【発明の詳細な説明】
水素添加
本発明はスピロ−置換グルタルアミド誘導体の製造における中間体として有用
な化合物、特に一般名カンドキサトリル、及び(S)−cis−4−(1−[2
−(5−インダニルオキシカルボニル)−3−(2−メトキシエトキシ)プロピ
ル]−1−シクロペンタンカルボキシアミド)−1−シクロヘキサンカルボン酸
の学術名を有する化合物の製造に関する。この化合物は、高血圧症、心臓機能不
全、腎機能不全及び他の疾病の治療のための利尿剤として治療上有用な中性エン
ドペプチダーゼE.C.3,4.24.11酵素の阻害剤として米国特許5192800号に記載され
たものの一つである。
カンドキサトリルは式(I):
[式中Rは5−インダニルまたはカルボン酸の保護基である。]
の化合物の(S)−エナンチオマーをcis−4−アミノ−シクロヘキサン−カ
ルボン酸ベンジルエステルとカップリングさせて、その後に水素添加してベンジ
ル基を除去することによって製造することができる。Rが5−インダニル基であ
る場合、この方法によってカンドキサトリルが生成する;Rがもう一つの基であ
る場合、Rは伝統的な方法によって除去されて5−インダニル基に置き換えられ
る。
式(I)の化合物は不斉なグルタル酸誘導体の(S)−エナンチオマーであり
、実質的に光学的に純粋なエナンチオマーがそれ自体不斉化合物のエナンチオマ
ーであるカンドキサトリルの製造に必要である。米国特許5192800号(実施例4
31以降)に記載されているように、式(I)の(S)−エナンチオマーはその
ラセミ体を(1S,2S)−(+)−プソイドエフェドリンとの分割によって製
造す
ることができる。この分割方法は効果的ではない。
本発明は、相当する(E)−アリルエーテルの不斉な水素添加によって、式(
I)の化合物の(S)エナンチオマーを提供する方法を提供するためのものであ
る。
本発明によれば、式(II):
[式中Rは式(I)で定義したものである]
の(E)−アリルエーテルまたはそのアミン塩を、水素添加を触媒することので
きる立体選択的な不斉ビホスフィンロジウムまたはルテニウム触媒、及びプロト
ン性溶媒の存在下で水素添加することからなる、式(I):
[式中Rは5−インダニルまたはカルボン酸保護基である]
の化合物の(S)エナンチオマーまたはそのアミン塩を製造する方法が提供され
る。
Rは直鎖でも、またはt−ブチル基のような分岐のC1−C4アルキル基でも良
い。
ロジウムまたはルテニウムを含有する数種の不斉なビホスフイン触媒が知られ
ており、これらは商品化されていて入手できるか、あるいはこの分野で知られる
方法で製造することができる。これらは(一般にBINAPとして知られている
)
2,2’ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、(BPPMと
して知られている)t−ブチル−4−(ジフェニルホスフィノ)−2−(ジフェ
ニルホスフィノ)−2−(ジフェニルホスフィノメチル)−1−ピロリジンカル
ボキシレート及び(PROPHOSとして知られている)1,2−ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)プロパンのような不斉なビホスフィンリガンドと結合したロジ
ウムまたはルテニウム種を含有している。不斉であるため、これらのリガンドに
は(R)−及び(S)−型が存在し、ロジウム及びルテニウムのような金属との
複合体はそれ自身が不斉である。これらの触媒の全てではないがいくつかのもの
は、式(II)のアリルエーテルの立体選択的な還元をすることができることが
見い出された。
これらの触媒は商品として得られるか、または既知の方法によって合成するこ
とができる。あるいはまた、これらは既知の方法でインジツ(in situ)で合成
することができる。
水素添加は、アリルエーテルの溶液を、触媒の存在下、典型的には約60ps
iの圧力の水素ガスに暴露することによって、既知の方法で行うことができる。
一般的に50℃までの反応温度が適当であり、より高温では式(II)の酸の脱
カルボキシル化が起こる可能性がある。用いる溶媒はプロトン性溶媒であり、メ
タノール及び水性メタノールが好適であることが見い出された。トルエン及びジ
メチルホルムアミドのような非プロトン性溶媒中では実質的に還元が起こらなか
った。
Rはt−ブチルのようなC1−C4アルキル基であっても良い。
使用することのできる触媒の一つの種類は、BINAP及びp−シメンと塩化
ルテニウムとの複合体、及びBINAPと1,5−シクロオクタジエン及び塩化
ロジウムとの複合体のような、BINAPのロジウム及びルテニウムとのビホス
フィン複合体である。触媒がルテニウムを含有する場合、目的とする式(I)の
化合物の(S)−エナンチオマーを合成するためにはビホスフィンリガンドの(
R)−(+)エナンチオマーが必要であることが見い出された;(S)−(−)
エナンチオマーはロジウムで必要とされる。
他の既知の型の触媒では、ロジウムと(S)−(−)BPPMとの塩化物複合
体で同様に式(II)の化合物の(S)−エナンチオマーが生成する。
ロジウムとR−(+)−PROPHOSとの塩化物複合体では式(I)の化合
物のS−及びR−エナンチオマー双方が得られ、S−エナンチオマーの比率が大
きい。しかしながら、ロジウムと(S,S)−(+)−2,3−O−イソプロピ
リデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)−ブタ
ンとの複合体ではR−エナンチオマーの比率が大きくなる。
酸またはアミンの種類が水素添加反応に影響することも見い出された。(R)
−BINAPルテニウム触媒では、R1がt−ブチルである場合、出発物質が式
(II)の酸またはそのアミン塩である場合は得られる式(II)の化合物は主
として(S)−エナンチオマーである;(S)−BINAPロジウム触媒が用い
られる場合、塩では式(II)の(S)−エナンチオマーが高い収率で得られる
が、式(II)の遊離の酸ではそうではない。
好適なアミン塩はシクロヘキサミン及び(1S,2S)−プソイドエフェドリ
ン塩である。
本発明のもう一つの観点では、水素添加を触媒することのできる立体選択的な
不斉なビホスフィンロジウムまたはルテニウム触媒、及びプロトン性溶媒の存在
下における、式(IIa):
のE−アリルエーテルの水素添加からなる、式(Ia):
の化合物の(S)エナンチオマーを製造する方法が提供される。
本発明の後者の観点では、好ましい触媒は上記の(R−)BINAP/p−シ
メンルテニウム触媒である。好ましい水素添加条件は式(I)の化合物と同じで
ある。
上記の合成のための出発物質(II)は、以下の反応機構に従って製造するこ
とができる:
この機構の段階1において、Rが式(II)で先に定義したものである式(I
II)の化合物は、ヨウ化p−トルエンスルホニルと反応させることができ、次
いでヨウ化水素を除去するためにトリエチルアミンのような塩基で処理してビニ
ルスルフオン(IV)を生成する。ヨウ化p−トルエンスルホニルはヨウ素とベ
ンゼンスルフィン酸またはそのナトリウム塩のような塩からインジツ(in situ
)で合成することができ、その反応はエチルアセテートのような溶媒中で行うこ
とができる。この反応は立体特異的であり、X−線分析によって確認したところ
、化合物(IV)の立体化学はトランス(E)である。
化合物(IV)は伝統的な方法で分離することができ、段階2において、シク
ロペンタンカルボン酸の亜鉛−修飾ジアニオンで処理し、次いでp−トルエンス
ルフィネート塩を除去することによって化合物(II)に変換することができる
。この反応はシクロペンタンカルボン酸をテトラヒドロフランのような不活性な
溶媒中でリチウムジイソプロピルアミドで処理し、塩化亜鉛のジエチルエーテル
溶液、次いでテトラヒドロフランのような溶媒中の化合物(IV)を添加し、続
いて酸溶液を添加した後にpH調整及び有機溶媒で抽出することによって行うこ
とができ、化合物(II)を生成する。この反応は高度に立体選択的であり、立
体配置を保持しながら進行してアリルエーテル(II)の(E)−エナンチオマ
ーを生成する。
この合成法において、ヨウ化p−トルエンスルホニルはベンゼン、4−クロロ
ベンゼン、4−ブロモベンゼン及び4−ニトロベンゼンスルホニルハライドのよ
うなそのアリール同族体で置き換えることができる。
出発化合物(III)は、炭酸カリウムの存在下、アクリレート化合物CH2
Br.C(CH2).CO2Rと2−メトキシエタノールとの反応によって製造す
ることができる。好適な条件はヨーロッパ特許公開No.391673号(製造例6)に
記載している。
上記のアリルエーテル(IIa)は、Rがt−ブチルのような酸に不安定な保
護基である場合、以下の反応機構で式(II)の化合物から製造することができ
る:
この機構の段階1において、式(II)の化合物は、トリエチルアミンのよう
な塩基の存在下、エチルアセテートのような溶媒中で、塩化チオニルで、次いで
ベンジル−cis−4−アミノ−1−シクロヘキサンカルボキシレート−p−ト
ルエンスルホネートで処理することができる。生成物を分離し、次いで段階2で
トリフルオロ酢酸のような強酸で処理してR基を除去し、化合物(IIa)を生
成させることができる。
本発明に係る化合物及びいくつかの中間体の製造について、以下の実施例及び
製造例で説明する。
実施例1 (S)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシエ トキシ)−プロピル]−1−シクロペンタンカルボン酸シクロヘキシルアミン塩
(E)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシ
エトキシ)−プロプ−1−エニル]−1−シクロペンタンカルボン酸シクロヘキ
シルアミン塩(50g、0.117mole)及び[(R)−(+)−2,2’
−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル]クロロ(p−シメン
)ルテニウムクロライド(108mg、0.11mmole)をマグネチックス
ターラーバーを有する500mLのガラス製ドレッセルボトル(Dreschel bottl
e)に入れ、ゴム製の隔壁で蓋をした。系を窒素で満たし、メタノール(300
mL)及び脱酸素脱イオン水(100mL)を添加し、混合液に窒素を2時間吹
き込んだ。混合液をスチールボンベ中60p.s.i.、45−50℃で19時間水素
添加した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をエチルアセテート(345mL)
に還流下で溶解し、ヘキサン(345mL)で希釈して室温まで冷却した。沈澱
した塩を室温で16時間顆粒化し、回収して標記化合物を得た(33.33g、
68%)(S:R比率99:1)融点=120−122℃、Rf=0.3(エチ
ルアセテート/ヘキサン、1:1+1%酢酸)。 13C NMR
(75.4Hz,CDCl3):δ=24.69,25.10,25.15,27,99,32.75,34.79,37.
26,38.02,45.05,50.14,54.61,58.86,70.07,71.82,73.59,80.06,174.7
9 and 183.08ppm.
実施例2 (S)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシエ トキシ)プロピル]−1−シクロペンタンカルボン酸シクロヘキシルアミン塩
(E)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシ
エトキシ)−プロプ−1−エニル]−1−シクロペンタンカルボン酸シクロヘキ
シルアミン塩(5.0g、11.7mmole)及び[(R)−(+)−2,2
’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル]クロロ(p−シメ
ン)ルテニウムクロライド(10.9mg、0.011mmole)を100m
Lのガラス製の瓶に入れ、ゴム製の隔壁で蓋をした。系を乾燥した水素で満たし
、メタノール(50mL)を添加し、混合液に窒素を3時間吹き込んだ。混合液
をスチールボンベ中60p.s.i.、45−50℃で50時間水素添加した。メタノ
ールを減圧下で除去し、粗生成物をエチルアセテート(35mL)に還流下で溶
解し、ヘキサン(35mL)で希釈して室温まで冷却した。沈澱した塩を室温で
16時間顆粒化し、回収して実施例1と同一の標記化合物を得た(3.17g、
63%)(S:R比率99:1)Rf=0.33(エチルアセテート/ヘキサン
、1
:1+1%酢酸)。
実施例3 (S)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシエ トキシ)プロピル]−1−シクロペンタンカルボン酸
(E)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシ
エトキシ)−プロプ−1−エニル]−1−シクロペンタンカルボン酸(0.2g
、mmole)及び[(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ
)−1,1’−ビナフチル]クロロ(p−シメン)ルテニウムクロライド(11
.3mg、mmole)をガラス製のバイアルに入れ、ゴム製の隔壁で蓋をした
。系を窒素で満たし、メタノール(5mL)を添加し、混合液に窒素を3時間吹
き込んだ。混合液をスチールボンベ中414kPa(60p.s.i.)、45−50
℃で26時間水素添加した。メタノールを減圧下で除去し、標記化合物を得た(
NMRによれば67%)(S:R比率98:2)、Rf=0.29(エチルアセ
テート/ヘキサン、1:1+1%酢酸)。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ=1.43(s,9H),1.45-1.57(m,2H),1.65-1.68(m,4H),
1.80(dd,1H),1.99(dd,1H),2.09-2.16(m,2H),2.57-2.66(m,1H),3.36(s,3H),
3.40-3.61ppm(m,6H). 13C NMR
(75.4MHz,CDCl3):δ=24.54,24.90,27.93,35.10,36.61,37.38,44
.56,53.46,58.91,70.16,71.81,73.30,80.56,173.98,183.41ppm.
実施例4 (R)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシエ トキシ)プロピル]−1−シクロペンタンカルボン酸
(E)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシ
エトキシ)−プロビル−1−エニル]−1−シクロペンタンカルボン酸シクロヘ
キシルアミン塩(0.1g、0.22mmole)及びRuHCl[(S)−(
−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル]2(
8.5mg、0.0061mmole)をマグネチックスターラーバーを有する
ガラス製のバイアルに入れ、ゴム製の隔壁で蓋をした。系をアルゴンで満たし、
メタノール(2.5mL)を添加し、混合液をスチールボンベ中345kPa(
50
p.s.i.)、室温で48時間水素添加した。反応混合液を窒素で満たし、濾過して
メタノールを減圧下で除去した。粗生成物をヘキサン(10mL)及び1.0M
塩酸水溶液(10mL)間に分配し、層を分離した。水層からヘキサン(2×1
0mL)で更に抽出操作を行い、ヘキサン抽出液を合わせて乾燥し(MgSO4
)、濾過及び濃縮して油状の標記化合物を得た(37mg、51%)(S:R比
率9:91)。
実施例5 (S)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシエ トキシ)プロピル]−1−シクロペンタンカルボン酸シクロヘキシルアミン塩
クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)二量体(15.2mg
、0.03mmole)及び(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホス
フィノ)−1,1’−ビナフチル(42.2mg,0.06mmole)を、気
体入口及び出口を有する50mLの三首フラスコに入れ、第三の首はゴム製の隔
壁で蓋をした。系を窒素で満たし、メタノール(10mL)を添加し、混合液に
窒素を30分間吹き込んだ。反応液を大気中の水素圧で、室温で1時間水素添加
した。この時点で(E)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−
(2−メトキシエトキシ)プロプ−1−エニル]−1−シクロペンタンカルボン
酸シクロヘキシルアミン塩(0.5g、1.17mmole)のメタノール(1
0mL)溶液を添加し、混合液を大気圧下、室温で5日間水素添加した。反応混
合液を窒素で満たし、減圧下で濃縮して褐色固体を得た(S:R比率89:11
)。粗生成物をエチルアセテート(3.5ml)及びヘキサン(3.5ml)か
ら再結晶させ、標記化合物を得た(0.37g、74%)。
(S:R比率92:8)Rf=0.29(エチルアセテート/ヘキサン、1:1
+1%酢酸)
実施例6 (S)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシエ トキシ)プロピル]−1−シクロペンタンカルボン酸(1S,2S)−(+)− プソイドエフェドリン塩
クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)二量体(3.0mg、
0.006mmole)及び(S)−(−)−2,2'−ビス(ジフェニルホス
フィノ)−1,1’−ビナフチル(3.8mg、0.006mmole)をガラ
ス製のバイアルに入れ、ゴム製の隔壁で蓋をした。系をアルゴンで満たし、メタ
ノール(1.0mL)を添加し、次に(E)−1−[2−(tert−ブトキシ
カルボニル)−3−(2−メトキシエトキシ)プロプ−1−エニル]−1−シク
ロペンタンカルボン酸(1S,2S)−(+)−プソイドエフェドリン塩(0.
1g、0.2mmole)のメタノール(1.5mL)溶液を添加した。混合液
をスチールボンベ中、345kPa(50p.s.i.)、室温で48時間水素添加し
た。反応混合液を窒素で満たし、減圧下でメタノールを蒸発させて除去し、油状
の標記化合物を得た(定量的粗収量0.1g)(S:R比率90:10)。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ=1.02(d,3H),1.40-1.49(m,2H),1.43(s,9H),1.59-
1.67(m,4H),1.77(dd,1H),1.88(dd,1H),2.06-2.18(m,2H),2.57(s,3H),2.61-
2.71(m,1H),2.86-2.97(m,1H),3.29(s,3H),3.43-3.59(m,6H),4.47(d,1H),6.
17(brs,3H),7.27-7.38(m,5H)ppm. 13C NMR
(75.4Hz,CDCl3):δ=13.38,24.62,27.90,30.71,34.95,37.44,38.
17,45.18,54.82,58.85,60.74,70.05,71.80,73.66,75.63,80.04,127.1
3,127.99,128.45,141.30,174.80,184.00ppm.分析%
:-
実測値: C,65.53;H,9.17;N,3.22.
C27H45NO7 C,65.43;H,9.15;N,2.83.
実施例7 (S)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシエ トキシ)プロピル]−1−シクロペンタンカルボン酸
(E)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシ
エトキシ)プロプ−1−エニル]−1−シクロペンタンカルボン酸シクロヘキシ
ルアミン塩(100mg、0.22mmole)、クロロ(1,5−シクロオク
タジエン)ロジウム(I)二量体(3.0mg、0.0006mmole)及び
(2S,4S)−tert−ブチル−4−(ジフェニルホスフィノ)−2−(ジ
フェニルホスフィノ)−2−(ジフェニルホスフィノメチル)−1−ピロリジン
カルボキシレート(7.6mg、0.013mmole)をガラス製のバイアル
に入れ、ゴム製の隔壁で蓋をした。系をアルゴンで満たし、メタノール(2.5
mL)を添加し、混合液にアルゴンを30分間吹き込んだ。反応液を104kP
a(15p.s.i.)で、室温で20.5時間水素添加した。反応混合液を窒素で満
たし、Dowex 50W-X2イオン交換樹脂(200メッシュ、100mg)を添加し、
混合液を15分間攪拌した。イオン交換樹脂を濾過によって除去し、減圧下でメ
タノールを蒸発させて除去し、油状の標記化合物を得た(定量的粗収量73mg
)(S:R比率61:39)、Rf=0.3(エチルアセテート/ヘキサン、1
:1+1%酢酸)。
実施例8 (E)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシエ トキシ)プロピル]−1−シクロペンタンカルボン酸
(E)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシ
エトキシ)プロプ−1−エニル]−1−シクロペンタンカルボン酸シクロヘキシ
ルアミン塩(50mg、0.11mmole)をガラス製のバイアルに入れ、ゴ
ム製の隔壁で蓋をした。エタノール(0.33mL)を添加し、次にクロロ(1
,5−シクロオクタジエン)ロジウム(I)二量体(2.0mg、0.004m
mole)及び(+)−2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ
−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(3.9mg、0.008mm
ole)のトルエン(0.17mL)溶液を添加し、混合液に窒素を吹き込んだ
。混合液をスチールボンベ中、345kPa(50p.s.i.)、室温で24時間水
素添加し、エチルアセテート(50mL)及び2.0N塩酸水溶液(50mL)
で希釈して層分離させた。エチルアセテート層をシリカゲルの中に通し、減圧下
で濃縮して黄褐色油状の標記化合物を得た(37mg)(R:S比率62:38
)、Rf=0.3(エチルアセテート/ヘキサン、1:1+1%酢酸)。
実施例9 (S)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシエ トキシ)プロピル]−1−シクロペンタンカルボン酸
(E)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシ
(E)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシ
エトキシ)プロピル]−1−シクロペンタンカルボン酸シクロヘキシルアミン塩
(50mg、0.11mmole)、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロ
ジウム(I)二量体(2.0mg、0.004mmole)及び(R)−(+)
−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(3.2mg、0.008m
mole)をガラス製のバイアルに入れ、ゴム製の隔壁で蓋をした。系をアルゴ
ンで満たし、メタノール(0.5mL)を添加し、混合液をスチールボンベ中、
345kPa(50p.s.i.)、室温で4時間水素添加した。粗生成物をジエチル
エーテル/1%酢酸を溶出液としてシリカのクロマトグラフィーで精製し、適当
な画分を合わせて溶媒を蒸発させた後、油状の標記化合物を得た(22mg、6
1%)(S:R比率54:46)、Rf=0.3(エチルアセテート/ヘキサン
、1:1+1%酢酸)。
実施例10 (S)ベンジル−cis−4−{1−[2−カルボキシ−3−(2−メトキシエ トキシ)プロピル]−1−シクロペンタンカルボキシアミド}−1−シクロヘキ サンカルボキシレート
(E)−ベンジル−cis−4−{1−[2−カルボキシ−3−(2−メトキ
シエトキシ)プロプ−1−エニル]−1−シクロペンタンカルボキシアミド}−
1−シクロヘキサンカルボキシレート(100mg、0.2mmole)及び[
(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフ
チル]クロロ(p−シメン)ルテニウムクロライド(3.8mg、0.004m
mole)をマグネチックスターラーバーを有する容器に入れ、ゴム製の隔壁で
蓋をした。系を窒素で満たし、メタノール(5mL)を添加し、混合液に窒素を
2時間吹き込んだ。混合液をスチールボンベ中、414kPa(60p.s.i.)、
45−50℃で16時間水素添加した。メタノールを減圧下で除去し、標記化合
物を得た(113mg、定量値)(S:R比率85:15)。
製造例 (E)−tert−ブチル2−(2−メトキシエトキシメチル)−3−(ベンゼ ンスルホニル)アクリレート
ert−ブチル2−(2−メトキシエトキシメチル)アクリレート(10.0g
、46.2mmol)のエチルアセテート(50mL)懸濁液に、窒素雰囲気下
、室温でヨウ素(11.3g、46.2mmol)を一度に添加し、混合液を3
日間攪拌した。2日後、エチルアセテートを更に50mL添加した。反応混合液
を0℃まで冷却し、トリエチルアミン(9.67mL、69.3mmol)を滴
下した。反応液を0℃で2時間、室温で16時間攪拌し、蒸留水(100mL)
及びエチルアセテート(50mL)で希釈した。層分離させて水層からエチルア
セテート(25mL)で更に抽出した。エチルアセテート抽出液を合わせ、1.
0M塩酸水溶液及び5%チオサルフェートナトリウム水溶液で洗浄し(2×10
0mL)、濾過して固形物を除去し、濾紙をエチルアセテートで洗浄した。濾液
及び洗浄液を合わせて蒸留水(50mL)で洗浄し、減圧下で濃縮して褐色の油
(14.85g)を得た。粗生成物をヘキサン/エチルアセテート(2:1)を
溶出液としたシリカのクロマトグラフィーで精製し、適当な画分を合わせて溶媒
を蒸発させた後に、静置して結晶化する油状の標記化合物を得た(5.09g、
30.8%)。融点=46−48℃、Rf=0.25(シリカ、ヘキサン/エチ
ルアセテート、2:1)、(MH+357.05、1.7%)。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ=1.47(s,9H),3.35(s,3H),3.35-3.53(m,2H),3.63-
3.66(m,2H),4.75(s,2H),7.03(s,1H),7.54-7.59(m,2H),7.63-7.68(m,1H),7.
96(d,2H). 13C NMR
(75.4MHz):δ=27.84,58.90,62.94,70.39,71.66,83.38,128.02,1
29.45,134.05,137.56,140.21,142.91,163.89ppm.分析%
:-
実測値: C,57.11;H,7.08.
C17H24O6S計算値: C,57.29;H,6.79.(E)−tert−ブチル2−(2−メトキシエトキシメチル)−3−(p−ト ルエンスルホニル)アクリレート
ヨウ化p−トルエンスルホニル(19.39g、68.7mmol)のジクロ
ロメタン(50mL)溶液に、窒素雰囲気下、室温でtert−ブチル2−(2
−メトキシエトキシメチル)アクリレート(9.91g、45.8mmol)を
添加した。混合液を室温で16時間攪拌し、0℃まで冷却し、トリエチルアミン
(12.7mL、91.6mmol)を滴下した。反応液を0℃で0.5時間、
室温で4時間攪拌し、蒸留水(100mL)で希釈して層分離させた。水層から
更にジクロロメタン(25mL)で抽出し、有機抽出液を合わせて1.0M塩酸
水溶液(100mL)、5%チオサルフェートナトリウム水溶液(25mL)及
び蒸留水(50mL)で洗浄した。ジクロロメタン層を減圧下で濃縮して褐色の
油(17.48g、定量値)を得た。粗生成物をヘキサン/エチルアセテート混
合液を勾配溶出液としたシリカのクロマトグラフィーで精製し、適当な画分を合
わせて溶媒を蒸発させた後に、静置して結晶化する淡黄色油状の標記化合物を得
た(16.2g、95%)。融点=40−41℃、Rf=0.3(シリカ;ヘキ
サン/エチルアセテート、2:1) 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ=1.47(s,9H),2.45(s,3H),3.36(s,3H),3.51-3.54(
m,2H),3.63-3.67(m,2H),4.75(brs,2H),7.02(brs,1H),7.35(d,J=9Hz,2H),7.
84ppm(d,J=9Hz,2H). 13C NMR
(75.4MHz,CDCl3):δ=21.65,27.84,58.87,62.90,70.34,71.66,83
.24,128.04,130.08,137.29,137.90,142.37,145.23,163.96ppm.分祈%
:-
実測値: C,58.51;H,7.20.
C18H26O6S C,58.36;H,5.93.(E)−tert−ブチル2−(2−メトキシエトキシメチル)−3−(4−ク ロロベンゼンスルホニル)アクリレート
ヨウ化4−クロロベンゼンスルホニル(4.95g、16.4mmol)のジ
クロロメタン(12mL)溶液に、室温でtert−ブチル2−(2−メトキシ
エトキシメチル)アクリレート(2.36g、10.9mmol)を添加した。
混合液を室温で23時間攪拌し、0℃まで冷却し、トリエチルアミン(2.9m
L、21.8mmol)を滴下した。反応液を0℃で1.25時間攪拌し、蒸留
水(25mL)及びジクロロメタン(12mL)で希釈して層分離させた。水層
から更にジクロロメタン(10mL)で抽出し、有機抽出液を合わせて1.0M
塩酸水溶液(25mL)、5%チオサルフェートナトリウム水溶液(25mL)
及び蒸留水(10mL)で洗浄した。ジクロロメタン層を減圧下で濃縮して褐色
の油(4.46g)を得た。粗生成物をヘキサン/エチルアセテート(3:1)
を溶出液としたシリカのクロマトグラフィーで精製し、適当な画分を合わせて溶
媒を蒸発させた後に、油状の標記化合物を得た(3.50g、82%)。Rf=
0.38(シリカ;ヘキサン/エチルアセテート、2:1)。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ=1.48(s,9H),3.37(s,3H),3.51-3.54(m,2H),3.64-
3.68(m,2H),4.74(s,2H),7.02(s,1H),7.53(d,J=9Hz,2H),7.92(d,J=9Hz,2H). 13C NMR
(75.4MHz,CDCl3):δ=27.71,58.84,62.56,70.34,71.51,83.50,12
9.51,129.73,137.37,138.32,140.88,142.84,163.58ppm.分折%
:-
実測値: C,52.26;H,5.91.
C17H23ClO6S C,52.24;H,5.93.(E)−tert−ブチル2−(2−メトキシエトキシメチル)−3−(4−ブ ロモベンゼンスルホニル)アクリレート
ヨウ化4−ブロモベンゼンスルホニル(1.06g、3.15mmol)のジ
クロロメタン(4.5mL)溶液に、室温でtert−ブチル2−(2−メトキ
シエトキシメチル)アクリレート(0.45g、2.1mmol)を添加した。
混合液を室温で2.5時間攪拌し、0℃まで冷却し、トリエチルアミン(0.5
8mL、4.2mmol)を滴下した。反応液を0℃で0.5時間、室温で1.
0時間攪拌し、蒸留水(20mL)及びジクロロメタン(15mL)で希釈して
層分離させた。水層から更にジクロロメタン(2×5mL)で抽出し、有機抽出
液を合わせて1.0M塩酸水溶液(20mL)、5%チオサルフェートナトリウ
ム水溶液(20mL)及び蒸留水(20mL)で洗浄した。ジクロロメタン層を
乾燥させ(MgSO4)、濾過して減圧下で濃縮して褐色の油(0.88g)を
得た。粗生成物をヘキサン/エチルアセテート混合液を勾配溶出液としたシリカ
のクロマトグラフィーで精製し、適当な画分を合わせて溶媒を蒸発させた後に、
黄色油状の標記化合物を得た(0.75g、83%)。Rf=0.39(シリカ
;ヘキサン/エチルアセテート、2:1) 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ=1.47(s,9H),3.37(s,3H),3.50-3.55(m,2H),3.63-
3.67(m,2H),4.71(s,2H),7.01(s,1H),7.70(d,J=8Hz,2H)and 7.85(d,J=8Hz,2H)
ppm.分析%
:-
実測値: C,46.71;H,5.26.
C17H23BrO6S C,46.90;H,5.33.(E)−tert−ブチル2−(2−メトキシエトキシメチル)−3−(4−ニ トロベンゼンスルホニル)アクリレート
ヨウ化4−ニトロベンゼンスルホニル(1.49g、4.65mmol)のジ
クロロメタン(6mL)溶液に、室温でtert−ブチル2−(2−メトキシエ
トキシメチル)アクリレート(0.68g、3.1mmol)を添加した。混合
液を室温で3.5時間攪拌し、トリエチルアミン(0.88mL、6.2mmo
l)を滴下した。反応液を16時間攪拌し、蒸留水(25mL)及びジクロロメ
タン(10mL)で希釈して層分離させた。水層から更にジクロロメタン(5m
L)で抽出し、有機抽出液を合わせて1.0N塩酸水溶液(20mL)、5%チ
オサルフェートナトリウム水溶液(20mL)及び蒸留水(20mL)で洗浄し
た。ジクロロメタン層を乾燥させ(MgSO4)、濾過して減圧下で濃縮して褐
色の油(1.20g)を得た。粗生成物をヘキサン/エチルアセテート混合液を
勾配溶出液としたシリカのクロマトグラフィーで精製し、適当な画分を合わせて
溶媒を蒸発させた後に、黄色油状の標記化合物を得た(0.78g、61.9%
)。Rf=0.33(シリカ;ヘキサン/エチルアセテート、2:1)(MH+4
02.88、1.07%)。 1H NMR
(300MHz,CDCl3):δ=1.48(s,9H),3.37(s,3H),3.51-3.54(m,2H),3.66-
3.69(m,2H),4.74(s,2H),7.05(s,1H),8.21(d,J:9Hz,2H),8.39(d,J=9Hz,2H)pp
m. 13C NMR
(75.4Hz,CDCl3):δ=27.83,58.93,62.71,70.76,71.67,83.88,124
.57,129.65,136.58,144.65,145.67,150.96 and 163.32ppm.分析%
:-
実測値: C,50.75;H,5.80;N,3.46.
C17H23NO8S C,50.86;H,5.77;N,3.49.
(E)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシエ トキシ)プロプ−1−エニル]−1−シクロペンタンカルボン酸シクロヘキシル アミン塩
ジイソプロピルアミン(216mL、1.54mol)の無水THF(4.0
L)溶液に、窒素雰囲気下−10℃で1.6Mのn−ブチルリチウム(9.66
mL、1.54mol)ヘキサン溶液を35分間かけて滴下した。反応液を−1
0℃で15分間攪拌し、45分間かけて0℃まで加温した。この時点で、外から
冷却して0℃以下の温度を維持しながら、30分間かけてシクロペンタンカルボ
ン酸(84mL、0.77mole)を添加した。反応混合液を1.25時間か
けて室温まで戻し、0℃に冷却し、1.0Mの塩化亜鉛ジエチルエーテル溶液(
422mL、0.42mol)を10分間かけて添加した。反応液を0℃で25
分間攪拌し、−20℃に冷却して(E)−tert−ブチル2−(2−メトキシ
エトキシメチル)−3−(p−トルエンスルホニル)アクリレート(260g、
0.70mol)の無水THF(530mL)溶液を添加した。反応液を−20
から0℃で16時間攪拌し、濃塩酸(214mL)で希釈し、5.0N水酸化ナ
トリウム水溶液(2mL)でpHを5に調整した。混合液を濾過して不溶物を除
去し、エチルアセテート(1.3L)で抽出して層分離させた。エチルアセテー
ト層を1.0M塩酸水溶液(2.6L)、蒸留水(2×2.6L)で洗浄し、減
圧下で濃縮して油を得た(259.8g)。粗生成物を還流下でヘキサン(2.
25L)に溶解し、加熱をしないでシクロヘキシルアミン(78.5mL、0.
68mol)を添加した。混合液をヘキサン(1.13L)で希釈し、沈澱した
塩を0℃まで冷却して1時間顆粒化させ、回収して標記化合物を得た(209.
9g、70%)。融点=106−108℃、Rf=0.28(エチルアセテート
/ヘキサン、1:1+1%酢酸)。 1H NMR
(300MHZ,CDCl3):δ=3.36(s,3H),3.50-3.53(m,2H),3.58-3.61(m,2H),
4.24(s,2H),6.98(s,1H)ppm. 13C NMR
(75.4MHz,CDCl3):δ=24.55,25.06,28.12,31.53,39.32,49.88,56
.85,58.55,65.70,69.94,71.77,80.09,130.33,153.44,167.24 and 180.5
3ppm.分折%
:-
実測値: C,64.54;H,9.42;N,3.31.
C23H41NO6 C,64.61;H,9.66;N,3.28.(E)−ベンジルcis−4−{1−[2−(tert−ブトキシカルボニル− 3−(2−メトキシエトキシ)プロプ−1−エニル]−1−シクロペンタンカル ボキシアミド}−1−シクロヘキサンカルボキシレー
(E)−1−[2−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(2−メトキシ
)プロプ−1−エニル]−1−シクロペンタンカルボン酸(1.0g、3.04
mmol)のエチルアセテート(10.6mL)溶液に、窒素雰囲気下、室温で
ジメチルホルムアミド(1滴)、ピリジン(0.49mL,6.08mmol)
及び塩化チオニル(0.28mL、3.95mmol)を添加し、混合液を室温
で40分間攪拌した。ベンジルcis−4−アミノ−1−シクロヘキサンカルボ
キシレートp−トルエンスルホネート(1.29g、3.19mmol)を室温
で添加し、次にトリエチルアミン(1.27mL、9.12mmol)を添加し
て混合液を室温で3時間攪拌した。反応混合液を蒸留水(50mL)及びエチル
アセテート(50mL)で希釈して層分離させた。エチルアセテート層を蒸留水
(2×50mL)、1.0M塩酸水溶液(50mL)で洗浄し、乾燥させ(Mg
SO4)、濾過して減圧下で濃縮して褐色の油(1.552g)を得た。粗生成
物をヘキサン/エチルアセテート(1:1)を溶出液としたシリカのクロマトグ
ラフィーで精製し、適当な画分を合わせて溶媒を蒸発させた後に、油状の標記化
合物を得た(1.07g、65%)。 13C NMR
(75Hz,CDCl3):δ=24.84,25.19,27.97,28.95,38.95,39.66,46.71
,55.59,58.73,65.19,66.01,70.25,71.55,80.98,127.89,128.06,128.4
6,133.06,148.91,174.06,174.63ppm.分析%
:-
実測値: C,68.18;H,8.23;N,2.57.
C13H45NO7 C,68.48;H,8.34;N,2.58.
(E)−ベンジルcis−4−{1−[2−カルボキシ−3−(2−メトキシエ トキシ)プロプ−1−エニル]−1−シクロペンタンカルボキシアミド}−1− シクロヘキサンカルボキシレート
(E)−ベンジルcis−4−{1−[2−(tert−ブトキシカルボニル
)−3−(2−メトキシエトキシ)プロプ−1−エニル]−1−シクロペンタン
カルボキシアミド}−1−シクロヘキサンカルボキシレート(1.0g、1.8
3mmol)にトリフルオロ酢酸(1.7mL)を0℃で滴下し、生じた水溶液
を室温で24時間攪拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、トリフルオロ酢酸を
更に除去するために残渣をトルエン(3×10mL)で剥離した。残渣をt−ブ
チルメチルエーテル(50mL)に溶解し、蒸留水(6×10ml)で洗浄した
。
有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過して減圧下で濃縮して褐色の油(0.
835g)を得た。粗生成物をエチルアセテート/ヘキサン(2:1)+1%酢
酸を溶出液としたシリカのクロマトグラフィーで精製し、適当な画分を合わせて
溶媒を蒸発させた後に、エーテルで粉砕した後に無色の結晶として標記化合物を
得た(720mg、80%)。融点=90−91℃。分析%
:-
実測値: C,66.37;H,7.48;N,2.85.
C27H37NO7 C,66.51;H,7.65;N,2.87.
─────────────────────────────────────────────────────
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(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
// C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
C07M 7:00