JPH0855702A - 発熱体組成物 - Google Patents

発熱体組成物

Info

Publication number
JPH0855702A
JPH0855702A JP6254462A JP25446294A JPH0855702A JP H0855702 A JPH0855702 A JP H0855702A JP 6254462 A JP6254462 A JP 6254462A JP 25446294 A JP25446294 A JP 25446294A JP H0855702 A JPH0855702 A JP H0855702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
heating element
element composition
glass frit
heater
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6254462A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3610100B2 (ja
Inventor
Yoshinori Tanigami
嘉規 谷上
Takehiro Tabata
雄広 多葉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamamura Glass KK
Original Assignee
Yamamura Glass KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/216,615 external-priority patent/US5470506A/en
Application filed by Yamamura Glass KK filed Critical Yamamura Glass KK
Publication of JPH0855702A publication Critical patent/JPH0855702A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3610100B2 publication Critical patent/JP3610100B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Resistance Heating (AREA)
  • Non-Adjustable Resistors (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】ケイ化ニッケルとケイ化モリブデンからなる導
電物質粉末60〜75重量%とガラスフリット40〜2
5重量%の混合物に、その合計量に対して0.1〜12
重量%の金属粉末を加えた発熱体組成物であり、導電物
質粉末とガラスフリットの合計量の内、ケイ化ニッケル
が1〜22重量%である発熱体組成物。 【効果】少なくとも窒素雰囲気中で1000℃以下の低
温焼成で1Ω/sq.以下の低抵抗のヒ−タ−が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家庭または産業界で使
用可能な、電気抵抗熱を利用したヒーターを作製するた
めの発熱体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】特開昭53−59893号
公報、特開昭53−59894号公報、特開昭55−7
2001号公報には金属ケイ化物を導電物質とするグレ
ーズ抵抗体が、特公昭61−27866号公報には金属
ケイ化物を導電物質とするグレーズヒーターが開示され
ている。これらのグレーズ抵抗体またはグレーズヒータ
ーについては850℃程度の低温、空気中で焼成された
例も記載されているが、いずれも抵抗値が高い。
【0003】また、特開平4−96201号公報には、
導電物質粉末とガラスフリットと金属酸化物粉末および
/または金属粉末から構成された発熱体組成物が開示さ
れている。しかし、この組成物は窒素雰囲気中で105
0℃という高温で焼成しなければ、低抵抗のヒーターを
作製することは不可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に導電物質粉末と
ガラスフリットとを混合し、これにバインダーを混ぜて
ペーストとし、スクリーン印刷法で所定パターンに印刷
し、乾燥、焼成して形成する発熱体、いわゆるグレーズ
発熱体から構成されるセラミックヒーターにおいては、
その機能を十分に発揮するための重要な要素として、低
い抵抗値が要求される。
【0005】なぜなら、抵抗値が低くなれば、そのヒー
ターの厚みを薄くできることによって、ヒーターの均一
な発熱のために必要な任意のパターンに形成できる。
【0006】従来の発熱体組成物は低抵抗のヒータが得
られないか、得られるとしても、窒素雰囲気中で高温焼
成する必要があり、コストアップが課題となっていた。
そこで本発明は、より低い焼成温度(1000℃以下)
で1Ω/sq.以下の低抵抗のヒータを窒素雰囲気中焼
成のみならず、より低コストの空気中焼成でも作製する
ことができる発熱体組成物を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題をふ
まえた上で開発された発熱体組成物およびこれを焼成し
て得られるヒーターに関する。すなわち本発明の発熱体
組成物はケイ化ニッケルとケイ化モリブデンからなる導
電物質粉末60〜75重量%とガラスフリット40〜2
5重量%の混合物(計100重量%)に、その合計量に
対して0.1〜12重量%の金属粉末を加えたものであ
って、前記導電物質粉末とガラスフリットの合計量の
内、ケイ化ニッケルが1〜22重量%であることを第1
の特徴とし、ケイ化ニッケルが5〜22重量%であるこ
とを第2の特徴とする。
【0008】また、本発明の発熱体組成物は上記第1ま
たは第2の特徴に加え、金属粉末がニッケル、銀、銅、
鉄およびこれらを主成分とする合金から選ばれた少なく
とも一種であることを第3の特徴とする。
【0009】また、本発明の発熱体組成物は上記第1乃
至第3のいずれかの特徴に加え、金属粉末がニッケルで
あることを第4の特徴とする。
【0010】また、本発明の発熱体組成物は上記第1乃
至第4のいずれかの特徴に加え、ケイ化ニッケルとケイ
化モリブデンからなる導電物質粉末とガラスフリットの
合計量の内、ケイ化ニッケルが8〜18重量%であるこ
とを第5の特徴とする。
【0011】また、本発明の発熱体組成物は上記第1乃
至第5のいずれかの特徴に加え、ケイ化ニッケルとケイ
化モリブデンからなる導電物質粉末が64〜72重量
%、ガラスフリットが36〜28重量%であることを第
6の特徴とする。
【0012】また、本発明の発熱体組成物は上記第1乃
至第6のいずれかの特徴に加え、ケイ化ニッケルとケイ
化モリブデンからなる導電物質粉末とガラスフリットの
合計量に対して0.5〜6重量%の金属粉末を加えるこ
とを第7の特徴とする。
【0013】また、本発明の発熱体組成物は上記第1乃
至第7のいずれかの特徴に加え、ガラスフリットが酸化
物の重量%表示で: MIIO : 5〜50% B2 3 :20〜80% MIII 2 3 : 0〜10% MI 2 O : 0〜 5% SiO2 : 0〜40% Al2 3 : 0〜40% Bi2 3 : 0〜10% 核形成剤 : 0〜20% (但し、MI は一種以上のアルカリ金属、MIIはMg、
Ca、Sr、Baから選ばれた一種以上のアルカリ土類
金属、MIII はSc,Yおよびランタニドから選ばれた
一種以上の金属、核形成剤はTiO2 、ZrO2 、P2
5 、SnO2 、ZnO、MoO3 、Ta2 5 、Nb
2 5 、As2 3 から選ばれた少なくとも一種)の組
成を有することを第8の特徴とする。
【0014】また、本発明の発熱体組成物は上記第1乃
至第8のいずれかの特徴に加え、ガラスフリットが酸化
物の重量%表示で: MIIO : 5〜50% B2 3 :20〜80% MIII 2 3 : 0〜10% MI 2 O : 0〜 5% SiO2 : 0〜40% Al2 3 : 0〜40% Bi2 3 : 0〜10% TiO2 : 5〜20% 核形成剤 : 0〜20% (但し、MI は一種以上のアルカリ金属、MIIはMg、
Ca、Sr、Baから選ばれた一種以上のアルカリ土類
金属、MIII はSc,Yおよびランタニドから選ばれた
一種以上の金属、核形成剤はZrO2 、P2 5 、Sn
2 、ZnO、MoO3 、Ta2 5 、Nb2 5 、A
2 3 から選ばれた少なくとも一種)の組成を有する
ことを第9の特徴とする。
【0015】また、本発明の発熱体組成物は上記第1乃
至第9のいずれかの特徴に加え、ガラスフリットが酸化
物の重量%表示で: MIIO :25〜45% B2 3 :20〜60% MIII 2 3 : 0〜 5% MI 2 O : 0〜 5% SiO2 : 2〜10% Al2 3 : 2〜10% Bi2 3 : 0〜10% TiO2 : 8〜17% 核形成剤 : 0〜20% (但し、MI は一種以上のアルカリ金属、MIIはMg、
Ca、Sr、Baから選ばれた一種以上のアルカリ土類
金属、MIII はSc,Yおよびランタニドから選ばれた
一種以上の金属、核形成剤はZrO2 、P2 5 、Sn
2 、ZnO、MoO3 、Ta2 5 、Nb2 5 、A
2 3 から選ばれた少なくとも一種)の組成を有する
ことを第10の特徴とする。
【0016】さらに、本発明は上記第1乃至第10のい
ずれかの特徴に加え、上記組成物を成形した後、窒素雰
囲気中で焼成して作製されたヒーターであることを第1
1の特徴とする。また本発明は上記第2乃至第10のい
ずれかの特徴に加え、上記組成物を成形した後、空気中
で焼成して作製されたヒーターであることを第12の特
徴とする。
【0017】上記の発熱体組成物において、導電物質粉
末としてケイ化ニッケルとケイ化モリブデンを組合せて
用いる。ケイ化ニッケルの融点は993℃であり、ケイ
化モリブデンの2020℃より低いので、比較的低い焼
成温度でヒーターを作製することができる。さらに図1
に示すように、ケイ化ニッケルはケイ化モリブデンに比
べて酸化されにくいので、ケイ化ニッケルとケイ化モリ
ブデンを組合せて用いると、空気中焼成でさえそれほど
ヒーターの抵抗を増大させることなく本発明の発熱体組
成物を焼結させることができる。しかしながら、ケイ化
ニッケルの比抵抗はケイ化モリブデンのそれよりも高い
ので、得られたヒーターの抵抗は十分低くはならない。
この問題は、ケイ化ニッケルとケイ化モリブデンからな
る導電物質粉末に、得られたヒーターの抵抗を低下させ
る作用をもつ金属粉末、好ましくは、ニッケル、銀、
銅、鉄およびこれらを主成分とする合金から選ばれた少
なくとも一種の金属粉末を、さらに好ましくはニッケル
粉末を添加することにより解決することができる。
【0018】一方、これらの金属および合金の融点は総
じてケイ化モリブデンの融点より低い。また、これらの
金属および合金はケイ化モリブデンより酸化されにく
い。従ってケイ化ニッケルとケイ化モリブデンからなる
導電物質粉末と、ニッケル、銀、銅、鉄およびこれらを
主成分とする合金から選ばれた少なくとも一種の金属粉
末と、ガラスフリットとを好ましい比率で混合すると、
その発熱体組成物からは空気中焼成でさえ焼成温度を上
げることなく十分低い抵抗値を持ったヒーターを作製す
ることができる。
【0019】金属粉末としてニッケル粉末を用いると焼
結性が良く、最も好ましいヒ―タ―を作製成することが
できる。
【0020】ケイ化ニッケルとケイ化モリブデンからな
る導電物質粉末、およびガラスフリットの合計量(計1
00重量%)の内、ケイ化ニッケルが1重量%未満では
得られたヒ−タ−の抵抗値は窒素雰囲気中焼成ですら高
くなる。また、ケイ化ニッケルが1重量%以上5重量%
未満では、窒素雰囲気中で焼成して得られたヒ−タ−の
抵抗値はそれ程高くはないが、空気中で焼成して得られ
たヒ−タ−の抵抗値は1重量%未満の場合と同様極端に
高い。また、ケイ化ニッケルが22重量%を越えると、
空気中はもちろん、窒素雰囲気中で焼成しても、得られ
たヒ−タ−の抵抗値は高くなる。ケイ化ニッケルの量は
8〜18重量%であることがより好ましい。
【0021】ケイ化ニッケルとケイ化モリブデンからな
る導電物質粉末は60〜75重量%で、これに対応しガ
ラスフリットは40〜25重量%で用いられる。上記導
電物質粉末の合計量が60重量%未満では、ヒ−ターの
抵抗値は低くならない。逆に導電物質粉末の合計量が7
5重量%を越えると、ヒ−ターの抵抗値が低くならない
ばかりか、耐ヒ−トサイクル性(昇温・降温の繰り返し
に対する耐熱衝撃性)も劣化する。導電物質粉末の合計
量は64〜72重量%、ガラスフリットは36〜28重
量%とすることがより好ましい。
【0022】ケイ化ニッケルとケイ化モリブデンからな
る導電物質粉末およびガラスフリットの合計量(計10
0重量%)に対して金属粉末の添加量が0.1重量%未
満では、得られたヒ−ターの抵抗値は低くならない。ま
た、金属粉末の添加量が12重量%を越えると抵抗値は
増大する。更に、この場合には得られたヒ−タ−の熱膨
張係数が大きくなり、その結果基板の熱膨張係数との差
が大きくなるので耐ヒ−トサイクル性が劣化する。金属
粉末の添加量は0.5〜6重量%であることがより好ま
しい。
【0023】ガラスフリットとしては、本願出願人の特
開平2−283001号公報および特開平4−9620
1号公報に開示されている下記の組成のガラスを用い
る。すなわち、酸化物の重量%表示で; MIIO : 5〜50% B2 3 :20〜80% MIII 2 3 : 0〜10% MI 2 O : 0〜 5% SiO2 : 0〜40% Al2 3 : 0〜40% Bi2 3 : 0〜10% 核形成剤 : 0〜20% (但し、MI は一種以上のアルカリ金属、MIIはMg、
Ca、Sr、Baから選ばれた一種以上のアルカリ土類
金属、MIII はSc,Yおよびランタニドから選ばれた
一種以上の金属、核形成剤はTiO2 、ZrO2 、P2
5 、SnO2 、ZnO、MoO3 、Ta2 5 、Nb
2 5 、As2 3 から選ばれた少なくとも一種)であ
る。
【0024】好ましくは、上記組成のガラスにさらにT
iO2 を必須成分として含有させた下記組成のものを用
いる。すなわち、本発明の発熱体組成物に好適なガラス
フリットの組成は酸化物の重量%表示で; MIIO : 5〜50% B2 3 :20〜80% MIII 2 3 : 0〜10% MI 2 O : 0〜 5% SiO2 : 0〜40% Al2 3 : 0〜40% Bi2 3 : 0〜10% TiO2 : 5〜20% 核形成剤 : 0〜20% (但し、MI は一種以上のアルカリ金属、MIIはMg、
Ca、Sr、Baから選ばれた一種以上のアルカリ土類
金属、MIII はSc,Yおよびランタニドから選ばれた
一種以上の金属、核形成剤はZrO2 、P2 5 、Sn
2 、ZnO、MoO3 、Ta2 5 、Nb2 5 、A
2 3 から選ばれた少なくとも一種)である。
【0025】また,より好ましいガラスフリットの組成
は酸化物の重量%表示で; MIIO :25〜45% B2 3 :20〜60% MIII 2 3 : 0〜 5% MI 2 O : 0〜 5% SiO2 : 2〜10% Al2 3 : 2〜10% Bi2 3 : 0〜10% TiO2 : 8〜17% 核形成剤 : 0〜20% (但し、MI は一種以上のアルカリ金属、MIIはMg、
Ca、Sr、Baから選ばれた一種以上のアルカリ土類
金属、MIII はSc,Yおよびランタニドから選ばれた
一種以上の金属、核形成剤はZrO2 、P2 5 、Sn
2 、ZnO、MoO3 、Ta2 5 、Nb2 5 、A
2 3 から選ばれた少なくとも一種)である。
【0026】上記組成および含有量の限定理由は、以下
の通りである。MIIOはMg、Ca、Sr、Baなどの
一種以上のアルカリ土類金属の酸化物であり、B2 3
と共に必須の成分である。MIIOが5重量%未満では、
硼酸主体のガラスとなり、ガラス溶融工程中に分相を生
じ、均質なガラスが得られない。また、MIIOが50重
量%を越えると、ガラス中のB2 3 が相対的に減少す
るため、導電物質と混合して得られた発熱体組成物から
得られたヒーターの抵抗値が高くなると共に、ガラス化
も困難になる。このMIIOは、25〜45重量%がさら
に好ましい。
【0027】B2 3 は、ヒーターにした時の抵抗値に
大きな影響を及ぼす成分である。すなわち、20重量%
未満では、ヒーターの抵抗値が高くなり、80重量%を
越えると、ガラス溶融工程中に分相を生じ、均質なガラ
スが得られない。20〜80重量%の範囲内では、B2
3 の量の増加と共に抵抗値が低下する。このB2 3
は、20〜60重量%がさらに好ましい。
【0028】MIII 2 3 は、Sc(スカンジウム)、
Y(イットリウム)及び/又はランタニドの酸化物であ
り、ヒーターと基板との密着強度を上げるために加えて
もよいが、10重量%を越えてもその効果がそれ以上良
くならないため、0〜10重量%とする。このMIII 2
3 は0〜5重量%が好ましく、1〜5重量%がさらに
好ましい。尚、本明細書中のランタニドは、ランタン
(La)からルテチウム(Lu)までの元素の総称であ
る。
【0029】MI 2 Oは、Li、Na、K、Rb、Cs
等の一種以上のアルカリ金属の酸化物であり、5重量%
を超えるとそのガラスを導電物質粉末および金属粉末と
混合し、焼結させて得たヒーターを使用した時、アルカ
リイオンの移動による抵抗値の変化を生じるため、せい
ぜい5重量%であり、0重量%が最も好ましい。しか
し、実際にはガラス原料中に約0.1%以内の量で不純
物として含まれる。
【0030】SiO2 は、安定なガラスを得るために適
量添加してもよいが、40重量%を超えると相対的にB
2 3 が少なくなり、上述したヒーターの抵抗値が高く
なるので、好ましくない。このSiO2 は、2〜10重
量%がさらに好ましい。
【0031】Al2 3 も、SiO2 と同様、安定なガ
ラスを得るために適量添加してもよいが、40重量%を
越えると、相対的にB2 3 が少なくなり、好ましくな
い。このAl2 3 は、2〜10重量%がさらに好まし
い。
【0032】Bi2 3 は、ヒーターの基板への密着性
向上及び低抵抗化のために適量添加してもよいが、10
重量%を越えると、ガラスの物性が大きく変動するため
好ましくない。このBi2 3 は、1〜10重量%がよ
り好ましい。また5〜10重量%がさらに好ましい。
【0033】TiO2 、ZrO2 、P2 5 、Sn
2 、ZnO、MoO3 、Ta2 5 、Nb2 5 、A
2 3 の少なくとも一種又は二種以上は、いずれも結
晶相形成が必要な場合、結晶核形成剤として添加され
る。通常、ガラス中のこれら核形成剤の含有量は、20
重量%以下である。尚、結晶相形成が必要な場合であっ
てもこの結晶核形成剤は、ガラスの組成を適当に選択す
ることにより、ガラスの結晶化が得られれば、必ずしも
添加する必要はない。ガラスの結晶化が得られると、ヒ
ーターの耐熱性や靭性が増し、クラック耐性も向上す
る。
【0034】TiO2 は、核形成剤としての作用の他
に、ガラスの必須構成成分とすると、以下の効果を有す
る。もっとも、このときTiO2 が核形成剤として十分
機能しない場合もある。ガラスの必須構成成分としてT
iO2 を含有させると、5〜8重量%付近で、TiO2
を含有しないガラスと比べ、得られたヒーターの抵抗値
を大幅に低下させることができる。また、ガラスの必須
構成成分としてTiO2 を含有させることにより耐ヒー
トサイクル性も改善される。ガラスフリット中のTiO
2 が20重量%を越えると、ガラス溶融プロセスが困難
となる。ガラスフリット中のTiO2 量はその効果およ
び経済性のバランスを考慮すると5〜20重量%である
ことが好ましく、8〜17重量%であることがより好ま
しい。8〜17重量%の範囲にすると、溶融コストおよ
び溶融プロセスにおいて直面する困難を最小にすること
ができる。
【0035】なお、本発明のガラスフリットは結晶性で
あることが好ましいが非晶質のものも使用できる。すな
わち、上記組成範囲に属するものであれば結晶性ガラス
フリットでも非晶質ガラスフリットでも良い。ここで結
晶性ガラスとは熱処理により結晶が析出するガラスであ
り、非晶質ガラスとは熱処理しても実質的に結晶が析出
しないガラスである。
【0036】図2に、本発明の発熱体組成物を基板3上
に施した後、焼成して得られたヒーター1とその上に施
したオ−バ−コ−ト層2を示す。発熱体組成物を基板3
上に施し、それを高温の炉に入れ、発熱体組成物の成分
材料が十分焼結するのに必要な時間焼成し、ヒーター1
を得る。また、焼結後のヒーター1上にガラスオーバー
コート層2を施すことにより、ヒーター1の保護がなさ
れ、漏電防止能が付与される。このガラスオーバーコー
ト層はフリットとしてペーストの形態でヒ−タ−1上に
施される。これを高温の炉に入れオーバーコート層のフ
リットを焼結させ、ガラスオーバーコート層2を得る。
このようにして作製されたヒーターは60℃、95%R
H中1,000時間放置しても抵抗の変化はみられず、
より良好なヒーターが得られることがわかった。
【0037】ガラスオーバーコート層2を施すために使
用するガラスはヒーター1と熱膨張係数が合致したもの
で、ヒーター1と反応しないガラスが望ましい。オーバ
ーコートの方法は発熱体組成物と反応しないガラス組成
を選択することにより、発熱体組成物との同時焼成も可
能であり、この場合、オーバーコートすることによる性
能上の低下はみられない。
【0038】本発明の発熱体組成物をペーストの形態で
基板3上に印刷し、その後焼成によりヒーター1を作製
してもよい。また、ペーストをグリーンシート上に印刷
し、一層もしくは積層して焼成してもよい。
【0039】さらに、発熱体組成物をプレス成形して焼
結させたり、このプレス成形体をセラミック粉末に埋め
込んで焼結させてもよい。また発熱体組成物を棒状に成
形して焼結させることも可能である。このように、本発
明の発熱体組成物の適用方法は、以下の実施例に記した
適用方法に限定されない。
【0040】
【作用効果】本発明の発熱体組成物はケイ化ニッケルと
ケイ化モリブデンからなる導電物質粉末60〜75重量
%と、ガラスフリット40〜25重量%の混合物に、そ
の合計量に対して0.1〜12重量%の金属粉末を添加
剤として加えた構成であって、かつ導電物質粉末とガラ
スフリットの合計量の内、ケイ化ニッケルを1〜22重
量%としたので、低抵抗のヒ―タ―が得られた。またケ
イ化ニッケルを5〜22重量%としたので、窒素雰囲気
中のみならず、より低コストの空気中でも1000℃以
下の低温焼成で1Ω/sq.以下の低抵抗のヒーターが
得られた。
【0041】また、本発明の発熱体組成物から得られた
ヒーターは低抵抗であるため均一な発熱が可能となり、
任意の形状の発熱パターンを持った厚みの薄いヒーター
が形成可能となった。さらに、本発明の発熱体組成物か
ら得られたヒーターは上記のような構成としたので、均
一な発熱が可能となるとともに基板との整合性が良くな
り、耐ヒートサイクル性、耐熱衝撃性が改善された。
【0042】
【実施例および比較例】酸化物の重量%表示でMgO:
1.9%、CaO:3.3%、BaO:31.4%、B
2 3 :40.4%、SiO2 :4.4%、Al
2 3 :6.7%、TiO2 :11.9%の組成になる
ように、それぞれ炭酸塩、水酸化物、酸化物などの原料
を選択し、調合し、1,350℃で60分間溶融後、双
ロールで急冷し、ガラスフレークを作製した。得られた
ガラスフレークをボールミルで6時間粉砕し、平均粒径
2〜3μmの結晶性ガラスフリットを得た。
【0043】このガラスフリットと、平均粒径約3μm
のケイ化モリブデン粉末、平均粒径約3μmのケイ化ニ
ッケル粉末、平均粒径約3μmの金属粉末とを十分混合
した。表1のNo.2〜8、11〜13、16〜19お
よび21〜25は本発明の組成物であり、No.1、
9、10、14、15、20は本発明外の組成物(比較
例)である。上記の組成の各々の組成物を、樹脂(例え
ばアクリル樹脂)、有機溶媒などから成るビヒクルと約
80:20の比率(重量比)で十分混合、混練し、ペー
ストとした。このペーストを200メッシュスクリーン
でアルミナ基板上に厚み約20μmとなるように印刷
し、120℃で15分間乾燥した。次いで、ガラスオー
バーコート用ペーストを発熱体組成物層上に印刷し、さ
らに乾燥した後、窒素雰囲気中950℃、窒素雰囲気中
1,050℃、空気中950℃でそれぞれ10分間同時
焼成を行った。その後、焼成して得られたオーバーコー
トを施したヒーターを室温まで冷却した。
【0044】得られたヒーターの抵抗値を4端子法で測
定した。その結果表1および2に示す。尚、表において
“耐ヒートサイクル性”の欄に付されている○、△は下
記の意味を示す。 ○:ヒーターの耐ヒートサイクル性良好。スイッチのO
N−OFFを5万回繰り返し、20〜500℃の間で昇
温、降温を繰り返した後の抵抗値の増減が0.5%未
満。 △:ヒーターの耐ヒートサイクル性は良好でない。スイ
ッチのON−OFFを5万回繰り返し、20〜500℃
の間で昇温、降温を繰り返した後の抵抗値の増減が0.
5%より大。
【0045】表1
【0046】表2
【図面の簡単な説明】
【図1】ケイ化ニッケルとケイ化モリブデンの空気中で
のDTA曲線を表すグラフ。
【図2】基板上に本発明の発熱体組成物より得られたヒ
ーターとオーバーコート層を積層した断面図。
【符号の説明】
1……ヒータ、2……オーバーコート層、3……基板。
【表1】
【表2】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ化ニッケルとケイ化モリブデンか
    らなる導電物質粉末60〜75重量%とガラスフリット
    40〜25重量%の混合物に、その合計量に対して0.
    1〜12重量%の金属粉末を加えた発熱体組成物であっ
    て、前記導電物質粉末とガラスフリットの合計量の内、
    ケイ化ニッケルが1〜22重量%であることを特徴とす
    る発熱体組成物。
  2. 【請求項2】 導電物質粉末とガラスフリットの合計
    量の内、ケイ化ニッケルが5〜22重量%であることを
    特徴とする請求項1に記載の発熱体組成物。
  3. 【請求項3】 金属粉末がニッケル、銀、銅、鉄およ
    びこれらを主成分とする合金から選ばれた少なくとも一
    種であることを特徴とする請求項1または2に記載の発
    熱体組成物。
  4. 【請求項4】 金属粉末がニッケルであることを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれかに記載の発熱体組成
    物。
  5. 【請求項5】 ケイ化ニッケルとケイ化モリブデンか
    らなる導電物質粉末とガラスフリットの合計量の内、ケ
    イ化ニッケルが8〜18重量%であることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載の発熱体組成物。
  6. 【請求項6】 ケイ化ニッケルとケイ化モリブデンか
    らなる導電物質粉末が64〜72重量%、ガラスフリッ
    トが36〜28重量%であることを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれかに記載の発熱体組成物。
  7. 【請求項7】 ケイ化ニッケルとケイ化モリブデンか
    らなる導電物質粉末とガラスフリットの合計量に対して
    0.5〜6重量%の金属粉末を加えることを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれかに記載の発熱体組成物。
  8. 【請求項8】 ガラスフリットが酸化物の重量%表示
    で: MIIO : 5〜50% B2 3 :20〜80% MIII 2 3 : 0〜10% M 2 O : 0〜 5% SiO2 : 0〜40% Al2 3 : 0〜40% Bi2 3 : 0〜10% 核形成剤 : 0〜20% (但し、Mは一種以上のアルカリ金属、MIIはMg、
    Ca、Sr、Baから選ばれた一種以上のアルカリ土類
    金属、MIII はSc,Yおよびランタニドから選ばれた
    一種以上の金属、核形成剤はTiO2 、ZrO2 、P2
    5 、SnO2 、ZnO、MoO3 、Ta2 5 、Nb
    2 5 、As2 3 から選ばれた少なくとも一種)の組
    成を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
    に記載の発熱体組成物。
  9. 【請求項9】 ガラスフリットが酸化物の重量%表示
    で: MIIO : 5〜50% B2 3 :20〜80% MIII 2 3 : 0〜10% MI 2 O : 0〜 5% SiO2 : 0〜40% Al2 3 : 0〜40% Bi2 3 : 0〜10% TiO2 : 5〜20% 核形成剤 : 0〜20% (但し、MI は一種以上のアルカリ金属、MIIはMg、
    Ca、Sr、Baから選ばれた一種以上のアルカリ土類
    金属、MIII はSc,Yおよびランタニドから選ばれた
    一種以上の金属、核形成剤はZrO2 、P2 5 、Sn
    2 、ZnO、MoO3 、Ta2 5 、Nb2 5 、A
    2 3 から選ばれた少なくとも一種)の組成を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の発
    熱体組成物。
  10. 【請求項10】 ガラスフリットが酸化物の重量%表
    示で: MIIO :25〜45% B2 3 :20〜60% MIII 2 3 : 0〜 5% MI 2 O : 0〜 5% SiO2 : 2〜10% Al2 3 : 2〜10% Bi2 3 : 0〜10% TiO2 : 8〜17% 核形成剤 : 0〜20% (但し、MI は一種以上のアルカリ金属、MIIはMg、
    Ca、Sr、Baから選ばれた一種以上のアルカリ土類
    金属、MIII はSc,Yおよびランタニドから選ばれた
    一種以上の金属、核形成剤はZrO2 、P2 5 、Sn
    2 、ZnO、MoO3 、Ta2 5 、Nb2 5 、A
    2 3 から選ばれた少なくとも一種)の組成を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の発
    熱体組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10に記載のいずれか
    の組成物を成形した後、窒素雰囲気中で焼成して作製さ
    れるヒーター。
  12. 【請求項12】 請求項2乃至10に記載のいずれか
    の組成物を成形した後、空気中で焼成して作製されるヒ
    ーター。
JP25446294A 1994-03-23 1994-09-22 発熱体組成物 Expired - Fee Related JP3610100B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/216,615 US5470506A (en) 1988-12-31 1994-03-23 Heat-generating composition
US08/216615 1994-03-23

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0855702A true JPH0855702A (ja) 1996-02-27
JP3610100B2 JP3610100B2 (ja) 2005-01-12

Family

ID=22807781

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25446294A Expired - Fee Related JP3610100B2 (ja) 1994-03-23 1994-09-22 発熱体組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3610100B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017057246A1 (ja) * 2015-10-01 2017-04-06 昭栄化学工業株式会社 導電性ペースト及び積層セラミック部品の端子電極形成方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017057246A1 (ja) * 2015-10-01 2017-04-06 昭栄化学工業株式会社 導電性ペースト及び積層セラミック部品の端子電極形成方法
JPWO2017057246A1 (ja) * 2015-10-01 2018-05-24 昭栄化学工業株式会社 導電性ペースト及び積層セラミック部品の端子電極形成方法
KR20180059809A (ko) * 2015-10-01 2018-06-05 쇼에이 가가쿠 가부시키가이샤 도전성 페이스트 및 적층 세라믹 부품의 단자 전극 형성 방법
US10636541B2 (en) 2015-10-01 2020-04-28 Shoei Chemical Inc. Conductive paste and method for forming terminal electrodes of multilayer ceramic component

Also Published As

Publication number Publication date
JP3610100B2 (ja) 2005-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5470506A (en) Heat-generating composition
CN105810291A (zh) 一种中低阻段大功率厚膜电路稀土电阻浆料及其制备方法
JP2005235754A (ja) 導電性材料及びその製造方法、抵抗体ペースト、抵抗体、電子部品
JP3145389B2 (ja) 発熱体
JP2011084447A (ja) 非鉛系ガラス及び複合材料
KR101138246B1 (ko) 낮은 온도저항계수를 갖는 저항체용 페이스트 조성물의 제조방법, 이를 이용한 후막 저항체 및 그 제조방법
JP5587379B2 (ja) リン酸塩系ガラスおよびリン酸塩系ガラスを用いたサーマルヘッド
JP3610100B2 (ja) 発熱体組成物
JP2006261350A (ja) 抵抗体ペースト及び抵抗体、
JP2006108611A (ja) 抵抗体ペースト用ガラス組成物及びこれを用いた抵抗体ペースト、抵抗体、電子部品
JP2005244115A (ja) 抵抗体ペースト、抵抗体及び電子部品
JPH08138835A (ja) 発熱体組成物
KR101138238B1 (ko) 금속산화물 코팅을 이용한 저항체용 페이스트 조성물의 제조방법, 이를 이용한 후막 저항체 및 그 제조방법
CN101740219B (zh) 一种制备银内电极多层陶瓷电容器的方法
WO2009119433A1 (ja) 無鉛ガラス及び無鉛ガラスセラミックス用組成物
JPH0725568B2 (ja) ガラス組成物およびそれを用いた絶縁体
JP2005129806A (ja) 抵抗体ペースト及び厚膜抵抗体
JP3184233B2 (ja) ガラスフリット
JP3413817B2 (ja) 被覆用結晶性ガラス組成物
JP2626478B2 (ja) 低温焼成基板用コンデンサ材料の製造方法
JP2006287173A (ja) 厚膜抵抗体ペーストおよび厚膜抵抗体
JPH07277791A (ja) 絶縁基板用セラミック組成物およびセラミック多層配線回路板
JPH0312357A (ja) 抵温焼成セラミック基板材料
JPH077723B2 (ja) 抵抗ペースト
JPH038302A (ja) 抵抗体ペースト及びセラミックス基板

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040818

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041018

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees