JPH0852179A - 寝たきり患者用入浴装置を備えるベッド - Google Patents

寝たきり患者用入浴装置を備えるベッド

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JPH0852179A
JPH0852179A JP6211776A JP21177694A JPH0852179A JP H0852179 A JPH0852179 A JP H0852179A JP 6211776 A JP6211776 A JP 6211776A JP 21177694 A JP21177694 A JP 21177694A JP H0852179 A JPH0852179 A JP H0852179A
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JP
Japan
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bathtub
bed
support shaft
sheet material
patient
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JP6211776A
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English (en)
Inventor
Kimimasa Sugihara
杉原▲き▼三正
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Seiken Co Ltd
Original Assignee
Seiken Co Ltd
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Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 寝たきり老人等の患者を、ベッドから移動さ
せることなく、横臥した状態のままで、手軽に入浴させ
る手段を提供する。 【構成】 ベッドの頭部側端部に幅方向に水平に設置さ
れ、ベッド面から少なくとも浴槽の深さに相当する高さ
で離間した基準位置と、基準位置から上昇した上昇位置
との間に昇降する頭部側支軸16と、頭部側支軸を、基
準位置と上昇位置とに昇降させる昇降駆動手段17、2
0、22と、ベッドの脚部側端部に、頭部側支軸の基準
位置と実質的に等しい高さで、幅方向に水平に固設され
た脚部側支軸14と、頭部側支軸と脚部側支軸との間に
架設された左右一対の浴槽支持材23と、ほぼ長方形の
シート材で形成され、長方形の4つの縁辺を上向きに折
曲げて、上面が開放した箱状に形成され、長辺側の両縁
辺を一対の浴槽支持材に係着可能に構成し、脚部側端部
の底面に排水孔25を設けた浴槽24、とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる寝たきり老人
や重病人などの、身体が衰弱して起居が不自由な人(以
下、患者という)を入浴させるための、入浴装置を備え
るベッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、病院等においては、上記のような
寝たきり患者を入浴させるために、入浴装置を付設した
医療用ベッドが使用されている。
【0003】この種の入浴装置は、たとえば、医療用ベ
ッドの下部に浴槽を収納しておき、使用時にベッドの側
方に引き出して湯を汲み入れ、患者をベッドから浴槽に
移して、入浴させるようにしている。
【0004】この入浴装置は、患者が病室から浴室に移
動する必要はないが、身体不自由な患者の場合は、介護
者が補助をして、患者をベッドから浴槽に移動させ、ま
た、入浴後に浴槽からベッドに戻す必要がある。
【0005】しかし、患者の身体を抱えて、ベッドと浴
槽とに移動させるには、相当な力を要するので、介護者
自身が力の弱い女子や老齢者であると移動させることが
できず、また、力のある介護者であっても、危険防止の
ためには複数人の協働が望ましい等、種々の不便があ
る。
【0006】この不便を改善するために、患者の身体
を、ベッドと側方に設置した浴槽との間を移動させる手
段が、いくつか提案されている。
【0007】まず、病室の天井に設置したウインチ装置
により、患者を吊り上げて移動させる手段が考えられ
る。
【0008】また、特公平3−37942号公報には、
「浴槽付きベッド」と題して、ベッドと、側方に引きだ
した浴槽との間に渡り板を架設し、ベッドの上面を浴槽
側に向けて傾斜させて、患者の身体を浴槽に向けて移動
させ、さらに、浴槽内に患者を載置して昇降するマット
板を設置した装置が記載されている。
【0009】また、実公平3−21235号公報には、
「簡易浴槽」と題して、柔軟膜製の横臥型浴槽袋を、担
架に類似した状態でフレームに装着し、ベッド上に設置
する装置が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の手段に
は、それぞれ次のような不都合がある。
【0011】ウインチ装置で患者を吊り上げて移動させ
る手段は、患者が宙に浮き上がるため、不安感を生じる
精神衛生上の問題があり、また、設備がおおがかりにな
つて、高価につく不都合がある。
【0012】特公平3−37942号公報に記載された
装置は、ベッドの傾動や、浴槽内のマット位置の昇降
を、それぞれモーターで駆動し、また、浴槽を、ベッド
下部の収納位置と側方の使用位置とに移動させるにも、
モーターで駆動するため、力の弱い介護者でも容易にか
つ安全に患者を入浴させることができるが、装置がきわ
めて複雑になり、設備費用が著しく高価につく問題があ
る。
【0013】大病院では、この種の高価な装置を設備す
ることも可能であるが、小規模の医療機関や一般家庭で
使用することは、価格やスペースの都合上、設置するこ
とは困難である。
【0014】実公平3−21235号公報に記載された
装置は、簡易に構成されて、安価に設置できる利点があ
るが、浴槽が横臥型に形成されているため、入浴に際し
て、寝たきり患者をベッドから浴槽に移動させるには、
上記と同様な介護者の補助を要する問題がある。
【0015】本発明は、これらの従来の技術における不
都合を解消した、寝たきり患者用入浴装置を備えるベッ
ドを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、次のとおりに構成される。
【0017】請求項1に記載した発明は、ベッドの頭部
側端部に幅方向に水平に設置され、ベッド面から少なく
とも浴槽の深さに相当する高さで離間した基準位置と、
基準位置から上昇した上昇位置との間に昇降する頭部側
支軸と、頭部側支軸を、基準位置と上昇位置とに昇降さ
せる昇降駆動手段と、ベッドの脚部側端部に、頭部側支
軸の基準位置と実質的に等しい高さで、幅方向に水平に
固設された脚部側支軸と、頭部側支軸と脚部側支軸との
間に、浴槽の幅寸法に対応する間隔で架設された左右一
対の浴槽支持材と、ほぼ長方形の柔軟なシート材で形成
され、長方形の4つの縁辺を上向きにほぼ直角に折り曲
げて、上面が開放した箱状に形成され、長辺側の両縁辺
を一対の浴槽支持材に係着可能に構成し、脚部側端部に
近い底面に排水孔を設けた浴槽と、を備えることを特徴
とする寝たきり患者用入浴装置を備えるベッド、であ
る。
【0018】請求項2に記載した発明は、シート材が、
摩擦係数が小さいなめらかな表面を備える柔軟な布地で
あることを特徴とする請求項1に記載の寝たきり患者用
入浴装置を備えるベツド、である。
【0019】請求項3に記載した発明は、一対の浴槽支
持材が、頭部側支軸と脚部支軸とに、着脱可能に架設さ
れていることを特徴とする請求項1に記載の寝たきり患
者用入浴装置を備えるベッド、である。
【0020】
【作用】浴槽を、1枚の柔軟なシート材を折り紙式に折
り畳んで構成し、展開した状態でベッドに横臥した患者
の身体の下を通して、マットレス上に展開し、箱状に折
り畳んで組み立て、ベッドの上方に架設した支持材に保
持することにより、患者をベッドから移動させることな
く、浴槽中に収容して入浴させる。
【0021】浴槽の頭部側を高く傾斜させることによ
り、患者の身体の予備洗浄時、及び入浴終了時の排水
を、迅速かつ完全に行うことができ、また、全身の入浴
を禁じられた患者でも、下半身のみを洗浄することがで
きる。
【0022】
【実施例】図1は、本発明の一実施例のベッドを示す斜
視図である。
【0023】ベッドのフレーム(10)には、上面にマット
レス(11)が載置され、頭部側の端部に操作箱(12)が付設
されている。
【0024】フレーム(10)の脚部側の端部には、左右一
対の支柱(13)が固着され、その上端に水平な脚部側の支
軸(14)が左右方向に架設されている。
【0025】フレーム(10)の頭部側の操作箱(12)の隅角
には、左右一対の管柱(15)が固着され、左右方向をなす
水平な頭部側の支軸(16)の左右両端付近に垂設した摺動
軸を嵌挿して、支軸(16)を昇降可能に支承する。
【0026】頭部側の支軸(16)のほぼ中心に、昇降駆動
用のラック軸(17)が垂設されている。ラツク軸(17)は、
角型断面に形成されて、操作箱(12)に付設された上下一
対のガイド軸受(18)に、垂直方向に移動可能に挿通され
ている。
【0027】ラツク軸(17)は、操作箱(12)の内側に向く
面にラック歯(19)を備えて、操作箱(12)の内部に左右方
向に回転可能に軸支した駆動軸(21)に固着したピニオン
(20)が噛み合わされている。なお、この部分の詳細な構
成については、図2により後述する。
【0028】駆動軸(21)の一端は、操作箱(12)の側面に
突出して、駆動ハンドル(22)が装着されている。
【0029】一方、左右一対の浴槽支持材(23)が、頭部
側支軸(16)と脚部側支軸(14)との上に、ベッドの長さ方
向に架け渡されている。浴槽支持材(23)(以下、単に支
持材(23)という)は、各支軸(14)(16)に付設した保持片
(39)及びピン(40)により、所定位置に保持されるように
してあり、これらの詳細についても、図6により後述す
る。
【0030】一対の支持材(23)には、組立式の浴槽(24)
が支持されている。浴槽(24)は、1枚のシート材を折り
紙式に折り畳んで、上面が開放した長方形の箱状に形成
され、底面の脚部側に排水孔(25)が設けられている。浴
槽(24)の詳細についても、図3により後述する。
【0031】本発明のベッドには、給湯設備を付設する
ことが望ましく、図1にはその一例を示してある。
【0032】給湯器(26)は、ガスあるいは電熱を熱源と
する通常のもので、湯温を調節するための調整タンク(2
7)が付設され、給水管(28)からの水を加熱して、調整タ
ンク(27)に入れ、適宜冷水と混合して所望温度の温湯と
して、フレキシブル管(29)を介してノズル(30)から、浴
槽(24)に給湯する。
【0033】調整タンク(27)に代えて、周知のミキシン
グバルブにより熱湯と冷水を混合して、所望温度の温湯
を得るようにしてもよい。また、家庭では、専用の給湯
設備する代わりに、浴室の浴槽からポンプを用いて、ベ
ッド上に組み立てた浴槽(24)に給湯するようにしてもよ
い。
【0034】図2は、頭部側の支軸(16)の昇降駆動機構
を示す断面側面図である。
【0035】前述したように、支軸(16)に垂設したラッ
ク軸(17)には、操作箱(12)の上下一対のガイド軸受(18)
の間に、ラツク歯(19)が形成されている。
【0036】ラツク歯(19)は、上下のガイド軸受(18)の
間隔よりも短寸に形成してあり、その下端が下側のガイ
ド軸受(18)に当接した位置で、支軸(16)が脚部側の支軸
(14)とほぼ等しい高さになるように、すなわち、一対の
支持材(23)がほぼ水平に架設されるようにしてある。
【0037】ラツク歯(19)に噛み合うピニオン(20)を、
操作箱(12)の側面に設置した駆動ハンドル(22)により、
図2における時計回り方向に回転させると、ラツク軸(1
7)と支軸(16)が上昇して、一対の支持材(23)を鎖線で示
すように傾動させる。
【0038】これにより、支持材(23)に軽着された浴槽
(24)は、頭部側が脚部側より高い位置に傾動させられ
る。
【0039】ラツク軸(17)には、浴槽(24)をこの傾斜位
置に保持するためのストッパ装置が設けられている。ス
トッパ装置は、洋傘のストッパフックに類似した構成の
もので、係止片(31)の上部をラツク軸(17)の適所に設け
た凹入部(32)の中に枢着し、下部をスプリング(33)によ
り外向きに付勢してある。
【0040】ラツク軸(17)が図2の下降した位置から上
昇し、ストッパ装置が上側のガイド軸受(18)を通過する
際には、係止片(31)は、スプリング(33)に抗して凹入部
(32)内に押しこまれて、ガイド軸受(18)を通過する。
【0041】ガイド軸受(18)の上方まで通過すると、係
止片(31)はスプリング(33)によりラック軸(17)の面に突
出し、ガイド軸受(18)の上面に係合して、ラック軸(17)
及び支軸(16)の下降を制止し、一対の支持材(23)を鎖線
で示す傾動位置に保持する。
【0042】図3は、本発明に適用する浴槽(24)を形成
するシート材の展開図である。
【0043】シート材は、表裏両面の素材として、水を
透さない耐水性を有し、柔軟で比較的伸縮が少なく、か
つ、表面の摩擦係数が小さいなめらかな材質の布材を使
用する。この目的に適合するシート材としては、たとえ
ば、東レ(株)製の「テトロン裏地#130タフタ」な
どを適用することができる。
【0044】シート材は、ほぼ長方形に形成されてお
り、浴槽の底面を構成する長方形の中央領域(241)と、
中央領域の長辺の両側に谷折り線を介して連接され、浴
槽の側縁を形成する一対の側縁領域(242)と、中央領域
の短辺の両側に谷折り線を介して連接され、浴槽の端面
縁を形成する端面領域(243)とを備えている。
【0045】長方形のシート材の4つの隅角部には、そ
れぞれ直角三角形をなして、側縁領域(242)または端面
領域(243)に山折り線を介して連接され、かつ、それら
の斜辺が谷折り線を介して連接された一対の隅角領域(2
44)(245)を備えている。
【0046】また、2つの側縁領域(242)の外側には、
支持材(23)に係着するための張り出し部(246)が、それ
ぞれ二重の山折り線を介して連接されている。
【0047】中央領域(241)は、表裏両面の布地の間
に、腰の強い芯地を挟持させて補強し、浴槽として組み
立て、湯を組み入れたときに、所要の形状を保持できる
ようにすることが望ましい。
【0048】中央領域(241)の脚部側の端部には、排水
孔(25)が設置されている。また、図3には省略したが、
各谷折り線及び山折り線に沿ってシート材を折り畳んだ
ときに、重畳される各領域をその位置に保持するため
に、圧着接合テープ(いわゆるマジックテープ)を所要
の位置に装着してある。
【0049】図4は、シート材を折り畳んで浴槽(24)を
形成し、支持材(23)に取り付けた状態を示す斜視図であ
る。
【0050】中央領域(241)の4辺に連接された側縁領
域(242)と端面領域(243)とは、それぞれ谷折り線で上向
きに折り曲げられ、各隅角領域(244)(245)を折り畳んで
形成した三角形の部分を、端面領域(243)の外面にかさ
なるように折り曲げて、上面が開放した箱状に形成す
る。
【0051】各領域における面が重積される個所には、
圧着接合テープ(34)を適宜に取り付けて、それぞれの面
を重積した状態に保持する。
【0052】かくして、浴槽(24)を組み立てた後、左右
の側縁領域(242)の外側に連接した張り出し部(246)を、
頭部側支軸(16)と脚部側支軸(14)とに架設した支持材(2
3)に巻き付け、縁端を同じく圧着接合テープ(34)を用い
て側縁領域(242)に係着すると、浴槽(24)は、支持材(2
3)に懸吊されて状態で支持される。
【0053】図5は、浴槽(24)の中央領域(241)に装着
した排水孔(25)の断面図である。
【0054】浴槽(24)の中央領域(241)には、排水孔(2
5)の器具が装着される位置に、円形の取り付け孔が設け
られている。
【0055】排水孔(25)の器具は、フランジを有する筒
状の本体(35)と、本体(35)の外周に螺着されて、フラン
ジとの間に中央領域(241)のシート材を挟着して保持す
る環状ナット(36)と、本体(35)の筒孔に嵌合するゴム製
の閉止栓(37)とで構成されている。
【0056】本体(35)は、フランジを浴槽(24)の内側、
すなわち、中央領域(241)のシート材の上面側として取
り付け孔に挿入され、環状ナット(36)から突出した下端
部に、排水ホース(38)が装着されている。排水ホース(3
8)は、薄肉のビニール管などの柔軟な材質のものが望ま
しい。
【0057】図6は、頭部側支軸(16)と支持材(23)との
係合部を示す側面図である。
【0058】支軸(16)の上面には、断面で示した支持材
(23)が載置される位置を挟んで、左右一対の保持片(39)
が固設されて、支持材(23)を所定位置に保持する。
【0059】支持材(23)を長さ方向に固定するために、
一対の保持片(39)の間にピン(40)を植立し、支持材(23)
に透孔を設けて、ピン(40)を挿通させて長さ方向の移動
を制止してある。
【0060】脚部側の支軸(14)にも、同様に各支持材(2
3)の載置位置を挟んで、それぞれ一対の保持片(39)が固
設されている。ただし、脚部側の支軸(14)には、ピン(4
0)が設けられていない。
【0061】図7から図11は、上述した実施例の装置
を用いて、寝たきり老人などの患者を入浴させる手順を
示す説明図である。
【0062】図7から図9は、患者をベッドから降ろす
ことなく、浴槽(24)を構成するシート材をベッドのマッ
トレス(11)の上面に展張する手順を示す概略図で、これ
は、身体を起こすことができない患者をベッドに横臥さ
せたままで、シーツを交換する要領に準じて行う。
【0063】まず、図7に示すように、シート材(24)を
長さ方向に二つ折りにして、マットレス(11)の上に載置
し、横臥している患者の身体をやや側方に傾けさせ、シ
ート材(24)の折り目を患者の身体の下に挿入する。
【0064】このとき、可能であれば、患者が自分の手
でベッドの上方に架設された支持材(23)を把持して、身
体を少し浮かせるようにすれば、介護者が一人だけの場
合にも、容易にシート材(24)を挿入することができる。
【0065】次いで、図8に示すように、患者の身体を
逆方向に傾けさせて、シート材(24)の折り曲げた部分
を、患者の身体の下を滑らせて、全面をマツトレス(11)
の上に展張する。
【0066】このとき、シート材(24)は、表面の摩擦係
数が小さいなめらかな材質の布地を適用してあるため、
折り曲げた重積部に患者の身体が載置されていても、容
易に引き抜いて展張することができる。
【0067】次いで、展張したシート材(24)の側縁領域
(242)及び端面領域(243)を上方に折り曲げ、前述した要
領で隅角部(244)(245)を折れ曲げて、端面領域(243)に
重積させて圧着接合テープ(34)により固定して浴槽を形
成し、側縁領域(242)に連接した張り出し部(246)を支持
材(23)に巻き付けて、同様に圧着接合テープ(34)で固定
して、浴槽(24)を一対の支持材(23)に係着する。
【0068】これにより、患者をベッドから降ろすこと
なく、横臥させたままで、図9に示すように、浴槽(24)
の中に収容することができる。
【0069】そこで組み立てた浴槽(24)に温湯を注入す
れば、患者を入浴させることができるが、寝たきり老人
などの患者は、特に下半身が排泄物などで汚れているこ
とが多いので、まず、前処理として下半身を洗浄した後
に、全身を湯中に浸漬させることが望ましい。
【0070】図10は、下半身のみを前洗浄する要領を
示す図で、浴槽(24)を組み立てた後、駆動ハンドル(22)
(図1)によりピニオン(20)を回転して、頭部側の支軸(1
6)を上昇させ、ストッパ装置の係止片(31)により上昇位
置に保持する。
【0071】これにより支持材(23)が傾動して、浴槽(2
4)の頭部側を高く傾斜させる。このとき、患者の頭部の
下に、適宜の枕(41)を設置しておくことが望ましい。
【0072】排水孔(25)の閉止栓(37)を外して、給湯装
置のノズル(30)から患者の身体に温湯を注いで、汚れを
洗い落とす。洗浄した汚水は、排水孔(25)からホース(3
8)を通って排水される。
【0073】前洗浄が終われば、係止片(31)による保持
を解除して、駆動ハンドル(22)を逆方向に回して、支軸
(16)を基準位置に下降させて、支持材(23)及び浴槽(24)
を、図11に示す水平な姿勢に設置する。
【0074】排水孔(25)を閉止栓(37)で閉止し、給湯装
置のノズル(30)から所要量の温湯を浴槽(24)に注入し
て、患者を入浴させる。
【0075】入浴が終われば、排水孔(25)の閉止栓(37)
を外して、浴槽を排水する。排水に際して、浴槽(24)を
図10の状態に傾斜させることにより、浴槽(24)内の湯
を迅速かつ完全に排出することができる。
【0076】排水が終われば、浴槽(24)を水平位置に戻
し、圧着接合テープで保持されている、支持材(23)への
係着部と、箱状に組み立てている重積部とを、それぞれ
開放して、1枚のシートとしてマットレス(11)上に展開
する。
【0077】患者の身体とシート材に付着している水分
を拭った後、シート材を除去する。これは、図7及び図
8に示した装着時と逆の手順で行えばよい。
【0078】以上、本発明を高床式のベッドに適用した
実施例について説明したが、本発明は、和室の畳上に敷
いた寝床についても、実施することができる。
【0079】図12は、本発明を和室の寝床に適用した
一実施例を示す斜視図である。
【0080】この実施例では、頭部側の支軸(16)やその
昇降駆動装置を構成する各部材、及び浴槽支持材(23)
は、前述の実施例と同一符号を用いて、前述と同様に構
成されており、以下、前述の実施例と異なる点について
のみ説明する。
【0081】脚部側の支軸(52)を支承する枠体(53)は、
マットレス(または布団)(51)の下に挿入されて、マツ
トレスの重さ及び患者の体重により固定されている。
【0082】頭部側の支軸(16)を昇降可能に支承する管
柱(54)は、下端に付設した支台(55)を、同様にマツトレ
ス(51)の下に挿入して、固定されている。
【0083】左右一対の管柱(54)の中段を水平な梁(56)
で連結して補強するとともに、梁(56)の中央部に、昇降
駆動装置のラック軸(17)の案内軸受(18)が付設されてい
る。
【0084】各管柱(54)の上端近くには、駆動軸(21)を
回転可能に支承する軸受(57)が付設されている。
【0085】ピニオン(20)、駆動ハンドル(22)等は、前
述の実施例と同様である。
【0086】この実施例でも、前述と同様に、図3に示
したシート材を折り畳んで形成される浴槽(24)を、患者
の身体を囲んで組み立てて、温湯を汲み入れることによ
り、患者を寝床から移動させることなく、横臥させたま
まの状態で、容易に入浴させることができる。
【0087】なお、いずれの実施例においても、支持材
(23)は、入浴時にのみ両側の支軸に架設するようにして
もよいが、常時、架設して、患者が身体を起こすときの
手すりとして使用するようにしてもよい。
【0088】すなわち、患者が全く動作不能な重症者で
はなく、自力で上半身を起こす程度の動作ができる場合
には、ベッドの上方に架設された支持材(23)を握って、
上半身を起こす補助とすることができる。
【0089】また、支持材(23)は、容易に架設位置から
取り外すことができるので、身体の上方に支持材(23)が
延伸していることを、患者がうっとうしく感じる場合な
どには、取り外しておくこともできる。
【0090】
【発明の効果】
(a)患者をベッドから移動させる必要なく、ベッド上に
横臥させたままで、身体を取り囲んで浴槽を構成して、
入浴させることができる。
【0091】(b)1枚の柔軟な耐水性のシート材を折り
紙式に折り畳んで、上面が開放した浴槽を形成させるた
め、軽量で取扱いが容易である。
【0092】(c)シート材は、自由に折り曲げることが
できるため、患者の身体の下への着脱操作は、通常のシ
ーツ交換の手順に準じて簡単に行うことができる。
【0093】(d)組み立てた浴槽は、頭部側を高くして
傾斜させることができるので、患者の下半身を洗浄する
前処理や、入浴後の排水を、便利に行うことができる。
【0094】(e)心臓疾患などの理由で全身の入浴を禁
じられた患者でも、浴槽を傾斜させて、下半身のみを洗
浄することができる。
【0095】(f)浴槽を支持する支持材は、入浴時以外
に、患者が上半身を起こす場合の手すりとしても利用す
ることができる。
【0096】(g)高床式のベツドに限らず、和室に敷い
た寝床においても実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】昇降駆動装置を示す立面図である。
【図3】浴槽を構成するシート材の展開図である。
【図4】シート材を折り畳んで浴槽を形成した状態の斜
視図である。
【図5】排水孔の器具の断面図である。
【図6】頭部側支軸と支持材との係合部を示す図であ
る。
【図7】シート材を展張する第1ステップを示す説明図
である。
【図8】同じく第2ステップを示す説明図である。
【図9】展張したシート材の縁端を支持材に係着して、
浴槽を形成した状態を示す説明図である。
【図10】患者の下半身を洗浄する前処理時、及び排水
時の状態を示す図である。
【図11】浴槽を水平位置とした入浴時を示す図であ
る。
【図12】和室に敷いた寝床に適用した本発明の実施例
を示す斜視図である。
【符号の説明】
(10) フレーム (11) マットレス (12) 操作箱 (13) 支脚 (14) 脚部側支軸 (15) 管柱 (16) 頭部側支軸 (17) ラック軸 (18) 案内軸受 (19) ラツク歯 (20) ピニオン (21) 駆動軸 (22) 駆動ハンドル (23) 支持材 (24) 浴槽(シート材) (25) 排水孔 (26) 給湯器 (27) 調整タンク (28) 給水管 (29) フレキシブルチューブ (30) ノズル (31) 係止片 (32) 凹入部 (33) スプリング (34) 圧着接合テープ(マジックテープ) (35) 排水栓本体 (36) 環状ナット (37) 閉止栓 (38) 排水ホース (39) 保持片 (40) ピン (41) 枕 (51) マットレスまたは布団 (52) 脚部側支軸 (53) 支台 (54) 管柱 (55) 支台 (56) 梁 (57) 軸受

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベッドの頭部側端部に幅方向に水平に設置
    され、ベッド面から少なくとも浴槽の深さに相当する高
    さで離間した基準位置と、基準位置から上昇した上昇位
    置との間に昇降する頭部側支軸と、 頭部側支軸を、基準位置と上昇位置とに昇降させる昇降
    駆動手段と、 ベッドの脚部側端部に、頭部側支軸の基準位置と実質的
    に等しい高さで、幅方向に水平に固設された脚部側支軸
    と、 頭部側支軸と脚部側支軸との間に、浴槽の幅寸法に対応
    する間隔で架設された左右一対の浴槽支持材と、 ほぼ長方形の柔軟なシート材で形成され、長方形の4つ
    の縁辺を上向きにほぼ直角に折り曲げて、上面が開放し
    た箱状に形成され、長辺側の両縁辺を一対の浴槽支持材
    に係着可能に構成し、脚部側端部に近い底面に排水孔を
    設けた浴槽と、 を備えることを特徴とする寝たきり患者用入浴装置を備
    えるベッド。
  2. 【請求項2】シート材が、摩擦係数が小さいなめらかな
    表面を備える柔軟な布地であることを特徴とする請求項
    1に記載の寝たきり患者用入浴装置を備えるベツド。
  3. 【請求項3】一対の浴槽支持材が、頭部側支軸と脚部支
    軸とに、着脱可能に架設されていることを特徴とする請
    求項1に記載の寝たきり患者用入浴装置を備えるベッ
    ド。
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