JPH085426Y2 - 電磁弁のソレノイド部取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、電磁弁のソレノイド部取付構造に関し、特
にソレノイド部が主弁部に取り付けられる場合におい
て、締結部材を使用することなく、ソレノイド部を主弁
部に取り付けることが可能とされる電磁弁のソレノイド
部取付構造に適用して有効な技術に関する。

［従来の技術］ たとえば、電磁弁のソレノイド部取付構造としては、
固定鉄心および可動鉄心を備えたソレノイド部と、この
ソレノイド部に結合され、可動鉄心の変位に連動して作
動される主弁部とから構成される電磁弁において、主弁
部に取付ねじが螺合されるねじ孔が形成され、かつソレ
ノイド部に貫通孔が形成され、取付ねじがソレノイド部
の貫通孔を通じて主弁部のねじ孔に螺着されることによ
って、ソレノイド部が主弁部に取り付けられる構造のも
のがある。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、前記のような従来技術においては、ソレノ
イド部が取付ねじによって主弁部に取り付けられるため
に、取付ねじの取付および貫通されるスペースがソレノ
イド部および主弁部に必要であるという欠点がある。そ
のために、ソレノイド部に接続される信号線を、取付ね
じの貫通されないスペースに片寄せしなければならない
という問題がある。

また、現在のように小形化が要求される流体圧機器に
おいては、取付ねじのスペースが小形化を妨げる大きな
要因となっており、電磁弁の小形化を進める上において
限界が生じている。

さらに、ソレノイド部が樹脂モールドされるモールド
構造の電磁弁においては、モールド処理時における脱泡
作業が必要であると同時に、製造コストの面においても
コスト高になってしまうという問題がある。

そこで、本考案の目的は、取付ねじなどの締結部材を
使用することなく、ソレノイド部を主弁部に取り付ける
ことが可能にされると同時に、形状的に小形化が可能と
され、また製造の低コスト化を図ることができ、信頼性
および精度の向上が可能とされる電磁弁のソレノイド部
取付構造を提供することにある。

本考案の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、
本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろ
う。

［課題を解決するための手段］ 本願において開示される考案のうち、代表的なものの
概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。

すなわち、本考案の電磁弁のソレノイド部取付構造に
ついては、固定鉄心および可動鉄心を備えたソレノイド
部と、該ソレノイド部に結合され、前記可動鉄心の変位
に連動して作動される主弁部とから構成され、前記ソレ
ノイド部が下側および上側に２分割される外部鉄心によ
って被覆される電磁弁であって、前記主弁部に結合され
る前記下側外部鉄心の側面に嵌合溝が形成され、かつ前
記上側外部鉄心の下部に突起部が形成され、該上側外部
鉄心の突起部が前記下側外部鉄心の嵌合溝に嵌合される
ことによって、前記ソレノイド部が前記主弁部に取り付
けられるものである。

また、本考案の他の電磁弁のソレノイド部取付構造に
ついては、固定鉄心および可動鉄心を備えたソレノイド
部と、該ソレノイド部に結合され、前記可動鉄心の変位
に連動して作動される主弁部とから構成され、前記ソレ
ノイド部が下側および上側に２分割される外部鉄心によ
って被覆される電磁弁であって、前記主弁部の側面に嵌
合溝が形成され、かつ前記上側外部鉄心の下部に突起部
が形成され、該上側外部鉄心の突起部を前記主弁部の嵌
合溝に嵌合させることのみによって、前記ソレノイド部
が前記主弁部に取り付けられるものである。

さらに、その内周面が前記上側外部鉄心の外側面に形
成された突起部と嵌合する被覆部材によって覆われるよ
うにしたものである。

［作用］ 前記した電磁弁のソレノイド部取付構造によれば、主
弁部に結合される下側外部鉄心の側面に嵌合溝が形成さ
れ、かつ上側外部鉄心の下部に突起部が形成されること
により、上側外部鉄心の突起部を下側外部鉄心の嵌合溝
に嵌合させることができる。これによって、取付ねじな
どの締結部材を使用することなく、ソレノイド部を主弁
部に容易に取り付けることができる。

また、前記した他の電磁弁のソレノイド部取付構造に
よれば、主弁部の側面に嵌合溝が形成され、かつ上側外
部鉄心の下部に突起部が形成されることにより、上側外
部鉄心の突起部を主弁部の嵌合溝に嵌合させることがで
きる。これによって、締結部材を使用することなく、ソ
レノイド部を主弁部に容易に取り付けることができる。

さらに、前記電磁弁の上側外部鉄心に、被覆部材が被
せられることにより、上側外部鉄心を被覆することがで
きる。これによって、上側外部鉄心の脱落防止と、ソレ
ノイド部の外部環境に対する遮蔽を行うことができる。

［実施例１］ 第１図は本考案の一実施例である電磁弁の一部を示す
要部断面図である。

まず、第１図により本実施例の電磁弁の構成を説明す
る。

本実施例の電磁弁は、たとえばシングルソレノイド形
の電磁弁とされ、電磁力発生部であるソレノイド部１
と、流体圧の切換機構を備えた主弁部２とから構成さ
れ、ソレノイド部１と主弁部２とが軸方向に同軸的に結
合されている。

ソレノイド部１は、ソレノイドコイル３が巻回された
ボビン４と、このボビン４の中心孔に固定的に設けられ
たコラム（固定鉄心）５と、中心孔の軸方向に沿って変
位自在に設けられたプランジャ（可動鉄心）６とで構成
されている。

そして、これらのボビン４、コラム５およびプランジ
ャ６は、２分割された下側外部鉄心７および上側外部鉄
心８の内部に収納され、さらにその外部が、たとえばエ
ポキシ樹脂などの樹脂材料で形成されたソレノイドカバ
ー（被覆部材）９によって覆われている。

また、下側外部鉄心７は、その側面に嵌合溝7aが形成
され、一方上側外部鉄心８は、その下部に突起部8aが形
成され、上側外部鉄心８の突起部8aが下側外部鉄心７の
嵌合溝7aに嵌合されるように形成されている。

さらに、ソレノイドカバー９に取付については、たと
えば上側外部鉄心８に図示しないくさび状などの突起部
が形成され、この突起部がソレノイドカバー９の内周面
に嵌合されることによって取り付けられる構造とされて
いる。

主弁部２は、ソレノイド部１のプランジャ６が変位さ
れることによって、たとえば図示しない主弁などから構
成される切換機構が作動され、流体圧の流通経路が切り
換えられる構造とされている。

そして、主弁部２の本体が、たとえば非樹脂材料であ
るアルミニウム合金などによって形成されている。

次に、本実施例の作用について説明する。

このように構成される本実施例の電磁弁において、組
立工程におけるソレノイド部１の主弁部２への取付は、
下記の手順によって行われる。

始めに、側面に嵌合溝7aが形成された下側外部鉄心７
が、たとえば取付ねじなどの締結部材（図示せず）によ
って、組立の終了した主弁部２の上面に取り付けられ
る。

一方、ソレノイドコイル３の巻回されたボビン４に
は、コラム５と上側外部鉄心８とが装着される。そし
て、上側外部鉄心８の内部にボビン４およびコラム５が
収納された状態において、上側外部鉄心８の突起部8a
が、主弁部２に固定された下側外部鉄心７の嵌合溝7aに
嵌合されて取り付けられる。

さらに、上側外部鉄心８の外部にソレノイドカバー９
が被せられることによって、ソレノイド部１の主弁部２
への取付が終了され、電磁弁の組立が完了する。

このように、本実施例の電磁弁においては、外部鉄心
が下側外部鉄心７および上側外部鉄心８に２分割され、
下側外部鉄心７の側面に嵌合溝7aが形成され、また上側
外部鉄心８の下部に突起部8aが形成されることによっ
て、主弁部２に固定された下側外部鉄心７の嵌合溝7aに
上側外部鉄心８の突起部8aが嵌合されるので、取付ねじ
などの締結部材を用いることなく、ソレノイド部１を主
弁部２に取り付けることができる。

また、上側外部鉄心８がソレノイドカバー（被覆部
材）９によって被覆されることにより、振動などの外部
環境による上側外部鉄心８の脱落防止と、塵埃などの外
部環境に対するソレノイド部１の遮蔽を行うことができ
る。

［実施例２］ 第２図は本考案の他の実施例である電磁弁の一部を示
す要部断面図である。

本実施例の電磁弁は、第２図に示すように、実施例１
と同様にソレノイドコイル３が巻回されたボビン４、こ
のボビン４の中心孔に固定的に設けられたコラム（固定
鉄心）５、および中心孔の軸方向に沿って変位自在に設
けられたプランジャ（可動鉄心）６を備えたソレノイド
部１と、図示しない主弁などの流体圧切換機構を備えた
主弁部２とから構成されている。

そして、実施例１との相違点は、主弁部２の本体側面
に嵌合溝2aが形成され、ソレノイド部１の上側外部鉄心
８の突起部8aがこの嵌合溝2aに嵌合されることによっ
て、ソレノイド部１が主弁部２に取り付けられる点であ
る。

従って、本実施例の電磁弁は、下記の手順によってソ
レノイド部１の取付が行われる。

始めに、ソレノイドコイル３の巻回されたボビン４
に、コラム５、下側外部鉄心７および上側外部鉄心８が
装着される。そして、上側外部鉄心８の内部にボビン
４、コラム５および下側外部鉄心７が収納された状態に
おいて、上側外部鉄心８の突起部8aが、組立の終了した
主弁部２の側面に形成された嵌合溝2aに嵌合されて取り
付けられる。

さらに、上側外部鉄心８の外部にソレノイドカバー
（被覆部材）９が被せられることによって、ソレノイド
部１の主弁部２への取付が終了され、電磁弁の組立が完
了する。

このように、本実施例の電磁弁においては、主弁部２
の本体側面に嵌合溝2aが形成され、また上側外部鉄心８
の下部に突起部8aが形成されることによって、主弁部２
の嵌合溝2aに上側外部鉄心８の突起部8aが嵌合されるの
で、取付ねじなどの締結部材を用いることなく、ソレノ
イド部１を主弁部２に取り付けることができる。

また、上側外部鉄心８がソレノイドカバー（被覆部
材）９によって被覆されることにより、振動などの外部
環境による上側外部鉄心８の脱落防止と、塵埃などの外
部環境に対するソレノイド部１の遮蔽を行うことができ
る。

以上、本考案によってなされた考案を実施例１および
２に基づき具体的に説明したが、本考案は前記各実施例
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能であることはいうまでもない。

たとえば、実施例１および２の電磁弁については、主
弁部２の本体が、一例としてアルミニウム合金によって
形成される場合について説明したが、本考案は前記各実
施例に限定されるものではなく、非樹脂材料で形成され
る主弁部２についても適用され、また実施例２の電磁弁
においては、非樹脂材料に限定されるものではなく、た
とえばエポキシ樹脂などの樹脂材料によって形成される
主弁部２についても広く適用可能である。

また、ソレノイド部１が被覆されるソレノイドカバー
（被覆部材）９については、一例としてエポキシ樹脂に
よる樹脂材料によって形成される場合について説明した
が、樹脂材料に限定されるものではなく、たとえばアル
ミニウム、アルミニウム合金などの金属材料によって形
成されるソレノイドカバー９についても広く適用可能で
ある。

［考案の効果］ 本願において開示される考案のうち、代表的なものに
よって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおり
である。

（１）．主弁部に結合される下側外部鉄心の側面に嵌合
溝が形成され、かつ上側外部鉄心の下部に突起部が形成
されることにより、上側外部鉄心の突起部を下側外部鉄
心の嵌合溝に嵌合させることができるので、取付ねじな
どの締結部材を用いることなく、ソレノイド部を主弁部
に容易に取り付けることが可能である。（２）．主弁部
の側面に嵌合溝が形成され、かつ上側外部鉄心の下部に
突起部が形成されることにより、上側外部鉄心の突起部
を主弁部の嵌合溝に嵌合させることができるので、取付
ねじなどの締結部材を用いることなく、ソレノイド部を
主弁部に容易に取り付けることが可能である。

（３）．電磁弁の上側外部鉄心に被覆部材が被せられる
ことにより、上側外部鉄心が被覆部材によって被覆され
るので、振動などの外部環境による上側外部鉄心の脱落
防止が可能とされ、また塵埃などの外部環境に対するソ
レノイド部の遮蔽が可能である。

（４）．前記（１）および（２）により、従来の電磁弁
に比べて取付ねじなどの締結部材の取付および貫通スペ
ースが不要となり、その分形状的に小さくすることがで
きるので、電磁弁の小形化を図ることができる電磁弁の
ソレノイド部取付構造を得ることが可能である。

（５）．前記（１）および（２）により、従来のモール
ド構造の電磁弁に比べてモールド処理における脱泡作業
が不要となり、脱泡不良などの製造不良がなくなるの
で、信頼性の高い電磁弁を得ることができると同時に、
製造の低コスト化を図ることができる電磁弁のソレノイ
ド部取付構造を得ることが可能である。

（６）．前記（３）により、外部環境に対しても影響さ
れることがないので、電磁弁の信頼性および精度を向上
することができる電磁弁のソレノイド部取付構造を得る
ことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図の本考案の一実施例である電磁弁の一部を示す要
部断面図、第２図は本考案の他の実施例である電磁弁の
一部を示す要部断面図である。 １……ソレノイド部、２……主弁部、2a……嵌合溝、３
……ソレノイドコイル、４……ボビン、５……コラム
（固定鉄心）、６……プランジャ（可動鉄心）、７……
下側外部鉄心、7a……嵌合溝、８……上側外部鉄心、8a
……突起部、９……ソレノイドカバー（被覆部材）。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】固定鉄心および可動鉄心を備えたソレノイ
   ド部と、該ソレノイド部に結合され、前記可動鉄心の変
   位に連動して作動される主弁部とから構成され、前記ソ
   レノイド部が下側および上側に２分割される外部鉄心に
   よって被覆される電磁弁であって、前記主弁部に結合さ
   れる前記下側外部鉄心の側面に嵌合溝が形成され、かつ
   前記上側外部鉄心の下部に突起部が形成され、該上側外
   部鉄心の突起部を前記下側外部鉄心の嵌合溝に嵌合させ
   ることのみによって、前記ソレノイド部が前記主弁部に
   取り付けられることを特徴とする電磁弁のソレノイド部
   取付構造。
2. 【請求項２】前記上側外部鉄心が、その内周面が前記上
   側外部鉄心の外側面に形成された突起部と嵌合する被覆
   部材によって覆われていることを特徴とする請求項１記
   載の電磁弁のソレノイド部取付構造。
3. 【請求項３】固定鉄心および可動鉄心を備えたソレノイ
   ド部と、該ソレノイド部に結合され、前記可動鉄心の変
   位に連動して作動される主弁部とから構成され、前記ソ
   レノイド部が下側および上側に２分割される外部鉄心に
   よって被覆される電磁弁であって、前記主弁部の側面に
   嵌合溝が形成され、かつ前記上側外部鉄心の下部に突起
   部が形成され、該上側外部鉄心の突起部を前記主弁部の
   嵌合溝に嵌合させることのみによって、前記ソレノイド
   部が前記主弁部に取り付けられることを特徴とする電磁
   弁のソレノイド部取付構造。
4. 【請求項４】前記上側外部鉄心が、その内周面が前記上
   側外部鉄心の外側面に形成された突起部と嵌合する被覆
   部材によって覆われていることを特徴とする請求項３記
   載の電磁弁のソレノイド部取付構造。