JPH085483Y2 - 離型剤塗布装置 - Google Patents

離型剤塗布装置

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JPH085483Y2
JPH085483Y2 JP1986194487U JP19448786U JPH085483Y2 JP H085483 Y2 JPH085483 Y2 JP H085483Y2 JP 1986194487 U JP1986194487 U JP 1986194487U JP 19448786 U JP19448786 U JP 19448786U JP H085483 Y2 JPH085483 Y2 JP H085483Y2
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porous
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久明 仙波
克彰 小林
昌志 斎藤
健一郎 脇
文孝 青木
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、被塗布体に離型剤を塗布するための離型剤
塗布装置に関する。
(従来の技術) 離型剤を被塗布体に塗布する塗布装置は、例えば、電
子写真法による複写装置、静電記録装置の定着装置等に
用いられる。
これら装置においては、離型剤塗布装置はトナーのオ
フセットを防止するためのものとして使用される。
まず、第3図に、定着器の一般的構成を熱ローラ定着
系につき掲げる。概略を説明すると、これは、同図に示
すごとく、上ローラ1と下ローラ2を備え、例えば、上
ローラ1内にはハロゲン・ランプ3が配設されていると
共に、その周面に臨んでサーミスタ4が配置されてお
り、入口ガイド5を通った被転写材(普通紙等)が、こ
れら上ローラ1と下ローラ2間を通過するようになって
いる。
周知のように、いわゆるカールソン・プロセス等の電
子写真法により被転写材(普通紙等)上に作像されたト
ナー像は、その最終工程において、このローラ対間を挟
圧保持されながら通過する。この工程において熱可塑性
のトナーが溶融し、被転写材上に圧着されるため、トナ
ー像は被転写材上に定着され、しかる後に排出される。
さて、このような定着装置においては、十分なトナー
溶融を達し得たとしても、トナー像の一部は熱的あるい
は静電的作用を受け、ローラ上に微量ながら転移する。
これは、一般に、オフセット現象と呼ばれるもので、こ
のオフセットトナーがローラにより運ばれ、前記サーミ
スタ表面を汚したり、次のコピー画像に不必要画像とし
て転移する等の不良が起きる。そこで、一般には、ロー
ラへのトナーのオフセットを軽減するためのシリコン・
オイル等の離型剤を塗布することが行なわれている。こ
の塗布方法については、現在までに数多くの方式が提案
され実施に付されている。例えば、耐熱性不織布による
方式、塗布ローラを用いて適量ずつ離型剤を塗布する方
式(ローラ塗布)、耐熱性(フッ素樹脂系)多孔質膜を
通して塗布する方式等である。
しかし、このような方式はいずれも装置が過大である
ため、近年では、より小型でなおかつ、メンテナンスの
簡便な塗布技術が求められており、そのような技術の一
つに、耐熱性の多孔質樹脂を用いたものがある。これ
は、フッ素樹脂等の耐熱樹脂を延伸して略繊維化し、繊
維間にできた空孔にシリコン・オイル等の離型剤を含浸
させたものである。これを耐熱性樹脂ホルダーにより保
存し、被塗布体としての定着あるいは加圧ローラに適正
な圧を以って当接せしめたものである。例えば、第3図
にあっては上述のごとくの多孔質部材6Aが上ローラ1に
当接している。
上述の該多孔質樹脂中に含浸せしめた離型剤は、通常
室温状態では、1000Cs以上の高粘度であるため、該空孔
中に保存されているが、定着ローラ等が加熱されると、
該多孔質樹脂を介して離型剤も加熱され、粘度が低下し
(約1/10近くまで下がる)、毛細管現象により該ローラ
表面へ移行し、ローラに塗布されることになる。
(解決すべき問題点) このようにして該ローラには、該多孔質樹脂中に含浸
させた離型剤が全量定常的に塗布されるはずであるが、
実際に使用に付してみると、離型剤の塗布量が急速に低
下することが認られた。
すなわち、離型剤吐出量は初期の段階においては多い
ものの、定着枚数が増えるにつれ急激に減少してくる。
例えば、A4サイズの用紙を数百枚定着した時点で、離型
剤の塗布量が不足し、その結果、ローラとトナー間の離
型性が低下し、オフセット現象があらわれ画像汚れを生
ずるのが実状であった。
(問題点を解決するための手段) 本考案は、上述のごとくの問題を解決し、簡便にして
小型で、なおかつ長期にわたり離型性を保持し得る離型
剤塗布装置を提供せんとするものであって、 ローラに離型剤を塗布するためにローラの長手方向に
わたって該ローラとの間に塗布面を形成するように設け
られた、繊維間に離型剤を含浸する多孔質部材と、該多
孔質部材の塗布面とは異なる面で該多孔質部材と密着し
て該多孔質部材を支持する支持部材とを有する離型剤塗
布装置において、 上記支持部材は、上記多孔質部材との間の密着面に、
多孔質部材の長手方向に沿って複数の開孔部が形成さ
れ、該開孔部における上記多孔質部材が直接大気に接触
している、 ことを特徴とするものである。
(実施例) 以下、添付図面にもとづいて本考案の実施例を説明す
る。
第1図は本考案の離型剤塗布装置の一実施例を示す。
本実施例の離型剤塗布装置は、離型剤を含有する可撓
性を有する塗布部材としてのフッ素樹脂系等の多孔質部
材(多孔質樹脂)6と、これを保持し支持する耐熱性樹
脂の支持部材(ホルダー)8とを有している。
上記フッ素樹脂系等の多孔質部材6は離型剤として比
較的粘度の高いシリコンオイルを含浸され、同図に示す
ように、被塗布体たるローラ1の長手方向(軸方向)に
ほぼ全幅にわたり当接して塗布面を形成しており、該多
孔質部材6を介して離型剤を塗布するようになってい
る。
多孔質部材6は、該多孔質部材6の反塗布面側と密着
する耐熱性樹脂の支持部材8によって支持されている。
該支持部材8は、多孔質部材との密着面、すなわち、支
持部材上面部の一部に上記多孔質部材6の長手方向に沿
って複数の開孔部10を設けており、また横向きに張出し
た被案内部12でレール7(第3図)に対して紙面に垂直
な方向で着脱自在となっている。多孔質部材6は、かく
して上記開孔部10にて直接大気に接している。
上述のごとくの装置にあっては、先ずローラ1が、略
定温加熱されると、多孔質部材6の空孔に保持されてい
た離型剤は、粘度が低下しローラ1との接触面(表層)
に滲出する。
作像の開始によりローラ1が回動し始めると、離型剤
はローラに転移して移動しエッジ状に成形された弾性体
もしくは樹脂を通過することによりローラ1上にほぼ均
一な離型剤の被膜を形成する。こうしてローラ1の離型
性が増し、トナーのオフセット量が軽減する。
上述の多孔質部材からの離型剤の滲出に際し、従来の
装置では支持部材が全面的に多孔質部材に密着して保持
しているために、多孔質部材の互に連通せる空孔に保持
されていた離型剤が滲出する際の空気の導入が困難であ
ったため、中央部からの離型剤の滲出が不充分かつ困難
であった。すなわち、初期のうちは順調に離型剤の塗布
が行われるが、多孔質部材からの離型剤の滲出が進むに
つれて多孔質部材と支持部材とが密着しているが故に上
部の空孔が負圧になり、空孔中の離型剤は滲出方向と反
対方向へ圧力を受けることになり、その結果、離型剤の
滲出が困難になってくる。しかるに、本考案では、多孔
質部材の背面にあたる支持部材の一部に開孔部10を設け
たので、多孔質部材の空孔へ空気が容易に導入され、離
型剤の滲出は維持される。しかも、上記開孔部10は多孔
質部材の長手方向に沿って複数設けられているので、上
記離型剤の滲出も上記長手方向にてほぼ均一となり、又
長期間安定する。かくして、本考案は、支持部材8に開
孔部10を設けることで長期にわたり充分な離型性を維持
することが可能となった。しかも、装置は小型かつ着脱
容易な構造が得られる。
上記実施例によると、離型剤の滲出が所定量より低下
する限界は、一例として、既述した従来例でコピー数が
A4サイズで数百枚であった場合、3000枚位に増えること
が確認された。
なお、本実施例では空気導入のための開孔部10は、多
孔質部材の背面、すなわち、支持部材上面に設けられた
が、これに限定されるものでなく、多孔質部材の塗布面
とは異なる、つまり多孔質部材の側面側あるいはその双
方に設けられてもよい。
第2図には本考案の他の実施例が示されている。本実
施例では充分な離型剤の塗布を行なうために、多孔質部
材を2本用いている。しかし、この場合、上記支持部材
の開孔部を両多孔質部材の区別なく両方にわたるように
設けたとすると、離型剤の滲出量は、連続コピー時には
適量であってもコピー待機中には、滲出過剰となって、
離型剤がローラ表面を伝わって流れ出し、定着装置およ
び周囲の装置を汚したり、回転方向後方側に設けられた
分離爪とローラの間に滞留し定着装置を通過する被転写
材に転移しシミとなって被転写材を汚す原因となること
がある。
そこで、本実施例では支持部材のローラ回転方向前方
側多孔質部材6IIを支持する部分の一部に開孔部10を設
けることとした。これにより後方側多孔質部材6Iからの
離型剤の滲出は過少気味であるが、前方側多孔質部材6I
Iからの離型剤の滲出が充分であるために全体としては
離型剤の塗布量は適切となる。また、いくぶん前方側多
孔質部材からの離型剤の滲出が多くても後方側へ伝わる
離型剤は該後方側多孔質部材6Iによりせき止められるた
め後方側へ過剰離型剤は流れ出さない。したがって、被
転写材の汚れもなく、適切な離型剤滲出量を維持するこ
とができ、その結果オフセットを防止することができ
る。さらには、前実施例に比して離型剤含有量が多いた
め、より長期にわたり、充分な離型剤の塗布が望める。
なお、開孔部を支持部材の側部に設けてよいことも、前
実施例の場合と同様である。ただし、その場合前方側の
側部に設けられることとなる。
(考案の効果) 以上のごとく、離型剤を含浸せられた多孔質部材を被
塗布体に接触させて離型剤を塗布する際に、該多孔質部
材を支持する支持部材に、多孔質部材の空孔に空気を直
接導入するための開孔部を多孔質部材の長手方向に沿っ
て複数設けることにより、離型剤の滲出が上記多孔質部
材の長手方向にほぼ均一で十分かつ長期間にわたり維持
されることとなった。その結果、オフセットの抑制を可
能とし、電子写真法による定着装置等において、常に安
定した複写画像を提供することが可能になる、という効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の一実施例装置を示す斜視図、第2図
は本考案の他の実施例装置を示す斜視図、第3図は一般
的な定着器の構成を示す概略構造図である。 1……被塗布体(上ローラ) 6……多孔質部材 8……支持部材 10……開孔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 斎藤 昌志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)考案者 脇 健一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)考案者 青木 文孝 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)考案者 西村 松臣 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−214063(JP,A) 特開 昭55−144270(JP,A) 特開 昭60−260078(JP,A) 特開 昭58−224367(JP,A) 実開 昭58−141262(JP,U) 実開 昭59−87065(JP,U) 実開 昭56−22546(JP,U) 実開 昭59−114578(JP,U)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ローラに離型剤を塗布するためにローラの
    長手方向にわたって該ローラとの間に塗布面を形成する
    ように設けられた、繊維間に離型剤を含浸する多孔質部
    材と、該多孔質部材の塗布面とは異なる面で該多孔質部
    材と密着して該多孔質部材を支持する支持部材とを有す
    る離型剤塗布装置において、 上記支持部材は、上記多孔質部材との間の密着面に、多
    孔質部材の長手方向に沿って複数の開孔部が形成され、
    該開孔部における上記多孔質部材が直接大気に接触して
    いることを特徴とする離型剤塗布装置。
JP1986194487U 1986-12-19 1986-12-19 離型剤塗布装置 Expired - Lifetime JPH085483Y2 (ja)

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JP1986194487U JPH085483Y2 (ja) 1986-12-19 1986-12-19 離型剤塗布装置

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JPS63100760U JPS63100760U (ja) 1988-06-30
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5842463B2 (ja) * 1979-04-28 1983-09-20 キヤノン株式会社 定着装置
JPS58141262U (ja) * 1982-03-18 1983-09-22 富士ゼロックス株式会社 普通紙を含油半透明紙に変換する装置を備えた複写機の定着器
JPS5987065U (ja) * 1982-12-01 1984-06-12 株式会社リコー オイル塗布装置
JPS59214063A (ja) * 1983-05-19 1984-12-03 Sumitomo Electric Ind Ltd 複写機の離型剤塗布装置
JPS60260078A (ja) * 1984-06-06 1985-12-23 Sumitomo Electric Ind Ltd 離型剤塗布装置

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JPS63100760U (ja) 1988-06-30

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