【発明の詳細な説明】
弾性α−オレフィン/環式オレフィンコポリマー 発明の分野
本発明はα−オレフィンと環式オレフィンコモノマーとの弾性コポリマーに関
するものであり、特に、含ハロゲン単量体や多量の可塑剤を使用しなくても、か
かるコポリマーにレジリエンス、引張強さ及びスナップバック記憶を付与するこ
とのできるような量のコモノマーを含有するコポリマーに関する。発明の背景
可塑化処理されたポリ塩化ビニル(PVC)フィルムの様々な属性については
、その優れた光沢及び透明度、引張強さ並びに小さい変形での弾性回復率などを
含め、よく知られている。PVCは新鮮な肉の赤い色を保つに十分な酸素透過性
を有しており、しかも消費者の手に渡った後でもパッケージの張りを保つのに必
要な回復性を有しているので、この材料は肉の包装用オーバーラップ材を選択す
る際に特に望ましいものである。ただし、食品用及び医療用パッケージからの可
塑剤の移動並びに含ハロゲン材を焼却する際の副生物についての懸念が大きくな
りつつある。可塑剤含有量の低減又は可塑剤を全く含んでいない代替ポリマー或
いはハロゲン焼却生成物を発生しないような代替ポリマーがあれば、PVCより
も有用であるはずである。PVCに匹敵する光沢、透明度及び酸素透過性をもつ
ようなポリオレフィンを経済的に製造することはできるが、そのフィルムは必要
とされる弾性回復率を示さない。可塑化剤を使用しなくても、可塑化PVCの引
張回復特性とその他の必要条件を併せもつようなオレフィン系ポリマーに対する
ニーズが存在している。
PVCはほとんどが非晶質であるが、約15%に至る結晶度をもつこともある
。PVC結晶の構造は、ポリエチレンにみられるようなラメラモデルよりもフリ
ンジドミセル(fringed micelle)モデルに近い。しかし、PVCはその非常に
低い結晶度から予測される値よりも格段に大きな伸び抵抗を示す。加工性を改良
するために、PVCには可塑剤を添加して双極子同士の相互作用を断ち切るよう
にするのが普通である。可塑化は、可塑剤とPVCの間の「結合」が絶えず破
壊されては再形成される動的過程であると広く信じられている。伸張後、可塑剤
分子はPVCを溶解して双極子同士の相互作用を妨害するが、かかる双極子同士
の相互作用は伸張時に形成されてPVCの少なくとも部分的な回復を助長する。
他方、ポリエチレンは結晶性の高いポリマーであって、そのクリスタライト(
微結晶)は通常はラメラ状に配列していて横方向に極めて大きな広がりをもつ。
このような結晶性はポリエチレンの強度に大きく寄与している。ポリエチレンを
伸張する場合、非晶質領域がある程度まで伸びるか或るいは撓む。しかし、最も
脆弱なクリスタライトの降伏応力に達すると、常温流動及び永久歪が起こる。ポ
リエチレンの弾性は、酢酸ビニルや結晶性を低下させるための他のα−オレフィ
ンのようなコモノマーを使用することによって改良することができ、同時にコポ
リマーの伸張後に測定される永久歪の大きさも低くなる。しかし、このような弾
性及び復元性(すなわち、スナップバック特性)の改良は、かかるコポリマーの
強度をもっと結晶性の高いポリエチレンよりも格段に低いレベルまで落とすとい
う犠牲を伴う。したがって、結晶性ポリエチレンと非結晶性又は低結晶性材料と
のブレンドに関する様々な努力をもってしても、常温延伸して永久歪みを受ける
ような十分に形成された大きなクリスタライトの領域が得られる。例えば、メル
トインデックス約2.0cg/minの低密度ポリエチレン(LDPE)は15
0%伸びでの応力が約130psiで、約90%の歪(1分間の緩和時間の後で
測定)、すなわち約20%の回復率を有する。酢酸ビニル(VA)をコモノマー
として加えた場合、永久歪と応力は共に一般にVA含有量の増加とともに直線的
に減少する。同一の条件で測定したとき、28%の酢酸ビニルを含有するエチレ
ン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)は150%伸びでの応力が500psiで
30%の歪を有し、中間的なVA含有量のEVAは中間的な応力(強度)及び歪
(100から%回復率を引いた値)を有し、VA含有量9%のEVAは150%
伸びでの応力が約1025psiで60%の歪を有し、VA含有量が12%では1
50%伸びでの応力が約910psiで55%の歪を有する。
Brekner他の米国特許第5087677号には、立体剛性のキラルな橋
掛けビス(シクロペンタジエニル)遷移金属触媒とアルモキサン助触媒で製造し
た多環式オレフィンのポリマーで所望によりα−オレフィン及び/又は単環式オ
レフィンと共重合し得るポリマーが開示されており、2.9〜6.0という比較
的高い多分散度(MWD)及び約100℃のガラス転移温度(Tg)を有すると
報告されている。その表3〜6には、ノルボルネンとエチレン又はプロピレンの
各種コポリマーが報告されている。
欧州特許出願公開第283164号には、アルキレンビス(インデニル)ジル
コニウム化合物とアルモキサンを用いて製造したC3〜C20α−オレフィンとシ
クロオレフィンのコポリマーが開示されている。しかし、約24000を超える
分子量と2未満の分子量分布を併せもつようなエチレン又はプロピレンコポリマ
ーは報告されていない。
欧州特許出願公開第501370号には、立体剛性のキラルな橋掛け遷移金属
触媒とアルモキサン助触媒で製造された多環式オレフィンの単独重合体並びにモ
ノシクロオレフィン及び/又は非環式α−オレフィンとのコポリマーが開示され
ており、2未満の分子量分布Mw/Mnを有すると報告されている。しかし、そ
の実施例のいずれにも、2未満のMw/Mnと50000を超えるMwを併せも
つコポリマーは記載されていない。
欧州特許出願公開第503422号には、C1対称性を有するか或いはメソ形
で存在する立体剛性の橋掛けビス(シクロペンタジエニル)メタロセンとアルモ
キサン助触媒による、多環式オレフィンの単独重合体並びにモノシクロオレフィ
ン及び/又は非環式α−オレフィンとのコポリマーの製造法が開示されており、
化学的な均質性が高く、エチレンコポリマーのTgの反応パラメーター(エチレ
ン圧など)への依存性の低さに反映されると報告されている。
本願出願人に譲渡されたTurnerとHlatkyの1987年12月22日出願の米国
特許出願番号第07/133480号には、シクロペンテンなどのモノマーやコモノマー
として作用し得る液体オレフィン中でビス(シクロペンタジエニル)金属化合物
とテトラ(パーフルオロフェノール)ボレートのような嵩高くて不安定(labile
)なルイス酸アニオン活性化剤を用いるオレフィン重合法が開示されている。欧
州特許出願公開第277004号はこの米国特許出願に対応するものであり、文
献の援用により本願明細書の内容の一部をなす。同様に、本願出願人に譲
渡されたCanich他の1991年10月3日出願の米国特許出願番号第07/770449
号は、1989年9月13日出願の米国特許出願番号第406945号の部分継
続出願である1990年6月4日出願の米国特許出願番号第533245号の部
分継続出願である1990年9月13日出願の米国特許出願番号第581841
号の部分継続出願であるが、モノシクロペンタジエニル金属化合物とアルモキサ
ンを用いて、エチレンをノルボルネンのような他のモノマーの共存下で重合する
ことが開示されている。
Kaminsky他のMakromol.Chem.,190,515−526(1989)には、
キラルな触媒であるエチレン(ビスインデニル)ジルコニウムジクロライド/メ
チルアルモキサンを用いてシクロペンテン、シクロヘプテン及びシクロオクテン
をエチレンと共に重合して、アイソタクチックなコポリマーを合成することが開
示されている。このエチレン−シクロペンテンコポリマーは24000未満の分
子量と3〜4.5のMWDを有すると報告されている。
引張強度と弾性回復性を併せもつゴム状非晶質α−オレフィン/環式オレフィ
ンコポリマーは、上記文献のいずれにも開示されていない。発明の概要
本発明によれば、α−オレフィンと環式オレフィンとを、例えば活性化シクロ
ペンタジエニル遷移金属化合物を含んでなる触媒系の存在下で共重合する。極め
て驚くべきことに、環式オレフィンを比較的高分子量のコポリマーに特定のモル
比率で組込むと、得られるコポリマーが意外にも熱可塑性エラストマーに似た挙
動を示し、靭性をもつ一方で柔軟性とレジリエンスをもち、伸長前の状態への回
復に関して良好な形状記憶性を併せもち、しかも良好な光学的性質と酸素透過性
をもつことが判明した。本発明のコポリマーは、その一つの例示的な実施態様で
は、可塑化PVCと同様に食品包装用フィルム或いはチューブ材や血液バッグそ
の他の医療用途に使用される。
本発明は、部分的には、配位触媒を用いて環式オレフィンをα−オレフィンと
共に重合すればゴム状非晶質コポリマーを得ることができるという発見に基づく
ものである。このコポリマーは、例えば、高分子量を有するとともに、5〜30
モル%の環式オレフィン組込み率、狭い分子量分布及び比較的ランダムで一様な
コモノマー分布をもつようにし得る。本発明は、部分的には、かかるコポリマー
で製造した製品が、例えば高いゴム弾性と強度並びに優れた弾性回復性などの非
常に驚くべき性質を有しているという発見にも基づいている。
本発明は、α−オレフィン/環式オレフィンコポリマーを提供するが、このコ
ポリマーは実質的に組成が均一であり、5〜30モル%、好ましくは10〜20
モル%、特に10〜15モル%の環式オレフィンがポリマー中に実質的にランダ
ムに組込まれたものである。このコポリマーは、好ましくは、約30000〜約
1000000ダルトン又はそれ以上、さらに好ましくは約60000〜約30
0000ダルトンの重量平均分子量と実質的に約4未満、さらに好ましくは1.
2〜2.0の分子量分布を有する。このコポリマーは通常は非晶質であり、かか
る性質は示差走査熱量測定において明瞭に検出できる融点が存在しないこと並び
に結晶相転移が実質的に存在しないことに反映される。このコポリマーは好まし
くは−50℃〜50℃の間にガラス転移温度を有する。さらに、このコポリマー
は、好ましくは、そのガラス転移温度から100℃を超える温度範囲においてゴ
ム状貯蔵弾性を有する。このコポリマーは、任意成分として、使用温度をそれぞ
れ下限及び上限まで広げるために1種類以上の可塑剤及び/又は架橋剤を含んで
いてもよい。
本発明は、上記のコポリマーから製造された製品、例えば繊維、フィルム、シ
ート、コーティング及び成形品なども提供する。特に、本発明は、弾性、柔軟性
、靭性及び弾性回復性をもつコポリマーから製造された製品を提供する。図面の簡単な説明
図1は、本発明による実施例15の高Mw・低MWDエチレン−ノルボルネン
コポリマー(ENB)についての示差機械熱分析(DMTA)のグラフを図示し
たものである。1Hz(・・・)及び10Hz(−−−)での貯蔵弾性率、1H
z(・・・)及び10Hz(−−−)での損失弾性率、1Hz(×××)及び1
0Hz(○−○−○)でのtan(δ)値をプロットした。
図2は、実施例8のENBについてのDMTAグラフを図示したもので、適度
に低いMwの影響を示し、貯蔵弾性率、損失弾性率及びtan(δ)値は図1の
通りである。
図3は、実施例10のENBについてのDMTAグラフを図示したもので、低
いMwの影響を示し、貯蔵弾性率、損失弾性率及びtan(δ)値は図1の通り
である。
図4は、実施例1のENBについてのDMTAグラフを図示したもので、高M
wコポリマーにおける高いMw/Mnの影響を示し、貯蔵弾性率、損失弾性率及
びtan(δ)値は図1の通りである。
図5は、本発明のエチレン−ノルボルネンコポリマー(●)の回復及び強度特
性を他の様々なポリマーと比較して示したものであり、比較したポリマーには、
25%可塑化PVC(△−△);エチレンとアクリル酸、アクリル酸メチル及び
/又は酢酸ビニルの各コポリマー、エチレン−プロピレンゴム及びポリエチレン
とのブレンド並びにエチレンブテンコポリマー(−);エチレン−アクリル酸コ
ポリマーのZnイオノマー(□);並びに低密度ポリエチレン(+)が含まれ、
応力は150%歪で測定し、%回復率は10分間150%伸長した後で表記の緩
和時間をおいた後の寸法変化として測定した。データはすべて幅0.187イン
チ、厚さ20ミルの圧縮成形試料片を用い、0.9インチ間隔で20インチ/分
の歪速度を用いたASTM D−1708の変法にしたがって得た。
図6は、可塑化PVCの極限引張強さ(■−■−■)と実施例15のエチレン
−ノルボルネンコポリマーの極限引張強さ(●−●−●)とを比較した図であり
、実施例15のコポリマーが−10℃から約20℃までの温度範囲において可塑
化PVCよりも優れた引張強さを有していることを示している。
図7は、10分間150%伸長して3日間緩和させた後で測定した残留伸びを
、可塑化PVC(■−■−■)と実施例15のエチレン−ノルボルネンコポリマ
ー(●−●−●)とで比較した図であり、実施例15のコポリマーが−15℃か
ら40℃までの温度範囲において可塑化PVCよりも格段に優れた形状保持性能
を有していることを示している。発明の詳細な説明
本発明はコポリマーに関するものであり、かかるコポリマーは例えば配位触媒
存在下で環式オレフィンを1種類又はそれ以上のα−オレフィンと共に重合する
ことによって製造することができる。本発明のコポリマーは驚くほど高い分子量
を有しており、好ましくは約30000〜約1000000ダルトン又はそれ以
上の分子量を有する。(本明細書中では、分子量とは特記しない限り重量平均分
子量(Mw)をいう。)本発明のコポリマーのユニークな特徴はこれより低い分
子量では一般に観察されず、この範囲よりも高い分子量を有する重合体は理論的
には可能であっっても実際問題として製造することは困難であり、加工も容易で
はない。例えばフィルムや成形用途などにおいて、商業的に最も有用なコポリマ
ーは約50000〜約500000ダルトンの範囲内のMw、最も好ましくは2
50000以下のMwを有する。
本発明のコポリマーは比較的狭い分子量分布(MWD)をも有し得る。この驚
くべき事実は、低い多分散度、すなわち、Mwと数平均分子量(Mn)の比に反
映される。MWD(Mw/Mn)は、非常に高い分子量のコポリマーにおいてさ
え、一般に約4未満であり、好ましくは約2未満であり、最も好ましくは約1.
2〜約1.8である。
本発明のコポリマーは、一般に、通常は開環を起こさずに不飽和炭素−炭素二
重結合の付加/挿入によって共重合した環式オレフィンに対応する主鎖と共に環
化した側鎖をもつ線状分子からなる。これは、低密度ポリエチレン(LDPE)
を得るために従来から用いられているラジカル開始高圧エチレン重合で一般に得
られる非制御長鎖枝分れポリマーと対照的である。本発明の線状コポリマーは、
一般に、ラジカル触媒とは対照的な本発明の重合法で単座配位触媒を用いて得ら
れる。α−オレフィンと環式オレフィンは主に頭尾結合で重合し、その結果、ポ
リマー分子は一般に炭素−炭素二重結合部位での重合によって形成された線状主
鎖と、α−オレフィン、環式オレフィン及び本発明の範囲内において任意成分と
して比較的少量で存在し得るその他のコモノマーの「尾」に対応した制御された
寸法、環化度、枝分れ度及び不飽和度の複数の側鎖とを有する。
環式オレフィンは一般にコポリマーの約5〜約30モル%、好ましくは約10
〜約20モル%を占める。これより低い組込み率では、環式オレフィンはポリ(
α−オレフィン)の性質に実質的に影響を与えない。逆に、これより高い組込み
率では、コポリマーはむしろポリ(環式オレフィン)により近い挙動をしめすよ
うになる。したがって、環式オレフィンの上記比率は、ゴム状の性質及び記憶
保持性を有する本発明のコポリマーを得るための必須である。
本発明のコポリマーの環式オレフィン及びα−オレフィン含有量は一般に所望
の性質のコポリマーを得ることを目的としたものである。例えば、ガラス転移温
度(Tg)は、環式オレフィンの単独重合体のほうがα−オレフィンの単独重合
体よりも高いTgを有するために、一般に環式オレフィン含有量の増大とともに
上昇する。本発明のコポリマーは好ましくは約−50℃〜50℃、さらに好まし
くは約−10℃〜約30℃の範囲内のTgを有する。本明細書中で用いるTgは
、公知の示差走査熱量測定(DSC)又は動的機械熱分析(DMTA)によって
測定したものである。
本発明のコポリマーは数多くの性質を有しており、そのためある種の用途に望
ましいものとなる。本発明のコポリマーは、一般に、エチレン、プロピレン及び
高級α−オレフィンの単独重合体に似た良好な靭性と透明性を有しているだけで
なく、それらよりも高いゴム弾性及び伸長後の回復率を有する傾向がある。ただ
し、本発明のコポリマーは靭性及び優れた引張特性をも有する。本明細書で用い
る極限引張強さ、破断点伸び及び回復率は、特記しない限り、ASTM D−1
708の手順にしたがって25℃で測定したものである。このコポリマーは、好
ましくは300%以上、さらに好ましくは400%より大、特に500%より大
の破断点伸び、伸び率150%において800psi(5.5MPa)以上、好
ましくは1000psi(6.9MPa)以上の引張強さ、伸び率150%から
10分間緩和させた後で75%以上、さらに好ましくは85%以上、特に90%
の弾性回復率を有する。このコポリマーは好ましくは2500psi(17.2
MPa)以上、さらに好ましくは約4000psi(27.6MPa)より大の
極限引張強さをも有する。Mw及びMWDの調節によって、比較的広い温度範囲
に拡張される。一般に、高いMwと低いMWDの組合せは、コポリマーのおよそ
のTg(DSC又はDMTAで測定)よりも高い温度、例えばTg(−50℃〜
50℃)から100℃を超える温度まで、好ましくは150℃を超える温度で、
ゴム状態を維持するようなコポリマーを与えるが、この性質はこの温度範囲での
ゴム状貯蔵弾性率に反映される。このような比較的高い使用温度を達成するため
の、Mwは30000以上、好ましくは60000以上、特に
90000以上であって、Mw/Mn比は2未満、好ましくは1.2〜1.8で
ある。コポリマーのゴム状貯蔵弾性率は、市販のDMTA装置(例えばPolymer
Laboratories,Inc.製のもの)を用いた温度上昇速度2℃/分及び振動数1Hz
又は10Hzでの動的機械熱分析(DMTA)で、約1MPaから約100MP
aの間のプラトーとして観測される。場合によっては、架橋剤、可塑剤又は架橋
剤と可塑剤の組合せを適宜使用することにより、ゴム弾性をさらに高い温度或い
は低い温度まで拡張することができる。一般に、可塑剤はコポリマーが脆化して
しまう温度を下げる傾向があるのに対して、架橋剤はコポリマーが流動する(さ
もなければ著しい強度低下を受ける)温度を高める。
本発明において1種類以上の環式オレフィンと共重合させる1種類以上のα−
オレフィンは、炭素数2以上の共重合可能な不飽和単量体であれば如何なるもの
であってもよく、かかるモノマーの混合物又は組合せであってもよい。典型的に
は、α−オレフィンは、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、3−メチル−ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−
ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデ
セン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセ
ン、アリルトリメチルシランなどの置換又は未置換C2〜C20α−オレフィン、
或いは例えばスチレン、アルキル置換スチレン、ビニルシクロヘキセンなどのビ
ニル芳香族及び脂環族モノマーである。α−オレフィンは、また、長鎖α−オレ
フィン(炭素数10以上のもの)、枝分れα−オレフィン又はポリエン或いはこ
れらの組合せであっても(含んでいても)よく、これらは単独のα−オレフィン
コモノマーとして単独で用いてもよいし、さらに好ましくはC2〜C20α−オレ
フィン、特にC2〜C8α−オレフィン、特にエチレン、プロピレン又はエチレン
とプロピレンの混合物と組合せたターモノマーとして用いてもよい。
本明細書中で用いる「α−オレフィン」という用語は、通常のC2〜C20α−
オレフィンだけでなく、さらに長鎖のα−オレフィン、枝分れα−オレフィン及
びポリエンを包括的に意味する。本明細書中で用いる「コポリマー」という用語
は、2又はそれ以上の異なるモノマーを含んだ重合体を広く意味する。
一般に、本発明では、その環式オレフィンが、触媒存在下で(開環を実質的に
起こさずに)付加重合を受けるような環化エチレン性又はアセチレン性不飽和結
合を含んでいて、その不飽和結合の存在する環構造がポリマー主鎖に組込まれる
結果を与えるものであれば、如何なる環式オレフィンもα−オレフィンと共重合
させることができる。好適な環式オレフィンは一般に以下の諸式のいずれかに該
当する。
式中、各Raは独立に炭素、ケイ素、酸素、窒素又はホウ素を含んでなる2価
の基であって、好ましくは>C(Rq)Rr、>Si(Rq)Rr、>O、>NRq
、BRq又はこれらの組合せ、特に>C(Rq)Rrであり、各Ra乃至Rrは独立
に
水素、ハロゲン、ヒドロカルビル又はハロヒドロカルビルであり、ac及びbc
は1又はそれ以上の整数、好ましくは2又はそれ以上の整数であり、cc及びd
cは0又はそれ以上の整数である。
式1の環式オレフィンの代表的な具体例は、シクロブテン、シクロペンテン、
3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシク
ロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シ
クロヘキセン、3−メチルシクロヘキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4
−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロヘプテン、シク
ロドデセンなどである。式1の好ましいモノシクロオレフィンは炭素数4〜12
で、さらに好ましくは炭素数6〜8である。
式2又は式3の環式オレフィンは、デイールズ・アルダー反応によりシクロペ
ンタジエンと対応オレフィン及び/又はシクロオレフィンとを縮合させることに
よって製造することができる。式2の環式オレフィンの代表的な具体例は以下の
通りである。
ビシクロ(2.2.1)ヘプタ−2−エン;6−メチルビシクロ(2.2.1
)ヘプタ−2−エン;5,6−ジメチルビシクロ(2.2.1)ヘプタ−2−エ
ン;1−メチルビシクロ(2.2.1)ヘプタ−2−エン;6−エチルビシクロ
(2.2.1)ヘプタ−2−エン;6−n−ブチルビシクロ(2.2.1)ヘプ
タ−2−エン;6−イソブチルビシクロ(2.2.1)ヘプタ−2−エン;7−
メチルビシクロ(2.2.1)ヘプタ−2−エン;5−フェニルビシクロ(2.
2.1)ヘプタ−2−エン;5−メチル−5−フェニルビシクロ(2.2.1)
ヘプタ−2−エン;5−ベンジルビシクロ(2.2.1)ヘプタ−2−エン;5
−トリルビシクロ(2.2.1)ヘプタ−2−エン;5−エチルフェニルビシク
ロ(2.2.1)ヘプタ−2−エン;5−イソプロピルフェニルビシクロ(2.
2.1)ヘプタ−2−エン;5−α−ナフチルビシクロ(2.2.1)ヘプタ−
2−エン;5−アセトラセニルビシクロ(2.2.1)ヘプタ−2−エン;テト
ラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;ビシクロ(2.2.
2)オクタ−2−エン;1−メチルビシクロ(2.2.2)オクタ−2−エン;
5,6−ジメチルビシクロ(2.2.2)オクタ−2−エン;7−メチルビシク
ロ
(2.2.2)オクタ−2−エン;8−メチルビシクロ(2.2.2)オクタ−
2−エン;2−メチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデ
セン;2−エチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン
;2−プロピルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;
2−ヘキシルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;2
−ステアリルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;2
,3−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;
2−メチル−3−エチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ド
デセン;2−クロロテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセ
ン;2−ブロモテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;
2,3−ジクロロテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン
;2−シクロヘキシルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデ
セン;2−n−ブチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデ
セン;2−イソブチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデ
セン;5,10−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−
ドデセン;2,10−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−
3−ドデセン;11,12−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,1 0
)−3−ドデセン;2,7,9−トリメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5
.17,10)−3−ドデセン;9−エチル−2,7−ジメチルテトラシクロ(4.
4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;9−イソブチル−2,7−ジメチル
テトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;9,11,12
−トリメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;9
−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)
−3−ドデセン;9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ(4.4
.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;5,8,9,10−テトラメチルテト
ラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−メチルテトラシ
クロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−エチルテトラシクロ
(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−プロピルテトラシクロ(
4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−ヘキシルテトラシクロ(4
.4.0.
12,5.17,10)−3−ドデセン;8−ステアリルテトラシクロ(4.4.0.
12,5.17,10)−3−ドデセン;8,9−ジメチルテトラシクロ(4.4.0
.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−メチル−9−エチルテトラシクロ(4
.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−クロロテトラシクロ(4.4
.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−ブロモテトラシクロ(4.4.0
.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−フルオロテトラシクロ(4.4.0.
12,5.17,10)−3−ドデセン;8,9−ジクロロテトラシクロ(4.4.0
.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−シクロヘキシルテトラシクロ(4.4
.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−イソブチルテトラシクロ(4.4
.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−ブチルテトラシクロ(4.4.0
.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−エチリデンテトラシクロ(4.4.0
.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ
(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−エチリデン−9−エチル
テトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−エチリデン
−9−イソプロピルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセ
ン;8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)
−3−ドデセン;8−n−プロピリデンテトラシクロ(4.4.0.12,517,1 0
)−3−ドデセン;8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ(4.4
.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−n−プロピリデン−9−エチルテ
トラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−n−プロピリ
デン−9−イソプロピルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ド
デセン:8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ(4.4.0.12,5
.17,10)−3−ドデセン;8−イソプロピリデンテトラシクロ(4.4.0.
12,5.17,10)−3−ドデセン;8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシ
クロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−イソプロピリデン−
9−エチルテトラシクロ(4.4.0.12,5.17,10)−3−ドデセン;8−
イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ(4.4.0.12,517,10
)−3−ドデセン;8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ(4.4.
0.12,5.17,10)−3−ドデセン;ヘキサシクロ(6.6.1.13,6.
110,13.02,7.09,14)−4−ヘプタデセン;12−メチルヘキサシクロ(6
.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14)−4−ヘプタデセン;12−エチ
ルヘキサシクロ(6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14)−4−ヘプタ
デセン;12−イソブチルヘキサシクロ(6.6.1.13,6.110,13.02,7
.09,14)−4−ヘプタデセン;1,6,10−トリメチル−12−イソブチル
ヘキサシクロ(6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14)−4−ヘプタデ
セン;オクタシクロ(8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.
012,17)−5−ドデセン;15−メチルオクタシクロ(8.8.0.12,9.14,7
111,18.113,16.03,8.012,17)−5−ドデセン;及び15−エチルオ
クタシクロ(8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17)
−5−ドデセンである。
式3の環式オレフィンの代表的な具体例は以下の通りである。
トリシクロ(4.3.0.12,5)−3−デセン;2−メチルトリシクロ(4
.3.0.12,5)−3−デセン;5−メチルトリシクロ(4.3.0.12,5)
−3−デセン;トリシクロ(4.3.0.12,5)−7−デセン;2−メチルト
リシクロ(4.3.0.12,5)−7−デセン;5−メチルトリシクロ(4.3
.0.12,5)−3−デセン;トリシクロ(4.4.0.12,5)−3−ウンデセ
ン;10−メチルトリシクロ(4.4.0.12,5)−3−ウンデセン;ペンタ
シクロ(6.5.1.13,6.02,7.09,13)−4−ペンタデセン;ペンタシク
ロ(4.7.0.12,5.08,13.19,12)−3−ペンタデセン;7−メチルペ
ンタシクロ(4.7.0.12,5.08,13.19,12)−3−ペンタデセン;9−
メチルペンタシクロ(4.7.0.12,5.08,13.19,12)−3−ペンタデセ
ン;10−メチルペンタシクロ(4.7.0.12,5.08,13.19,12)−3−
ペンタデセン;11−メチルペンタシクロ(4.7.0.12,5.08,13.19,1
2)−3−ペンタデセン;12−メチルペンタシクロ(4.7.0.12,5.08, 13
19,12)−3−ペンタデセン;13−メチルペンタシクロ(4.7.0.12, 5
.08,13.19,12)−3−ペンタデセン;1,3−ジメチルペンタシクロ(6
.5.1.13,6.02,7.09,13)−4−ペンタデセン;1,6−ジメチルペン
タシクロ(6.5.1.13,6.02,7.09,13)−4−ペンタデセン;14,1
5−ジ
メチルペンタシクロ(6.5.1.13,6.02,7.09,13)−4−ペンタデセン
;ペンタシクロ(6.6.1.13,6.02,7.09,14)−4−ヘキサデセン;1
,3−ジメチルペンタシクロ(6.6.1.13,6.02,7.09,14)−4−ヘキ
サデセン;1,6−ジメチルペンタシクロ(6.6.1.13,6.02,7.09,14
)−4−ヘキサデセン;15,16−ジメチルペンタシクロ(6.6.1.13, 6
02,7.09,14)−4−ヘキサデセン;ヘプタシクロ(8.7.0.12,9.14 ,7
.111,17.03,8.012,16)−5−エイコセン;ヘプタシクロ(7.8.0
.13,6.02,7.110,17.011,16.112,15)−4−エイコセン;ヘプタシク
ロ(8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17)−5−ヘネイコセ
ン;ノナシクロ(9.10.1.14,7.03,8.02,10.012,21.113,20014 ,19
.115,18)−5−ペンタコセン;及びシクロペンタジエン−アセナフチレン
付加物である。
特に好ましい環式オレフィンには、シクロブテン、シクロペンテン、デルタサ
イクレン、ノルボルネン、メチルノルボルネン、テトラシクロドデセン、メチル
テトラシクロドデセン、ジメチルテトラシクロドデセン、トリシクロ(4.3.
0.12,5)−3−デセン及びペンタシクロ(4.7.0.12,5.08,13.19, 12
)が含まれる。これらの中では、ノルボルネンがその商業的入手容易性及び有
効性の点で好ましい。
コポリマーに高分子量を与えると共に/或いは官能化又は架橋のための残存懸
垂側鎖不飽和を与えるために、2又はそれ以上の二重結合を有するポリエンを任
意成分として比較的少量使用することもできる。ポリエンが2つ(又はそれ以上
)の部位で重合に関与し得る場合、これらのモノマーは低い組込み率で連鎖の延
長を促す傾向があって分子量を2倍又は4倍にも増大させることがありうるだけ
でなく、ゴム状貯蔵弾性曲線のプラトーが存在する上限温度を上昇させることも
ありうる。理想的には、ポリエンは、過度の架橋を起こしたり不溶性ゲルを生じ
てしまうような多量では存在しない。コポリマー中に任意成分のポリエンを0.
5〜3モル%配合することによって分子量を好適に増大させるのが好ましい。
好適な連鎖延長・分子量増加用ポリエンには、例えば1,4−ペンタジエン、
1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8
−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,10−ウンデカジエン、1,11−ド
デカジエン、1,12−トリデカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,1
4−ペンタデカジエン、1,15−ヘキサデカジエン、1,16−ヘプタデカジ
エン、1,17−オクタデカジエンなどの炭素数5〜18のα,ω−ジエンが含
まれる。
二重結合のうちの2つ(又はそれ以上)が重合反応に関与する特定の反応条件
下で十分な反応性を有する場合には、好適な任意成分のポリエンには一般に他の
線状又は枝分れ脂肪族ジエン及びトリエン、単環式ジエン及びトリエン、二環式
ジエン及びトリエン、多環式ジエン、芳香族ジエンなども含まれる。非共役ポリ
エンの代表的な具体例には、1,4−ヘキサジエン、6−メチル−1、4−ヘプ
タジエン、4−イソプロピル−1、4−ヘキサジエン、4−メチル−1、4−ヘ
キサジエン、5−メチル−1、4−ヘキサジエン、4−エチル−1、4−ヘキサ
ジエン、4−イソプロピル−1、4−ヘキサジエン、6−フェニル−4−プロピ
ル−1、4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1、4−ヘキサジエン、6−フ
ェニル−1、4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチ
ル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5,7−ジメ
チル−1,5−オクタジエン、4,5−ジプロピル−1,4−オクタジエン、5
−プロピル−6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−7−メチル−1
,6−オクタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−
オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,8−デカジエ
ン、1,9−デカジエン及び1,10−ウンデカジエン;ジシクロペンタジエン
、トリシクロペンタジエン、1−ビニル−4−(1−プロペニル)−シクロヘキ
サン、4−メチルシクロ−1,4−オクタジエン、4−メチル−5−プロピルシ
クロ−1,4−オクタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、4−メチル−5
−エチルジシクロペンタジエン、5−イソプロピルジシクロペンタジエン、1,
5,9−シクロドデカトリエン、4−(1−ブテニル−2)−スチレン、4−2
−ブテン−2−イル−スチレン及びtrans−1,2−ジビニルシクロブタン
、5−エチリデンノルボルネン−2、5−プロピリデンノルボルネン−2、5−
ブチリデンノルボルネン−2、5−イソプロピリデンノルボルネン−2、2−メ
チル−
2,5−ノルボルナジエン、5−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−プロ
ピル−2,5−ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−(2
−ブテニル)−2−ノルボルネン、3−ヘプチル−2,5−ノルボルナジエン、
2−エチル−3−プロピル−2,5−ノルボルナジエン、2−(1′,5′−ジ
メチルヘキセン−4−イル)−2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエ
ン、5−イソプロピルジシクロペンタジエン、5−イソプロピリデン−ビシクロ
(2.2.2)オクテン−2、5−エチリデンビシクロ(2.2.2)オクテン
−2、5−ブチリデンビシクロ(2.2.2)オクテン−2、2−エチルビシク
ロ(2.2.2)オクタジエン−2,5、2−メチル−3−エチル−ビシクロ(
2.2.2)オクタジエン−2,5、2−ヘキシルビシクロ(2.2.2)オク
タジエン−2,5、2−(1′,5′−ジメチルヘキセニル−4)ビシクロ(2
.2.2)オクタジエン−2,5、1−イソプロピリデンビシクロ(4.4.0
)デカジエン−2,6、2−イソプロピリデンビシクロ(4.4.0)デセン−
6、2−エチリデン−ビシクロ(4.4.0)デセン−6、3−エチリデンビシ
クロ(3.2.0)ヘプタジエン−2,6、3−メチルビシクロ(3.3.0)
オクタジエン−2,6、3−メチルテトラヒドロインデン、6−メチルテトラヒ
ドロインデン、2−プロピルテトラヒドロインデン、1−イソプロピリデンテト
ラヒドロインデン及び1−(1′−フェニル)−エチリデンテトラヒドロインデ
ンなどが含まれる。
好ましい実施態様において、重合方法は以下の引用例に開示されている方法で
、以下に引用例において言及されているイオン性触媒を使用して実施される。
米国特許番号 発行日
5,055,438 1991年10月8日
5,057,475 1991年10月15日
5,096,867 1992年3月17日
5,017,714 1991年5月21日
5,153,157 1992年10月6日
米国特許出願番号 出願日
468,382 1990年2月28日
542,236 1990年6月22日
737,611 1991年7月19日
885,170 1992年5月18日
926,006 1992年8月5日
欧州特許公開番号 公開日
129,368 1984年12月27日
277,003 1988年6月3日
277,004 1988年6月3日
これらは引用によって本明細書中に組み入れられている。
一般に、本発明のコポリマーの製造において使用される好ましい触媒系は、第
4族遷移金属成分と活性剤成分との混合時に形成される錯体を含むことができる
。この触媒系は、必要な遷移金属及びアルモキサン成分、又は予めカチオンによ
り活性化された遷移金属成分を、オレフィンの重合を溶液、スラリー、又は塊状
相重合法によって行うことのできる希釈剤中に添加することによって調製できる
。
第4族遷移金属化合物が重合希釈剤中に、好ましくは希釈剤1リットル当たり
約0.00001乃至約10.0ミリモルの濃度で、存在し、活性剤成分が、活
性剤成分の遷移金属に対するモル比が約0.5:1〜約2:1又はそれ以上にな
るような量で存在するとき、最適な結果が得られ、そしてアルモキサンの場合ア
ルモキサンの遷移金属に対するモル比は20,000:1のように高くてもよい
。反応中に触媒成分からの適切な熱伝達を与え、良好な混合を可能にするために
、通常、十分な量の溶媒が使用される。
触媒系の成分、即ち、遷移金属、アルモキサン及び/又はイオン性活性剤、及
び重合希釈剤は反応容器に急速に又はゆっくりと添加することができる。触媒成
分の接触の間維持される温度は、例えば、−100〜300℃のように広範囲に
変化できる。より高い温度又はより低い温度も使用できる。触媒系の形成中、反
応は約25〜100℃の温度範囲内に維持されるのが好ましく、約25℃が最も
好ましい。
好ましい実施態様において、触媒系は、α−オレフィンと環式オレフィンの、
液相(スラリー、溶液、懸濁、又は塊状相、又はそれらの組み合わせ)、高圧流
体相、又は気相(ここでは、α−オレフィンと環式オレフィンは十分に揮発性で
ある。例えばC8まで)共重合において使用される。これらのプロセスは単独で
又は直列的に行うことができる。液相プロセスは、適当な重合希釈剤中でα−オ
レフィン及び環式オレフィンを触媒系と接触させる工程、及び前記触媒系の存在
下に高分子量のコポリマーを製造するのに十分な温度で十分な時間前記モノマー
を反応させる工程を含む。α−オレフィンの共重合に対して最も好ましい条件は
、α−オレフィンが約0.019psi(0.13kPa)〜約50,000psi(3
45MPa)の圧力の反応領域に送られ、反応温度が約−100〜約300℃に維
持されるようなものである。反応時間は約10秒〜約4時間であるのが好ましい
。
α−オレフィンと環式オレフィンのコポリマーを製造するための重合の1例は
以下の通りである。攪拌されているタンク式反応器に、2−ノルボルネンのよう
な液体コモノマーを導入する。触媒系をノズルを通して蒸気相か又は液相に導入
する。供給物のエチレン(又はその他のオレフィン)ガスを、反応器の蒸気相に
導入するか、又は本技術分野で公知な方法で液相に散布する。反応器は、溶解し
たエチレンガスを含む実質的に液体のコモノマーから成る液体相と全てのモノマ
ーの蒸気から成る蒸気相を含む。反応器の温度と圧力は蒸発するコモノマーの還
流(自己冷却)、並びに冷却コイル、ジャケット、その他によって制御すること
ができる。重合速度は一般に触媒の濃度で制御される。ポリマー生成物のエチレ
ンとコモノマーの含有率は反応器中のエチレンのコモノマーに対する比率によっ
て決定され、これはこれらの成分の反応器への相対供給速度を操作することによ
って制御される。
別法として、α−オレフィン/環式オレフィンコポリマーは高圧法によって調
製できる。高圧重合は、管状又は攪拌されているオートクレーブ反応器中、約1
05〜約350℃、好ましくは約120〜約250℃の温度、及び100
バール(11MPa)〜3200バール(325MPa)、好ましくは200バール(
21MPa)〜1300バール(132MPa)の圧力において行われる。重合及び触
媒の失活後、生成物のポリマーは、例えば、未反応のα−オレフィンと未反応環
式オレフィンを幾つかの例において、特にコモノマーが比較的揮発性である場合
に、反応器への再循環用に蒸発させることができ、得られたポリマーを水中ペレ
タイザーに排出させることができる、連続した高圧と低圧の分離器のような、従
来的ポリマー回収装置を使用して回収できる。高圧法の利点は、環式オレフィン
の蒸発分離が、特に、コポリマー中へのコモノマーの所望の組み込みを得るため
に共重合中に使用される環式オレフィン:α−オレフィンの比率において、比較
的に効果的であるということである。顔料、酸化防止剤、及びその他の公知の添
加剤は、本技術分野において知られているように、ポリマーに添加することがで
きる。
共重合プロセスは連続式でも回分式の反応でもよい。典型的には、反応体が連
続的に反応器に供給され、生成物が連続的に引き出される連続式プロセスが経済
的な理由から商業的な製造方法において好ましい。連続式プロセスは、ポリマー
へのより均一なコモノマーの組み入れを促進するという利点も有する。
上述したように、いずれの適する配位触媒系も使用できる。しかしながら、触
媒系は、比較的高い含有率を組み入れる能力を有するのが好ましい。触媒系は、
約300以下の比較的低いα−オレフィン:環式オレフィン反応性比を有するの
が好ましく、100未満がより好ましく、特に約25〜約75である。従って、
遷移金属成分、及びその他の触媒系の成分の選択は、もう1つのパラメーターで
あり、これを、α−オレフィンの環式オレフィンに対する適切な供給速度の比率
においてコポリマーのα−オレフィン含有率を調節するのに利用できる。実施例
ノルボルネン共重合実施例1〜16
かい型攪拌機、温度制御用の外部水又は蒸気ジャケット、乾燥窒素、エチレン
、プロピレン、トルエン、及びヘキサンの制御可能な供給装置、及びコモノマー
、遷移金属化合物、助触媒、及び掃去剤溶液を導入するための隔壁入口を備えた
、1リットル又2リットルのオートクレーブ反応器中で重合を行った。使用の前
に
反応器を乾燥し徹底的にパージした。典型的な実験は、特定量の環式オレフィン
(典型的には、トルエン又はヘキサン溶媒中のもの)、及びエチレン又はプロピ
レンモノマー(液体又は気体として)を注入することから成る。反応器をその後
30℃〜80℃に加熱し、助触媒で予め活性化された遷移金属化合物のトルエン
溶液を、高圧の窒素を使用するカニューレによって系中に導入した。重合反応は
一般に10〜120分間行った。反応は系を急速に冷却し排気することによって
止めた。得られたポリマーはメタノール及び/又はイソプロパノール中での沈殿
、濾過、及び真空中環境温度から50℃までの温度で約12〜48時間の乾燥に
よって回収した。
助触媒は、メチルアルモキサン(MAO)、又はジメチルアニリニウムテトラ
(ペルフルオロフェニル)ボレート(dimethylanilinium tetra(perfluoropheny
l)borate)(DMAH B(pfp4))であった。掃去剤は、使用した場合、
ジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)、トリメチルアルミニウム(TMA
)、又はトリエチルアルミニウム(TEA)の2.0モル濃度溶液であった。以
下の遷移金属化合物(TMC)を使用した。
第1表は、プロセスの条件と収量を示す。プロセスの試験データは、遷移金属
触媒(TMC)、助触媒、及び掃去剤(使用した場合)の種類と有効量、溶媒の
種類(使用した場合)、エチレン(psi)又はプロピレン(ml又はpsi)モノマー
及びノルボルネンコモノマーの量、重合温度、及び反応時間を含む。結果はポリ
マー収量に関して示されている。
典型的なエチレン/ノルボルネン共重合の1例として(第1表中の実施例1を
参照のこと)、400mlのヘキサン中に溶解した15.5gのノルボルネンを上
述の反応器に添加した。エチレンを50 psig(345kPa)の圧力まで導入し、
反応器を加熱し(30℃)攪拌した。メタロセン(23.5mg)(モル過剰)及
び9.6の非配位性アニオン(DMAH B(pfp4))をトルエン(2〜3m
l)中においてCH4の発泡が止まるまで混合した。この2相の油/トルエン混合
物をバイアル中に隔壁で密封し、このバイアルをカニューレを経由して反応器に
接続し、その後、反応器にN2で加圧して入れた。重合反応は19分間行い、ポ
リマー収量は3.91gであった。
典型的なプロピレン/ノルボルネン共重合の1例として(第1表中の実施例6
を参照のこと)、400mlのヘキサン中に溶解した9.7gのノルボルネンを上
述の反応器に添加した。プロピレン(102ml)をN2の圧力を使用して添加し
、反応器を攪拌して加熱した(40℃)。12.3mgのメタロセンと7.0mgの
MAOを含むトルエン中の触媒溶液を混合し、その後カニューレによって反応器
に添加した。重合反応を24分間行い、その後、系を急速に冷却し排気すること
によって反応を止めた。粘稠溶液をMeOH中で沈殿させ、中程度から粗い濾板
で濾過し、上述したように真空中で乾燥することによって、得られたポリマー(
7.6g)を回収した。
コポリマーを、炭素核磁気共鳴(CNMR)及び/又はプロトンNMR(HN
MR)によるノルボルネン含有率;ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
よる分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn);示差走査熱量計(DSC)
及び/又は動的機械的熱分析(dynamic mechanical thermal analysis)(DM
TA)によるガラス転移温度(Tg)について選択的に試験した。DMTAは、
ポリマー・ラボラトリーズ・インク(Polymer Laboratories,Inc.)のDMTA
装置上で、1Hz及び10Hzで−120℃から150℃まで、製造業者によって推
奨されている方法に従って、単一片持ばりヘッド(single cantilever head)及
び2℃/分の温度傾斜を使用して行った。コポリマーサンプルの幾つかは、極限
引張り強さ;破断点伸び;150%歪みでの引張り強さ;サンプルを150%伸
びで10分間保持し、そのサンプルを10分間緩和させた後の回復率(100マイ
ナス残留伸び)のような物理的特性についても試験した。極限特性は、インスト
ロン(Instron)引張り試験装置上で、4インチ/分(10.16cm/分)、
(200%/分)で測定し、回復率のデータは20インチ/分(50.8cm/
分)、(1000%/分)で測定した。試験は特に指示しない限り環境条件で行
った。結果を第2表に示す。
実施例15、8、10、及び1のコポリマーに関するDMTAプロットが第1
〜4図にそれぞれ示されている。これらのコポリマーの全てがゴム状であるが、
実施例15のコポリマーはゴム状貯蔵弾性率、即ち、106〜108paの貯蔵弾性率
を有しており、それは約40℃から約150℃(DMTAの上限温度)まで高く
て平らな部分(plateaus)がある。これは、同様なノルボルネン含有率、高いM
w、及び狭いMWDを有する、実施例15に類似のコポリマーは、高温でゴム状
態を保つため、比較的高い使用温度を有することを意味する。しかしながら、実
施例8のコポリマーのように、Mwが中程度に低くなると、貯蔵弾性率の高い平
らな部分は低い方の温度(しかし、依然として約100℃以上)で次第に低くな
る傾向がある(第2図参照)。そして、Mwが約39,000まで下がると、実
施例10のコポリマーのように、ゴム状態を示す高い平らな部分は著しく低い温
度で落ちる傾向がある(第3図参照)。
同様に、Mwが高くても、MWDが比較的広いと、実施例1のコポリマーのよ
うに、ゴム状態を示す高くて平らな部分は低い方の温度で落ちる。従って、Mw
とMWDは、ゴム状態の貯蔵弾性率の高くて平らな部分の上限温度及びコポリマ
ーの使用温度にかなりの影響を与える。
好ましいことに、本発明のコポリマーの回復特性は、第5図に示されているよ
うに、多くのポリオレフィン並びにPVCに匹敵する。本発明のコポリマーは、
PVC及び改質ポリオレフィンより良好な85〜100%の範囲内の優れた回復
率を有するが、同時に、未改質のLDPE及びPVCに匹敵する強度(応力)も
有する。これらのデータは、サンプルを20インチ/分(50.8cm/分)で1
50%歪みまで引張り、そのサンプルを150%伸びで10分間保持し、そして
サンプルを10分間緩和させることによって得られた。
実施例15のエチレン−ノルボルネンコポリマーは市販のPVC(GEON 30;B
.F.Goodrich)とも比較したが、このPVCは23重量%のジイソノナルアダ
ペート(diisononal adapate)で可塑化され、1.5重量%のCaZnで熱安定
化され、典型的な食品包装用仕様を得ていた。GEON 30樹脂は可塑化前は約70
℃の計算されたTgを有していたが、可塑剤により約5℃であった。各材料のサ
ンプルをインストロン引張り装置上の環境チャンバー(environmental chamber
)を
使用して評価した。試験は、−15、−7、20、40、及び80℃で行った。
2つの材料の引張り特性を第3表に示す。
これらの結果は、ENBコポリマーが、PVC食品包装材料と比較して、より
良好な低温特性を有するが、そのTgより上では比較的低い機械的強度を有する
ことを示している。ENBコポリマーの回復率、、即ち、スナップバック記憶は
試験した温度範囲に渡ってPVCよりも良好であった。PVCサンプルは低温で
の延伸中に破断した。破断点伸びも試験した温度範囲に渡ってENBコポリマー
の方がPVCよりも高かった。しかしながら、ENBコポリマーは高温(約60
℃)で流れた。使用の上限温度は、小割合のジエンを共重合中に含有させること
によってENBコポリマーを軽く架橋させることにより容易に上げることができ
る。ENBコポリマーは既に比較例のPVCよりも低い使用の下限温度を有して
いるが、このコポリマーを従来的可塑剤とブレンドすることによってENBコポ
リマーの低温範囲を同様にさげることができる。ENBコポリマーは良好な低温
柔軟性とレジリエンスを有しているので、実施例15のENBコポリマーは、血液
バッグ及びチューブの縮れ(crimping)が低い貯蔵温度において防がれなければ
ならず、可塑剤による汚染が除去されなければならないような医療用の用途にお
いて使用できた。
以上の記載から明らかなように、調製した材料と使用した方法は、広い本発明
の内の特定の実施態様に関するものである。上述の一般的説明及び特定の実施態
様から、本発明の特定の形態がこれまで説明されてきたが、本発明の精神と範囲
から離れることなく種々の改良ができることが明らかである。従って、本発明は
それらによって限定されるものではない。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年1月20日
【補正内容】
メチルペンタシクロ(6.5.1.13,6.02,7.09,13)−4−ペンタデセン
;ペンタシクロ(6.6.1.13,6.02,7.09,14)−4−ヘキサデセン;1
,3−ジメチルペンタシクロ(6.6.1.13,6.02,7.09,14)−4−ヘキ
サデセン;1,6−ジメチルペンタシクロ(6.6.1.13,6.02,7.09,14
)−4−ヘキサデセン;15,16−ジメチルペンタシクロ(6.6.1.13, 6
02,7.09,14)−4−ヘキサデセン;ヘプタシクロ(8.7.0.12,9.14 ,7
.111,17.03,8.012,16)−5−エイコセン;ヘプタシクロ(7.8.0.
13,6.02,7.110,17.011,16.112,15)−4−エイコセン;ヘプタシクロ
(8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17)−5−ヘネイコセン
;ノナシクロ(9.10.1.14,7.03,8.02,10.012,21.113,20014,1 9
.115,18)−5−ペンタコセン;及びシクロペンタジエン−アセナフチレン付
加物である。
特に好ましい環式オレフィンには、シクロブテン、シクロペンテン、デルタサ
イクレン、ノルボルネン、メチルノルボルネン、テトラシクロドデセン、メチル
テトラシクロドデセン、ジメチルテトラシクロドデセン、トリシクロ(4.3.
0.12,5)−3−デセンが含まれる。これらの中では、ノルボルネンがその商
業的入手容易性及び有効性の点で好ましい。
コポリマーに高分子量を与えると共に/或いは官能化又は架橋のための残存懸
垂側鎖不飽和を与えるために、2又はそれ以上の二重結合を有するポリエンを任
意成分として比較的少量使用することもできる。ポリエンが2つ(又はそれ以上
)の部位で重合に関与し得る場合、これらのモノマーは低い組込み率で連鎖の延
長を促す傾向があって分子量を2倍又は4倍にも増大させることがありうるだけ
でなく、ゴム状貯蔵弾性曲線のプラトーが存在する上限温度を上昇させることも
ありうる。理想的には、ポリエンは、過度の架橋を起こしたり不溶性ゲルを生じ
てしまうような多量では存在しない。コポリマー中に任意成分のポリエンを0.
5〜3モル%配合することによって分子量を好適に増大させるのが好ましい。
好適な連鎖延長・分子量増加用ポリエンには、例えば1,4−ペンタジエン、
1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8
請求の範囲
1.本質的にジエンを含まず、10HzにおいてDMTAによって測定して−50
℃〜30℃の間のTgと少なくとも約30,000のMwを有し、1種以上のα
−オレフィンと約5〜約30モル%の1種以上の環式オレフィンを含むゴム状熱
可塑性コポリマーであって、そのガラス転移温度から約100℃までの温度範囲
にわたって弾性を有する、コポリマー。
2.エチレン、プロピレン、ブテン、3−メチルペンテン−1、又はそれらの組
み合わせを含む、請求項1のコポリマー。
3.環式オレフィンが、式:
又は
の内の1方によるものであり、式中、Raは>C(Rq)Rr、>Si(Rq)Rr
、>NRq、>BRq、>O、及びそれらの組み合わせから選択される二価の基で
あり;RbからRqは、独立に、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、又は
ハロヒドロカルビルであり;ac及びbcは1以上の整数であり;そしてcc及
びdcは0以上の整数であり、好ましくは、シクロブテン、シクロペンテン、デ
ルタシクレン、ノルボルネン、メチルノルボルネン、テトラシクロドデセン、メ
チルテトラシクロドデセン、ジメチルテトラシクロドデセン、トリシクロ(4.
3.0.12,5)−3−デセン、ペンタシクロ(4.7.0.12,5.08,13.19,12
)−3−ペンタデセン、又はそれらの組み合わせである、請求項1のコポリ
マー。
4.80〜90モル%のエチレン及び10〜20モル%のノルボルネンを含む、
請求項1乃至3のいずれか1請求項のコポリマー。
5.少なくとも5MPaの150%歪における応力、30%未満の永久歪、少なく
とも300%の破断点伸び、90,000以上のMw、2未満のMWD、及び1
又は10Hzの周波数において1から100MPaの間で70℃から150℃の温度
範囲においてゴム状態を示す貯蔵弾性率の高くて平らな部分を有する、請求項1
乃至4のいずれか1請求項のコポリマー。
6.請求項1乃至5のいずれか1請求項のコポリマーを含む、製品、フィルム、
食品包装材、血液バッグ、又は成形物、
7.本質的にジエンを含まず、150%の延伸状態から10分間の緩和後少なく
とも75%の弾性回復率を有する、請求項1乃至5のいずれか1請求項のコポリ
マー。
8.可塑剤をさらに含む、請求項1乃至5及び7のいずれか1請求項のコポリマ
ー。
9.少なくとも10モルの環式オレフィンと50℃以下のTgを有する、弾性α
−オレフィン/環式オレフィンコポリマーの製造方法であって、
1種以上のα−オレフィンを1種以上環式オレフィンと、活性化されたシクロ
ペンタジエニル第4族遷移金属触媒系の存在下に重合条件で接触させることを含
む、方法。
10.Tgが10HzにおいてDMTAによって測定して−50℃〜21℃の間であ
る、上記請求項のいずれか1請求項に記載のポリマー。
11.上記請求項のいずれか1請求項に記載のポリマーのフィルムとしての使用。
12.上記請求項のいずれか1請求項に記載のポリマーの食品包装材としての使用
。