。さらに、ソレノイドによりアームの回動範囲
を変動させることにより、タングをバックルから解離す
ると同時にウエビングの完全巻取りを行なうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係るシートベルトのリトラクターの第
1実施例を示す概略縦断面図、第2図は第1図の要部を
示す正面図、第3図は第1図および第2図のカムプレー
トの平面図、第4図は本考案の第2実施例を示す分解斜
視図である。 1……リトラクター本体、5……巻取りシャフト、6…
…ドラム、8……ラチェットホイール、9……歯、13…
…アーム、16……パウル、17……係合爪、18……ガイド
ピン、22……U字形ばね、23……線ばね、25……カムプ
レート、27……カム突部、30……段部、31……凹部、34
……案内路、38……渦巻ばね、40……ソレノイド、42…
…プランジャ、45……レバー。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウエビングの巻取りシャフトと一体に回転
    し外周に複数の歯が形成されたラチェットホイールと、
    このラチェットホイールに対し接離するようにベースに
    回動可能に枢着され思案ばねによりラチェットホイール
    に対し接離する方向のいずれかに付勢されているアーム
    と、このアームに回動可能に支持されこのラチェットホ
    イールの歯に係合し得る係合爪およびガイドピンを備え
    係合爪がラチェットホイールの歯に係合する方向に付勢
    されているパウルと、前記ラチェットホイールに摩擦係
    合されており両端部にガイドピンに係合して前記アーム
    を思案ばねによるアームの付勢方向が逆向きになるよう
    に回動せしめる1対の突部が形成され中間部に前記アー
    ムの向きにより前記係合爪をラチェットホイールの歯に
    係合させる凹部に形成されているガイドピンの案内路を
    備えているカムプレートとを設けてなるシートベルトの
    リトラクター。
  2. 【請求項2】さらにカバーを設け、このカバーに、前記
    アームの向きが前記係合爪がラチェットホイールの歯に
    係合し得ない状態において係合爪が各歯に接合するのを
    阻止するストッパを突設した実用新案登録請求の範囲第
    1項記載のシートベルトのリトラクター。
  3. 【請求項3】さらに、前記パウルの係合爪が前記ラチェ
    ットホイールの歯に係合し得るようにする前記アームの
    位置と前記パウルの係合爪の前記ラチェットホイールの
    歯に対する係合を解除する前記アームの位置との間を移
    動し得るストッパと、このストッパを移動せしめるソレ
    ノイドとを設けた実用新案登録請求の範囲第1項または
    第2項記載のシートベルトのリトラクター。
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