JPH0854818A - ホログラムシールおよびその製造方法 - Google Patents

ホログラムシールおよびその製造方法

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JPH0854818A
JPH0854818A JP6191619A JP19161994A JPH0854818A JP H0854818 A JPH0854818 A JP H0854818A JP 6191619 A JP6191619 A JP 6191619A JP 19161994 A JP19161994 A JP 19161994A JP H0854818 A JPH0854818 A JP H0854818A
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relief
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正信 岡村
Takeshi Takahara
健 高原
Akira Watanabe
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Abstract

(57)【要約】 【目的】視覚的効果・装飾性に優れると共に、改ざん防
止効果の高いホログラムシールとその製造方法を提供す
る。 【構成】ホログラム形成面の任意のパターン状の部分
に、コロナ放電やプラズマ等の乾式の表面処理を施し、
前記部分の表面を改質した後、前記ホログラム形成面
に、金属反射層、感圧接着剤層、離型紙をこの順に積層
し、ホログラムシールとする。レリーフ型ホログラムの
形成は、樹脂シートの溶融押出し成形と同時に行なうこ
とが、生産性の上で適切である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なホログラムシー
ルおよびその製造方法に関する。詳しくは、レリーフ型
ホログラムを用いることにより、視覚的効果・装飾性に
優れ、シール自体の偽造が困難であり、改ざん防止効果
の高いホログラムシール、および加工性・生産性の極め
て良好な前記シールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、医薬品については、薬事法第
58条、薬事法施行規則第59条により、何らかの改ざ
ん防止包装を施すことが定められている。また、過去の
菓子への毒物混入事件の発生等により、食品に対しても
改ざん防止包装の重要性が見直されている。
【0003】改ざん防止包装の技法としては、ブリスタ
ー包装、ストリップ包装、シュリンク包装、ブレーカブ
ルキャップ、テープもしくはシール封緘、封緘カートン
等が挙げられるが、中でもテープもしくはシール封緘に
よる方法は、それまでの包装形態を変更する必要が少な
く、付加的に用いられるため、簡便な方法として広く採
用されている。
【0004】しかしながら、従来の改ざん防止用シール
は、シール自体の装飾性が乏しく、また、機能はともか
く、デザインの模造は比較的容易であった。
【0005】この様な問題点に鑑み、本出題人は、ホロ
グラムを用いた改ざん防止用テープを提案している。
(特開昭63−106780号公報)
【0006】前記出願は、「透明プラスチックフィルム
の片面に、レリーフ型ホログラムを形成した樹脂層、金
属反射層、任意形状に印刷形成した剥離ニス層、感圧接
着剤層を順次積層した構成のホログラムテープ」であっ
て、「テープを被接着体に貼り付けた後、剥離すると、
前記剥離ニス層の形状に応じて部分的に剥離されたレリ
ーフ型ホログラムの画像が残り、テープを剥離したこと
が一目瞭然となり、元通りに復元することも不可能であ
り、改ざん防止効果に優れる。」旨が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記出
願においては、シールの剥離によって、所定パターン状
にレリーフ型ホログラムを抜くためには、剥離ニス層を
設ける必要がある。
【0008】また、改ざん防止効果ではなく、装飾効果
として、ホログラムシールを貼り付ける製品の表面の装
飾性を考えた場合、所望形状のホログラムシールを製品
表面に設けるのであれば、所望形状以外の形状に剥離ニ
ス層を設けることとなる。
【0009】前記出願の構成によると、製品表面に貼り
付けるホログラムシールの形状のみを任意に変更はでき
るが、シールに設けられている絵柄(この場合は、単一
のホログラム画像)までは変更できない。
【0010】さらには、ホログラムの形成を熱プレス法
により行なっており、加工工程が多く、生産性が低いと
いう問題点がある。
【0011】本発明は、上記問題点を鑑みなされたもの
で、視覚的効果・装飾性に優れ、シール自体の偽造が困
難であり、改ざん防止効果の高いホログラムシールを提
供すること、および加工性・生産性の極めて良好な前記
シールの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明では、ホログラム形成面の任意のパターン状
の部分に、コロナ放電やプラズマ等の乾式の表面処理を
施し、前記部分の表面を改質した後、前記ホログラム形
成面に、金属反射層、感圧接着剤層、離型紙をこの順に
積層し、ホログラムシールとする。
【0013】ホログラムシールの製造にあたっては、レ
リーフ型ホログラムの形成を、熱可塑性樹脂シートへの
加熱プレス法によらず、熱可塑性樹脂(または熱可塑性
樹脂と透明基材との積層シート)の溶融押出し成形と同
時に行なうことが、加工性・生産性の上から好ましい。
【0014】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。図1は、表面にレリーフ型ホログラムが形成された
熱可塑性樹脂シートの製造ラインの概略を示す説明図で
ある。
【0015】すなわち、溶融押出し成形機1のT−ダイ
2より押出された熱可塑性樹脂11aを、表面にレリー
フ型ホログラムのスタンパー5が装着された冷却ロール
3とニップロールとの間で押圧し、冷却することによ
り、熱可塑性樹脂11a表面にレリーフ型ホログラムが
連続的に形成される。
【0016】その結果、図2の断面説明図に示すよう
な、表面にレリーフ型ホログラムが形成された熱可塑性
樹脂シート11が連続的に得られる。
【0017】次に、図3に概略を示す装置(この場合
は、コロナ放電処理装置の例)を用いて、前記シート1
1上のレリーフ型ホログラム形成面に、所望のパターン
状に表面改質処理を施す。
【0018】すなわち、前記シート11上のレリーフ型
ホログラム形成面と処理電極9との間に、所望パターン
状の開口を有するマスク19を介して、コロナ放電処理
を施す。同図では、マスク19は、前記シート11と同
調して移動するエンドレス・ベルト状であり、加工性・
生産性の上で好適であるが、マスク19の態様は同図に
限られるものではない。
【0019】マスク19に形成された所望パターン状の
開口の一例を、図4の平面図に示す。この場合は、開口
19’は斜めのストライプ状に形成されており、前記シ
ート11上のレリーフ型ホログラム形成面は、前記開口
19’に対応する部分が、コロナ放電処理されることに
なる。言うまでもなく、開口19’は、作製するパター
ンに応じて任意にその形状を変更できる。
【0020】次いで、前記シート11上のレリーフ型ホ
ログラム形成面に、金属反射層12を、蒸着・スパッタ
リング等の既知の手法により設けた後、感圧接着剤層1
4を塗布形成し、離型紙15を積層することにより、図
5の断面説明図に示すようなホログラムシール20が得
られる。同図中、コロナ放電処理がなされた部分を1
1’として模式的に示す。
【0021】また、他の製造方法として、積層シートの
製造ラインの概略を示す図7にあるように、透明基材シ
ート13の片面に、溶融押出し成形機1のT−ダイ2よ
り押出された熱可塑性樹脂11aをコーティングすると
ともに、レリーフ型ホログラムのスタンパー5が表面に
装着された冷却ロール3とニップロール4との間で押圧
することにより、前記樹脂11aの表面にレリーフ型ホ
ログラムが連続的に形成される。
【0022】その結果、図8の断面説明図に示すよう
な、表面にレリーフ型ホログラムが形成された積層シー
ト17が連続的に得られる。ここで、透明基材シート1
3の、熱可塑性樹脂11側の表面には、所望の絵柄16
が印刷形成されている。
【0023】次に、前記積層シート17上のレリーフ型
ホログラム形成面に、上記と同様に金属反射層12を、
蒸着・スパッタリング等の既知の手法により設けた後、
感圧接着剤層14を塗布形成し、離型紙15を積層する
ことにより、図9の断面説明図に示すようなホログラム
シール30が得られる。
【0024】本発明に利用できる熱可塑性樹脂11とし
ては、冷却ロールの表面に装着されたレリーフ型ホログ
ラムのスタンパー5上の微細な凹凸を精度良く再現する
ことが必要で、これらを満たすものとしてポリオレフィ
ン系樹脂、中でもポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂が好ましいものとして使用できる。
【0025】ただし、レリーフ型ホログラムを形成する
際、スタンパーに付着、またはスタンパーを汚染した
り、樹脂の表面張力を変化させる可能性のあるような添
加剤は含有しないものが好ましい。また、この樹脂シー
ト11の厚みとしては、加工性の点で10μm〜100
μmが最も好ましい。
【0026】なお、前記の方法および樹脂を用いて作成
した熱可塑性樹脂シート11もしくは積層シート17
の、レリーフ型ホログラム形成面の、前記した表面処理
(コロナ放電処理等)前の表面張力は、通常33dyn
/cm以下であり、表面張力の調整に特別な操作は必要
としない。
【0027】前記した表面処理としては、処理後のレリ
ーフ型ホログラム形成面の表面張力を43dyn/cm
以上に改質することが望ましく、処理方法としてコロナ
放電処理・プラズマ処理等の乾式の処理が望ましい。プ
ライマーコーティングや化学薬品処理等の湿式の処理で
は、レリーフ型ホログラムの微細な凹凸を消失させてし
まう惧れがあるためである。
【0028】金属反射層12は、表面の反射率が高い金
属が好ましく、具体的にはアルミニウム、金、銀、銅等
およびこれらの金属を含む合金を使用することができ、
通常よく知られている真空蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレーティング法などの方法によって設けること
ができる。厚みとしては100Åから10,000Åの
範囲が適当である。
【0029】感圧接着剤層14は、金属反射層12に対
し良好な接着力を示し、被接着体18に貼付する際に
は、加圧により容易に接着し、シールを剥離させた場合
には、被接着体18との界面から剥離しないものでなけ
ればならない。
【0030】組成としては、一般によく用いられている
アクリル系、ゴム系、ビニル系、シリコン系等のものが
使用可能であり、適当な溶剤にてワニス化したものを、
ロールコート・ブレードコート・ダイコート・グラビア
コート等の方法で塗布・乾燥させ、10μm〜100μ
m(好ましくは、20μm〜30μm)の範囲の膜厚で
形成するのがが適当である。
【0031】離型紙15は、被接着体18へ貼付するま
での間に感圧接着剤層14を保護するために設けるもの
で、被接着体18への貼付時には、熱可塑性樹脂シート
11もしくは積層シート17の、レリーフ型ホログラム
形成面と金属反射層12との界面が剥離することなく、
感圧接着剤層14との界面から剥離するものでなければ
ならないが、通常用いられるシリコン離型紙等が使用可
能であり、感圧接着剤層14の印刷形成直後に積層を行
なう。
【0032】積層シート17としての透明基材シート1
3は、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィル
ム、ナイロンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカ
ーボネートフィルム、セロファン等のフィルムが使用で
きるが、表面平滑性、透明性、表面耐性、汎用性、加工
性、経済性などの特性から厚さ12μm〜150μmの
二軸延伸ポリエステルフィルム、もしくは二軸延伸ポリ
プロピレンフィルムが最も適当である。
【0033】さらに、図8・図9・図10等に示したよ
うに、透明基材シート13表面に予め所望の絵柄の印刷
層16を設けておくことにより、印刷画像とホログラム
画像とを組み合わせることも可能であり、改ざん防止お
よび装飾性の向上に、一層効果的である。
【0034】この場合の印刷は、図示の通り熱可塑性樹
脂の押出しラミネート面へ行う方法と、反対面へ行う方
法(図示せず)の両方が実施可能であり、前記透明基材
シート用に適した既存のインキを、グラビア印刷等既知
の手法にて印刷形成すればよい。ただし押出しラミネー
ト面への印刷の際には、熱可塑性樹脂との接着性も考慮
してインキの選定を行う必要がある。
【0035】透明基材シート上に熱可塑性樹脂を押出し
ラミネートする場合、接着性を向上させるため必要に応
じ透明基材シートのラミネート面に予め接着剤層を設け
ることも可能である。
【0036】ホログラムシールの使用に際しては、前記
シールの離型紙を剥離し、被接着体18表面に感圧接着
剤層を圧着する。(図6・図10参照)
【0037】例えば、改ざんを目的としてこれを剥離し
ようとすると、前記した表面処理が施されていない部分
の金属反射層12と熱可塑性樹脂層11との界面で剥離
が起こる。
【0038】この結果、被接着体18表面には、任意の
パターン状に表面処理が施された部分以外の金属反射層
12(レリーフ型ホログラムが記録されている)が、残
ることとなる。
【0039】これによって、テープを剥離したことが一
目瞭然となることは勿論、元通りに復元することも不可
能となり、改ざん防止が図られる。この場合、パターン
としては、例えば、「使用済」や「剥離済」等の文字パ
ターンとすることで、改ざんが図られた場合、前記文字
パターン状に金属反射層が抜けることになるので、使用
者に注意を促すことになる。
【0040】また、本シールは、改ざん防止の目的では
なく、装飾効果を向上させる目的でも使用することがで
きる。すなわち、前記パターンに応じて、テープの剥離
により、所望形状のホログラムパターンを物品表面に設
けることも可能となる。
【0041】以上、本発明のホログラムシールの構成お
よび製造方法について述べたが、各界面の接着力の強さ
について整理すると次のようになる。
【0042】(1) グループ 感圧接着剤層14と離型紙15
【0043】(2) グループ 熱可塑性樹脂11と金属反射層12
【0044】(3) グループ 透明基材シート13と熱可塑性樹脂11 透明基材シート13と印刷インキ16 印刷インキ16と熱可塑性樹脂11 金属反射層12と感圧接着剤層14 感圧接着剤層14と被接着体18
【0045】(4) グループ 熱可塑性樹脂の表面処理部11’と金属反射層12
【0046】(1) グループ < (2) グループ <
(3) グループ < (4) グループ
【0047】
【作用】表面処理を施した部分と施していない部分(改
質部分と非改質部分)とでは、ホログラム形成面と金属
反射層との接着強度に差異を生じることになる。そのた
め、シールを被接着体に貼った後、剥離すると、前記改
質部分の金属反射層が共に剥離され、非改質部分の金属
反射層が被接着体表面に残る。
【0048】また、前記改質部分の選択を、パターン状
の開口を有するマスクを介して行なうことによれば、パ
ターンの変更は容易である。(請求項8)
【0049】シールを剥離しようとすると、被接着体に
は部分的に剥離されたホログラムの画像が残り、シール
を剥離したことが一目瞭然となることはもちろん、剥離
した界面には再接着性がないため、元通りに復元するこ
とも不可能となる。
【0050】コロナ放電またはプラズマ等の表面処理に
よって、所望のパターン状の熱可塑性樹脂シートの表面
張力を43dyn/cm以上に改質することで、金属反
射層との接着強度を向上でき、前記パターン部分とそれ
以外の部分とで、金属反射層との接着強度を異ならせる
ことができる。(請求項7)
【0051】透明基材シートの表面に、所望の絵柄を印
刷形成することで、2つの装飾画像(ホログラム画像と
印刷画像)の相乗効果により、一層、偽造・改ざんの防
止が期待できる。(請求項3)
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。
【0053】<実施例1>図1に示した装置を用い、熱
可塑性樹脂として低密度ポリエチレン樹脂(M−10
P;三井石油化学工業(株)製)を下記加工条件(A)
にてT−ダイより厚み50μmとなる様に押出し、表面
にレリーフ型ホログラムのスタンパーが装着された冷却
ロール及びニップロールにより押圧し冷却することによ
り、図2の断面説明図に示すような熱可塑性樹脂シート
を連続して得た。
【0054】(A)押出し加工条件 (a)装置:図1の装置。 (b)押出機:ψ=60mm、L/D=26 (c)ニップロール:ウレタンゴムロール(ゴム硬度8
5度) (d)押出機の温度設定 (イ)シリンダー1温度:180℃ (ロ)シリンダー2温度:240℃ (ハ)シリンダー3温度:270℃ (ニ)アダプター温度:280℃ (ホ)T−ダイ 温度:280℃ (e)冷却ロール温度:15℃ (f)押し出し厚み:50μm (g)エアーギャップ:90mm (h)ニップ圧(エアーゲージ圧):4kgf/cm2
【0055】次に、この熱可塑性樹脂シートのレリーフ
型ホログラム形成面に、図3および図4に示すコロナ放
電処理装置およびシリコンゴム製のエンドレス・ベルト
19(マスク)を用いて、巾5mm,ピッチ10mmの
ストライプ状の開口19’にコロナ放電処理を施した。
【0056】次いで、前記熱可塑性樹脂シートのレリー
フ型ホログラム形成面に、約800Åの厚さにアルミニ
ウム蒸着を施し、さらに該アルミニウム蒸着面に下記組
成(B)のワニスをロールコーターにより塗布形成し、
厚み約20μmの感圧接着剤層を形成した後、シリコン
離型紙を積層して図5の断面説明図に示すようなホログ
ラムシールを得た。
【0057】
【0058】前記シールを50mm角に切り、離型紙を
剥離後、コート紙(256g/m2)に貼付したとこ
ろ、熱可塑性樹脂シートを通してホログラムの画像が視
認できた。
【0059】次に、図6に示すようにこれを剥離しよう
としたところ、コート紙には、レリーフ型ホログラム形
成面の表面未処理部分に相当する巾5mm,間隔5mm
のストライプ状にホログラムの画像が残り、他の部分
(表面処理部分に相当)のホログラム画像(金属反射
層)は、熱可塑性樹脂シートと共に剥離した。また、こ
れを元通りに復元しようとしたが、剥離した界面には再
接着性がないため不可能であった。
【0060】<実施例2>図7に示した装置を用い、予
めグラビア印刷機によって塩素化ポリプロピレン系イン
キを用いて、所望絵柄の印刷層を設けておいた厚さ30
μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(P2108;
東洋紡績(株)製)の印刷面に、熱可塑性樹脂としてポ
リプロピレン樹脂(FL25T;三菱油化(株)製)
を、下記の加工条件(C)にてT−ダイより厚み30μ
mとなる様に押出し、表面にレリーフ型ホログラムのス
タンパーが装着された冷却ロール及びニップロールによ
り押圧し冷却することにより、図8の断面説明図に示す
ような積層シートを連続して得た。
【0061】(C)押出し加工条件 (a)装置:図7の装置。 (b)押出機:ψ=60mm、L/D=26 (c)ニップロール:ウレタンゴムロール(ゴム硬度8
5度) (d)押出機の温度設定 (イ)シリンダー1温度:180℃ (ロ)シリンダー2温度:240℃ (ハ)シリンダー3温度:270℃ (ニ)アダプター温度:280℃ (ホ)T−ダイ 温度:280℃ (e)冷却ロール温度:15℃ (f)押し出し厚み:30μm (g)エアーギャップ:90mm (h)ニップ圧(エアーゲージ圧):4kgf/cm2
【0062】次に、この積層シートのレリーフ型ホログ
ラム形成面に、実施例1と同様のコロナ放電処理装置お
よびシリコンゴム製のエンドレス・ベルト19(マス
ク)を用いて、パターン状にコロナ放電処理を施した。
本実施例では、前記パターンとして、「開封済」の文字
パターン状に開口が設けられたマスク(図示せず)を用
いた。
【0063】次いで、前記積層シートのレリーフ型ホロ
グラム形成面に、約800Åの厚さにアルミニウム蒸着
を施し、さらに該アルミニウム蒸着面に、実施例1と同
様のワニスをロールコーターにより塗布形成し、厚み約
20μmの感圧接着剤層を形成した後、シリコン離型紙
を積層して図9の断面説明図に示すようなホログラムシ
ールを得た。
【0064】前記シールを50mm角に切り、離型紙を
剥離後、コート紙(256g/m2)に貼付したとこ
ろ、前述の塩素化ポリプロピレン系インキによる印刷画
像と、印刷画像以外のところではホログラム画像の、双
方の絵柄が視認できた。
【0065】次に、図10に示すように、これを剥離し
ようとしたところ、コート紙には、ホログラム形成面の
表面未処理部分に相当する「開封済」の抜き文字パター
ン状にホログラム画像(金属反射層)が残り、他の部分
(表面処理部分に相当する「開封済」の文字パターン部
分)のホログラムの画像および印刷層は積層シートと共
に剥離した。また、これを元通りに復元しようとした
が、剥離した界面に再接着性がないため不可能であっ
た。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、視覚的効果・装飾
性に優れ、シール自体の偽造が困難であり、改ざん防止
効果の高いホログラムシールが提供された。
【0067】また、溶融押出し成形による熱可塑性樹脂
のシート成形と該熱可塑性樹脂表面へのレリーフ型ホロ
グラム形成とが同時に行えるため、加工性・生産性の極
めて良好な前記シールの製造方法が提供された。
【0068】本発明のホログラムシールは、医薬品・食
品等に対する改ざん防止用シール等として、産業上有効
なものであるといえる。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】熱可塑性樹脂シートの製造ラインの概略を示す
説明図。
【図2】レリーフ型ホログラムが形成された熱可塑性樹
脂シートの断面説明図。
【図3】表面処理装置の概略を示す説明図。
【図4】パターン状に表面処理を施すためのマスクの説
明図。
【図5】ホログラムシールの断面説明図。
【図6】シールを被接着体に貼付後、剥離した状態を示
す断面説明図。
【図7】積層シートの製造ラインの概略を示す説明図。
【図8】レリーフ型ホログラムが形成された積層シート
の断面説明図。
【図9】ホログラムシールの断面説明図。
【図10】シールを被接着体に貼付後、剥離した状態を
示す断面説明図。
【符号の説明】
1…溶融押出し成形機 2…T−ダイ 3…冷却ロール 4…ニップロール 5…レリーフ型ホログラムスタンパー 6…引き取りロール 7…巻き取りロール 8…巻き出しロール 9…処理電極 10…誘電体ロール 11a…溶融押出しされた熱可塑性樹脂 11…熱可塑性樹脂 11’…表面処理部分 12…金属反射層 13…透明基材シート 14…感圧接着剤層 15…離型紙 16…印刷層 17…積層シート 18…被接着体 19’…開口(任意のパターン) 20,30…ホログラムシール

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にレリーフ型ホログラムが形成され、
    ホログラム形成面の所望のパターン状の部分に、コロナ
    放電またはプラズマ等の表面処理が施された熱可塑性樹
    脂シートの前記ホログラム形成面に、金属反射層、感圧
    接着剤層、離型紙がこの順に積層された構成のホログラ
    ムシールであって、 前記表面処理が施された部分の熱可塑性樹脂シート表面
    と金属反射層との接着強度が、金属反射層と感圧接着剤
    層との接着強度よりも大きく、 前記表面処理が施されていない部分の熱可塑性樹脂シー
    ト表面と金属反射層との接着強度が、金属反射層と感圧
    接着剤層との接着強度よりも小さいことを特徴とするホ
    ログラムシール。
  2. 【請求項2】前記ホログラムシールの熱可塑性樹脂シー
    ト側に、透明基材シートが積層された構成であって、 透明基材シートと熱可塑性樹脂シートとの接着強度が、
    金属反射層と感圧接着剤層との接着強度よりも大きいこ
    とを特徴とする請求項1記載のホログラムシール。
  3. 【請求項3】透明基材シートの表面に、所望の絵柄が印
    刷形成された構成の請求項2に記載のホログラムシー
    ル。
  4. 【請求項4】透明基材シートとして、厚さが12μm〜
    150μmの、二軸延伸ポリエステルフィルムもしくは
    二軸延伸ポリプロピレンフィルムである請求項2または
    請求項3に記載のホログラムシール。
  5. 【請求項5】熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であ
    る請求項1〜請求項4の何れかに記載のホログラムシー
    ル。
  6. 【請求項6】熱可塑性樹脂として、前記表面処理前の表
    面張力が33dyn/cm以下のものである請求項1〜
    請求項5の何れかに記載のホログラムシール。
  7. 【請求項7】コロナ放電またはプラズマ等の表面処理が
    施された、ホログラム形成面の所望のパターン状の熱可
    塑性樹脂シートの表面張力が、43dyn/cm以上で
    あることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記
    載のホログラムシール。
  8. 【請求項8】表面にレリーフ型ホログラムが形成された
    熱可塑性樹脂シートの前記ホログラム形成面に、所望パ
    ターン状の開口を有するマスクを介して、コロナ放電ま
    たはプラズマ等の表面処理を施し、熱可塑性樹脂シート
    の前記開口に対応する部分の表面張力を43dyn/c
    m以上に改質した後、前記ホログラム形成面に、金属反
    射層、感圧接着剤層、離型紙を、この順に積層すること
    を特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載のホロ
    グラムシールの製造方法。
  9. 【請求項9】溶融押出し成形機のT−ダイより押出され
    た熱可塑性樹脂を、レリーフ型ホログラムのスタンパー
    が表面に装着された冷却ロールとニップロールとの間で
    押圧し、冷却することにより、片面にレリーフ型ホログ
    ラムが形成された熱可塑性樹脂シートを得る工程を含む
    請求項8に記載のホログラムシールの製造方法。
  10. 【請求項10】透明基材シート片面に、溶融押出し成形
    機のT−ダイより押出された熱可塑性樹脂をコーティン
    グするとともに、レリーフ型ホログラムのスタンパーが
    表面に装着された冷却ロールとニップロールとの間で押
    圧することにより、熱可塑性樹脂の表面にレリーフ型ホ
    ログラムが形成された積層シートを作製する工程を含む
    請求項8に記載のホログラムシールの製造方法。
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