JPH0856413A - 農用トラクタ - Google Patents

農用トラクタ

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JPH0856413A
JPH0856413A JP19921794A JP19921794A JPH0856413A JP H0856413 A JPH0856413 A JP H0856413A JP 19921794 A JP19921794 A JP 19921794A JP 19921794 A JP19921794 A JP 19921794A JP H0856413 A JPH0856413 A JP H0856413A
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rotary tiller
tiller
control
switch
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Seiichi Okamura
誠一 岡村
Toshiya Fukumoto
俊也 福本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耕耘装置の下降時にクラッチを自動的に入り
操作すると共に、下降操作の形態の変更時にクラッチの
入り操作を阻止するトラクタを構成。 【構成】 昇降スイッチ27の操作で耕耘装置を上限ま
での上昇させ、クラッチ14を切り操作し、この上昇状
態の耕耘装置を下降させる際には、再度の昇降スイッチ
27を操作した際にのみ耕耘装置7を作業レベルまで下
降させ、かつ、クラッチ14を入り操作する制御装置3
0を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農用トラクタに関し、
詳しくは、ロータリ耕耘装置を昇降する技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、ロータリ耕耘装置を昇降する技術
として実開昭60‐191113号公報に示されるもの
が存在し、この従来例では、ロータリ耕耘装置の上昇に
伴って、該耕耘装置に動力を伝えるPTO軸の回転を停
止し、ロータリ耕耘装置の下降に伴ってPTO軸を自動
的に回転するように構成してあり、又、この回転停止状
態が所定時間以上継続するとPTO軸を回転停止状態に
保持するよう制御系が構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ロータリ耕耘装置を用
いた作業を考えるに、耕起作業時には機体が畦に接近す
る毎にロータリ耕耘装置を所定レベルまで上昇させて機
体の旋回を行い、旋回の終了時には、該ロータリ耕耘装
置を作業レベルまで上昇させ、再び耕起作業を開始する
作業形態となっており、従来例では、このロータリ耕耘
装置の昇降に伴ってPTO軸の駆動、及び、停止を行う
ので特別な操作を行わずともロータリ耕耘装置の無駄な
駆動を回避できるという良好な面を有するものとなって
いる。
【0004】しかし、機体の旋回時にはロータリ耕耘装
置を昇降操作と共にステアリング操作を行わねばならな
い等、短時間のうちに多様な操作を必要とするものであ
り、この機体の旋回時に作業者の操作をできるだけ簡単
にすることも望まれている。
【0005】又、従来例のようにPTO軸の回転を停止
した後、所定時間が経過するとロータリ耕耘装置を下降
させてもPTO軸を回転させないものでは、例えば、作
業途中にロータリ耕耘装置を上昇させた状態で点検を開
始し、この点検時に該耕耘装置を下降させた場合にも、
所定時間が経過していれば耕耘装置が駆動されないの
で、該耕耘装置の近傍に作業者が位置する場合にもPT
O軸に対するクラッチ機構の切り状態を確認せず、耕耘
装置の昇降を行えるという良好な面を有するものとなっ
ている。
【0006】しかし、従来例で前述のような良好な面を
現出するためには前記所定時間を比較的短い時間に設定
する必要があり、このように時間を短く設定すると、例
えば、機体が畦に接近した場合に耕耘装置を上昇させた
まま枕地を比較的長い時間走行した後、再度、耕起作業
を開始する形態の作業では、耕耘装置を下降させてもP
TO軸が駆動されないものとなり改善の余地がある。
【0007】又、従来例ではロータリ耕耘装置の対地レ
ベルに拘わらず、該耕耘装置が所定の対車体レベルまで
上昇するとPTO軸の駆動を停止するため、例えば、代
掻き作業のようにトラクタの車輪が沈み込むような軟弱
な圃場での作業時には耕耘装置を上昇させた場合、該耕
耘装置の耕起爪が圃場を耕起するレベルにおいても駆動
が停止することもあり、無理のない耕起、円滑な上昇を
行う面で改善の余地がある。
【0008】本発明の目的は、ロータリ耕耘装置の昇降
を簡便に行い、この昇降時には自動的に該耕耘装置の停
止と駆動を可能にすると共に、ロータリ耕耘装置の上昇
状態を長時間継続させても、作業時にはロータリ耕耘装
置の下降とともに該耕耘装置の駆動を開始し、又、ロー
タリ耕耘装置の上昇状態で点検を行う場合には下降時に
該耕耘装置の駆動を行わず、又、ロータリ耕耘装置の上
昇を無理なく行う農用トラクタを構成する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴(請求項
1)はロータリ耕耘装置を駆動昇降するアクチュエー
タ、車体からロータリ耕耘装置に伝えられる動力を断続
するクラッチ機構、及び、その設定位置への操作で前記
アクチュエータを駆動して作業レベルのロータリ耕耘装
置を上限位置まで上昇させる上昇制御と、この上限位置
のロータリ耕耘装置を作業レベルまで下降させる下降制
御とを行う昇降操作具を車体に備えると共に、前記クラ
ッチ機構が入り状態にある際に前記昇降操作具で上昇制
御を行い、この後、該昇降操作具で下降制御を行った場
合にのみ、上昇制御とともに前記クラッチ機構の切り操
作を行い、下降制御とともに前記クラッチ機構の入り操
作を行う制御装置を備えている点にあり、その作用、及
び、効果は次の通りである。
【0010】
【作用】上記特徴によると、昇降操作具を設定位置に操
作することで、ロータリ耕耘装置の上昇と下降とを行え
ると共に、上昇時にはクラッチ機構が自動的に切り操作
されてロータリ耕耘装置の駆動が停止し、又、下降時に
はクラッチ機構が自動的に入り操作されてロータリ耕耘
装置を駆動するものとなり、他の操作系の操作でロータ
リ耕耘装置を下降させてもクラッチ機構は入り操作され
ない。
【0011】つまり、単一の操作具を繰り返して操作す
ることでロータリ耕耘装置の昇降とクラッチ機構の入り
切りとを可能にして作業者の負担を軽減すると共に、ロ
ータリ耕耘装置を上昇した後、比較的長い時間が経過し
ていても、この操作具でロータリ耕耘装置を下降させる
とクラッチ機構を入り操作するものとなる。
【0012】又、請求項2によると、昇降操作具を設定
位置に操作してロータリ耕耘装置の上昇とクラッチ機構
の自動的な切り操作とを行った後に、ポジション操作具
の操作でロータリ耕耘装置の下降を行った場合にはクラ
ッチ機構は入り操作されないので、例えば、作業途中で
ロータリ耕耘装置を上昇させた状態で点検を開始し、耕
耘装置を下降させる場合にはポジション操作具を用いる
ことで、ロータリ耕耘装置の耕起爪を回転させることが
ない。
【0013】又、請求項3によると、昇降操作具の操作
でロータリ耕耘装置を上昇させた場合には上昇制御から
所定時間の経過後に自動的にクラッチ機構が切り操作さ
れるので、例えば、トラクタの車輪が沈み込むような軟
弱な圃場での作業時にも、該耕耘装置の作業時の対車体
レベルに拘わらず該耕耘装置の上昇時には耕起爪を駆動
しながら圃場から上昇できるものとなる。
【0014】
【発明の効果】従って、ロータリ耕耘装置の昇降を作業
者を煩わせることなく簡便に行い、この昇降時には自動
的に該耕耘装置の停止と駆動を可能にすると共に、ロー
タリ耕耘装置の上昇状態を長時間継続させても、作業時
にはロータリ耕耘装置の下降とともに該耕耘装置の駆動
を開始する農用トラクタが構成された(請求項1)。
又、ロータリ耕耘装置の上昇状態で点検を行う場合にも
下降時には該耕耘装置の駆動を行わないことも可能にす
る農用トラクタが構成された(請求項2)。又、作業レ
ベルに拘わらずロータリ耕耘装置の上昇を無理なく行う
農用トラクタが構成された(請求項3)。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1に示すように、前車輪1及び後車輪2を有し
た車体3の前部にエンジン4を配置すると共に、このエ
ンジン4からの動力が伝えられる伝動ケース5を車体3
の後部に配置し、又、この伝動ケース5の後端に2点リ
ンク機構6を介し前後軸芯Xでローリング自在、かつ、
昇降自在にロータリ耕耘装置7を連結して農用トラクタ
を構成する。
【0016】又、伝動ケース5の上部にアクチュエータ
としてのリフトシリンダ8を備えると共に、このリフト
シリンダ8の駆動で昇降作動する左右一対のリフトアー
ム9と2点リンク機構6とを左右一対のリフトロッド1
0,10介して支持し、又、一対のリフトロッド10,
10の一方に複動型のローリングシリンダ11を介装す
ることで、リフトシリンダ8の駆動でロータリ耕耘装置
7を昇降し、ローリングシリンダ11の伸縮作動でロー
タリ耕耘装置7を、前記軸芯X周りでローリング駆動す
るよう構成してある(ローリング制御系は詳述せず)。
【0017】ロータリ耕耘装置7は横向き軸芯周りで回
転駆動される多数の耕起爪7Aを有すると共に、後部位
置に横向き軸芯周りで揺動自在に支持される後カバー7
Bを有し、この後カバー7Bの揺動量から耕深を計測す
るポテンショメータ型の耕深センサ12を備えている。
又、ロータリ耕耘装置7に対しては前記前後軸芯Xと同
軸芯に配置した出力軸13を介して伝動ケース5からの
動力が伝えられ、この出力軸13の動力は伝動ケース5
に内蔵した油圧操作型のクラッチ機構14によって断続
されるよう伝動系が構成されている。
【0018】図2に示すように、伝動ケース5の上方で
左右のリヤフェンダー15の間に運転座席16を配置
し、この運転座席16の左側部には走行速度を8段に設
定する主変速レバー17と、「H」から「L」位置に操
作することで走行速度を大きく低減するクリープレバー
18とを備え、又、運転座席16の前部の操向ハンドル
19の近傍には車体3を前進させる前進位置「F」と、
車体3を後進させる後進位置「R」とに切換え自在な前
後進レバー20を備え、又、右側のリヤフェンダー15
の上面にはコントロールボックス21を備え、更に、運
転座席16の右側部には横向き軸芯周りで揺動操作自在
にポジション操作具としてのポジションレバー22を備
えている。
【0019】図3に示すように、前記コントロールボッ
クス21には、自動耕深制御時にロータリ耕耘装置7の
耕深を設定する耕深設定ダイヤル23、自動耕深制御の
感度を設定する感度調節ダイヤル24夫々を備えると共
に、前記クラッチ機構14をロータリ耕耘装置7の昇降
に伴って自動的に入り切りする自動操作モードを選択す
る自動スイッチ25、及び、この自動操作モードが解除
されたことを示す警報ランプ26夫々を備え、更に、押
し操作で作業レベルのロータリ耕耘装置7を上限レベル
まで上昇させ、再度の押し操作で上限レベルのロータリ
耕耘装置7を作業レベルまで下降させる昇降操作具とし
てランプ27Aを内蔵した押しボタン式の昇降スイッチ
27を備えている。
【0020】図4に示すように前記ポジションレバーは
P域とQ域とに操作自在に構成されると共に、その基端
部には操作量を計測するポテンショメータ型のレバーセ
ンサ28を備え、又、図1に示すようにリフトアーム9
の基端部には揺動量を計測するリフトアームセンサ29
を備え、このポジションレバー22をP域内で操作する
と、レバーセンサ28で設定された対車体レベルにロー
タリ耕耘装置7を維持するようリフトアームセンサ29
からの信号をフィードバックして該耕耘装置7の昇降制
御を行い、Q域に操作すると自動耕深制御が開始され、
前記耕深設定ダイヤル23で設定された耕深にロータリ
耕耘装置7を維持するよう前記耕深センサ12からの信
号をフィードバックして該耕耘装置7の昇降制御を行
う。
【0021】この農用トラクタでは、作業時において、
前記クラッチ機構14が入り状態にあり、車体3が走行
する状態にある際に前記昇降スイッチ27で上昇制御を
行い、この後、昇降スイッチ27の操作で下降制御を行
った場合に、上昇制御とともに前記クラッチ機構14の
切り操作を行い、下降制御とともに前記クラッチ機構1
4の入り操作を行う制御装置30を備えている。
【0022】図5に示すように、前記制御装置30はマ
イクロプロセッサを有して構成され、この制御装置30
には、前記耕深センサ12、前記レバーセンサ28、前
記リフトアームセンサ29、耕深設定ダイヤル23で操
作されるポテンショメータ型の設定耕深センサ31、感
度調節ダイヤル24で操作されるポテンショメータ型の
設定感度センサ32、自動スイッチ25、昇降スイッチ
27、及び、変速系の状態を判別する判別スイッチ機構
S夫々からの信号が入力し、又、この制御装置30から
前記リフトシリンダ8を制御する電磁弁33、前記クラ
ッチ機構14を制御する電磁弁34、警報ランプ26、
昇降スイッチ27に内蔵されたランプ27A夫々に対す
る出力系を形成してある。
【0023】又、判別スイッチ機構Sは図6に示すよう
に、主変速レバー17が図2に示す如く、中立位置
「N」にある場合にOFF状態となるスイッチ35と、
クリープレバー18が「H」、「L」にある場合にON
操作される一対のスイッチ36,36と、前後進レバー
20が前進位置「F」、「R」にある場合にON操作さ
れる一対のスイッチ37,37と同図に示すように結線
することにより検出経路38の電圧で車体3が走行状態
にあるか停車状態にあるかを判別できるよう構成されて
いる。
【0024】又、制御動作はクラッチ機構14が入り状
態で、ロータリ耕耘装置7が作業レベルにある状態で
(ロータリ耕耘装置7が図1に示す如く自動耕深制御を
行う作業レベルにある状態で)、昇降スイッチ27がO
N操作されると、図7のフローチャートに示すように、
電磁弁33を制御して該耕耘装置7の上昇を開始すると
共に(#101、#102ステップ)、自動スイッチ2
5がON状態で、判別スイッチ機構Sで走行状態を判別
した場合にのみタイマ(ソフトウエアで構成されてい
る)を作動させ、タイマに設定された時間の経過後、電
磁弁34を制御してクラッチ機構14を切り操作し(#
103〜#107ステップ)、更に、前記リフトアーム
センサ29で上限に達したことが検出されるまで耕耘装
置7を上昇させる。尚、自動スイッチ25がOFFであ
るか、車体3が停車している場合にはクラッチ機構14
を切り操作せずに耕耘装置7の上昇のみを行い(#10
8、#109ステップ)、次の「A」の処理に移る。
【0025】尚、#105、#106ステップで上昇制
御開始から所定時間経過後にクラッチ機構14の入り操
作を行う遅延手段Fが構成され、タイマに設定された時
間(最大で0.6秒程度)は耕耘装置7の上昇時に7耕
耘装置の耕起爪7Aが圃場面から完全に離間するまで耕
起爪7Aを駆動し続けるためのものであり、耕深が深い
ほどタイマの設定時間を時間が長くなるよう耕深設定ダ
イヤル23の設定値とタイマの値とを連係してあり、
又、昇降スイッチ27の操作時には内蔵したランプ27
Aを点灯させる制御が行われる。
【0026】このように耕耘装置7を上昇させる制御
は、畦際に接近した車体3を旋回する際に行われるもの
であり、この上昇状態で旋回を完了した後には、図8に
示すフローチャートのように(「A」の処理)、走行を
停止せず、ポジションレバー22で耕耘装置7を下降す
る操作を行わず、昇降スイッチ27を再度ON操作した
場合には電磁弁33を制御して耕耘装置7の下降を開始
すると共に、電磁弁34を制御してクラッチ機構14の
入り操作を行い、耕深センサ12からの信号の基づき耕
耘装置7が作業レベル(自動耕深制御が開始されるレベ
ル)に達したことが判別されるまで耕耘装置7を下降さ
せる(#201〜#207ステップ)。尚、昇降スイッ
チ27を再度ON操作した際には昇降スイッチに内蔵し
たランプ27Aを消灯する。
【0027】このように、走行したまま、ポジションレ
バー22で耕耘装置7を下降する操作を行わず、昇降ス
イッチ27を操作した場合にのみクラッチ機構14の入
り操作が許容される理由は、昇降スイッチ27で耕耘装
置7を上昇させた状態のまま作業を中断して耕耘装置7
の点検を行う場合のように、作業者が耕耘装置7に接近
する位置で点検を行い、この点検時に耕耘装置7を下降
させた際に自動的にクラッチ機構14が入り操作され耕
起爪7Aが回転することに起因する不都合を解消するた
めである。
【0028】又、判別スイッチ機構Sからの信号によっ
て停車したことを判別すると、昇降スイッチ27がON
操作されず、5秒程度の設定時間内に走行が再開されな
い限り(#208、#209ステップ)、耕耘装置7を
下降してもクラッチ機構14は入り操作されず(「C」
あるいは「D」の処理が行われる)、更に、ポジション
レバー22をP域の上限位置まで操作した後、5秒程度
の設定時間内に該レバー22で下げ操作しない限り(#
209ステップ)耕耘装置7を下降してもクラッチ機構
14は入り操作されない(「D」の処理が行われる)。
【0029】つまり、停車した状態で昇降スイッチ27
がON操作された場合には(#201、#208ステッ
プ)、図9(イ)に示すように(「C」の処理)、耕耘
装置7の下降を開始すると共にクラッチ機構14の入り
操作を行わず、耕深センサ12からの信号の基づき耕耘
装置7が作業レベル(自動耕深制御が開始されるレベ
ル)に達したことが判別されるまで耕耘装置7を下降さ
せる(#301〜#303ステップ)。この後、メイン
スイッチ(図示せず)がON状態にあり、自動スイッチ
25がOFF操作された場合にのみクラッチ機構14を
入り操作し「B」の制御の流れに戻る(#304〜#3
06ステップ)。
【0030】又、停車した状態で昇降スイッチ27がO
N操作されず、設定時間内に走行を開始しない場合には
(#201、#208、#209ステップ)、図9
(ロ)に示すように(「D」の処理)警報ランプ37を
点滅させ、メインスイッチがON状態にあり、自動スイ
ッチ25がOFF操作された場合にのみクラッチ機構1
4を入り操作し(#401〜#404ステップ)、この
後、昇降スイッチ27、あるいは、ポジションレバー2
2の操作で耕耘装置7が作業レベルまで下降すると
「B」の制御の流れに戻る(#405ステップ)。
【0031】又、この制御系では昇降スイッチ27で耕
耘装置7を上昇させた後、ポジションレバー22をP域
の上限位置まで操作した後、下げ操作しても耕耘装置7
を下降させることも可能であり、この形態での操作はレ
バー22の操作速度によって耕耘装置7の下降時の速度
を任意に調節できるので、この形態での下降制御も多く
行われている。従って、この下降制御が一定の条件下に
おいて行われた場合にのみクラッチ機構14の自動的な
入り操作を許容するよう、ポジションレバー22が上限
位置に操作されてから5秒程度の短い時間内に該レバー
22をQ域に操作した場合にのみクラッチ機構14が自
動的に入り操作されるように制御動作を設定してある
(#202、#210、#204〜#207ステッ
プ)。
【0032】又、ポジションレバー22が上限位置に操
作されてから5秒程度の短い時間内に該レバー22がQ
域に操作されなかっ場合には、図9(ロ)に示すよう
に、(「D」の処理)前述と同様に警報ランプ37を点
滅させ、メインスイッチがON状態にあり、自動スイッ
チ25がOFF操作された場合にのみクラッチ機構14
を入り操作し(#401〜#404ステップ)、この
後、昇降スイッチ27、あるいは、ポジションレバー2
2の操作で耕耘装置7が作業レベルまで下降すると
「B」の制御の流れに戻る(#405ステップ)。
【0033】尚、#202、#210ステップで牽制手
段Eが構成され、この牽制手段Eは昇降スイッチ27で
耕耘装置7を上昇させた後、昇降スイッチ27以外で耕
耘装置7を下降させた場合にクラッチ機構14の入り操
作阻止するよう機能する。
【0034】このように単一の操作具としての昇降スイ
ッチ27を繰り返して操作することでロータリ耕耘装置
7の昇降とクラッチ機構14の入り切りとを可能にして
作業者の負担を軽減できると共に、ロータリ耕耘装置7
を上昇した後、時間が経過していても走行を継続する限
りにおいては昇降スイッチ27でロータリ耕耘装置7を
下降させるとクラッチ機構14を入り操作できるもので
あり乍ら、一定時間以上停車した場合、あるいは、ポジ
ションレバー22を上昇位置に操作してから一定時間以
上経過してからポジションレバー22でロータリ耕耘装
置7の下降を行った場合にはクラッチ機構14は入り操
作されず、例えば、作業途中でロータリ耕耘装置7を上
昇させた状態で点検を開始して、点検の途中に下降させ
る場合にもロータリ耕耘装置7の耕起爪7Aを回転させ
ることもない。
【0035】又、昇降スイッチ27でロータリ耕耘装置
7を上昇させた場合には上昇制御の開始から所定時間の
経過後に自動的にクラッチ機構14が切り操作されるの
で、例えば、トラクタの車輪1、2が沈み込むような軟
弱な圃場での作業時にも、該耕耘装置7の作業時の対車
体レベルに拘わらず該耕耘装置7の上昇時には耕起爪7
Aが圃場面から離間するまで該耕起爪7Aを駆動を継続
できる。
【0036】〔別実施例〕本発明は上記実施例以外に、
例えば、車体が停車状態にあることを判別する手段とし
て車軸が回転状態にあるかを計測するセンサを備えて構
成することが可能である。
【0037】又、本発明は昇降スイッチで耕耘装置を上
昇させた後には、昇降スイッチの操作による耕耘装置の
下降時にのみクラッチ機構の自動的な入り操作を許容す
るよう、制御動作を設定することも可能である。
【0038】又、昇降スイッチの操作によってロータリ
耕耘装置が上昇するレベルは機械的な作動限界でなくて
良く任意に調節できるよう構成することも可能である。
【0039】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの全体側面図
【図2】トラクタの運転座席近傍の平面図
【図3】コントロールボックスの平面図
【図4】ポジションレバーの操作域を示す側面図
【図5】制御系のブロック回路図
【図6】判別スイッチ機構の電気回路図
【図7】上昇制御を表すフローチャート
【図8】主の制御を表すフローチャート
【図9】(イ)Cの制御を表すフローチャート (ロ)Dの制御を表すフローチャート
【符号の説明】 7 ロータリ耕耘装置 8 アクチュエータ 14 クラッチ機構 22 ポジション操作具 27 昇降操作具 30 制御装置 E 牽制手段 F 遅延手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年1月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 農用トラクタ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農用トラクタに関し、
詳しくは、ロータリ耕耘装置を昇降する技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、ロータリ耕耘装置を昇降する技術
として実開昭60‐191113号公報に示されるもの
が存在し、この従来例では、ロータリ耕耘装置の上昇に
伴って、該耕耘装置に動力を伝えるPTO軸の回転を停
止し、ロータリ耕耘装置の下降に伴ってPTO軸を自動
的に回転するように構成してあり、又、この回転停止状
態が所定時間以上継続するとPTO軸を回転停止状態に
保持するよう制御系が構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ロータリ耕耘装置を用
いた作業を考えるに、耕起作業時には機体が畦に接近す
る毎にロータリ耕耘装置を所定レベルまで上昇させて機
体の旋回を行い、旋回の終了時には、該ロータリ耕耘装
置を作業レベルまで下降させ、再び耕起作業を開始する
作業形態となっており、従来例では、このロータリ耕耘
装置の昇降に伴ってPTO軸の駆動、及び、停止を行う
ので特別な操作を行わずともロータリ耕耘装置の無駄な
駆動を回避できるという良好な面を有するものとなって
いる。
【0004】しかし、機体の旋回時にはロータリ耕耘装
昇降操作と共にステアリング操作を行わねばならな
い等、短時間のうちに多様な操作を必要とするものであ
り、この機体の旋回時に作業者の操作をできるだけ簡単
にすることも望まれている。
【0005】又、従来例のようにPTO軸の回転を停止
した後、所定時間が経過するとロータリ耕耘装置を下降
させてもPTO軸を回転させないものでは、例えば、作
業途中にロータリ耕耘装置を上昇させた状態で点検を開
始し、この点検時に該耕耘装置を下降させた場合にも、
所定時間が経過していれば耕耘装置が駆動されないの
で、該耕耘装置の近傍に作業者が位置する場合にもPT
O軸に対するクラッチ機構の切り状態を確認せず、耕耘
装置の昇降を行えるという良好な面を有するものとなっ
ている。
【0006】しかし、従来例で前述のような良好な面を
現出するためには前記所定時間を比較的短い時間に設定
する必要があり、このように時間を短く設定すると、例
えば、機体が畦に接近した場合に耕耘装置を上昇させた
まま枕地を比較的長い時間走行した後、再度、耕起作業
を開始する形態の作業では、耕耘装置を下降させてもP
TO軸が駆動されないものとなり改善の余地がある。
【0007】又、従来例ではロータリ耕耘装置の対地レ
ベルに拘わらず、該耕耘装置が所定の対車体レベルまで
上昇するとPTO軸の駆動を停止するため、例えば、代
掻き作業のようにトラクタの車輪が沈み込むような軟弱
な圃場での作業時には耕耘装置を上昇させた場合、該耕
耘装置の耕起爪が圃場を耕起するレベルにおいても駆動
が停止することもあり、無理のない耕起、円滑な上昇を
行う面で改善の余地がある。
【0008】本発明の目的は、ロータリ耕耘装置の昇降
を簡便に行い、この昇降時には自動的に該耕耘装置の停
止と駆動を可能にすると共に、ロータリ耕耘装置の上昇
状態を長時間継続させても、作業時にはロータリ耕耘装
置の下降とともに該耕耘装置の駆動を開始し、又、ロー
タリ耕耘装置の上昇状態で点検を行う場合には下降時に
該耕耘装置の駆動を行わず、又、ロータリ耕耘装置の上
昇を無理なく行う農用トラクタを構成する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴(請求項
1)はロータリ耕耘装置を駆動昇降するアクチュエー
タ、車体からロータリ耕耘装置に伝えられる動力を断続
するクラッチ機構、及び、その設定位置への操作で前記
アクチュエータを駆動して作業レベルのロータリ耕耘装
置を上限位置まで上昇させる上昇制御と、この上限位置
のロータリ耕耘装置を作業レベルまで下降させる下降制
御とを行う昇降操作具を車体に備えると共に、前記クラ
ッチ機構が入り状態にある際に前記昇降操作具で上昇制
御を行い、この後、該昇降操作具で下降制御を行った場
合にのみ、上昇制御とともに前記クラッチ機構の切り操
作を行い、下降制御とともに前記クラッチ機構の入り操
作を行う制御装置を備えている点にあり、その作用、及
び、効果は次の通りである。
【0010】
【作用】上記特徴によると、昇降操作具を設定位置に操
作することで、ロータリ耕耘装置の上昇と下降とを行え
ると共に、上昇時にはクラッチ機構が自動的に切り操作
されてロータリ耕耘装置の駆動が停止し、又、下降時に
はクラッチ機構が自動的に入り操作されてロータリ耕耘
装置を駆動するものとなり、他の操作系の操作でロータ
リ耕耘装置を下降させてもクラッチ機構は入り操作され
ない。
【0011】つまり、単一の操作具を繰り返して操作す
ることでロータリ耕耘装置の昇降とクラッチ機構の入り
切りとを可能にして作業者の負担を軽減すると共に、ロ
ータリ耕耘装置を上昇した後、比較的長い時間が経過し
ていても、この操作具でロータリ耕耘装置を下降させる
とクラッチ機構を入り操作するものとなる。
【0012】又、請求項2によると、昇降操作具を設定
位置に操作してロータリ耕耘装置の上昇とクラッチ機構
の自動的な切り操作とを行った後に、ポジション操作具
の操作でロータリ耕耘装置の下降を行った場合にはクラ
ッチ機構は入り操作されないので、例えば、作業途中で
ロータリ耕耘装置を上昇させた状態で点検を開始し、耕
耘装置を下降させる場合にはポジション操作具を用いる
ことで、ロータリ耕耘装置の耕起爪を回転させることが
ない。
【0013】又、請求項3によると、昇降操作具の操作
でロータリ耕耘装置を上昇させた場合には上昇制御から
所定時間の経過後に自動的にクラッチ機構が切り操作さ
れるので、例えば、トラクタの車輪が沈み込むような軟
弱な圃場での作業時にも、該耕耘装置の作業時の対車体
レベルに拘わらず該耕耘装置の上昇時には耕起爪を駆動
しながら圃場から上昇できるものとなる。
【0014】又、請求項4によると、昇降操作具の操作
でロータリ耕耘装置を上昇させた場合には上昇制御から
所定時間の経過後に自動的にクラッチ機構が切り操作さ
れるものであり乍ら、ロータリ耕耘装置の上昇時には作
業レベルが深いほどクラッチ機構の切り操作のタイミン
グが遅くなるので、作業レベルが深い場合にもロータリ
耕耘装置の駆動を行い乍らの上昇作動を可能にすると共
に、作業レベルが浅い場合にもロータリ耕耘装置を無駄
に駆動することがない。
【0015】
【発明の効果】従って、ロータリ耕耘装置の昇降を作業
者を煩わせることなく簡便に行い、この昇降時には自動
的に該耕耘装置の停止と駆動を可能にすると共に、ロー
タリ耕耘装置の上昇状態を長時間継続させても、作業時
にはロータリ耕耘装置の下降とともに該耕耘装置の駆動
を開始する農用トラクタが構成された(請求項1)。
又、ロータリ耕耘装置の上昇状態で点検を行う場合にも
下降時には該耕耘装置の駆動を行わないことも可能にす
る農用トラクタが構成された(請求項2)。又、作業レ
ベルに拘わらずロータリ耕耘装置の上昇を無理なく行い
(請求項3)、又、作業レベルに拘わらずロータリ耕耘
装置の駆動停止のタイミングを適切に設定して該ロータ
リ耕耘装置の上昇を無理なく行う(請求項4)農用トラ
クタが構成された。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1に示すように、前車輪1及び後車輪2を有し
た車体3の前部にエンジン4を配置すると共に、このエ
ンジン4からの動力が伝えられる伝動ケース5を車体3
の後部に配置し、又、この伝動ケース5の後端に2点リ
ンク機構6を介し前後軸芯Xでローリング自在、かつ、
昇降自在にロータリ耕耘装置7を連結して農用トラクタ
を構成する。
【0017】又、伝動ケース5の上部にアクチュエータ
としてのリフトシリンダ8を備えると共に、このリフト
シリンダ8の駆動で昇降作動する左右一対のリフトアー
ム9と2点リンク機構6とを左右一対のリフトロッド1
0,10介して支持し、又、一対のリフトロッド10,
10の一方に複動型のローリングシリンダ11を介装す
ることで、リフトシリンダ8の駆動でロータリ耕耘装置
7を昇降し、ローリングシリンダ11の伸縮作動でロー
タリ耕耘装置7を、前記軸芯X周りでローリング駆動す
るよう構成してある(ローリング制御系は詳述せず)。
【0018】ロータリ耕耘装置7は横向き軸芯周りで回
転駆動される多数の耕起爪7Aを有すると共に、後部位
置に横向き軸芯周りで揺動自在に支持される後カバー7
Bを有し、この後カバー7Bの揺動量から耕深を計測す
るポテンショメータ型の耕深センサ12を備えている。
又、ロータリ耕耘装置7に対しては前記前後軸芯Xと同
軸芯に配置した出力軸13を介して伝動ケース5からの
動力が伝えられ、この出力軸13の動力は伝動ケース5
に内蔵した油圧操作型のクラッチ機構14によって断続
されるよう伝動系が構成されている。
【0019】図2に示すように、伝動ケース5の上方で
左右のリヤフェンダー15の間に運転座席16を配置
し、この運転座席16の左側部には走行速度を8段に設
定する主変速レバー17と、「H」から「L」位置に操
作することで走行速度を大きく低減するクリープレバー
18とを備え、又、運転座席16の前部の操向ハンドル
19の近傍には車体3を前進させる前進位置「F」と、
車体3を後進させる後進位置「R」とに切換え自在な前
後進レバー20を備え、又、右側のリヤフェンダー15
の上面にはコントロールボックス21を備え、更に、運
転座席16の右側部には横向き軸芯周りで揺動操作自在
にポジション操作具としてのポジションレバー22を備
えている。
【0020】図3に示すように、前記コントロールボッ
クス21には、自動耕深制御時にロータリ耕耘装置7の
耕深(作業レベル)を設定する耕深設定手段としての耕
深設定ダイヤル23、自動耕深制御の感度を設定する感
度調節ダイヤル24夫々を備えると共に、前記クラッチ
機構14をロータリ耕耘装置7の昇降に伴って自動的に
入り切りする自動操作モードを選択する自動スイッチ2
5、及び、この自動操作モードが解除されたことを示す
警報ランプ26夫々を備え、更に、押し操作で作業レベ
ルのロータリ耕耘装置7を上限レベルまで上昇させ、再
度の押し操作で上限レベルのロータリ耕耘装置7を作業
レベルまで下降させる昇降操作具としてランプ27Aを
内蔵した押しボタン式の昇降スイッチ27を備えてい
る。
【0021】図4に示すように前記ポジションレバーは
P域とQ域とに操作自在に構成されると共に、その基端
部には操作量を計測するポテンショメータ型のレバーセ
ンサ28を備え、又、図1に示すようにリフトアーム9
の基端部には揺動量を計測するリフトアームセンサ29
を備え、このポジションレバー22をP域内で操作する
と、レバーセンサ28で設定された対車体レベルにロー
タリ耕耘装置7を維持するようリフトアームセンサ29
からの信号をフィードバックして該耕耘装置7の昇降制
御を行い、Q域に操作すると自動耕深制御が開始され、
前記耕深設定ダイヤル23で設定された耕深にロータリ
耕耘装置7を維持するよう前記耕深センサ12からの信
号をフィードバックして該耕耘装置7の昇降制御を行
う。
【0022】この農用トラクタでは、作業時において、
前記クラッチ機構14が入り状態にあり、車体3が走行
する状態にある際に前記昇降スイッチ27で上昇制御を
行い、この後、昇降スイッチ27の操作で下降制御を行
った場合に、上昇制御とともに前記クラッチ機構14の
切り操作を行い、下降制御とともに前記クラッチ機構1
4の入り操作を行う制御装置30を備えている。
【0023】図5に示すように、前記制御装置30はマ
イクロプロセッサを有して構成され、この制御装置30
には、前記耕深センサ12、前記レバーセンサ28、前
記リフトアームセンサ29、耕深設定ダイヤル23で操
作されるポテンショメータ型の設定耕深センサ31、感
度調節ダイヤル24で操作されるポテンショメータ型の
設定感度センサ32、自動スイッチ25、昇降スイッチ
27、及び、変速系の状態を判別する判別スイッチ機構
S夫々からの信号が入力し、又、この制御装置30から
前記リフトシリンダ8を制御する電磁弁33、前記クラ
ッチ機構14を制御する電磁弁34、警報ランプ26、
昇降スイッチ27に内蔵されたランプ27A夫々に対す
る出力系を形成してある。
【0024】又、判別スイッチ機構Sは図6に示すよう
に、主変速レバー17が図2に示す如く、中立位置
「N」にある場合にOFF状態となるスイッチ35と、
クリープレバー18が「H」、「L」にある場合にON
操作される一対のスイッチ36,36と、前後進レバー
20が前進位置「F」、「R」にある場合にON操作さ
れる一対のスイッチ37,37と同図に示すように結線
することにより検出経路38の電圧で車体3が走行状態
にあるか停車状態にあるかを判別できるよう構成されて
いる。
【0025】又、制御動作はクラッチ機構14が入り状
態で、ロータリ耕耘装置7が作業レベルにある状態で
(ロータリ耕耘装置7が図1に示す如く自動耕深制御を
行う作業レベルにある状態で)、昇降スイッチ27がO
N操作されると、図7のフローチャートに示すように、
電磁弁33を制御して該耕耘装置7の上昇を開始すると
共に(#101、#102ステップ)、自動スイッチ2
5がON状態で、判別スイッチ機構Sで走行状態を判別
した場合にのみタイマ(ソフトウエアで構成されてい
る)を作動させ、タイマに設定された時間の経過後、電
磁弁34を制御してクラッチ機構14を切り操作し(#
103〜#107ステップ)、更に、前記リフトアーム
センサ29で上限に達したことが検出されるまで耕耘装
置7を上昇させる。尚、自動スイッチ25がOFFであ
るか、車体3が停車している場合にはクラッチ機構14
を切り操作せずに耕耘装置7の上昇のみを行い(#10
8、#109ステップ)、次の「A」の処理に移る。
【0026】尚、#105、#106ステップで上昇制
御開始から所定時間経過後にクラッチ機構14の入り操
作を行う遅延手段Fが構成され、タイマに設定された時
間(最大で0.6秒程度)は耕耘装置7の上昇時に7耕
耘装置の耕起爪7Aが圃場面から完全に離間するまで耕
起爪7Aを駆動し続けるためのものであり、耕深が深い
ほどタイマの設定時間を時間が長くなるよう耕深設定ダ
イヤル23の設定値とタイマの値とを連係してあり、
又、昇降スイッチ27の操作時には内蔵したランプ27
Aを点灯させる制御が行われる。
【0027】このように耕耘装置7を上昇させる制御
は、畦際に接近した車体3を旋回する際に行われるもの
であり、この上昇状態で旋回を完了した後には、図8に
示すフローチャートのように(「A」の処理)、走行を
停止せず、ポジションレバー22で耕耘装置7を下降す
る操作を行わず、昇降スイッチ27を再度ON操作した
場合には電磁弁33を制御して耕耘装置7の下降を開始
すると共に、電磁弁34を制御してクラッチ機構14の
入り操作を行い、耕深センサ12からの信号の基づき耕
耘装置7が作業レベル(自動耕深制御が開始されるレベ
ル)に達したことが判別されるまで耕耘装置7を下降さ
せる(#201〜#207ステップ)。尚、昇降スイッ
チ27を再度ON操作した際には昇降スイッチに内蔵し
たランプ27Aを消灯する。
【0028】このように、走行したまま、ポジションレ
バー22で耕耘装置7を下降する操作を行わず、昇降ス
イッチ27を操作した場合にのみクラッチ機構14の入
り操作が許容される理由は、昇降スイッチ27で耕耘装
置7を上昇させた状態のまま作業を中断して耕耘装置7
の点検を行う場合のように、作業者が耕耘装置7に接近
する位置で点検を行い、この点検時に耕耘装置7を下降
させた際に自動的にクラッチ機構14が入り操作され耕
起爪7Aが回転することに起因する不都合を解消するた
めである。
【0029】又、判別スイッチ機構Sからの信号によっ
て停車したことを判別すると、昇降スイッチ27がON
操作されず、5秒程度の設定時間内に走行が再開されな
い限り(#208、#209ステップ)、耕耘装置7を
下降してもクラッチ機構14は入り操作されず(「C」
あるいは「D」の処理が行われる)、更に、ポジション
レバー22をP域の上限位置まで操作した後、5秒程度
の設定時間内に該レバー22で下げ操作しない限り(#
209ステップ)耕耘装置7を下降してもクラッチ機構
14は入り操作されない(「D」の処理が行われる)。
【0030】つまり、停車した状態で昇降スイッチ27
がON操作された場合には(#201、#208ステッ
プ)、図9(イ)に示すように(「C」の処理)、耕耘
装置7の下降を開始すると共にクラッチ機構14の入り
操作を行わず、耕深センサ12からの信号の基づき耕耘
装置7が作業レベル(自動耕深制御が開始されるレベ
ル)に達したことが判別されるまで耕耘装置7を下降さ
せる(#301〜#303ステップ)。この後、メイン
スイッチ(図示せず)がON状態にあり、自動スイッチ
25がOFF操作された場合にのみクラッチ機構14を
入り操作し「B」の制御の流れに戻る(#304〜#3
06ステップ)。
【0031】又、停車した状態で昇降スイッチ27がO
N操作されず、設定時間内に走行を開始しない場合には
(#201、#208、#209ステップ)、図9
(ロ)に示すように(「D」の処理)警報ランプ37を
点滅させ、メインスイッチがON状態にあり、自動スイ
ッチ25がOFF操作された場合にのみクラッチ機構1
4を入り操作し(#401〜#404ステップ)、この
後、昇降スイッチ27、あるいは、ポジションレバー2
2の操作で耕耘装置7が作業レベルまで下降すると
「B」の制御の流れに戻る(#405ステップ)。
【0032】又、この制御系では昇降スイッチ27で耕
耘装置7を上昇させた後、ポジションレバー22をP域
の上限位置まで操作した後、下げ操作しても耕耘装置7
を下降させることも可能であり、この形態での操作はレ
バー22の操作速度によって耕耘装置7の下降時の速度
を任意に調節できるので、この形態での下降制御も多く
行われている。従って、この下降制御が一定の条件下に
おいて行われた場合にのみクラッチ機構14の自動的な
入り操作を許容するよう、ポジションレバー22が上限
位置に操作されてから5秒程度の短い時間内に該レバー
22をQ域に操作した場合にのみクラッチ機構14が自
動的に入り操作されるように制御動作を設定してある
(#202、#210、#204〜#207ステッ
プ)。
【0033】又、ポジションレバー22が上限位置に操
作されてから5秒程度の短い時間内に該レバー22がQ
域に操作されなかっ場合には、図9(ロ)に示すよう
に、(「D」の処理)前述と同様に警報ランプ37を点
滅させ、メインスイッチがON状態にあり、自動スイッ
チ25がOFF操作された場合にのみクラッチ機構14
を入り操作し(#401〜#404ステップ)、この
後、昇降スイッチ27、あるいは、ポジションレバー2
2の操作で耕耘装置7が作業レベルまで下降すると
「B」の制御の流れに戻る(#405ステップ)。
【0034】尚、#202、#210ステップで牽制手
段Eが構成され、この牽制手段Eは昇降スイッチ27で
耕耘装置7を上昇させた後、昇降スイッチ27以外で耕
耘装置7を下降させた場合にクラッチ機構14の入り操
作阻止するよう機能する。
【0035】このように単一の操作具としての昇降スイ
ッチ27を繰り返して操作することでロータリ耕耘装置
7の昇降とクラッチ機構14の入り切りとを可能にして
作業者の負担を軽減できると共に、ロータリ耕耘装置7
を上昇した後、時間が経過していても走行を継続する限
りにおいては昇降スイッチ27でロータリ耕耘装置7を
下降させるとクラッチ機構14を入り操作できるもので
あり乍ら、一定時間以上停車した場合、あるいは、ポジ
ションレバー22を上昇位置に操作してから一定時間以
上経過してからポジションレバー22でロータリ耕耘装
置7の下降を行った場合にはクラッチ機構14は入り操
作されず、例えば、作業途中でロータリ耕耘装置7を上
昇させた状態で点検を開始して、点検の途中に下降させ
る場合にもロータリ耕耘装置7の耕起爪7Aを回転させ
ることもない。
【0036】又、昇降スイッチ27でロータリ耕耘装置
7を上昇させた場合には上昇制御の開始から所定時間の
経過後に自動的にクラッチ機構14が切り操作されるの
で、例えば、トラクタの車輪1、2が沈み込むような軟
弱な圃場での作業時にも、該耕耘装置7の作業時の対車
体レベルに拘わらず該耕耘装置7の上昇時には耕起爪7
Aが圃場面から離間するまで該耕起爪7Aを駆動を継続
できる。
【0037】〔別実施例〕本発明は上記実施例以外に、
例えば、車体が停車状態にあることを判別する手段とし
て車軸が回転状態にあるかを計測するセンサを備えて構
成することが可能である。
【0038】又、本発明は昇降スイッチで耕耘装置を上
昇させた後には、昇降スイッチの操作による耕耘装置の
下降時にのみクラッチ機構の自動的な入り操作を許容す
るよう、制御動作を設定することも可能である。
【0039】又、昇降スイッチの操作によってロータリ
耕耘装置が上昇するレベルは機械的な作動限界でなくて
良く任意に調節できるよう構成することも可能である。
【0040】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】トラクタの全体側面図
【図2】トラクタの運転座席近傍の平面図
【図3】コントロールボックスの平面図
【図4】ポジションレバーの操作域を示す側面図
【図5】制御系のブロック回路図
【図6】判別スイッチ機構の電気回路図
【図7】上昇制御を表すフローチャート
【図8】主の制御を表すフローチャート
【図9】(イ)Cの制御を表すフローチャート (ロ)Dの制御を表すフローチャート
【符号の説明】 7 ロータリ耕耘装置 8 アクチュエータ 14 クラッチ機構 22 ポジション操作具 27 昇降操作具 30 制御装置 E 牽制手段 F 遅延手段
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータリ耕耘装置(7)を駆動昇降する
    アクチュエータ(8)、車体(3)からロータリ耕耘装
    置(7)に伝えられる動力を断続するクラッチ機構(1
    4)、及び、その設定位置への操作で前記アクチュエー
    タ(8)を駆動して作業レベルのロータリ耕耘装置
    (7)を上限位置まで上昇させる上昇制御と、この上限
    位置のロータリ耕耘装置(7)を作業レベルまで下降さ
    せる下降制御とを行う昇降操作具(27)を車体(3)
    に備えると共に、前記クラッチ機構(14)が入り状態
    にある際に前記昇降操作具(27)で上昇制御を行い、
    この後、該昇降操作具(27)で下降制御を行った場合
    にのみ、上昇制御とともに前記クラッチ機構(14)の
    切り操作を行い、下降制御とともに前記クラッチ機構
    (14)の入り操作を行う制御装置(30)を備えてい
    る農用トラクタ。
  2. 【請求項2】 前記クラッチ機構(14)が入り状態に
    ある際に前記昇降操作具(27)で上昇制御を行った
    後、前記ロータリ耕耘装置(7)の対車体レベルを任意
    に設定するポジション操作具(22)の操作で該ロータ
    リ耕耘装置(7)を下降させた場合には、前記クラッチ
    機構(14)の入り動作を阻止する牽制手段(E)を備
    えている請求項1記載の農用トラクタ。
  3. 【請求項3】 前記クラッチ機構(14)が入り状態に
    ある際に前記昇降操作具(27)で上昇制御を行った場
    合には、上昇制御の開始から所定に時間の経過後にクラ
    ッチ機構(14)を切り状態にする遅延手段(F)を備
    えている請求項1記載の農用トラクタ。
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