JPH0854700A - ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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JPH0854700A
JPH0854700A JP18945594A JP18945594A JPH0854700A JP H0854700 A JPH0854700 A JP H0854700A JP 18945594 A JP18945594 A JP 18945594A JP 18945594 A JP18945594 A JP 18945594A JP H0854700 A JPH0854700 A JP H0854700A
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JP
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silver halide
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mol
halide photographic
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JP18945594A
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English (en)
Inventor
Takehiro Kobayashi
剛弘 小林
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 pHが11.0未満の現像液を用いて自動現像機
で連続処理しても感度、ガンマの変動劣化がなく、かつ
カブリ、黒ポツの発生がない製版用ハロゲン化銀写真感
光材料及びその処理方法の提供。 【構成】 (1)60モル%以上が塩化銀で平均厚みが0.15
μm未満、平均直径が0.1μm以上で平均アスペクト比が
2以上の平板状ハロゲン化銀粒子を有するハロゲン化銀
写真感光材料において、該乳剤層及び/又は他の親水性
コロイド層中に少なくとも1種のヒドラジン誘導体と酸
化されることにより現像抑制基を放出し得るレドックス
化合物の少なくとも1種を含有する。(2)ハロゲン化銀
1モル当たり特定量のロジウム化合物を含有する。(3)p
Hが11.0未満で、かつ補充量が感光材料1m2当たり200m
l以下の現像液で処理する。(4)全処理時間が60秒以下で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関し、詳しくは高感度で、かつ高コントラスト、高
精細な画像を得られる印刷製版用ハロゲン化銀写真感光
材料及びその処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真製版工程には連続調の原稿を網点画
像に変換する工程が含まれる。この工程には、超硬調の
画像を再現する方法として伝染現像による技術が用いら
れてきた。伝染現像に用いられるリス型ハロゲン化銀写
真感光材料としては、例えば平均粒子径が約0.2μm以下
のもので、粒子分布が狭く形も整った塩化銀含有率が少
なくとも50モル%以上の塩臭化銀乳剤が一般に用いられ
ている。
【0003】このようなリス型ハロゲン化銀写真感光材
料は亜硫酸イオン濃度が低いアルカリ性ハイドロキノン
現像液いわゆるリス型伝染現像液で処理することにより
高コントラストで高解像力の画像を得ることができる。
【0004】しかしながら該リス型現像液は、空気酸化
を受け易い欠点を有し、保恒性が極めて悪いために連続
で現像処理した際には品質を一定に保つことが難しい。
【0005】そのため、このような現像液を使用しない
で迅速に、かつ高コントラストの画像を得る方法とし
て、例えば特開昭56-106244号に記載のようにヒドラジ
ン誘導体を含有したハロゲン化銀写真感光材料をアルカ
リ性現像液で処理する方法が開示されている。該方法に
よれば、現像液の保恒性がよく、迅速処理が可能で超硬
調な画像を容易に得ることができる。しかし、この方法
ではヒドラジン誘導体の硬調性を十分に発揮させるため
にはpHが11.0以上を有する現像液で処理しなければな
らなかった。
【0006】pHが11.0以上の強アルカリ性現像液で
は、現像液が空気に触れると現像主薬の酸化が著しくな
る。前述したリス現像液よりも安定ではあるが、現像主
薬の酸化によってしばしば超硬調な画像が得られない場
合が少なくない。
【0007】このような欠点を補うため特開昭63-29751
号、特開平1-179939号、同1-179940号、米国特許4,975,
354号にはpHが11.0未満の比較的低pHの現像液でも硬
調化できるヒドラジン誘導体及び造核促進を含むハロゲ
ン化銀写真感光材料が開示されている。
【0008】一方、製版業界においてはスキャナーの高
品質化が進み、線数で600線/インチ以上という高精細
の画像出力が普及しつつある。これを背景にスキャナー
フィルムにもヒドラジン誘導体を含有した感光材料によ
り超硬調な画像を得るための開発がなされてきている。
【0009】しかしながらヒドラジン誘導体を用いた超
硬調化技術は、伝染現像を強く促進するためにコントラ
ストの低い原稿では本来白地として抜けるべき部分まで
黒化してしまい大点がつぶれてしまったり、或いは小点
の再現性にて、ある限界の網%以下では網点が全く得ら
れないという問題点を有していた。
【0010】なお、黒白ハロゲン化銀写真感光材料は、
一般に露光後、ほとんどが自動現像機を用いて処理され
る。そしてその際に感光材料の面積に比例した一定量の
補充液を補充しながら安定な写真性能が得られるように
処理されるのが一般的である。従来、上記のような硬調
な画像を得るためには、連続処理時の処理液疲労や空気
酸化による現像液の能力低下を防ぐため、通常1m2当た
り300ml以上の現像補充液で補充しながら処理してき
た。しかしながら、近年環境に対する関心の高まりと共
に現像廃液量の低減が急務となっている。そのために、
上記のような硬調な感光材料を1m2当たり200ml以下の
少ない現像補充量の条件で、かつ自動現像機で連続処理
する場合には、安定に現像処理できず、連続処理で感度
変動や軟調化を引き起こしたり、ヒドラジン誘導体を使
用した感光材料の未露光部に現像後に生ずる故障、いわ
ゆる黒ポツ等の故障が発生し易いという問題があった。
【0011】また、自動現像機を用いて処理する場合、
従来、フィルム先端が自動現像機に挿入されてから乾燥
ゾーンから出てくるまでの全処理時間(Dry to Dry)が
90秒以上かかるのが通常であったが、近年、印刷点数の
増加や労働時間の短縮により現像処理時間の短縮が要望
され、全処理時間が60秒以内の迅速処理を行い、かつ上
記のような条件で自動現像機で連続処理する場合には、
上記のような故障が更に発生し易くなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の第1の
目的は、未露光部に黒ポツの発生がなく、かつ高硬調性
で高精細性の画像を得られるハロゲン化銀写真感光材料
を提供することにある。本発明の第2の目的は、pHが1
1.0未満の現像液及び現像補充液を用いて自動現像機で
連続処理しても感度、ガンマの変動劣化がなく、かつカ
ブリ、黒ポツの発生がない高精細の製版用ハロゲン化銀
写真感光材料の処理方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の問題点は下記の本
発明によって解決された。
【0014】(1)60モル%以上が塩化銀で平均厚みが0.1
5μm未満、平均直径が0.1μm以上で平均アスペクト比が
2以上の平板状ハロゲン化銀粒子からなるハロゲン化銀
乳剤層を少なくとも1層有するハロゲン化銀写真感光材
料において、該乳剤層及び/又は他の親水性コロイド層
中に少なくとも1種のヒドラジン誘導体と酸化されるこ
とにより現像抑制基を放出し得るレドックス化合物の少
なくとも1種を含有することを特徴とするハロゲン化銀
写真感光材料。
【0015】(2)ハロゲン化銀1モル当たり10-5モル乃
至10-10モルのロジウム化合物の少なくとも1種を含有
することを特徴とする(1)項記載のハロゲン化銀写真感
光材料。
【0016】(3)pHが11.0未満で、かつ補充量が感光材
料1m2当たり200ml以下の現像液で、自動現像機処理さ
れることを特徴とする(1)項又は(2)項記載のハロゲン化
銀写真感光材料の処理方法。
【0017】(4)pHが11.0未満で、補充量が感光材料1
m2当たり200ml以下の現像液で、かつ全処理時間が60秒
以下で自動現像処理されることを特徴とする(1)項又は
(2)項記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0018】以下、本発明を詳述する。
【0019】平板状ハロゲン化銀粒子とヒドラジン誘導
体の組み合わせに関しては、例えば特開昭58-108528
号、同58-111938号、リサーチ・ディスクロージャーNo.
22534(1983年1月)、特開昭63-178223号、同63-178224
号、特開平2-24643号などで開示されている。しかしな
がら高感度、高コントラストを有し、かつ高精細な網階
調を改良する感光材料に関しては言及していない。
【0020】本発明のハロゲン化銀乳剤は60モル%以上
が塩化銀で好ましくか70モル以上が塩化銀で残りが臭化
銀からなるハロゲン化銀粒子を含む乳剤であって、平均
アスペクト比は2以上であり、好ましくは3〜8であ
る。
【0021】平板状ハロゲン化銀粒子の直径は粒子の投
影面積に等しい面積の円の直径を指し、本発明において
は0.1μm以上であって、好ましくは0.2〜2μm、より好
ましくは0.3μm以上である。また、ハロゲン化銀粒子の
厚みは平板状粒子を構成する表面のうちの平行な二つの
主平面の間の距離を指し、本発明におけるハロゲン化銀
粒子の平均厚みは0.15μm未満であり、好ましくは0.2〜
0.1μmである。
【0022】本発明のハロゲン化銀粒子の粒径分布は単
分散でも多分散でもよいが、単分散であることが好まし
い。また平板状粒子は(111)面又は(100)面でもよく、或
いは(111)面と(100)面の混合した面から形成されるもの
でもよい。
【0023】平板状ハロゲン化銀粒子の製法としては当
業界でよく知られた方法を適宜組み合わせることができ
る。例えば米国特許4,400,463号、同4,713,323号、同4,
804,621号、同4,783,398号、同4,952,491号、同4,983,5
08号、同4,063,951号、同4,386,156号などに記載の方法
を参考にすることができる。
【0024】平板状ハロゲン化銀粒子の製法としては例
えばpCl値が1.5以下の比較的低pCl値の雰囲気中で平板
状粒子が重量で40%以上存在する種晶を形成し、同程度
のpCl値に保ちつつ銀及びハロゲン溶液を同時に添加し
つつ種晶を成長させることにより得られる。この粒子成
長過程において新たな結晶核が発生しないように銀及び
ハロゲン溶液を添加することが望ましい。
【0025】平板状ハロゲン化銀粒子の大きさは温度調
節、乳剤層の種類や量の選択、粒子成長成長時に用いる
銀塩及びハロゲン化物の添加速度などをコントロールす
ることにより調整できる。本発明の平板状ハロゲン化銀
粒子の製造時には、必要に応じてハロゲン化銀溶剤を用
いることにより、粒子の成長速度をコントロールするこ
とができる。例えば溶剤の使用量の増加とともに粒子サ
イズ分布を単分散化し、かつ成長速度を速めることがで
きる。また溶剤の使用量の増加とともに粒子の厚みを増
加する傾向もある。
【0026】しばしば用いられるハロゲン化銀溶剤とし
ては例えばアンモニア、チオエーテル、チオ尿素類を挙
げることができる。これらのハロゲン化銀溶剤は本発明
の平板状ハロゲン化銀粒子の製造時に粒子成長を速める
ために添加する。
【0027】銀塩溶液(例えば硝酸銀水溶液)とハロゲ
ン化物溶液(例えばKBr水溶液)の添加速度、添加量、
添加濃度を上昇させる方法が好ましく用いられる。
【0028】本発明のハロゲン化銀乳剤には粒子形成終
了までにハロゲン化銀1モル当たり10-5〜10-10モル、
好ましくは10-6〜10-9モルのロジウム塩(を含む錯塩)
を含有させることが必要である。このようなロジウム塩
としては従来知られているものが任意に用いられ代表的
には〔Na3RhCl6〕、〔K3RhBr6〕、塩化ロジウムアンミ
ン錯体、ロジウムトリクロライドなどが用いられる。
【0029】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に
は、ロジウム塩の他にハロゲン化銀粒子の形成又は物理
熟成の過程においてカドミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タ
リウム塩、イリジウム塩もしくはその錯塩などを共存さ
せてもよい。
【0030】本発明で言う他の親水性コロイド層とは、
ハロゲン化銀写真感光材料の親水性層を形成する層を指
し、具体的には実質的に非感光性のハロゲン化銀乳剤
層、保護層、中間層、フィルター層、紫外線吸収層、ハ
レーション防止層及び裏引き層などの層が挙げられる。
【0031】これらの親水性コロイド層には、結合剤又
は保護コロイドとして、ゼラチンをはじめとして各種の
親水性高分子化合物を用いることができる。
【0032】本発明の感光材料は下記一般式〔H〕で表
されるヒドラジン誘導体を含有する。
【0033】
【化1】
【0034】一般式〔H〕について以下詳しく説明す
る。
【0035】式中、Aで表される脂肪族基は好ましくは
炭素数1〜30のものであり、特に炭素数1〜20の直鎖、
分岐又は環状のアルキル基である。例えばメチル基、エ
チル基、t-ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、
ベンジル基等が挙げられ、これらはさらに適当な置換基
(例えばアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホキシ基、
スルホンアミド基、アシルアミノ基、ウレイド基等)で
置換されてもよい。
【0036】一般式〔H〕においてAで表される芳香族
基は、単環又は縮合環のアリール基が好ましく、例えば
ベンゼン環又はナフタレン環などが挙げられる。
【0037】一般式〔H〕においてAで表されるヘテロ
環基としては、単環又は縮合環の少なくとも窒素、硫
黄、酸素から選ばれる一つのヘテロ原子を含むヘテロ環
が好ましく、例えばピロリジン環、イミダゾール環、テ
トラヒドロフラン環、モルホリン環、ピリジン環、ピリ
ミジン環、キノリン環、チアゾール環、ベンゾチアゾー
ル環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。
【0038】Aとして特に好ましいものは、アリール基
及びヘテロ環基である。
【0039】Aのアリール基及びヘテロ環基は、置換基
を持っていてもよい。代表的な置換基としてはアルキル
基(好ましくは炭素数1〜20のもの)、アラルキル基
(好ましくはアルキル部分の炭素数が1〜3の単環又は
縮合環のもの)、アルコキシ基(好ましくはアルキル部
分の炭素数が1〜20のもの)、置換アミノ基(好ましく
は炭素数1〜20のアルキル基又はアルキリデン基で置換
されたアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数
1〜40のもの)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数
1〜40のもの)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜40
のもの)、ヒドラジノカルボニルアミノ基(好ましくは
炭素数1〜40のもの)、ヒドロキシル基、ホスホアミド
基(好ましくは炭素数1〜40のもの)などがある。
【0040】又、Aは耐拡散基又はハロゲン化銀吸着促
進基を少なくとも一つ含むことが好ましい。耐拡散基と
してはカプラーなどの不動性写真用添加剤にて常用され
るバラスト基が好ましく、バラスト基としては炭素数8
以上の写真性に対して比較的不活性である例えばアルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フ
ェニル基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基などが
挙げられる。
【0041】ハロゲン化銀吸着促進基としては、チオ尿
素、チオウレタン基、メルカプト基、チオエーテル基、
チオン基、複素環基、チオアミド複素環基、メルカプト
複素環基、或いは特開昭64-90439号に記載の吸着基など
が挙げられる。
【0042】Bは具体的にはアシル基(例えばホルミ
ル、アセチル、プロピオニル、トリフルオロアセチル、
メトキシアセチル、フェノキシアセチル、メチルチオア
セチル、クロロアセチル、ベンゾイル、2-ヒドロキシメ
チルベンゾイル、4-クロロベンゾイル等)、アルキルス
ルホニル基(例えばメタンスルホニル、2-クロロエタン
スルホニル等)、アリールスルホニル基(例えばベンゼ
ンスルホニル等)、アルキルスルフィニル基(例えばメ
タンスルフィニル等)、アリールスルフィニル基(ベン
ゼンスルフィニル等)、カルバモイル基(例えばメチル
カルバモイル、フェニルカルバモイル等)、アルコキシ
カルボニル基(例えばメトキシカルボニル、メトキシエ
トキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基
(例えばフェノキシカルボニル等)、スルファモイル基
(例えばジメチルスルファモイル等)、スルフィナモイ
ル基(例えばメチルスルフィナモイル等)、アルコキシ
スルホニル基(例えばメトキシスルホニル等)、チオア
シル基(例えばメチルチオカルボニル等)、チオカルバ
モイル基(例えばメチルチオカルバモイル等)、オキザ
リル基(一般式〔Ha〕に関しては後述)、又はヘテロ
環基(例えばピリジン環、ピリジニウム環等)を表す。
【0043】一般式〔H〕のBはA2及びそれらが結合
する窒素原子とともに
【0044】
【化2】
【0045】を形成してもよい。
【0046】R9はアルキル基、アリール基又はヘテロ
環基を表し、R10は水素原子、アルキル基、アリール基
又はヘテロ環基を表す。
【0047】Bとしては、アシル基又はオキザリル基が
特に好ましい。
【0048】A1,A2は、ともに水素原子、又は一方が
水素原子で他方はアシル基(アセチル、トリフルオロア
セチル、ベンゾイル等)、スルホニル基(メタンスルホ
ニル、トルエンスルホニル等)、又はオキザリル基(エ
トキザリル等)を表す。
【0049】本発明で用いるヒドラジン化合物のうち特
に好ましいものは下記一般式〔Ha〕で表される化合物
である。
【0050】
【化3】
【0051】式中、R4はアリール基又はヘテロ環基を
表し、R5
【0052】
【化4】
【0053】を表す。
【0054】R6,R7はそれぞれ水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ
環基、アミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アル
ケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ
基、又はヘテロ環オキシ基を表し、R6とR7でN原子と
ともに環を形成してもよい。R8は水素原子、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はヘ
テロ環基を表す。A1及びA2は一般式〔H〕のA1及び
2とそれぞれ同義の基を表す。
【0055】一般式〔Ha〕について更に詳しく説明す
る。
【0056】R4で表されるアリール基としては、単環
又は縮合環のものが好ましく、例えばベンゼン環又はナ
フタレン環などが挙げられる。
【0057】R4で表されるヘテロ環基としては、単環
又は縮合環の少なくとも窒素、硫黄、酸素から選ばれる
一つのヘテロ原子を含む5又は6員の不飽和ヘテロ環が
好ましく、例えばピリジン環、キノリン環、ピリミジン
環、チオフェン環、フラン環、チアゾール環又はベンゾ
チアゾール環等が挙げられる。
【0058】R4として好ましいものは、置換又は無置
換のアリール基である。この置換基としては一般式
〔H〕のAの置換基と同義のものが挙げられるが、pH1
1.2以下の現像液で硬調化する場合はスルホアミド基を
少なくとも一つ有することが好ましい。
【0059】A1及びA2は、一般式〔H〕のA1及びA2
と同義の基を表すが、ともに水素原子であることが最も
好ましい。
【0060】R5
【0061】
【化5】
【0062】を表し、ここでR6及びR7は、それぞれ水
素原子、アルキル基(メチル、エチル、ベンジル等)、
アルケニル基(アリル、ブテニル等)、アルキニル基
(プロパルギル、ブチニル等)、アリール基(フェニ
ル、ナフチル等)、ヘテロ環基(2,2,6,6-テトラメチル
ピペリジニル、N-ベンジルピペリジニル、キノリジニ
ル、N,N′-ジエチルピラゾリジニル、N-ベンジルピロリ
ジニル、ピリジル等)、アミノ基(アミノ、メチルアミ
ノ、ジメチルアミノ、ジベンジルアミノ等)、ヒドロキ
シル基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ等)、アル
ケニルオキシ基(アリルオキシ等)、アルキニルオキシ
基(プロパルギルオキシ等)、アリールオキシ基(フェ
ノキシ等)、又はヘテロ環オキシ基(ピリジルオキシ
等)を表し、R6とR7で窒素原子とともに環(ピペリジ
ン、モルホリン等)を形成してもよい。R8は水素原
子、アルキル基(メチル、エチル、メトキシエチル、ヒ
ドロキシエチル等)、アルケニル基(アリル、ブテニル
等)、アルキニル基(プロパルギル、ブチニル等)、ア
リール基(フェニル、ナフチル等)、ヘテロ環基(2,2,
6,6-テトラメチルピペリジニル、N-メチルピペリジニ
ル、ピリジル等)を表す。
【0063】一般式〔H〕及び〔Ha〕で示される化合
物の具体例を以下に示す。但し、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0064】
【化6】
【0065】
【化7】
【0066】
【化8】
【0067】
【化9】
【0068】
【化10】
【0069】本発明に用いられる一般式〔H〕で表され
る化合物の合成法は、特開昭62-180361号、同62-178246
号、同63-234245号、同63-234246号、同64-90439号、特
開平2-37号、同2-841号、同2-947号、同2-120736号、同
2-230233号、同3-125134号、米国特許4,686,167号、同
4,988,604号、同4,994,365号、ヨーロッパ特許253,665
号、同333,435号などに記載されている方法を参考にす
ることができる。
【0070】本発明の一般式〔H〕で表される化合物の
使用量は、ハロゲン化銀1モル当たり5×10-7〜5×10
-1モルであることが好ましく、特に5×10-6〜5×10-2
モルの範囲とすることが好ましい。
【0071】本発明において、一般式〔H〕で表される
化合物を写真感光材料中に含有させるときには、ハロゲ
ン化銀乳剤層又は該ハロゲン化銀乳剤層に隣接する親水
性コロイド層に含有させる。
【0072】上記以外の具体的化合物としては特開平4-
98239号604(4)頁〜607(7)頁に記載されている化合物例
H−1〜H−75が挙げられる。
【0073】ヒドラジン誘導体として前記一般式〔H〕
を含有する場合は、特開平4-98239号(7)頁左下欄1行
〜(26)頁左下欄11行に記載される造核促進化合物(造核
促進剤)の少なくとも1種を、ハロゲン化銀乳剤層及び
/又はハロゲン化銀乳剤層側にある非感光性層に含むこ
とが好ましい。
【0074】造核促進剤としては下記一般式〔Na〕又
は〔Nb〕に示すものが挙げられる。
【0075】
【化11】
【0076】一般式〔Na〕において、R11,R12及び
13は各々、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、
アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、アリ
ール基又は置換アリール基を表す。R11,R12,R
13は、互いに結合して環を形成することができる。特に
好ましくは脂肪族の3級アミン化合物である。
【0077】これらの化合物は、分子中に耐拡散性基又
はハロゲン化銀吸着基を有するものが好ましい。耐拡散
性を有するためには分子量100以上の化合物が好まし
く、更に好ましくは300以上である。又、好ましい吸着
基としては、含窒素複素環基、メルカプト基、チオエー
テル基、チオン基、チオウレア基などが挙げられる。
【0078】一般式〔Nb〕において、R21及びR22
各々、置換もしくは無置換のアリール基、芳香複素環基
又は水素原子を表す。
【0079】これらの化合物は、分子内に耐拡散性基又
はハロゲン化銀吸着基を有するものが好ましい。好まし
い耐拡散性を持たせるためには分子量120以上が好まし
く、特に好ましくは300以上である。
【0080】一般式〔Na〕及び〔Nb〕で表される具
体的化合物としては以下に示すものが挙げられる。
【0081】
【化12】
【0082】
【化13】
【0083】
【化14】
【0084】これらを感光材料中に含有させる時は、ハ
ロゲン化銀乳剤層又は該ハロゲン化銀乳剤層に隣接する
親水性コロイド層に含有させる。特に好ましくはハロゲ
ン化銀乳剤層中に含有させることである。
【0085】次に本発明に用いる酸化されることによ
り、現像抑制剤を放出しうるレドックス化合物のレドッ
クス基の例としては、ハイドロキノン類、カテコール
類、ナフトハイドロキノン類、アミノフェノール類、ピ
ラゾリドン類、ヒドラジン類、ヒロキシルアミン類、レ
ダクトン類などが挙げられる。レドックス基としてはヒ
ドラジン類が好ましく、レドックス化合物としては特開
平2-308156号記載の下記一般式〔R〕で表される化合物
が特に好ましい。
【0086】
【化15】
【0087】一般式〔R〕においてB1,B2は水素原
子、ともに水素原子又はスルホン酸残基、一方が水素原
子で他方はスルフィン酸残基例えば炭素数20以下のアル
キルスルホニル基及びアリールスルホニル基(好ましく
はフェニルスルホニル基又はハメットの置換基定数の和
が−0.5以上となるように置換されたフェニルスルホニ
ル基)もしくは、−[C(O)]l−R0(R0として好ましくは
炭素数30以下の直鎖、分岐状又は環状のアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基(好ましくはフェニル基、又は
ハメットの置換基定数の和が−0.5以上となるように置
換されたフェニル基)、アルコキシ基(例えばエトキシ
基など)、アリールオキシ基(好ましくは単環のも
の))などであり、これらの基は置換基を有していても
よく置換基としては、例えば以下のものがあげられる。
これらの基は更に置換されていてもよい。
【0088】例えばアルキル基、アラルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、置
換アミノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウ
レイド基、ウレタン基、アリールオキシ基、スルファモ
イル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、スルホニル基、スルフィニル基、ヒドロキシ基、
ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基やカルボキシル基、
アリールオキシカルボニル基、アシル基、アルコキシカ
ルボニル基、アシルオキシ基、カルボンアミド基、スル
ホンアミド基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、などである。)であり、B1,B2で表されるスル
フィン酸残基は具体的には米国特許4,478,928号に記載
されているものを表す。
【0089】又、B1は後述の−(Time)t−と連結して環
を形成してもよい。
【0090】B1,B2としては水素原子が最も好まし
い。
【0091】Timeは二価の連結基を表し、タイミング調
節機能を有していてもよい。tは0又は1を表し、t=
0の場合はPUGが直接Vに結合していることを意味す
る。
【0092】Timeで表される二価の連結基は酸化還元母
核の酸化体から放出されるTime−PUGから一段階或は、
それ以上の段階の反応を経てPUGを放出せしめる基を表
す。
【0093】Timeで表される二価の連結基としては、例
えば米国特許2,248,962号(特開昭54-145135号)等に記
載のp-ニトロフェノキシ誘導体の分子内閉環反応によっ
て写真的有用基(PUG)を放出するもの;米国特許4,31
0,612号(特開昭55-53330号)及び同4,358,252号等に記
載の環開裂後の分子内閉環反応によってPUGを放出する
もの;米国特許4,330,617号、同4,446,216号、同4,483,
919号、特開昭59-121328号等に記載のコハク酸モノエス
テル又はその類縁体のカルボキシル基の分子内閉環反応
による酸無水物の生成を伴って、PUGを放出するもの;
米国特許4,409,323号、同4,421,845号、リサーチ・ディ
スクロージャー誌No.21,228(1981年12月)、米国特許
4,416,977号(特開昭57-135944号)、特開昭58-209736
号、同58-209738号等に記載のアリールオキシ基又はヘ
テロ環オキシ基が共役した二重結合を介した電子移動に
よりキノモノメタン、又はその類縁体を生成してPUGを
放出するもの;米国特許4,420,554号(特開昭57-136640
号)、特開昭57-135945号、同57-188035号、同58-98728
号及び同58-209737号等に記載の含窒素ヘテロ環のエナ
ミン構造を有する部分の電子移動によりエナミンのγ位
よりPUGを放出するもの;特開昭57-56837号に記載の含
窒素ヘテロ環の窒素原子と共役したカルボニル基への電
子移動により生成したオキシ基の分子内閉環反応により
PUGを放出するもの;米国特許4,146,396号(特開昭52-9
0932号)、特開昭59-93442号、特開昭59-75475号等に記
載のアルデヒド類の生成を伴ってPUGを放出するもの;
特開昭51-146828号、同57-179842号、同59-104641号に
記載のカルボキシル基の脱炭素を伴ってPUGを放出する
もの;−O−COOCR2R6−PUGの構造を有し、脱炭酸と引き
続くアルデヒド類の生成を伴ってPUGを放出するもの;
特開昭60-7429号に記載のイソシアナートの生成を伴っ
てPUGを放出するもの、米国特許4,438,193号等に記載の
カラー現像薬の酸化体とのカップリング反応によりPUG
を放出するものなどを挙げることができる。
【0094】これら、Timeで表される二価の連結基の具
体例については特開昭61-236549号、特願昭63-98803号
等にも詳細に記載されている。
【0095】主な現像抑制剤としてはメルカプトテトラ
ゾール誘導体、メルカプトトリアゾール誘導体、メルカ
プトイミダゾール誘導体、メルカプトピリミジン誘導
体、メルカプトベンズイミダゾール誘導体、メルカプト
チアジアゾール誘導体、メルカプトベンズチアゾール誘
導体、メルカプトベンズオキサゾール誘導体、ベンズト
リアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、インダ
ゾール誘導体、テトラゾール誘導体、テトラザインデン
誘導体、メルカプトアリール誘導体等が挙げられる。
【0096】Vはカルボニル基、−C(O)C(O)−、スルホ
ニル基、スルホキシ基、−P(O)(R14)−R1(R1はアルコ
キシ基又はアリールオキシ基を表す。)。イミノメチレ
ン基、チオカルボニル基を表し、Vとしてはカルボニル
基が好ましい。
【0097】Rで表される脂肪族基は直鎖、分岐又は環
状のアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基であ
り、好ましい炭素数は1〜30のものであって、特に炭素
数1〜20のものである。ここで分岐アルキル基はその中
に1つ又はそれ以上のヘテロ原子を含んだ飽和のヘテロ
環を形成するように環化されていてもよい。
【0098】例えばメチル基、t-ブチル基、n-オクチル
基、t-オクチル基、シクロヘキシル基、ヘキセニル基、
ピロリジル基、テトラヒドロフリル基、n-ドデシル基な
どが挙げられる。
【0099】芳香族基は単環又は2環のアリール基であ
り、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
【0100】ヘテロ環基は、N,O又はS原子のうち少
なくともひとつを含む3〜10員の飽和もしくは不飽和の
ヘテロ環であり、これらは単環でもよいし、更に他の芳
香環もしくはヘテロ環と縮合環を形成してもよい。ヘテ
ロ環として好ましいものは、5ないし6員環の芳香族ヘ
テロ環であり、例えば、ピリジン環、イミダゾリル基、
キノリニル基、ベンズイミダゾリル基、ピリミジニル
基、ピラゾリル基、イソキノリニル基、ベンズチアゾリ
ル基、チアゾリル基などが挙げられる。Rは置換基で置
換されていてもよい。置換基としては、例えば以下のも
のが挙げられる。これらの基は更に置換されていてもよ
い。
【0101】例えばアルキル基、アラルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、置
換アミノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウ
レイド基、ウレタン基、アリールオキシ基、スルファモ
イル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチ
オ基、スルホチオ基、スルフィニル基、ヒドロキシ基、
ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、アルキルオキシカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、
アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボンア
ミド基、スルホンアミド基やカルボキシ基、リン酸アミ
ド基などである。
【0102】また一般式〔R〕において、R、又は−(T
ime)t−PUGは、その中にカプラー等の不動性写真用添加
剤において常用されているバラスト基や一般式〔R〕で
表される化合物がハロゲン化銀に吸着することを促進す
る基が組み込まれていてもよい。
【0103】バラスト基は一般式〔R〕で表される化合
物が実質的に他層又は処理液中へ拡散できないようにす
るのに十分な分子量を与える有機基であり、アルキル
基、アリール基、ヘテロ環基、エーテル基、チオエーテ
ル基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、スルホンア
ミド基などの一以上の組み合わせからなるものである。
バラスト基として好ましくは置換ベンゼン環を有するバ
ラスト基であり、特に分岐状アルキル基で置換されたベ
ンゼン環を有するバラスト基が好ましい。
【0104】ハロゲン化銀への吸着促進基としては、具
体的には4-チアゾリン-2-チオン、4-イミダゾリン-2-チ
オン、2-チオヒダントイン、ローダニン、チオバルビツ
ール酸、テトラゾリン-5-チオン、1,2,4-トリアゾリン-
3-チオン、1,3,4-オキサゾリン-2-チオン、ベンズイミ
ダゾリン-2-チオン、ベンズオキサゾリン-2-チオン、ベ
ンゾチアゾリン-2-チオン、チオトリアジン、1,3-イミ
ダゾリン-2-チオンのような環状チオアミド基、鎖状チ
オアミド基、脂肪族メルカプト基、芳香族メルカプト
基、ヘテロ環メルカプト基(−SH基が結合した炭素原子
の隣が窒素原子の場合はこれと互変異性体の関係にある
環状チオアミド基と同義であり、この基の具体例は上に
列挙したものと同じである。)、ジスルフィド結合を有
する基、ベンゾトリアゾール、トリアゾール、テトラゾ
ール、インダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾー
ル、ベンゾチアゾール、チアゾール、チアゾリン、ベン
ゾオキサゾール、オキサゾール、オキサゾリン、チアジ
アゾール、オキサチアゾール、トリアジン、アザインデ
ンのような窒素、酸素、硫黄及び炭素の組み合わせから
なる5員ないし6員の含窒素ヘテロ環基、及びベンズイ
ミダゾリニウムのような複素環四級塩などが挙げられ
る。
【0105】これらは更に適当な置換基で置換されてい
てもよい。
【0106】置換基としては、例えばRの置換基として
述べたものが挙げられる。
【0107】以下に本発明に用いられる化合物の具体例
を列記するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0108】
【化16】
【0109】
【化17】
【0110】
【化18】
【0111】
【化19】
【0112】
【化20】
【0113】
【化21】
【0114】
【化22】
【0115】
【化23】
【0116】
【化24】
【0117】
【化25】
【0118】
【化26】
【0119】
【化27】
【0120】
【化28】
【0121】
【化29】
【0122】
【化30】
【0123】
【化31】
【0124】本発明に用いられるレドックス化合物の合
成法は例えば特開昭61-213847号、同62-260153号、米国
特許4,684,604号、特願昭63-98803号、米国特許3,379,5
29号、同3,620,746号、同4,377,634号、同4,332,878
号、特開昭49-129536号、同56-153336号、同56-153342
号、などに記載されている。
【0125】本発明のレドックス化合物は、ハロゲン化
銀1モル当たり1.0×10-5モル〜5.0×10-2モル、好まし
くは1.0×10-4〜1.0×10-2モルの範囲内で用いられる。
【0126】本発明のレドックス化合物は、適当な水混
和性有機溶媒、例えば、アルコール類(メタノール、エ
タノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケト
ン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブな
どに溶解して用いることができる。
【0127】又、既に、良く知られている乳化分散法に
よって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ート、グリセリルトリアセテート或はジエチルフタレー
トなどのオイルに、酢酸エチルやシクロヘキサノンなど
の補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作成
して用いることもできる。或は、固体分散法として知ら
れている方法によって、レドックス化合物の粉末を水の
中に、ボールミル、コロイドミル、或は超音波によって
分散して用いることもできる。
【0128】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各
種の写真用添加剤を用いることができる。このような工
程で使用される化合物としては例えばリサーチ・ディス
クロージャー(RD)No.17643(1978年12月)同No.18716(197
9年11月)及び同No.308119(1989年12月)に記載されてい
る各種の化合物を用いることができる。これら3つの(R
D)に記載されている化合物種類と記載箇所を下記に掲載
した。
【0129】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IVA 減感色素 23 IV 998 IVB 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜27 XI 650右 1005〜6 XI 可塑剤 27 XII 650右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる支持体
としては、上記のRDに記載されているものが挙げられ、
適当な支持体としてはポリエチレンテレフタレートなど
で、支持体表面は塗布層の接着性をよくするために下引
き層を設けたりコロナ放電や紫外線照射などが施されて
もよい。
【0130】本発明の感光材料の写真処理は例えば、前
記のRD-17643のXX〜XXI、29〜30頁或は同308119のXX〜XX
I、1011〜1012頁に記載されているような、処理液による
処理がなされてよい。この処理は銀画像を形成する白黒
写真処理、或は色素像を形成するカラー写真処理のいず
れであってもよい。処理温度は通常18℃から50℃の範囲
で処理される。
【0131】白黒写真処理での現像剤としては、ジヒド
ロキシベンゼン類(例えばハイドロキノン)、3-ピラゾリ
ドン類(例えば1-フェニル-3-ピラゾリドン)、アミノフ
ェノール類(例えばN-メチル-P-アミノフエノール)など
を単独もしくは組合せて用いることができる。なお、現
像液には公知の例えば保恒剤、アルカリ剤、pH緩衡
剤、カブリ防止剤、硬膜剤、現像促進剤、界面活性剤、
消泡剤、色調剤、硬水軟化剤、溶解助剤、粘性付与剤な
どを必要に応じて用いてもよい。
【0132】定着液にはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩な
どの定着剤が用いられ、さらに硬膜剤として水溶性のア
ルミニウム塩例えば硫酸アルミニウム或はカリ明ばんな
どを含んでいてもよい。その他保恒剤、pH調整剤、硬
水軟化剤などを含有していてもよい。
【0133】本発明においては、現像液pHが11.0未
満、好ましくは9.5〜11.5のpHを有する現像液で、かつ
現像液補充量が感光材料1m2当た200ml以下、好ましく
は75〜200mlの補充量で自動現像機処理されることが好
ましい。
【0134】本発明においては、現像時間短縮の要望か
ら自動現像機での全処理時間(Dryto Dry)が60秒以
下、好ましくは20〜60秒であること好ましい。ここで言
う全処理時間とは感光材料を処理するのに必要な全工程
時間を含み、具体的には処理に必要な例えば現像、定
着、漂白、水洗、安定化処理、乾燥などの工程時間を全
て含んだ時間、つまりDry to Dryの時間を言う。全処理
時間が20秒未満では減感、軟調化などで満足な写真性能
が得られない。より好ましくは全処理時間(Dry toDr
y)が20〜48秒である。
【0135】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。
【0136】実施例1 乳剤1(本発明の乳剤)の調製) 2%不活性ゼラチン、1.5mMアデニン、0.04MNaCl、20M
酢酸ナトリウムの溶液400mlを撹拌反応器に入れHNO3
使用して40℃でpH6.0に調整した。次いでこの撹拌液に
4Mの硝酸銀溶液を加えた。この硝酸銀溶液は10ml/分
で5分間一定流量添加し、その後流速を40分かけて75ml
/分に加速し、合計2.68モルの硝酸銀を加えた。このと
きpClを1.40の一定に維持するのに必要な速度で2.8MNa
Clと1.2MKBrと2.1×10-6MK3RhCl6を混合した溶液を加
えた。その後、乳剤に変性ゼラチン(特開平2-280139号
に記載のG-8)53gを加え洗浄を行った。
【0137】得られた平板状粒子のハロゲン化銀乳剤は
平均直径0.40μm、平均厚みが0.15μm、平均アスペクト
比は2.7を有していた。この乳剤を60℃でpH5.8、pAg7.
0の条件下で塩化金酸と無機硫黄で最適に化学熟成し
た。熟成終了後、銀1モル当たり4-ヒドロキシ-6-メチ
ル-1,3,3a,7-テトラザインデンを7.5×10-3モル、1-フ
ェニル-5-メルカプトテトラゾールを3.5×10-4モル及び
ゼラチンを加えて本発明に係る乳剤1とした。
【0138】乳剤2(比較乳剤)の調製 同時混合法を用いて塩化銀乳剤(銀1モル当たり塩化銀7
0モル%)を調製した。この混合時にK3RhCl6を銀1モル
当たり8.1×10-7モル添加してから上記の乳剤1と同様
の方法で洗浄した。得られた乳剤は平均粒径0.30μmの
立方体単分散粒子(変動係数9%)からなる乳剤であっ
た。これを60℃、pH5.8、pAg7.0の条件下で塩化金酸と
無機硫黄で最適に化学熟成した。熟成終了後、銀1モル
当たり4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザイン
デンを7.5×10-3モル、1-フェニル-5-メルカプトテトラ
ゾールを3.5×10-4モル及びゼラチンを加えて比較乳剤
2とした。 (ハロゲン化銀写真感光材料の調製)特開平3-92175号
実施例1記載の帯電防止加工を行った厚さ100μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムの一方の下塗り層上
に、下記処方1のハロゲン化銀乳剤組成を塗布した。次
に親水性コロイド層として下記処方3の塗布液をゼラチ
ン量が1.7g/m2になるよう塗布した。さらにその上層
に保護層として下記処方2の塗布液をゼラチン量が1g
/m2になるよう塗布した。また反対側の下塗り層上に下
記処方4のバッキング層をゼラチン量が1g/m2になる
よう塗布し、さらにその上層に下記処方5の保護層をゼ
ラチン量が1g/m2になるよう塗布し試料を作成した。
【0139】 処方1(ハロゲン化銀乳剤組成) ハロゲン化銀乳剤(表1に示す乳剤1又は2) 銀量2.9g/m2になる量 ゼラチン 1.7g/m2になる量
【0140】
【化32】
【0141】 S−1(ソジウム-イソ-アミル-n-デシルスルホサクシネート) 0.64g/m2 2-メルカプト-6-ヒドロキシプリン 1.7g/m2 EDTA 50mg/m2 処方2(乳剤保護層組成) ゼラチン 1.0g/m2 S−1 12mg/m2 マット剤:平均粒径3.5μmの単分散シリカ 22mg/m2 1,3-ビニルスルホニル-2-プロパノール 40mg/m2
【0142】
【化33】
【0143】 処方3(親水性コロイド層組成) ゼラチン 1.7g/m2 ハロゲン化銀乳剤(表1に示す乳剤1又は2) 銀量0.3g/m2になる量 安定剤:4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン 30mg/m2 カブリ防止剤:5-ニトロインダゾール 10mg/m2 :1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 5mg/m2 S−1 8mg/m2 R−17 3.0×10-5モル/m2 処方4(バッキング層組成) ゼラチン 2.0g/m2 サポニン 133mg/m2 S−1 6mg/m2 コロイドシリカ 100mg/m2
【0144】
【化34】
【0145】 処方5(バッキング保護層組成) ゼラチン 1.0g/m2 マット剤:平均粒径5.0μmの単分散ポリメチルメタクリレート 50mg/m2 ソジウム-ジ-2-エチルヘキシルスルホサクシネート 10mg/m2 得られた試料をステップウヱッジと密着しHe-Neレーザ
ー光の代用特性として波長633nmの干渉フィルターで10
-5秒の露光を行ってから下記組成の現像液及び定着液を
用いて迅速処理用自動現像機GR-26SR(コニカ(株)
製)にて下記条件で処理した。
【0146】 (現像液処方) 亜硫酸ナトリウム 55g/リットル 炭酸カリウム 40g/リットル ハイドロキノン 24g/リットル 4-メチル-4-ヒドロキシメチル-1-フェニル -3-ヒドラゾリドン(ジメゾンS) 0.9g/リットル 臭化カリウム 5g/リットル 5-メチル-ベンゾトリアゾール 0.13g/リットル ほう酸 2.2g/リットル ジエチレングリコール 40g/リットル 化合物P−1 60mg/リットル
【0147】
【化35】
【0148】水と水酸化カリウムを加えて1リットル/
pH10.4にする。
【0149】(定着液処方) (組成A) チオ硫酸アンモニウム(72.5%W/V水溶液) 240ml 亜硫酸ナトリウム 17g 酢酸ナトリウム・3水塩 6.5g 硼酸 6.0g クエン酸ナトリウム・2水塩 2.0g (組成B) 純水(イオン交換水) 17ml 硫酸(50%W/Vの水溶液) 4.7g 硫酸アルミニウム(Al2O3換算含量が8.1%W/Vの水溶液) 21g 定着液の使用時に水500ml中に上記組成A、組成Bの順
に溶かし、1リットルに仕上げて用いた。この定着液の
pHは酢酸で4.8に調整した。
【0150】(現像処理条件) (工程) (温度) (時間) 現像 38℃ 20秒 定着 35℃ 20秒 水洗 常温 20秒 乾燥 50℃ 20秒 合計 90秒 各工程時間は次工程までのいわゆるワタリ搬送時間も含
む。
【0151】補充液は現像液及び定着液の組成と同一の
ものを使用し、現像150ml/m2、定着液190ml/m2の割合
で補充しながら試料300m2を処理した。処理後の写真性
能及び黒ポツを調べた。
【0152】(感度・ガンマの測定方法)得られた現像
済み試料をPDA-65(コニカデジタル濃度計)で測定した。
表中の感度は試料No.1の濃度3.0における感度を100と
した場合の相対感度で表した。又、軟調化を表す指標と
してのガンマは濃度0.1と3.0の正接をもって表し、表中
のガンマ値が6未満では使用不可能の感光材料で、6以
上10未満でもまだ不十分な硬調性である。ガンマ値が10
以上ではじめて超硬調な画像が得られ、十分に実用可能
な感光材料であることを表す。
【0153】(カブリの測定方法)得られた現像済みの
試料の未露光部分をPDA-65で濃度測定した。0.08を越え
る値は実用上好ましくない。
【0154】(黒ポツの測定方法)又、未露光部の黒ポ
ツは40倍のルーペを使って評価した。全く黒ポツの発生
していないものを最高ランク5とし、黒ポツの発生度に
応じて4、3、2、1とランクを下げて評価した。ラン
ク1と2は実用上好ましくないレベルである。
【0155】(網点再現性)高精細の実写をアグファ・
ゲバルト社製イメージセッター(Select Set 5000)に
て解像度600線/インチで網点出力を行った。網はマッ
キントッシュ・コンピューターからのテストパターンに
より出力した。理論出力値5%と95%の網をX-riteを用
いて網%を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0156】
【表1】
【0157】表から明らかなように本発明の試料は感
度、ガンマが高く、かつ網点再現性(5%の網点再現
性)が優れることが分かる。
【0158】実施例2 実施例1の感光材料及び現像液、定着液を用い自動現像
機GR-26SR(コニカ(株)製)にてランニング処理を行
った。ランニングは感光材料を大全(303mm×252mm)サ
イズで700枚処理した。このとき併せてランニング時の
補充量を変化させた。表中の感度は比較試料である試料
No.3のランニング初期の感度を100とした場合のランニ
ング後のそれぞれの比感度を表す。得られた結果を下記
の表2に示す。
【0159】
【表2】
【0160】表から明らかなように本発明の試料は、補
充量を低減してもランニング終了時の写真性能がランニ
ング初期と変らず、補充量の影響が少ないことを表して
いる。
【0161】実施例3 実施例1で得られた試料を下記の現像処理条件で処理
し、迅速処理性を試験した。表から明らかなように本発
明の試料は迅速処理しても感度、ガンマ及び網点再現性
の劣化がないことが分かる。
【0162】(迅速現像処理条件) 現像 38℃ 12秒 定着 35℃ 10秒 水洗 常温 10秒 乾燥 50℃ 13秒 合計 45秒
【0163】
【表3】
【0164】
【発明の効果】本発明によればpHが11.0未満の現像液
及び現像補充液を用いて自動現像機で連続処理しても感
度、ガンマの変動劣化がなく、かつカブリ、黒ポツの発
生がない製版用ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理
方法を得ることが出来た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 5/31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 60モル%以上が塩化銀で平均厚みが0.15
    μm未満、平均直径が0.1μm以上で平均アスペクト比が
    2以上の平板状ハロゲン化銀粒子からなるハロゲン化銀
    乳剤層を少なくとも1層有するハロゲン化銀写真感光材
    料において、該乳剤層及び/又は他の親水性コロイド層
    中に少なくとも1種のヒドラジン誘導体と酸化されるこ
    とにより現像抑制基を放出し得るレドックス化合物の少
    なくとも1種を含有することを特徴とするハロゲン化銀
    写真感光材料。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀1モル当たり10-5モル乃至
    10-10モルのロジウム化合物の少なくとも1種を含有す
    ることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感
    光材料。
  3. 【請求項3】 pHが11.0未満で、かつ補充量が感光材
    料1m2当たり200ml以下の現像液で、自動現像機処理さ
    れることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  4. 【請求項4】 pHが11.0未満で、補充量が感光材料1m
    2当たり200ml以下の現像液で、かつ全処理時間が60秒以
    下で自動現像処理されることを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
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