JPH08506379A - セルロース溶液製造方法 - Google Patents
セルロース溶液製造方法Info
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- JPH08506379A JPH08506379A JP7511065A JP51106595A JPH08506379A JP H08506379 A JPH08506379 A JP H08506379A JP 7511065 A JP7511065 A JP 7511065A JP 51106595 A JP51106595 A JP 51106595A JP H08506379 A JPH08506379 A JP H08506379A
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Abstract
(57)【要約】
水性三級アミンオキシド中のセルロースのプラスチック溶液の製造方法が提起される。該方法は、(a)細分化されたセルロース材料を三級アミンオキシドの水性溶液中に導入して、少なくとも10重量%のセルロースの乾燥固体含量を有する第1の懸濁液を形成すること、(b)第1の懸濁液を高濃度磨砕して、第2の懸濁液を得ること、(c)減圧下で加熱することにより、第2の懸濁液をプラスチックセルロース溶液に変換すること、を特徴とする。
Description
【発明の詳細な説明】
セルロース溶液製造方法
本発明は、水性三級アミンオキシド中の付形可能なセルロース溶液の製造方法
に関する。
三級アミンオキシドは、セルロースの代替的な溶剤として知られている。例え
ば米国特許第2 179 181号から、三級アミンオキシドは、誘導体に転化する必要
なしにセルロースを溶解させる特性を有し、このような溶液から沈殿によって繊
維等のセルロース成形体を得ることができることが公知である。米国特許第3 44
7 939号、米国特許第3 447 956号、及び米国特許第3 508 941号では、セルロー
ス溶液の更なる製造方法が述べられており、それらによれば、使用される溶剤は
環状のアミンオキシドが好ましいとされている。全てのこれらの方法では、セル
ロースは高温で物理的に溶解される。
溶液がツインスクリュー押出機や攪拌容器中で作製される場合には、セルロー
スは、溶解プロセスが十分迅速であることを確実にするために事前に活性化処理
を施されなければならない(「Das Papier」第12巻784-788ページ参照)。事
前の活性化処理としては、アルカリセルロースの成形及び再生や、熱水セルロー
ス処理が提案される。
東ドイツ特許公開第226 573号によれば、セルロースは溶液製造の前に予め活
性化され、それもまた押出機中で行われる。その特許公開において、この方法は
、最大2.5重量%のセルロースの低い濃度を有する、NMMOを含むセルロー
ス懸濁液から始まる。このセルロース懸濁液は、攪拌容器中で均質化される。次
いで遠心処理や加圧処理により、濃度が12.5重量%まで高められ、含水率1
0
〜15重量%(NMMOを基準として)まで乾燥され、脱ガスゾーンを有する押
出機中で75℃〜120℃の温度で透明な液体に変換される。
上記東ドイツ特許公開第226 573号に記載された方法は、均質化の後、溶液の
実際の製造を開始できる前に、濃度を2.5重量%から12.5重量%まで高め
なければならないという欠点を有する。これには、独立した付加的な作業ステッ
プが必要である。さらに遠心処理や加圧処理の間に、水だけでなくNMMOも除
去されてしまい、望ましくない。
ヨーロッパ特許公開第0 356 419号において述べられた方法は、他の材料の中
でセルロースを乾燥状態で磨砕することから始まる。乾燥磨砕されたセルロース
を使用することにより、セルロースを大量に水性NMMO溶液中で攪拌すること
ができるので、濃度を増す処理ステップが不必要になる。しかしながらこの出発
材料、即ち乾燥磨砕セルロースは、磨砕プロセス中の局所的な過熱から生じる硬
化片を含むおそれがあり、この硬化片は水性NMMO中での溶解性に悪影響を及
ぼす。微細な粒子を得るために乾燥磨砕することも、セルロース構造にダメージ
を与える。この点で、比較的大きい粒子を得る乾燥磨砕の方が実際には良いであ
ろうが、比較的大きい粒子はむしろ溶液から除外しなければならない。それはな
ぜならそうでなければセルロースは表面で膨張するだけで溶解困難になり、それ
がゲル体形成につながり、セルロース溶液を濾過することが難しくなる。
本発明は、三級アミンオキシド中でのセルロース溶液の製造を簡便化し且つ改
良することを目的とする。
水性三級アミンオキシド中での付形可能なセルロース溶液の製造に関する本発
明の方法は、以下の手段を組み合わせることにより特徴づけられる。
a)予め細分化したセルロース材料を三級アミンオキシドの水溶液中に導入し、
少なくとも10重量%の濃度のセルロースを有する初期懸濁液を作製する。
b)上記初期懸濁液を高濃度磨砕し、それにより第2の懸濁液を得る。
c)上記第2の懸濁液を、減圧下で加熱して付形可能なセルロース溶液に変換す
る。
三級アミンオキシド存在下で高濃度域において湿式磨砕すると、セルロース材
料がよく開裂又は活性化され、溶液の製造が容易化されるということが示された
。慣用の高濃度ミキサー、分散機、及び精製機が、粉砕装置としての使用に適し
ている。
高濃度域でのセルロースの湿式磨砕は、カナダ特許第914 674号から公知であ
る。これは、後の化学的反応のためにセルロースの開裂を改良するように作用し
、セルロースはセルロースアセテートに変えられる。
繊維は湿式磨砕の間に、切断され、フィブリル化され、そして膨張する。フィ
ブリル化という用語は、繊維軸に平行に繊維が裂開することを意味する。磨砕プ
ロセスの後も、大部分のフィブリルが、フリルの如く繊維に付着したままである
。例えばホランダービーター、ジョルダンミル、精製機、ディスクミル、高剪断
ミキサー、及びパルパー等の機械を、磨砕のために使用することができる。スト
ックスラリーは、磨砕プロセス中に機械の動部と定部の間で処理される。
高濃度磨砕とは、約10重量%〜35重量%の乾燥物質(セルロース)を含有
する水性懸濁液の磨砕である。高濃度磨砕では、従来の磨砕よりも磨砕エネルギ
ーがセルロースによく伝わる。このようなプロセスでは、セルロースが個々の繊
維に裂開されるだけでなく、個々の繊維のフィブリル化と破砕も生じる。
本発明の方法はまた、初期懸濁液の製造に使用される水性溶液が、60〜72
重量%の三級アミンオキシドを含むにすぎず、従って水分の含有率が比較的高い
場合でさえも望ましい効果を有するという点で特徴づけられる。このことにより
、例えば、使用された紡糸浴又は凝固浴をそれぞれ再生後に溶剤として再使用す
ることが容易に可能となる。望ましい効果はまた、初期及び/又は第2の懸濁液
中に、例えばTiO2、カオリン、染料、グラファイト、BaSO4、カルボキシ
メチルセルロース、及び難燃剤等の添加剤が存在する場合にも生じる。
ステップ(c)においてセルロースを溶解するためには、含水率を17重量%
未満に調整するだけでよい。これは、第1のステップにおいて余分な水分を初め
に除去し、次に得られた材料を押出機において溶融して溶液を得るというように
実行されることが可能である。これらのプロセスステップは、例えば西ドイツ特
許公開第2 830 685号から公知である。これらの両プロセスを、ヨーロッパ特許
公開第0 356 419号で述べられたプロセスに従って、ステップ(b)で得られた
第2の懸濁液を溶液に直接的に変換するという単一のプロセスに統合することが
得策である。
本発明による方法では、予め細分化されたセルロース材料を使用するので、粒
度が70mmであっても問題なく処理して第2の懸濁液を得ることができるという
ことがわかった。予め細分化された材料として20mmまでの粒度を有するセルロ
ースチップを用いることが特に有利である。このようなチップは、ハンマーミル
又は裁断ミル等において得ることが可能である。
本発明の方法の別の有利な点は、セルロース材料として高品質のセルロースを
使用できるばかりでなく、例えば古紙、古い板紙や紙成形品等を少なくとも部分
的に使用することができるということである。
木材切り屑及び/又は木材削り屑をセルロース材料として部分的に使用するこ
と、そしてそれらを処理することもさらに可能である。通常は厚いセル壁を有す
る木材繊維や、リグニン含有率又は樹脂含有率の高い繊維は、セルロースの反応
性を低減するということが知られている。しかしながら、本発明により且つ三級
アミンオキシドの存在下で提供される高濃度磨砕プロセスは、ステップ(c)で
濾過特性の良い均質の溶液を得る程度まで、これらのセルロース材料を活性化す
る。
本発明の方法では、三級アミンオキシドとしてN−メチルモルホリン−N−オ
キシドが特に良いということが判明した。
本発明はまた、本発明に従って作製されたセルロース溶液を付形して沈殿浴中
に導入するセルロース成形品の製造方法に関する。フィルム、チューブラフィル
ム、紡績繊維、及びスポンジが、成形品と見なされる例である。
本発明の好適具体例を以下の例においてより詳細に述べる。
全体的な作業手順
予め細分化されたセルロースを、ミキサーにおいて72重量%の量のNMMO
(28重量%の水)で含浸し、11〜16%の懸濁液を得た。次にその懸濁液を
、50〜60℃の温度に加熱した。
このようにNMMOで予め含浸されたセルロースを、偏心ポンプによりミキサ
ーから継続的に除いていき、コンベヤスクリューにより精製機に移した。精製機
の磨砕又は分散板上を通過させた後、生成物を排出パイプを通して取り出し、偏
心スクリューポンプにより緩衝容器(例えばミキサー)に移し、溶液を製造する
時に緩衝容器から生成物を取り出した。溶液は、ヨーロッパ特許公開第0 356
419号で述べられたプロセスに従って製造した。
実施例1〜4
磨砕にはクリマ分散器(Krima-Disperger)KD450(ディスク直径450m
m、ロータ回転1500rpm)を使用した。裁断造粒機を用いて4mmの大きさに予
め細分化され且つ70%のNMMOと混合された、Buckeye・V5型[製
造者:プロクター&ギャンブル(Proctor & Gamble)]の予め加水分解されたス
ルフェートセルロースを出発材料とした。その結果を表1で示す。
実施例1〜4から得られた懸濁液は、磨砕されなかった比較対象の懸濁液(比
較例)より、より短時間で溶液に変換され、比較例においては時折ゲル体も見受
けられた。
前述の通り、比較例は、磨砕されなかったためにアミンオキシドを含浸される
前に細分化プロセスを施されただけのセルロースを使用して実行した。NMMO
プロセス(溶液が攪拌容器で製造されるのか、あるいは押出機又はフィルム押出
機で製造されるのかには無関係)に従って溶液を製造すると、セルロース粒子は
、
水分の蒸発中に新たに形成された粘度の高いセルロース溶液で囲まれるようにな
り、これによりさらなる材料の交換が抑制された。これが、ゲル体の形成と、高
粘度の溶液の不完全な形成の原因であると思われる。このようなゲル体は、濾過
の問題につながる。
実施例5及び6
アンドリッツ・スプルートバウヤー(Andritz Sprout-Bauer)の精製機(ディ
スク直径300mm;ローター回転3000rpm)を使用した。最大粒度70mmと
なるように予め細分化され且つ70%のNMMOと混合された、Buckeye
・V5型(製造者:プロクター&ギャンブル)の予め加水分解されたスルフェー
トセルロースを出発材料とした。その結果を表2に示す。
セルロース粒子が70×70mmの最大粒度を有するので、溶液の製造には実施
例1〜4で要した時間よりも長い時間が必要であった。実施例5及び6で得られ
た懸濁液は、磨砕されなかった比較例の懸濁液(ここでもゲル体が見受けられた
)が必要とした時間よりも短い時間で溶液に変換されるという現象がここでも観
測された。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AM,AU,BG,BR,B
Y,CA,CN,CZ,DE,FI,GB,GE,HU
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Z,VN
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.水性三級アミンオキシド中の付形可能なセルロース溶液の製造方法であって 、 (a)予め細分化されたセルロース材料を三級アミンオキシドの水性溶液中に導 入して、少なくとも10重量%のセルロースの濃度を有する初期懸濁液を製造す る工程と、 (b)前記初期懸濁液を高濃度磨砕することにより、第2の懸濁液を得る工程と 、 (c)減圧下で加熱することにより前記第2の懸濁液を付形可能なセルロース溶 液に変換する工程と、 の組み合わせにより特徴づけられる方法。 2.初期懸濁液の製造に用いられる水性溶液が60〜72重量%の三級アミンオ キシドを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。 3.予め細分化されたセルロース材料が70mmの最大粒度を有することを特徴と する、請求項1又は2に記載の方法。 4.細分化された古紙を少なくとも部分的にセルロース材料として使用すること を特徴とする、請求項1乃至3に記載の方法。 5.木材切り屑及び/又は木材削り屑を少なくとも部分的にセルロース材料とし て使用することを特徴とする、請求項1乃至3に記載の方法。 6.セルロースを少なくとも部分的にセルロース材料として使用することを特徴 とする、請求項4に記載の方法。 7.請求項1に記載の工程(c)がフィルム押出機において実行されることを特 徴とする、請求項1乃至6の1つに記載の方法。 8.N−メチルモルホリン−N−オキシドが三級アミンオキシドとして使用され ることを特徴とする、請求項1乃至7の1つに記載の方法。 9.初期懸濁液及び/又は第2の懸濁液に添加剤が加えられることを特徴とする 、請求項1に記載の方法。 10.セルロース成形品を製造するための方法であって、請求項1乃至9に従っ て製造されたセルロース溶液が付形されて、沈殿浴中に導入される方法。
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