JPH08214602A - 耕耘機の制御装置 - Google Patents

耕耘機の制御装置

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JPH08214602A
JPH08214602A JP7028984A JP2898495A JPH08214602A JP H08214602 A JPH08214602 A JP H08214602A JP 7028984 A JP7028984 A JP 7028984A JP 2898495 A JP2898495 A JP 2898495A JP H08214602 A JPH08214602 A JP H08214602A
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tiller
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rotary
control
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聡 飯田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強制昇降制御手段の制御作動によるロータリ
耕耘装置の上昇操作を迅速に行えるようにしながらも、
良好な耕耘状態を得ることができる耕耘機の制御装置を
提供する。 【構成】 走行機体1に対して駆動昇降自在に連結され
たロータリ耕耘装置3の対地高さを検出する対地高さ検
出手段S3からの検出情報に基づいて、該検出情報と、
耕深設定手段21により予め設定されたロータリ耕耘装
置3の目標対地高さとが一致するように、ロータリ耕耘
装置3を昇降させる自動耕深制御手段18Bと、昇降指
令スイッチ24からの上昇指令に基づいて、自動耕深制
御手段18Bの制御作動に優先してロータリ耕耘装置3
を所定の上昇限界位置まで強制的に上昇させる強制昇降
制御手段18Dとを備えた耕耘機の制御装置において、
強制昇降制御手段18Dの制御作動によるロータリ耕耘
装置3の強制上昇時におけるロータリ耕耘装置3の上昇
速度を、その移動範囲における前半側が遅く、後半側が
速くなるように調節する上昇速度制御手段18Eを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行機体に対して駆動
昇降自在に連結されたロータリ耕耘装置の対地高さを検
出する対地高さ検出手段からの検出情報に基づいて、該
検出情報と、耕深設定手段により予め設定された前記ロ
ータリ耕耘装置の目標対地高さとが一致するように、前
記ロータリ耕耘装置を昇降させる自動耕深制御手段と、
昇降指令スイッチからの上昇指令に基づいて、前記自動
耕深制御手段の制御作動に優先して前記ロータリ耕耘装
置を所定の上昇限界位置まで強制的に上昇させる強制昇
降制御手段とを備えた耕耘機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような耕耘機の制御装置における
自動耕深制御手段による制御作動は、耕耘作業時におけ
る耕深を精度よく一定に保持するためのものであること
から、対地高さ検出手段により検出されるロータリ耕耘
装置の対地高さと、耕深設定手段により予め設定された
ロータリ耕耘装置の目標対地高さとが一致していない場
合には、直ちにロータリ耕耘装置を目標対地高さに修正
する必要がある。そのため、ロータリ耕耘装置の昇降速
度を比較的に速い速度に設定して、ロータリ耕耘装置の
昇降操作を迅速に行えるようにする必要がある。一方、
強制昇降制御手段による制御作動は、耕耘作業中の枕地
旋回時に行われるものであることから、ロータリ耕耘装
置の昇降速度を比較的に速い速度に設定して、ロータリ
耕耘装置の昇降操作を迅速に行えるようにすることが望
ましいものである。従って、従来、上記のような耕耘機
の制御装置においては、自動耕深制御手段の制御作動に
よるロータリ耕耘装置の上昇操作と、強制昇降制御手段
の制御作動によるロータリ耕耘装置の上昇操作の夫々
が、比較的に速い速度に設定された同じ速度で行われる
ように構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術によると、強制昇降制御手段の制御作動による
ロータリ耕耘装置の上昇操作においては、ロータリ耕耘
装置を、その耕耘爪が土中に入り込んで土壌を耕す状態
から土壌より離間する所定の上昇限界位置まで、速い速
度で一挙に上昇させるようになることから、その上昇操
作が開始された土壌部分においては、その部分の土がロ
ータリ耕耘装置によって後方に跳ね飛ばされたまま覆土
されず、大きな穴が形成された状態になる不都合が生じ
るようになっていた。
【0004】本発明の目的は、強制昇降制御手段の制御
作動によるロータリ耕耘装置の上昇操作を迅速に行える
ようにしながらも、良好な耕耘状態を得ることができる
耕耘機の制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本第1発明では、走行機体に対して駆動昇降自在に
連結されたロータリ耕耘装置の対地高さを検出する対地
高さ検出手段からの検出情報に基づいて、該検出情報
と、耕深設定手段により予め設定された前記ロータリ耕
耘装置の目標対地高さとが一致するように、前記ロータ
リ耕耘装置を昇降させる自動耕深制御手段と、昇降指令
スイッチからの上昇指令に基づいて、前記自動耕深制御
手段の制御作動に優先して前記ロータリ耕耘装置を所定
の上昇限界位置まで強制的に上昇させる強制昇降制御手
段とを備えた耕耘機の制御装置において、前記強制昇降
制御手段の制御作動による前記ロータリ耕耘装置の強制
上昇時における前記ロータリ耕耘装置の上昇速度を、そ
の移動範囲における前半側が遅く、後半側が速くなるよ
うに調節する上昇速度制御手段を備えた。
【0006】本第2発明では、上記第1発明において、
前記上昇速度制御手段が、前記ロータリ耕耘装置の耕深
設定位置に応じて、その制御作動による上昇速度の変化
点を変更するように構成した。
【0007】本第3発明では、上記第1発明において、
前記上昇速度制御手段が、前記ロータリ耕耘装置の耕深
設定位置が深いほど前記ロータリ耕耘装置を遅い速度で
上昇させる時間が長くなるように、その制御作動による
上昇速度の変化点を変更するように構成した。
【0008】本第4発明では、走行機体に対して駆動昇
降自在に連結されたロータリ耕耘装置における後カバー
の姿勢から前記ロータリ耕耘装置の対地高さを検出する
カバーセンサからの検出情報に基づいて、該検出情報
と、耕深設定手段により予め設定された前記ロータリ耕
耘装置の目標対地高さとが一致するように、前記ロータ
リ耕耘装置を昇降させる自動耕深制御手段と、昇降指令
スイッチからの上昇指令に基づいて、前記自動耕深制御
手段の制御作動に優先して前記ロータリ耕耘装置を所定
の上昇限界位置まで強制的に上昇させる強制昇降制御手
段とを備えた耕耘機の制御装置において、前記強制昇降
制御手段の制御作動による前記ロータリ耕耘装置の強制
上昇時における前記ロータリ耕耘装置の上昇速度を、前
記カバーセンサにより前記後カバーが吊り下がり姿勢で
ないことが検出されると遅くし、前記カバーセンサによ
り前記後カバーが吊り下がり姿勢であることが検出され
ると速くする上昇速度制御手段を備えた。
【0009】
【作用】本第1発明によると、昇降指令スイッチから上
昇指令が指令され、強制昇降制御手段の制御作動による
ロータリ耕耘装置の強制上昇操作が行われる場合におい
ては、上昇速度制御手段の制御作動により、ロータリ耕
耘装置の移動範囲における前半側、言い換えると、ロー
タリ耕耘装置の耕耘爪が土中に入り込んで土壌を耕す状
態となる側でのロータリ耕耘装置の上昇速度は遅くなる
ように、また、ロータリ耕耘装置の移動範囲における後
半側、言い換えると、ロータリ耕耘装置の耕耘爪が土壌
より離間する状態となる側でのロータリ耕耘装置の上昇
速度は速くなるように調節される。つまり、ロータリ耕
耘装置の移動範囲における前半側においては、ロータリ
耕耘装置が、機体の走行とともに徐々に上昇するように
なるので、上昇開始時点から一定の速い速度でロータリ
耕耘装置を一挙に上昇させた場合のように、その上昇操
作が開始された土壌部分の土がロータリ耕耘装置によっ
て後方に跳ね飛ばされたまま覆土されずに大きな穴が形
成されるといった不都合がない。また、ロータリ耕耘装
置の移動範囲における後半側においては、ロータリ耕耘
装置は既に土壌より離間していることから上昇速度を速
くしても土壌に悪影響を及ぼすことがないので、上昇速
度を充分に速い速度に設定することができる。これによ
って、強制昇降制御手段の制御作動によるロータリ耕耘
装置の上昇操作を、その上昇操作が開始された土壌部分
に大きな穴が形成される不都合なく迅速に行えるように
なる。
【0010】本第2発明によると、上昇速度制御手段の
制御作動により、上昇速度の変化点は、ロータリ耕耘装
置の耕深設定位置が浅いほど、ロータリ耕耘装置の移動
範囲における上昇速度の遅くなる前半側の移動距離が短
くなるように、また、ロータリ耕耘装置の耕深設定位置
が深いほど、ロータリ耕耘装置の移動範囲における上昇
速度の遅くなる前半側の移動距離が長くなるように、ロ
ータリ耕耘装置の耕深設定位置に応じて変更されるよう
になる。これによって、ロータリ耕耘装置の耕耘爪が既
に土壌より離間しているにもかかわらずロータリ耕耘装
置が遅い速度で上昇する、あるいは、ロータリ耕耘装置
の耕耘爪が土中に入り込んでいるにもかかわらずロータ
リ耕耘装置が速い速度で上昇するといった不都合が解消
されるようになる。つまり、ロータリ耕耘装置の耕深設
定位置に応じた好適な時点での上昇速度の変更を行える
ようになる。
【0011】本第3発明によると、上昇速度制御手段の
制御作動により、上昇速度の変化点は、ロータリ耕耘装
置の耕深設定位置が深いほどロータリ耕耘装置を遅い速
度で上昇させる時間が長くなるように変更されるので、
ロータリ耕耘装置の耕深設定位置が深いほどロータリ耕
耘装置の移動範囲における前半側の上昇速度を速い速度
に変更する場合に比較して、ロータリ耕耘装置の耕深設
定位置にかかわらず、ロータリ耕耘装置の上昇操作が開
始された土壌部分に大きな穴が形成される不都合を好適
に解消でき、安定した良好な耕耘状態が得られるように
なる。
【0012】本第4発明によると、昇降指令スイッチか
ら上昇指令が指令され、強制昇降制御手段の制御作動に
よるロータリ耕耘装置の強制上昇操作が行われる場合に
おいて、上昇速度制御手段は、カバーセンサにより後カ
バーが吊り下がり姿勢でないことが検出されている間は
ロータリ耕耘装置を遅い速度で上昇させるとともに、カ
バーセンサにより後カバーが吊り下がり姿勢であること
が検出されると直ちにロータリ耕耘装置を速い速度で上
昇させるようになる。つまり、上昇速度制御手段は、カ
バーセンサからの検出情報に基づいて、ロータリ耕耘装
置の耕耘爪が土中に入り込んでいる状態と土壌より離間
している状態とを的確に判断でき、ロータリ耕耘装置の
上昇速度の切り換えを迅速に行えるようになる。
【0013】
【発明の効果】従って、本第1発明によれば、強制昇降
制御手段の制御作動によるロータリ耕耘装置の上昇操作
を迅速に行えるようにしながらも、ロータリ耕耘装置の
上昇操作が開始された土壌部分に大きな穴が形成される
不都合なく良好な耕耘状態を得ることができる耕耘機の
制御装置を提供し得るに至った。
【0014】本第2発明によれば、ロータリ耕耘装置の
耕深設定位置に応じた好適な時点での上昇速度の変更を
行えるようになるので、強制昇降制御手段の制御作動に
よるロータリ耕耘装置の上昇操作をより迅速に行えると
ともに、より良好な耕耘状態を得られるようになった。
【0015】本第3発明によれば、ロータリ耕耘装置の
耕深設定位置にかかわらず、常に安定した良好な耕耘状
態を得られるようになった。
【0016】本第4発明によれば、ロータリ耕耘装置の
耕深設定位置にかかわりなく、より精度のよい好適な時
点での上昇速度の変更を行えるようになるので、強制昇
降制御手段の制御作動によるロータリ耕耘装置の上昇操
作をより一層迅速に行えるとともに、より一層良好な耕
耘状態を得られるようになった。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0018】図1には、乗用型耕耘機の全体側面が示さ
れており、この乗用型耕耘機は、農用トラクタを構成す
る乗用型走行機体1の後部に三点リンク機構2を介して
ロータリ耕耘装置3を昇降自在に連結することによって
構成されている。走行機体1の後部には、リフトシリン
ダ4の作動により横軸芯周りに上下揺動する左右一対の
リフトアーム5を上部に備えたミッションケース6が配
設されている。ミッションケース6の背面には、動力取
り出し用のPTO軸7が後方に向けて突設されている。
三点リンク機構2は、ミッションケース6の下部に枢支
された左右一対のロアーリンク2A、および、左右一対
のロアーリンク2Aの上部中央に配設されたトップリン
ク2B、などによって構成されている。リフトアーム5
の揺動端とロアーリンク2Aの中間部とはリフトロッド
8で連結されている。つまり、ロータリ耕耘装置3は、
リフトロッド8を介してリフトアーム5に吊り下げ支持
されており、リフトシリンダ4の作動により昇降するよ
うになっている。
【0019】ロータリ耕耘装置3は、PTO軸7に伝動
軸9を介して伝動連結されるベベルギア機構(図示せ
ず)が内装されたギアケース10、ベベルギア機構に伝
動連結される中継伝動軸(図示せず)が内装された横フ
レーム11、中継伝動軸に伝動連結されるチェーン式伝
動機構(図示せず)が内装された伝動ケース12、複数
の耕耘爪13aを備えた耕耘ロータリ13、耕耘ロータ
リ13の上方を覆うロータリカバー14、および、ロー
タリカバー14の後端に耕耘ロータリ13の後方を覆う
状態で横軸芯周りに上下揺動自在に枢支された後カバー
15、などによって構成されている。つまり、ロータリ
耕耘装置3は、PTO軸7によって取り出されたエンジ
ンEからの動力が、伝動軸9、ベベルギア機構、中継伝
動軸、および、チェーン式伝動機構を介して耕耘ロータ
リ13へ伝達され、耕耘ロータリ13が横軸芯周りに回
転駆動されることによって、耕耘作業を行えるようにな
っている。
【0020】図1に示すように、走行機体1の操縦部に
装備された運転座席16の右側部には、走行機体1に対
するロータリ耕耘装置3の目標高さ、つまり、目標対機
体高さを人為設定するためのコントロールレバー17が
前後揺動自在に備えられている。図2に示すように、コ
ントロールレバー17の枢支部には、コントロールレバ
ー17の操作角を検出するポテンショメータからなるレ
バーセンサS1が備えられている。レバーセンサS1
は、検出したコントロールレバー17の操作角をロータ
リ耕耘装置3の目標対機体高さとして、走行機体1に搭
載されたマイクロコンピュータを備えた制御装置18へ
出力するようになっている。一方、リフトアーム5の揺
動支点には、走行機体1に対するリフトアーム5の操作
角を検出するポテンショメータからなるアームセンサS
2が備えられている。アームセンサS2は、検出したリ
フトアーム5の操作角をロータリ耕耘装置3の対機体高
さとして制御装置18へ出力するようになっている。制
御装置18は、レバーセンサS1から出力されたロータ
リ耕耘装置3の目標対機体高さとアームセンサS2から
出力されたロータリ耕耘装置3の対機体高さとが一致す
るように、リフトシリンダ4に対する作動油の流通状態
を切り換える電磁制御弁19の作動を制御するようにな
っている。つまり、制御装置18には、コントロールレ
バー17の操作により人為設定された任意の目標対機体
高さに基づいて、ロータリ耕耘装置3の昇降を制御する
ポジション制御手段18Aが制御プログラムとして備え
られている。そして、ポジション制御手段18Aによる
制御作動を実行させることによって、ロータリ耕耘装置
3をコントロールレバー17の操作により設定された任
意の対機体高さに保持できるようになっている。
【0021】図1に示すように、運転座席16の右側部
には操作ボックス20が配設されている。操作ボックス
20には、ロータリ耕耘装置3の目標対地高さ(耕深設
定位置)を人為設定するために操作される耕深設定手段
としての耕深設定器21が装備されている。図2に示す
ように、耕深設定器21は、ポテンショメータからなる
ダイヤル式に構成されており、その操作角をロータリ耕
耘装置3の目標対地高さとして制御装置18へ出力する
ようになっている。一方、ロータリ耕耘装置3のロータ
リカバー14には、ロータリカバー14に対する後カバ
ー15の揺動角を検出するポテンショメータからなるカ
バーセンサS3が備えられている。カバーセンサS3
は、検出した後カバー15の揺動角をロータリ耕耘装置
3の対地高さとして制御装置18へ出力するようになっ
ている。つまり、カバーセンサS3は、ロータリ耕耘装
置3の対地高さを検出情報として検出する対地高さ検出
手段として機能するようになっている。制御装置18
は、耕深設定器21から出力されたロータリ耕耘装置3
の目標対地高さとカバーセンサS3から出力されたロー
タリ耕耘装置3の対地高さとが一致するように、リフト
シリンダ4に対する作動油の流通状態を切り換える電磁
制御弁19の作動を制御するようになっている。つま
り、制御装置18には、耕深設定器21の操作により人
為設定された任意の目標対地高さに基づいて、ロータリ
耕耘装置3の昇降を制御する自動耕深制御手段18Bが
制御プログラムとして備えられている。そして、自動耕
深制御手段18Bによる制御作動を実行させることによ
って、耕耘作業時に常に一定の耕深が得られるようにな
っている。
【0022】図2に示すように、操作ボックス20に
は、制御装置18の実行する制御モードを「通常モー
ド」と「自動モード」のいずれかに切り換えるモード設
定器22が装備されている。モード設定器22は、二位
置切り換え式に構成されたダイヤル型のスイッチからな
り、その操作位置に応じた制御モードの実行を制御装置
18へ指令するようになっている。制御装置18は、モ
ード設定器22が「通常モード」に設定されている場合
にはポジション制御手段18Aによる制御作動を実行
し、「自動モード」に設定されている場合には自動耕深
制御手段18Bによる制御作動を実行するようになって
いる。つまり、制御装置18には、モード設定器22の
設定位置に基づいて実行モードを切り換える実行モード
切換手段18Cが制御プログラムとして備えられてい
る。
【0023】図1に示すように、走行機体1の操縦部に
備えられたステアリングハンドル23の左下側には、二
位置切り換え式の昇降指令スイッチ24を切り換え操作
する操作レバー25が備えられている。図2に示すよう
に、モード設定器22が「自動モード」に設定されてい
る状態において、操作レバー25を上向き姿勢に切り換
えると、ロータリ耕耘装置3を上昇させる上昇指令が昇
降指令スイッチ24から制御装置18へ指令されるよう
になっている。また、操作レバー25を下向き姿勢に切
り換えると、ロータリ耕耘装置3を下降させる下降指令
が昇降指令スイッチ24から制御装置18へ指令される
ようになっている。制御装置18は、昇降指令スイッチ
24から上昇指令が指令されると、自動耕深制御手段1
8Bの制御作動に優先してリフトシリンダ4に対する作
動油の流通状態を切り換える電磁制御弁19の作動を制
御し、ロータリ耕耘装置3を所定の上昇限界位置まで強
制的に上昇させるようになっている。また、昇降指令ス
イッチ24から下降指令が指令されると、リフトシリン
ダ4に対する作動油の流通状態を切り換える電磁制御弁
19の作動を制御して、耕深設定器21により人為設定
された目標対地高さ(耕深設定位置)までロータリ耕耘
装置3を下降させるようになっている。つまり、制御装
置18には、昇降指令スイッチ24からの昇降指令に基
づいて、自動耕深制御手段18Bの制御作動に優先して
ロータリ耕耘装置3を昇降させる強制昇降制御手段18
Dが制御プログラムとして備えられている。そして、操
作レバー25の操作により、強制昇降制御手段18Dに
よる制御作動を実行させることによって、耕耘作業中の
枕地旋回時におけるロータリ耕耘装置3の耕深設定位置
と上昇限界位置とにわたる昇降を迅速に行えるようにな
っている。
【0024】図2に示すように、制御装置18には、強
制昇降制御手段18Dの制御作動によりロータリ耕耘装
置3を耕深設定位置から上昇限界位置まで強制的に上昇
させる場合におけるロータリ耕耘装置3の上昇速度を、
図3に示すようにカバーセンサS3からの検出情報に基
づいて調節する上昇速度制御手段18Eが制御プログラ
ムとして備えられている。詳述すると、上昇速度制御手
段18Eは、耕深設定器21により設定された耕深設定
位置にかかわらず、カバーセンサS3により後カバー1
5が吊り下がり姿勢でない(後カバー15が接地状態で
ある)ことが検出されている場合には、リフトシリンダ
4に対する作動油の流通状態を切り換える電磁制御弁1
9の作動を制御するパルス信号のデューティサイクルを
小さくすることによってロータリ耕耘装置3の上昇速度
を遅くし、また、カバーセンサS3により後カバー15
が吊り下がり姿勢である(後カバー15が非接地状態で
ある)ことが検出されている場合には、電磁制御弁19
の作動を制御するパルス信号のデューティサイクルを大
きくすることによってロータリ耕耘装置3の上昇速度を
速くするように構成されている。つまり、上昇速度制御
手段18Eは、ロータリ耕耘装置3の移動範囲における
前半側(ロータリ耕耘装置3の耕耘爪13aが土中に入
り込んで土壌を耕す状態となる側)においては、走行機
体1の前進方向への走行とともにロータリ耕耘装置3を
遅い速度で徐々に上昇させ、ロータリ耕耘装置3の移動
範囲における後半側(ロータリ耕耘装置3の耕耘爪13
aが土壌より離間する状態となる側)においては、ロー
タリ耕耘装置が土壌より離間した時点から上昇限界位置
までロータリ耕耘装置3を速い速度で一挙に上昇させる
ようになっている。これによって、ロータリ耕耘装置3
を耕深設定位置から上昇限界位置まで一定の速い速度で
一挙に上昇させた場合に生じる、その上昇操作が開始さ
れた土壌部分の土がロータリ耕耘装置3によって後方に
跳ね飛ばされたまま覆土されずに大きな穴が形成される
といった不都合を解消しながらも、ロータリ耕耘装置3
の上昇操作を迅速に行えるようになっている。
【0025】〔別実施例〕以下、本発明の別実施例を列
記する。 上昇速度制御手段18Eとしては、図4に示すよう
に、ロータリ耕耘装置3を、その上昇開始時点から予め
設定された所定の対機体高さHがアームセンサS2によ
り検出されるまでの間(移動範囲における前半側)を遅
い速度で上昇させ、その検出後から上昇限界位置までの
間(移動範囲における後半側)を速い速度で上昇させる
ように構成したものであってもよい。 上昇速度制御手段18Eとしては、図5の(イ)に
示すように、耕深設定位置にかかわらず、ロータリ耕耘
装置3を、その上昇開始時点から予め設定された所定対
地距離Lの上昇がアームセンサS2により検出されるま
での間(移動範囲における前半側)を遅い速度で上昇さ
せ、その検出後から上昇限界位置までの間(移動範囲に
おける後半側)を速い速度で上昇させるように構成した
ものであってもよい。また、図5の(ロ)に示すよう
に、耕深設定位置に応じて所定対地距離Lを変更するよ
うに構成したものであってもよい。 上昇速度制御手段18Eとしては、図6の(イ)に
示すように、耕深設定位置にかかわらず、ロータリ耕耘
装置3を、その上昇開始時点から予め設定された所定時
間Tが経過するまでの間(移動範囲における前半側)を
遅い速度で上昇させ、その所定時間後から上昇限界位置
までの間(移動範囲における後半側)を速い速度で上昇
させるように構成したものであってもよい。また、図6
の(ロ)に示すように、耕深設定位置に応じて所定時間
Tを変更するように構成したものであってもよい。 上昇速度制御手段18Eとしては、図7のに示すよ
うに、耕深設定位置が深いほど、ロータリ耕耘装置3の
移動範囲における前半側の上昇速度を速くするように構
成したものであってもよい。
【0026】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型耕耘機の全体側面図
【図2】乗用型耕耘機の制御構成を示すブロック図
【図3】ロータリ耕耘装置の上昇速度の変化を示す図
【図4】別実施例におけるロータリ耕耘装置の上昇速度
の変化を示す図
【図5】別実施例におけるロータリ耕耘装置の上昇速度
の変化を示す図
【図6】別実施例におけるロータリ耕耘装置の上昇速度
の変化を示す図
【図7】別実施例におけるロータリ耕耘装置の上昇速度
の変化を示す図
【符号の説明】
1 走行機体 3 ロータリ耕耘装置 15 後カバー 18B 自動耕深制御手段 18D 強制昇降制御手段 18E 上昇速度制御手段 21 耕深設定手段 24 昇降指令スイッチ S3 対地高さ検出手段(カバーセンサ)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体(1)に対して駆動昇降自在に
    連結されたロータリ耕耘装置(3)の対地高さを検出す
    る対地高さ検出手段(S3)からの検出情報に基づい
    て、該検出情報と、耕深設定手段(21)により予め設
    定された前記ロータリ耕耘装置(3)の目標対地高さと
    が一致するように、前記ロータリ耕耘装置(3)を昇降
    させる自動耕深制御手段(18B)と、 昇降指令スイッチ(24)からの上昇指令に基づいて、
    前記自動耕深制御手段(18B)の制御作動に優先して
    前記ロータリ耕耘装置(3)を所定の上昇限界位置まで
    強制的に上昇させる強制昇降制御手段(18D)とを備
    えた耕耘機の制御装置であって、 前記強制昇降制御手段(18D)の制御作動による前記
    ロータリ耕耘装置(3)の強制上昇時における前記ロー
    タリ耕耘装置(3)の上昇速度を、その移動範囲におけ
    る前半側が遅く、後半側が速くなるように調節する上昇
    速度制御手段(18E)を備えてある耕耘機の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記上昇速度制御手段(18E)が、前
    記ロータリ耕耘装置(3)の耕深設定位置に応じて、そ
    の制御作動による上昇速度の変化点を変更するように構
    成してある請求項1記載の耕耘機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記上昇速度制御手段(18E)が、前
    記ロータリ耕耘装置(3)の耕深設定位置が深いほど前
    記ロータリ耕耘装置(3)を遅い速度で上昇させる時間
    が長くなるように、その制御作動による上昇速度の変化
    点を変更するように構成してある請求項1記載の耕耘機
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 走行機体(1)に対して駆動昇降自在に
    連結されたロータリ耕耘装置(3)における後カバー
    (15)の姿勢から前記ロータリ耕耘装置(3)の対地
    高さを検出するカバーセンサ(S3)からの検出情報に
    基づいて、該検出情報と、耕深設定手段(21)により
    予め設定された前記ロータリ耕耘装置(3)の目標対地
    高さとが一致するように、前記ロータリ耕耘装置(3)
    を昇降させる自動耕深制御手段(18B)と、 昇降指令スイッチ(24)からの上昇指令に基づいて、
    前記自動耕深制御手段(18B)の制御作動に優先して
    前記ロータリ耕耘装置(3)を所定の上昇限界位置まで
    強制的に上昇させる強制昇降制御手段(18D)とを備
    えた耕耘機の制御装置であって、 前記強制昇降制御手段(18D)の制御作動による前記
    ロータリ耕耘装置(3)の強制上昇時における前記ロー
    タリ耕耘装置(3)の上昇速度を、前記カバーセンサ
    (S3)により前記後カバー(15)が吊り下がり姿勢
    でないことが検出されると遅くし、前記カバーセンサ
    (S3)により前記後カバー(15)が吊り下がり姿勢
    であることが検出されると速くする上昇速度制御手段
    (18E)を備えた耕耘機の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008278840A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Kubota Corp 作業車
JP2015198621A (ja) * 2014-04-09 2015-11-12 株式会社デンソー 農作業機制御装置
JP2020080731A (ja) * 2018-11-26 2020-06-04 株式会社クボタ 除草作業機
CN114531986A (zh) * 2022-03-03 2022-05-27 星光农机股份有限公司 一种田间作业机具的耕深控制方法及装置

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